JP2003327860A - 着色組成物、着色微粒子分散物、インクジェット用インク、インクジェット記録方法 - Google Patents

着色組成物、着色微粒子分散物、インクジェット用インク、インクジェット記録方法

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JP2003327860A
JP2003327860A JP2002133967A JP2002133967A JP2003327860A JP 2003327860 A JP2003327860 A JP 2003327860A JP 2002133967 A JP2002133967 A JP 2002133967A JP 2002133967 A JP2002133967 A JP 2002133967A JP 2003327860 A JP2003327860 A JP 2003327860A
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acid
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colored fine
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JP2002133967A
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Koji Ofuku
幸司 大福
真理 ▲高▼橋
Mari Takahashi
Akio Miura
紀生 三浦
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 色画像の耐水性、耐光性に優れ、良好な色再
現性を得ることのできる色調に優れた着色組成物、着色
微粒子分散物、これを用いた色再現性及び安定性に優れ
たインクジェット用インク及びインクジェット記録方法
を提供する。 【解決手段】 含窒素5員複素環の縮合環を有するアゾ
メチン色素例えば式1−1で表わされる色素を含有する
ことを特徴とする着色組成物。また、該色素とポリマー
を含有する着色微粒子を水系媒体に分散してなることを
特徴とする着色微粒子分散物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は分散安定性に優れた
着色組成物、着色微粒子分散物に関するものであり、
又、これを用いた色再現性及び安定性に優れたインクジ
ェット用インク及びインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プリンタ、印刷機、マーカー、筆
記具等に用いられる記録材料、インキング材料にも脱溶
剤化、水性化が求められてきている。特にインクジェッ
ト記録に用いられる水性の記録材料としては水溶性染料
の水溶液を主体としたものが広く用いられている。
【0003】水溶性染料を用いた水性インクとしては主
として酸性染料、直接染料、一部の食品用染料等に分類
される水溶性染料の水溶液に、保湿剤としてグリコール
類、アルカノールアミン類、表面張力の調整のための界
面活性剤、更に必要に応じて増粘剤等を添加したものが
用いられている。これら水溶性染料を用いた水性インク
は、筆先、あるいはプリンターでの目詰まりに対する高
い信頼性から、最も一般的に用いられているが、記録紙
上でにじみやすく、使用用途の限定、記録品位の低下を
余儀なくされている。即ち、記録紙に単に浸透し、乾燥
固着しているだけの水溶性染料は「染着」しているとは
いい難く、耐候堅牢度は非常に低い。
【0004】又、水溶性染料を用いた水性インクの耐水
性、耐光堅牢性が低いという問題を解決するために油溶
性染料ないし疎水性染料により水分散性樹脂を着色する
提案がインクジェット記録用インクとしてなされてい
る。例えば特開昭55−139471号、特開昭58−
45272号、特開平3−250069号、特開平8−
253720号、特開平8−92513号、特開平8−
183920号、特開2001−11347等には油溶
性染料によって染色された乳化重合粒子または分散した
重合粒子を用いたインクが提案されている。
【0005】しかし、上記重合粒子を用いたインクは粒
子同士の凝集、沈降が起こりやすくインクの安定性に劣
っていた。また、印字した場合の色相に難点があり、印
字濃度も低いという欠点を有していた。
【0006】一方、特開2001−181547、同2
001−271000、同2001−271002、同
2001−294770、同2001−294771、
同2001−261990には特定の油溶性色素と油溶
性ポリマーとを含む着色微粒子を水系媒体に分散してな
るインクが開示されている。
【0007】これらのインクは上記の欠点である粒子同
士の凝集、沈降、色相劣化、低濃度といった欠点に対し
て一定の改良が見られているが、そのレベルは十分とは
言いがたい。また印字した画像の耐光性という点では全
く不充分であり大幅な改良が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、色画
像の耐水性、耐光性に優れ、良好な色再現性を得ること
のできる色調に優れた着色組成物、着色微粒子分散物、
これを用いた色再現性及び安定性に優れたインクジェッ
ト用インク及びインクジェット記録方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、以下の構成によって上記課題が達成され
ることを見出した。
【0010】1.前記一般式(1)で表される色素の少
なくとも1種を含有することを特徴とする着色組成物。
【0011】2.前記一般式(2)で表される色素の少
なくとも1種を含有することを特徴とする着色組成物。
【0012】3.前記一般式(3)で表される色素の少
なくとも1種を含有することを特徴とする着色組成物。
【0013】4.前記一般式(1)〜(3)のいずれか
で表される色素とポリマーを含有する着色微粒子を水系
媒体に分散してなることを特徴とする着色微粒子分散
物。
【0014】5.前記一般式(1)〜(3)のいずれか
で表される色素、ポリマーおよび沸点150℃以上の高
沸点有機溶媒を含有する着色微粒子を水系媒体に分散し
てなる着色微粒子分散物。
【0015】6.前記4又は5に記載の着色微粒子分散
物をコアとし、この周りにポリマーシェルを形成し、コ
ア/シェル構造とすることを特徴とする着色微粒子分散
物。
【0016】7.前記1〜3のいずれか1項に記載の着
色組成物又は前記4〜6のいずれか1項に記載の着色微
粒子分散物を含有することを特徴とするインクジェット
用インク。
【0017】8.前記7に記載のインクジェット用イン
クを用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。
【0019】まず、本発明に係る色素について詳述す
る。一般式(1)においてQ1は(Cp−1)〜(Cp
−17)で表される基を表す。
【0020】一般式(1)中、Aは−NR34またはヒ
ドロキシ基を表わし、R3およびR4はそれぞれ独立に水
素原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表わ
す。具体的には、R3およびR4で表される基としては、
それぞれ独立に、水素原子、直鎖、分岐、環状の置換も
しくは無置換のアルキル基、例えば、アルキル基(好ま
しくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、
エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n
−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シア
ノエチル、2−エチルヘキシル)、シクロアルキル基
(好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換の
シクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペ
ンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロ
アルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換もし
くは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5か
ら30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去っ
た一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘ
プタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−
3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包
含する。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例え
ばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のア
ルキル基を表す。
【0021】アリール基としては、好ましくは炭素数6
から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフ
ェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、
o−ヘキサデカノイルアミノフェニル等の基が、複素環
基としては、好ましくは5または6員の置換もしくは無
置換の、芳香族もしくは非芳香族の複素環化合物から一
個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好まし
くは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族の複
素環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2
−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル等の基を表す。
【0022】R3およびR4がアルキル基、アリール基ま
たは複素環基である場合、R3およびR4で表される基は
さらに置換基を有してもよい。好ましい置換基として
は、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビ
シクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアル
ケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル
基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシル
基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、シリルオキシ基、複素環オキシ基、アシル
オキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニ
ルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ
基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカル
ボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリ
ールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ
基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、メル
カプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チ
オ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルおよびア
リールスルフィニル基、アルキルおよびアリールスルホ
ニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アル
コキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールおよび
複素環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル
基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シ
リル基が例として挙げられる。
【0023】更に詳しくは、ハロゲン原子(例えば、塩
素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基〔直鎖、
分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。
アルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル
基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロ
ロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル)、
シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置
換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘ
キシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキ
シル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5か
ら30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つ
まり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原
子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ
[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,
2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリ
シクロ構造なども包含する。〕、アルケニル基〔直鎖、
分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表
す。アルケニル基(好ましくは炭素数2から30の置換
または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリ
ル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニ
ル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無
置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30
のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基
である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−
シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基
(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好まし
くは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシク
ロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロア
ルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例
えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−
イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−
イル)〕、アルキニル基(好ましくは、炭素数2から3
0の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニ
ル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)、ア
リール基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは
無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナ
フチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルア
ミノフェニル)、複素環基(好ましくは5または6員の
置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族の複素
環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であ
り、更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6
員の芳香族の複素環基である。例えば、2−フリル、2
−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリ
ル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキ
シル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1から30
の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキ
シ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オ
クチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキ
シ基(好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無
置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メ
チルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニト
ロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキ
シ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3から20
のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、
t−ブチルジメチルシリルオキシ)、複素環オキシ基
(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換
の複素環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オ
キシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキ
シ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2から30
の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、
炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカル
ボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオ
キシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾ
イルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキ
シ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1か
ら30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、
例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N
−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニル
オキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオ
キシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコ
キシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から3
0の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ
基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボ
ニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オク
チルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオ
キシ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは
無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、
フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシ
カルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノ
キシカルボニルオキシ)、アミノ基(好ましくは、アミ
ノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキ
ルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換の
アニリノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチル
アミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニル
アミノ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミ
ノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキ
ルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしく
は無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホル
ミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウ
ロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−
n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミ
ノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1から30
の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ、例え
ば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカル
ボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミ
ノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボ
ニルアミノ基(好ましくは炭素数2から30の置換もし
くは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メ
トキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、
t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキ
シカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニル
アミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好まし
くは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリー
ルオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカル
ボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミ
ノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミ
ノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0
から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ
基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチル
アミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスル
ホニルアミノ)、アルキルおよびアリールスルホニルア
ミノ基(好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無
置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6から30の
置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ、例え
ば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミ
ノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロ
ロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスル
ホニルアミノ)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ま
しくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアル
キルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキ
サデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6
から30の置換もしくは無置換のアリールチオ、例え
ば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メト
キシフェニルチオ)、複素環チオ基(好ましくは炭素数
2から30の置換または無置換の複素環チオ基、例え
ば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾ
ール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは
炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイ
ル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−
ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジ
メチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、
N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N′−フェニル
カルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、アルキル
およびアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1
から30の置換または無置換のアルキルスルフィニル
基、6から30の置換または無置換のアリールスルフィ
ニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィ
ニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスル
フィニル)、アルキルおよびアリールスルホニル基(好
ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアル
キルスルホニル基、6から30の置換または無置換のア
リールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチ
ルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニ
ルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭
素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボニ
ル基、、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリ
ールカルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2
−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n
−オクチルオキシフェニルカルボニル)、アリールオキ
シカルボニル基(好ましくは、炭素数7から30の置換
もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例え
ば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカル
ボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブ
チルフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基
(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換
アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n
−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基
(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換
のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカ
ルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−
ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニ
ル)カルバモイル)、アリールおよび複素環アゾ基(好
ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリ
ールアゾ基、炭素数3から30の置換もしくは無置換の
複素環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェ
ニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾー
ル−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、N−スク
シンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ま
しくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホス
フィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホ
スフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニ
ル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無
置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオク
チルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、
ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30
の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例え
ば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキ
シホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ま
しくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホス
フィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルア
ミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基
(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換
のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジ
メチルシリル、フェニルジメチルシリル)が挙げられ
る。
【0024】Aは−NR34であることが好ましい。R
3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、置
換アルキル基、アリール基または置換アリール基である
ことが好ましく、水素原子、アルキル基または置換アル
キル基であることがさらに好ましく、炭素原子数が1〜
18のアルキル基または炭素原子数が1〜18の置換ア
ルキル基であることが最も好ましい。
【0025】前記一般式(1)中、B1は=C(R5)−
または=N−を表わし、B2は−C(R6)=または−N
=を表わす。B1およびB2が同時には−N=とならない
場合が好ましく、B1が=N−、B2が−C(R6)=と
なる場合がさらに好ましい。
【0026】前記一般式(1)において、R1、R2、R
5およびR6はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表
わす。前記置換基は、炭素数1〜30の置換基であるの
が好ましく、具体例はR3およびR4で表わされる基の置
換基として挙げたものと同じである。
【0027】R1は水素原子、炭素数1〜20のアルキ
ル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、ウレイド基が好
ましく、さらに好ましくは水素原子および炭素数1〜3
のアルキル基である。
【0028】R2、R5およびR6は水素原子、炭素数1
〜20のアルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、
ウレイド基が好ましく、さらに好ましくは水素原子およ
び炭素数1〜3のアルキル基であり、また最も好ましく
はR2及びR5水素原子、R6は炭素数1〜3のアルキル
基である。
【0029】尚、R1とR2、R2とR3、R3とR4、R4
とR5およびR5とR6は互いに結合して環を形成しても
よい。
【0030】次に、一般式(Cp−1)〜(Cp−1
7)について説明する。R11、R12、R13及びR16は水
素原子又は置換基を表わし、R14、R15は置換基を表
し、nは0から4の整数を、mは0から3の整数を表
す。但し、N原子とは*で結合する。
【0031】R11〜R16で表される置換基は特に制限は
ないが、代表的なものとしてはハロゲン原子、アルキル
基(炭素数1〜30のアルキル基、例えばメチル基、エ
チル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ヒ
ドロキシエチル基、メトキシエチル基、シアノエチル
基、トリフルオロメチル基、3ースルホプロピル基、4
−スルホブチル基等)、シクロアルキル基(例えばシク
ロヘキシル基、シクロペンチル基等)、アラルキル基
(例えばベンジル基、2−フェネチル基等)、アリール
基(例えばフェニル基、p−トリル基、p−メトキシフ
ェニル基、o−クロロフェニル基、m−(3−スルホプ
ロピルアミノ)フェニル基等)、ヘテロ環式基(例えば
2−ピリジル基、2−チエニル基、2−フリル基等)、
アルコキシ基(炭素数1〜30のアルコキシ基、例えば
メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メトキシ
エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、3−カルボキシプ
ロポキシ基等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ
基、p−メトキシフェニル基、o−メトキシフェノキシ
基等)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、プ
ロピオニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3、5−ジ
スルホベンゾイルアミノ基等)、スルホニルアミノ基
(例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニ
ルアミノ基、3−カルボキシベンゼンスルホニルアミノ
基等)、ウレイド基(例えば3−メチルウレイド基、
3、3−ジメチルウレイド基、3−フェニルウレイド基
等)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えばエトキシ
カルボニルアミノ基等)、アルキルチオ基(例えばメチ
ルチオ基、エチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば
フェニルチオ基、p−トリルチオ基等)、アルコキシカ
ルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、エトキシカ
ルボニル基等)、カルバモイル基(例えばメチルカルバ
モイル基、ジメチルカルバモイル基等)、スルファモイ
ル基(例えばジメチルスルファモイル基、ジ−(2−ヒ
ドロキシエチル)スルファモイル基等)、スルホニル基
(例えばメタンスルホニル基、フェニルスルファモイル
基等)、アシル基(アセチル基、ベンゾイル基等)およ
びアミノ基(例えばメチルアミノ基、ジエチルアミノ基
等)が挙げられる。
【0032】代表的には、アルキル、アリール、アニリ
ノ、アシルアミノ、スルホンアミド、アルキルチオ、ア
リールチオ、アルケニル、シクロアルキル等の各基が挙
げられるが、この他にハロゲン原子及びシクロアルケニ
ル、アルキニル、複素環、スルホニル、スルフィニル、
ホスホニル、アシル、カルバモイル、スルファモイル、
シアノ、アルコキシ、アリールオキシ、複素環オキシ、
シロキシ、アシルオキシ、スルホニルオキシ、カルバモ
イルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミド、ウレイ
ド、スルファモイルアミノ、アルコキシカルボニルアミ
ノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルコキシカル
ボニル、アリールオキシカルボニル、複素環チオ、チオ
ウレイド、カルボキシ、ヒドロキシ、メルカプト、ニト
ロ、スルホ等の各基、ならびにスピロ化合物残基、有橋
炭化水素化合物残基等も挙げられる。
【0033】以下、R11〜R16で表される基において、
アルキル基としては、炭素数1〜32のものが好まし
く、直鎖でも分岐でもよい。アリール基としては、フェ
ニル基が好ましく、置換基を有するものがより好まし
い。アシルアミノ基としては、アルキルカルボニルアミ
ノ基、アリールカルボニルアミノ基等が挙げられる。ス
ルホンアミド基としては、アルキルスルホニルアミノ
基、アリールスルホニルアミノ基等が挙げられる。アル
キルチオ基、アリールチオ基におけるアルキル成分、ア
リール成分は上記R3、R4で表されるアルキル基、アリ
ール基が挙げられる。
【0034】アルケニル基としては、炭素数2〜32の
もの、シクロアルキル基としては炭素数3〜12、特に
5〜7のものが好ましく、アルケニル基は直鎖でも分岐
でもよい。シクロアルケニル基としては、炭素数3〜1
2、特に5〜7のものが好ましい。スルホニル基として
はアルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等;ス
ルフィニル基としてはアルキルスルフィニル基、アリー
ルスルフィニル基等;ホスホニル基としてはアルキルホ
スホニル基、アルコキシホスホニル基、アリールオキシ
ホスホニル基、アリールホスホニル基等;アシル基とし
てはアルキルカルボニル基、アリールカルボニル基等;
カルバモイル基としてはアルキルカルバモイル基、アリ
ールカルバモイル基等;スルファモイル基としてはアル
キルスルファモイル基、アリールスルファモイル基等;
アシルオキシ基としてはアルキルカルボニルオキシ基、
アリールカルボニルオキシ基等;スルホニルオキシ基と
しては、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホ
ニルオキシ基等;カルバモイルオキシ基としてはアルキ
ルカルバモイルオキシ基、アリールカルバモイルオキシ
基等;ウレイド基としてはアルキルウレイド基、アリー
ルウレイド基等;スルファモイルアミノ基としてはアル
キルスルファモイルアミノ基、アリールスルファモイル
アミノ基等;複素環基としては5〜7員のものが好まし
く、具体的には2−フリル基、2−チエニル基、2−ピ
リミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−ピロリル
基、1−テトラゾリル基等;複素環オキシ基としては5
〜7員の複素環を有するものが好ましく、例えば3,
4,5,6−テトラヒドロピラニル−2−オキシ基、1
−フェニルテトラゾール−5−オキシ基等;複素環チオ
基としては、5〜7員の複素環チオ基が好ましく、例え
ば2−ピリジルチオ基、2−ベンゾチアゾリルチオ基、
2,4−ジフェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6
−チオ基等;シロキシ基としてはトリメチルシロキシ
基、トリエチルシロキシ基、ジメチルブチルシロキシ基
等;イミド基としてはコハク酸イミド基、3−ヘプタデ
シルコハク酸イミド基、フタルイミド基、グルタルイミ
ド基等;スピロ化合物残基としてはスピロ〔3,3〕ヘ
プタン−1−イル等;有橋炭化水素化合物残基としては
ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン−1−イル、トリシク
ロ〔3,3,1,13,7〕デカン−1−イル、7,7
−ジメチル−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン−1−イ
ル等が挙げられる。
【0035】一般式(Cp−1)においてR11はアルキ
ル、アリール、アシルアミノ、スルホニルアミノ、スル
ホニル基が好ましい。
【0036】一般式(Cp−2)及び(Cp−3)にお
いてR11はアルキル、アリール、アシルアミノ、スルホ
ニルアミノ、スルホニル、カルバモイル基が好ましく、
12はアルキル、アリール、カルボニル基が好ましい。
【0037】一般式(Cp−4)及び(Cp−5)にお
いてR11は水素原子、アルキル、アリール、シアノ、カ
ルバモイル基が好ましく、R12は水素原子、ハロゲン原
子、アルキル、アリール、シアノ基が好ましく、R13
アルキル、アリール、アシルアミノ、スルホニルアミ
ノ、スルホニル、カルバモイル、オキシカルボニル基が
好ましい。
【0038】一般式(Cp−6)及び(Cp−7)にお
いてR11はアルキル、アリール、アシルアミノ、スルホ
ニルアミノ、スルホニル、カルバモイル、オキシカルボ
ニル基が好ましく、R12はアルキル、アリール、カルボ
ニル基が好ましく、R13はアルキル、アリール、アルコ
キシ、アミノスルホニル、スルホニル、カルバモイル、
オキシカルボニル基が好ましい。
【0039】一般式(Cp−8)及び(Cp−9)にお
いてR11はアルキル、アリール、アシルアミノ、シア
ノ、アミノスルホニル、カルバモイル、オキシカルボニ
ル基が好ましく、R12はアルキル、アリール、アシルア
ミノ、スルホニルアミノ、アミノスルホニル、カルバモ
イル、オキシカルボニル基が好ましい。
【0040】一般式(Cp−10)及び(Cp−11)
においてR11及びR12は水素原子、アルキル、アリー
ル、シアノ、アミノスルホニル、カルバモイル、オキシ
カルボニル基が好ましい。
【0041】一般式(Cp−12)においてR11はアル
キル、アリール、シアノ、アミノスルホニル、カルバモ
イル、オキシカルボニル基が好ましく、R12はハロゲン
原子、アシルアミノ、スルホンアミド、シアノ基が好ま
しい。
【0042】一般式(Cp−13)及び(Cp−14)
においてR11及びR13はアルキル、アリール、アルコキ
シ、アシルアミノ、スルホンアミド、スルファモイルア
ミノ、イミド、オキシカルボニルアミノ、ホスホニルア
ミノ基が好ましく、更にはアルキル、アリール、アルコ
キシ、アシルアミノ、スルホンアミド基が好ましい。R
12はハロゲン原子、アルキル、アリール、アルコキシ、
アシルアミノ、スルホンアミド、アシルオキシ基が好ま
しい。
【0043】一般式(Cp−15)においてR14はアル
キル、アリール、アルコキシ、アシルアミノ、スルホン
アミド、スルファモイルアミノ、オキシカルボニルアミ
ノ、ホスホニルアミノ基が好ましく、R15はハロゲン原
子、アルキル、アリール、アルコキシ、アシルアミノ、
スルホンアミド、スルファモイルアミノ、シアノ基が好
ましい。
【0044】一般式(Cp−16)及び(Cp−17)
においてR11及びR12はアルキル基、アリール基、複素
環基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリ
ールオキシカルボニル基、シアノ基、スルファモイル
基、アルカンスルホニル基、アレーンスルホニル基また
はニトロ基が好ましく、R13及びR16は水素原子、アル
キル基、アリール基、複素環基、アシルアミノ基、アミ
ノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ
基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、ハ
ロゲン原子、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、アルコキシ基またはアリールオキシ基が好ましい。
【0045】一般式(Cp−12)〜(Cp−15)に
おいてn及びmは好ましくは1から3、更に好ましくは
1又は2である。
【0046】以下に前記一般式(1)で表される色素の
具体例を示すが、本発明は以下の具体例によって限定さ
れるものではない。
【0047】
【化7】
【0048】
【化8】
【0049】
【化9】
【0050】
【化10】
【0051】
【化11】
【0052】
【化12】
【0053】
【化13】
【0054】
【化14】
【0055】
【化15】
【0056】
【化16】
【0057】
【化17】
【0058】
【化18】
【0059】
【化19】
【0060】
【化20】
【0061】
【化21】
【0062】合成例1 (例示化合物1−1の合成)
【0063】
【化22】
【0064】化合物D(特開平7−244361号記載
の例示化合物1)を8.17gにメタノールを120m
l、トリエチルアミン21.2mlを加え撹拌溶解させ
る。次に過硫酸アンモニウム13.0gを水20mlに
溶解したものを加え、更に化合物Aの4.52gを水2
0ml、メタノール20mlに溶解したものを20分か
けて撹拌しながら滴下する。滴下終了後、1時間室温で
撹拌した後、ろ過して析出する無機塩をろ過し、メタノ
ールで洗浄する。ろ液を濃縮後、酢酸エチル200ml
に溶解し1モル/L塩酸を加えpH=1とし、分液した
後、中和、水洗し濃縮する。濃縮物をカラムクロマトグ
ラフィーにて精製し、アセトニトリルから再結晶して例
示化合物1−1を8.72g得た。MASS、H−NM
R、IRスペクトルによって同定し、目的物であること
を確認した。
【0065】合成例2 (例示化合物1−75の合成)
【0066】
【化23】
【0067】化合物E(特開平8−22109号記載の
例示化合物I−3)を11.03gにメタノール160
mlとトリエチルアミン21.2mlを加え撹拌溶解さ
せる。次に過硫酸アンモニウム13.0gを水20ml
に溶解したものを加え、更に化合物Aの4.52gを水
20ml、メタノール20mlに溶解したものを20分
かけて撹拌しながら滴下する。滴下終了後、1時間室温
で撹拌した後、ろ過して析出する無機塩をろ過し、メタ
ノールで洗浄する。ろ液を濃縮後、酢酸エチル200m
lに溶解し1モル/L塩酸を加えpH=1とし、分液し
た後、中和、水洗し濃縮する。濃縮物をカラムクロマト
グラフィーにて精製し、アセトニトリルから再結晶して
例示化合物1−75を10.8g得た。MASS、H−
NMR、IRスペクトルによって同定し、目的物である
ことを確認した。
【0068】次いで、一般式(2)について説明する。
2は前記一般式(Cp−1)〜(Cp−17)で表さ
れる基を表す。またこれらの置換基は、一般式(2)の
