JP2003327541A - インターロイキン12産生促進組成物 - Google Patents
インターロイキン12産生促進組成物Info
- Publication number
- JP2003327541A JP2003327541A JP2002137022A JP2002137022A JP2003327541A JP 2003327541 A JP2003327541 A JP 2003327541A JP 2002137022 A JP2002137022 A JP 2002137022A JP 2002137022 A JP2002137022 A JP 2002137022A JP 2003327541 A JP2003327541 A JP 2003327541A
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- Japan
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- production accelerating
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Abstract
(57)【要約】
【課題】生体内でより強力にIL−12の産生を促進す
る組成物を提供する。 【解決手段】 インターロイキン12産生促進作用のi
n vitroおよび印in vivoスクリーニング
システムを確立し、現在までに報告されているインター
ロイキン12産生促進作用以外の新規な物質を探索する
ためこれまで作用が報告されていない担子菌類をスクリ
ーニングした。その結果、特にメシマコブ子実体とヤマ
ブシタケ子実体にアガリクスのインターロイキン12産
生促進作用と同等以上の作用を見出した。これらの新規
のインターロイキン12産生促進作用物質の利用によっ
て治療の選択肢が広がる。
る組成物を提供する。 【解決手段】 インターロイキン12産生促進作用のi
n vitroおよび印in vivoスクリーニング
システムを確立し、現在までに報告されているインター
ロイキン12産生促進作用以外の新規な物質を探索する
ためこれまで作用が報告されていない担子菌類をスクリ
ーニングした。その結果、特にメシマコブ子実体とヤマ
ブシタケ子実体にアガリクスのインターロイキン12産
生促進作用と同等以上の作用を見出した。これらの新規
のインターロイキン12産生促進作用物質の利用によっ
て治療の選択肢が広がる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インターロイキン
12の生体内での産生を促進する組成物に関する。
12の生体内での産生を促進する組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平10−139670に説明されて
いる通り、インターロイキン12(IL−12)は、初
め、NK細胞の活性作用を有するサイトカインの一つと
して発見されたものであるが、その後の研究により、腫
瘍細胞に対して特異的な細胞障害活性を有するT細胞
(キラーT細胞)の増殖作用及び活性作用を有すること
が判明し、更には、キラーT細胞の活性化を促す作用を
有するインターフェロンγ(IFNγ)の産生増強作用
を有することが認められるに至り、ヒト癌患者の治療に
有用な物質として注目されている。
いる通り、インターロイキン12(IL−12)は、初
め、NK細胞の活性作用を有するサイトカインの一つと
して発見されたものであるが、その後の研究により、腫
瘍細胞に対して特異的な細胞障害活性を有するT細胞
(キラーT細胞)の増殖作用及び活性作用を有すること
が判明し、更には、キラーT細胞の活性化を促す作用を
有するインターフェロンγ(IFNγ)の産生増強作用
を有することが認められるに至り、ヒト癌患者の治療に
有用な物質として注目されている。
【0003】IL−12については、最近、米国におい
て、遺伝子操作により大量に生産されることに成功した
(レコンビナントIL−12(rt−IL−12))。
その後、IL−12を、癌細胞に直接投与する目的で、
このインターロイキン12産生遺伝子を癌細胞に遺伝子
導入手法により、直接導入する方法も試行されている。
て、遺伝子操作により大量に生産されることに成功した
(レコンビナントIL−12(rt−IL−12))。
その後、IL−12を、癌細胞に直接投与する目的で、
このインターロイキン12産生遺伝子を癌細胞に遺伝子
導入手法により、直接導入する方法も試行されている。
【0004】しかしながら、このような方法に用いられ
るrt−IL−12は、感受性が低いために、例えば、
ヒト癌治療にあっては大量に投与しなければならない
が、そのような大量投与は、発熱、食欲不振等を始めと
する様々な副作用を伴うことが知られている。この方法
には、このように副作用が甚大であるほか、遺伝子操作
