JP2003328059A - 硬化型金合金 - Google Patents

硬化型金合金

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JP2003328059A
JP2003328059A JP2002135223A JP2002135223A JP2003328059A JP 2003328059 A JP2003328059 A JP 2003328059A JP 2002135223 A JP2002135223 A JP 2002135223A JP 2002135223 A JP2002135223 A JP 2002135223A JP 2003328059 A JP2003328059 A JP 2003328059A
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Taku Katayama
山 卓 片
Toshihiro Tachikawa
川 智 弘 立
Hiroshi Tamehiro
広 博 為
Takamitsu Takano
野 貴 光 高
Atsuko Takada
田 厚 子 高
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Matsuda Sangyo Co Ltd
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Matsuda Sangyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、純金に近い純度を有し、純
金本来の色調に近い色調を持ち、かつ、純金に比べて高
い硬度有する金合金を提供すること。 【解決手段】 本発明は、0.12〜0.28重量%の
イットリウムと、0.02〜0.18重量%のカルシウ
ムと、残部としての金とから実質的になることを特徴と
する硬化型金合金に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本発明は、金(Au)本来の色調を有すると同時に、高
い硬度を有する金合金、およびそのような金合金の製造
方法に関する。この金合金は、装飾品、装身具、眼鏡フ
レーム、時計側、鍵等の構造材料または機能材料として
好適に用いることができる。
【0002】従来技術 金合金は、その耐食性の良さ、色調、延性の良さ、およ
びその資産価値から装飾用の部材等としてしばしば用い
られる。一般的に、純度が99.7重量%以上の所謂純
金に近い組成を有する金合金(24K)は、硬度が低
く、傷つき易い性質を有している。このため、装飾用部
材としては、通常、純金に、Ag、Cu、さらにはN
i、PdおよびZnなどの金属を、25〜40重量%程
度含有させて硬度を高めた所謂14K(金の含量58.
3重量%程度)および18K(金の含量75重量%程
度)のような金合金が使用されている。
【0003】しかしながら、このように金の含量を減ら
した金合金は、純金本来の色調とはならず、その資産価
値もいきおい低下する。近年の装飾品に対する嗜好の多
様化にともなって、装飾品材料として、色調が純金本来
のものに近く、資産価値の高い、金の含量が高い金合金
の使用が望まれている。
【0004】純金は、通常、鋳造した後の状態では、そ
のビッカース硬さは30Hv程度しかない。これをさら
に、例えば、加工硬化処理を施したり、また加熱処理を
行ったりしても、一般的にその硬さを増加させることは
難しい。このように、純金は軟らかくて変形しやすく、
また傷が付きやすいことから、その装飾品としての当初
の美的価値を長期間に亘って維持することは困難であ
る。したがって、純金に近い純度(24K)を持ち、か
つ、耐食性および機械的強度に優れた金合金が望まれて
いる。
【0005】金合金を装飾品等の製品の材料として使用
する場合、一般的に、その成形過程において製品屑が生
ずる。製品屑は、集められて再度鋳造して、再度製品成
形に使用することが望ましいが、装飾品等に使用するよ
うな金合金を繰り返し鋳造すると、一般的に、その物理
特性(例えば硬さ)は低下していく。硬さの低下した金
合金は、装飾品等の製品用途に再度使用することは難し
い。このため、製品屑となった金合金は再利用し難いた
め、製品コストはいきおい上昇することとなる。従来知
られている硬化型金合金には、このような再鋳造性につ
いての充分な検討は、本発明者らの知る限り殆どなされ
ていない。このため、金合金による製品のコストを削減
する観点からも、製品を製造する上において、生じる製
品屑を再度鋳造して、さらに製品化することができる金
合金、換言すると再鋳造性に優れている金合金が望まれ
ている。
【0006】
【発明の概要】本発明者らは、今般、金合金を調製する
