JP2002047440A - 着色微粒子分散物、インクジェット記録用インク及びインクジェット記録方法 - Google Patents

着色微粒子分散物、インクジェット記録用インク及びインクジェット記録方法

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JP2002047440A
JP2002047440A JP2000234305A JP2000234305A JP2002047440A JP 2002047440 A JP2002047440 A JP 2002047440A JP 2000234305 A JP2000234305 A JP 2000234305A JP 2000234305 A JP2000234305 A JP 2000234305A JP 2002047440 A JP2002047440 A JP 2002047440A
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Takahiro Ishizuka
孝宏 石塚
Junichi Yamanouchi
淳一 山之内
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取扱性、臭気、安全性を備え、筆記用水性イ
ンク、水性印刷インク、情報記録用インク等に好適であ
り、分散粒子の粒径が小さく、分散物の分散安定性及び
保存安定性に特に優れる着色微粒子分散物を提供する。 【解決手段】 油溶性染料とビニルポリマーとを含む着
色微粒子を含有する着色微粒子分散物であって、前記ビ
ニルポリマーが、下記一般式(I)で表されるモノマー
を重合して得られるポリマーであることを特徴とする着
色微粒子分散物である〔R11:H、炭素数1〜4のアルキル
基、Cl;L1:O、COO、OCO、CONR12、フェニレン基;X 1:CH2、CH
R13、CR13R14、CH2CH2O、CH2CHR13O、CHR13CH2O、アリーレン基、シク
ロアルキレン基;L2:O、CO、COO、OCO、CONR12、NR12CO、NR12COO、
NR12CONR15;X2:CH2、CH2CHR13、CHR13CH2、アリーレン基、シクロ
アルキレン基;q≧1;r=0,1;s=0〜18;R12、R15:H、アルキ
ル基、アリール基;R13、R14、R21、R22:アルキル基、アリール基〕。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油溶性染料を含有
する水系の着色微粒子分散物、及び該着色微粒子分散物
を含有してなるインクジェット用インク並びにそれを用
いたインクジェット記録方法に関し、詳しくは、色再現
性が良好であり、筆記用水性インク、水性印刷インク、
情報記録用インク等に好適な着色微粒子分散物、及びサ
ーマル、圧電、電界又は音響インクジェット方式に好適
なインクジェット用インク並びにインクジェット記録方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のコンピューターの普及に伴い、イ
ンクジェットプリンターがオフィスだけでなく家庭でも
紙、フィルム、布等の印字等に広く利用されている。イ
ンクジェット記録用インクとしては、油性インク、水性
インク、固体状インクが知られているが、これらの中で
も、製造容易性、取扱性、臭気性、安全性等の点で水性
インクが有利であり、水性インクが主流となっている。
【0003】しかし、前記水性インクの多くは、分子状
態で溶解する水溶性染料を用いているため、透明性及び
色濃度が高いという利点があるものの、染料が水溶性で
あるため耐水性に劣り、いわゆる普通紙に印字すると滲
み(ブリード)を生じて著しく印字品質が低下したり、
耐光性にも劣るという問題がある。
【0004】前記問題を解決する目的で、顔料や分散染
料を用いた水性インクが、例えば、特開昭56−157
468号、特開平4−18468号、同10−1101
26号、同10−195355号等の各公報において提
案されている。ところが、これらの水性インクの場合、
確かに耐水性はある程度向上はするが十分とは言い難
く、しかも水性インク中の顔料や分散染料の分散物の保
存安定性に欠け、インク吐出口での目詰まりを起こし易
い等の問題がある。また、これらの水性インクの場合、
一般に色相に劣り、色調不良に基づく色再現性に問題が
ある。更に、最近のインクジェット技術の高画質化志向
の高まりによって使用されるようになった、表面に多孔
質無機微粒子を含むインク受容層を設けた記録紙(以
下、「写真画質用紙」ということがある。)において
は、前記顔料や染料を用いた水性インクは染込み性に乏
しく、手で擦ると表面から前記染料や顔料が剥離し易い
という問題もある。
【0005】一方、特開昭58−45272号、特開平
6−340835号、同7−268254号、同7−2
68257号、同7−268260号の各公報では、ウ
レタンやポリエステル分散物粒子に染料を内包させる方
法が提案されている。また、特開平11−140362
号公報では、カルボン酸と連鎖移動剤の存在下で重合し
たラテックスを着色剤と凝集させる方法が提案されてい
る。しかしながら、前記方法により得られたインクジェ
ット用インクの場合、色調が不十分で色再現性に劣り、
所望の濃度に染料を内包させた時の染料内包ポリマー分
散物の分散安定性にも劣る。更に、上記と同様に、無機
微粒子をインク受容層に含む写真画質用紙に印字した場
合には、消しゴム等による耐擦過性が不十分であるとい
う問題がある。
【0006】また、特開平9−59552号、同9−1
11163号、同9−255887号、同10−367
28号、同11−286637号等の各公報では、カラ
ー写真カプラーに芳香族ジアミンをカップリングさせた
色素を使用することにより、上記の色調を改良できるこ
とが開示されている。しかしながら、これらにおいて
は、分散物の粒径あるいは粒径分布が大きくなる傾向に
あり、分散安定性や印字適性の点で十分でなく、受像紙
の種類によって色調が変化したり、耐擦過性に劣るとい
った問題がある。
【0007】以上の通り、取扱性、臭気、安全性を具備
すると共に、分散粒子の粒径が小さく、分散物の分散安
定性及び保存安定性に特に優れ、従って、インクに適用
した場合に、ノズル先端での目詰まりがなく吐出安定性
に優れ、紙依存性がなく発色性、色調(色相)に優れ、
前記写真画質用紙を用いた場合でもインク浸透性に優
れ、印字後の耐光性、特に耐水性、耐擦過性に優れ、高
濃度で高画質の記録を可能とする着色微粒子分散物は、
未だ提供されていないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、取扱性、臭気、安全性を備
え、筆記用水性インク、水性印刷インク、情報記録用イ
ンク等に好適であり、分散粒子の粒径が小さく、分散物
の分散安定性及び保存安定性に特に優れる着色微粒子分
散物を提供することを目的とする。本発明は、サーマ
ル、圧電、電界又は音響インクジェット方式に好適であ
り、取扱性、臭気、安全性を備え、分散粒子の粒径が小
さく分散安定性、保存安定性に特に優れ、ノズル先端で
の目詰まりの発生がなく、紙依存性がなく、任意に選択
した紙に印字した際の発色性、特に色調(色相)に優れ、
写真画質用紙へのインク浸透性にも優れ、記録後の耐光
性、特に耐水性、耐擦過性に優れ、高濃度かつ高画質に
記録しうるインクジェット記録用インクを提供すること
を目的とする。本発明は、取扱性、臭気、安全性を備
え、ノズル先端での目詰まりによる吐出不良を解消し、
紙依存性がなく、任意に選択した紙に印字した際の発色
性、特に色調(色相)に優れ、写真画質用紙へのインク浸
透性にも優れ、記録後の耐光性、特に耐水性、耐擦過性
に優れ、高濃度かつ高画質の記録を可能とするインクジ
ェット記録方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。即ち、 <1> 油溶性染料とビニルポリマーとを含む着色微粒
子を含有する着色微粒子分散物であって、前記ビニルポ
リマーが、下記一般式(I)で表されるモノマーを重合
して得られるポリマーであることを特徴とする着色微粒
子分散物である。
【0010】一般式(I)
【化3】
【0011】〔一般式(I)中、R11は、水素原子、炭
素数1〜4のアルキル基又は塩素原子を表す。L1は、
−O−、−COO−、−OCO−、−CONR12−、又
は置換若しくは無置換のフェニレン基を表し、X1は、
−CH2−、−CHR13−、−CR1314−、−CH2
2O−、−CH2CHR13O−、−CHR13CH2
−、置換若しくは無置換のアリーレン基、又は置換若し
くは無置換のシクロアルキレン基を表す。L2は、−O
−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CONR12
−、−NR12CO−、−NR12COO−、又は−NR12
CONR15−を表し、X2は、−CH2−、−CH2CH
13−、−CHR13CH2−、置換若しくは無置換のア
リーレン基、又は置換若しくは無置換のシクロアルキレ
ン基を表す。qは1の整数以上を表し、rは0又は1を
表し、sは0〜18の整数を表す。R12及びR15は、そ
れぞれ独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル
基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。
13、R14、R21及びR22は、それぞれ独立に置換若し
くは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のア
リール基を表す。〕
【0012】<2> ビニルポリマーがイオン性基を有
し、該イオン性基の含有量が、0.2mmol/g以上
4.0mmol/g以下である前記<1>に記載の着色
微粒子分散物である。
【0013】<3> 油溶性染料が下記一般式(II)で
表される前記<1>又は<2>に記載の着色微粒子分散
物である。
【0014】一般式(II)
【化4】
【0015】〔一般式(II)中、Qは、一般式(II)で
表わされる化合物が可視域及び/又は近赤外域に吸収を
有するために必要な原子団を表す。Aは、−NR45
はヒドロキシ基を表し、R4及びR5は、それぞれ独立に
水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基を表す。
1は、=C(R6)−又は=N−を表し、B2は、−C
(R7)=又は−N=を表す。R2、R3、R6及びR
7は、それぞれ独立に水素原子、置換基を表す。R2とR
3、R3とR4、R4とR5、R5とR6及びR6とR7は、互
いに結合して環を形成してもよい。〕
【0016】<4> 着色微粒子が、油溶性染料とビニ
ルポリマーとを含有する有機溶媒相に水を投入して乳化
させること、及び水中に油溶性染料とビニルポリマーと
を含有する有機溶媒相を投入して乳化させることのいず
れか一方により製造される前記<1>〜<3>までのい
ずれか1項に記載の着色微粒子分散物である。 <5> 着色微粒子が、ビニルポリマー、油溶性染料及
び疎水性高沸点有機溶媒を含有する前記<1>〜<4>
までのいずれか1項に記載の着色微粒子分散物である。
【0017】<6> 前記<1>〜<5>までのいずれ
か1項に記載の着色微粒子分散物を含有してなることを
特徴とするインクジェット記録用インクである。 <7> 前記<6>に記載のインクジェット記録用イン
クを用いて記録を行うことを特徴とするインクジェット
記録方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の着色微粒子分散物におい
ては、ビニルポリマーとして、特に後述の一般式(I)
で表されるモノマーを重合成分に含むビニルポリマーを
含有してなる。また、本発明のインクジェット記録用イ
ンクにおいては、前記本発明の着色微粒子分散物を含有
してなり、本発明のインクジェット記録方法において
は、前記インクジェット記録用インクが用いられる。以
下、本発明の着色微粒子分散物について詳細に説明し、
該説明を通じて、本発明のインクジェット記録用イン
ク、及びインクジェット記録方法についても詳述する。
【0019】(着色微粒子分散物)本発明の着色微粒子
分散物は、油溶性染料とビニルポリマーとを含む着色微
粒子を含有してなり、該着色微粒子を水系媒体に分散し
て構成される。
【0020】−油溶性染料− 本発明に使用可能な油溶性染料のうち、イエロー染料と
しては、任意のものを使用することができる。例えばカ
ップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、ア
ニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチ
レン化合物類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染
料;例えばカップリング成分として開鎖型活性メチレン
化合物類を有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン
染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染
料;例えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等の
ようなキノン系染料等があり、これ以外の染料種として
はキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジ
ン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。
【0021】本発明に使用可能な油溶性染料のうちマゼ
ンタ染料としては、任意のものを使用することができ
る。例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフ
トール類、アニリン類を有するアリール若しくはヘテリ
ルアゾ染料;例えばカップリング成分としてピラゾロン
類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;
例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン
染料、オキソノール染料のようなメチン染料;ジフェニ
ルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染
料のようなカルボニウム染料、例えばナフトキノン、ア
ントラキノン、アントラピリドン等のようなキノン系染
料、例えばジオキサジン染料等のような縮合多環系染料
等を挙げることができる。
【0022】本発明に使用可能な油溶性染料のうちシア
ン染料としては、任意のものを使用することができる。
例えばインドアニリン染料、インドフェノール染料ある
