JP2003327626A - 光硬化性シルフェニレン組成物およびその硬化物 - Google Patents

光硬化性シルフェニレン組成物およびその硬化物

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JP2003327626A JP2002138824A JP2002138824A JP2003327626A JP 2003327626 A JP2003327626 A JP 2003327626A JP 2002138824 A JP2002138824 A JP 2002138824A JP 2002138824 A JP2002138824 A JP 2002138824A JP 2003327626 A JP2003327626 A JP 2003327626A
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欣也 児玉
Tsutomu Kashiwagi
努 柏木
Toshiyuki Sudo
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (A)下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4は互いに同一または異種の
炭素数1〜10の1価炭化水素基を示す。R5、R6は互
いに同一または異種の炭素数1〜50の有機基を示し、
5、R6のうち少なくとも一方は、アクリル構造または
メタクリル構造を一つ以上含む。)で表される(メタ)
アクリル官能基を有するシルフェニレン化合物と、
(B)光重合開始剤とを含むことを特徴とする、光硬化
性シルフェニレン組成物。 【効果】 本発明の光硬化性シルフェニレン組成物は、
光照射を加えることにより硬化物を与え、得られる硬化
物は透湿性、ガス透過性が低く、かつ機械的特性に優れ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(メタ)アクリル
官能基を有するシルフェニレン化合物と光重合開始剤と
を含む光硬化性シルフェニレン組成物、およびその硬化
物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】アク
リレートモノマーやオリゴマーは、光や熱によって重合
反応を起こす性質を持ち、コーティング剤や接着剤、注
型剤、光硬化性インキなどにおいて単体および反応性希
釈剤として幅広い分野で使用されている。
【0003】従来より、所望の用途に応じ、アクリレー
トモノマーやオリゴマーの硬化性、希釈性、柔軟性、相
溶性等や、その硬化物の耐熱性、耐湿性、耐候性(耐光
性)、表面改質性等々の特性を向上させるために、種々
の分子骨格に(メタ)アクリル基を導入した種々の(メ
タ)アクリレートモノマーやオリゴマーが開発されてき
ている。しかし、従来のアクリレートモノマーやオリゴ
マーの硬化物は、いまだ耐熱性、耐湿性が十分でなく、
例えばシリコーン変性(即ち、オルガノシロキサン変
性)アクリレートモノマーやシリコーン変性アクリレー
トポリマーは耐熱性に優れるものの、耐湿性や機械的特
性に問題があった。
【0004】本発明は、以上のような事情を考慮してな
されたものであって、光硬化させた際に耐湿性に優れ、
かつ機械的特性等に優れた硬化物を与えるシルフェニレ
ン組成物、および、その硬化物を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するため鋭意検討を行った結果、シルフェニレン骨
格に(メタ)アクリル基(即ち、アクリル基および/ま
たはメタクリル基を意味する。以下同様)を付与した下
記一般式(1)のシルフェニレン化合物と光重合開始剤
とを含む光硬化性シルフェニレン組成物に光照射するこ
とによって、透明で耐湿性、耐熱性、耐水性、耐光性、
機械的特性等に優れる硬化物が得られることを見出し、
本発明をなすに至った。すなわち、本発明は、〔1〕下
記一般式(1)で表される(メタ)アクリル官能基を有
するシルフェニレン化合物と、光重合開始剤とを含む光
硬化性シルフェニレン組成物を提供する。また、本発明
は、〔2〕〔1〕のシルフェニレン組成物を硬化させて
なる、シルフェニレン組成物の硬化物を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき更に詳しく説
明する。本発明の新規光硬化性シルフェニレン組成物
は、(A)(メタ)アクリル官能基を有するシルフェニ
レン化合物と、(B)光重合開始剤とを含むものであ
る。(メタ)アクリル基を有するシルフェニレン化合物
は、下記一般式(1)で示されるもので、シルフェニレ
ン骨格を中心としてその両端若しくは一端に重合性を示
す上で重要な役割を果たす(メタ)アクリル基を含んで
いるものである。
【0007】
【化3】 (式中、R1、R2、R3、R4は互いに同一または異種の
炭素数1〜10の1価炭化水素基を示す。R5、R6は互
いに同一または異種の炭素数1〜50の有機基を示し、
5、R6のうち少なくとも一方は、アクリル構造または
メタクリル構造を一つ以上含む。)
【0008】この式(1)のシルフェニレン化合物は、
下記一般式(2)
【化4】 (式中、R1、R2、R3、R4は互いに同一または異種の
炭素数1〜10の1価炭化水素基を示す。)で表される
1,4−ビス(クロロシリル)ベンゼンと、下記一般式
