JP2003327484A - 来待石用釉薬 - Google Patents
来待石用釉薬Info
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Abstract
呈色する来待石加工品或いは来待石粘土成形品につい
て、この呈色とバランスの取れた強い色に着色される釉
薬を提供する。 【解決手段】 来待錆石や来待白石粉末に硼砂を加える
ことにより、、或いは石灰石や長石、カオリン、珪石な
どに金属酸化物と硼砂を加えることにより、来待石加工
品や来待石粘土成形品と馴染みがよく、1100℃〜1
140℃の焼成温度でガラス化して、来待石による黄色
〜茶色系統の着色、或いは金属酸化物に由来する各色に
着色する釉薬。
Description
待石粉体を主成分とする粘土からの成形物に施釉して、
焼成する新規な釉薬に関する。
ため、古くから石灯籠や墓石などに用いられてきてい
る。ところが、最近では和風建築の減少などで石灯籠を
注文する人も少なくなり、来待石の消費も低下傾向にあ
る。このような現実に鑑み、生産地では新たな商品開発
の動きが模索されはじめている。
加工したり、盆栽鉢や花瓶などに加工する例が増えてき
ている。ただ、天然石材であるため色の変化に乏しく、
何らかの手段で色彩的変化を持たすことが望まれてい
た。
面飾りなどに色彩的変化を与える一つの手段として、石
材に紬薬を塗布して焼成する技術が開示されている。例
えば、特開平6−144954公報には、板状の安山岩
(火山岩)に釉薬を塗布して焼成する技術が開示されて
いる。この場合、釉薬としては木灰や藁灰、土灰などを
主原料にした多数のものが列挙されている。また、特開
平8−253379号公報には、種々な形状に成形され
た御影石など各種の天然石材にラスター釉を施す技術が
開示されている。
り、元々熱に強い性質を有している。従って、これらの
石材に施釉して焼成しても、石材自体の色や形は殆ど変
化しない。
対象とする来待石は凝灰質砂岩の一種であり、特に来待
錆石は鉄分を多く含むため焼成すると、焼成温度によっ
て赤〜濃茶色〜黒褐色に呈色する。従って、来待石加工
品或いは来待石粉体を主成分とする粘土からの成形物の
場合、釉薬はこの赤〜濃茶色〜黒褐色とバランスの取れ
た強い色に着色される必要がある。
ると溶融して形が崩れるし、1100℃以下の加熱では
ガラス化が始まらないためもろくなる。そのため、来待
石を対象とする釉薬は、1100℃〜1200℃の範囲
で溶融してガラス化する必要がある。
工品や来待石粘土の成形物に好適な釉薬の開発を行い、
本発明を完成させたものである。尚、来待石加工品と
は、来待石を置物や飾り物、花瓶などの形に加工したも
のである。また、来待石粘土とは、来待石粉体単独或い
はこれにカオリンや長石粉末を加えてボールミルで微粉
砕したものである。或いは 0.85mmアンダーの来待
石粉体にカオリン又は長石粉末を混合したものである。
そして、これらの粘土を成形して焼成すると陶器ができ
る。ただ、後者の来待石粘土は、粘着力が不足するた
め、高さの有るものは成形できない。
ると減量が激しくまた吸水量が増大することから、内部
に連続した空隙が生じていることがわかる。これは、ガ
ラス化によるもの及び含まれている有機物(Ig.lo
ss)の焼滅による。また、含まれている鉄分により、
焼成により赤〜黒系統の色に呈色する。来待錆石の焼成
温度は、800℃〜1180℃である。800℃以下だ
と、鉱物のガラス化ができずもろくなる。また、120
0℃を越えると、融解(溶融)してボロボロになってし
まう。1180℃が、石の形を保つ限界である。112
0℃〜1150℃が強度的には好ましい。焼成温度が低
いほど石材の変形が少ないことからみて、保形性からは
1120℃前後、強度からは1150℃前後が最適な焼