いはカップリング成分としてピロロトリアゾール類を有
するアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染
料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料;ジフェ
ニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン
染料のようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;
アントラキノン染料;例えばカップリング成分としてフ
ェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリー
ル若しくはヘテリルアゾ染料、インジゴ・チオインジゴ
染料を挙げることができる。
【0023】前記の各染料は、クロモフォアの一部が解
離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈す
るものであってもよく、その場合のカウンターカチオン
はアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオ
ンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム
塩のような有機のカチオンであってもよく、更にはそれ
らを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよ
い。
【0024】中でも、写真材料におけるカプラー及び現
像主薬から生成する色素が有効であり、そのような色素
としては、下記一般式(II)で表される色素が好まし
い。
【0025】一般式(II)
【化5】
【0026】前記一般式(II)において、Aは、−NR
45又はヒドロキシ基を表す。R4及びR5は、それぞれ
独立に水素原子、アルキル基、アリール基又は複素環基
を表す。
【0027】前記アルキル基としては、直鎖状、分岐状
若しくは環状の置換又は無置換のアルキル基が挙げら
れ、アルキル基以外に、シクロアルキル基、ビシクロア
ルキル基、環構造が多いトリシクロ構造等が含まれる。
【0028】前記アルキル基の中でも、炭素数1〜30
のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、
n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、
2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等がより好
ましい。前記シクロアルキル基の中でも、炭素数3〜3
0の置換又は無置換のシクロアルキル基が好ましく、例
えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−
ドデシルシクロヘキシル基等がより好ましい。前記ビシ
クロアルキル基の中でも、炭素数5〜30の置換又は無
置換のビシクロアルキル基、つまり炭素数5〜30のビ
シクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基
が好ましく、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン
−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−
イル基等がより好ましい。以下に説明する置換基中のア
ルキル基(例えば、アルキルチオ基のアルキル基)もこ
のような概念のアルキル基を表す。
【0029】前記アリール基の中でも、炭素数6〜30
の置換又は無置換のアリール基が好ましく、例えば、フ
ェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェ
ニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等がよ
り好ましい。
【0030】前記複素環基の中でも、5員又は6員の、
置換又は無置換の、芳香族又は非芳香族の複素環化合物
から、一個の水素原子を取り除いた一価の基が好まし
く、炭素数3〜30の、5員又は6員の、芳香族の複素
環基がより好ましく、例えば、2−フリル基、2−チエ
ニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基
が特に好ましい。
【0031】前記R4及びR5が、アルキル基、アリール
基又は複素環基である場合、R4及びR5で表される基
は、更に置換基を有してもよい。前記置換基としては、
例えば、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル
基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シク
ロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アル
キニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキ
シル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、シリルオキシ基、複素環オキシ基、ア
シルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカル
ボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、
アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミ
ノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ
基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイ
ルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ
基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
複素環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル
及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールス
ルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、
アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及
び複素環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニ
ル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、
シリル基等が挙げられる。
【0032】前記ハロゲン原子としては、例えば、塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。
【0033】前記アルキル基としては、直鎖状、分岐状
若しくは環状の置換又は無置換のアルキル基が挙げら
れ、アルキル基以外に、シクロアルキル基、ビシクロア
ルキル基、環構造が多いトリシクロ構造等が含まれる。
【0034】前記アルキル基の中でも、炭素数1〜30
のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、
n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、
2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等がより好
ましい。前記シクロアルキル基の中でも、炭素数3〜3
0の置換又は無置換のシクロアルキル基が好ましく、例
えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−
ドデシルシクロヘキシル基等がより好ましい。前記ビシ
クロアルキル基の中でも、炭素数5〜30の置換又は無
置換のビシクロアルキル基、つまり炭素数5〜30のビ
シクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基
が好ましく、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン
−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−
イル基等がより好ましい。以下に説明する置換基中のア
ルキル基(例えば、アルキルチオ基のアルキル基)もこ
のような概念のアルキル基を表す。
【0035】前記アルケニル基としては、直鎖状、分岐
状若しくは環状の置換又は無置換のアルケニル基が挙げ
られ、アルケニル基以外に、シクロアルケニル基、ビシ
クロアルケニル基が含まれる。
【0036】前記アルケニル基の中でも、炭素数2〜3
0の置換又は無置換のアルケニル基が好ましく、例え
ば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オ
レイル基等が好ましい。前記シクロアルケニル基の中で
も、炭素数3〜30の置換又は無置換のシクロアルケニ
ル基、つまり炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原
子を一個取り去った一価の基が好ましく、例えば、2−
シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1
−イル基等がより好ましい。前記ビシクロアルケニル基
の中でも、置換又は無置換のビシクロアルケニル基が挙
げられ、炭素数5〜30の置換又は無置換のビシクロア
ルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケ
ンの水素原子を一個取り去った一価の基が好ましく、例
えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−
イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4
−イル基等がより好ましい。
【0037】前記アルキニル基の中でも、炭素数2〜3
0の置換又は無置換のアルキニル基が好ましく、例え
ば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエ
チニル基等がより好ましい。
【0038】前記アリール基の中でも、炭素数6〜30
の置換又は無置換のアリール基が好ましく、例えば、フ
ェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェ
ニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等がよ
り好ましい。
【0039】前記複素環基の中でも、5員又は6員の、
置換又は無置換の、芳香族又は非芳香族の複素環化合物
から、一個の水素原子を取り除いた一価の基が好まし
く、炭素数3〜30の、5員又は6員の、芳香族の複素
環基がより好ましく、例えば、2−フリル基、2−チエ
ニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基
等が特に好ましい。
【0040】前記アルコキシ基の中でも、炭素数1〜3
0の置換又は無置換のアルコキシ基が好ましく、例え
ば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−
ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエト
キシ基等がより好ましい。
【0041】前記アリールオキシ基の中でも、炭素数6
〜30の置換又は無置換のアリールオキシ基が好まし
く、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、
4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ
基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等がより
好ましい。
【0042】前記シリルオキシ基の中でも、炭素数3〜
20のシリルオキシ基が好ましく、例えば、トリメチル
シリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基等
がより好ましい。
【0043】前記複素環オキシ基の中でも、炭素数2〜
30の置換又は無置換の複素環オキシ基が好ましく、1
−フェニルテトラゾールー5−オキシ基、2−テトラヒ
ドロピラニルオキシ基等がより好ましい。
【0044】前記アシルオキシ基の中でも、ホルミルオ
キシ基、炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキルカ
ルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換又は無置換の
アリールカルボニルオキシ基等が好ましく、例えば、ホ
ルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ
基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−
メトキシフェニルカルボニルオキシ基等がより好まし
い。
【0045】前記カルバモイルオキシ基の中でも、炭素
数1〜30の置換又は無置換のカルバモイルオキシ基が
好ましく、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキ
シ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホ
リノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルア
ミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイ
ルオキシ基等がより好ましい。
【0046】前記アルコキシカルボニルオキシ基の中で
も、炭素数2〜30の置換又は無置換のアルコキシカル
ボニルオキシ基が好ましく、例えば、メトキシカルボニ
ルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキ
シカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ
基等がより好ましい。
【0047】前記アリールオキシカルボニルオキシ基の
中でも、炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールオ
キシカルボニルオキシ基が好ましく、例えば、フェノキ
シカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボ
ニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシ
カルボニルオキシ基等がより好ましい。
【0048】前記アミノ基の中でも、アミノ基以外に、
炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルアミノ基、
炭素数6〜30の置換又は無置換のアニリノ基等が挙げ
られ、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルア
ミノ基、アニリノ基、N-メチル−アニリノ基、ジフェニ
ルアミノ基等が好ましい。
【0049】前記アシルアミノ基の中でも、ホルミルア
ミノ基、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルカ
ルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換又は無置換の
アリールカルボニルアミノ基等が好ましく、例えば、ホ
ルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ
基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,
4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニル
アミノ基等がより好ましい。
【0050】前記アミノカルボニルアミノ基の中でも、
炭素数1〜30の置換又は無置換のアミノカルボニルア
ミノ基が好ましく、例えば、カルバモイルアミノ基、
N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−
ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボ
ニルアミノ基等がより好ましい。
【0051】前記アルコキシカルボニルアミノ基の中で
も、炭素数2〜30の置換又は無置換アルコキシカルボ
ニルアミノ基が好ましく、例えば、メトキシカルボニル
アミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシ
カルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニ
ルアミノ基、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ基
等がより好ましい。
【0052】前記アリールオキシカルボニルアミノ基の
中でも、炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールオ
キシカルボニルアミノ基が好ましく、例えば、フェノキ
シカルボニルアミノ基、p-クロロフェノキシカルボニル
アミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニ
ルアミノ基等がより好ましい。
【0053】前記スルファモイルアミノ基の中でも、炭
素数0〜30の置換又は無置換のスルファモイルアミノ
基が好ましく、例えば、スルファモイルアミノ基、N,
N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オク
チルアミノスルホニルアミノ基等がより好ましい。
【0054】前記アルキル及びアリールスルホニルアミ
ノ基の中でも、炭素数1〜30の置換又は無置換のアル
キルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換又は無
置換のアリールスルホニルアミノ基等が好ましく、例え
ば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミ
ノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリ
クロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニ
ルスルホニルアミノ基等がより好ましい。
【0055】前記アルキルチオ基の中でも、炭素数1〜
30の置換又は無置換のアルキルチオ基が好ましく、例
えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシル
チオ基等がより好ましい。
【0056】前記アリールチオ基としては、炭素数6〜
30の置換又は無置換のアリールチオ基が好ましく、例
えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m
−メトキシフェニルチオ基等がより好ましい。
【0057】前記複素環チオ基の中でも、炭素数2〜3
0の置換又は無置換の複素環チオ基が好ましく、例え
ば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラ
ゾール−5−イルチオ基等がより好ましい。
【0058】前記スルファモイル基の中でも、炭素数0
〜30の置換又は無置換のスルファモイル基が好まし
く、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−
ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−
ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイ
ル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N'−
フェニルカルバモイル)スルファモイル基等がより好ま
しい。
【0059】前記アルキル及びアリールスルフィニル基
の中でも、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキル
スルフィニル基、炭素数6〜30の置換又は無置換のア
リールスルフィニル基等が好ましく、例えば、メチルス
ルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフ
ィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基等がより
好ましい。
【0060】前記アルキル及びアリールスルホニル基の
中でも、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルス
ルホニル基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリー
ルスルホニル基等が好ましく、例えば、メチルスルホニ
ル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p
−メチルフェニルスルホニル基等がより好ましい。
【0061】前記アシル基の中でも、ホルミル基、炭素
数2〜30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、
炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールカルボニル
基等が好ましく、例えば、アセチル基、ピバロイル基、
2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル
基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基等が
より好ましい。
【0062】前記アリールオキシカルボニル基の中で
も、炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールオキシ
カルボニル基が好ましく、例えば、フェノキシカルボニ
ル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロ
フェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカ
ルボニル基等がより好ましい。
【0063】前記アルコキシカルボニル基の中でも、炭
素数2〜30の置換又は無置換アルコキシカルボニル基
が好ましく、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシ
カルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタ
デシルオキシカルボニル基等がより好ましい。
【0064】前記カルバモイル基の中でも、炭素数1〜
30の置換又は無置換のカルバモイル基が好ましく、例
えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、
N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オ
クチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カル
バモイル基等がより好ましい。
【0065】前記アリール及び複素環アゾ基の中でも、
炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールアゾ基、炭
素数3〜30の置換又は無置換の複素環アゾ基が好まし
く、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ
基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2
−イルアゾ基等がより好ましい。
【0066】前記イミド基の中でも、N−スクシンイミ
ド基、N−フタルイミド基等が好ましい。前記ホスフィ
ノ基の中でも、炭素数2〜30の置換又は無置換のホス
フィノ基が好ましく、例えば、ジメチルホスフィノ基、
ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ
基等がより好ましい。前記ホスフィニル基の中でも、炭
素数2〜30の置換又は無置換のホスフィニル基が好ま
しく、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホス
フィニル基、ジエトキシホスフィニル基等がより好まし
い。
【0067】前記ホスフィニルオキシ基の中でも、炭素
数2〜30の置換又は無置換のホスフィニルオキシ基が
好ましく、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ
基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基等がより好
ましい。前記ホスフィニルアミノ基の中でも、炭素数2
〜30の置換又は無置換のホスフィニルアミノ基が好ま
しく、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメ
チルアミノホスフィニルアミノ基等がより好ましい。
【0068】前記シリル基の中でも、炭素数3〜30の
置換又は無置換のシリル基が好ましく、例えば、トリメ
チルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニル
ジメチルシリル基等がより好ましい。
【0069】前記一般式(II)において、Aは、−NR
45が好ましい。R4及びR5としては、それぞれ独立に
水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基又
は置換アリール基が好ましく、水素原子、アルキル基又
は置換アルキル基がより好ましく、炭素数1〜18のア
ルキル基又は炭素数1〜18の置換アルキル基が特に好
ましい。
【0070】前記一般式(II)において、B1は、=C
(R6)−又は=N−を表す。B2は、−C(R7)=又
はN=を表す。B1及びB2が、同時に−N=とならない
場合が好ましく、B1が=C(R6)−、B2が−C
(R7)=となる場合がより好ましい。
【0071】前記一般式(II)において、R2、R3、R
6及びR7は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表
す。前記置換基としては、炭素数1〜30の置換基が好
ましく、該置換基の具体例は、R4及びR5で表される基
の置換基として挙げたものと同じである。
【0072】R2としては、水素原子、炭素数1〜20
のアルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、及びウ
レイド基が好ましく、水素原子及び炭素数1〜3のアル
キル基がより好ましい。
【0073】R3、R6、R7としては、水素原子、炭素
数1〜20のアルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ
基、及びウレイド基が好ましく、水素原子及び炭素数1
〜3のアルキル基がより好ましく、水素原子が特に好ま
しい。
【0074】尚、R2とR3と、R3とR4と、R4とR
5と、R5とR6と、及び、R6とR7とは、互いに結合し
て環を形成してもよい。
【0075】前記一般式(II)において、Qは、一般式
(II)で表される化合物が可視域及び/又は近赤外域に
吸収を有するために必要な原子団を表す。Qについての
詳しい説明は、特願2000−80259号明細書に記
載の通りである。前記原子団の好ましい例としては、特
願2000−80259号明細書に記載の(Cp−1)
〜(Cp−28)が挙げられる。
【0076】前記一般式(II)で表される油溶性アゾメ
チン色素は、その置換基に炭素数の総数が8〜40の耐
拡散基を少なくとも1つ有することが好ましく、炭素数
の総数が10〜30の耐拡散基を少なくとも1つ有する
ことがより好ましい。前記一般式(II)で表される油溶
性アゾメチン色素は、分子内に色素の骨格を2個以上有
するビス型、トリス型、テロマー型、又はポリマー型の
化合物であってもよい。この場合には炭素数の範囲は規
定外であってもよい。
【0077】前記一般式(II)で表される油溶性アゾメ
チン色素は、分子内に褪色を抑制する効果がある原子団
を有していてもよく、褪色を抑制する効果がある好まし
い原子団は特開平3−205189号公報に記載されて
いるものである。
【0078】以下に、前記一般式(II)で表される油溶
性アゾメチン色素の具体例(例示化合物M−1〜16及
び例示化合物C−1〜9)を示すが、本発明に用いられ
る油溶性色素は何らこれらに限定されるものではない。
【0079】
【化6】
【0080】
【化7】
【0081】
【化8】
【0082】
【化9】
【0083】
【化10】
【0084】
【化11】
【0085】
【化12】
【0086】
【化13】
【0087】