際において、特定量のイットリウム(Y)とカルシウム
(Ca)との両方を金に配合して鋳造することにより、
所謂24K相当の金含量を有する金合金に、高い硬さを
付与することができ、かつその色調も純金本来のものに
保持できることを見いだした。また、特定量のYとCa
とを金に配合して鋳造することにより得られた合金を、
さらに溶体化処理および時効硬化処理に順次付すことに
より、金合金の硬さを、一般的な金合金の場合に比べて
さらに顕著に高めることができることを本発明者らは見
いだした。本発明は、これらの知見に基づくものであ
る。
【0007】よって、本発明は、純金(24K)に近い
純度を有して、純金本来の色調に近い色調を持ち、か
つ、純金に比べて高い硬さを有する金合金を提供するこ
とをその目的としている。
【0008】本発明による硬化型金合金は、0.12〜
0.28重量%のYと、0.02〜0.18重量%のC
aと、残部としてのAuとから実質的になることを特徴
とする。本発明の一つの好ましい態様によれば、硬化型
金合金は、Yと、Caと、Auと、必要により追加成分
とを鋳造して得られる金合金を、溶体化処理に付し、つ
いで時効硬化処理に付すことにより得られるものであ
る。本発明の別の態様によれば、0.12〜0.28重
量%のYと、0.02〜0.18重量%のCaと、残部
としてのAuとから実質的になる混合成分を鋳造し、得
られた金合金を、溶体化処理に付し、ついで時効硬化処
理に付すことを含んでなる、硬化型金合金の製造方法が
提供される。
【0009】本発明による金合金は、上記のような組成
を有することにより、所謂24Kの金に近い色調を有す
ると同時に、鋳造ままの状態であっても、通常の純金に
比べて高い硬度を有するものである。このため、本発明
による金合金は、優れた耐食性、耐破損性、耐磨耗性、
耐かき傷性、および耐久性を有し、さらに優れた電気特
性および機械的強度を有する。また、この金合金は、鋳
造操作を繰り返しても金合金自体の物理特性は低下しに
くい、すなわち再鋳造性に優れたものである。このよう
なことから、本発明による金合金は、装飾品、装身具、
眼鏡フレーム、時計側、鍵等の構造材料または機能材料
として、好適に使用することができる。
【0010】
【発明の具体的説明】硬化型金合金 本発明による硬化型金合金は、Yと、Caと、残部とし
てのAuとから実質的になるものである。ここで、「か
ら実質的になる」とは、主成分として含まれる金に、金
の不可避的不純物が包含されてもよいことは当然とし
て、金合金が、後述する追加成分を必要に応じて包含し
てもよいことも意味する。また「硬化型」とは、市販の
24K相当の金インゴット、またはその金の鋳造ままの
状態における金の硬度(例えば、ビッカース硬さ)に比
べて、硬度が大きい場合のことを意味する。
【0011】本発明による金合金は、Auを主成分とす
るものである。本発明による金合金は、純金に近い色調
とすることが望ましいため、合金の色調が所望の状態を
維持できる限りにおいて、金合金における金含有量は適
宜決定することができる。典型的には、本発明による金
合金は、所謂24Kの金に相当するものであるため、そ
のような24Kの金における金含有量を有することが望
ましい。具体的には、本発明による金合金の金含有量
は、通常99.7重量%以上である。
【0012】前記したように、本発明による金合金は、
主成分としての金の他に、YとCaとの両方をそれぞれ
特定量で含んでなることが重要である。理論に拘束され
るものではないが、金合金において特定量のYおよびC
aが含まれると、Auマトリックス中に微細分散したA
u−Yの金属間化合物によって金合金が分散硬化され、
かつ、生成するAu−Caの金属間化合物が結晶粒界、
デンドライト境界に析出してその界面を著しく強化する
と推定される。これにより、所望する硬さを有する硬化
型の金合金を得ることができると考えられる。
【0013】ここで、この金合金に含まれるYの量は、
金合金全体に対して、典型的には0.12〜0.28重
量%であり、好ましくは0.15〜0.25重量%であ
る。またこの金合金に含まれるCaの量は、金合金全体
に対して、典型的には0.02〜0.18重量%であ
り、好ましくは0.05〜0.15重量%である。
【0014】本発明による金合金は、24K相当の金合
金における金含有量を有するものであるため、その金含
有量は通常99.7重量%以上である。したがって、金
以外の成分は、通常0.3重量%以下であることとな
り、YとCaの含有量の合計もこの範囲内の値をとるこ
ととなる。このため、金以外の成分が実質的にYおよび
Caからなる場合においては、Caの含有量は、Yの含
有量が決定すればおのずと決定されることとなる。
【0015】Caの含有量が0.02重量%未満である
