JP2003327957A - 伝熱媒体組成物 - Google Patents

伝熱媒体組成物

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JP2003327957A
JP2003327957A JP2002132449A JP2002132449A JP2003327957A JP 2003327957 A JP2003327957 A JP 2003327957A JP 2002132449 A JP2002132449 A JP 2002132449A JP 2002132449 A JP2002132449 A JP 2002132449A JP 2003327957 A JP2003327957 A JP 2003327957A
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alkali metal
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JP2002132449A
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Yasuaki Mori
泰昭 森
Shizui Sakaida
志瑞 酒井田
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CCI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐酸化劣化性を有して、長期間にわた
って金属に対する腐食防止性維持することができる、伝
熱媒体組成物を提供すること。 【解決手段】 グリコール類及び/またはグリセリンを
主成分とし、成分中に脂肪族二塩基酸またはそのアルカ
リ金属塩、安息香酸またはそのアルカリ金属塩、トリア
ゾール類及びチアゾール類を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソーラーシステム
や床暖房システム、空調設備等に使用される伝熱媒体組
成物に関するものであり、特には、鉄や非鉄系金属を成
分とする金属に対し、長期にわたって優れた腐食防止機
能を有する伝熱媒体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ソーラーシステムや床暖房システ
ム等に使用される伝熱媒体としてのブラインは、安全性
の観点からプロピレングリコールを主成分としたものが
使用されている。しかし、プロピレングリコールは長期
間の使用により、熱による分解、酸化が進んでブライン
としての性能が劣化するとともに、ソーラーシステム等
の設備を構成する金属材料に対して腐食性を示すため、
3年程度の短期間毎にブラインを交換する必要があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、長
期間わたって優れた防食性を維持する高防食耐久性の伝
熱媒体組成物を提供することを課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、まず請求項1に記載の発明が採った手段は、グリコ
ール類及び/またはグリセリンと水とを主成分とし、成
分中にa)C8〜C12の脂肪族二塩基酸またはそのア
ルカリ金属塩の中から選ばれた少なくとも1種を0.5
〜5.0重量%、b)安息香酸又はそれらのアルカリ金
属塩の中から選ばれた少なくとも1種を0.5〜5.0
重量%、c)トリアゾール類を0.05〜1.0重量
%、d)チアゾール類を0.01〜0.5重量%、の割
合で含有することを特徴とする伝熱媒体組成物である。
【0005】また、請求項2に記載の発明が採った手段
は、前記グリコール類がプロピレングリコールであるこ
とを特徴とする伝熱媒体組成物であり、請求項3に記載
の発明が採った手段は、前記グリコール類がエチレング
リコールであることを特徴とする伝熱媒体組成物であ
る。
【0006】さらに、請求項4に記載の発明が採った手
段は、リン酸塩を含有しないことを特徴とする請求項1
から3に記載の伝熱媒体組成物である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の伝熱媒体組成物は、グリ
コール類及び/またはグリセリンを主成分とする。グリ
コール類及び/またはグリセリンとしては、例えば、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレング
リコール、ブチレングリコール、1,3−ブチレングリ
コール、ヘキシレングリコール及びグリセリン等を単独
または複数組み合わせて用いることができる。この中で
も、特に、プロピレングリコール、エチレングリコール
を用いることが化学的安定性、価格、安全性等の点から
