JP2003327098A - 車両のペダル移動装置 - Google Patents

車両のペダル移動装置

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JP2003327098A
JP2003327098A JP2002140268A JP2002140268A JP2003327098A JP 2003327098 A JP2003327098 A JP 2003327098A JP 2002140268 A JP2002140268 A JP 2002140268A JP 2002140268 A JP2002140268 A JP 2002140268A JP 2003327098 A JP2003327098 A JP 2003327098A
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brake pedal
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  • Braking Elements And Transmission Devices (AREA)
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  • Automotive Seat Belt Assembly (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転操作用のペダルを車両衝突時に遅滞なく
前方へ移動させて、車両衝突時における運転者の下肢に
対する衝撃を低減する。 【解決手段】 ペダル移動装置は、前方物体(主に前方
車両)との距離を検出する距離センサ41を備えてい
る。電子制御ユニット43は、距離センサ41の検出信
号に基づいて自車の前方物体への衝突を予測して、ブレ
ーキペダル10を遅滞なく前方へ移動させる。また、ブ
レーキペダル10の踏み込み操作を踏み込み検出スイッ
チ54により検出して、ブレーキペダル10の踏み込み
操作時には、ブレーキペダル10の前方への引き込みを
禁止したり、抑制したりすることにより、運転者による
衝突回避操作を重視することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両を運転操作す
るためのペダルを、車両の衝突時に前方へ移動させて運
転者の下肢に対する衝撃を低減する車両のペダル移動装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置は、例えば特表平1
0−512518号公報に示されているように、車両の
前方衝突時に、同衝突に伴う変速機ケーシング、エンジ
ンブロックなどの質量体の移動を、中間部にて揺動可能
に支持されたレバー上端部に操作棒を介して伝達し、レ
バーの揺動によってレバー下端部に組み付けたブレーキ
ペダルを前方へ移動させて、運転者の下肢部における空
間を広くするようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の装
置においては、車両が前方物体(前方車両など)に衝突
して質量体が移動した後に、ブレーキペダルが前方へ移
動し始めるので、車両の衝突時におけるブレーキペダル
の前方への移動が遅れるという問題がある。
【0004】
【本発明の概要】本発明は、上記問題に対処するために
なされたものであり、その目的は、ブレーキペダルを含
む運転操作用のペダルを車両衝突時に遅滞なく前方へ移
動させて、車両衝突時における運転者の下肢に対する衝
撃を低減するようにした車両のペダル移動装置を提供す
ることにある。
【0005】上記目的を達成するために、本発明の特徴
は、車両の前方衝突前に同前方衝突を予測する予測手段
と、予測手段によって車両の前方衝突が予測されたと
き、車両を運転操作するためのペダルを前方へ移動させ
る移動手段とを備えたことにある。
【0006】この場合、前記予測手段を、車両が前方物
体(前方車両など)に衝突するまでの時間を予測する時
間予測手段と、同予測時間が所定の短い時間以下である
とき車両の前方衝突を予測する判定手段とで構成でき
る。車両が前方物体に衝突するまでの時間は、車両前端
部から前方物体までの距離と、車両の前方物体に対する
相対速度とを検出して、検出距離を検出相対速度で除算
することにより計算される。そして、前記所定の短い時
間を、早急に制動操作をしなければ車両が前方物体に衝