と、生成されるAu−Caの金属間化合物の量が減少
し、金合金について十分な硬さが得られなくなることが
ある。また、Caの含有量が0.18重量%より大きい
場合、すなわちYの含有量が0.12重量%未満である
場合には、生成されるAu−Yの金属間化合物の量が減
少し、金合金の硬さを上げることができなくなることが
ある。
【0016】本発明の一つの好ましい態様によれば、金
合金は、ベリリウム(Be)、ボロン(B)、アルミニウ
ム(Al)、シリコン(Si)、ニッケル(Ni)、銅(C
u)、ゲルマニウム(Ge)、パラジウム(Pd)、スズ
(Sn)およびアンチモン(Sb)からなる群より選択
される追加成分を、0.02〜0.16重量%の量でさ
らに含んでなる。追加成分を必要に応じて加えることに
より、金合金の硬さをさらに上昇させることができる。
これら追加成分は、Auと金属間化合物を生成するか、
または、固溶し分散硬化、固溶硬化するため、金合金の
硬さをさらに上げることができると考えられる。
【0017】これらの含有量が0.02重量%未満であ
ると、生成される金属間化合物の量が減少し金合金の硬
さを上げる効果が不充分となることがある。また、これ
らの含有量が0.16重量%より多いと、必須成分であ
るYおよびCaの含有量が制限され、Au−Yの金属間
化合物およびAu−Caの金属間化合物の量が減少し、
金合金の硬さを充分に上げることができなくなることが
ある。なお、この追加成分を金合金に加える場合であっ
ても、金合金の色調を金本来の色にほぼ維持するため、
金合金における金含有量は少なくとも99.7重量%で
あることが望ましい。
【0018】本発明の別の好ましい態様によれば、金合
金は、その色調が金本来の色をほぼ維持できるような量
の金を含み、かつ、上記範囲のYおよびCa量を維持で
きる限りの量において、Yに加えて少なくとも1種の希
土類元素を0.02〜0.16重量%の範囲でさらに含
んでもよい。なお、この希土類元素の含有量をこのよう
な範囲としたのは、前記したBe、B、Al、Si、N
i、Cu、Ge、Pd、SnおよびSbの含有量を決定
した場合と同様の理由による。
【0019】本発明の金合金は、配合成分である、0.
12〜0.28重量%のYと、0.02〜0.18重量
%のCaと、残部としてのAuとを用意し、これらを溶
解させて凝固させる鋳造工程により、得ることができ
る。鋳造操作は、慣用の技術を適宜使用して行うことが
できる。本発明においては、この鋳造工程での加熱温度
は、通常1100〜1500℃の温度範囲である。な
お、この鋳造工程により得られた金合金の硬さは、典型
的には、ビッカース硬さで少なくとも45Hvである。
【0020】本発明の好ましい態様によれば、前記した
鋳造工程より得られる金合金を、さらに溶体化処理に付
し、ついで時効硬化処理に付すことにより、さらに硬質
の金合金を得ることができる。このような処理により得
られる金合金の硬さは、典型的には、ビッカース硬さで
少なくとも80Hvである。
【0021】本明細書において、溶体化処理としては、
慣用の溶体化処理を適宜採用することができるが、典型
的には、材料となる金合金を、700〜900℃の温度
範囲に例えば1〜2時間程度の間、加熱した後、急冷
(例えば、30℃まで冷却する)する操作を意味する。
溶体化処理にいて温度条件が700℃以下であると、鋳
造中に生成した金属間化合物が十分に固溶しなくなるこ
とがあり、また900℃以上の温度であると、金合金が
溶融しはじめ、固体状態での溶体化(組成の均一化)が
困難となって、硬度の増加効果を得ることが難しくなる
ことがある。本発明の好ましい態様によれば、溶体化処
理においては、材料となる金合金を、750〜850℃
の温度範囲で、0.5〜2時間の間加熱した後、急冷を
行う。
【0022】また、時効硬化処理としては、慣用の時効
硬化処理を適宜採用することができるが、典型的には、
材料となる金合金を、典型的には300〜500℃の温
度範囲に例えば1〜2時間程度の間、加熱した後、急冷
(例えば、30℃程度まで冷却する)する操作を意味す
る。時効硬化処理において、温度条件が500℃を超え
ると、金属間化合物が粗大化または溶解してしまい、硬
度の増加効果が十分に得られず、また、300℃以下で
あると、金属間化合物を充分に析出させるための、時効
時間が著しく長くなってしまう。これは工業的にも望ま
しくない。
【0023】本発明の好ましい態様によれば、時効硬化
処理においては、材料となる金合金を、350〜450
℃の温度範囲で、0.5〜2時間の間加熱した後、急冷
を行う。
【0024】本発明のより好ましい態様によれば、前記
したさらに硬質の金合金を得る方法において、時効硬化
処理を行う前に、少なくとも累積加工量30%の加工処