が煩雑であるため多大の労力を要する点、経済性に欠け
る点等の問題点が指摘されている。
るrt−IL−12は、感受性が低いために、例えば、
ヒト癌治療にあっては大量に投与しなければならない
が、そのような大量投与は、発熱、食欲不振等を始めと
する様々な副作用を伴うことが知られている。この方法
には、このように副作用が甚大であるほか、遺伝子操作
が煩雑であるため多大の労力を要する点、経済性に欠け
る点等の問題点が指摘されている。
【0005】IL−12を活用して腫瘍の増殖喪失又は
消失を図るためには、IL−12を外部から投与する方
法のほか、生体内に自己のIL−12を誘導せしめる方
法がある。このような自己IL−12は、異常な免疫反
応が生じるおそれもなく、rt−IL−12が有する本
質的な欠点を解決するとともに、感受性の高いものであ
るので、多大の腫瘍喪失消失効果が期待されるものであ
った。
消失を図るためには、IL−12を外部から投与する方
法のほか、生体内に自己のIL−12を誘導せしめる方
法がある。このような自己IL−12は、異常な免疫反
応が生じるおそれもなく、rt−IL−12が有する本
質的な欠点を解決するとともに、感受性の高いものであ
るので、多大の腫瘍喪失消失効果が期待されるものであ
った。
【0006】このような観点から体内でIL12の産生
を促進する物質の探索が行われはじめている。特開平1
0−139674「インターロイキン12産生促進剤」
は乳酸菌菌体の生体内におけるIL12産生促進作用を
開示し、特開平10−139670「インターロイキン
12誘導物質及び医薬組成物」はキノコの菌糸の細胞壁
に含まれる植物繊維を酵素処理した生理活性物質活性化
ヘミセルロース(AHCC)のIL12産生促進作用を
開示している。本発明者等はアガリクスの菌糸体の酵素
処理し、熱水抽出し、分子量の65%以上が5000以
下である画分が改善されたIL12産生促進作用を有す
ることを見出し、本出願人が平成14年5月13日付で
特許出願(整理番号POB02001)を行っている。
しかし、これらの発明はこれまでに免疫賦活作用が報告
されている菌体または菌糸体を使用するもので、医療現
場からの要望に応えるためには、これらの物質に限定し
た研究では不十分で、より広範な物質の探索とその成果
に基づいたより強力なIL12産生促進作用を有する物
質ないしは組成物の提供が求められている。
を促進する物質の探索が行われはじめている。特開平1
0−139674「インターロイキン12産生促進剤」
は乳酸菌菌体の生体内におけるIL12産生促進作用を
開示し、特開平10−139670「インターロイキン
12誘導物質及び医薬組成物」はキノコの菌糸の細胞壁
に含まれる植物繊維を酵素処理した生理活性物質活性化
ヘミセルロース(AHCC)のIL12産生促進作用を
開示している。本発明者等はアガリクスの菌糸体の酵素
処理し、熱水抽出し、分子量の65%以上が5000以
下である画分が改善されたIL12産生促進作用を有す
ることを見出し、本出願人が平成14年5月13日付で
特許出願(整理番号POB02001)を行っている。
しかし、これらの発明はこれまでに免疫賦活作用が報告
されている菌体または菌糸体を使用するもので、医療現
場からの要望に応えるためには、これらの物質に限定し
た研究では不十分で、より広範な物質の探索とその成果
に基づいたより強力なIL12産生促進作用を有する物
質ないしは組成物の提供が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は生体
内でより強力にIL−12の産生を促進する組成物の提
供を目的とする。
内でより強力にIL−12の産生を促進する組成物の提
供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、アガリクス以
外の担子菌を使用することを特徴とするインターロイキ
ン12産生促進組成物である。以下に本発明を詳述す
る。
外の担子菌を使用することを特徴とするインターロイキ
ン12産生促進組成物である。以下に本発明を詳述す
る。
【0009】本発明者は、本出願人による平成14年5
月13日付特許出願(整理番号POB02001)に記
載したIL−12の産生促進物質(ABPC)の発明の
過程で、これまでに報告されていない担子菌メシマコブ
およびヤマブシタケの子実体にABPCと同等以上のI
L−12の産生促進作用を見出した。以下にそのIL−
12産生促進作用についての実験結果について説明す
る。
月13日付特許出願(整理番号POB02001)に記
載したIL−12の産生促進物質(ABPC)の発明の
過程で、これまでに報告されていない担子菌メシマコブ
およびヤマブシタケの子実体にABPCと同等以上のI
L−12の産生促進作用を見出した。以下にそのIL−
12産生促進作用についての実験結果について説明す
る。
【0010】