突するであろうと予測される時間(例えば、0.5
秒)、または即座に制動操作をしても車両の前方衝突を
回避不能な時間(例えば、0.3秒)に設定するとよ
い。
【0007】また、前記予測手段を、車両の前端から前
方物体(前方車両など)までの距離を検出する距離検出
手段と、同検出距離が所定の短い距離以下であるとき車
両の前方衝突を予測する判定手段とで構成してもよい。
【0008】この本発明の特徴によれば、車両の前方物
体(前方車両など)への衝突を事前に予測して、同予測
時にペダルが前方へ移動されるので、車両が前方物体に
衝突しても、同衝突時にはペダルが既に前方へ移動し終
えている。したがって、車両衝突時におけるペダルの前
方移動に対する時間遅れがなくなり、車両衝突時におけ
る運転者の下肢に対する衝撃を良好に緩和できる。
【0009】また、本発明の他の特徴は、車両の前端部
に設けられて同前端部の前方物体への衝突を検出する先
端衝突検出手段と、先端衝突検出手段によって車両の前
端部の前方物体への衝突が検出されたとき、車両を運転
操作するためのペダルを前方へ移動させる移動手段とを
備えたことにある。この場合、先端衝突検出手段を、車
両の前端部に組み付けられて同前端部の加速度を検出す
る加速度センサと、同加速度センサによって検出された
加速度が、車両前端部の前方物体への衝突に伴い発生す
る程度の所定の大きな加速度以上であることを判定する
判定手段とにより構成できる。
【0010】この本発明の他の特徴によれば、車両の前
端部の前方物体への衝突時にペダルが前方へ移動される
ので、同衝突の影響が車体を介して運転者の下肢部にお
よぶ前に、ペダルは前方へ移動し終えている。したがっ
て、車両衝突時におけるペダルの前方移動に対する時間
遅れがなくなり、車両衝突時における運転者の下肢に対
する衝撃を良好に緩和できる。
【0011】また、本発明の他の特徴は、前記予測手段
によって車両の前方衝突が予測されたとき、または前記
先端衝突検出手段によって車両の前端部の前方物体への
衝突が検出されたとき、シートベルトを引き締めるシー
トベルト引き締め手段を設けたことにある。
【0012】これによれば、前述した運転者の下肢に対
する衝撃の緩和の効果に加えて、車両衝突時における運
転者の下肢部とペダルとの干渉可能性あるいは干渉負荷
の低減が可能となる。また、運転者の着座姿勢を安定さ
せることができて、運転者による衝突回避の運転操作性
が向上する。
【0013】また、本発明の他の特徴は、前記予測手段
によって車両の前方衝突が予測されたとき、または前記
先端衝突検出手段によって車両の前端部の前方物体への
衝突が検出されたとき、運転者の脚部を後退させる脚部
後退手段を設けたことにある。この場合、脚部後退手段
は、例えば運転者用シートを後退させたり、エアバック
装置の展開により運転者の下肢部を後方へ押し下げるよ
うにするとよい。
【0014】これによれば、前述した運転者の下肢に対
する衝撃の緩和の効果に加えて、車両衝突時における運
転者の下肢部とペダルとの干渉可能性あるいは干渉負荷
の低減が可能となる。
【0015】また、本発明の他の特徴は、車両の前方衝
突前に同前方衝突を予測する予測手段と、車両の前方物
体への衝突を検出する衝突検出手段と、バッテリから供
給される電力により駆動されて車両を運転操作するため
のペダルを前方へ移動させる駆動手段と、予測手段によ
って車両の前方衝突が予測されたとき、車両に搭載され
た一部の装置へのバッテリからの電力供給を遮断する電
力供給遮断手段と、衝突検出手段によって車両の前方物
体への衝突が検出されたとき、駆動手段を駆動させてペ
ダルを前方へ移動させる移動制御手段とを備えたことに
ある。
【0016】この場合も、前記予測手段を、上述した時
間予測手段および判定手段で構成でき、早急に制動操作
をしなければ車両が前方物体に衝突する状態、または即
座に制動操作をしても車両の前方衝突を回避不能な状態
を予測するようにするとよい。また、前記衝突検出手段
を、上述した加速度センサで構成して、同加速度センサ
を車両の前端部または車体に取り付けて、車両の前端部
が前方物体に衝突したこと(以下、この衝突を先端衝突
という)、または前方物体が車体に影響をおよぼしたこ
と(以下、この衝突を車体衝突という)を検出するよう
にすればよい。
【0017】この本発明の他の特徴においては、車両の
前方物体(主に、前方車両)への衝突前に同物体との衝
突が予測され、この時点で車両走行に影響を与えない一
部の装置(熱線ヒータ装置、オーディオ装置、シートヒ