成温度ということができる。従って、800〜900℃
(〜1000℃)の温度は、釉薬を塗布する場合の下焼
(素焼き)として好ましく使用され、1100〜118
0℃の温度は、釉薬を塗布した場合の本焼き或いは釉薬
を使用しない場合の焼成に好ましく使用される。尚、1
180℃以下の焼成では、焼成前の形状に対して焼成物
の形状変化はほとんど認められない。
度は石材の場合に比べて更に低下する。焼成温度は11
00℃〜1180℃、好ましくは1120℃〜1140
℃である。
物は、焼成すると赤〜黒系統の色に呈色するが、その呈
色は全体が同じ色になるだけであり、変化に乏しい。そ
こで、本発明者は、焼成時に炭などの炭素含有物を用い
て燻しを行う技術を開発した。燻しは炭素の付着で黒色
を呈するが、炭素含有物の燃焼による部分的な温度上昇
によっても、黒系色を示す。例えば、1120℃や11
50℃で焼成すると全体は赤〜茶色になるが、炭素含有
物の燃焼による酸化焔が部分的に1180℃や1200
℃になっていれば、その部分の石材表面は焦げ茶色や黒
色に呈色する。また、炭素含有物の燃焼による還元焔が
当たる部分、例えば炭に覆われた石材の部分は、還元燃
焼により赤〜茶系統の色が薄くて色あせた状態に呈色さ
れる。このことは、来待石粘土成形物の場合も同様であ
る。
統の着色では、色の変化に限界がある。そこで、より変
化を持たすために、本発明者は種々な釉薬について研究
を重ねて本発明を完成させたものである。尚、釉薬は来
待石加工品や来待石粘土成形品に様々な彩りを与える
が、更に、焼成により来待石加工品や来待石粘土成形品
に生じる多数の微細な空隙(気孔)を塞いで透水性を低
下させる働きもする。
である来待石石材は、好ましい焼成(本焼)温度が11
20℃〜1150℃前後、来待石粘土成形物の好ましい
焼成(本焼)温度は1120℃〜1140℃である。従
って、釉薬が溶融してガラス化する温度も1120℃〜
1140℃前後の範囲にあることが必要である。
に、釉の溶融温度を低下させるのために鉛或いは硼砂を
媒溶剤として加えることが知られている。この内、鉛は
公害の心配があって、食器などでは溶出試験が義務づけ
られている。そこで、本発明では、硼砂を用いて釉の溶
融温度低下を図ることとした。
馴染みが必要であるし、1120℃〜1140℃の焼成
温度で赤〜濃茶色に呈色するものに対して、これらの色
と調和のとれる色に着色すること、大切である。
原材料に考えた。また、来待石の利用を考えた理由の一
つに、来待石の採掘や加工の段階で発生する端材や加工
屑(研削屑、研磨屑)などの処理問題がある。このうち
加工屑については、以前は採掘跡地などに廃棄されてい
たが、きめが細かすぎるのでそのまま廃棄すると液状化
現象を起こすため、現在では他の残土などに混ぜて廃棄
物として処理しなければならなくなってきている。しか
し、埋め立て地の減少や処理費用の高騰で加工業者は頭
を悩ましている。そこで、加工屑が釉薬として利用でき
れば正に一石二鳥である。尚、加工屑に限らず石の端材
や、或いは原石自体を粉砕して用いれば、来待石自体の
消費拡大にもなるものである。
前者は、島根県に存在する宍道湖の南岸に広く分布する
新第三紀中新世出雲層群下位層来待層を構成する凝灰質
砂岩のことを言い、良質のものは、塊状凝灰質粗粒砂岩
のうち特に淘汰の良い岩相の所に集中し、八束郡玉湯町
から宍道町にかけての東西約10km、幅1〜2kmの
範囲に存在する。この来待錆石は、前述したように、石
質が柔らかく採掘、加工が容易で、出雲石灯ろうは伝統
工芸品に指定されている。
片、それらを埋める基質から構成されている。岩石片の
サイズは径0.5mm〜1.0mmが多く、最大でも1.5m
m程度である。岩石片や結晶片の占める割合が80%と
多い。岩石片としては、安山岩、石英安山岩、流紋岩、