窒素原子と*で結合する。
【0069】B3、B4、R7及びR8は前述の一般式
(1)におけるB1、B2、R3及びR4と同義であり、B
3は=C(R5′)−又は=N−を、B4は=C(R6′)
−又は=N−を表し、R5′及びR6′はR5及びR6と同
義である。
【0070】以下に前記一般式(2)で表される色素の
具体例を示すが、本発明は以下の具体例によって限定さ
れるものではない。
【0071】
【化24】
【0072】
【化25】
【0073】
【化26】
【0074】
【化27】
【0075】
【化28】
【0076】
【化29】
【0077】
【化30】
【0078】
【化31】
【0079】合成例3 (例示化合物2−39の合成)
【0080】
【化32】
【0081】化合物F(特開平8−272056号記載
の例示化合物(I−13))を10.93gにメタノー
ル150mlとトリエチルアミン21.2mlを加え撹
拌溶解させる。次に過硫酸アンモニウム13.0gを水
20mlに溶解したものを加え、更に化合物Bの436
gを水20ml、メタノール20mlに溶解したものを
20分かけて撹拌しながら滴下する。滴下終了後、1時
間室温で撹拌した後、析出する無機塩をろ過し、メタノ
ールで洗浄する。ろ液を濃縮後、酢酸エチル200ml
に溶解し1モル/L塩酸を加えpH=1とし、分液した
後、中和、水洗し濃縮する。濃縮物をカラムクロマトグ
ラフィーにて精製し、アセトニトリルから再結晶し、例
示化合物2−39を11.4g得た。MASS、H−N
MR、IRスペクトルによって同定し、目的物であるこ
とを確認した。
【0082】次いで一般式(3)について説明する。Q
3は一般式(Cp−18)〜(Cp−45)で表される
基を表す。
【0083】R1′、R2′、R7′及びR8′は前述の一
般式(1)におけるR1、R2、R3及びR4と同義であ
る。
【0084】次に一般式(Cp−18)〜(Cp−4
5)について詳しく説明する。一般式式(Cp−18)
において、R51はアルキル基、アリール基、複素環基、
またはアルコキシ基を表し、R52はカルバモイル基また
はシアノ基を表す。好ましくは、R51はt−ブチル基、
1−エチルシクロプロピル基、1−メチルシクロプロピ
ル基、1−ベンジルシクロプロピル基、置換もしくは無
置換のフェニル基、置換もしくは無置換のインドリニン
−1−イル基、および置換もしくは無置換のインドール
−3−イル基を表し、R52はN−アリールカルバモイル
基またはシアノ基を表す。
【0085】一般式(Cp−19)において、R53はア
リール基または複素環基を表し、R 52は(Cp−18)
におけるR52と同じ意味の基を表す。好ましくは、R53
は置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置
換の複素環基(特に好ましくは、チアゾール−2−イ
ル、ベンゾチアゾール−2−イル、オキサゾール−2−
イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、1,2,4−オ
キサジアゾール−3(または5)−イル、1,3,4−
オキサジアゾール−2(または5)−イル、1,2,4
−チアジアゾール−3(または5)−イル、1,3,4
−チアジアゾール−2(または5)−イル、ピラゾール
−3−イル、インダゾール−3−イル、1,2,4−ト
リアゾール−3−イル、2−ピリジル、2−ピリミジニ
ル、2−ピラジニル、キナゾリン−2−イル、またはキ
ナゾリン−4−イル)を表し、R52はシアノ基を表す。
【0086】一般式(Cp−20)において、R61はア
ルキル基、アリール基、複素環基、アシルアミノ基、ア
ミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、アミノカルボニルアミノ基また
はアルコキシカルボニルアミノ基を表す。R62はアルキ
ル基、アリール基または複素環基を表す。好ましくは、
61はアルキル基、アシルアミノ基、アミノ基、アミノ
カルボニルアミノ基、またはアルコキシカルボニルアミ
ノ基を表し、R62はアリール基または複素環基を表し、
さらに好ましくは、R61はアシルアミノ基またはN−ア
リールアミノ基を表し、R62はアリール基を表す。
【0087】一般式(Cp−21)および(Cp−2
2)において、R63およびR64は各々、水素原子、アル
キル基、アリール基、複素環基、アシルアミノ基、アル
キルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アミノ基、
アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基、アミノカルボニルアミノ基またはアルコ
キシカルボニルアミノ基を表す。好ましくは、R63はア
ルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアリールオ
キシ基を表し、R64はアルキル基またはアリール基を表
し、特に好ましくは、R63はメチル基、t−ブチル基ま
たは置換もしくは無置換のフェニル基を表す。
【0088】一般式(Cp−23)および(Cp−2
4)において、R63は前記と同じ意味の基を表し、
65、R66およびR67は各々、水素原子、アルキル基、
アリール基、複素環基、アシルアミノ基、アルキルもし
くはアリールスルホニルアミノ基、アミノ基、アルキル
チオ基、アリールチオ基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニ
ルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基または
カルバモイル基を表す。好ましくは、R63はアルキル
基、アリール基、アルコキシ基またはアリールオキシ基
を表し、R65、R66およびR67は各々、水素原子、アル
キル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル
基またはカルバモイル基を表す。
【0089】一般式(Cp−25)において、R68およ
びR69は各々、水素原子、アルキル基、アリール基、複
素環基、アシルアミノ基、アルキルもしくはアリールス
ルホニルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリー
ルチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノカ
ルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、ア
シル基、アルコキシカルボニル基またはカルバモイル基
を表す。好ましくは、R68およびR69は各々、水素原
子、アルキル基またはアリール基を表す。
【0090】一般式(Cp−26)、(Cp−27)、
(Cp−28)および(Cp−29)において、R70
アルキル基、アリール基または複素環基を表し、R71
ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、複素環基、シ
リル基、アシルアミノ基、アルキルもしくはアリールス
ルホニルアミノ基、アミノ基、アミノカルボニルアミノ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基ま
たはアルコキシカルボニルアミノ基を表し、R72および
73は各々、水素原子またはアルキル基を表し、aは0
ないし3のいずれかの整数を表し、bは0ないし2のい
ずれかの整数を表し、cは0ないし4のいずれかの整数
を表す。a、b、またはcが複数のとき複数個のR71
同一であっても、異なっていてもよい。好ましくは、R
70はアルキル基またはアリール基を表し、R71はハロゲ
ン原子、アルキル基またはアシルアミノ基を表し、R72
およびR73は各々、水素原子、メチル基またはエチル基
を表し、aは1または2を表し、bは1または2を表
し、cは0ないし2の整数を表す。
【0091】一般式(Cp−30)において、R74はカ
ルバモイル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ス
ルファモイル基、アシルアミノ基、アミノカルボニルア
ミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基またはアルキル
もしくはアリールスルホニルアミノ基を表し、R75はハ
ロゲン原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アシ
ルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミ
ノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アミノカルボニルアミ
ノ基またはアルコキシカルボニルアミノ基を表し、dは
0ないし4のいずれかの整数を表す。dが複数のとき、
複数個のR75は同一であっても異なっていてもよい。好
ましくは、R74はカルバモイル基、スルファモイル基ま
たはアシルアミノ基を表し、R75はアシルアミノ基、ア
ルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アミノカ
ルボニルアミノ基またはアルコキシカルボニルアミノ基
を表し、dは0または1を表す。
【0092】一般式(Cp−31)において、R75およ
びdは前記と同じ意味を表し、R78およびR79はR75
同じ意味の基を表し、R76およびR77はシアノ基、スル
ファモイル基、アルキルもしくはアリールスルホニル
基、アシル基、アルコキシカルボニル基またはカルバモ
イル基を表す。好ましくは、R75はハロゲン原子、アル
キル基またはアリール基を表し、dは0ないし2のいず
れかの整数を表し、R78およびR79はハロゲン原子、ア
ルキル基またはアリール基を表し、R76およびR 77はシ
アノ基を表す。
【0093】一般式(Cp−32)において、R75およ
びdは前記と同じ意味を表し、R80およびR81はシアノ
基、スルファモイル基、アルキルもしくはアリールスル
ホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基またはカ
ルバモイル基を表す。好ましくは、R75はハロゲン原
子、アルキル基またはアリール基を表し、dは0ないし
2のいずれかの整数を表し、R80およびR81はシアノ基
を表す。
【0094】一般式(Cp−33)において、R82、R
83およびR84は各々、水素原子、アルキル基、アリール
基、複素環基、アシルアミノ基、アルキルもしくはアリ
ールスルホニルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、
アリールチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ア
ミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ
基、アシル基、アルコキシカルボニル基またはカルバモ
イル基を表す。
【0095】一般式(Cp−34)において、R85およ
びR86は各々、水素原子、アルキル基、アリール基、複
素環基、アシルアミノ基、アルキルもしくはアリールス
ルホニルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリー
ルチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノカ
ルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、ア
シル基、アルコキシカルボニル基またはカルバモイル基
を表す。好ましくは、R85およびR86は各々、水素原
子、アルキル基、アリール基、複素環基、アシルアミノ
基、またはアルキルもしくはアリールスルホニルアミノ
基を表す。
【0096】一般式(Cp−35)〜(Cp−37)に
おいて、R87およびR88はカルバモイル基、アルコキシ
カルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ
基、スルファモイル基、アルカンスルホニル基、アレー
ンスルホニル基またはニトロ基を表し、R89およびR90
は各々水素原子、アルキル基、アリール基または複素環
基を表す。好ましくは、R87はカルバモイル基、アルコ
キシカルボニル基またはシアノ基を表し、R88はカルバ
モイル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基またはア
ルキルおよびアリールスルホニル基を表し、R89および
90は各々、アルキル基またはアリール基を表す。さら
に好ましくは、R87はシアノ基を表し、R 88はアルコキ
シカルボニル基を表し、R89およびR90はアリール基を
表す。
【0097】一般式(Cp−38)〜(Cp−43)に
おいて、R91およびR92はアルキル基、アリール基、複
素環基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、ア
リールオキシカルボニル基、シアノ基、スルファモイル
基、アルカンスルホニル基、アレーンスルホニル基また
はニトロ基を表し、R93、R94およびR95は水素原子、
アルキル基、アリール基、複素環基、アシルアミノ基、
アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミ
ノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、
ハロゲン原子、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチ
オ基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表す。好
ましくは、R91はアリール基、複素環基、カルバモイル
基、アルコキシカルボニル基またはシアノ基を表し、R
92はカルバモイル基、アルコキシカルボニル基、シアノ
基、スルファモイル基またはアルキルもしくはアリール
スルホニル基を表し、R93、R94およびR95は各々、水
素原子、アルキル基、アシルアミノ基、ハロゲン原子、
アミノ基、アルキルチオ基またはアリールチオ基を表
す。
【0098】一般式(Cp−44)において、R97、R
98およびR99は各々、水素原子、シアノ基、スルファモ
イル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシ
ル基、アルコキシカルボニル基またはカルバモイル基を
表し、R96はアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表す。好ま
しくは、R97、R98およびR99は各々、水素原子または
シアノ基を表し、R96はN−アリールアミノ基を表す。
【0099】一般式(Cp−45)において、R100
よびR101は各々、水素原子、パーフルオロアルキル
基、シアノ基、ニトロ基、スルファモイル基、アルキル
もしくはアリールスルホニル基、アシル基、アルコキシ
カルボニル基、カルバモイル基、アルキルチオ基または
アリールチオ基を表し、R102はアルキル基、アリール
基、複素環基、スルファモイル基、アルキルもしくはア
リールスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル
基またはカルバモイル基を表す。好ましくは、R10 0
よびR101は各々、水素原子、パーフルオロアルキル
基、シアノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールス
ルホニル基、アルキルチオ基またはアリールチオ基を表
し、R102はアリール基または複素環基を表す。
【0100】R51〜R53、R61〜R69、およびR70〜R
102の説明で挙げた基の好ましいものの具体例はR3およ
びR4で表される基の置換基として挙げたものと同じで
ある。R51〜R53、R61〜R69、およびR70〜R102
表される基はさらに置換基を有していてもよく、好まし
い置換基はR3およびR4で表される基の置換基として挙
げたものと同じである。
【0101】一般式(Cp−18)〜(Cp−45)で
表される基のうち、一般式(Cp−18)、(Cp−1
9)、(Cp−21)、(Cp−22)、(Cp−2
8)、(Cp−29)、(Cp−35)、(Cp−3
8)、(Cp−39)および(Cp−40)が好まし
く、特にマゼンタ染料としては、前記一般式(3)にお
いて、一般式(Cp−21)および(Cp−22)で表
わされるピラゾロトリアゾールアゾメチン化合物残基と
の組合せが、シアン染料としては前記一般式(3)にお
いて、Q3として一般式(Cp−35)および(Cp−
40)で表わされるピロロトリアゾールアゾメチンおよ
びピラゾロピリミジン−7−オン化合物残基との組合せ
が最も好ましい。
【0102】更に、前記一般式(3)と一般式(Cp−
35)で表わされるカプラー残基の組合せからなるピロ
ロトリアゾールアゾメチン化合物においてR87がハメッ
ト置換基定数σp値0.30以上の電子吸引性基である
ものは、吸収がシャープであり、より好ましい。そし
て、ピロロトリアゾールアゾメチン化合物のR87および
88のハメット置換基定数σp値の和が0.70以上の
ものはシアン色として優れた色相を呈し、更に好まし
い。
【0103】色相について更に詳しい説明は特開200
1−181547明細書に記載のとおりである。
【0104】前記一般式(3)で表されるアゾメチン色
素は、その置換基に炭素数の総数が8〜40の耐拡散基
を少なくとも1つ有することが好ましい。更に好ましく
は炭素数の総数が10ないし30である。
【0105】前記一般式(3)で表されるアゾメチン色
素は、分子内に色素の骨格を2個以上有するビス型、ト
リス型、テロマー型、またはポリマー型の化合物であっ
てもよい。この場合には炭素数の範囲は規定外であって
もよい。
【0106】前記一般式(3)で表されるアゾメチン色
素は、分子内に褪色を抑制する効果がある原子団を有し
ていてもよく、好ましい褪色を抑制する効果がある原子
団は特開平3−205189号公報に記載されているも
のである。
【0107】以下に前記一般式(3)で表される色素の
具体例を示すが、本発明は以下の具体例によって限定さ
れるものではない。
【0108】
【化33】
【0109】
【化34】
【0110】
【化35】
【0111】
【化36】
【0112】
【化37】
【0113】
【化38】
【0114】
【化39】
【0115】
【化40】
【0116】合成例4 (例示化合物3−32の合成)
【0117】
【化41】
【0118】化合物G(特開平8−272056号記載
の例示化合物)10.28gにメタノール150mlと
トリエチルアミン21.2mlを加え撹拌溶解させる。
次に過硫酸アンモニウム13.0gを水20mlに溶解
したものを加え、更に化合物C、4.34gを水20m
l、メタノール20mlに溶解したものを20分かけて
撹拌しながら滴下する。滴下終了後、1時間室温で撹拌
した後、析出する無機塩をろ過し、メタノールで洗浄す
る。ろ液を濃縮後、酢酸エチル200mlに溶解し1モ
ル/L塩酸を加えpH=1とし、分液した後、中和、水
洗し濃縮する。濃縮物をカラムクロマトグラフィーにて
精製し、アセトニトリルから再結晶して例示化合物3−
32を10.3g得た。MASS、H−NMR、IRス
ペクトルによって同定し、目的物であることを確認し
た。
【0119】合成例5 (例示化合物3−38の合成)
【0120】
【化42】
【0121】化合物H(特開平8−272056号記載
の例示化合物)9.27gにメタノール150mlとト
リエチルアミン21.2mlを加え撹拌溶解させる。次
に過硫酸アンモニウム13.0gを水20mlに溶解し
たものを加え、更に化合物C、4.34gを水20m
l、メタノール20mlに溶解したものを20分かけて
撹拌しながら滴下する。滴下終了後、1時間室温で撹拌
した後、析出する無機塩をろ過し、メタノールで洗浄す
る。ろ液を濃縮後、酢酸エチル:200mlに溶解し1
モル/L塩酸を加えpH=1とし、分液した後、中和、
水洗し濃縮する。濃縮物をカラムクロマトグラフィーに
て精製し、アセトニトリルから再結晶して例示化合物3
−38を8.8g得た。MASS、H−NMR、IRス
ペクトルによって同定し、目的物であることを確認し
た。
【0122】本発明の着色組成物は、前記一般式(1)
〜(3)で表される油溶性色素が、水性媒体に分散され
てなるものが好ましい。前記水性媒体としては、少なく
とも水を含有していればよく、具体的には、水、又は、
水と水混和性有機溶剤との混合物に、必要に応じて、界
面活性剤、乾燥防止剤(湿潤剤)、安定剤、防腐剤など
の添加剤を添加したものが好適に挙げられる。
【0123】本発明の着色組成物は、着色微粒子分散物
を含む態様又は色素分散物を含む態様が好ましい。
【0124】着色微粒子分散物は、前記油溶性色素と油
溶性ポリマーとを含有する着色微粒子を水性媒体に分散
してなる。
【0125】油溶性ポリマーとしては、特に制限はなく
従来公知のものを適宜選択することができ、例えば、ビ
ニルポリマー、縮合系ポリマー(ポリウレタン、ポリエ
ステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリカーボネート)
などが挙げられる。
【0126】油溶性ポリマーとしては、水不溶性型、水
分散(自己乳化)型、水溶性型のいずれであってもよい
が、着色微粒子の製造容易性、分散安定性等の点で水分
散型のものが好ましい。
【0127】水分散型のポリマーとしては、イオン性ポ
リマー、非イオン性分散性基含有型ポリマー、これらの
混合型ポリマーのいずれであってもよい。
【0128】イオン性ポリマーとしては、三級アミノ基
等のカチオン性基を有するポリマーや、カルボン酸、ス
ルホン酸等のアニオン性の解離性基を含有するポリマー
が挙げられる。非イオン性分散性基含有型ポリマーとし
ては、ポリエチレンオキシ基等の非イオン性分散性基を
含有するポリマーが挙げられる。これらの中でも、着色
微粒子の分散安定性の点で、アニオン性の解離性基を含
有するイオン性ポリマー、非イオン性分散性基含有型ポ
リマー、これらの混合型ポリマーが好ましい。
【0129】前記ビニルポリマーを形成するモノマーと
しては、例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸
エステル類(エステル基としては、置換基を有していて
もよいアルキル基及びアリール基のエステル基であり、
アルキル基、アリール基としては、例えば、メチル、エ
チル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチ
ル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、tert−オクチ
ル、2−クロロエチル、シアノエチル、2−アセトキシ
エチル、テトラヒドロフルフリル、5−ヒドロキシペン
チル、シクロヘキシル、アダマンチル、ノルボルニル、
ベンジル、ヒドロキシエチル、3−メトキシブチル、2
−(2−メトキシエトキシ)エチル、1,1,2,2,
−テトラフルオロエチル、パーフルオロデシル、フェニ
ル、2,4,5−トリメチルフェニル、4−クロロフェ
ニル等)等のビニルエステル類などが挙げられる。
【0130】前記ビニルエステル類としては、例えば、
脂肪族カルボン酸ビニルエステル(具体的には、ビニル
アセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレー
ト、ビニルイソブチレート、ビニルカプロエート、ビニ
ルクロロアセテート等)、芳香族カルボン酸ビニルエス
テル(具体的には、安息香酸ビニル、4−メチル安息香
酸ビニル、サリチル酸ビニル等)などが挙げられ、これ
らは置換基を有していてもよい。
【0131】前記ビニルポリマーを形成する他のモノマ
ーとしては、例えば、アクリルアミド類、メタクリルア
ミド類、オレフィン類、その他のモノマーなどが挙げら
れる。
【0132】前記アクリルアミド類としては、具体的に
は、アクリルアミド、N−モノ置換アクリルアミド、
N,N−ジ置換アクリルアミド(該置換基としては、ア
ルキル基、アリール基、シリル基などが挙げられ、例え
ば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、tert−
オクチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノル
ボルニル基、ベンジル基、ヒドロキシメチル基、エトキ
シエチル基、フェニル基、2,4,5−テトラメチルフ
ェニル基、4−クロロフェニル基、トリメチルシリル
基、これらは更に置換基を有していてもよい。)などが
挙げられる。
【0133】前記メタクリルアミド類としては、具体的
には、メタクリルアミド、N−モノ置換メタクリルアミ
ド、N,N−ジ置換メタクリルアミド(該置換基として
は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、t
ert−オクチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル
基、ノルボルニル基、ベンジル基、ヒドロキシメチル
基、エトキシエチル基、フェニル基、2,4,5−トリ
メチルフェニル基、4−クロロフェニル基、トリメチル
シリル基、これらは更に置換基を有していてもよい。)
などが挙げられる。