(3)および(4) R5−OH (3) R6−OH (4) (式中、R5、R6は互いに同一または異種の炭素数1〜
50の有機基を示し、R 5、R6のうち少なくとも一方
は、アクリル構造またはメタクリル構造を一つ以上含
む。)で表されるアルコールとを反応させることにより
製造することができる。
【0009】ここで、R1、R2、R3、R4は同一または
異種の炭素数1〜10の1価炭化水素基を示す。このよ
うな1価炭化水素基の代表例としては、例えばメチル、
エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i
−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、t−ペンチ
ル、i−オクチル、t−オクチル、2−エチルヘキシ
ル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチ
ル、シクロオクチル、1−メチルシクロペンチル、1−
メチルシクロヘキシル、1−メチル−4−i−プロピル
シクロヘキシル、ノニル、デシル等のアルキル基、ビニ
ル、アリル、プロペニル、ブテニル、ヘキセニル、シク
ロヘキセニル等のアルケニル基などが挙げられる。
【0010】R5、R6は炭素数1〜50の有機基を示
し、R5、R6のうち少なくとも一方は、アクリル構造ま
たはメタクリル構造を一つ以上含む。R5、R6は同一で
あってもよく、従って、上記一般式(3)、(4)の化
合物は互いに同一であってもよい。アクリル構造または
メタクリル構造を一つ以上含む炭素数1〜50の有機基
は、例えば、(メタ)アクリル基(好ましくは(メタ)
アクリロキシ基を1個以上、通常1〜12個、好ましく
は1〜6個、より好ましくは1〜3個含有し、該(メ
タ)アクリロキシ基以外のエーテル構造、エステル構
造、ジオルガノシリル構造、またはヒドロキシ基を1個
以上(好ましくは1〜5個、但し、エーテル構造につい
ては、好ましくは1〜10個程度)含有してもよい、炭
素原子数が4〜50個、好ましくは5〜30個、より好
ましくは5〜20個程度の、飽和または不飽和の脂肪族
または芳香族1価炭化水素基などが挙げられるが、ヒド
ロキシ基は好ましくは含有しないものが望ましい。ま
た、ジオルガノシリル構造は、R5、R6の末端に位置し
て隣接酸素原子と結合していること(すなわち、ジオル
ガノシロキシ構造であること)が好ましい。
【0011】このような、アクリル構造またはメタクリ
ル構造を1つ以上含む炭素数1〜50の有機基として
は、下記のアルコールに由来する1価の有機基を例示す
ることができる。
【0012】すなわち、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート(またはアクリレート)、2−ヒドロキシプロピ
ルメタクリレート(またはアクリレート)、3−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート(またはアクリレート)、
4−ヒドロキシブチルメタクリレート(またはアクリレ
ート)、ペンタエリスリトールトリメタクリレート(ま
たはトリアクリレート)、グリセリン−1,3−ジメタ
クリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル
メタクリレート(またはアクリレート)、ジエチレング
リコールモノメタクリレート、ジペンタエリスリトール
ペンタ(またはヘキサ)アクリレート(またはメタクリ
レート)、4−メタクリロキシ−2−ヒドロキシベンゾ
フェノン、3−(4−メチルフェノキシ)−2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、ソルビトールペンタメタ
クリレート(またはアクリレート)、ポリエチレングリ
コールモノメタクリレート(またはアクリレート)、2
−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチ
ルアクリレート、カプロラクトン−2−(メタクリロイ
ロキシ)エチルエステル、ジカプロラクトン−2−(ア
クリロイロキシ)エチルエステル、ペンタエリスリトー
ルジアクリレートモノステアレート、2−メチルアクリ
リックアシッド−4−ヒドロキシフェニルエステル、3
−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキ
シプロピルメタクリレート(またはアクリレート)、3
−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート(またはアクリレート)、
3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−2−ヒド
ロキシプロピルメタクリレート(またはアクリレー
ト)、3−(パーフルオロ−8−メチルデシル)−2−
ヒドロキシプロピルメタクリレート(またはアクリレー
ト)、3−(パーフルオロブチル)−2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、3−(パーフルオロヘキシル)−
2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(またはアクリ