ータ装置など)への電力供給が遮断される。したがっ
て、車両が前方物体へ衝突した時点で駆動手段を制御し
ても、駆動手段はバッテリからの充分な電力の供給を受
けて、遅滞なくペダルを前方へ移動させることができ、
車両衝突時における運転者の下肢に対する衝撃を良好に
緩和できる。
【0018】本発明の他の特徴は、車両の前方衝突前に
同前方衝突を予測する予測手段と、予測手段によって車
両の前方衝突が予測されたときブレーキペダルを前方へ
移動させるブレーキペダル移動手段と、ブレーキペダル
の踏み込み操作を検出する踏み込み操作検出手段と、踏
み込み操作検出手段によってブレーキペダルの踏み込み
操作が検出されたとき、ブレーキペダル移動手段による
ブレーキペダルの前方への移動を禁止または抑制する移
動抑制手段とを備えたことにある。
【0019】この場合、ブレーキペダル移動手段による
ブレーキペダルの移動が、予測手段によって車両の前方
衝突が予測された時点で行なわれるようにすることがで
きる。また、ブレーキペダル移動手段によるブレーキペ
ダルの移動が、予測手段によって車両の前方衝突が予測
された時点から所定時間の経過後に行なわれるようにす
ることもできる。また、移動抑制手段によるブレーキペ
ダルの前方への移動を抑制するとは、ブレーキペダルの
前方への移動量を少なくしたり、ブレーキペダルの前方
への移動速度を小さくすることを意味する。
【0020】この本発明の他の特徴においては、車両の
前方衝突が予測された場合であっても、運転者によって
ブレーキペダルが踏み込み操作されたときには、運転者
によるブレーキペダルの踏み込み操作に対して反する制
御となるブレーキペダルの前方移動が禁止または抑制さ
れる。これにより、運転者による衝突回避操作が重視さ
れ、車両衝突を運転者による運転操作によって回避し易
くなる。一方、ブレーキペダルが踏み込み操作されなけ
れば、車両の前方衝突が予測される場合には、ブレーキ
ペダルが前方に移動されるので、車両衝突時における運
転者の下肢に対する衝撃を良好に緩和できる。その結
果、この本発明の他の特徴によれば、運転者の下肢に対
する衝撃の緩和と車両の運転操作性の両立を図ることが
できる。
【0021】また、本発明の他の特徴は、前記予測手
段、ブレーキペダル移動手段、踏み込み操作検出手段お
よび移動抑制手段を備えた車両のペダル移動装置におい
て、車両の前方衝突を検出する衝突検出手段と、衝突検
出手段によって車両の前方衝突が検出されたとき、移動
抑制手段によるブレーキペダルの前方への移動を禁止ま
たは抑制する制御を解除する解除手段とを設けたことに
ある。
【0022】これによれば、車両の前方物体への衝突時
には、解除手段が移動抑制手段によるブレーキペダルの
前方への移動を禁止または抑制する制御を解除するの
で、ブレーキペダルは確実に前方に引き込まれる。これ
により、運転者による回避操作を重視した上で、車両の
前方物体への衝突が回避できなかった場合にも、運転者
の下肢に対する衝撃を良好に緩和できる。
【0023】また、本発明の他の特徴は、車両の前方衝
突前に同前方衝突を予測する予測手段と、予測手段によ
って車両の前方衝突が予測されたときブレーキペダルを
前方へ第1の速度で移動させる第1ブレーキペダル移動
手段と、車両の前方衝突を検出する衝突検出手段と、衝
突検出手段によって車両の前方衝突が検出されたとき、
第1の速度よりも速い第2の速度でブレーキペダルを前
方へ移動させる第2ブレーキペダル移動手段とを備えた
ことにある。
【0024】この本発明の他の特徴においては、車両の
前方物体への衝突が検出されるまでは、ブレーキペダル
の前方への移動速度を小さくでき、運転者は衝突回避の
ためのブレーキペダルの踏み込み操作をし易くなる。ま
た、車両の前方物体への衝突が検出された後には、ブレ
ーキペダルは高速で前方へ引き込まれるので、車両衝突
時における運転者の下肢に対する衝撃を良好に緩和でき
る。その結果、この本発明の他の特徴によっても、運転
者の下肢に対する衝撃の緩和と車両の運転操作性の両立
を図ることができる。
【0025】また、本発明の他の特徴は、車両の前方衝
突前に同前方衝突が発生することを予測する第1予測手
段と、第1予測手段によって車両の前方衝突が予測され
たときブレーキペダルを前方へ移動させるブレーキペダ
ル移動手段と、ブレーキペダルの踏み込み操作を検出す
る踏み込み操作検出手段と、踏み込み操作検出手段によ
ってブレーキペダルの踏み込み操作が検出されたとき、