花崩岩、多種類の凝灰岩などが確認されている。結晶片
としては、斜長石、輝石、角閃石、黒雲母、不透明鉱
物、火山ガラス、変質鉱物が確認されている。また、基
質としては、変質によってできた沸石、緑泥石、炭酸塩
鉱物が確認されている。
ある粘土、アルミナ、シリカを含み、以前は石州瓦の赤
色釉薬として使用されていた。しかし、石州瓦は120
0℃以上の温度で焼成するので、本発明の対象外であ
る。本発明では、この来待錆石粉末80〜90部(重量
部)に硼砂を10〜20部の割合で混合してみたとこ
ろ、1100℃〜1140℃の温度で溶融してガラス化
し、しかも来待石石材や粘土成形品とのなじみもよい優
れた釉薬を得ることができた。この釉薬は茶色に着色す
る艶消し釉である。尚、釉薬にする場合、来待錆石はそ
の粉末をボールミルにより更に細かく、5μm以下に微
粉砕することが必要である。
代が古く、流紋岩系でモンモリロナイトに変質した部分
が多い。そのため、焼成するとバラバラになって石の形
を留めないので、石材加工品や粘土にはできないが、釉
薬としては使用できる。表1に、両者の分析値を示す
(島根県発行「島根の地質」)が、石材加工品や粘土が
焼成により赤や茶色に呈色するのは、来待錆石中に含ま
れる鉄のためである。尚、表中数値は重量パーセントを
示す。また、文章中、部は重量部を示す。
ば、来待白石粉末60〜70部に対して硼砂30〜40
部程度を使用する。この場合も、来待石加工品或いは来
待石粘土成形品の表面に塗布して1100℃〜1140
℃の温度で焼成すると、溶融してガラス化する。来待白
石は、来待錆石に比べて鉄分が少ないためこの釉薬は黄
色〜黄土色を示す。また、シリカ分が多いため、艶があ
るが貫入が生じる。来待白石の場合、来待錆石に比べて
硬いが、同様に5μm以下に微粉砕して使用する。
45〜55部に対し、硼砂を30〜40部の割合で使用
した釉薬も、1100℃〜1140℃の温度で溶融して
ガラス化し、来待石石材や粘土成形品との馴染みが良い
釉薬が得られる。この場合、色は来待錆石の影響で茶色
となり、来待白石により、艶が生じる。尚、これを基礎
釉とし、基礎釉100部に対して二酸化マンガンを6部
程度添加すると、濃小豆色に呈色する。二度掛けで、黒
色になる。
場合は、どうしても釉色が茶系統に限定される。そこ
で、緑や青など来待石の焼成色と系統の違う色を求める
場合には、材料の転換が必要となる。この観点から、種
々研究した結果、何種類かの釉薬が開発された。この場
合も、勿論1100℃〜1140℃の温度で溶融してガ
ラス化、また来待石石材や粘土成形品との馴染みが良い
ことが必要である。
で、次式のように表される着色釉薬が好適に用いられ
る。 0.03〜0.05K2O 0.38〜0.45Na20 0.35 〜0.38Al2O31.91 〜1.95 SiO2 0.50〜0.59CaO 0.62 〜0.80 B2O3 この配合のものを基礎釉とし、基礎釉100部に対して
呈色金属酸化物を0.5〜15部混合すると、様々に発色
する有艶の色彩不透明釉が得られる。基礎釉は、例え
ば、石灰石10〜20部、福島長石20〜30部、カオ
リン10〜20部、来待白石5〜10部及び硼砂30〜
40部を混合して得られる。
石粘土成形品の表面に塗布して1100℃〜1140℃
の温度で焼成すると、様々に着色された石材加工品や陶
器が得られる。酸化金属としては、二酸化マンガン1部
と酸化錫5部で乳白色、五酸化バナジウム10部と酸化
錫5部で淡黄白、五酸化バナジウム3部で白黄色、酸化
クロム0.25〜2.5部で黄色を示す。また、酸化鉄3
部、酸化ニッケル0.5部、或いは酸化ニッケル1部と酸
化錫5部で黄土色を示す。更に、酸化クロム1部と酸化
錫5部で黄緑色、酸化銅1.5部或いは酸化クロム0.25
〜2.5部の二度掛けで緑色、酸化鉄12部で赤紫色、酸