【発明の実施の形態】インターロイキン12の産生の検
討 NK活性や抗腫瘍活性の上昇はインターロイキン12の
産生に依存し、インターロイキン12活性の上昇はNK
活性を高め、かつ抗腫瘍作用の担い手であるリンパ球の
細胞免疫性を高める。本実験ではABPCの腹腔内投与
マウスの腹腔細胞のインターロイキン12産生能とAB
PCの連日投与マウスの局所リンパ節細胞や脾臓細胞の
インターロイキン12産生能を調べた。経口投与におい
てABPC1gを乳鉢で微粉化した後4mlで溶解さ
せ、ソンデでC57BL雄7週令C57BLマウスに8
00mg/kgの割合で毎日経口投与し、3日後マウス
の腹腔細胞、腸管膜リンパ節、脾臓を取りガーゼで包
み、RPMI−1640液を加えたシャーレ内で細胞を
ほぐしてから、チューブに入れて同培養液で2回洗った
後、10%胎児牛血清RPMI−1640で1x106
/mlに調整し、24穴のプラスチック培養プレート
(Falcon社製)で100ng/mlの濃度のリポ
ポリサッカライド(LPS)を加えて18時間培養し、
その上清を取り、インターロイキン12アッセイキット
(PHARMINGEN社製OptEIATMSET)
でインターロイキン12の量を測定した。腹腔内投与で
は、ABPC2gを乳鉢で微粉化した後Hank’s液
1.8mlで溶解させ、それを15mlのチューブに移
し、1時間室温で静置し、1000rpmで10分間遠
心して上清を0.5ml取りこれを原液とした。これに
後Hank’s液4mlを加え1/9液として0.5m
lを6週令のC57BLマウス雄の腹腔内に注射する。
1/27、1/81に希釈して、0.5mlをマウス雄
の腹腔内に投与した。18時間後に腹腔内細胞を取り、
それを2回RPMI−1640液で遠心により洗い、上
記と同様にLPS(+)(―)で培養して18時間後に
上清を取りインターロイキン12の量を測定した。AB
PCを経口投与した際の腸管膜リンパ節細胞および脾臓
細胞におけるインターロイキン12産生能をそれぞれ表
1に示す。またABPCとアガリクス子実体および菌糸
体比較したインターロイキン12産生能を表2に示し
た。
討 NK活性や抗腫瘍活性の上昇はインターロイキン12の
産生に依存し、インターロイキン12活性の上昇はNK
活性を高め、かつ抗腫瘍作用の担い手であるリンパ球の
細胞免疫性を高める。本実験ではABPCの腹腔内投与
マウスの腹腔細胞のインターロイキン12産生能とAB
PCの連日投与マウスの局所リンパ節細胞や脾臓細胞の
インターロイキン12産生能を調べた。経口投与におい
てABPC1gを乳鉢で微粉化した後4mlで溶解さ
せ、ソンデでC57BL雄7週令C57BLマウスに8
00mg/kgの割合で毎日経口投与し、3日後マウス
の腹腔細胞、腸管膜リンパ節、脾臓を取りガーゼで包
み、RPMI−1640液を加えたシャーレ内で細胞を
ほぐしてから、チューブに入れて同培養液で2回洗った
後、10%胎児牛血清RPMI−1640で1x106
/mlに調整し、24穴のプラスチック培養プレート
(Falcon社製)で100ng/mlの濃度のリポ
ポリサッカライド(LPS)を加えて18時間培養し、
その上清を取り、インターロイキン12アッセイキット
(PHARMINGEN社製OptEIATMSET)
でインターロイキン12の量を測定した。腹腔内投与で
は、ABPC2gを乳鉢で微粉化した後Hank’s液
1.8mlで溶解させ、それを15mlのチューブに移
し、1時間室温で静置し、1000rpmで10分間遠
心して上清を0.5ml取りこれを原液とした。これに
後Hank’s液4mlを加え1/9液として0.5m
lを6週令のC57BLマウス雄の腹腔内に注射する。
1/27、1/81に希釈して、0.5mlをマウス雄
の腹腔内に投与した。18時間後に腹腔内細胞を取り、
それを2回RPMI−1640液で遠心により洗い、上
記と同様にLPS(+)(―)で培養して18時間後に
上清を取りインターロイキン12の量を測定した。AB
PCを経口投与した際の腸管膜リンパ節細胞および脾臓
細胞におけるインターロイキン12産生能をそれぞれ表
1に示す。またABPCとアガリクス子実体および菌糸
体比較したインターロイキン12産生能を表2に示し
た。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】次にアガリクス以外の担子菌にインターロ
イキン12産生能があるか否かを調べるため、メシマコ
ブ、ヤマブシタケの子実体について、上述と同じ条件で
マウスの腹腔内投与実験を行い、ABPC原末、ABP
C製品、アガリクスブラゼイ子実体および菌糸体および
ビール酵母、酵素、発酵アガリクス、チャーガ子実体、
鹿角霊芝および杏の種のインターロイキン12産生能と
比較した。表3に結果を示す。
イキン12産生能があるか否かを調べるため、メシマコ
ブ、ヤマブシタケの子実体について、上述と同じ条件で