【化14】
【0088】前記一般式(II)で表される油溶性アゾメ
チン色素の具体例は、更に特願2000−78491号
明細書及び同11−365188号明細書、特願200
0−80259号明細書(例示化合物D−1〜34)に
記載されているが、本発明は何らこれらに限定されるも
のではない。
【0089】前記一般式(II)で表される油溶性アゾメ
チン色素は、特開平4−126772号、同5−177
959号、同9−292679号、同10−62926
号、同11−158047号、特公平7−94180号
等の各公報、特願2000−78491号及び同11−
365188号明細書に記載された合成法を参考に合成
することができる。
【0090】−ビニルポリマー− 本発明において、ビニルポリマーとは、下記一般式
(I)で表されるモノマー(以下、「モノマー〔A〕」
ということがある。)を重合して得られるポリマーであ
り、必要に応じて、他のモノマー(以下、「モノマー
〔B〕」という。)と共重合させた共重合体であっても
よい。
【0091】一般式(I)
【化15】
【0092】前記一般式(I)中、R11は、水素原子、
炭素数1〜4のアルキル基又は塩素原子を表し、中で
も、水素原子又はメチル基が好ましい。前記L1は、−
O−、−COO−、−OCO−、−CONR12−、又は
置換若しくは無置換のフェニレン基を表す。置換フェニ
レン基の置換基としては、例えば、炭素数1〜20のア
ルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、フルオロ
基、クロロ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。中でも特
に、−COO−、−CONR12−、無置換のフェニレン
基が好ましく、−COO−、−CONH−がより好まし
い。
【0093】前記一般式(I)中、X1は、−CH2−、
−CHR13−、−CR1314−、−CH2CH2O−、−
CH2CHR13O−、−CHR13CH2O−、置換若しく
は無置換のアリーレン基、又は置換若しくは無置換のシ
クロアルキレン基を表す。置換アリーレン基、置換シク
ロアルキレン基の置換基としては、例えば、炭素数1〜
20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、フ
ルオロ基、クロロ基等が挙げられる。前記X1の中で
も、−CH2−、−CHR13−、−CR1314−、−C
2CHR13O−、−CHR13CH2O−が好ましく、−
CH2−、−CH2CH2O−がより好ましい。前記qは
1以上の整数を表し、中でも1〜25の整数が好まし
い。
【0094】前記L2は、−O−、−CO−、−COO
−、−OCO−、−CONR12−、−NR12CO−、−
NR12COO−、又は−NR12CONR15−を表し、中
でも、−COO−、−OCO−、−CONR12−、−N
12CO−が好ましく、−COO−、−OCO−、−C
ONH−、−NHCO−がより好ましく、−OCO−、
−NHCO−が特に好ましい。前記rは0又は1を表
し、中でも0が好ましい。
【0095】前記一般式(I)中、X2は、−CH2−、
−CH2CHR13−、−CHR13CH2−、置換若しくは
無置換のアリーレン基、又は置換若しくは無置換のシク
ロアルキレン基を表す。置換アリーレン基、置換シクロ
アルキレン基の置換基は、X1の置換基と同義である。
中でも特に、−CH2−、置換又は無置換のアリーレン
基、置換又は無置換のシクロアルキレン基が好ましく、
−CH2−、フェニレン基、シクロアルキレン基がより
好ましく、−CH2−、o−フェニレン基、1,2−シ
クロアルキレン基が特に好ましい。前記sは0〜18の
整数を表し、中でも0〜6の整数が好ましい。
【0096】前記一般式(I)中、R12及びR15は、そ
れぞれ独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル
基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。置換
アルキル基、置換アリール基の置換基としては、例え
ば、ハロゲン、炭素数1〜20のアルコキシ基等が挙げ
られる。中でも特に、水素原子、炭素数1〜12の無置
換のアルキル基、置換又は無置換及びのフェニル基が好
ましく、水素原子、炭素数1〜8の無置換のアルキル
基、無置換のフェニル基がより好ましく、水素原子が特
に好ましい。
【0097】前記一般式(I)中、R13、R14、R21
びR22は、それぞれ独立に置換若しくは無置換のアルキ
ル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。上
記のうち、前記R13、R14としては、炭素数1〜12の
無置換のアルキル基、置換又は無置換のフェニル基が好
ましく、炭素数1〜8の無置換のアルキル基、無置換の
フェニル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
また、前記R 21、R22としては、炭素数1〜20の無置
換のアルキル基、置換又は無置換のフェニル基が好まし
く、炭素数3〜12の無置換のアルキル基、置換又は無
置換のフェニル基がより好ましく、炭素数3〜12の無
置換のアルキル基、無置換のフェニル基、炭素数1〜1
8のアルキル基又は炭素数1〜18のアルコキシ基を置
換基とするフェニル基が特に好ましい。
【0098】前記ビニルポリマーは、水不溶性型、水分
散(自己乳化)型、水溶性型のいずれであってもよいが、
着色微粒子の製造容易性、分散安定性等の点からは水分
散型のものが好ましい。
【0099】前記水分散型のビニルポリマーとしては、
イオン解離型、非イオン性分散性基含有型、あるいはこ
れらの混合型のいずれであってもよい。前記イオン解離
型のビニルポリマーとしては、三級アミノ基等のカチオ
ン性基を含有するビニルポリマーや、カルボン酸、スル
ホン酸等のアニオン性基を含有するビニルポリマー等が
挙げられる。前記非イオン性分散性基含有型のビニルポ
リマーとしては、ポリエチレンオキシ鎖等の非イオン性
分散性基を含有するビニルポリマーが挙げられる。これ
らの中でも、着色微粒子の分散安定性の点で、アニオン
性基を含有するイオン解離型のビニルポリマー、非イオ
ン性分散性基含有型のビニルポリマー、混合型のビニル
ポリマーが好ましい。
【0100】以下、前記一般式(1)で表されるモノマ
ー〔A〕の具体例[例示化合物VM−1〜VM−16]
を列挙する。但し、本発明においては、これらに限定さ
れるものではない。
【0101】
【化16】
【0102】
【化17】
【0103】前記他のモノマー〔B〕としては、例え
ば、以下のものが挙げられる。アクリル酸エステル類、
メタクリル酸エステル類(エステル基は、脂肪族基,芳
香族基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、アミル
基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、tert−オ
クチル基、2−クロロエチル基、4−ブロモブチル基、
シアノエチル基、2−アセトキシエチル基、フルフリル
基、テトラヒドロフルフリル基、5−ヒドロキシペンチ
ル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、ヒドロキシメチ
ル基、ブトキシメチル基、3−メトキシブチル基、2−
(2−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2−ブトキ
シエトキシ)エチル基、2,2,2−テトラフルオロエ
チル基、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシル
基、フェニル基、2,4,5−テトラメチルフェニル
基、4−クロロフェニル基等);
【0104】ビニルエステル類〔例えば、置換基を有し
てもよい脂肪族カルボン酸ビニルエステル(例えば、ビ
ニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレ
ート、ビニルイソブチレート、ビニルカプロエート、ビ
ニルクロロアセテート等)、置換基を有してもよい芳香
族カルボン酸ビニルエステル(例えば、安息香酸ビニ
ル、4−メチル安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル等)
等〕;
【0105】アクリルアミド類〔例えば、アクリルアミ
ド、N−モノ置換アクリルアミド、N−ジ置換アクリル
アミド(置換基は、脂肪族基、芳香族基、シリル基であ
り、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、t
ert−オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、
ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基、フェニル
基、2,4,5−テトラメチルフェニル基、4−クロロ
フェニル基、トリメチルシリル等)等〕;
【0106】メタクリルアミド類〔例えば、メタクリル
アミド、N−モノ置換メタクリルアミド、N−ジ置換メ
タクリルアミド(置換基は、脂肪族基、芳香族基、シリ
ル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチ
ル基、tert−オクチル基、シクロヘキシル基、ベン
ジル基、ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基、フ
ェニル基、2,4,5−テトラメチルフェニル基、4−
クロロフェニル基、トリメチルシリル基等)等〕;
【0107】オレフィン類〔例えば、ジシクロペンタジ
エン、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソプレン、クロロ
プレン、ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン
等〕;スチレン類〔例えば、スチレン、メチルスチレ
ン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルス
チレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレ
ン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルス
チレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安
息香酸メチルエステル等〕;
【0108】ビニルエーテル類〔例えば、メチルビニル
エーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエー
テル、メトキシエチルビニルエーテル等;その他のモノ
マーとして、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシル、
イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジブチル、マレイン酸
ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、
フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジブチ
ル、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メト
キシエチルビニルケトン、N−ビニルオキサゾリドン、
N−ビニルピロリドン、ビニリデンクロライド、メチレ
ンマロンニトリル、ビニリデン等〕、等が挙げられる。
【0109】また、イオン性基を有するビニルポリマー
は、前記一般式(I)で表されるモノマー〔A〕と、他
のイオン性基を有するモノマーとを共重合させて作製で
きる。前記イオン性基を有するモノマーとしては、アニ
オン性基を有するモノマー、カチオン性基を有するモノ
マーが挙げられる。前記アニオン性基を有するモノマー
としては、例えば、カルボン酸モノマー、スルホン酸モ
ノマー、リン酸モノマー等が挙げられる。
【0110】前記カルボン酸モノマーとしては、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン
酸、フマル酸、シトラコン酸、クロトン酸、イタコン酸
モノアルキルエステル(例えば、イタコン酸モノメチ
ル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノブチル
等)、マレイン酸モノアルキルエステル(例えば、マレ
イン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸
モノブチル等)等が挙げられる。
【0111】前記スルホン酸モノマーとしては、例え
ば、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アクリロ
イルオキシアルカンスルホン酸(例えば、アクリロイル
オキシエタンスルホン酸、アクリロイルオキシプロパン
スルホン酸等)、メタクリロイルオキシアルカンスルホ
ン酸(例えば、アクリロイルオキシエタンスルホン酸、
アクリロイルオキシプロパンスルホン酸等)、アクリル
アミドアルカンスルホン酸(例えば、2−アクリルアミ
ド−2−メチルエタンスルホン酸、2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド
−2−メチルブタンスルホン酸等)、メタクリルアミド
アルカンスルホン酸(例えば、2−メタクルリアミド−
2−メチルエタンスルホン酸、2−メタクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド
−2−メチルブタンスルホン酸等)等が挙げられる。
【0112】前記リン酸モノマーとしては、例えば、ビ
ニルホスホン酸、メタクリロイルオキシエタンホスホン
酸等が挙げられる。
【0113】これらのアニオン性基を有するモノマーの
中でも、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン
酸、ビニルスルホン酸、アクリルアミドアルキルスルホ
ン酸、メタクリルアミドアルキルスルホン酸が好まし
く、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸、
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、
2−アクリルアミド−2−メチルブタンスルホン酸がよ
り好ましい。
【0114】前記カチオン性基を有するモノマーとして
は、例えば、ジアルキルアミノエチルメタクリレート、
ジアルキルアミノエチルアタクリレート等の3級アミノ
基を有するモノマーが挙げられる。