化コバルト1部で濃青色、二酸化マンガン4部で黒褐色
をそれぞれ艶の或る有色釉薬が得られる。この配合は限
定的に記載したが、±10%程度の差では色は差ほど変
わらない。
薬も来待石との相性もよく、1100℃〜1140℃の
温度で溶融ガラス化して不透水性被膜を形成する好まし
いものである。 この釉は不透明の白色系釉であるが、これを基礎釉(1
00部)として酸化銅を5〜15部使用すると、鮮やか
な緑色に着色する艶有り釉薬となる。例えば、益田長石
20〜30部と益田珪石20〜30部に硼砂45〜55
部を加えたものがこの基礎釉に該当する。
薬も来待石との相性もよく、1100℃〜1140℃の
温度で溶融ガラス化して不透水性被膜を形する。 0.13〜0.21Na20 0.07〜0.16K2O 0.50〜0.80Al2O3 2.71〜4.07SiO2 0.07〜0.13CaO 0.38〜0.60B2O3 0.50〜0.73CaO そして、これを基礎釉とし、100部当たり酸化鉄3〜
15部を加えると、薄飴色に着色する。また、石材など
素地の肌が見える部分と不透明艶のある部分が共存して
おり、光が当たる方向により輝きが異なって見える特異
なものである。この基礎釉は、例えば、来待錆石粉末5
〜10部、来待白石20〜35部、石灰0〜10部、長
石13〜16部、カオリン10〜15部、硼砂35〜4
5部を混合して得られる。
薬も、来待錆石用の基礎釉薬として好ましいものであ
る。 0.05〜0.11Na20 0.06〜0.16K2O 0.61〜0.63Al2O3 1.84〜2.17SiO2 0.79〜0.83CaO 0.95〜1.00 B2O3 この基礎釉(100部)に、酸化銅3.5〜7部の割合で
加えた色釉薬は、同じく1100℃〜1140℃の温度
で溶融して、二度掛け滴状で紺色に呈色する。また、こ
の釉には艶がありまた貫入が見られる。基礎釉は、例え
ば、石灰石14〜16部、長石23〜27部、カオリン
18〜22部、硼砂33〜37部の混合物から製造され
る。
品や来待錆石粘土成形品の全体に施釉して釉色自体で色
彩的変化を与えたり、或いは部分的に施釉して来待石製
品の焼成色との組み合わせや色バランスで色彩的変化を
与えるほか、燻しと組み合わして更に変化に富んだ色彩
的表現を現出することができる。
削・研磨屑が利用できるので、廃棄物の削減につなが
り、非常に有意義なものである。また、来待石や粘土製
品の置物や飾り物、盆栽鉢、花瓶などについて、色彩的
変化が出せるので、用途や応用範囲が広がり、原石の消
費拡大に資することができる。
明を更に詳細に説明する。来待錆石粉末(0.425mm
アンダー)80部と硼砂20部の混合粉を1Kgとり、
2Lの水とともに容量4Lのボールミルに入れて湿式で
10時間微粉砕処理し、5μmアンダーの粒径にして、
来待石用の釉薬を製造した。
石製の壺(加工品)に縦筋状に塗布し、乾燥した後11
40℃の温度で焼成した。焼成は、図1の焼成パターン
に従った。その結果、赤褐色の地に焦げ茶色の艶無しの
縦筋模様のある製品が得られた。
mアンダー)60部と硼砂40部の混合粉を、実施例1
と同様にして微粉砕処理して、来待石用の釉薬を得た。
これを水で1.5倍に希釈し、予め来待石粘土で成形した
抹茶茶碗用の成形品を1000℃で素焼きしたものをど
ぶ漬けして施釉し、乾燥した後、1120℃の温度(図
1の焼成パターン)で焼成した。素焼きも、図1の焼成
パターンに従った。尚、焼成の前に、後述する実施例4
で得られる緑色釉(表2番号7)と白黄色釉(表2番号
3)で成形品の所々に刷毛塗りで部分的に施釉し、全体
を乾燥した。
で覆われ、前記刷毛塗りした部分が緑と白黄色の艶釉で
刷毛模様を現出していた。尚、黄〜黄土色の艶釉には貫
入が見られた。これは、来待白石がシリカ分に富んでい
ることによる。尚、来待石粘土は、来待錆石の粉末(0.