【0134】前記オレフィン類としては、オレフィン類
(例えば、エチレン、プロピレン、1−ペンテン、塩化
ビニル、ビニリデン、イソプレン、クロロプレン、ブタ
ジエン)、スチレン類(例えば、スチレン、メチルスチ
レン、イソプロピルスチレン、メトキシスチレン、アセ
トキシスチレン、クロルスチレン)、ビニルエーテル類
(例えば、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテ
ル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエ
ーテル)などが挙げられる。
【0135】前記その他のモノマーとしては、クロトン
酸エステル類、イタコン酸エステル類、マレイン酸エス
テル類、フマル酸エステル類、メチルビニルケトン、フ
ェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケトン、N
−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルピロリドン、ビニ
リデンクロライド、メチレンマロンニトリル、ビニリデ
ン、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフ
ェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチル
ホスフェート、ジブチル−2−アクリロイルオキシエチ
ルホスフェート、ジオクチル−2−メタクリロイルオキ
シエチルホスフェートなどが挙げられる。
【0136】イオン性基を有するモノマーとしては、ア
ニオン性基を有するモノマー、カチオン性基を有するモ
ノマーが挙げられる。前記アニオン性の解離性基を有す
るモノマーとしては、例えば、カルボン酸モノマー、ス
ルホン酸モノマー、リン酸モノマーなどが挙げられる。
【0137】前記カルボン酸モノマーとしては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、イタコン酸マレイン酸、フマル
酸、シトラコン酸、クロトン酸、イタコン酸モノアルキ
ルエステル(例えば、イタコン酸モノメチル、イタコン
酸モノエチル、イタコン酸モノブチル)、マレイン酸モ
ノエステル(例えば、マレイン酸モノメチル、マレイン
酸モノエチル、マレイン酸モノブチル)などが挙げられ
る。
【0138】前記スルホン酸モノマーとしては、例え
ば、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アクリロ
イルオキシアルカンスルホン酸(例えば、アクリロイル
オキシエタンスルホン酸、アクリロイルオキシプロパン
スルホン酸)、メタクリロイルオキシアルカンスルホン
酸(例えば、メタクリロイルオキシエタンスルホン酸、
メタクリロイルオキシプロパンスルホン酸)、アクリル
アミドアルカンスルホン酸(例えば、2−アクリルアミ
ド−2−メチルエタンスルホン酸、2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸)、メタクリルアミド
アルカンスルホン酸(例えば、2−メタクリルアミド−
2−メチルエタンスルホン酸、2−メタクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド
−2−メチルブタンスルホン酸)などが挙げられる。
【0139】前記リン酸モノマーとしては、例えば、ビ
ニルホスホン酸、メタクリロイルオキシエチルホスホン
酸などが挙げられる。
【0140】これらの中でも、前記アニオン性基を有す
るモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、スチ
レンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アクリルアミドア
ルキルスルホン酸、メタクリルアミドアルキルスルホン
酸、が好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン
スルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルブタンス
ルホン酸がより好ましい。
【0141】前記カチオン性基を有するモノマーとして
は、例えば、ジアルキルアミノエチルアクリレート、ジ
アルキルアミノエチルメタクリレート等の三級アミノ基
を有するモノマーなどが挙げられる。
【0142】前記非イオン性分散性基を有するモノマー
としては、例えば、ポリエチレングリコールモノアルキ
ルエーテルとカルボン酸モノマーとのエステル類、ポリ
エチレングリコールモノアルキルエーテルとスルホン酸
モノマーとのエステル類、ポリエチレングリコールモノ
アルキルエーテルとりん酸モノマーとのエステル類、ポ
リエチレングリコールモノアルキルエーテルとイソシア
ネート基含有モノマーから形成されるビニル基含有ウレ
タン類、ポリビニルアルコール構造を含有するマクロモ
ノマー類などが挙げられる。前記ポリエチレングリコー
ルモノアルキルエーテルのエチレンオキシ部の繰り返し
数としては8〜50が好ましく、10〜30がより好ま
しい。前記ポリエチレングリコールモノアルキルエーテ
ルのアルキル基の炭素数としては1〜20が好ましく、
1〜12がより好ましい。
【0143】次に、前記縮合系ポリマーについて詳細に
説明する。前記ポリウレタンは、基本的にはジオール化
合物とジイソシアネート化合物とを原料に重付加反応に
より合成される。前記ジオール化合物の具体例として
は、非解離性のジオールとして、エチレングリコール、
1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、2,2,−ジメチル−1,3−プロパンジオール、
1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオー
ル、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2−
エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2
−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,2−ジエチ
ル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−
2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2−プロピル
1,3−プロパンジオール、2,5−ジメチル−2,5
−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジ
オール、1,2−オクタンジオール、2,2,4−トリ
メチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピ
レングリコール、ポリエチレングリコール(平均分子量
=200、300、400、600、1000、150
0、4000)、ポリプロピレングリコール(平均分子
量=200、400、1000)、ポリエステルポリオ
ール、4,4′−ジヒドロキシ−ジフェニル−2,2−
プロパン、4,4−ジヒドロキシフェニルスルホンなど
が挙げられる。
【0144】前記アニオン性基を有するジオール化合物
としては、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオ
ン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸、
2,5,6−トリメトキシ−3,4−ジヒドロキシヘキ
サン酸、2,3−ジヒドロキシ−4,5−ジメトキシペ
ンタン酸、2,4−ジ(2−ヒドロキシ)エチルオキシ
カルボニルベンゼンスルホン酸、及びこれらの塩などが
挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0145】前記ジイソシアネート化合物の好ましい具
体例としては、エチレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、2,4−ト
ルエンジイソシアネート、1,3−キシレンジイソシア
ネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フ
ェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシア
ネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、3,3′−ジメチルビフェニレ
ンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシア
ネート)などが挙げられる。
【0146】前記ポリエステルは、基本的にはジオール
化合物とジカルボン酸化合物とから脱水縮合して容易に
合成される。
【0147】前記ジカルボン酸化合物の具体例として
は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ジメ
チルマロン酸、アジピン酸、ピメリン酸、α,α−ジメ
チルコハク酸、アセトンジカルボン酸、セバシン酸、
1,9−ノナンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、
イタコン酸、シトラコン酸、フタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸、2−ブチルテレフタル酸、テトラクロロ
テレフタル酸、アセチレンジカルボン酸、ポリ(エチレ
ンテレフタレート)ジカルボン酸、1,2−シクロヘキ
サンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、ω−ポリ(エチレンオキシ)ジカルボン酸、p−キ
シリレンジカルボン酸などが挙げられる。これらの化合
物は、前記ジオール化合物と重縮合を行う際に、カルボ
ン酸のアルキルエステル(例えば、ジメチルエステル)
やジカルボン酸の酸塩化物の形で用いてもよいし、無水
マレイン酸や無水コハク酸、無水フタル酸のように酸無
水物の形で用いてもよい。
【0148】スルホン酸基を有するジカルボン酸化合物
及びジオール化合物の好ましい例としては、スルホフタ
ル酸類(例えば、3−スルホフタル酸、4−スルホフタ
ル酸、4−スルホイソフタル酸、5−スルホイソフタル
酸、2−スルホテレフタル酸等)、スルホコハク酸、ス
ルホナフタレンカルボン酸類(例えば、4−スルホ−
1,8−ナフタレンジカルボン酸,7−スルホ−1,5
−ナフタレンカルボン酸等)、2,4−ジ(2−ヒドロ
キシ)エチルオキシカルボニルベンゼンスルホン酸、及
びこれらの塩などが挙げられる。
【0149】前記ジオール化合物としては、前記ポリウ
レタンにおいて説明したジオール類と、同じ群から選ば
れる化合物を用いられる。前記ポリエステルの代表的な
合成法は、前記ジオール類とジカルボン酸若しくはその
誘導体との縮合反応であるが、ヒドロキシカルボン酸
(例えば、1,2−ヒドロキシステアリン酸等)を縮合
して得ることもできるし、環状のエーテルとラクトン類
の開環重合法(講座重合反応6 開環重合(I)三枝武
夫著(化合同人、1971年)に詳しい)等の方法で得
られるポリエステルも、本発明に好適に用いられる。
【0150】前記ポリアミドは、ジアミン化合物とジカ
ルボン酸化合物の重縮合、アミノカルボン酸化合物の重
縮合、ラクタム類の開環重合、等によって得ることがで
きる。前記ジアミン化合物としては、エチレンジアミ
ン、1,3−プロパンジアミン、1,2−プロパンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミ
ン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミ
ン、p−フェニレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジ
メチルピペラジン、4,4′−ジアミノフェニルエーテ
ル、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、キシリレ
ンジアミン、などが挙げられる。前記アミノカルボン酸
としては、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、ω
−アミノヘキサン酸、ω−アミノデカン酸、ω−アミノ
ウンデカン酸、アントラニル酸等が挙げられる。前記開
環重合に用いられる単量体としては、ω−カプロラクタ
ム、アゼチジノン、ピロリドン、などが挙げられる。前
記ジカルボン酸化合物としては、前記ポリエステルにお
いて説明したジカルボン酸類と、同じ群から選ばれる化
合物が用いられる。
【0151】前記ポリウレアは、基本的にはジアミン化
合物とジイソシアネート化合物の重付加、ジアミン化合
物と尿素との脱アンモニア反応、によって得ることがで
きる。原料である前記ジアミン化合物としては、前記ポ
リアミドにおいて説明したジアミン類と同じ群から選ば
れる化合物を用いることができる。原料である前記ジイ
ソシアネート化合物としては、前記ポリウレタンにおい
て説明したジイソシアネート類と、同じ群から選ばれる
化合物を用いることができる。
【0152】前記ポリカーボネートは、基本的にはジオ
ール化合物と、ホスゲン若しくは炭酸エステル誘導体
(例えば、ジフェニルカーボネート等の芳香族エステル
等)、を反応させることにより得ることができる。原料
であるジオール化合物としては、前記のポリウレタンに
おいて説明したジオール類と、同じ群からなる化合物が
用いられる。
【0153】前記油溶性ポリマーは、必要な構成原料を
一種づつ用いてもよいし、種々の目的(例えば、ポリマ
ーのガラス転移温度(Tg)の調整や溶解性、染料との
相溶性、分散物の安定性等)に応じて、それぞれ二種以
上を任意の割合で用いることができる。
【0154】前記油溶性ポリマーの中でも、前記イオン
性基を有するものが好ましく、該イオン性基としては、
カルボキシル基及びスルホン酸基の少なくとも一方を有
するものが、より好ましい。前記イオン性基としてカル
ボキシル基を有するものが、特に好ましい。
【0155】また、前記各々のポリマーの重合後に、ヒ
ドロキシ基、アミノ基等の反応性基に対して酸無水物
(例えば、マレイン酸等)を作用させて、反応によって
イオン性の基を導入することもできる。
【0156】前記イオン性基の含量としては、0.1〜
3.0mmol/gが好ましい。前記含量が少ない場合
には、ポリマーの自己乳化性が小さく、含量が多い場合
には水溶性が高くなり、染料の分散に適さない傾向にあ
る。
【0157】なお、前記イオン性基として、前記アニオ
ン性基としては、更に、アルカリ金属(例えば、ナトリ
ウム、カリウム等)又はアンモニウムイオンなどの塩で
あってもよく、前記カチオン性基としては、更に、有機
酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸
等)、無機酸(例えば、塩酸、硫酸、リン酸)などの塩
であってもよい。
【0158】前記油溶性ポリマーとしては、油溶性染料
との相溶性の付与、優れた分散安定性の付与の観点、及
びイオン性の基の導入の容易さ等を勘案すると、ビニル
ポリマー、ポリウレタン、ポリエステル等が好ましい。
【0159】特に好ましいポリマーは、主な官能基とし
てアセタール基を含有するポリマー、炭酸エステル基を
含有するポリマー、水酸基を含有するポリマーおよびエ
ステル基を有するポリマーである。上記のポリマーは、
置換基を有していてもよく、その置換基は直鎖状、分
岐、あるいは環状構造をとっていてもよい。また、上記
の官能基を有するポリマーは、各種のものが市販されて
いるが、常法によって合成することもできる。また、こ
れらの共重合体は、例えば1つのポリマー分子中にエポ
キシ基を導入しておき、後に他のポリマーと縮重合させ
たり、光や放射線を用いてグラフト重合を行っても得ら
れる。
【0160】前記ビニルポリマーの具体例を、以下に列
挙する。括弧内の比は質量比を表す。本発明は、これら
の具体例に、何ら限定されるものではない。 (PA−1)メチルメタクリレート−エチルアクリレー
ト共重合体(50:50) (PA−2)ブチルアクリレート−スチレン共重合体
(50:50) (PA−3)ポリn−ブチルメタクリレート (PA−4)ポリイソプロピルメタクリレート (PA−5)ポリ(4−tert−ブチルフェニルアク
リレート) (PA−6)n−ブチルメタクリレート−N−ビニル−
2−ピロリドン共重合体(90:10) (PA−7)メチルメタクリレート−塩化ビニル共重合
体(70:30) (PA−8)イソブチルメタクリレート−ブチルアクリ
レート共重合体(55:45) (PA−9)酢酸ビニル−アクリルアミド共重合体(8
5:15) (PA−10)n−ブチルアクリレート−メチルメタク
リレート−n−ブチルメタクリレート共重合体(35:
35:30) (PA−11)エチルメタクリレート−n−ブチルアク
リレート共重合体(70:30) (PA−12)tert−ブチメタクリルアミド−メチ
ルメタクリレート−アクリル酸共重合体(60:30:
10) (PA−13)n−ブチルアクリレート−アクリル酸共
重合体(80:20) (PA−14)sec−ブチルアクリレート−アクリル
酸共重合体(85:15) (PA−15)イソプロピルアクリレート−アクリル酸
共重合体(90:10) (PA−16)ブチルメタクリレート−2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート−アクリル酸共重合体(85:
5:10) (PA−17)イソブチルメタクリレート−テトラヒド
ロフルフリルアクリレート−アクリル酸共重合体(6
0:30:10) (PA−18)n−ブチルメタクリレート−1H,1
H,2H,2H−パーフルオロデシルアクリレート−ア
クリル酸共重合体(75:20:5) (PA−19)メチルメタクリレート−n−ブチルアク
リレート−アクリル酸共重合体(50:45:5) (PA−20)3−メトキシブチルメタクリレート−ス
チレン−アクリル酸共重合体(35:50:15) (PA−21)エチルアクリレート−フェニルメタクリ
レート−アクリル酸共重合体(72:25:13) (PA−22)イソブチルメタクリレート−ポリエチレ
ングリコールモノメチルエーテル(エチレンオキシ鎖繰
り返し数23)のメタクリル酸エステル−アクリル酸共
重合体(70:20:10) (PA−23)エチルメタクリレート−アクリル酸共重
合体(95:5) (PA−24)イソブチルアクリレート−メトキシスチ
レン−アクリル酸共重合体(75:15:10) (PA−25)イソブチルアクリレート−N−ビニルピ
ロリドン−アクリル酸共重合体(60:30:10) (PA−26)2,2,2−テトラフルオロエチルメタ
クリレート−メチルメタクリレート−メタクリル酸共重
合体(25:60:15) (PA−27)エチルメタクリレート−2−エトキシエ
チルメタクリレート−メタクリル産共重合体(75:1
5:15) (PA−28)tert−オクチルアクリルアミド−プ
ロピルメタクリレート−メタクリル酸共重合体(20:
65:15) (PA−29)n−ブチルメタクリレート−ジフェニル
−2−メタクリロイルオキシジエチルホスホネート−メ
タクリル酸共重合体(80:5:15) (PA−30)n−ブチルメタクリレート−フェニルア
クリルアミド−メタクリル酸共重合体(70:15:1
5) (PA−31)n−ブチルメタクリレート−N−ビニル
ピロリドン−メタクリル酸共重合体(70:15:1
5) (PA−32)n−ブチルメタクリレート−スチレンス
ルホン酸共重合体(90:10) (PA−33)イソブチルメタクリレート−スチレンス
ルホン酸共重合体(90:10) (PA−34)n−ブチルメタクリレート−2−アクリ
ルアミド−2−メチルエタンスルホン酸共重合体(9
0:10) (PA−35)イソブチルアクリレート−n−ブチルメ
タクリレート−2−アクリルアミド−2−メチルエタン
スルホン酸共重合体(70:20:10) (PA−36)エチルアクリレート−tert−ブチル
メタクリレート−2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸共重合体(60:30:10) (PA−37)tert−ブチルアクリレート−テトラ
ヒドロフルフリルアクリレート−2−メチルプロパンス
ルホン酸共重合体(50:40:10) (PA−38)tert−ブチルアクリレート−ポリエ
チレングリコールモノメチルエーテル(エチレンオキシ
鎖繰り返し数23)のメタクリル酸エステル−2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体
(60:30:10) (PA−39)イソブチルアクリレート−N−ビニルピ
ロリドン−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸共重合体(60:30:10) (PA−40)n−ブチルメタクリレート−2−アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソーダ共重合
体(98:12) (PA−41)n−ブチルメタクリレート−tert−
ブチルメタクリレート−2−アクリルアミド−2−メチ
ルブタンスルホン酸ソーダ共重合体(50:35:1
5) 前記縮合系ポリマーの具体例(PC−1)〜(PC−2
1)について、原料モノマーの形で以下に例示するが、
本発明は、これらに限定されるものではない。各ポリマ
ーにおける酸性基はすべて非解離形で表す。又、ポリエ
ステル、ポリアミド等の縮合反応により生成するものに
ついては、構成成分は原料の如何にかかわらず、すべて
ジカルボン酸、ジオール、ジアミン、ヒドロキシカルボ
ン酸、アミノカルボン酸等で表記する。括弧内の比は各
成分のモル百分率比を意味する。 (PC−1)トルエンジイソシアネート/エチレングリ
コール/1,4−ブタンジオール(50/15/35) (PC−2)トルエジイソシアネート/ヘキサメチレン
ジイソシアネート/エチレングリコール/ポリエチレン
グリコール(Mw=600)1,4−ブタンジオール
(40/20/10/20) (PC−3)4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート/ヘキサメチレンジイソシアネート/テトラエチレ
ングリコール/エチレングリコール/2,2−ビス(ヒ
ドロキシメチル)プロピオン酸(40/10/20/2
0/10) (PC−4)1,5−ナフタレンジイソシアネート/ブ
タンジオール/4,4′−ジヒドロキシ−ジフェニル−
2,2′−プロパン/ポリプロピレングリコール(Mw
=400)/2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピ
オン酸(50/20/5/10/15) (PC−5)イソホロンジイソシアネート/ジエチレン
グリコール/ネオペンチルグリコール/2,2−ビス
(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(50/20/20
/10) (PC−6)ジフェニルメタンジイソシアネート/ヘキ
サメチレンジイソシアネート/テトラエチレングリコー
ル/ブタンジオール/2,4−ジ(2−ヒドロキシ)エ
チルオキシカルボニルベンゼンスルホン酸(40/10
/10/33/7) (PC−7)テレフタル酸/イソフタル酸/シクロヘキ
サンジメタノール/1,4−ブタンジオール/エチレン
グリコール(25/25/25/15/10) (PC−8)テレフタル酸/イソフタル酸/4,4′−
ジヒドロキシ−ジフェニル−2,2−プロパン/テトラ
エチレングリコール/エチレングリコール(30/20
/20/15/15/) (PC−9)テレフタル酸/イソフタル酸/4,4′−
ベンゼンジメタノール/ジエチレングリコール/ネオペ
ンチルグリコール(25/25/25/15/10) (PC−10)テレフタル酸/イソフタル酸/5−スル
ホイソフタル酸/エチレングリコール/ネオペンチルグ
リコール(24/24/2/25/25) (PC−11)11−アミノウンデカン酸(100) (PC−12)ポリ(12−アミノドデカン酸)と無水
マレイン酸との反応物 (PC−13)ヘキサメチレンジアミン/アジピン酸
(50/50) (PC−14)N,N−ジメチルエチレンジアミン/ア
ジピン酸/シクロヘキサンジカルボン酸(50/20/
30) (PC−15)トルエンジイソシアネート/4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネート/ヘキサメチレンジ
アミン(30/20/50) (PC−16)ヘキサメチレンジアミン/ノナメチレン
ジアミン/尿素(25/25/50) 主な官能基としてアセタールを含有するポリマーとして
は、ポリビニルブチラール樹脂などが挙げられる。例え
ば、電気化学工業(株)製の#2000−L、#300
0−1、#3000−2、#3000−4、#3000
−K、#4000−1、#4000−2、#5000−
A、#6000−C、#6000−EP、あるいは積水
化学工業(株)製のBL−1、BL−1H、BL−2、
BL−2H、BL−5、BL−10、BL−S、BL−
SH、BX−10、BX−L、BM−1、BM−2、B
M−5、BM−S、BM−SH、BH−3、BH−6、
BH−S、BX−1、BX−3、BX−5、KS−1
0、KS−1、KS−3、KS−5などがある。