前記ブレーキペダル移動手段によるブレーキペダルの前
方への移動を禁止または抑制する移動抑制手段と、車両
の前方衝突前に同前方衝突が前記第1予測手段よりも高
い確率で発生することを予測する第2予測手段と、第2
予測手段によって車両の前方衝突が予測されたとき、前
記移動抑制手段によるブレーキペダルの前方への移動を
禁止または抑制する制御を解除する解除手段とを設けた
ことにある。
【0026】この場合、第1予測手段は、運転者が前方
物体との衝突回避のためにブレーキペダルを早急に踏み
込み操作しなければ、車両が前方物体に衝突してしまう
程度の可能性、例えば前方物体に衝突するまでの時間が
0.5秒程度であることを予測するようにすればよい。
また、第2予測手段は、運転者がブレーキペダルの早急
な踏み込み操作をしても、車両の前方物体への衝突を回
避できない程度、例えば前方物体に衝突するまでの時間
が0.3秒程度であることを予測するようにすればよ
い。
【0027】この本発明の他の特徴においても、第1予
測手段によって車両の前方衝突が予測された場合であっ
ても、運転者によってブレーキペダルが踏み込み操作さ
れたときには、運転者によるブレーキペダルの踏み込み
操作に対して反する制御となるブレーキペダルの前方移
動が禁止または抑制される。これにより、運転者による
衝突回避動作が重視され、車両衝突を運転者による運転
操作によって回避し易くなる。一方、ブレーキペダルが
踏み込み操作されなくて、第2予測手段によって車両の
前方衝突が予測された場合には、解除手段の作用によっ
てブレーキペダルが前方に移動されるので、車両衝突時
における運転者の下肢に対する衝撃を良好に緩和でき
る。その結果、この本発明の他の特徴によれば、運転者
の下肢に対する衝撃の緩和と車両の運転操作性の両立を
図ることができる。
【0028】また、本発明の他の特徴は、車両の前方衝
突前に同前方衝突が発生することを予測する第1予測手
段と、第1予測手段によって車両の前方衝突が予測され
たときブレーキペダルを前方へ第1の速度で移動させる
第1ブレーキペダル移動手段と、車両の前方衝突前に同
前方衝突が第1予測手段よりも高い確率で発生すること
を予測する第2予測手段と、第2予測手段によって車両
の前方衝突が予測されたとき、前記第1の速度よりも速
い第2の速度でブレーキペダルを前方へ移動させる第2
移動手段とを備えたことにある。
【0029】この場合、第1予測手段は、運転者が前方
物体との衝突回避のためにブレーキペダルを早急に踏み
込み操作しなければ、車両が前方物体に衝突してしまう
程度の可能性を予測するようにすればよい。また、第2
予測手段は、運転者がブレーキペダルの早急な踏み込み
操作をしても、車両の前方物体への衝突を回避できない
ことを予測するようにすればよい。
【0030】この本発明の他の特徴においては、車両の
前方物体への衝突の可能性が高くなるまでは、ブレーキ
ペダルの前方への移動速度を小さくでき、運転者は衝突
回避のためのブレーキペダルの踏み込み操作をし易くな
る。また、車両の前方物体への衝突の可能性が極めて高
い場合には、ブレーキペダルは高速で前方へ引き込まれ
るので、車両衝突時における運転者の下肢に対する衝撃
を良好に緩和できる。その結果、この本発明の他の特徴
によっても、運転者の下肢に対する衝撃の緩和と車両の
運転操作性の両立を図ることができる。
【0031】また、本発明の他の特徴は、車両の前方衝
突が予測されたとき、ブレーキペダルの前方への引き込
み操作とは別に、ブレーキペダル以外の車両を運転操作
するためのペダルを前方へ移動させる他ペダル移動手段
を設けたことにある。この場合、ブレーキペダル以外の
車両を運転操作するためのペダルとは、アクセルペダ
ル、パーキングブレーキペダル、クラッチペダルなどで
ある。
【0032】これによれば、前方物体との衝突を回避す
るために車両を制動させるブレーキペダル以外のペダル
は、車両の前方衝突が予測された時点で前方へ引き込み
操作される。したがって、衝突時における運転者の下肢
部とこれらのブレーキペダル以外のペダルとの干渉が未
然に回避されるので、運転者の下肢に対する衝撃を良好
に緩和できる。
【0033】また、本発明の他の特徴は、車両の前方衝
突前に同前方衝突を予測する予測手段と、予測手段によ
って車両の前方衝突が予測されたときブレーキペダルを
前方へ移動させるブレーキペダル移動手段と、ブレーキ
ペダル移動手段によるブレーキペダルの前方への移動速
度を時間経過に従って速くするように制御する移動速度