より好ましい。
【0008】このような主成分たるグリコール類及び/
またはグリセリンに、C8〜12の脂肪族二塩基酸また
はそのアルカリ金属塩から選ばれた少なくとも一種と、
安息香酸類またはそれらのアルカリ金属塩の中から選ば
れた少なくとも一種と、トリアゾール類と、チアゾール
類とが含まれる。
【0009】C8〜12の脂肪族二塩基酸としては、例
えば、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデ
カン二酸、ドデカン二酸、ジシクロペンタジエンの二酸
等が挙げられ、また、これらのアルカリ金属塩を形成す
るアルカリ金属としてはナトリウム、カリウム等が挙げ
られる。このような脂肪族二塩基酸及び該二塩基酸のア
ルカリ金属塩は単独または複数を組み合わせて用いるこ
とができる。
【0010】C8〜12の脂肪族二塩基酸またはそのア
ルカリ金属塩は、冷却または加熱系統を構成する金属、
特に鉄、アルミニウム等の非鉄系金属を成分とする金属
の腐食を防止する。
【0011】脂肪族二塩基酸またはそのアルカリ金属塩
の含有量は、0.5〜5.0重量%とする。含有量が
0.5重量%未満であると十分な腐食防止機能が得られ
ず、また、5.0重量%を超えて含有していても腐食防
止機能はあまり向上せず経済的にも無駄であるからであ
る。
【0012】安息香酸のアルカリ金属塩としては、例え
ば、安息香酸ナトリウム塩、安息香酸カリウム塩が挙げ
られる。安息香酸または安息香酸のアルカリ金属塩は、
単独または複数を組み合わせて用いることができる。
【0013】安息香酸またはそのアルカリ金属塩は、上
記の脂肪族二塩基酸と共存させることにより、脂肪族二
塩基酸またはそのアルカリ塩だけで使用した場合に比べ
て、冷却または加熱系統を構成する金属、特に鉄、アル
ミニウム等の非鉄系金属に対する腐食防止機能をより向
上させることができる。
【0014】安息香酸またはそのアルカリ金属塩の含有
量は、0.5〜5.0重量%とする。含有量が0.5重
量%未満であると十分な腐食防止機能が得られず、ま
た、5.0重量%を超えて含有していても腐食防止機能
はあまり向上しないからである。
【0015】トリアゾール類としては、例えば、ベンゾ
トリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、トリルトリ
アゾール、4−フェニル−1,2,3−トリアゾール、
2−ナフトトリアゾールあるいは4−ニトロベンゾトリ
アゾールが挙げられ、これらを単独または複数を組み合
わせて用いることができる。
【0016】このトリアゾール類は、金属、特に銅、ア
ルミニウムを成分とする金属に対して優れた腐食防止性
を示す。このトリアゾール類の含有量は、0.05〜
1.0重量%とする。
【0017】チアゾール類としては、メルカプトベンゾ
チアゾールまたはこのナトリウム塩が挙げられる。チア
ゾール類もトリアゾール類と同様に、金属、特に銅を成
分とする金属に対して優れた腐食防止性を示す。このチ
アゾール類の含有量は、0.01〜0.5重量%とす
る。
【0018】尚、この伝熱媒体組成物には、前記の成分
以外に例えば消泡剤、着色剤等を含有させてもよいし、
他の従来公知の腐食防止剤である、モリブデン酸塩、タ
ングステン酸塩、硫酸塩、硝酸塩などを添加してもよ
い。
【0019】以下に本発明の実施例について、比較例及
び従来例を挙げて説明する。表1には、実施例、比較例
1〜3及び従来例1、2の伝熱媒体組成物を示してい
る。実施例は、プロピレングリコール、安息香酸ナトリ
ウム、セバシン酸、トリルトリアゾール、2−メルカプ
トベンゾチアゾールソーダ及び水とから構成される。
【0020】比較例1は、実施例からセバシン酸と水酸
化カリウムを除いたものである。
【0021】比較例2は、実施例から2−メルカプトベ
ンゾチアゾールソーダを除いたものである。
【0022】比較例3は、実施例からトリルトリアゾー
ルと2−メルカプトベンゾチアゾールソーダを除いたも
のである。
【0023】従来例1は、プロピレングリコール、リン
酸水素ナトリウム、亜硝酸ナトリウム及び水とから構成
される。
【0024】従来例2は、プロピレングリコール、安息
香酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、トリルトリアゾー
ル及び水とから構成される。
【0025】尚、実施例、比較例2、3に添加される水
酸化カリウムは、各伝熱媒体組成物のpHを8.0に調
整するために添加されるものである。
【0026】
【表1】
【0027】上記表1に示す実施例、比較例1〜3並び
に従来例1、2の各サンプルについて酸化劣化試験及び
金属腐食性試験を行った。
【0028】酸化劣化試験は、JISK2234不凍液