【0161】ポリビニルアセタール樹脂は、PVA(ポ
リビニルアルコール)の誘導体として得られるが、もと
のPVAの水酸基のアセタール化度は最大でも80mo
l%程度であり、通常は50mol%から、80mol
%程度である。なお、ポリビニルブチラールの場合に
は、アセタール基として1,1′−ブチレンジオキシ基
が形成されるが、ここでアセタール化度という場合はこ
の様な狭義のアセタールを指すのではなく、より一般的
なアセタール基を意味し、水酸基を有する化合物(この
場合ポリビニルアルコール)とアルデヒド基を有する化
合物(この場合ブタナール)とから形成されるアセター
ル基を有する化合物を指す。水酸基については、特に規
定はないが、10〜40mol%含有されていることが
好ましい。また、アセチル基の含有率に特に規定はない
が、10mol%以下であることが好ましい。主な官能
基としてアセタール基を含有するポリマーとは、ポリマ
ー中に含まれる酸素原子のうち、少なくとも30mol
%以上がアセタール基を形成していることをいう。
【0162】他に主な官能基としてアセタールを基含有
するポリマーとして、三菱エンジニアリングプラスチッ
クス株式会社製のユピタールシリーズなども使用可能で
ある。
【0163】主な官能基として炭酸エステルを含有する
ポリマーとしては、ポリカーボネート樹脂が挙げられ
る。たとえば、三菱エンジニアリングプラスチックス株
式会社製のユーピロンシリーズ、ノバレックスシリーズ
がある。ユーピロンシリーズはビスフェノールAを原料
として作られており、測定法によってその値は異なるが
各種の分子量のものを用いることができる。ノバレック
スシリーズでは分子量が20000〜30000、ガラ
ス転移点150℃付近のものを用いることができるが、
これらに限るものではない。
【0164】主な官能基として炭酸エステル基を含有す
るポリマーとは、ポリマー中に含まれる酸素原子のう
ち、少なくとも30mol%以上が炭酸エステル基の形
成に寄与していることをいう。
【0165】主な官能基として水酸基を含有するポリマ
ーとしては、たとえば、PVAがあげられる。PVAの
有機溶剤への溶解度は小さいものが多いが、けん化価の
小さいPVAであれば、有機溶剤への溶解度は上昇す
る。水溶性が高いPVAは水相中に添加しておき有機溶
剤除去後に、ポリマーのサスペンションに吸着させるよ
うにして使用することもできる。
【0166】PVAとしては市販のものを用いることが
でき、たとえば、クラレのポバールPVA−102、P
VA−117、PVA−CSA、PVA−617、PV
A−505などのほか、特殊銘柄のサイズ剤用PVA、
熱溶融成形用PVA、その他機能性ポリマーとして、K
L−506、C−118、R−1130、M−205、
MP−203、HL−12E、SK−5102、などを
用いることができる。
【0167】けん化度は50mol%以上のものが一般
的であるが、LM−10HDのように40mol%程度
であっても、これを用いることも可能である。このよう
なPVA以外でも主な官能基として水酸基を有するもの
が使用可能であるが、ポリマー中に含まれる酸素原子の
うち少なくとも20mol%以上が水酸基を形成してい
るものが使用可能である。
【0168】主な官能基としてエステル基を含有するポ
リマーとしては、たとえばメタクリル樹脂が挙げられ
る。旭化成製デルペットシリーズの560F、60N、
80N、LP−1、SR8500、SR6500などを
用いることができる。主な官能基としてエステル基を含
有するポリマーとは、ポリマー中に含まれる酸素原子の
うち、少なくとも30mol%以上がエステル基を形成
していることをいう。これらのポリマーをそれぞれ1種
ないし2種以上を混合して用いてもよい。また、これら
のポリマーが質量比で50%以上含まれていれば、他の
ポリマーや無機物のフィラーが含有されていてもよい。
【0169】これらのポリマーの共重合体を用いること
も好ましいが、たとえば水酸基を含有するポリマーと、
各種のポリマーを共重合させる手法として、水酸基をグ
リシジルメタクリレートのようなエポキシ基を有するモ
ノマーと反応させ、その後、懸濁重合でメタクリル酸エ
ステルモノマーと共重合させ、得ることができる。
【0170】前記油溶性ポリマーの分子量(Mw)とし
ては、通常1000〜200000であり、2000〜
50000が好ましい。前記分子量が、1000未満で
あると、安定な着色微粒子分散物を得るのが難しくなる
傾向にあり、200000を超えると、有機溶媒への溶
解性が悪くなったり、有機溶媒溶液の粘度が増加して分
散し難くなる傾向にある。
【0171】次に、前記着色微粒子分散物の調製につい
て説明する。前記着色微粒子分散物は、前記油溶性染料
と前記油溶性ポリマーとを水系媒体(少なくとも水を含
有する液)中に、着色微粒子の形で分散させることによ
り製造することができる。例えば、予め前記油溶性ポリ
マーのラテックスを調製し、これに前記油溶性染料を含
浸させる方法、あるいは共乳化分散法、などが挙げられ
る。これらの中でも、前記共乳化分散法が好ましい。前
記共乳化分散法としては、前記油溶性ポリマーと前記油
溶性染料とを含有する有機溶媒に水を添加すること、及
び、水中に該有機溶媒を添加すること、のいずれかによ
って該有機溶媒を乳化させ微粒子化させる方法がより好
ましい。
【0172】なお、前記ラテックスとは、水に不溶な前
記油溶性ポリマーが微細な粒子として水系媒体中に分散
したものを意味する。前記分散の状態としては、前記油
溶性ポリマーが前記水系媒体中に乳化されているもの、
乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、前記油溶
性ポリマーが分子中に部分的に親水的な構造を持ち、分
子鎖自身が分子状分散したもの、などのいずれであって
もよい。
【0173】ここで、予め前記ポリマーラテックスを調
製し、これに前記油溶性染料を含浸させる方法について
説明する。この方法の第一の例としては、ポリマーラテ
ックスを調製する第一の工程と、有機溶媒に前記油溶性
染料を溶解した染料溶液を調製する第二の工程と、前記
染料溶液と前記ポリマーラテックスを混合して着色微粒
子分散物を調製する第三の工程とを含む。この方法の第
二の例としては、ポリマーラテックスを調製する第一の
工程と、有機溶剤に前記油溶性染料を溶解した染料溶液
を調製し、この染料溶液と少なくとも水を含む液とを混
合して染料微粒子分散液を調製する第二の工程と、前記
ポリマーラテックスと前記染料微粒子分散液とを混合し
着色微粒子分散物を調製する第三の工程とを含む。この
方法の第三の例としては、特開昭55−139471号
公報に記載されている方法が挙げられる。
【0174】ここで、前記乳化分散法について説明す
る。この方法の第一の例は、有機溶媒に前記油溶性染料
と油溶性ポリマーを溶解した溶液を調製する第一の工程
と、ポリマーと染料を含む該有機溶剤溶液と少なくとも
水を含む液とを混合して着色微粒子分散物を調製する第
二の工程とを含む。この方法の第二の例は、有機溶剤に
前記油溶性染料を溶解した染料溶液を調製する第一の工
程と、有機溶剤に油溶性ポリマーを溶解したポリマー溶
液を調製する第二の工程と、前記染料溶液と前記ポリマ
ー溶液と少なくとも水を含む液とを混合して着色微粒子
分散物を調製する第三の工程とを含む。この方法の第三
の例は、有機溶剤に前記油溶性染料を溶解した染料溶液
を調製しこの染料溶液と少なくとも水を含む液とを混合
して染料微粒子分散物を調製する第一の工程と、有機溶
剤に油溶性ポリマーを溶解しポリマー溶液を調製し、こ
のポリマー溶液と少なくとも水を含む液とを混合してポ
リマー微粒子分散液を調製する第二の工程と、前記染料
微粒子分散物前記ポリマー微粒子分散液とを混合して着
色微粒子分散物を調製する第三の工程とを含む。この方
法の第四の例は、有機溶剤に前記油溶性染料を溶解した
染料溶液を調製し、この染料溶液と少なくとも水を含む
液とを混合して染料微粒子分散液を調製する第一の工程
と、有機溶剤に油溶性ポリマーを溶解したポリマー溶液
を調製する第二の工程と、前記染料微粒子分散液と前記
ポリマー溶液とを混合して着色微粒子分散物を調製する
第三の工程とを含む。この方法の第五の例は、前記油溶
性染料と油溶性ポリマーに対して、少なくとも水を含む
液とを混合して、直接、着色微粒子分散物を調製する工
程を含む。
【0175】前記油溶性ポリマーの前記着色微粒子分散
物における使用量としては、前記油溶性染料100質量
部に対し、10〜1000質量部が好ましく、50〜6
00質量部がより好ましい。前記ポリマーの使用量が、
10質量部未満であると、微細で安定な分散が難しくな
る傾向にあり、1000質量部を超えると、着色微粒子
分散物中の油溶性染料の割合が少なくなり、着色微粒子
分散液を水系インクとして使用した場合に配合設計上余
裕がなくなる傾向にある。
【0176】前記着色微粒子分散物を製造する際に用い
る有機溶剤としては、特に制限はなく、前記油溶性染料
や前記油溶性ポリマーの溶解性に基づき、適宜選択する
ことができる。前記有機溶媒としては、例えば、アセト
ン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキ
サノン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2
−プロパノール、1−プロパノ−ル、1−ブタノール、
tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホ
ルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエ
ン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イ
ソプロピル等のエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールジメチルエーテル等のグリコール系溶剤、などが挙
げられる。前記有機溶剤は、一種単独で使用してもよい
し、二種以上を併用してもよく、水との混合溶剤であっ
てもよい。
【0177】前記有機溶剤の使用量としては、本発明の
効果を害しない範囲内であれば、特には制限はないが、
前記油溶性ポリマー100質量部に対し、10〜200
0質量部が好ましく、100〜1000質量部がより好
ましい。前記有機溶剤の使用量が、10質量部以下であ
ると、着色微粒子の微細で安定な分散が困難となる傾向
にあり、2000質量部を超えると、前記有機溶媒を除
去するための脱溶媒と濃縮の工程は必須かつ煩雑とな
り、配合設計上余裕がなくなる傾向がある。
【0178】前記有機溶剤は、該有機溶剤の水に対する
溶解度が10%以下である場合、あるいは該有機溶剤の
蒸気圧が水より大きい場合には、着色微粒子分散物の安
定性の点から除去されるのが好ましい。前記有機溶剤の
除去は、常圧〜減圧条件において10℃〜100℃で行
うことができ、常圧条件において40℃〜100℃、あ
るいは減圧条件下において10℃〜50℃で行うのが、
好ましい。
【0179】前記着色微粒子分散物は添加剤として、高
沸点有機溶媒を含有してもよい。高沸点有機溶媒の沸点
としては、150℃以上であることが必要であり、17
0℃以上が好ましい。前記高沸点有機溶媒の誘電率とし
ては、3〜12であることが必要であり、4〜10が好
ましい。ここでいう誘電率とは、25℃における真空中
に対する比誘電率を表す。
【0180】前記高沸点有機溶媒としては、特に制限は
なく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、
米国特許第2,322,027号等に記載の化合物が挙
げられ、リン酸エステル類、脂肪酸エステル類、フタル
酸エステル類、安息香酸エステル類、フェノール類、ア
ミド系類の高沸点有機溶媒が好ましい。
【0181】前記高沸点有機溶媒を用いることで色素の
ポリマーへの溶解性が向上し色調がより良好となり、分
散安定性改良効果も得られる。
【0182】高沸点有機溶媒としては、下記式〔S−
1〕から〔S−9〕で表される化合物が特に好ましい。
【0183】
【化43】
【0184】前記式〔S−1〕において、R30、R31
びR32は各々独立に脂肪族基又はアリール基を表す。ま
た、a、b及びcは各々独立に0又は1を表す。
【0185】前記式〔S−2〕において、R33及びR34
は、各々独立に、脂肪族基又はアリール基を表す。R35
はハロゲン原子(F、Cl、Br、I以下同じ)、アル
キル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシ
カルボニル基又はアリールオキシカルボニル基を表す。
dは0〜3の整数を表す。dが複数のとき、複数のR 35
は同じであってもよいし異なっていてもよい。
【0186】前記式〔S−3〕において、Arはアリー
ル基を表す。eは1〜6の整数を表す。R36はe価の炭
化水素基又はエーテル結合で互いに結合した炭化水素基
を表す。
【0187】前記式〔S−4〕において、R37は脂肪族
基を表す。fは1〜6の整数を表す。R38はf価の炭化
水素基又はエーテル結合で互いに結合した炭化水素基を
表す。
【0188】前記式〔S−5〕において、gは2〜6の
整数を表す。R39はg価の炭化水素基(ただしアリール
基を除く)を表す。R40は脂肪族基又はアリール基を表
す。
【0189】前記式〔S−6〕において、R41、R42
びR43はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族基又はアリー
ル基を表す。Xは−CO−又はSO2−を表す。R41
42又はR42とR43とは互いに結合して環を形成してい
てもよい。
【0190】前記式〔S−7〕において、R44は脂肪族
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、
アリール基又はシアノ基を表す。R45はハロゲン原子、
脂肪族基、アリール基、アルコキシ基又はアリールオキ
シ基を表す。hは0〜3の整数を表す。hが複数のと
き、複数のR45は同じであってもよいし、異なっていて
もよい。
【0191】前記式〔S−8〕において、R46及びR47
は各々独立に脂肪族基又はアリール基を表す。R48はハ
ロゲン原子、脂肪族基、アリール基、アルコキシ基又は
アリールオキシ基を表す。iは0〜4の整数を表す。i
が複数のとき、複数のR48は同じであってもよいし、異
なっていてもよい。
【0192】前記式〔S−9〕において、R49及びR50
は脂肪族基又はアリール基を表す。jは1又は2を表
す。
【0193】前記式〔S−1〕〜〔S−9〕において、
30〜R35、R37、R40〜R50が脂肪族基又は脂肪族基
を含む基であるとき、該脂肪族基は、直鎖状、分岐鎖
状、環状のいずれであってもよく、また不飽和結合を含
んでいてもよく、置換基を有していてもよい。該置換基
の例としてはハロゲン原子、アリール基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、ヒド
ロキシル基、アシルオキシ基、エポキシ基等が挙げられ
る。
【0194】前記式〔S−1〕〜〔S−9〕において、
30〜R35、R37、R40〜R50が環状脂肪族基、即ちシ
クロアルキル基であるか、又はシクロアルキル基を含む
基であるとき、該シクロアルキル基は3〜8員の環内に
不飽和結合を含んでもよく、また置換基や架橋基を有し
ていてもよい。該置換基の例としては、ハロゲン原子、
脂肪族基、ヒドロキシル基、アシル基、アリール基、ア
ルコキシ基、エポキシ基、アルキル基等が挙げられ、該
架橋基の例としては、メチレン基、エチレン基、イソプ
ロピリデン基等が挙げられる。
【0195】前記式〔S−1〕〜〔S−9〕において、
30〜R35、R37、R40〜R50がアリール基又はアリー
ル基を含む基であるとき、該アリール基は、ハロゲン原
子、脂肪族基、アリール基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アルコキシカルボニル基等の置換基で置換され
ていてもよい。
【0196】前記式〔S−3〕、前記式〔S−4〕及び
前記式〔S−5〕において、R36、R38又はR39が炭化
水素基であるとき、該炭化水素基は、環状構造(例えば
ベンゼン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環)や
不飽和結合を含んでいてもよく、また置換基を有してい
てもよい。該置換基の例としてはハロゲン原子、ヒドロ
キシル基、アシルオキシ基、アリール基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、エポキシ基等が挙げられる。
【0197】次に、本発明において特に好ましい高沸点
有機溶媒について説明する。前記式〔S−1〕におい
て、R30、R31及びR32は炭素原子数(以下C数と略
す)3〜24(好ましくは4〜18)の脂肪族基(例え
ばn−ブチル基、2−エチルヘキシル基、3,3,5−
トリメチルヘキシル基、n−ドデシル基、n−オクタデ
シル基、ベンジル基、オレイル基、2−クロロエチル
基、2,3−ジクロロプロピル基、2−ブトキシエチル
基、2−フェノキシエチル基、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、4−
メチルシクロヘキシル基)又はC数6〜24(好ましく
は6〜18)のアリール基(例えばフェニル基、クレジ
ル基、p−ノニルフェニル基、キシクル基、クメニル
基、p−メトキシフェニル基、p−メトキシカルボニル
フェニル基)である。a、b及びcは、各々独立に、0
又は1であり、好ましくは総て1である。
【0198】前記式〔S−2〕において、R33及びR34
はC数4〜24(好ましくは4〜18)の脂肪族基(例
えば前記R30について挙げたアルキル基と同じ基、エト
キシカルボニルメチル基、1,1−ジエチルプロピル
基、2−エチル−1−メチルヘキシル基、シクロヘキシ
ルメチル基、1−エチル−1,5−ジメチルヘキシル
基、3,5,5−トリメチルシクロヘキシル基、1−メ
チルシクロヘキシル基)又はC数6〜24(好ましくは
6〜18)のアリール基(例えば前記R30について挙げ
たアリール基、4−t−ブチルフェニル基、4−t−オ
クチルフェニル基、1,3,5−トリメチルフェニル
基、2,4−ジ−t−ブチルフェニル基、2,4−ジ−
t−ペンチルフェニル基)である。R35はハロゲン原子
(好ましくはCl)、C数1〜18のアルキル基(例え
ばメチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−ドデ
シル基)、C数1〜18のアルコキシ基(例えばメトキ
シ基、n−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、メトキ
シエトキシ基、ベンジルオキシ基)、C数6〜18のア
リールオキシ基(例えばフェノキシ基、p−トリルオキ
シ基、4−メトキシフェノキシ基、4−t−ブチルフェ
ノキシ基)又はC数2〜19のアルコキシカルボニル基
(例えばメトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニ
ル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基)又はC
数6〜25のアリールオキシカルボニル基である。dは
0又は1である。
【0199】前記式〔S−3〕において、ArはC数6
〜24(好ましくは6〜18)のアリール基(例えばフ
ェニル基、4−クロロフェニル基、4−メトキシフェニ
ル基、1−ナフチル基、4−n−ブトキシフェニル基、
1,3,5−トリメチルフェニル基)であり、eは1〜
4(好ましくは1〜3)の整数であり、R36はe価のC
数2〜24(好ましくは2〜18)の炭化水素基、例え
ば前記R33について挙げたアルキル基、シクロアルキル
基、アリール基、−(CH22−、更に以下の基、
【0200】
【化44】
【0201】又は、e価の炭素原子数4〜24(好まし
くは4〜18)のエーテル結合で互いに結合した炭化水
素基、例えば、−CH2CH2OCH2CH2−、−CH2
CH2(OCH2CH23−、−CH2CH2CH2OCH2
CH2CH2−、更に以下の基が挙げられる。
【0202】
【化45】
【0203】前記式〔S−4〕において、R37はC数3
〜24(好ましくは3〜17)の脂肪族基(例えばn−
プロピル基、1−ヒドロキシエチル基、1−エチルペン
チル基、n−ウンデシル基、ペンタデシル基、8,9−
エポキシヘプタデシル基、シクロプロピル基、シクロヘ
キシル基、4−メチルシクロヘキシル基)であり、fは
1〜4(好ましくは1〜3)の整数であり、R38はf価
のC数2〜24(好ましくは2〜18)の炭化水素基又
はc価の炭素原子数4〜24(好ましくは4〜18)の
エーテル結合で互いに連結した炭化水素基(例えば前記
36について挙げた基)である。
【0204】前記式〔S−5〕において、gは2〜4
(好ましくは2又は3)であり、R39はg価の炭化水素
基、例えば、−CH2−、−(CH22−、−(CH2
4−、−(CH27−、更に以下の基が挙げられる。
【0205】
【化46】
【0206】R40はC数4〜24(好ましくは4〜1
8)の脂肪族基又はC数6〜24(好ましくは6〜1
8)のアリール基(例えば、前記R33について挙げた脂
肪族基、アリール基)である。
【0207】前記式〔S−6〕において、R41はC数3
〜20の脂肪族基、例えば、n−プロピル基、1−エチ
ルペンチル基、n−ウンデシル基、n−ペンタデシル
基、2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシメチル基、4
−t−オクチルフェノキシメチル基、3−(2,4−ジ
−t−ブチルフェノキシ)プロピル基、1−(2,4−
ジ−t−ブチルフェキシ)プロピル基、シクロヘキシル
基、4−メチルシクロヘキシル基又はC数6〜24(好
ましくは6〜18)のアリール基(例えば前記Arにつ
いて挙げたアリール基)である。R42及びR43はC数3
〜24(好ましくは3〜18)の脂肪族基(例えばイソ
プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、2−エチ
ルヘキシル基、n−ドデシル基、シクロペンチル基、シ
クロプロピル基)又はC数6〜18(好ましくは6〜1
5)のアリール基(例えばフェニル基、1−ナフチル
基、p−トリル基)である。R42とR43とが互いに結合
し、Nとともにピロリジン環、ピペリジン環、モルホリ
ン環を形成してもよく、R41とR42とが互いに結合して
ピロリドン環を形成してもよい。Xは−CO−又はSO
2を表し、−CO−が好ましい。
【0208】前記式〔S−7〕において、R44はC数3
〜24(好ましくは3〜18)の脂肪族基(例えばイソ
プロピル基、t−ブチル基、t−ペンチル基、t−ヘキ
シル基、t−オクチル基、2−ブチル基、2−ヘキシル
基、2−オクチル基、2−ドデシル基、2−ヘキサデシ
ル基、t−ペンタデシル基、シクロペンチル基、シクロ
ヘキシル基)、C数5〜24(好ましくは5〜17)の
アルコキシカルボニル基(例えばn−ブトキシカルボニ
ル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、n−ド
デシルオキシカルボニル基)、C数3〜24(好ましく
は3〜18)のアルキルスルホニル基(例えばn−ブチ
ルスルホニル基、n−ドデシルスルホニル基)、C数6
〜30(好ましくは6〜24)のアリールスルホニル基
(例えばp−トリルスルホニル基、p−ドデシルフェニ
ルスルホニル基、p−ヘキサデシルオキシフェニルスル
ホニル基)、C数6〜32(好ましくは6〜24)のア
リール基(例えばフェニル基、p−トリル基)又はシア
ノ基である。
【0209】R45はハロゲン原子(好ましくはCl)、
C数3〜24(好ましくは3〜18)のアルキル基(例
えば前記R44について挙げたアルキル基)、C数5〜1
7のシクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シク
ロヘキシル基)、C数6〜32(好ましくは6〜24)
のアリール基(例えばフェニル基、p−トリル基)、C
数1〜24(好ましくは1〜18)のアルコキシ基(例
えばメトキシ基、n−ブトキシ基、2−エチルヘキシル
オキシ基、ベンジルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、
n−ヘキサデシルオキシ基)又はC数6〜32(好まし
くは6〜24)のアリールオキシ基(例えばフェノキシ
基、p−t−ブチルフェノキシ基、p−t−オクチルフ
ェノキシ基、m−ペンタデシルフェノキシ基、p−ドデ
シルオキシフェノキシ基)であり、hは、1〜2の整数
である。
【0210】前記式〔S−8〕において、R46及びR47
は前記R42及びR43と同じであり、R48は前記R45と同
じである。
【0211】前記式〔S−9〕において、R49及びR50
は前記R30、R31及びR32と同じである。jは1又は2
を表し、1が好ましい。
【0212】以下に、前記高沸点有機溶媒の具体例(前
記〔S−1〕で表される化合物としてのS−1〜23、
前記〔S−2〕で表される化合物としてのS−24〜3
9、前記〔S−3〕で表される化合物としてのS−40
〜44、前記〔S−4〕で表される化合物としてのS−
45〜50、前記〔S−5〕で表される化合物としての
S−51〜58、前記〔S−6〕で表される化合物とし
てのS−59〜67、前記〔S−7〕で表される化合物