425mmアンダー)をボールミルで5μm以下に微粉
砕処理したものである。
待錆石粉末25部と来待白石粉末40部と硼砂35部か
らなる混合粉体に二酸化マンガン6部を加え、その1K
gを実施例1と同様にして処理して釉薬を得た。これを
水で1.5倍に希釈し、これに、実施例2の抹茶茶碗用成
形品と同型のものを予め素焼きしたものを二度どぶ漬け
して施釉(黒色)して乾燥した後、実施例1と同様にし
て焼成した。尚、焼成の前に、二酸化マンガンを加えな
い釉薬(茶色)と、後述の実施例4で得られる濃青釉
(表2番号9)を、成形品の所々に刷毛塗りで部分的に
施釉し、全体を乾燥した。
れ、前記刷毛塗りした部分が茶と濃青色の艶釉で刷毛模
様を現出していた。
5部、カオリン15部、来待白石10部、硼砂35から
なる基礎釉100部に対し、呈色酸化金属を表2に示す
割合で混合して各種の有色艶釉薬を得た。これらの釉
は、1100℃〜1140℃で焼成すると、表2に示す
色を表出する。
25部と硼砂50部及び酸化銅7部を混合した粉末を、
実施例1と同様に処理して釉薬を得た。この釉薬を、来
待錆石製の花瓶加工品の外側全面に塗布し、乾燥した後
1150℃の温度で焼成した。焼成は、図1の焼成パタ
ーンに従った。その結果、全体が緑色に輝いた花瓶が得
られた。尚、花瓶加工品は、予め1000℃で素焼きを
して連続気泡を生じさせたのち施釉したので、この花瓶
は気泡が釉面で塞がれており、水漏れの少ないものとな
っている。
石粉末25部、硼砂35部、石灰10部、長石15部、
カオリン10部に、酸化鉄を15部混合して得た粉末
を、実施例1と同様に処理して釉薬を得た。この釉薬
を、来待石粘土製の皿に塗布し、乾燥した後1120℃
の温度で焼成した。尚、乾燥後、更に実施例7で後述す
る釉薬(紺色)を適宜箇所に油滴状に二度塗りで塗布
し、再度乾燥させた後焼成した。焼成は、図1の焼成パ
ターンに従った。その結果、全体が薄飴色に輝き、且つ
紺色の油滴状模様が付いた皿が得られた。この薄飴色
は、粘土素地が透けて見える部分と艶のある部分が共存
しており、見る方向によって異なる輝きが見られるもの
である。また、紺色の油滴状模様は、艶があるが貫入が
見られた。ここに、皿素地を製作した来待石粘土は、0.