【0115】また、非イオン性分散性基を含有するモノ
マーとしては、例えば、ポリエチレングリコールモノア
ルキルエーテルとカルボン酸モノマーとのエステル、ポ
リエチレングリコールモノアルキルエーテルとスルホン
酸モノマーとのエステル、ポリエチレングリコールモノ
アルキルエーテルとリン酸モノマーとのエステル、ポリ
エチレングリコールモノアルキルエーテルとイソシアネ
ート基含有モノマーから形成されるビニル基含有ウレタ
ン、ポリビニルアルコール構造を含有するマクロモノマ
ー等が挙げられる。
【0116】前記ポリエチレングリコールモノアルキル
エーテルのエチレンオキシ部の繰り返し単位数として
は、8〜50が好ましく、10〜30がより好ましい。
前記ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルのア
ルキル基の炭素原子数としては、1〜20が好ましく、
1〜12がより好ましい。
【0117】前記モノマー〔A〕、前記他のモノマー
〔B〕は、それぞれ一種単独で用いてもよいし2種以上
を併用してもよい。前記モノマー〔A〕、前記他のモノ
マー〔B〕は、種々の目的(例えば、酸含量調節、Tg
調節、溶解性改良、分散物安定性等)に応じて適宜選択
される。尚、前記ビニルポリマーにおいて、前記イオン
性基は、アルカリ金属イオン(例えば、Na+、K+等)
や、アンモニウムイオンと塩を形成していてもよい。
【0118】ビニルポリマーに占める前記モノマー
〔A〕の質量比としては、20〜100質量%が好まし
く、40〜100質量%がより好ましく、60〜100
質量%が更に好ましく、60〜95質量%が特に好まし
い。
【0119】前記ビニルポリマーがイオン性基を有する
場合、該イオン性基の含有量としては、0.2〜4.0
mmol/gが好ましく、0.3〜3.0mmol/g
がより好ましく、0.5〜2.0mmol/gが特に好
ましい。前記イオン性基の含有量が、0.2mmol/
g未満であると、ポリマーの自己乳化性が小さくなるこ
とがあり、4.0mmol/gを超えると、水溶性が高
くなり、油溶性染料の分散性が低下することがある。
【0120】前記ビニルポリマーの分子量(Mw)として
は、1000〜200000が好ましく、3000〜1
00000がより好ましく、5000〜80000が更
に好ましく、5000〜50000が特に好ましい。前
記分子量が、1000未満であると、安定な分散物を得
るのが難しくなる傾向にあり、200000を超える
と、有機溶剤への溶解性が悪くなったり、溶解はして
も、該溶液の粘度が増加して分散し難くなる傾向にある
ので好ましくない。
【0121】以下、前記ビニルポリマーの具体例(例示
化合物P−1〜P−22)を列挙する。但し、本発明に
おいては、これらに限定されるものではない。尚、VM
で示されるモノマーは既述のモノマー〔A〕の例示化合
物を表し、カッコ内の比は質量比を表し、分子量は重量
平均分子量を表す。
【0122】(P−1) VM−1/n−ブチルメタク
リレート/2−カルボキシエチルアクリレート共重合体
(50:40:10)、分子量15000、イオン性基0.7mmol/
g (P−2) VM−1/イソブチルメタクリレート/ポ
リエチレングリコールモノメチルエーテル(エチレンオ
キシ鎖繰り返し単位数=約23)のメタクリル酸エステ
ル/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸共重合体(60:15:10:15)、分子量9000、イオン性
基0.7mmol/g (P−3) VM−1/イソブチルメタクリレート/メ
チルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(40:30:
20:10)、分子量9000、イオン性基1.2mmol/g (P−4) VM−1/ポリエチレングリコールモノメ
チルエーテル(エチレンオキシ鎖繰り返し単位数=約4
5)のメタクリル酸エステル/2−カルボキシエチルア
クリレート共重合体(75:20:5)、分子量10400、イオ
ン性基0.3mmol/g (P−5) VM−1/スチレン/アクリル酸共重合体
(70:20:10)、分子量22000、イオン性基1.4mmol/
g (P−6) VM−1/2−エチルヘキシルアクリレー
ト/2−カルボキシエチルアクリレート共重合体(65:
25:10)、分子量8700、イオン性基0.7mmol/g (P−7) VM−1/2−カルボキシエチルアクリレ
ート共重合体(80:20)、分子量12000、イオン性基
1.4mmol/g (P−8) VM−1/N−ビニルピロリドン/2−カ
ルボキシエチルアクリレート共重合体(65:30:5)、
分子量11000、イオン性基0.3mmol/g (P−9)VM−1/2,2,2−トリフルオロエチル
メタクリレート/スチレンスルホン酸共重合体(55:3
0:15)、分子量7800、イオン性基0.8mmol/g (P−10)VM−1/テトラヒドロフルフリルアクリ
レート/2−カルボキシエチルアクリレート共重合体
(60:30:10)、分子量13000、イオン性基0.7mmol/
g
【0123】(P−11) VM−2/sec−ブチル
メタクリレート/2−カルボキシエチルアクリレート共
重合体(60:30:10)、分子量10000、イオン性基0.7
mmol/g (P−12) VM−2/n−プロピルメタクリレート
共重合体(70:30)、分子量7000、イオン性基0mmol/g (P−13) VM−2/p−メチルスチレン/2−カ
ルボキシエチルアクリレート共重合体(60:30:10)、
分子量21000、イオン性基0.7mmol/g (P−14) VM−2/エチルメタクリレート/ポリ
エチレングリコールモノメチルエーテル(エチレンオキ
シ鎖繰り返し単位数=約23)のメタクリル酸エステル
/2−カルボキシエチルアクリレート共重合体(60:2
0:15:5)、分子量28000、イオン性基0.3mmol/g (P−15) VM−1/VM−2/イソプロピルメタ
クリレート/2−カルボキシエチルアクリレート共重合
体(40:40:15:5)、分子量13000、イオン性基0.3
mmol/g (P−16) VM−2/N,N−ジフェニルアクリル
アミド/アクリル酸共重合体(60:30:10)、分子量21
000、イオン性基1.4mmol/g (P−17) VM−2/n−プロピルアクリレート/
N−フェニルアクリルアミド共重合体(50:20:30)、
分子量15000、イオン性基0mmol/g (P−18) VM−13/スチレン/アクリル酸共重
合体(60:20:20)、分子量5000、イオン性基2.8mm
ol/g (P−19) VM−13/スチレン/スチレンスルホ
ン酸共重合体(45:30:25)、分子量14000、イオン性
基1.4mmol/g (P−20) VM−1/VM−2/1H,1H,2
H,2H−パーフルオロデシルメタクリレート/2−カ
ルボキシエチルアクリレート共重合体(40:30:20:1
0)、分子量15500、イオン性基0.7mmol/g (P−21) VM−1/イソブチルメタクリレート/
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(エチレン
オキシ鎖繰り返し単位数=約45)のメタクリル酸エス
テル/2−カルボキシエチルアクリレート共重合体(4
0:35:20:5)、分子量15500、イオン性基0.3mmol/
g (P−22) VM−1/VM−2共重合体(60:4
0)、分子量15700、イオン性基0mmol/g
【0124】次に、ビニルポリマーの製造方法の一例を
示す。本発明においては、これらに限定されるものでは
ない。尚、以下において「部」は「質量部」を表す。 −ビニルポリマーP−4の製造− リン酸エステル部含有モノマー(前記例示化合物VM−
1)36部、ポリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル(エチレンオキシ鎖繰り返し単位数=約45)のメタク
リル酸エステル9.6部、2−カルボキシエチルアクリ
レート2.4部、ドデシルメルカプタン0.7部、2,
2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
0.1部、IPA20部、THF20部からなる混合液
を調製した。続いて、THF10部、2,2’−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.05部をフ
ラスコに仕込み、窒素シール下で攪拌しながら、65℃
まで昇温させた後、これに前記混合液を3時間かけて滴
下し、滴下終了後2,2’−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)を0.05部加え、更に同温度で5
時間反応させた。反応後得られたポリマーの溶液を減圧
濃縮し、目的のビニルポリマーP−4を48部得た。重
量平均分子量は、10400(GPC,PS換算)であっ
た。
【0125】−着色微粒子分散物の製造− 本発明の着色微粒子分散物は、前記油溶性染料と前記ビ
ニルポリマーとを含む着色微粒子を水系媒体(少なくと
も水を含有する水性液)に分散することにより製造され
る。具体的には、例えば、予め前記ビニルポリマーの分
散物を調製し、これに前記油溶性染料を含浸させる方
法、あるいは共乳化分散法等が挙げられる。これらの中
でも、前記共乳化分散法が好ましく、該共乳化分散法と
しては、前記油溶性染料と前記ビニルポリマーとを含有
する有機溶媒相に水を投入して乳化させること、及び水
中に前記油溶性染料と前記ビニルポリマーとを含有する
有機溶媒相を投入して乳化させることのいずれかによ
り、微粒子化させる方法が好適に挙げられる。
【0126】まず、予め前記ビニルポリマーの分散物を
調製し、これに前記油溶性染料を含浸させる方法につい
て説明する。この方法の第一の例は、前記ビニルポリマ
ー分散物を調製する第一の工程と、有機溶剤に前記油溶
性染料を溶解した染料溶液を調製する第二の工程と、前
記染料溶液と前記ビニルポリマー分散物とを混合し着色
微粒子分散物を調製する第三の工程とを含む。この方法
の第二の例は、前記ビニルポリマー分散物を調製する第
一の工程と、有機溶剤に前記油溶性染料を溶解した染料
溶液を調製し、この染料溶液と少なくとも水を含む液と
を混合して染料微粒子分散液を調製する第二の工程と、
前記ビニルポリマー分散物と前記染料微粒子分散液とを
混合して着色微粒子分散物を調製する第三の工程とを含
む。
【0127】次に、前記共乳化分散法について説明す
る。この方法の第一の例は、有機溶剤に前記油溶性染料
と、前記ビニルポリマーとを溶解したビニルポリマー染
料溶液を調製する第一の工程と、前記ビニルポリマー染
料溶液と、少なくとも水を含む液とを混合して着色微粒
子分散物を調製する第二の工程とを含む。この方法の第
二の例は、有機溶剤に前記油溶性染料を溶解した染料溶
液を調製する第一の工程と、前記ビニルポリマーを溶解
したビニルポリマー溶液を調製する第二の工程と、前記
染料溶液と前記ビニルポリマー溶液と少なくとも水を含
む液とを混合して着色微粒子分散物を調製する第三の工
程とを含む。この方法の第三の例は、有機溶剤に前記油
溶性染料を溶解した染料溶液を調製し、この染料溶液と
少なくとも水を含む液とを混合して染料微粒子分散液を
調製する第一の工程と、前記ビニルポリマーを溶解した
ビニルポリマー溶液を調製し、このビニルポリマー溶液
と少なくとも水を含む液とを混合してビニルポリマー微
粒子分散液を作製する第二の工程と、前記染料微粒子分
散液と前記ビニルポリマー微粒子分散液とを混合して着
色微粒子分散物を調製する第三の工程とを含む。この方
法の第四の例は、有機溶剤に前記ビニルポリマーを溶解
したビニルポリマー溶液を調製する第一の工程と、前記
油溶性染料を溶解した染料溶液を調製し、この染料溶液
と少なくとも水を含む液とを混合して染料微粒子分散液
を調製する第二の工程と、前記ビニルポリマー溶液と前
記染料微粒子分散液とを混合し着色微粒子分散物を調製
する第三の工程とを含む。
【0128】前記着色微粒子分散物において、前記ビニ
ルポリマーの使用量としては、前記油溶性染料100質
量部に対し、10〜1000質量部が好ましく、20〜
400質量部がより好ましい。前記ビニルポリマーの使
用量が、10質量部未満であると、微細で安定な分散が
し難くなる傾向があり、1000質量部を超えると、着
色微粒子分散物中の前記油溶性染料の割合が少なくな
り、前記着色微粒子分散物を水系インクとして使用した
場合に配合設計上の余裕がなくなる傾向がある。
【0129】前記着色微粒子においては、前記ビニルポ
リマー中に前記油溶性染料が分散されているのが好まし
い。前記着色微粒子の着色微粒子分散物における含有量
としては、1〜45質量%が好ましく、2〜30質量%
がより好ましい。前記含有量は、希釈、蒸発、限外濾過
等により適宜調整することができる。前記着色微粒子の
平均粒径としては、1〜500nmが好ましく、3〜3
00nmがより好ましく、5〜150nmが特に好まし
く、5〜100nmが最も好ましい。前記平均粒径は、
遠心分離、濾過等により調整することができる。
【0130】−有機溶剤− 前記着色微粒子分散物を製造する際に用いる有機溶剤と
しては、特に制限はなく、前記油溶性染料や前記ビニル
ポリマーの溶解性に基づいて適宜選択することができ
る。
【0131】前記有機溶剤としては、例えば、アセト
ン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系
溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1
−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノー
ル等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン
等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶
剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル等のエ
ステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエ
ーテル等のグリコールエーテル系溶剤等が挙げられる。
これらの有機溶剤は、1種単独で使用してもよいし、2
種以上を併用してもよい。
【0132】前記有機溶剤の使用量としては、本発明の
効果を害しない範囲内であれば特に制限はないが、前記
ビニルポリマー100質量部に対し、10〜2000質
量部が好ましく、100〜1000質量部がより好まし
い。前記有機溶剤の使用量が、10質量部未満である
と、着色微粒子の微細で安定な分散がし難くなる傾向が
あり、2000質量部を超えると、前記有機溶剤を除去
するための脱溶媒と濃縮の工程が必須になり、かつ配合