としてのS−68〜75、前記〔S−8〕で表される化
合物としてのS−76〜79、及び、前記〔S−9〕で
表される化合物としてのS−80〜81)を示す。
【0213】
【化47】
【0214】
【化48】
【0215】
【化49】
【0216】
【化50】
【0217】
【化51】
【0218】
【化52】
【0219】これらの高沸点有機溶媒は、1種単独で使
用してもよいし、2種以上を併用してもよく、例えば、
トリクレジルホスフェートとジブチルフタレートとの併
用、トリオクチルホスフェートとジ(2−エチルヘキシ
ル)セバケートとの併用、ジブチルフタレートとポリ
(N−t−ブチルアクリルアミド)との併用、などが挙
げられる。
【0220】前記高沸点有機溶媒の前記以外の化合物の
例及び合成方法は、例えば、米国特許第2,322,0
27号、同第2,533,514号、同第2,772,
163号、同第2,835,579号、同第3,59
4,171号、同第3,676,137号、同第3,6
89,271号、同第3,700,454号、同第3,
748,141号、同第3,764,336号、同第
3,765,897号、同第3,912,515号、同
第3,936,303号、同第4,004,928号、
同第4,080,209号、同第4,127,413
号、同第4,193,802号、同第4,207,39
3号、同第4,220,711号、同第4,239,8
51号、同第4,278,757号、同第4,353,
979号、同第4,363,873号、同第4,43
0,421号、同第4,430,422号、同第4,4
64,464号、同第4,483,918号、同第4,
540,657号、同第4,684,606号、同第
4,728,599号、同第4,745,049号、同
第4,935,321号、同第5,013,639号、
欧州特許第276,319A号、同第286,253A
号、同第289,820A号、同第309,158A
号、同第309,159A号、同第309,160A
号、同第509,311A号、同第510,576A
号、東独特許第147,009号、同第157,147
号、同第159,573号、同第225,240A号、
英国特許第2,091,124A号、特開昭48−47
335号、同50−26530号、同51−25133
号、同51−26036号、同51−27921号、同
51−27922号、同51−149028号、同52
−46816号、同53−1520号、同53−152
1号、同53−15127号、同53−146622
号、同54−91325号、同54−106228号、
同54−118246号、同55−59464号、同5
6−64333号、同56−81836号、同59−2
04041号、同61−84641号、同62−118
345号、同62−247364号、同63−1673
57号、同63−214744号、同63−30194
1号、同64−9452号、同64−9454号、同6
4−68745号、特開平1−101543号、同1−
102454号、同2−792号、同2−4239号、
同2−43541号、同4−29237号、同4−30
165号、同4−232946号、同4−346338
号等に記載されている。
【0221】高沸点有機溶媒は、前記油溶性染料の1〜
1000質量%、好ましくは10〜400質量%が好ま
しい。前記高沸点有機溶媒は、一種単独で使用してもよ
いし、二種以上を併用してもよい。
【0222】前記着色微粒子分散物は、目的に応じ、前
記の他、適宜選択した添加剤を含んでもよい。前記添加
剤としては、例えば、中和剤、分散剤あるいは分散安定
剤などが挙げられる。
【0223】前記中和剤としては、前記の油溶性ポリマ
ーが未中和のイオン性基を有する場合に、該着色微粒子
分散物液のpH調節、自己乳化性調節、分散安定性の付
与などの点で使用することができる。前記中和剤は、分
散液を調製する前にポリマーとして取り出す時点で添加
してもよいし、分散を行ういずれかの工程、若しくは分
散終了後に添加してもよい。前記中和剤としては、アニ
オン性の基に対しては、有機塩基(例えば、トリエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノ
ールアミン、ジメチルエタノールアミン等)、無機アル
カリ(アルカリ金属の水酸化物では、例えば、水酸化ナ
トリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等、炭酸塩
では、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム
等)、アンモニアなどが挙げられる。また、カチオン性
基に対しては、有機酸(例えば、シュウ酸、ギ酸、酢
酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等)、
無機酸(例えば、塩酸、リン酸、硫酸)など挙げられ
る。前記中和剤は、着色微粒子分散物における分散安定
性を向上させる観点からは、pH4.5〜10.0とな
るよう添加するのが好ましく、pH6.0〜10.0と
なるよう添加するのがより好ましい。
【0224】前記分散剤及び前記分散安定剤は、前記ポ
リマーラテックス、前記油溶性ポリマー溶液、染料溶
液、少なくとも水を含む溶液等のいずれに添加してもよ
く、油溶性ポリマー及び/又は染料微粒子分散液を調製
する前工程の油溶性ポリマー、染料溶液、水を含む溶
液、に添加するのが好ましい。前記分散剤及び前記分散
安定剤としては、カチオン、アニオン、ノニオン系の各
種界面活性剤、水溶性又は水分散性の低分子化合物、オ
リゴマー、などが挙げられる。前記分散剤及び前記分散
安定剤の添加量としては、油溶性染料と油溶性ポリマー
の合計の0〜100質量%が好ましく、0〜20質量%
がより好ましい。
【0225】前記着色微粒子の着色微粒子分散物におけ
る含有量としては、1〜45質量%が好ましく、2〜3
0質量%がより好ましい。前記含有量は、希釈、蒸発、
限外濾過等により、適宜調整することができる。前記着
色微粒子の平均粒径としては、1〜500nmが好まし
く、3〜300nmがより好ましい。粒径分布に関して
は、特に制限がないが、広く粒径分布を持つものでも、
単分散の粒径分布を持つものでもよい。粒径及び粒径分
布は、遠心分離、濾過等の手段により調整することがで
きる。
【0226】前記色素分散物は、前記油溶性色素を前述
したような高沸点有機溶媒に溶解し、水性媒体中に分散
してなるものである。具体的には油溶性色素を前述した
ような高沸点有機溶媒とともに低沸点有機溶媒に溶解
し、これを水性媒体中に分散するものである。低沸点有
機溶媒は分散後に減圧等により除いてもよい。
【0227】用いられる高沸点有機溶媒としては、前述
のものがあげられるが、高沸点有機溶媒を用いることに
より色調がより良好となり、分散安定性改良効果が得ら
れる。
【0228】色素分散物においても、前記高沸点有機溶
媒と共に低沸点有機溶媒を併用することが好ましく、用
いられる低沸点有機溶媒は常圧で沸点150℃以下(通
常、約30℃以上)の有機溶媒であり、例えばエステル
類(例えばエチルアセテート、ブチルアセテート、エチ
ルプロピオネート、β−エトキシエチルアセテート、メ
チルセロソルブアセテート)、アルコール類(例えばイ
ソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、セカン
ダリーブチルアルコール)、ケトン類(例えばメチルイ
ソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン)、アミド類(例えばジメチルホルムアミド、N−メ
チルピロリドン)、エーテル類(例えばテトラヒドロフ
ラン、ジオキサン)等が好適に挙げられる。
【0229】本発明において、色素組成物の製造におい
て用いられる乳化・分散装置としては、簡単なスターラ
ーやインペラー撹拌方式、インライン撹拌方式、コロイ
ドミル等のミル方式、超音波方式など公知の装置を用い
ることができるが、後述するもののうち、高圧乳化分散
装置が好ましく、その中でも、ゴーリンホモジナイザー
(A.P.V GAULIN INC.)、マイクロフ
ルイダイザー(MICROFLUIDEX IN
C.)、アルティマイザー(株式会社スギノマシン)等
の高圧ホモジナイザーが特に好ましい。
【0230】前記乳化分散は、色素分散物の場合、前記
高沸点有機溶媒、好ましくは前記高沸点有機溶媒と前記
低沸点有機溶媒との混合溶媒に、前記油溶性染料を溶か
した油相を、前記水系媒体による水相中に分散し、該油
相の微少油滴を形成することにより行われる。前記油相
の微少油滴の形成には、前記水相中に前記油相を添加す
る方法が一般的であるが、前記油相中に前記水相を滴下
して行く、いわゆる転相乳化法も好ましく用いることが
できる。
【0231】また、着色微粒子分散物の場合において
も、前記油溶性色素と油溶性ポリマーとを、場合によっ
ては前記低沸点有機溶媒と共に溶かした油相を、前記水
系媒体中で乳化・分散して形成する。
【0232】前記乳化分散の際、前記水相及び前記油相
のいずれか又は両方に、後述する界面活性剤、湿潤剤、
染料安定化剤、乳化安定剤、防腐剤、防黴剤等の添加剤
を必要に応じて添加することができる。
【0233】前記界面活性剤としては、例えば、脂肪酸
塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキル
スルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタ
レンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレン
アルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪
酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
アルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエ
チレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオ
ン系界面活性剤、また、アセチレン系ポリオキシエチレ
ンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(Ai
r Products&Chemicals社)、ま
た、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシド等
のアミンオキシド型の両性界面活性剤、また、特開昭5
9−157636号の第(37)〜(38)頁、リサー
チ・ディスクロージャーNo.308119(1989
年)記載のものも好適に挙げられる。
【0234】本発明においては、これらの界面活性剤と
共に、乳化直後の安定化を図る目的で水溶性ポリマーを
添加することができる。前記水溶性ポリマーとしては、
例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリア
クリルアミドやこれらの共重合体、また、多糖類、カゼ
イン、ゼラチン等の天然水溶性ポリマー、などが好適に
挙げられる。
【0235】前記乳化分散により、前記油溶性色素を分
散させて着色組成物或いは着色微粒子分散物とする場
合、特に重要なのは、その粒子サイズのコントロールで
ある。インクジェット記録方法により画像を形成した際
の色純度や濃度を高めるには、前記色素分散物、着色微
粒子分散物における分散粒子の平均粒子サイズを小さく
することが必須であり、体積平均粒子サイズで100n
m以下が好ましく、1〜50nmがより好ましい。
【0236】また、粗大粒子の存在も印刷性能に非常に
大きな役割を示すことが明らかになった。即ち、粗大粒
子がヘッドのノズルを詰まらせる、あるいは詰まらない
までも汚れを形成することによって、インクジェット用
インクの吐出不良や吐出のヨレを生じ、印刷性能に重大
な影響を与えることが分かった。これを防止するために
は、インクジェット用インクにした時にインク1μl中
において、5μm以上の粒子を10個以下、1μm以上
の粒子を1000個以下に抑えることが好ましい。
【0237】これらの粗大粒子を除去する方法として
は、公知の遠心分離法、精密濾過法等を用いることがで
きる。これらの分離手段は、乳化分散直後に行ってもよ
いし、乳化分散物に湿潤剤や界面活性剤等の各種添加剤
を加えインクとした後、インクカートリッジに充填する
直前でもよい。
【0238】前記色素分散液における分散粒子の平均粒
子サイズを小さくし、かつ粗大粒子をなくす有効な手段
として、後述する機械的攪拌を行う乳化分散装置を好適
に用いることができる。
【0239】本発明における着色組成物、着色微粒子分
散体の乳化法としては、各種の方法を用いることができ
る。
【0240】前述のように、簡単なスターラーやインペ
ラー撹拌方式、インライン撹拌方式、コロイドミル等の
ミル方式、超音波方式など公知の装置を用いることもで
き、それらの例は、例えば、「機能性乳化剤・乳化技術
の進歩と応用展開 シー エム シー」の86ページの
記載にまとめられているが、本発明においては、やはり
前記のように、超音波、高速回転せん断、高圧乳化分散
装置を使用することが好ましい。
【0241】超音波による乳化分散では、いわゆるバッ
チ式と連続式の2通りが使用可能である。バッチ式は、
比較的少量のサンプル作成に適し、連続式は大量のサン
プル作製に適する。連続式では、たとえば、UH−60
0SR(株式会社エスエムテー製)のような装置を用い
ることが可能である。このような連続式の場合、超音波
の照射時間は、分散室容積/流速×循環回数で求めるこ
とができる。超音波照射装置が複数ある場合は、それぞ
れの照射時間の合計としてもとめられる。超音波の照射
時間は実際上は10000秒以下である。また、100
00秒以上必要であると、工程の負荷が大きく、実際上
は乳化剤の再選択などにより乳化分散時間を短くする必
要がある。そのため10000秒以上は必要でない。さ
らに好ましくは、10秒以上、2000秒以内である。
【0242】高速回転せん断による乳化分散装置として
は、「機能性乳化剤・乳化技術の進歩と応用展開 シー
エム シー」の255〜256ページに記載されてい
るような、ディスパーミキサーや、251ページに記載
されているようなホモミキサー、256ページに記載さ
れているようなウルトラミキサーなどが使用できる。こ
れらの型式は、乳化分散時の液粘度によって使い分ける
ことができる。これらの高速回転せん断による乳化分散
機では、攪拌翼の回転数が重要である。ステーターを有
する装置の場合、攪拌翼とステーターとのクリアランス
は通常0.5mm程度で、極端に狭くはできないので、
せん断力は主として攪拌翼の周速に依存する。周速が5
m/S以上150m/S以内であれば本発明の乳化・分
散に使用できる。周速が遅い場合、乳化時間を延ばして
も小粒径化が達成できない場合が多く、150m/Sに
するにはモーターの性能を極端に上げる必要があるから
である。さらに好ましくは、20〜100m/sであ
る。
【0243】高圧乳化分散装置では、LAB2000
(エスエムテー社製)などが使用できるが、その乳化・
分散能力は、試料にかけられる圧力に依存する。圧力は
104kPa〜5×105kPaの範囲が好ましい。ま
た、必要に応じて数回乳化・分散を行い、目的の粒径を
得ることができる。圧力が低すぎる場合、何度乳化分散
を行っても目的の粒径は達成できない場合が多く、ま
た、圧力を5×105kPaにするためには、装置に大
きな負荷がかかり実用的ではない。さらに好ましくは5
×104kPa〜2×105kPaの範囲である。一度こ
れらの乳化装置で乳化分散した後、湿潤剤や界面活性剤
等の添加剤を添加しインクとした後、カートリッジにイ
ンクジェット用インクを充填する間に再度高圧乳化分散
装置を通過させるのも好ましい。
【0244】これらの乳化・分散装置は単独で用いても
よいが、必要に応じて組み合わせて使用することが可能
である。コロイドミルや、フロージェットミキサなども
単独では本発明の目的を達成できないが、本発明の装置
との組み合わせにより、短時間で乳化・分散を可能にす
るなど本発明の効果を高めることが可能である。
【0245】また、本発明のインクは、上記の装置を用
いるほか、いわゆる転相乳化によっても製造することが
できる。ここで、転相乳化は、上記ポリマーを、上記染
料と共にエステル、ケトンなどの有機溶剤に溶解させ、
必要に応じて中和剤を加えて該ポリマー中のカルボキシ
ル基をイオン化し、次いで水相を加えた後、上記有機溶
剤を留去して水系に転相することからなる。転相が完了
した後、系を減圧下に加熱することにより、上記エステ
ル、ケトン系溶剤を除去すると共に、所定量の水を除去
して、所望の濃度を有する本発明のインクジェット記録
用水系インクが得られる。これらの乳化・分散装置は単
独で用いてもよいが、必要に応じて組み合わせて使用す
ることが可能である。コロイドミルや、フロージェット
ミキサなども単独では本発明の目的を達成できないが、
本発明の装置との組み合わせにより、短時間で乳化・分
散を可能にするなど本発明の効果を高めることが可能で
ある。
【0246】前記乳化分散の際、前記低沸点有機溶媒を
含む場合、前記乳化物の安定性及び安全衛生上の観点か
ら、前記低沸点溶媒を実質的に除去するのが好ましい。
前記低沸点溶媒を実質的に除去する方法としては、該低
沸点有機溶媒の種類に応じて各種の公知の方法、例え
ば、蒸発法、真空蒸発法、限外濾過法等を採用すること
ができる。前記低沸点有機溶剤の除去工程は、乳化直
後、できるだけ速やかに行うのが好ましい。
【0247】色材を含有する着色微粒子は、これをポリ
マーコアとしてポリマーシェルを被覆してもよい。ポリ
マーコアは、主として色素を包含し、その堅牢性や色調
を保持するのに寄与する。一方ポリマーシェルは色素を
包含した微粒子のインク分散物としての安定性を増す事
に寄与し、さらにメディア上での色素の定着を促進、凝
集を防止し、画質の向上に寄与する。また、色素の堅牢
性、色調の保持にも貢献する。
【0248】本発明においては、着色微粒子分散物中の
色材含有微粒子は、色素を含有するポリマーコアとポリ
マーシェルを有していることが好ましい態様の一つであ
る。シェルにおける色素含有率(濃度)は、コア/シェ
ル化を行っていないコアにおける色素含有率(濃度)の
0.8以下であることが好ましく、更に好ましくは0.
5以下である。
【0249】色素含有率(濃度)は、TOF−SIMS
のような質量分析装置で測定する事ができる。TOF−
SIMSでは、個々の微粒子表面について、先ず質量数
1〜1000のイオンの総量を測定し、その中で色素に
起因するイオンの総量から、色素含有率を求めることが
できる。シェルとコア/シェル化を行っていないコア、
それぞれの色素含有率を比較する。TOF−SIMSで
は、表面から深さ方向に数nmの元素分析ができるため
本発明の様なコア/シェル微粒子の分析が可能である。
粒子径は5nm以下400nm以下が好ましく、10n
m以上300nm以下がさらに好ましい。
【0250】体積平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(T
EM)写真の投影面積(少なくとも100粒子以上に対
して求める)の平均値から得られた円換算平均粒径を、
球形換算して求められる。体積平均粒子径とその標準偏
差を求め、標準偏差を体積平均粒子径で割ることで変動
係数を求められる。或いは、動的光散乱法を利用して変
動係数を求めることも出来る。例えば、大塚電子製レー
ザー粒径解析システムや、マルバーン社製ゼータサイザ
ーを用いて求める事が出来る。
【0251】粒子径の変動係数は、粒子径の標準偏差を
粒子径で割った値であるが、この値が大きいほど粒子径
の分布が広い事を意味する。体積平均粒子径の変動係数
が80%を越えると、粒径分布が非常に広くなり、コア
/シェルの厚みが不均一となり易く、粒子間の表面物性
にばらつきが生じ易くなる。表面物性のばらつきは粒子
の凝集を招きやすく、インクジェットヘッドの詰まりを
起こし易い。また、粒子の凝集はメディア上で、色素の
光散乱を招き易く、画質の低下も招き易くする。変動係
数は50%以下が好ましく、30%以下がさらに好まし
い。
【0252】本発明においては、シェルに用いられるポ
リマー量が総ポリマー量の5質量%以上95質量%以下
であることが好ましい。5質量%より少ないとシェルの
厚みが不十分で、色素を多く含有するコアの一部が粒子
表面に現れ易くなる。また、シェルのポリマーが多すぎ
ると、コアの色素保護能低下を起こし易い。さらに好ま
しくは10質量%以上90質量%以下である。
【0253】色素の総量は総ポリマー量に対して20質
量%以上1,000質量%以下であることが好ましい。
色素量がポリマーに比して少なすぎると、吐出後の画像
濃度が上がらず、また、色素質量が多すぎるとポリマー
の保護能が十分に得られない。
【0254】本発明におけるコア/シェルは、最初に色
素を含有するポリマーコアを作製した後、ポリマーシェ
ルを設ける方法と、コア/シェルを同時に設ける手法が
考えられる。
【0255】(微粒子コア作製後にシェルを設ける場
合)コアとなる色素含有ポリマーは、各種の手法で調製
することができる。例えばモノマー中に油溶性色素を溶
解させ、水中で乳化後、重合によりポリマー中に色素を
封入する方法、ポリマーと色素を有機溶剤中に溶解し、
水中で乳化後有機溶剤を除去する方法、色素溶液に多孔
質のポリマー微粒子を添加し、色素を微粒子に吸着、含
浸させる手法などがある。それにポリマーシェルを設け
る手法としては、コアとなるポリマーの水系分散物に水
溶性のポリマー分散剤を添加し吸着させる手法、モノマ
ーを徐々に滴下し、重合と同時にコア表面に沈着させる
方法、あるいは、有機溶剤に溶解したポリマーを徐々に
滴下し、析出と同時にコア表面に吸着させる方法などが
ある。
【0256】あるいは、顔料をポリマーと混練し、その
後水系で分散しポリマー被覆顔料コアを作製し、さらに
上記の方法によりシェル化を行うことも可能である。
【0257】(微粒子形成時にコアとシェルを同時に設
ける手法)コアとなるポリマーと色素を、重合後にシェ
ルとなるモノマーに溶解または分散し、水中で懸濁後重
合する手法や、その液を活性剤ミセルを含有する水中に
徐々に滴下しながら乳化重合していく手法などがある。
モノマーがコア、ポリマーがシェルとなってもよい。あ
るいは、重合後にコアとなりうるモノマーとシェルとな
りうるモノマー混合液に色素を溶解または分散し、懸濁
重合あるいは乳化重合する手法がある。
【0258】(コア/シェル化の評価)実際にコア/シ
ェル化されているかを評価することは重要である。本発
明においては、個々の粒子径が200nm以下と非常に
微小であるため、分析手法は分解能の観点から限られ
る。このような目的に沿う分析手法としては、TEMや
TOF−SIMSなどが適用できる。TEMによりコア
/シェル化した微粒子を観察する場合、カーボン支持膜
上に分散液を塗布、乾燥させ観察することができる。T
EMの観察像は、有機物であるポリマーの種類のみでは
コントラスト差が小さい場合があるため、コア/シェル
化されているかどうかを評価するために、微粒子を、4
酸化オスミウム、4酸化ルテニウム、クロロスルホン酸
/酢酸ウラニル、硫化銀等を用いて染色することが好ま
しい。コアだけの微粒子を染色しそのTEM観察を行
い、シェルを設けたものと比較する。さらに、シェルを
設けた微粒子と設けていない微粒子を混合後、染色し、
染色度合いの異なる微粒子の割合がシェルの有無に一致
しているかの確認を行う。
【0259】TOF−SIMSような質量分析装置で
は、粒子表面にシェルを設けることで表面近傍の色素量
がコアだけの時よりも減少していることを確認する。色
素にコア/シェルのポリマーに含有されていない元素が
ある場合、その元素をプローブとして色素含有量の少な
いシェルが設けられたかを確認することができる。
【0260】即ち、色素含有率(濃度)は、TOF−S
IMSによって、個々の微粒子表面について、先ず質量
数1〜1,000のイオンの総量を測定し、その中で色
素に含有されるコア/シェルのポリマーに含有されてい
ない元素に由来するイオンの総量との比から求めること
ができる。この方法によりシェルとコア/シェル化を行
っていないコア、それぞれの色素含有率を比較すること
によりそれぞれの色素含有率(濃度)を測定できる。T
OF−SIMSでは、表面から深さ方向に数nmの元素
分析ができるため本発明の様なコア/シェル微粒子の分
析が可能である。
【0261】そのような元素がない場合、適当な染色剤
を用いてシェル中の色素含有量がシェルを設けていない
ものと比較することができる。
【0262】又、コア/シェル粒子をエポキシ樹脂内に
埋胞し、ミクロトームで超薄い切片を作製、染色を行う
ことでコア/シェル化はより明瞭に観察できる。上記の
ように、ポリマーや、色素にプローブとなりうる元素が
ある場合、TOF−SIMSやTEMによってコア/シ
ェルの組成、色素のコアとシェルへの分布量を見積もる
こともできる。
【0263】必要な粒子径を得るには、処方の最適化
と、適当な乳化法の選定が重要である。処方は用いる色
素、ポリマーによって異なるが、水中の分散物であるの
で、コアを構成するポリマーよりシェルを構成するポリ
マーの方が一般的に親水性が高いことが必要である。ま
た、シェルを構成するポリマーに含有される色素は、前
記のようにコアを構成するポリマー中より少ないことが
好ましく、色素もシェルを構成するポリマーよりも親水
性の低いことが必要である。親水性、疎水性は、例えば