レート)、3−(パーフルオロオクチル)−2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート(またはアクリレート)、
3−(アクリロイロキシ)−2−ヒドロキシプロピルメ
タクリレート(またはアクリレート)、2−ヒドロキシ
プロピル−2−(メタクリロイロキシ)エチルフタレー
ト、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレ
ート(またはメタクリレート)、3−(メタクリロイロ
キシ)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(また
はアクリレート)、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプ
ロピルアクリレート(またはメタクリレート)、メタク
リロキシ(またはアクリロキシ)メチルジメチルシラノ
ール、メタクリロキシ(またはアクリロキシ)プロピル
ジメチルシラノール、メタクリロキシ(またはアクリロ
キシ)プロピルメチルフェニルシラノール、メタクリロ
キシ(またはアクリロキシ)プロピルジフェニルシラノ
ールなどが挙げられる。
【0013】また、2,3−ジヒドロキシプロピルメタ
クリレート(もしくはアクリレート)、ビスフェノール
Aジグリシジルジメタクリレート(またはアクリレー
ト)などの(メタ)アクリル基を含有するジオール類、
更に(メタ)アクリル基を含有する多ヒドロキシ基を有
する化合物(トリオール類など)においても同様の反応
でシルフェニレン骨格に(メタ)アクリル官能基を結合
させることが可能である。しかし、この場合は、分子量
の異なる複数の化合物が得られる。
【0014】一方、アクリル構造またはメタクリル構造
を含まない有機基としては、好ましくは上記R1〜R4
同様の炭素数1〜10の1価炭化水素基が挙げられ、ア
ルコールの例としては、メタノール、エタノール、n−
プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i
−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、
t−ペンタノール、i−オクタノール、t−オクタノー
ル、2−エチルヘキサノール、シクロペンタノール、シ
クロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロオクタ
ノール、1−メチルシクロペンタノール、1−メチルシ
クロヘキサノール、1−メチル−4−i−プロピルシク
ロヘキサノール、ノナノール、デカノール、アリルアル
コールなどが挙げられるが、これらに限定されるもので
はない。なお、アクリル構造、メタアクリル構造を含ま
ないアルコールの使用量は、一般式(2)の化合物1モ
ルに対して0〜1.2モルとすることができる。
【0015】また、一般式(2)で表される1,4−ビ
ス(クロロシリル)ベンゼンと一般式(3)および一般
式(4)で表されるアルコールとの反応において、一般
式(3)で表されるアルコールと一般式(4)で表され
るアルコールの総量は、一般式(2)で表される1,4
−ビス(クロロシリル)ベンゼン1モルに対して、1.
5〜2.5モル、特に1.8〜2.2モル使用して行う
ことが好ましい。アルコールの仕込み量が大きすぎると
未反応のアルコールが多量に残存し、精製上、不利とな
る場合があり、仕込量が小さすぎると副反応が進行し、
目的物以外の化合物が生じやすくなる場合がある。
【0016】一般式(2)で表される1,4−ビス(ク
ロロシリル)ベンゼンと一般式(3)および一般式
(4)で表されるアルコールとの反応は、通常有機溶媒
中で行われる。このような有機溶媒としては、例えば、
THF、トルエン、アセトン等が挙げられる。また、本
反応は脱HCl反応であり、アミンによりHClをアン
モニウム塩としてトラップすることが好ましい。アミン
としては、公知のアミンを用いることができ、例えば、
トリエチルアミンなどが挙げられる。アミンの使用量
は、一般式(2)のシルフェニレン化合物1モルに対
し、通常2.0〜2.4モルである。本反応は、通常、
遮光し、室温(例えば0〜45℃、好ましくは5〜40
℃)で行えばよい。しかし、(メタ)アクリル基を有す
るため、反応温度の上昇には注意する必要がある(当反
応は発熱反応である)。
【0017】このようにして、一般式(1)で表される
(メタ)アクリル基含有シルフェニレン化合物が得られ
る。該(メタ)アクリル基含有シルフェニレン化合物
は、(メタ)アクリル官能基を有しており、通常は光重
合開始剤を加えて光重合させることができる。
【0018】本発明に使用する光重合開始剤としては、
光を照射することにより重合を開始させ得るものであれ
ば特に制限はない。例えば、1−[4−(2−ヒドロキ
シ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プ
ロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニル−ケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニ
ルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイ
ルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリ
メチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイ
ド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モ
ルフォリノフェニル)ブタノン−1,2−ヒドロキシ−
2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メ
チル−1−[4−メチルチオフェニル]−2−モルフォ
リノプロパン−1−オン、ベンゾインメチルエーテル、
ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエー
テル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ビス(2,
4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィン
オキサイド、2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1
−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー、
イソプロピルチオキサントン、o−ベンゾイル安息香酸
メチル、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェ
ニルメタン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−ク
ロロチオキサントン、ベンゾフェノン、エチルアントラ
キノン、4,4'−ビスジエチルアミノベンゾフェノ
ン、1,4−ジベンゾイルベンゼン、2−ベンゾイルナ
フタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイル
ジフェニルエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、ジベ
ンゾイル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステ
ル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエチルエス
テルなどが挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0019】光重合開始剤の配合量は、前記化合物
(1)である(メタ)アクリル基含有シルフェニレン1
00重量部に対し、0.0001〜10重量部が好まし
く、0.001〜5重量部がより好ましく、0.001
〜3重量部が更に好ましい。光重合開始剤の配合量は多
すぎても少なすぎても硬化が不完全となる場合がある。
【0020】本発明の組成物は、前記(1)成分および
光重合開始剤が含まれていればよく、本組成物の特性を
損なわない範囲内で必要に応じ、更にその他の成分を添
加してもよい。その他の成分としては、例えば、光重合
開始剤の感度を高める働きを持つ光増感剤、機械的特性
を向上せしめる働きを持つ、シリカ、アルミナ、チタニ
アなどの無機酸化物、染色や特定波長吸収を可能とせし
める働きを持つ、有機・無機の顔料や染料、接着性を向
上せしめる働きを持つシランカップリング剤等が挙げら
れる。必要に応じ、これらを複数種組み合わせて添加し
てもよい。
【0021】本発明の光硬化性シルフェニレン組成物を
得る際の、各成分の配合方法に特に制限はない。例え
ば、溶液状態で組成物の各成分を混合し、溶剤を蒸発さ
せても良いし、溶媒を用いずにミキサー中にて配合して
も良い。各成分の配合順序についても特に制限はない。
【0022】本発明のシルフェニレン組成物の硬化物
は、上記光硬化性シルフェニレン組成物に光を照射する
ことにより得られるものである。照射する光は、照射す
ることによって上記光硬化性シルフェニレン組成物を硬
化させ得る光であれば特に制限はないが、例えば、遠紫
外線(波長:例えば193nm,253nm)、i線
(波長:365nm)、g線(波長:436nm)、h
線(波長:405nm)等の紫外線が好適に用いられ
る。
【0023】
【実施例】以下、実施例および比較例を示し、本発明を
具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限され
るものではない。なお、UVは紫外線を示す。
【0024】粘度測定 JIS Z規格の液体の粘度測定法(毛細管粘度計を使
用)に準じて、23℃において測定を行った。
【0025】硬さ測定 JIS K規格の硬さ測定法(Durometer t
ype Dを使用)に準じて測定を行った。
【0026】吸水率測定 JIS K規格の煮沸吸水率測定法に準じて測定を行っ
た。
【0027】耐熱性試験 200℃の乾燥機内で500時間加熱し、表面の様子を
観察することで評価した。
【0028】透湿度測定 JIS Z規格の透湿度試験方法(カップ法)に準じて
温度40℃、相対湿度90%にて測定した。
【0029】[実施例1]1,4−ビス(ジメチルクロ
ロシリル)ベンゼン0.20モルをテトラヒドロフラン
(THF)250mlに溶解し撹拌しておき(溶液
)、3−(アクリロイロキシ)−2−ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート0.20モル、イソプロピルアルコ
ール0.20モル、およびトリエチルアミン0.44モ