の7.4の規定に準じて行った。試験方法は、1Lのト
ールビーカーに各サンプルを750mLずつ採取した
後、銅板800cm2を浸漬し、乾燥空気を100mL
/minの流量で吹き込みながら、100℃で500時
間加熱劣化処理を行った。そして、加熱劣化処理後の各
サンプルについて、pH値及び劣化生成物量を測定し
た。
【0029】金属腐食性試験は、JISK2234不凍
液の7.4の規定に準じて行った。試験液には、上記の
酸化劣化試験で加熱劣化処理した各サンプルをイオン交
換水で50容量%に希釈したもの用いた。これらの希釈
溶液をそれぞれ1Lのトールビーカーに750mLずつ
採取し、アルミニウム鋳物、鋳鉄、鋼、黄銅及び銅の金
属試験片をそれぞれ浸漬して、上記の酸化劣化試験と同
様に、乾燥空気を100mL/minの流量で吹き込み
ながら100℃で500時間加熱した。その後、各金属
試験片の質量変化量を求めるとともに、試験後の各金属
試験片の外観と、試験後の試験液の外観とを観察した。
【0030】酸化劣化試験の結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】表2の酸化劣化試験の結果に示すように、
実施例の伝熱媒体組成物は、比較例1〜3及び従来例
1、2のいずれと比較しても、pH変化量と劣化物生成
量ととにも最も少なかった。特に、劣化物生成量におい
ては、本発明の構成要素のいずれも含まない従来例1と
比較すると1/7の生成量であり、優れた酸化劣化抑制
能を示した。
【0033】また、実施例は、本発明の構成要素のうち
セバシン酸を欠く比較例1と、2−メルカプトベンゾチ
アゾールを欠く比較例2及びトリルトリアゾールと2−
メルカプトベンゾチアゾールとを欠く比較例3と比較し
た場合においても、劣化物生成量は少ないことから、安
息香酸ナトリウム、セバシン酸、トリルトリアゾールお
よび2−メルカプトベンゾチアゾールソーダが共存する
ときにのみ優れた酸化劣化抑制効果を奏することがわか
る。
【0034】次に、金属腐食性試験の結果を表3に示
す。
【0035】
【表3】
【0036】表3の金属腐食性試験の結果に示すよう
に、実施例に浸漬した各金属試験片の質量変化は、比較
例1〜3及び従来例1、2に浸漬した各金属試験片と比
較して極めて少なく、また、各金属試験片の外観にも腐
食や肌あれといった異状は確認されなかった。さらに、
試験後の試験液にも変色や異臭の発生はみられなかっ
た。このように、実施例は、金属に対して優れた腐食防
止効果を有するとともに、耐酸化劣化性に優れているこ
とがわかる。
【0037】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明に係る伝熱
媒体組成物によれば、グリコール類及び/またはグリセ
リンと水とを主成分とし、成分中にa)C8〜C12の
脂肪族二塩基酸またはそのアルカリ金属塩の中から選ば
れた少なくとも1種を0.5〜5.0重量%、b)安息
香酸又はそれらのアルカリ金属塩の中から選ばれた少な
くとも1種を0.5〜5.0重量%、c)トリアゾール
類を0.05〜1.0重量%、d)チアゾール類を0.
01〜0.5重量%、の割合で含有して構成することに
より、優れた耐酸化劣化性を有するとともに、金属に対
する腐食防止機能を有する。これにより、初期の性能を
維持したまま長期間にわたって使用することが可能とな
るので、頻繁に交換を行う必要がなくなり、メンテナン
スに要する手間やコストを軽減することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリコール類及び/またはグリセリンと
    水とを主成分とし、成分中に a)C8〜C12の脂肪族二塩基酸またはそのアルカリ
    金属塩の中から選ばれた少なくとも1種を0.5〜5.
    0重量%、 b)安息香酸又はそれらのアルカリ金属塩の中から選ば
    れた少なくとも1種を0.5〜5.0重量%、 c)トリアゾール類を0.05〜1.0重量%、 d)チアゾール類を0.01〜0.5重量%、 の割合で含有することを特徴とする伝熱媒体組成物。
  2. 【請求項2】 前記グリコール類がプロピレングリコー
    ルであることを特徴とする伝熱媒体組成物。
  3. 【請求項3】 前記グリコール類がエチレングリコール
    であることを特徴とする伝熱媒体組成物。
  4. 【請求項4】 リン酸塩を含有しないことを特徴とする
    請求項1から3に記載の伝熱媒体組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009256524A (ja) * 2008-04-21 2009-11-05 Cci Corp 熱媒体組成物

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