溶解性パラメータ(SP)を用いて見積もることができ
る。溶解性パラメータは、その値や、測定、計算法がP
OLYMER HANDBOOK 第4版(JOHN
WILEY & SONS,INC.)675ページか
らの記載が参考になる。
【0264】また、コア/シェルで用いられるポリマー
は、その数平均分子量が500〜100,000、特に
1,000〜30,000であることが、印刷後の製膜
性、その耐久性及び分散物の形成性の点から好ましい。
【0265】該ポリマーのTgは、各種用いることが可
能であるが、用いるポリマーのうち、少なくとも1種以
上はTgが10℃以上であるものを用いる方が好まし
い。
【0266】本発明においては、一般に知られているす
べてのポリマーを使用可能であるが、特に好ましいポリ
マーは、主な官能基としてアセタール基を含有するポリ
マー、炭酸エステル基を含有するポリマー、水酸基を含
有するポリマーおよびエステル基を有するポリマーであ
る。上記のポリマーは、置換基を有していてもよく、そ
の置換基は直鎖状、分岐、あるいは環状構造をとってい
てもよい。また、上記の官能基を有するポリマーは、各
種のものが市販されているが、常法によって合成するこ
ともできる。また、これらの共重合体は、例えば1つの
ポリマー分子中にエポキシ基を導入しておき、後に他の
ポリマーと縮重合させたり、光や放射線を用いてグラフ
ト重合を行っても得られる。
【0267】本発明の着色組成物は、各種分野に使用す
ることができ、筆記用水性インク、水性印刷インク、情
報記録用インク等のインク組成物として好適に使用する
ことができ、以下に説明する本発明のインクジェット用
インクに、特に好適に使用することができる。
【0268】(インクジェット用インク)本発明のイン
クジェット用インクは、前記本発明の着色組成物を含ん
でなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の成分を
含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、
乾燥防止剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、
防黴剤、pH調節剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調
整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公
知添加剤が挙げられる。
【0269】前記乾燥防止剤は、インクジェット記録方
法に用いるノズルのインク噴射口において該インクが乾
燥することによる目詰まりを防止する目的で好適に使用
される。前記乾燥防止剤としては、水より蒸気圧の低い
水溶性有機溶剤が好ましい。該乾燥防止剤の具体例とし
ては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジ
グリコール、ジチオグリコール、2−メチル−1,3−
プロパンジオール、1,2,3−ヘキサトリオール、ア
セチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロー
ルプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレン
グリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエ
チレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等
の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロ
リドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチ
ル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の
複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−ス
ルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジ
エタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体等が挙
げらる。これらの内グリセリンジエチレングリコール等
の多価アルコールがより好ましい。これらは、一種単独
で用いてもよいし、二種以上を併用してよい。これらの
乾燥防止剤は、インク中に10〜50質量%含有するこ
とが好ましい。更に好ましくは1〜30質量%である。
【0270】前記浸透促進剤としては、例えば、エタノ
ール、イソプロパノール、ブタノール、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモ
ノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアル
コール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリ
ウムや上記乳化分散用界面活性剤として掲げたノニオン
性界面活性剤等が挙げられる。これらは、インクジェッ
ト用インク中に、10〜30質量%添加されれば十分な
効果があり、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を
起こさない範囲で添加される。
【0271】前記紫外線吸収剤は、画像の保存性を向上
させる目的で使用され、例えば、特開昭58−1856
77号公報、同61−190537号公報、特開平2−
782号公報、同5−197075号公報、同9−34
057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合
物、特開昭46−2784号公報、特開平5−1944
83号公報、米国特許第3,214,463号等に記載
されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−3049
2号公報、同56−21141号公報、特開平10−8
8106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平
4−298503号公報、同8−53427号公報、同
8−239368号公報、同10−182621号公
報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリ
アジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.2
4239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズ
オキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍
光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤なども挙げられ
る。
【0272】前記酸化防止剤は、画像の保存性を向上さ
せる目的で使用され、例えば、各種の有機系及び金属錯
体系の褪色防止剤が好適に挙げられる。前記有機系の褪
色防止剤としては、例えば、ハイドロキノン類、アルコ
キシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノ
ール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン
類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などが挙げられ
る。前記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯
体、亜鉛錯体などが挙げられ、具体的には、リサーチデ
ィスクロージャーNo.17643の第VIIのIないし
J項、同No.15162、同No.18716の65
0頁左欄、同No.36544の527頁、同No.3
07105の872頁、同No.15162に引用され
た特許に記載された化合物や特開昭62−215272
号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物
の一般式及び化合物例に含まれる化合物などが好適に挙
げられる。
【0273】前記防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢
酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジ
ンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチ
ルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン
及びその塩等が挙げられる。これらはインク中に0.0
2〜1.00質量%使用するのが好ましい。
【0274】前記pH調整剤としては、例えば、水酸化
リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化
物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩、
酢酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム
等の無機塩基、N−メチルジエタノールアミン、トリエ
タノールアミン等の有機塩基が挙げられる。
【0275】前記表面張力調整剤としては、例えば、ノ
ニオン、カチオンあるいはアニオン界面活性剤が挙げら
れる。例えば、上記の乳化分散に用いる界面活性剤を用
いることができるが、ここで用いられる界面活性剤は2
5℃での水に対する溶解度が0.5%以上のものが好ま
しい。
【0276】前記分散剤及び前記分散安定剤としては、
上述のカチオン、アニオン、ノニオン系の各種界面活性
剤、などが好適に挙げられ、特に制限されるものではな
いが、そのHLB値が8〜18であることが、分散剤と
しての効果が発現し、サスペンションの粒子径の増大抑
制効果がある点から好ましい。
【0277】分散剤として市販品も使用することができ
る。そのような市販品としては、例えば花王(株)製の
分散剤デモールSNB,MS,N,SSL,ST,P
(商品名)が挙げられる。
【0278】分散剤の配合量に特に制限はないが、本発
明のインク中に、0.01〜10質量%配合されること
が好ましい。該化合物の配合量が0.01質量%に満た
ないとサスペンションの小粒径化が困難であり、10質
量%を超えるとサスペンションの粒径が増大したりサス
ペンション安定性が低下し、ゲル化するおそれがあるの
で、上記範囲内とすることが好ましい。
【0279】前記消泡剤としては、フッソ系、シリコー
ン系化合物やEDTAに代表されるれるキレート剤等な
どが挙げらることができる。
【0280】また、上記消泡剤としては、特に制限な
く、市販品を使用することができる。そのような市販品
としては、例えば信越シリコーン社製のKF96、6
6、69、KS68、604、607A、602、60
3、KM73、73A、73E、72、72A、72
C、72F、82F、70、71、75、80、83
A、85、89、90、68−1F、68−2F(商品
名)等が挙げられる。これら化合物の配合量に特に制限
はないが、本発明のポリマーエマルジョン型水系インク
中に、0.001〜2質量%配合されることが好まし
い。該化合物の配合量が0.001質量%に満たないと
インク調製時に泡が発生し易く、又、インク内での小泡
の除去が難しく、2質量%を超えると泡の発生は抑えら
れるものの、印字の際、インク内でハジキが発生し印字
品質の低下が起こる場合があるので、上記範囲内とする
ことが好ましい。
【0281】なお、インクジェット用インクのpHとし
ては、保存安定性の向上の点で、6〜10が好ましく、
7〜10がより好ましい。前記インクジェット用インク
の表面張力としては、20〜60mN/mが好ましく、
25〜45mN/mがより好ましい。前記インクジェッ
ト用インクの粘度としては、30mPa・s以下が好ま
しく、20mPa・s以下がより好ましい。本発明のイ
ンクジェット用インクは、以下の本発明のインクジェッ
ト記録方法に好適に用いられる。
【0282】本発明のコア/シェルの形態を有する色素
含有ポリマー微粒子は、ポリマー量として本発明のポリ
マー含有着色微粒子分散物を含有してなるインクジェッ
ト用インク中に0.5〜50質量%配合されることが好
ましく、0.5〜30質量%配合されることが更に好ま
しい。上記ポリマーの配合量が0.5質量%に満たない
と、色素の保護能が十分でなく、50質量%を超える
と、分散物のインクとしての保存安定性が低下したり、
ノズル先端部でのインク蒸発に伴うインクの増粘や分散
物の凝集が起こることによってプリンタヘッドの目詰り
が起こる場合があるので、上記範囲内とすることが好ま
しい。
【0283】一方、上記色素は、該インク中に1〜30
質量%配合されることが好ましく、1.5〜25質量%
配合されることが更に好ましい。上記色素の配合量が1
質量%に満たないと印字濃度が不十分であり、30質量
%を超えると分散物の経時安定性が低下し、凝集等によ
る粒径増大の傾向があるので、上記範囲内とすることが
好ましい。
【0284】本発明のインクジェット記録用水系インク
を吐出して画像形成を行う際に、使用するインクジェッ
トヘッドはオンデマンド方式でもコンティニュアス方式
でも構わない。又吐出方式としては、電気−機械変換方
式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビテ
ィー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、
シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例え
ば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(R)
型等)等など何れの吐出方式を用いても構わない。
【0285】本発明のインクジェット記録用水系インク
を用いた画像形成方法においては、例えば、インクジェ
ット記録用水系インクを装填したプリンター等により、
デジタル信号に基づきインクジェットヘッドよりインク
を液滴として吐出させインク受容体に付着させること
で、例えばインクジェット画像記録媒体上にインクジェ
ット記録画像が形成されたインクジェットプリントが得
られる。
【0286】インクジェット画像記録媒体としては、例
えば、普通紙、コート紙、キャストコート紙、光沢紙、
光沢フィルム、OHPフィルムのいずれも使用すること
ができ、なかでも例えば多孔質層が形成されている所謂
空隙層を有する被記録媒体であれば好ましい。上述した
支持体の素材或いは形状に特に限定されるものではな
く、例えばシート状に形成されたもの以外に立体的な構
造を有するものであってもよい。
【0287】本発明のポリマーエマルジョン型水系イン
クは、インクジェット記録用のインクとして以外に、例
えば、一般の万年筆、ボールペン、サインペン等の筆記
具用のインクとしても使用可能である。本発明のサスペ
ンションを乾燥し、微粒の粉体を得ることもできる。得
られた粉体は、電子写真のトナーなどにも使用可能であ
る。
【0288】(受像材料)受像材料としては、特に制限
はなく、公知の被記録材、即ち普通紙、樹脂コート紙、
例えば、特開平8−169172号公報、同8−276
93号公報、同2−276670号公報、同7−276
789号公報、同9−323475号公報、特開昭62
−238783号公報、特開平10−153989号公
報、同10−217473号公報、同10−23599
5号公報、同10−337947号公報、同10−21
7597号公報、同10−337947号公報等に記載
されているインクジェット専用紙、フィルム、電子写真
共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器、等が挙げられ
る。
【0289】本発明においては、前記受像材料の中で
も、受像層を支持体上に有してなる記録紙及び記録フィ
ルムが特に好ましい。
【0290】前記支持体としては、LBKP、NBKP
等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CT
MP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙
パルプ等からなり、必要に応じて従来の公知の顔料、バ
インダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤
等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種
装置で製造されたもの等が使用可能であり、また、これ
らの外、合成紙、プラスチックフィルムシートなどであ
ってもよい。前記支持体の厚みとしては、10〜250
μm程度であり、その坪量としては、10〜250g/
2が好ましい。
【0291】前記支持体には、そのまま前記受像層を設
けてもよいし、バックコート層を更に設けてもよく、ま
た、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレス
やアンカーコート層を設けた後、前記受像層及びバック
コート層を設けてもよい。前記支持体には、マシンカレ
ンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレン
ダー装置により平坦化処理を行ってもよい。
【0292】前記支持体の中でも、両面をポリオレフィ
ン(例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブテン及びそれらのコポリマー
等)でラミネートした紙及びプラスチックフイルムがよ
り好ましく用いられる。ポリオレフィン中に、白色顔料
(例、酸化チタン、酸化亜鉛)又は色味付け染料(例、
コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム)を添加するこ
とが好ましい。
【0293】前記受像層は、前記支持体上に設けられ、
顔料や水性バインダーが含有される。前記顔料として
は、白色顔料が好ましく、該白色顔料としては、例え
ば、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻
土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネ
シウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミ
ナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシ
ウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等の無機顔
料、スチレン系ピグメント、アクリル系ピグメント、尿
素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料、等が好適に挙げら
れる。これらの白色顔料の中でも、無機顔料が好まし
く、多孔性無機顔料がより好ましく、細孔面積の大きな
合成非晶質シリカ等が、特に好ましい。前記合成非晶質
シリカは、乾式製造法によって得られる無水珪酸及び湿
式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使用可能
であるが、特に含水珪酸を使用することが好ましい。
【0294】前記水性バインダーとしては、例えば、ポ
リビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコ
ール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラ
チン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオ
キサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体等の水溶性
高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマ
ルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。これらの
水性バインダーは、一種単独で使用してもよいし、二種
以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリビニルア
ルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールが、前
記顔料に対する付着性、受像層の耐剥離性の点で好まし
い。
【0295】前記受像層は、前記顔料及び前記水性バイ
ンダーの外に、媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、界面
活性剤、その他の添加剤を含有することができる。
【0296】前記媒染剤は、不動化されていることが好
ましい。そのためには、ポリマー媒染剤が好ましく用い
られる。前記ポリマー媒染剤については、特開昭48−
28325号、同54−74430号、同54−124
726号、同55−22766号、同55−14233
9号、同60−23850号、同60−23851号、
同60−23852号、同60−23853号、同60
−57836号、同60−60643号、同60−11
8834号、同60−122940号、同60−122
941号、同60−122942号、同60−2351
34号、特開平1−161236号の各公報、米国特許
2484430号、同2548564号、同31480
61号、同3309690号、同4115124号、同
4124386号、同4193800号、同42738
53号、同4282305号、同4450224号の各
明細書に記載がある。特開平1−161236号公報の
212〜215頁に記載のポリマー媒染剤を含有する受
像材料が特に好ましい。同公報記載のポリマー媒染剤を
用いると、優れた画質の画像が得られ、かつ画像の耐光
性が改善される前記耐水化剤は、画像の耐水化に有効で
あり、カチオン樹脂が特に好適に挙げられる。前記カチ
オン樹脂としては、例えば、ポリアミドポリアミンエピ
クロルヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリアミンスル
ホン、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合
物、カチオンポリアクリルアミド、コロイダルシリカ等
が挙げられ、これらの中でも、ポリアミドポリアミンエ
ピクロルヒドリンが特に好ましい。これらのカチオン樹
脂の含有量としては、前記受像層の全固形分に対し1〜
15質量%が好ましく、特に3〜10質量%であること
が好ましい。
【0297】前記耐光性向上剤としては、例えば、硫酸
亜鉛、酸化亜鉛、ヒンダーアミン系酸化防止剤、ベンゾ
フェノン等のベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤等が
挙げられる。これらの中でも、硫酸亜鉛が特に好まし
い。
【0298】前記界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良
剤、スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能す
る。前記界面活性剤については、特開昭62−1734
63号、同62−183457号の各公報に記載があ
る。前記界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用
いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性である
ことが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例
えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物
(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四
フッ化エチレン樹脂)が含まれる。前記有機フルオロ化
合物については、特公昭57−9053号(第8〜17
欄)、特開昭61−20994号、同62−13582
6号の各公報に記載がある。
【0299】前記その他の添加剤としては、例えば、顔
料分散剤、増粘剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐
剤、pH調整剤、マット剤、硬膜剤、等が挙げられる。
なお、前記受像層は、1層であってもよいし、2層以上
であってもよい。
【0300】前記受像層の厚みとしては、10〜50μ
mが好ましく、20〜40μmがより好ましい。
【0301】前記受像材料には、バックコート層を設け
ることもでき、該バックコート層に添加可能な成分とし
ては、白色顔料、水性バインダー、その他の添加剤、が
挙げられる。
【0302】前記バックコート層に含有される白色顔料
としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カル
シウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、
サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸
カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コ
ロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、
水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライ
ト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグ
ネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピ
グメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエ
チレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等
の有機顔料等が挙げられる。
【0303】前記バックコート層に含有される水性バイ
ンダーとしては、スチレン/マレイン酸塩共重合体、ス
チレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコー
ル、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、
カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリ
ビニルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエ
ンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分
子等が挙げられる。
【0304】前記バックコート層に含有されるその他の
成分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防
腐剤、耐水化剤、等が挙げられる。
【0305】前記受像材料における構成層(バックコー
ト層を含む)には、ポリマーラテックスを添加してもよ
い。前記ポリマーラテックスは、寸度安定化、カール防
止、接着防止、膜のひび割れ防止のような膜物性改良の
目的で使用される。前記ポリマーラテックスについて
は、特開昭62−245258号、同62−13166
48号、同62−110066号の各公報に記載があ
る。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマーラ
テックスを媒染剤を含む層に添加すると、該層のひび割
れやカールを防止することができる。また、ガラス転移
温度が高いポリマーラテックスを前記バックコート層に
添加すると、該層のカールを防止できる。
【0306】インクジェット記録方式には、特に制限は
なく、公知の方式、例えば静電誘引力を利用してインク
を吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利
用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、
電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を
利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、
及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用
するサーマルインクジェット方式、等のいずれであって
もよい。なお、前記インクジェット記録方式には、フォ
トインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数
射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数の
インクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインク
を用いる方式、が含まれる。
【0307】
【実施例】次に、実施例により、本発明を更に詳細に説
明する。しかしながら、本発明は、かかる実施例のみに
限定されるものでないことはいうまでもない。
【0308】実施例1 〈着色微粒子分散物(A−10)の調製〉油溶性ポリマ
ーとしてポリビニルブチラール(積水化学(株)製BL
−S、平均重合度350)15g、化合物例1−1の色
素15g及び酢酸エチル150gをセパラブルフラスコ
に入れ、フラスコ内をN2置換後、攪拌して上記ポリマ
ー及び染料を完全溶解させた。引き続き、更にラウリル
硫酸ナトリウム3gを含む水溶液150gを滴下して撹
拌した後、超音波分散機(UH−150型、株式会社エ
スエムテー製)を用いて300秒間乳化した。その後、
減圧下で酢酸エチルを除去し、着色微粒子分散物を調製
した。以下、これを着色微粒子分散物(A−10)とす
る。
【0309】〈着色微粒子分散物(A−11)の調整〉
油溶性ポリマーとしてポリカーボネート樹脂(三菱エン
ジニアリングプラスチックス社製ユーピロンS−300
0)15g、化合物例1−8の色素10g、酢酸エチル
100g及びイソプロピルアルコール50gをセパラブ
ルフラスコに入れ、フラスコ内をN2置換後、撹拌して
上記ポリマー及び色素を完全溶解させた。引き続き、更
にラウリル硫酸ナトリウム3gを含む水溶液150gを
滴下して撹拌した後、高速撹拌型乳化分散機TKロボミ
ックスAG−03型(特殊機化工業社製)を用い、ステ
ーターとタービンを有する撹拌部において15000r
pmで20分間乳化した。その後、減圧下で酢酸エチル
及びイソプロピルアルコールを除去し、着色微粒子分散
物を調製した。以下、これを着色微粒子分散物(A−1
1)とする。
【0310】〈着色微粒子分散物(A−12)の調製〉
着色微粒子分散物(A−10)において、油溶性ポリマ
ーとしてポリビニルブチラール(積水化学(株)製BL
−S、平均重合度350)7gとPMMA樹脂(旭化成
社製デルペット560F)を3g用い、化合物例1−1
1の色素10gを用いた以外は、着色微粒子分散物(A
−10)と同様の操作により着色微粒子分散物を得た。
以下、これを着色微粒子分散物(A−12)とする。
【0311】〈着色微粒子分散物(A−13)〜(A−
50)の調製〉それぞれ、油溶性ポリマー、色素、そし
て、油溶性ポリマーと色素の比率(質量比)を表1に示
すように変化させて、着色微粒子分散物(A−10)の
調製法と同様にして着色微粒子分散物(A−13)〜
(A−47)を、着色微粒子分散物(A−11)の調製
法と同様にして着色微粒子分散物(A−48)、(A−
49)を、着色微粒子分散物(A−12)の調製法と同
様にして着色微粒子分散物(A−50)を調製した。
【0312】又、油溶性ポリマー及び比較の色素(H−
1)〜(H−5)を表1に示す様に用いて、着色微粒子
分散物(A−10)の調製法と同様にして比較の分散物
(B−1)〜(B−5)を調製した。表1に示す粒子径
は、大塚電子製レーザー粒径解析システムを用いて行っ
た体積平均粒子径である。
【0313】
【表1】
【0314】
【化53】
【0315】
【化54】
【0316】得られた着色微粒子分散物の各試料を15
0μmの厚さを有する合成紙(ユポFPG−150、王
子油化社製)上に、それぞれウエット膜厚60μmで塗
布・乾燥し、塗布試料(A−10)〜(A−50)及び
比較の塗布試料(B−1)〜(B−5)を作製した。
【0317】これら塗布試料について下記の方法により
性能評価した。 《耐光性》各塗布試料をキセノンフェードメーターにて
120時間曝射した後、可視領域の極大吸収波長におけ
る反射スペクトル濃度の未曝射試料からの低下率を以下
によりもとめた。 耐光性(%)=(曝射試料の極大吸収波長濃度/未曝射
試料の極大吸収波長濃度)×100 以下の評価基準に基づいて4段階評価し、○以上であれ
ば実用上問題ない。
【0318】 ◎:耐光性が95%以上 ○:耐光性が90%以上、95%未満 △:耐光性が80%以上、90%未満 ×:耐光性が80%未満 《色調》各塗布試料について、10人のモニターによる
目視評価で3段階評価を行った。○であることが望まし
い。
【0319】○:8〜10人が鮮やかな色であると評価
した。 △:3〜7人が鮮やかな色であると評価した。
【0320】×:鮮やかな色であると評価した人が2人
以下であった。 結果を表2に示す。
【0321】
【表2】
【0322】〈インクの作製〉前記の通り調製した着色
微粒子分散物(A−10)〜(A−50)及び(B−
1)〜(B−5)をそれぞれ、染料の含有量が仕上がり
インクとして、2質量%になる様に、また、エチレング
リコール15質量%、グリセリン15質量%、サーフィ
ノール465(日信化学工業社製)0.3質量%、残り
が純水になるようにそれぞれ秤量し混合・調製した後、
更に2μmのメンブランフィルターによって濾過し、ゴ
ミ及び粗大粒子を除去して表3に示すようなインクジェ
ット用インク(A−10)〜(A−50)及び比較のイ
ンク(B−1)〜(B−5)を得た。
【0323】各インクを市販のエプソン社製インクジェ
ットプリンター(PM800)を用いてコニカフォトジ
ェットペーパーPhotolikeQP光沢紙(コニカ
株式会社製)にプリントし、得られた画像の耐光性、色
調、耐水性について評価した。耐光性、色調については
前記と同じ方法で、耐水性については以下の方法で評価
した。
【0324】《耐水性》マイクロピペットにて、得られ
た各プリント上に水を滴下し1分後、指で擦ってプリン
トに乱れが生じたか否かを目視にて判定した。
【0325】 ◎:実質的に全く変化が見られない ○:乱れていても画像が識別できる(許容レベル) ×:識別できないほどに画像が乱れたもの 上記評価結果を表3に示す。
【0326】
【表3】
【0327】表2、表3で示されるように、本発明の着
色微粒子分散物、インクジェット用インクは耐光性、耐
水性及び色調に優れている。
【0328】実施例2 〈着色微粒子分散物(A−51)の調製〉油溶性ポリマ
ーとして、ポリビニルブチラール(積水化学(株)製B
L−S、平均重合度350)20g、化合物例1−3の
色素10g及び酢酸エチル150g、および高沸点有機
溶媒(S−2)2gの混合液をセパラブルフラスコに入
れ、フラスコ内をN2置換後、攪拌して上記ポリマー及
び色素を完全溶解させた。引き続き、更にラウリル硫酸
ナトリウム3gを含む水溶液150gを滴下して撹拌し
た後、超音波分散機(UH−150型、株式会社エスエ
ムテー製)を用いて300秒間乳化した。その後、減圧
下で酢酸エチルを除去し、着色微粒子分散物を調製し
た。以下、これを着色微粒子分散物(A−51)とす
る。
【0329】〈着色微粒子分散物(A−52)の調製〉
油溶性ポリマーとしてポリカーボネート樹脂(三菱エン
ジニアリングプラスチックス社製ユーピロンS−300
0)10g、化合物例1−7の色素10g、及びイソプ
ロピルアルコール40g、tert−ブタノール60g
及び高沸点有機溶媒(S−2)3gの混合液をセパラブ
ルフラスコに入れ、フラスコ内をN2置換後、撹拌して
上記ポリマー及び色素を完全溶解させた。引き続き、更
にラウリル硫酸ナトリウム3gを含む水溶液150gを
滴下して撹拌した後、高速撹拌型乳化分散機TKロボミ
ックスAG−03型(特殊機化工業社製)を用い、ステ
ーターとタービンを有する撹拌部において15000r
pmで20分間乳化した。その後、減圧下でイソプロピ
ルアルコール及びtert−ブタノールを除去し、着色
微粒子分散物を調製した。以下、これを着色微粒子分散
物(A−52)とする。
【0330】〈着色微粒子分散物(A−53)の調製〉
着色微粒子分散物(A−51)において、油溶性ポリマ
ーとしてポリビニルブチラール(積水化学(株)製BL
−S、平均重合度350)10gとPMMA樹脂(旭化
成社製デルペット560F)を5g用い、色素として化
合物例1−11の色素10gを、又、高沸点有機溶媒
(S−2)の代わりに(S−2):(S−24)=1:
2(質量比)の混合物2gを用いた以外は、着色微粒子
分散物(A−50)と同様の操作により着色微粒子分散
物を得た。以下、これを着色微粒子分散物(A−53)
とする。
【0331】〈着色微粒子分散物(A−54)〜(A−
92)の調製〉それぞれ、油溶性ポリマー、色素、そし
て、油溶性ポリマーと色素の比率(質量比)を表4に示
すように変化させて、着色微粒子分散物(A−51)の
調製法と同様にして、着色微粒子分散物(A−54)〜
(A−88)を、着色微粒子分散物(A−52)の調製
法と同様にして、着色微粒子分散物(A−89)、(A
−90)を、着色微粒子分散物(A−53)の調製法と
同様にして、着色微粒子分散物(A−91)、(A−9
2)を調製した。
【0332】又、油溶性ポリマー及び比較の色素(H−
1)、(H−2)、(H−4)、(H−6)及び(H−
7)を表4に示す様に用いて、着色微粒子分散物(A−
52)の調製法と同様にして比較の分散物(B−6)〜
(B−10)を調製した。表4に示す粒子径は、大塚電
子製レーザー粒径解析システムを用いて行った体積平均
粒子径である。
【0333】
【表4】
【0334】
【化55】
【0335】〈インクの作製〉前記の通り調製した着色
微粒子分散物(A−51)を色素の含有量が仕上がりイ
ンクとして、2質量%になる量を秤量し、エチレングリ
コール15質量%、グリセリン15質量%、サーフィノ
ール465(日信化学工業社製)0.3質量%、残りが
純水になるように秤量して混合した後、更に2μmのメ
ンブランフィルターによって濾過し、ゴミ及び粗大粒子
を除去して表5に示すようなインクジェット用インク
(A−51)〜(A−92)及び比較インク(B−6)
〜(B−10)を得た。
【0336】得られたインクの分散安定性について評価
した。又、各インクを市販のエプソン社製インクジェッ
トプリンター(PM−800)を用いてコニカフォトジ
ェットペーパーPhotolikeQP光沢紙(コニカ
株式会社製)にプリントし、得られた画像の色調、分散
安定性について評価した。色調については前記実施例1
と同様に、又、分散安定性については以下に示す方法で
評価した。
【0337】《分散安定性》調製した各インクを60℃
で7日間保管後、下記の通り評価した。○以上であれば
実用上問題ない。
【0338】 ◎:粒子径変化率が5%未満 ○:粒子径変化率が5%以上10%未満 ×:10%以上
【0339】
【表5】
【0340】本発明のインクジェット用インクは、粒径
が小さく、安定した分散性を示し、色調にも優れてい
る。
【0341】実施例3 〈着色微粒子分散物(A−100)の調製〉油溶性ポリ
マーとして、20gのポリビニルブチラール(積水化学
製BL−S、平均重合度350)、化合物例1−3の色
素10g、酢酸エチル150gをセパラブルフラスコに
入れ、フラスコ内をN2置換後、撹拌して上記ポリマー
及び色素を完全に溶解させた。ラウリル硫酸ナトリウム
6gを含む水溶液200gを滴下後、超音波分散機(U
H−150型、株式会社エスエムテー製)を用いて30
0秒間乳化した。その後、減圧下で酢酸エチルを除去
し、色素を含浸する着色微粒子分散物を得た。この分散
液に0.45gの過硫酸カリウムを加えて溶解し、ヒー
ターを付して70℃に加温後、更に6gのスチレン及び
3gの2−ヒドロキシエチルメタクリレートの混合液を
滴下しながら7時間反応させてコア/シェル型の着色微
粒子を得た。平均粒子径は81nmであった。尚、粒子
径は大塚電子製レーザー粒径解析システムを用いて測定
した体積平均粒子径である。
【0342】〈着色微粒子分散物(A−101)の調
製〉油溶性ポリマーとして、15gのポリビニルブチラ
ール(積水化学製BL−S、平均重合度350)、化合
物例1−7の色素15g及び150gの酢酸エチルをセ
パラブルフラスコに入れ、フラスコ内をN2置換後、撹
拌して上記ポリマー及び色素を完全溶解させた。ラウリ
ル硫酸ナトリウム6gを含む水溶液270gを滴下して
撹拌した後、超音波分散機(UH−150型、株式会社
エスエムテー製)を用いて300秒間乳化した。その
後、減圧下で酢酸エチルを除去し、色素を含浸する着色
微粒子分散物を得た。この分散液に0.45gの過硫酸
カリウムを加えて溶解し、ヒーターを付して70℃に加
温後、更に6gのスチレン及び1.5gのポリエチレン
グリコールメタクリレート(平均付加ユニット数:4)
の混合液を滴下しながら7時間反応させてコア/シェル
型の着色微粒子分散物を得た。尚、平均粒子径は91n
mであった。
【0343】〈着色微粒子分散物(A−102)の調
製〉ポリビニルブチラール(積水化学製BL−S、平均
重合度350)15g、ジョンクリル67(ジョンソン
ポリマー(株)製)5g、化合物例1−15の色素10
g及び酢酸エチル150gをセパラブルフラスコに入
れ、フラスコ内をN2置換後、攪拌して上記ポリマー及
び染料を完全溶解させた。引き続き、更に、ジョンクリ
ル67を中和するのに必要量の水酸化ナトリウムおよび
ラウリル硫酸ナトリウム3gを含む水溶液150gを滴
下して撹拌した後、超音波分散機(UH−150型、株
式会社エスエムテー製)を用いて70℃、300秒間乳
化した。その後、減圧下で酢酸エチルを除去し、色素を
含浸する着色微粒子分散物を得た。(シェルポリマー:
ジョンクリル、25%) 以下、用いたシェルとして添加した化合物を下記の通り
表記する。 P:(A−100)と同様、スチレン/2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート(6g/2g)をもちいた Q:(A−101)と同様、スチレン/ポリエチレング
リコールメタクリレート〔平均付加ユニット数:4〕
(6g/1.5g)をもちいた R:(A−102)と同様、ジョンクリル67(5g)
をもちいた 次いで、着色微粒子分散物(A−100)〜(A−10
2)と同様の方法で、コアとして用いた着色微粒子分散
物の調製に用いた油溶性ポリマー、色素の種類及び比
率、シェルのポリマーを表6に記載したように変化させ
てコア/シェル構造を有する着色微粒子分散物(A−1
03)〜(A−141)及び(B−11)〜(B−1
5)を調製した。尚、(B−11)〜(B−15)は前
記比較の色素(H−1)、(H−2)、(H−4)、
(H−6)及び(H−7)をもちいたものである。コア
の油溶性ポリマー、色素及びシェルを構成するポリマー
の質量比は各分散物について表6に示した。
【0344】
【表6】
【0345】〈インクの作製〉前記の通り調製した着色
微粒子分散物(A−100)〜(A−141)及び(B
−11)〜(B−15)を用いて、それぞれ色素の含有
量が仕上がりインクとして、2質量%になる量、エチレ
ングリコール15質量%、グリセリン15質量%、サー
フィノール465(日信じ化学工業社製)0.3質量
%、残りが純水になるように秤量し混合・調製した後、
更に2μmのメンブランフィルターによって濾過し、ゴ
ミ及び粗大粒子を除去して表7に示すようなインクジェ
ット用インク(A−100)〜(A−141)及び比較
インク(B−11)〜(B−15)を得た。
【0346】各インクの分散安定性について、前記と同
様の試験を行ったほか、各インクを市販のエプソン社製
インクジェットプリンター(PM−800)を用いてコ
ニカフォトジェットペーパーPhotolikeQP光
沢紙(コニカ株式会社製)上にプリントし、得られた画
像の色調、耐光性について前記と同様に評価し、又、吐
出安定性についても評価した。
【0347】《吐出安定性》プリンターで連続吐出する
際、下記の通り評価した。 ○:10分以上ノズル欠が出ない ×:10分未満でノズル欠がある
【0348】
【表7】
【0349】本発明のインクジェット用インクは、画像
の色調、耐光性がよく、安定した分散性を示し、インク
吐出性にも優れている。
【0350】
【発明の効果】本発明によると、前記の如き従来におけ
る諸問題を解決することができ、着色微粒子の分散安定
性に優れ、かつ、印字したときの色調、耐水性、耐光性
にも優れ、筆記用水性インク、水性印刷インク、情報記
録用インクなどに好適な着色微粒子分散物、並びに、サ
ーマル、圧電、電界又は音響インクジェット方式に好適
であり、ノズルを用いて印字などを行った際、該ノズル
先端で目詰まりを起こすことがなく、得られる画像の色
調、耐水性、耐光性に優れるインクジェット用インク及
びインクジェット記録方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 11/00 B41J 3/04 101Y Fターム(参考) 2C056 EA13 FC01 2H086 BA52 BA53 BA55 BA59 BA60 4J039 BC40 BC50 BC51 BC54 BE01 BE02 GA24

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される色素の少な
    くとも1種を含有することを特徴とする着色組成物。 【化1】 (式中、Aは−NR34またはヒドロキシ基を表わし、
    3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、
    アリール基または複素環基を表わし、B1は=C(R5
    −または=N−を表わし、B2は−C(R6)=または−
    N=を表わし、R1、R2、R5およびR6はそれぞれ独立
    に水素原子または置換基を表わす。R1とR2、R2
    3、R3とR4、R4とR5およびR5とR6は互いに結合
    して環を形成してもよい。Q1は下記一般式(Cp−
    1)〜(Cp−17)のいずれかを表す。但し、ここに
    おいて*は窒素原子との結合位置を表す。 【化2】 式中、R11、R12、R13及びR16は水素原子又は置換基
    を表わし、R14、R15は置換基を表し、nは0から4の
    整数を表し、mは0から3の整数を表わす。)
  2. 【請求項2】 下記一般式(2)で表される色素の少な
    くとも1種を含有することを特徴とする着色組成物。 【化3】 (式中、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子、アル
    キル基、アリール基または複素環基を表わし、B3は=
    C(R5′)−または=N−を表わし、B4は−C
    (R6′)=または−N=を表わす。R5′、R6′はそ
    れぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。Q2は前記一
    般式(Cp−1)〜(Cp−17)のいずれかを表
    す。)
  3. 【請求項3】 下記一般式(3)で表される色素の少な
    くとも1種を含有することを特徴とする着色組成物。 【化4】 (式中、R7′およびR8′はそれぞれ独立に水素原子、
    アルキル基、アリール基または複素環基を表わし、
    1′およびR2′はそれぞれ独立に水素原子または置換
    基を表わす。Q3は下記一般式(Cp−18)〜(Cp
    −45)のいずれかを表す。 【化5】 【化6】 式中、R51〜R53及びR61〜R102は水素原子又は置換
    基を表し、一般式(Cp−18)〜(Cp−45)で表
    される基は*印の位置で窒素原子と結合する。Q 3
    7′、R8′、R1′又はR2′の何れかの置換基は炭素
    数8〜30の耐拡散性基を有する。)
  4. 【請求項4】 前記一般式(1)〜(3)のいずれかで
    表される色素とポリマーを含有する着色微粒子を水系媒
    体に分散してなることを特徴とする着色微粒子分散物。
  5. 【請求項5】 前記一般式(1)〜(3)のいずれかで
    表される色素、ポリマーおよび沸点150℃以上の高沸
    点有機溶媒を含有する着色微粒子を水系媒体に分散して
    なる着色微粒子分散物。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載の着色微粒子分散
    物をコアとし、この周りにポリマーシェルを形成し、コ
    ア/シェル構造とすることを特徴とする着色微粒子分散
    物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の着
    色組成物又は請求項4〜6のいずれか1項に記載の着色
    微粒子分散物を含有することを特徴とするインクジェッ
    ト用インク。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のインクジェット用イン
    クを用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7473783B2 (en) 2003-12-17 2009-01-06 Sgx Pharmaceuticals, Inc. Bicyclic pyrazolo protein kinase modulators
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US10316040B2 (en) 2015-10-16 2019-06-11 Eisai R&D Management Co., Ltd. EP4 antagonists
CN111732592A (zh) * 2020-07-02 2020-10-02 湖北文理学院 一种含吲哚骨架的稠环化合物及其制备方法

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