ルをTHF150mlに撹拌混合したもの(溶液)を
溶液に室温で添加した。反応溶液はEt3NH+Cl-
の析出により白濁し、溶液温度は20℃から40℃まで
上昇した。室温雰囲気中で2時間撹拌した後、吸引濾過
にてアンモニウム塩を取除き、濾過液をロータリーエバ
ポレーターにて、留分が出なくなるまで加熱減圧処理
(50℃、1mmHg)をし、シルフェニレン化合物
(5)を得た。化合物(5)に含まれる主成分の構造式
は下図の通りである。
【0030】
【化5】
【0031】シルフェニレン化合物(5)100重量部
に対して、光重合開始剤2−ハイドロキシ−2−メチル
プロピオフェノンを1重量部入れ、均一に混合し、光硬
化性シルフェニレン組成物(6)を得た。物性値は表1
の通りであった。光硬化性シルフェニレン組成物(6)
にUV照射装置(メタルハライドランプ使用)により紫
外線(200mJ)を照射し透明な硬化物を得た。物性
値は表2の通りであった。
【0032】[実施例2]実施例1と同様の操作を行っ
た。1,4−ビス(ジメチルクロロシリル)ベンゼン
0.20モルとシクロヘキサンジメタノールモノアクリ
レート0.20モルと3−(アクリロイロキシ)−2−
ヒドロキシプロピルメタクリレート0.20モルを反応
させ、シルフェニレン化合物(7)を得た。化合物
(7)に含まれる主成分の構造式は下図の通りである。
シルフェニレン化合物(7)100重量部に対し光重合
開始剤(2−ハイドロキシ−2−メチルプロピオフェノ
ン)を1重量部添加した光硬化性シルフェニレン組成物
(8)を得た。物性値は表1の通りであった。
【0033】光硬化性シルフェニレン組成物(8)をU
V照射(200mJ)により硬化させた硬化物の物性値
は表2の通りであった。
【0034】
【化6】
【0035】[実施例3]実施例1と同様の操作を行っ
た。1,4−ビス(ジメチルクロロシリル)ベンゼン
0.20モルと3−(アクリロイロキシ)−2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート0.40モルとを反応させ
シルフェニレン化合物(9)を得た。化合物(9)に含
まれる主成分の構造式は下図の通りである。シルフェニ
レン化合物(9)100重量部に対し光重合開始剤(2
−ハイドロキシ−2−メチルプロピオフェノン)を1重
量部添加した光硬化性シルフェニレン組成物(10)得
た。物性値は表1の通りであった。光硬化性シルフェニ
レン組成物(10)をUV照射(200mJ)により硬
化させた硬化物の物性値は表2の通りであった。
【0036】
【化7】
【0037】[実施例4]実施例1と同様の操作を行っ
た。1,4−ビス(ジメチルクロロシリル)ベンゼン
0.20モルと2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピ
ルアクリレート0.40モルを反応させ、シルフェニレ
ン化合物(11)を得た。化合物(11)に含まれる主
成分の構造式は下図の通りである。シルフェニレン化合
物(11)100重量部に対し光重合開始剤(2−ハイ
ドロキシ−2−メチルプロピオフェノン)を1重量部添
加した光硬化性シルフェニレン組成物(12)を得た。
物性値は表1の通りであった。光硬化性シルフェニレン
組成物(12)をUV照射(200mJ)により硬化さ
せた硬化物の物性値は表2の通りであった。
【0038】
【化8】
【0039】[実施例5]実施例1と同様の操作を行っ
た。1,4−ビス(ジメチルクロロシリル)ベンゼン
0.20モルと2−ヒドロキシエチルメタクリレート
0.40モルとを反応させ、シルフェニレン化合物(1
3)を得た。化合物(13)に含まれる主成分の構造式
は下図の通りである。シルフェニレン化合物(13)1
00重量部に対し光重合開始剤(2−ハイドロキシ−2
−メチルプロピオフェノン)を1重量部添加した光硬化
性シルフェニレン組成物(14)を得た。物性値は表1
の通りであった。光硬化性シルフェニレン組成物(1
4)をUV照射(200mJ)により硬化させた硬化物
の物性値は表2の通りであった。
【0040】
【化9】
【0041】[実施例6]実施例1と同様の操作を行っ
た。1,4−ビス(ジメチルクロロシリル)ベンゼンと
2−ヒドロキシエチルアクリレート0.40モルを反応
させ、シルフェニレン化合物(15)を得た。化合物
(15)に含まれる主成分の構造式は下図の通りであ
る。シルフェニレン化合物(15)100重量部に対し
光重合開始剤(2−ハイドロキシ−2−メチルプロピオ
フェノン)を1重量部添加した光硬化性シルフェニレン
組成物(16)を得た。物性値は表1の通りであった。
光硬化性シルフェニレン組成物(16)をUV照射(2
00mJ)により硬化させた硬化物の物性値は表2の通
りであった。
【0042】
【化10】
【0043】実施例1〜6で得られた光硬化物について
耐熱性試験を行った。硬化物表面にクラックの発生は見
られなかった。
【0044】[比較例1]シロキサン骨格を持つ下記化
合物(17)を合成した。合成は、1,4−ビス(ジメ
チリルクロロシリル)ベンゼンの代わりに、1,3−ビ
ス(ジクロロメチルシリルエチル)−1,1,3,3−
テトラメチルジシロキサンを用い、実施例1と同様の操
作を行った。1,3−ビス(ジクロロメチルシリルエチ
ル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン0.