マウスの腹腔内投与実験を行い、ABPC原末、ABP
C製品、アガリクスブラゼイ子実体および菌糸体および
ビール酵母、酵素、発酵アガリクス、チャーガ子実体、
鹿角霊芝および杏の種のインターロイキン12産生能と
比較した。表3に結果を示す。
【0014】
【表3】
【0015】表3から明らかなように、これまでアガリ
クスに比べ免疫増強作用が注目されていなかったメシマ
コブとヤマブシタケの子実体にABPC,アガリクスブ
ラゼイ子実体および菌糸体に比肩し得るインターロイキ
ン12産生能が認められた。この所見は、本発明者等に
より発明され、本出願人により平成14年5月13日付
で特許出願(整理番号POB02001)された「イン
ターロイキン12産生促進組成物、その製造方法および
インターロイキン12産生促進組成物を含む制癌組成
物」の開示、即ちABPCの熱水抽出、分子量分別によ
りインターロイキン12産生能の著しい改善が得られた
ことを勘案した時、同様の手法の適用によって、これま
でに報告されている組成物を凌駕する強力なインターロ
イキン12産生促進組成物の可能性を示唆するものであ
る。
クスに比べ免疫増強作用が注目されていなかったメシマ
コブとヤマブシタケの子実体にABPC,アガリクスブ
ラゼイ子実体および菌糸体に比肩し得るインターロイキ
ン12産生能が認められた。この所見は、本発明者等に
より発明され、本出願人により平成14年5月13日付
で特許出願(整理番号POB02001)された「イン
ターロイキン12産生促進組成物、その製造方法および
インターロイキン12産生促進組成物を含む制癌組成
物」の開示、即ちABPCの熱水抽出、分子量分別によ
りインターロイキン12産生能の著しい改善が得られた
ことを勘案した時、同様の手法の適用によって、これま
でに報告されている組成物を凌駕する強力なインターロ
イキン12産生促進組成物の可能性を示唆するものであ
る。
【0016】
【発明の効果】アガリクス以外の担子菌からインターロ
イキン12産生促進組成物が得られ、医療の選択肢を広
げ得る。
イキン12産生促進組成物が得られ、医療の選択肢を広
げ得る。
Claims (2)
- 【請求項1】 アガリクス以外の担子菌を使用すること
を特徴とするインターロイキン12産生促進組成物。 - 【請求項2】 アガリクス以外の担子菌がメシマコブお
よびヤマブシタケであることを特徴とするインターロイ
キン12産生促進組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002137022A JP2003327541A (ja) | 2002-05-13 | 2002-05-13 | インターロイキン12産生促進組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002137022A JP2003327541A (ja) | 2002-05-13 | 2002-05-13 | インターロイキン12産生促進組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003327541A true JP2003327541A (ja) | 2003-11-19 |
Family
ID=29698886
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002137022A Pending JP2003327541A (ja) | 2002-05-13 | 2002-05-13 | インターロイキン12産生促進組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003327541A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006006271A1 (ja) * | 2004-09-30 | 2006-01-19 | Kobayashi Pharmaceutical Co., Ltd. | 樹状細胞活性化剤 |
-
2002
- 2002-05-13 JP JP2002137022A patent/JP2003327541A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006006271A1 (ja) * | 2004-09-30 | 2006-01-19 | Kobayashi Pharmaceutical Co., Ltd. | 樹状細胞活性化剤 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050510 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090210 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090616 |