設計上の余裕がなくなる傾向がある。
【0133】前記有機溶剤は、前記有機溶剤の水に対す
る溶解度が10%以下である場合、あるいは、前記有機
溶剤の蒸気圧が水より大きい場合には、着色微粒子分散
物の安定性の点で除去されるのが好ましい。前記有機溶
剤の除去は、常圧〜減圧条件で10℃〜100℃で行う
ことができ、常圧条件で40〜100℃、又は減圧条件
で10〜50℃で行うのが好ましい。
【0134】−添加剤− 本発明の着色微粒子分散物は、本発明の効果を害しない
範囲内において、目的に応じて適宜選択した添加剤を含
んでいてもよい。前記添加剤としては、例えば、中和
剤、疎水性高沸点有機溶媒、分散剤、分散安定剤等が挙
げられる。
【0135】前記中和剤は、前記ビニルポリマーが未中
和のイオン性基を有する場合に、着色微粒子分散物のp
H調節、自己乳化性調節、分散安定性付与等の点で好適
に使用することができる。前記中和剤としては、有機塩
基、無機アルカリ等が挙げられる。
【0136】前記有機塩基としては、トリエタノールア
ミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールア
ミン、ジメチルエタノールアミン等が挙げられる。前記
無機アルカリとしては、アルカリ金属の水酸化物(例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウ
ム等)、炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナ
トリウム等)、アンモニア等が挙げられる。前記中和剤
は、着色微粒子分散物における分散安定性を向上させる
観点からは、pH4.5〜10.0となるよう添加する
のが好ましく、pH6.0〜10.0となるよう添加す
るのがより好ましい。
【0137】前記疎水性高沸点有機溶媒は、着色微粒子
分散物の粘度、比重、及び印字性能の調整等に用いら
れ、特に、微粒子の分散物が得られ、分散性及び分散安
定性をより向上させることができる点では添加する方が
好ましい。前記疎水性高沸点有機溶媒としては、疎水性
であり、沸点が150℃以上のものが好ましく、170
℃以上のものがより好ましい。ここで「疎水性」とは、
25℃における蒸留水に対する溶解度が3%以下である
ことをいう。また、前記疎水性高沸点有機溶媒の誘電率
は3〜12であるのが好ましく、4〜10であるのがよ
り好ましい。尚、ここで、誘電率とは25℃における真
空に対する比誘電率をいう。
【0138】前記疎水性高沸点有機溶媒としては、米国
特許第2,322,027号明細書、特願2000−2
03857号明細書に記載等に記載の化合物を用いるこ
とができる。具体的には、リン酸トリエステル類、フタ
ル酸ジエステル類、アルキルナフタレン類、安息香酸エ
ステル類等が挙げられる。これらは、目的に応じ、常温
で液体、固体の何れのものも使用できる。前記疎水性高
沸点溶剤の使用量としては、本発明の効果を害しない範
囲内であれば特に制限はないが、前記ビニルポリマー1
00質量部に対し、0〜1000質量部が好ましく、0
〜300質量部がより好ましい。
【0139】前記分散剤及び/又は前記分散安定剤は、
前記ビニルポリマー分散物、前記ビニルポリマー溶液、
染料溶液、少なくとも水を含む溶液等のいずれに添加し
てもよいが、前記ビニルポリマー及び/又は染料微粒子
分散液を調製する前工程の、前記ビニルポリマー、染料
溶液、水を含む溶液に添加するのが好ましい。前記分散
剤、分散安定剤としては、カチオン、アニオン、ノニオ
ン系の各種界面活性剤、水溶性又は水分散性の低分子化
合物、オリゴマー等、が挙げられる。前記分散剤、分散
安定剤の添加量としては、前記油溶性染料と前記ビニル
ポリマーとの合計に対し、0〜100質量%が好まし
く、0〜20質量%がより好ましい。
【0140】本発明の着色微粒子分散物は、各種分野に
おいて使用することができるが、筆記用水性インク、水
性印刷インク、情報記録インク等に好適であり、以下の
本発明のインクジェット記録用インクに特に好適に使用
することができる。
【0141】(インクジェット記録用インク)本発明の
インクジェット記録用インクは、前記本発明の着色微粒
子分散物を含有してなり、更に必要に応じて適宜選択し
たその他の成分を含有していてもよい。
【0142】−その他の成分− 前記その他の成分は、本発明の効果を害しない範囲内に
おいて含有され、例えば、乾燥防止剤、浸透促進剤、紫
外線吸収剤、酸化防止剤、防黴剤、pH調整剤、表面張
力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、
防錆剤、キレート剤、等の公知の添加剤が挙げられる。
【0143】前記乾燥防止剤は、インクジェット記録方
式に用いるノズルのインク噴射口において前記インクジ
ェット記録用インクが乾操することによる目詰まりを防
止する目的で好適に使用される。
【0144】前記乾燥防止剤としては、水より蒸気圧の
低い水溶性有機溶剤が好ましい。該乾燥防止剤の具体例
としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−
1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリ
オール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、ト
リメチロールプロパン等に代表される多価アルコール
類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エー
テル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)
エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブ
チル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエー
テル類、2−ピロリドン、N−メチルー2−ピロリド
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エ
チルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルス
ルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセ
トンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合
物、尿素誘導体が挙げられる。これらの中でも、グリセ
リン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより
好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2
種以上を併用してもよい。これらの乾燥防止剤は、前記
インクジェット記録用インク中に10〜50質量%含有
することが好ましい。
【0145】前記浸透促進剤は、インクジェット記録用
インクを紙によりよく浸透させる目的で好適に使用され
る。
【0146】前記浸透促進剤としては、例えば、エタノ
ール、イソプロパノール、ブタノール,ジ(トリ)エチ
レングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサン
ジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、
オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等が挙げ
られる。前記浸透促進剤は、印字の滲み、紙抜け(プリ
ントスルー)等を生じない範囲内で含有され、インクジ
ェット記録用インク中に5〜30質量%程度含有されれ
ば通常十分な効果を発揮する。
【0147】前記紫外線吸収剤は、画像の保存性を向上
させる目的で使用され、例えば、特開昭58−1856
77号公報、同61−190537号公報、特開平2−
782号公報、同5−197075号公報、同9−34
057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合
物、特開昭46−2784号公報、特開平5−1944
83号公報、米国特許第3214463号等に記載され
たベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号
公報、同56−21141号公報、特開平10−881
06号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−
298503号公報、同8−53427号公報、同8−
239368号公報、同10−182621号公報、特
表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン
系化合物、リサーチディスクロージャーNo.2423
9号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサ
ゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発
する化合物、いわゆる蛍光増白剤等が挙げられる。
【0148】前記酸化防止剤は、画像の保存性を向上さ
せる目的で使用され、例えば、各種の有機系及び金属錯
体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系
の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシ
フェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール
類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、
アルコキシアニリン類、複素環類、等が挙げられる。前
記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜
鉛錯体、等が挙げられ、具体的には、リサーチディスク
ロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同
No.15162、同No.18716の650頁左
欄、同No.36544の527頁、同No.3071
05の872頁、同No.15162に引用された特許
に記載された化合物や、特開昭62−215272号公
報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一
般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することがで
きる。
【0149】前記防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリ
ウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン
−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステ
ル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその
塩等が挙げられる。これらはインク中に0.02〜1.
00質量%使用するのが好ましい。
【0150】前記pH調整剤としては、前記中和剤(有
機塩基、無機アルカリ)を用いることができる。前記p
H調整剤は、インクジェット記録用インクの保存安定性
を向上させる目的で、前記インクジェット記録用インク
がpH6〜10となるように添加するのが好ましく、p
H7〜10となるように添加するのがより好ましい。
【0151】前記表面張力調整剤としては、ノニオン、
カチオン又はアニオン界面活性剤等が、好適に挙げられ
る。尚、本発明のインクジェット記録用インクの表面張
力としては、25〜70mN/mが好ましく、25〜6
0mN/mがより好ましい。また、本発明のインクジェ
ット記録用インクの粘度としては、30mPa・S以下
が好ましく、20mPa・S以下がより好ましい。
【0152】前記消泡剤としては、フッ素系、シリコー
ン系化合物やEDTAに代表されるれるキレート剤等も
必要に応じて使用することができる。
【0153】(インクジェット記録方法)本発明のイン
クジェット記録方法においては、前記インクジェット記
録用インクを用いて受像材料に記録を行うが、その際に
使用するインクノズル等については特に制限はなく、目
的に応じて適宜選択することができる。
【0154】−受像材料− 前記受像材料としては、特に制限はなく、公知の被記録
材、例えば、普通紙、樹脂コート紙、インクジェット専
用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金
属、陶磁器等が挙げられる。前記被記録材の中でも、イ
ンクジェット専用紙が好ましく、例えば、特開平8−1
69172号公報、同8−27693号公報、同2−2
76670号公報、同7−276789号公報、同9−
323475号公報、特開昭62−238783号公
報、特開平10−153989号公報、同10−217
473号公報、同10−235995号公報、同10−
337947号公報、同10−217597号公報、同
10−337947号公報、等に記載されているものが
より好ましい。
【0155】また、本発明においては、前記受像材料の
中でも、以下の記録紙及び記録フィルムが特に好まし
い。
【0156】前記記録紙及び記録フィルムは、支持体と
受像層とを積層してなり、必要に応じて、バックコート
層等のその他の層をも積層して成る。尚、受像層をはじ
めとする各層は、それぞれ1層であってもよいし、2層
以上であってもよい。
【0157】前記支持体としては、LBKP、NBKP
等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CT
MP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙
パルプ等からなり、必要に応じて従来の公知の顔料、バ
インダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤
等を添加混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置
で製造されたもの等が使用可能であり、また、これらの
外、合成紙、プラスチックフィルムシート等であっても
よい。
【0158】前記支持体の厚みとしては、10〜250
μm程度であり、坪量は10〜250g/m2が望まし
い。
【0159】前記支持体には、前記受像層を設けてもよ
いし、前記バックコート層を更に設けてもよく、また、
デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレスやア
ンカーコート層を設けた後に、前記受像層及び前記バッ
クコート層を設けてもよい。また、前記支持体には、マ
シンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等
のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよい。
【0160】前記支持体の中でも、両面をポリオレフィ
ン(例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブテン及びそれらのコポリマー
等)でラミネートした紙、及びプラスチックフイルムが
好ましく用いられる。前記ポリオレフィン中に、白色顔
料(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛等)又は色味付け染
料(例えば、コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム
等)を添加することがより好ましい。
【0161】前記受像層には、顔料、水性バインダー、
媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、界面活性剤、その他
の添加剤が含有される。
【0162】前記顔料としては、白色顔料が好ましく、
該白色顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、カオリ
ン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸
アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水
酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、
硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜
鉛、炭酸亜鉛等の無機白色顔料、スチレン系ピグメン
ト、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂、
等の有機顔料等が好適に挙げられる。これらの白色顔料
の中でも、多孔性無機顔料が好ましく、細孔面積が大き
い合成非晶質シリカ等がより好ましい。前記合成非晶質
シリカは、乾式製造法によって得られる無水珪酸、及
び、湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使
用可能であるが、含水珪酸を使用することが特に好まし
い。
【0163】前記水性バインダーとしては、例えば、ポ
リビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコ
ール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラ
チン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオ
キサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体、等の水溶
性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエ
マルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。これら
の水性バインダーは、1種単独で使用してもよいし、2
種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリビニル
アルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールが、
前記顔料に対する付着性、及び受像層の耐剥離性の点で
好ましい。
【0164】前記媒染剤としては、不動化されているこ
とが好ましい。そのためには、ポリマー媒染剤が好まし
く用いられる。前記ポリマー媒染剤としては、特開昭4
8−28325号、同54−74430号、同54−1
24726号、同55−22766号、同55−142
339号、同60−23850号、同60−23851
号、同60−23852号、同60−23853号、同
60−57836号、同60−60643号、同60−
118834号、同60−122940号、同60−1
22941号、同60−122942号、同60−23
5134号、特開平1−161236号の各公報、米国
特許2484430号、同2548564号、同314
8061号、同3309690号、同4115124
号、同4124386号、同4193800号、同42
73853号、同4282305号、同4450224
号の各明細書に記載がある。特開平1−161236号
公報の212〜215頁に記載のポリマー媒染剤が特に
好適に挙げられる。同公報記載のポリマー媒染剤を用い
ると、優れた画質の画像が得られ、かつ画像の耐光性が
改善される。
【0165】前記耐水化剤は、画像の耐水化に有効であ
り、カチオン樹脂が好適に挙げられる。前記カチオン樹
脂としては、例えば、ポリアミドポリアミンエピクロル
ヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリアミンスルホン、
ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、カチ
オンポリアクリルアミド、コロイダルシリカ等が挙げら
れ、これらの中でも、ポリアミドポリアミンエピクロル
ヒドリンが特に好ましい。前記カチオン樹脂の含有量と
しては、前記受像層の全固形分に対して1〜15質量%
が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
【0166】前記耐光性向上剤としては、例えば、硫酸
亜鉛、酸化亜鉛、ヒンダーアミン系酸化防止剤、ベンゾ
フェノン等のベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤等が
挙げられ、これらの中でも、硫酸亜鉛が特に好ましい。
【0167】前記界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良
剤、スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能す
る。前記界面活性剤としては、特開昭62−17346
3号、同62−183457号の各公報に記載されたも
のが挙げられる。前記界面活性剤の代わりに有機フルオ
ロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、
疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物
としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ
素系化合物(例えば、フッ素油等)及び固体状フッ素化
合物樹脂(例えば、四フッ化エチレン樹脂等)が含まれ
る。前記有機フルオロ化合物については、特公昭57−
9053号(第8〜17欄)、特開昭61−20994
号、同62−135826号の各公報に記載がある。
【0168】前記その他の添加剤としては、例えば、顔
料分散剤、増粘剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐
剤、pH調整剤、マット剤、硬膜剤等が挙げられる。
【0169】前記バックコート層には、白色顔料、水性
バインダー、その他の成分が含有される。
【0170】前記白色顔料としては、例えば、軽質炭酸
カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、
硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜
鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミ
ニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウ
ム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダル
アルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミ
ナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マ
グネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、ス
チレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチ
ックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿
素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
【0171】前記水性バインダーとしては、スチレン/
マレイン酸塩共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合
体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニル
アルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイ
ン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性
高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマ
ルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。
【0172】前記その他の成分としては、消泡剤、抑泡
剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられ
る。
【0173】尚、前記記録紙及び記録フィルムにおける
構成層(バックコート層を含む)には、ポリマーラテッ
クスを添加してもよい。前記ポリマーラテックスは、寸
度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止の
ような膜物性改良の目的で使用される。前記ポリマーラ
テックスについては、特開昭62−245258号、同
62−1316648号、同62−110066号の各
公報に記載がある。ガラス転移温度が低い(40℃以下
の)ポリマーラテックスを、前記媒染剤を含む層に添加
すると、層のひび割れやカールを防止することができ
る。また、ガラス転移温度が高いポリマーラテックスを
前記バックコート層に添加するとカールを防止すること
ができる。
【0174】本発明のインクジェット記録方式には、特
に制限はなく、公知の方法、例えば、静電誘引力を利用
してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振
動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パル
ス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射し
て放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェ
ット方式、インクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力
を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット
(登録商標))方式等のいずれであってもよい。尚、前
記インクジェット記録方式には、フォトインクと称する
濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実
質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画
質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含
まれる。
【0175】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。尚、
以下において「部」及び「%」は、特に断りがない限
り、「質量部」及び「質量%」を表す。
【0176】(実施例1) −製造例1(着色微粒子分散物(B−1)の調製)− イソプロピルアルコール4部、tert−ブタノール6
部、ビニルポリマー(例示化合物P−1)1.5部、及
び油溶性染料(例示化合物M−1)0.5部の混合液
に、2mol/Lの水酸化ナトリウムをビニルポリマー
の酸が中和される量を徐々に加えた後、80℃まで昇温
させた。その後、攪拌しながら水30部を添加した。こ
の液を減圧下40℃で濃縮し、固形分10%の着色微粒
子分散物(B−1)を調製した。着色微粒子分散物(B
−1)中の着色微粒子の粒径は、体積平均粒径で32n
mであった(マイクロトラックUPA150;日機装
(株)製で測定)。以下、これを着色微粒子分散物(B
−1)と略記する。
【0177】−製造例2(着色微粒子分散物(B−2)
の調製)− 酢酸エチル3部、シクロヘキサノン0.5部、ビニルポ
リマー(例示化合物P−21)1.4部、油溶性染料
(例示化合物M−11)0.6部の混合液を調製した。
一方、前記ビニルポリマーの酸が中和される量の2mo
l/L水酸化ナトリウム、水15部、及びジ(2−エチ
ルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム0.2部の混合
液を調製した。前記2種の混合液を合わせ、ホモジナイ
ザーにて混合乳化した後、減圧下40℃で濃縮し、固形
分8.3%の着色微粒子分散物(B−2)を調製した。
着色微粒子分散物(B−2)中の着色微粒子の粒径は、
体積平均粒径で46nmであった。以下、これを着色微
粒子分散物(B−2)と略記する。
【0178】−製造例3(着色微粒子分散物(B−3)
の調製)− 油溶性染料(例示化合物M−6)6.4部、ジオクチル
スルホコハク酸ナトリウム8.0部、及びビニルポリマ
ー(例示化合物P−1)5.1部を、下記疎水性高沸点
有機溶媒(S−1)7.7部及び酢酸エチル50部の混
合溶液中に加え70℃にて溶解させた。溶解途中でビニ
ルポリマーの酸が中和される量の2mol/L水酸化ナ
トリウムを徐々に添加した。この液に400部の脱イオ
ン水をマグネチックスターラーで攪拌しながら添加し、
水中油滴型の粗粒子分散物を作製した。次に、この粗粒
子分散物をマイクロフルイダイザー(MICROFLU
IDEX INC)にて60MPa(600bar)の
圧力で5回通過させて微粒子化した。更に、出来上がっ