制御手段とを備えたことにある。
【0034】この本発明の他の特徴においては、車両の
前方物体への衝突が予測された時点におけるブレーキペ
ダルの前方への移動速度を小さくでき、運転者は衝突回
避のためのブレーキペダルの踏み込み操作をし易くな
る。そして、時間経過にしたがってブレーキペダルの前
方への移動速度は速くなるので、車両が前方物体に衝突
してしまった場合には、ブレーキペダルは充分に前方へ
引き込まれていて、車両衝突時における運転者の下肢に
対する衝撃を良好に緩和できる。その結果、この本発明
の他の特徴によっても、運転者の下肢に対する衝撃の緩
和と車両の運転操作性の両立を図ることができる。
【0035】また、本発明の他の特徴は、前記移動速度
制御手段に代えて、ブレーキペダル移動手段によるブレ
ーキペダルの前方への移動速度を車両の前方衝突が発生
するまでの時間が短くなるに従って速くするように制御
する移動速度制御手段を設けたことにある。
【0036】これによれば、車両が前方物体に衝突する
までの時間が長ければ、ブレーキペダルの前方への移動
速度を小さくでき、運転者は衝突回避のためのブレーキ
ペダルの踏み込み操作をし易くなる。そして、車両が前
方物体に衝突するまでの時間が短ければ、すなわち車両
の前方物体への衝突が回避不能ならば、ブレーキペダル
は充分に速く前方へ引き込まれるので、車両衝突時にお
ける運転者の下肢に対する衝撃を良好に緩和できる。そ
の結果、この本発明の他の特徴によっても、運転者の下
肢に対する衝撃の緩和と車両の運転操作性の両立を図る
ことができる。
【0037】
【発明の実施の形態】a.第1実施形態 本発明の第1実施形態について図面を用いて説明する
と、図1は、同実施形態に係る車両のペダル移動装置の
全体を概略的に示すブロック図である。このペダル移動
装置は、運転席の前方下部にて車体に組み付けられてい
るアクセルペダル装置AP、ブレーキペダル装置BPお
よびパーキングブレーキペダル装置PPを、車両衝突時
に前方へ移動させるものである。
【0038】これらのペダル装置AP,BP,PPの具
体的な構造例を、ブレーキペダル装置BPを例にして説
明する。ブレーキペダル装置BPは、図2,3に示すよ
うに、運転者によって踏み込み操作されるペダル部10
を下端にて固定したペダルレバー11を備えている。ペ
ダルレバー11は、その上端中央部にて駆動アーム12
の下端部に連結軸13を介して同駆動アーム12と相対
回転可能に係合しているとともに、上端前端部にてリン
ク14の下端部に連結軸15を介して同リンク12と相
対回転可能に係合している。駆動アーム12の上端部
は、図示しない車体に固定されてアクチュエータとして
機能する電動モータ16の出力軸16aに一体回転する
ように固定されて、電動モータ16の回転によって出力
軸16a回りに回転する。なお、電動モータ16の回転
は、図示しない減速機構を介して出力軸16aに伝達さ
れる。リンク14の上端部は、車体に固定された支持軸
17の外周上に回転可能に組み付けられている。
【0039】ペダルレバー11の上端後端部には、リン
ク21がその下端部にて連結軸22を介してペダルレバ
ー11と相対回転可能に係合している。リンク21の上
端部には、鉤状に形成した操作アーム23の一端部が連
結軸24を介して同リンク21の上端部と相対回転可能
に係合している。この操作アーム23は、その中央部に
てリング25を介して出力軸16aの外周上に回転可能
に組み付けられており、その他端部に一端を固定すると
ともに他端を車体に固定したスプリング26によって後
方に常時付勢されている。また、操作アーム23の前記
他端部には、ブレーキ装置を作動させるための操作ロッ
ド27がその後端にて接続されている。この操作ロッド
27の前方には、図示しないブレーキ装置が配置されて
いる。
【0040】このように構成したブレーキペダル装置B
Pにおいては、ブレーキペダル10を前方に引き込み操
作しない状態では、同ペダル10は図2の実線に示す位
置(以下、この位置を原位置という)にある。この状態
で、ブレーキペダル10を踏み込み操作すると、ペダル
10およびペダルレバー11は、連結軸13を中心に図
2の矢印で示す時計方向に回転する(図2の2点鎖線参
照)。なお、このとき、駆動アーム12は図2の位置に
固定されている。ペダルレバー11の前記回転はリンク
21を介して操作アーム23の一端部に伝達され、操作
アーム23はスプリング26の付勢力に抗して出力軸1
6aを中心に時計方向に回転する。この操作アーム23