85mmアンダーの来待錆石50部にカオリン25部、
長石粉末25部を混合し、水で混練したものである。従
って、この粘土は前記例のものに比べて粘着力に劣り、
高さの有る素地は製作出来ないものである。
カオリン20部、硼砂35部、酸化銅5部の割合で混合
して得た粉末を、実施例1と同様に処理して釉薬を得
た。この釉薬は、1100℃〜1140℃の温度で溶融
してガラス化するが、素地の一部に油滴的状に二度掛け
すると、有艶で貫入が入った紺色に着色する。
来待石粉末を主成分としこれを来待石製品の焼成温度に
合致させるように硼砂で溶融点を低下させたものであ
る。また、様々な釉色を発現させるために、カオリンや
長石粉末などを組み合わせ、更に来待石製品の焼成温度
に合致させるように硼砂で溶融点を低下させたものであ
る。
色に限定されるが、来待石素材との馴染みが非常によ
く、相互の化学的変化により安定した釉面を作ることが
できる。また、カオリンや長石系のものも含めて、来待
石製品の強度や寸法安定の面で最適な温度で焼成できる
し、来待石の焼成色と調和の取れた着色ができる。
で、来待石製品の用途や機能によって最適な釉を選ぶこ
とができる。施釉後の本焼を含めて、1120〜114
0℃と言う低火度で焼成できるため、比較的コストです
む。
と、釉薬の種類や施釉量、施釉箇所などによって、更に
は前記着色との組み合わせによって、実に様々な色や模
様を現出することができる。更に、燻しと組み合わせれ
ば、より変化に富んだ色彩的修飾が施せる。
棄物処理問題が解決する。また、来待石の置物や飾り
物、盆栽鉢、花瓶などについて色彩的変化が出せるの
で、用途や応用範囲がの広がり、その結果原石の消費拡
大が見込まれる。など、本発明のもたらす効果や縁橋
は、来待石生産地にとって非常に大きななものである。
Claims (7)
- 【請求項1】 来待錆石粉末80〜90部と硼砂10〜
20部の割合で混合され、来待石加工品或いは来待石粘
土成形品の表面に塗布して1100℃〜1140℃の温
度で溶融してガラス化することを特徴とする来待石用釉
薬。 - 【請求項2】 来待白石粉末60〜70部と硼砂30〜
40部の割合で混合され、来待石加工品或いは来待石粘
土成形品の表面に塗布して1100℃〜1140℃の温
度で溶融してガラス化することを特徴とする来待石用釉
薬。 - 【請求項3】 来待錆石粉末5〜25部、来待白石45
〜55部と硼砂30〜40部の割合で混合され、来待石
加工品或いは来待石粘土成形品の表面に塗布して110
0℃〜1140℃の温度で溶融してガラス化することを
特徴とする来待石用釉薬。 - 【請求項4】 ゼーゲル表示で、 0.03〜0.05K2O 0.38〜0.45Na20 0.35 〜0.38Al2O31.91 〜1.95 SiO2 0.50〜0.59CaO 0.62 〜0.80 B2O3 の組成を有するものを基礎釉とし、該基礎釉100部に
対して、呈色金属酸化物を0.5〜15部混合した釉であ
って、来待石加工品或いは来待石粘土成形品の表面に塗
布して1100℃〜1140℃の温度で溶融してガラス
化することを特徴とする来待石用釉薬。 - 【請求項5】 ゼーゲル表示で、 の組成を有するものを基礎釉とし、該基礎釉100部に
対して、呈色酸化物を5〜15部混合した釉であって、
来待石加工品或いは来待石粘土の成形品の表面に塗布し
て1100℃〜1150℃の温度で溶融してガラス化す
ることを特徴とする来待石用釉薬。 - 【請求項6】 ゼーゲル表示で、 0.13〜0.21Na20 0.07〜0.16K2O 0.50〜0.80Al2O3 2.71〜4.07SiO2 0.07〜0.13CaO 0.38〜0.60B2O3 0.50〜0.73CaO の組成を有し、来待石加工品或いは来待石粘土成形品の
表面に塗布して、1100℃〜1140℃の温度で溶融
してガラス化することを特徴とする来待石用釉薬。 - 【請求項7】 ゼーゲル表示で、 0.05〜0.11Na20 0.06〜0.16K2O 0.61〜0.63Al2O3 1.84〜2.17SiO2 0.79〜0.83CaO 0.95〜1.00 B2O3 の組成を有し、来待石加工品或いは来待石粘土成形品の
表面に塗布して、1100℃〜1140℃の温度で溶融
してガラス化することを特徴とする来待石用釉薬。
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