20モルと3−(アクリロイロキシ)−2−ヒドロキシ
プロピルメタクリレート0.80モルとを反応させ、シ
ロキサン化合物(17)を得た。化合物(17)に含ま
れる主成分の構造式は下図の通りである。
【0045】
【化11】
【0046】シロキサン化合物(17)100重量部に
対して、光重合開始剤(2−ハイドロキシ−2−メチル
プロピオフェノン)を1重量部入れ、均一に混合し、光
硬化性シロキサン組成物(18)を得た。物性値は表1
の通りであった。光硬化性シロキサン組成物(18)を
UV照射(200mJ)により硬化させた硬化物の物性
値は表2の通りであった。
【0047】
【表1】
【表2】
【0048】実施例1〜6ならびに比較例1で作成し
た、光硬化性シルフェニレン組成物および光硬化性シロ
キサン組成物の硬化物について、透湿度を測定した。結
果を表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】光硬化性シルフェニレン組成物より得られ
る硬化物の方が、シロキサン骨格を有する光硬化性シロ
キサン化合物より得られる硬化物よりも透湿度が低く、
耐湿性が高いことがわかった。
【0051】
【発明の効果】本発明の光硬化性シルフェニレン組成物
は、光照射を加えることにより硬化物を与え、得られる
硬化物は透湿性、ガス透過性が低く、かつ機械的特性に
優れることから、半導体素子のコーティング材、ポッテ
ィング材、また、電気電子部品および光部品の保護材、
コーティング材、ポッティング材、接着剤などの用途に
非常に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柏木 努 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 須藤 敏之 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 Fターム(参考) 4J011 AA05 AC04 CB00 CC10 QA07 QA43 SA06 SA16 SA22 SA34 SA51 SA54 SA61 SA63 SA64 SA72 SA78 SA83 SA84 UA01 4J100 AL66P AL67P BA02P BA80P BC04P BC43P CA01 JA01 JA03 JA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4は互いに同一または異種の
    炭素数1〜10の1価炭化水素基を示す。R5、R6は互
    いに同一または異種の炭素数1〜50の有機基を示し、
    5、R6のうち少なくとも一方は、アクリル構造または
    メタクリル構造を一つ以上含む。)で表される(メタ)
    アクリル官能基を有するシルフェニレン化合物と、
    (B)光重合開始剤とを含むことを特徴とする光硬化性
    シルフェニレン組成物。
  2. 【請求項2】 (A)一般式(1)で表される(メタ)
    アクリル官能基を有するシルフェニレン化合物100重
    量部に対し、(B)光重合開始剤を0.0001〜10
    重量部含むことを特徴とする請求項1記載の光硬化性シ
    ルフェニレン組成物。
  3. 【請求項3】 更に、光増感剤、無機酸化物、顔料、染
    料、シランカップリング剤から選ばれる1種または2種
    以上の成分を含有することを特徴とする請求項1または
    2に記載の光硬化性シルフェニレン組成物。
  4. 【請求項4】 一般式(1)で表される(メタ)アクリ
    ル官能基を有するシルフェニレン化合物が、下記一般式
    (2) 【化2】 (式中、R1、R2、R3、R4は同一または異種の炭素数
    1〜10の1価炭化水素基を示す。)で表される1,4
    −ビス(クロロシリル)ベンゼンと、下記一般式(3)
    および(4) R5−OH (3) R6−OH (4) (式中、R5、R6は互いに同一または異種の炭素数1〜
    50の有機基を示し、R 5、R6のうち少なくとも一方
    は、アクリル構造またはメタクリル構造を一つ以上含
    む。)で表されるアルコールとを反応させることにより
    得られるものであることを特徴とする請求項1乃至3の
    いずれか1項に記載のシルフェニレン光硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    光硬化性シルフェニレン組成物を硬化させてなる、光硬
    化性シルフェニレン組成物の硬化物。
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