の回転により、操作ロッド27が前方へ変位してブレー
キ装置が作動する。
【0041】一方、図2の実線に示す状態で、電動モー
タ16の回転により出力軸16aが時計方向に回転され
ると、同出力軸16aの回転により駆動アーム12が時
計方向に回転する。この駆動アーム12の回転により、
駆動アーム12の他端部は連結軸13を介してブレーキ
ペダル10の上端中央部を出力軸16aを中心にして時
計方向に回転させる。これにより、ブレーキペダル10
およびペダルレバー11は、リンク14の作用により前
方へ引き込まれて、図3の原位置X(図示2点鎖線)か
ら実線位置まで移動する。
【0042】この状態で、運転者がブレーキペダル10
を踏み込み操作すると、駆動アーム12は図3の位置に
固定されているので、ブレーキペダル10およびペダル
レバー11は、前述の場合と同様に連結軸13を中心に
時計方向に回転する。したがって、前述したように、操
作アーム23もリンク21を介して出力軸16aを中心
に時計方向に回転して、操作ロッド22が前方へ変位し
てブレーキ装置が作動する。図3に2点鎖線で示すY位
置はブレーキペダル10を最も深く踏み込んだ状態を示
しており、この状態で、ペダルレバー11が車室内のダ
ッシュボードDBに接触しないようにブレーキペダル装
置BPが構成されるとともに配置されている。
【0043】また、ブレーキペダル10を前方へ引き込
んだ状態を原位置に復帰させるには、電動モータ16を
前記逆方向に回転させて、出力軸16aを反時計方向に
回転させればよい。これによれば、駆動レバー12も出
力軸16aを中心に反時計方向に回転され、リンク14
の作用により、ブレーキペダル10およびペダルレバー
11は図3の実線で示す状態から図2の実線で示す状態
に復帰する。
【0044】ふたたび、図1の説明に戻ると、アクセル
ペダル装置APおよびパーキングブレーキペダル装置P
Pに関しても、前記ブレーキペダル装置BPと同様に構
成することもできるが、他の構成にすることも可能であ
る。要は、電動モータ31,32の作動により、アクセ
ルペダル33およびパーキングブレーキペダル34を原
位置から前方へ引き込み可能であるとともに、前方へ引
き込んだ位置から原位置に復帰させることができ、また
原位置および前方へ引き込んだ状態で踏み込み操作可能
であれば、いかなる構成をも採用可能である。
【0045】また、このペダル移動装置は、距離センサ
41、車速センサ42および電子制御ユニット43を備
えている。距離センサ41は、車両の前端部に取り付け
られて車両の前端から前方物体(主に前方車両)までの
距離Lを検出するミリ波、赤外線などを利用したレーダ
ー装置によって構成されている。車速センサ42は、変
速機の出力軸の回転数を計測することにより、車速Vを
検出するものである。電子制御ユニット43は、CP
U、ROM、RAM、タイマなどからなるマイクロコン
ピュータを主用構成部品とするもので、図4のペダル引
き込み制御プログラムを所定の短時間毎に繰り返し実行
することにより、ブレーキペダル10、アクセルペダル
33およびパーキングブレーキペダル34の前方への引
き込みを制御する。この電子制御ユニット43には、駆
動回路44,45,46が接続されている。駆動回路4
4,45,46は、電子制御ユニット43からの制御信
号に応じて電動モータ31,16,32の回転を制御す
る。
【0046】また、電子制御ユニット43および駆動回
路44,45,46には、電源回路47が接続されてい
る。電源回路47は、イグニッションスイッチIGを介
してバッテリBTからの電力の供給を受けて、電子制御
ユニット43および駆動回路44,45,46に電力を
供給する。また、この電源回路47は、前記の他に、車
両に搭載されて電気制御される他の装置にも電力を供給
する。
【0047】上記のように構成した第1実施形態に係る
ペダル移動装置の作動を説明すると、イグニッションス
イッチIGの投入により、電子制御ユニット43は、図
4のペダル引き込み制御プログラムを所定の短時間毎に
繰り返し実行し始める。このペダル引き込み制御プログ
ラムの実行はステップ100にて開始され、ステップ1
02にて車速センサ42によって検出された車速Vを入
力して、同車速Vが所定の小さな車速Vo(例えば、時
速5Km/h)以上であるかを判定することにより,車両が
走行状態にあるか否かを判定する。車両がほぼ停止状態
にあって、車速Vが所定の小さな車速Vo未満であれ