理を施すことをさらに含んでなることが好ましい。この
ため、前記した鋳造工程より得られた金合金を、溶体化
処理に付して、少なくとも累積加工量30%の加工処理
を施し、さらに、時効硬化処理に付すことにより、さら
に硬質の金合金を得ることができる。このような処理に
より得られる金合金の硬さは、典型的には、ビッカース
硬さで少なくとも170Hvである。
【0025】本明細書において、加工処理とは、材料に
塑性変形をもたらすことができる操作を施すことをい
い、冷間加工、温間加工、熱間加工のいずれであっても
よい。このような加工処理としては、例えば、操作とし
ては圧延、引抜き、押出し、打ち抜き等が挙げられる。
本発明における加工処理としては、好ましくは、圧延で
ある。理論に拘束されるものではないが、加工処理をさ
らに金合金に施すことにより、加工硬化と金属間化合物
の微細分散化が一層進み、金合金の硬さをさらに上昇さ
せることができると考えられる。また、本明細書におい
て、加工処理の累積加工量は、圧延の場合を例にとる
と、下記の通りに示すことができる:累積加工量=(加
工前の元の厚み−加工後の厚み)/加工前の元の厚み×
100(%)
【0026】本発明の好ましい態様によれば、該累積加
工量は、少なくとも30%である。累積加工量が30%
より小さいと、加工硬化による硬さの上昇効果が不十分
となることがある。一般的に、累積加工量が多くなると
加工された金属の硬さは増すが、90%以上ではほぼ飽
和する。このため、本発明において、該累積加工量は5
0〜90%であることがより好ましい。
【0027】本発明による硬化型金合金は、装飾品、装
身具、眼鏡フレーム、時計側、鍵等の構造材料または機
能材料として好適に用いることができる。したがって、
本発明の別の好ましい態様によれば、該硬化型金合金か
ら実質的に構成される金装飾品材が提供される。
【0028】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれらの実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0029】評価試験A: 硬化型金合金の硬さ 硬化型金合金の調製 Au 19.94g、Y 0.04g、およびCa 0.
02gを用意し(配合比:99.7重量%Au−0.2
重量%Y−0.1重量%Ca)、これらをカーボン坩堝
に入れアーク溶解炉内にセットした。該炉内を10−2
Torrまで減圧し、アルゴンガスで置換した後、前記
配合物を不活性雰囲気中にて溶解させた。溶解後、金合
金はカーボン坩堝内で放冷させ、鋳造ままの状態の金合
金を得た。
【0030】同様にして、下記表1に示すとおりの配合
比を有する金合金1〜8を調製した。以下において、こ
の段階で得られた金合金(すなわち、後述する熱処理お
よび加工処理を施していないもの)を、「鋳造ままの金
合金」ということがある。
【0031】 表1 含有量(重量%) Au Y Ca 金合金1(比較例) 99.7 0.30 0.00 金合金2 99.7 0.28 0.02 金合金3 99.7 0.25 0.05 金合金4 99.7 0.20 0.10 金合金5 99.7 0.15 0.15 金合金6 99.7 0.12 0.18 金合金7(比較例) 99.7 0.10 0.20 金合金8(比較例) 99.7 0.05 0.25
【0032】熱処理 前記で得られた鋳造ままの金合金1〜8にそれぞれ、溶
体化処理(800℃に1時間維持した後、水冷する)を
施し、ついで時効硬化処理(400℃に1時間維持した
後、水冷する)を施した。以下において、この処理後の
金合金を「熱処理後の金合金」ということがある。
【0033】加工処理 前記で得られた鋳造ままの金合金1〜8にそれぞれ、溶
体化処理(800℃に1時間維持した後、水冷する)を
施し、ついで累積加工量が50%となるように圧延した
後、時効硬化処理(400℃に1時間維持した後、水冷
する)を施した。以下において、この処理後の金合金を
「加工処理後の金合金」ということがある。
【0034】硬さ測定 金合金1〜8のそれぞれについて、「鋳造まま」、「熱
処理後」、および「加工処理後」の各段階におけるその
硬さを、ビッカース硬さ計で測定した。結果は表2に示
されるとおりであった。
【0035】 表2 ビッカース硬さ(Hv) 鋳造まま 熱処理後 加工処理後 金合金1(比較例) 35 60 125 金合金2 46 75 175 金合金3 46 77 175 金合金4 46 80 180 金合金5 47 78 175 金合金6 47 75 174 金合金7(比較例) 43 58 120 金合金8(比較例) 37 55 120
【0036】評価試験B: 硬化型金合金の再鋳造性 Au 19.94g、Y 0.04g、およびCa 0.