た乳化物をロータリーエバポレーターにて256部に濃
縮し、着色微粒子分散物(B−3)を調製した。着色微
粒子分散物(B−3)中の着色微粒子の粒径は、体積平
均粒径で25nmであった。以下、これを着色微粒子分
散物(B−3)と略記する。
【0179】
【化18】
【0180】−製造例4〜10(着色微粒子分散物(B
−4)〜(B−10)の調製)− 前記製造例1と類似の方法により、下記表1に示す着色
微粒子分散物(B−4)〜(B−5)〔製造例4〜5〕
を、前記製造例2と類似の方法により、下記表1に示す
着色微粒子分散物(B−6)〔製造例6〕を、前記製造
例3と類似の方法により、下記表1に示す着色微粒子分
散物(B−7)〜(B−10)〔製造例7〜10〕をそ
れぞれ製造した。
【0181】各製造例で用いたビニルポリマー及び油溶
性染料を下記表1に示す。尚、比較例の製造例9〜10
では、下記ビニルポリマー(PH−1、PH−2)を使
用し、既述のモノマー〔A〕を重合成分として含んでい
ない。 PH−1: ポリ(n−ブチルメタクリレート)、分子
量15000 PH−2: イソブチルメタクリレート/ポリエチレン
グリコールモノメチルエーテル(エチレンオキシ鎖繰り
返し単位数=約45)のメタクリル酸エステル/2−カ
ルボキシエチルアクリレート共重合体(75:20:5)、
分子量17000
【0182】
【表1】
【0183】上記表1の結果から、前記一般式(1)で
表されるモノマー〔A〕を重合成分に含むビニルモノマ
ーを使用した着色微粒子分散物(B−1)〜(B−8)
では、分散物の凝集がなく、粒径が小さく分散性の良好
な着色微粒子分散物を製造することができた。また、特
に疎水性高沸点有機溶媒を用いた着色微粒子分散物(B
−3)、(B−7)及び(B−8)では、より微粒子の
分散物が得られ、分散性、分散安定性に特に優れてい
た。一方、前記一般式(1)で表されるモノマー〔A〕
を重合成分に含むビニルモノマーを使用しなかった着色
微粒子分散物(B−9)及び(B−10)では、疎水性
高沸点有機溶媒を含む場合でも分散不良を生じた。
【0184】(実施例2) <インクセット101の作製>前記例示のマゼンタ染料
(例示化合物M−6、油溶性染料)5部、ビニルポリマ
ー(例示化合物P−1)1.25部、前記疎水性高沸点
有機溶媒(S−1)3.63部、前記疎水性高沸点有機
溶媒(S−2)6.38部及びジオクチルスルホコハク
酸ナトリウム3.13部を、酢酸エチル50ml中に7
0℃にて溶解させた。この溶液中に500mlの脱イオ
ン水をマグネチックスターラーで撹拌しながら添加し、
水中油滴型の粗粒分散物を作製した。更に、これに2m
ol/L水酸化ナトリウムをビニルポリマーの酸が中和
されるまで加えた。
【0185】次に、この粗粒分散物を高圧乳化機マイク
ロフルイダイザー(MICROFLUIDEX IN
C)にて60MPa(600bar)の圧力で5回通過
させることで微粒子化を行った。更に、出来上がった乳
化物をロータリーエバポレーターにて酢酸エチルの臭気
が無くなるまで脱溶媒を行い、着色微粒子分散物を得
た。こうして得られた着色微粒子分散物に、ジエチレン
グリコール110部、グリセリン50部、SURFYN
OL465(AirProducts&Chemica
ls社)5.5部、尿素46.0部、トリエタノールア
ミン7.5部、ベンゾトリアゾール0.075部、防腐
剤2.5部、及び合計1000部となるだけの脱イオン
水を添加して、ライトマゼンタインクを作製した。
【0186】前記ライトマゼンタインクの作製におい
て、油溶性染料、疎水性高沸点有機溶媒の量、ビニルポ
リマーの量、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムの量
を下記表2に示すように代えて、前記ライトマゼンタイ
ンクの作製と同様にして、マゼンタインク、ライトシア
ンインク、シアンインク、イエローインク及びブラック
インクを各々作製し、6種類のインクからなるインクセ
ット101を作製した。ここで、イエローインク及びブ
ラックインクに用いた染料YY−1の構造式を以下に示
す。
【0187】
【表2】
【0188】
【化19】
【0189】−インクセット102〜107の作製− 前記インクセット101の作製において、油溶性染料、
ビニルポリマーを下記表3及び4に示すように代え、前
記インクセット101の作製と同様にしてインクセット
102〜106を作製した。また、水溶性染料を用いた
比較用のインクセットとして、下記表5の組成となるよ
うにインクセット107を作製した。尚、前記インクセ
ット102〜107に用いた染料(YY−2、MM−2
〜3、CC−2〜3、A−1〜7)の構造式を以下に示
す。
【0190】
【表3】
【0191】
【表4】
【0192】
【表5】
【0193】
【化20】
【0194】
【化21】
【0195】
【化22】
【0196】
【化23】
【0197】<評価>上記より得たインクセット101
〜107を、インクジェットプリンターPM−670C
(EPSON(株)製)のカートリッジに充填し、同機
にてインクジェットペーパーフォト光沢紙EX(富士写
真フイルム(株)製;以下、「フォト光沢紙」とい
う。)に画像を印字し、以下の評価を行った。測定、評
価の結果を下記表6及び7に示す。
【0198】(印字性能の評価) −印字性能− カートリッジをプリンタにセットし、全ノズルからのイ
ンクの吐出を確認した後、A4用紙10枚に画像を出力
し、印字の乱れを以下の基準で評価した。 A: 印刷開始から終了まで印字の乱れが無かった。 B: 印刷開始から終了までに時々印字の乱れが認めら
れた。 C: 印刷開始から終了まで印字の乱れが頻出した。 −印字性能− インクセット101〜107を詰めた各カートリッジを
60℃の環境下に7日間放置し、放置後のインクの状
態、及び放置後のカートリッジを用いて印字性能と同
様の評価を行った時の各印字の乱れを評価した。
【0199】(乾燥性の評価)印字直後の画像部を指で
触ったときの汚れ(擦過汚れ)を目視にて評価し、乾燥
性が良好な(汚れが発生しなかった)ものを○、良好で
ないものを×とした。 (細線の滲みの評価)イエロー、マゼンタ、シアン及び
ブラックの細線パターンを印字し、目視にて評価し、滲
みが認められなかったものを○、若干の滲みが認められ
たものを△とした。
【0200】(耐水性の評価)画像形成したフォト光沢
紙を1時間室温乾燥した後、30秒間水に浸漬し、室温
にて自然乾燥させた後の滲みの程度を観察し、滲みが全
くなかった場合をA、滲みが僅かに認められた場合を
B、滲みの程度の多い場合をCとして、三段階に評価し
た。 (擦過性の評価)印字後30分間経時した画像につい
て、その画像部を消しゴムで擦って、画像部の濃度変化
の有無を目視にて評価した。 A… 濃度変化が殆ど認められず、良好であった。 B… 濃度変化が認められた。
【0201】(紙依存性の評価)フォト光沢紙に印字さ
れた画像と、別途PPC用普通紙に同様にして印字され
た画像との色調を比較し、両画像間の色調差の小さい場
合を○(良好)とし、両画像間の色調差の大きい場合を
×(不良)として、二段階に評価した。 (耐光性の評価)画像を印字したフォト光沢紙に、ウェ
ザーメーター(アトラスC.I65)によりキセノン光
(85000lux)を3日間照射し、キセノン照射前
後の画像濃度を反射濃度計(X-Rite 310TR)を用
いて測定し、色素残存率を求めこれを評価の指標とし
た。尚、前記反射濃度は、1、1.5及び2.0の3点
で測定した。いずれの濃度でも色素残存率が80%以上
の場合をA、1点又は2点が80%未満の場合をB、全
ての濃度で80%未満の場合をCとして、三段階に評価
した。
【0202】(暗熱堅牢性評価)印字後の画像を70〜
80%RHの環境条件下に7日間保存し、保存前後での
画像濃度を反射濃度計(X-Rite 310TR)を用いて
測定し、色素残存率を求めこれを評価の指標とした。
尚、前記反射濃度は、1、1.5及び2.0の3点で測
定した。いずれの濃度でも色素残存率が80%以上の場
合をA、1点又は2点が80%未満の場合をB、全ての
濃度で80%未満の場合をCとして、三段階に評価し
た。
【0203】
【表6】
【0204】
【表7】
【0205】上記表6及び7の結果から、前記一般式
(1)で表されるモノマー〔A〕を重合成分に含むビニ
ルモノマーを使用した着色微粒子分散物を含むインクか
らなるインクセット101〜105では、分散粒子の粒
径が小さく分散安定性、保存安定性に特に優れ、ノズル
先端での目詰まりも認められず印字適性に優れていた。
また、紙依存性がなく、発色性に優れ、色調に特に優
れ、インク浸透性にも優れ高濃度かつ高画質の画像が得
られた。しかも、印字後の画像は、耐水性、耐光性に優
れ、特に耐擦過性も良好であった。一方、前記一般式
(1)で表されるモノマー〔A〕を重合成分に含むビニ
ルモノマーを使用せずに作製したインクセット106で
は、分散安定性、保存安定性に欠け、印刷開始時から印
字の乱れを伴って高画質の画像を得ることができなかっ
た。また、水溶性染料を使用したインクセット107で
は、分散性には支障はないものの、印字後のインクの滲
み、耐水性、耐光性の点で特に劣り、色調(色相)の紙
依存性も大きく、また印字後の画像の堅牢性も不十分で
あった。
【0206】
【発明の効果】本発明によれば、取扱性、臭気、安全性
を備えると共に、分散粒子の粒径が小さく、分散物の分
散安定性及び保存安定性に特に優れる着色微粒子分散物
を提供することができる。また、取扱性、臭気、安全性
を備え、分散粒子の粒径が小さく分散安定性、保存安定
性に特に優れ、ノズル先端での目詰まりの発生がなく、
紙依存性がなく、任意に選択した紙に印字した際の発色
性、特に色調(色相)に優れ、写真画質用紙へのインク
浸透性にも優れ、記録後の耐光性、特に耐水性、耐擦過
性に優れ、高濃度かつ高画質に記録しうるインクジェッ
ト記録用インクを提供することができる。更に、本発明
によれば、取扱性、臭気、安全性を備え、ノズル先端で
の目詰まりによる吐出不良を解消し、紙依存性がなく、
任意に選択した紙に印字した際の発色性、特に色調(色
相)に優れ、写真画質用紙へのインク浸透性にも優れ、
記録後の耐光性、特に耐水性、耐擦過性に優れ、高濃度
かつ高画質の記録を可能とするインクジェット記録方法
を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09B 67/38 C09B 67/46 Z 67/46 C09D 11/00 C09D 11/00 B41J 3/04 101Y Fターム(参考) 2C056 EA05 EA09 EA13 ED07 FC01 FC02 2H086 BA01 BA53 BA56 BA59 BA62 4J037 EE28 4J039 AD09 AD22 BC40 BC41 BE02 BE07 GA24

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油溶性染料とビニルポリマーとを含む着
    色微粒子を含有する着色微粒子分散物であって、前記ビ
    ニルポリマーが、下記一般式(I)で表されるモノマー
    を重合して得られるポリマーであることを特徴とする着
    色微粒子分散物。 一般式(I) 【化1】 〔一般式(I)中、R11は、水素原子、炭素数1〜4の
    アルキル基又は塩素原子を表す。L1は、−O−、−C
    OO−、−OCO−、−CONR12−、又は置換若しく
    は無置換のフェニレン基を表し、X1は、−CH2−、−
    CHR13−、−CR1314−、−CH2CH2O−、−C
    2CHR13O−、−CHR13CH2O−、置換若しくは
    無置換のアリーレン基、又は置換若しくは無置換のシク
    ロアルキレン基を表す。L2は、−O−、−CO−、−
    COO−、−OCO−、−CONR12−、−NR12CO
    −、−NR12COO−、又は−NR12CONR15−を表
    し、X2は、−CH2−、−CH2CHR13−、−CHR
    13CH2−、置換若しくは無置換のアリーレン基、又は
    置換若しくは無置換のシクロアルキレン基を表す。qは
    1以上の整数を表し、rは0又は1を表し、sは0〜1
    8の整数を表す。R12及びR15は、それぞれ独立に水素
    原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若し
    くは無置換のアリール基を表す。R13、R14、R21及び
    22は、それぞれ独立に置換若しくは無置換のアルキル
    基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。〕
  2. 【請求項2】 ビニルポリマーがイオン性基を有し、該
    イオン性基の含有量が、0.2mmol/g以上4.0
    mmol/g以下である請求項1に記載の着色微粒子分
    散物。
  3. 【請求項3】 油溶性染料が下記一般式(II)で表され
    る請求項1又は2に記載の着色微粒子分散物。 一般式(II) 【化2】 〔一般式(II)中、Qは、一般式(II)で表わされる化
    合物が可視域及び/又は近赤外域に吸収を有するために
    必要な原子団を表す。Aは、−NR45又はヒドロキシ
    基を表し、R4及びR5は、それぞれ独立に水素原子、ア
    ルキル基、アリール基、複素環基を表す。B1は、=C
    (R6)−又は=N−を表し、B2は、−C(R7)=又
    は−N=を表す。R2、R3、R6及びR7は、それぞれ独
    立に水素原子、置換基を表す。R2とR3、R3とR4、R
    4とR5、R5とR6及びR6とR7は、互いに結合して環を
    形成してもよい。〕
  4. 【請求項4】 着色微粒子が、油溶性染料とビニルポリ
    マーとを含有する有機溶媒相に水を投入して乳化させる
    こと、及び水中に油溶性染料とビニルポリマーとを含有
    する有機溶媒相を投入して乳化させることのいずれか一
    方により製造される請求項1から3までのいずれか1項
    に記載の着色微粒子分散物。
  5. 【請求項5】 着色微粒子が、ビニルポリマー、油溶性
    染料及び疎水性高沸点有機溶媒を含有する請求項1から
    4までのいずれか1項に記載の着色微粒子分散物。
  6. 【請求項6】 請求項1から5までのいずれか1項に記
    載の着色微粒子分散物を含有してなることを特徴とする
    インクジェット記録用インク。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のインクジェット記録用
    インクを用いて記録を行うことを特徴とするインクジェ
    ット記録方法。
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