ば、ステップ102にて「No」と判定して、ステップ1
16に進む。ステップ116においては、駆動回路44
〜46を介して電動モータ31,16,32を駆動制御
して、アクセルペダル33、ブレーキペダル10および
パーキングブレーキペダル34を原位置に復帰させる。
ただし、これらのペダル33,10,34が既に原位置
にある場合には、前記原位置への復帰制御は行われな
い。前記ステップ116の処理後、ステップ118にて
このペダル引き込み制御プログラムの実行を一旦終了す
る。
【0048】一方、車両が走行を開始して、ステップ1
02にて「Yes」すなわち車速Vが所定の小さな車速V
o以上であると判定されると、電子制御ユニット43は
ステップ104以降の処理を実行する。ステップ104
においては、距離センサ41によって検出された車両前
端から前方物体までの距離Lを入力して、今回のプログ
ラムの実行による入力距離を表す今回距離Lnewとして
設定する。次に、ステップ106にて、前回のプログラ
ムの実行時に入力した距離L(以降、前回距離Loldと
いう)から今回距離Lnewを減算した減算値Lold−Lne
wを、このペダル引き込み制御プログラムの実行時間間
隔Δtで除算することにより、前方物体との相対速度V
ab(=(Lold−Lnew)/Δt)を計算する。なお、前回
距離Loldは、図示しない初期設定処理によって「0」
に設定されている。この場合、初回に計算される相対速
度Vabは負になり、後述するステップ108にて「No」
と判定されてステップ116に進み、実質的な処理が実
行されないので、初回に計算される相対速度Vabが不適
切であっても、この点が問題になることはない。
【0049】前記相対速度Vabの計算後、ステップ10
7にて、次回の相対速度Vabの計算のために、前回距離
Loldを今回距離Lnewに更新しておく。次に、ステップ
108にて同相対速度Vabが正であるかを判定する。相
対速度Vabが正でなければ、前述のように、ステップ1
08にて「No」と判定して、ステップ116にてブレー
キペダル10、アクセルペダル33およびパーキングブ
レーキペダルPPを原位置に復帰させる。これは、相対
速度Vabが正でないことは車両の前端部から前方物体ま
での距離Lが変化しないまたは増加していることを意味
し、この場合には車両が前方物体に衝突する可能性がな
いので、アクセルペダル33、ブレーキペダル10およ
びパーキングブレーキペダル34が原位置にあればよい
からである。
【0050】一方、相対速度Vabが正であれば、ステッ
プ108にて「Yes」と判定して、ステップ110に進
む。ステップ110においては、今回距離Lnewを相対
速度Vabで除算することにより、現在の相対速度Vabで
走行し続ければ、車両の前端部が前方物体に衝突するま
での時間Ts(=Lnew/Vab)を計算する。以下、この
時間Tsを先端衝突時間という。次に、ステップ112
にて、この先端衝突時間Tsが所定時間Ts2以下である
かを判定する。この場合、先端衝突時間Tsは、ブレー
キペダル10を踏み込み操作して、早急に制動操作をし
なければ車両の前端部が前方物体に衝突するであろうと
予測される時間、例えば、0.5秒程度の値に設定され
ている。
【0051】先端衝突時間Tsが所定時間Ts2よりも大
きければ、ステップ112にて「No」と判定して、ステ
ップ116に進む。ステップ116においては、前述の
ように、アクセルペダル33、ブレーキペダル10およ
びパーキングブレーキペダル34を原位置に維持または
復帰させる。一方、先端衝突時間Tsが所定時間Ts2以
下になると、ステップ112にて「Yes」と判定し、ス
テップ114に進む。ステップ114においては、アク
セルペダル33、ブレーキペダル10およびパーキング
ブレーキペダル34をそれぞれ前方へ引き込むための制
御信号を駆動回路44,45,46に出力する。そし
て、ステップ118にてこのペダル引き込み制御プログ
ラムの実行を一旦終了する。
【0052】駆動回路44,45,46は、前記制御信
号に応答して、電動モータ31,16,32をそれぞれ
所定量だけ回転させて、アクセルペダル33、ブレーキ
ペダル10およびパーキングブレーキペダル34をそれ
ぞれ前方へ引き込む。この各ペダル33,10,34の
引き込みは、各ペダル33,10,34が所定量だけそ
れぞれ引き込まれた状態で、図示しない位置センサ、回
転センサなどの制御のもとに自動的に停止する。そし
て、各ペダル33,10,34の前方への引き込み停止