02gを用意し(配合比:99.7重量%Au−0.2
重量%Y−0.1重量%Ca)、これらをカーボン坩堝
に入れアーク溶解炉内にセットした。該炉内を10−2
Torrまで減圧し、アルゴンガスで置換した後、前記
配合物を不活性雰囲気中にて溶解させた。溶解後、金合
金はカーボン坩堝内で放冷させ、鋳造ままの状態の金合
金を得た。以下において、この金合金を鋳造後(1回
目)後の金合金という。
【0037】ついで前記の金合金を、溶体化処理(80
0℃に1時間維持した後、水冷する)に付した後、放冷
して、金合金を得た。以下において、この金合金を溶体
化処理(1回目)後の金合金という。
【0038】溶体化処理後の金合金を、時効硬化処理
(400℃に1時間維持した後、水冷する)に付した
後、放冷して、金合金を得た。以下において、この金合
金を時効硬化処理(1回目)後の金合金という。
【0039】時効硬化処理後の金合金を、前記した鋳造
条件で再度鋳造処理に付し、鋳造後(2回目)後の金合
金を得た。同様にして、鋳造処理、溶体化処理、および
時効硬化処理を繰り返し、各処理の回数毎に、処理後の
金合金の硬さ(ビッカース硬さ)を測定した。このよう
にして鋳造を繰り返すことの金合金硬さへの影響を調べ
た。
【0040】結果は表3に示されるとおりであった。
【0041】 表3 金合金の硬さ(ビッカース硬さ(Hv)) 鋳造処理 溶体化処理 時効硬化処理 処理 1回目 47 54 80 処理 2回目 48 55 80 処理 3回目 47 55 79 処理 4回目 47 55 79
【0042】以上のような結果から、鋳造処理、溶体化
処理、および時効硬化処理を順に合金に適用し、この処
理を4回繰り返した場合であっても、金合金硬さなどの
物理特性は殆ど低下しないことがわかった。このように
本発明に従う金合金は再鋳造性に優れているということ
ができる。このような金合金を装飾品等の製品に使用す
ることにより、製品の製造コストを大幅に削減できると
考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 682 C22F 1/00 682 691 691B 692 692A (72)発明者 為 広 博 千葉県習志野市津田沼二丁目17番1号 千 葉工業大学内 (72)発明者 高 野 貴 光 千葉県習志野市津田沼二丁目17番1号 千 葉工業大学内 (72)発明者 高 田 厚 子 千葉県習志野市津田沼二丁目17番1号 千 葉工業大学内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.12〜0.28重量%のイットリウム
    (Y)と、 0.02〜0.18重量%のカルシウム(Ca)と、 残部としての金(Au)とから実質的になることを特徴
    とする、硬化型金合金。
  2. 【請求項2】金の含有量が少なくとも99.7重量%で
    あり、かつベリリウム(Be)、ボロン(B)、アルミニ
    ウム(Al)、シリコン(Si)、ニッケル(Ni)、銅
    (Cu)、ゲルマニウム(Ge)、パラジウム(Pd)、スズ
    (Sn)およびアンチモン(Sb)からなる群より選択
    される追加成分を、0.02〜0.16重量%の量でさ
    らに含んでなる、請求項1に記載の硬化型金合金。
  3. 【請求項3】金の含有量が少なくとも99.7重量%で
    あり、かつ 少なくとも1種の希土類元素を0.02〜0.16重量
    %の量でさらに含んでなる、請求項1または2に記載の
    硬化型金合金。
  4. 【請求項4】Yと、Caと、Auと、必要により追加成
    分とを鋳造して得られる金合金を、溶体化処理に付し、
    ついで時効硬化処理に付すことにより得られる、請求項
    1〜3のいずれか一項に記載の硬化型金合金。
  5. 【請求項5】Yと、Caと、Auと、必要により追加成
    分とを鋳造して得られる金合金を、溶体化処理に付し
    て、少なくとも累積加工量30%の加工処理を施し、さ
    らに、時効硬化処理に付すことにより得られる、請求項
    1〜3のいずれか一項に記載の硬化型金合金。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか一項に記載の金合
    金から実質的に構成される、金装飾品材。
  7. 【請求項7】0.12〜0.28重量%のYと、0.0
    2〜0.18重量%のCaと、残部としてのAuとから
    実質的になる混合成分を鋳造し、得られた金合金を、溶
    体化処理に付し、ついで時効硬化処理に付すことを含ん
    でなる、硬化型金合金の製造方法。
  8. 【請求項8】時効硬化処理を行う前に、少なくとも累積
    加工量30%の加工処理を金合金に施すことをさらに含
    んでなる、請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】溶体化処理が、700〜900℃の範囲の
    温度に加熱して急冷することを含んでなる、請求項7ま
    たは8に記載の方法。
  10. 【請求項10】時効硬化処理が、300〜500℃の範
    囲の温度に加熱して急冷することを含んでなる、請求項
    7〜9のいずれか一項に記載の方法。
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