については、後述する各種実施形態および各種変形例に
おいても同様である。
【0053】また、アクセルペダル33、ブレーキペダ
ル10およびパーキングブレーキペダル34が一旦前方
へ引き込まれた場合でも、運転者によるブレーキペダル
10の踏み込み操作によって車両が制動されて、車両が
停止したり、相対速度Vabが負になったり、先端衝突時
間Tsが所定時間Ts2よりも大きくなった場合には、ス
テップ102,108,112にて「No」と判定され
て、ステップ116の処理によってアクセルペダル3
3、ブレーキペダル10およびパーキングブレーキペダ
ル34が原位置に復帰する。ただし、車両が前方物体に
実際に衝突した場合には、車両がたとえ停止しても、前
記ペダルの原位置復帰は行われない。
【0054】上記作動説明からも理解できるように、上
記第1実施形態によれば、車両の前方物体(前方車両な
ど)への衝突を事前に予測して、同予測時にアクセルペ
ダル33、ブレーキペダル10およびパーキングブレー
キペダル34が前方へ移動されるので、車両が前方物体
に衝突しても、同衝突時にはアクセルペダル33、ブレ
ーキペダル10およびパーキングブレーキペダル34が
既に前方へ移動し終えている。したがって、車両衝突時
におけるアクセルペダル33、ブレーキペダル10およ
びパーキングブレーキペダル34の前方移動に対する時
間遅れがなくなり、車両衝突時における運転者の下肢に
対する衝撃を良好に緩和できる。
【0055】上記第1実施形態においては、アクセルペ
ダル33、ブレーキペダル10およびパーキングブレー
キペダル34を前方へ引き込む条件として、先端衝突時
間Tsが早急に制動操作をしなければ車両の前端部が前
方物体に衝突するであろうと予測される時間(すなわち
所定時間Ts2)以下であることを採用した。しかし、こ
の条件に代えて、先端衝突時間Tsが、即座にブレーキ
ペダル10の踏み込み操作による車両の制動操作をして
も車両の前方衝突を回避不能な所定時間Ts1(例えば、
0.3秒)以下であるという条件を採用してもよい。こ
の場合、上記図4のステップ112の括弧内に示すよう
に、先端衝突時間Tsが所定時間Ts1以下であるかを判
定するようにすればよい。これによっても、車両衝突時
におけるアクセルペダル33、ブレーキペダル10およ
びパーキングブレーキペダル34の前方移動に対する時
間遅れがなくなり、車両衝突時における運転者の下肢に
対する衝撃を良好に緩和できる。
【0056】また、上記第1実施形態では、車両の前端
部が前方物体に衝突するまでの時間を予測して、車両の
前方物体への衝突を予測するようにしたが、車両の前端
部から前方物体までの距離Lが小さいときに、車両が前
方物体に衝突することを予測するようにしてもよい。こ
の場合、上記図4のステップ106〜110の処理を省
略し、ステップ112において,ステップ104にて入
力した今回距離Lnewが、車両が前方物体に衝突する可
能性のある、または同衝突を回避不能な所定距離Lo以
下であるかを判定するようにすればよい。そして、今回
距離Lnewが所定距離Lo以下であるとき、ステップ11
4の処理を実行して、アクセルペダル33、ブレーキペ
ダル10およびパーキングブレーキペダル34を前方へ
移動させるようにすればよい。
【0057】また、この場合、車速Vも考慮して、車両
の前方物体への衝突を予測するようにするとさらによ
い。すなわち、車速Vが大きくなるに従って、前記今回
距離Lnewと比較される所定距離Loを大きな値に設定す
るとよい。
【0058】b.第2実施形態 次に、本発明の第2実施形態について説明する。この第
2実施形態に係るペダル移動装置は、図1に破線で示す
ように、距離センサ41および車速センサ42に代え
て、先端衝突センサ51を備えている。先端衝突センサ
51は、車両の前端部(例えば、前方側バンパ)に組み
付けられた加速度センサによって構成される。また、こ
の第2実施形態に係る電子制御ユニット43は、上記図
4のペダル引き込み制御プログラムに代えて、図5のペ
ダル引き込み制御プログラムを記憶していて同プログラ
ムを所定の短時間毎に繰り返し実行する。他の部分に関
しては、上記第1実施形態と同じである。
【0059】以下、この第2実施形態に係るペダル移動
装置の作動を説明する。このペダル移動装置において
も、イグニッションスイッチIGの投入後、電子制御ユ
ニット43は、図5のペダル引き込み制御プログラムを
所定の短時間毎に繰り返し実行し始める。このペダル引
き込み制御プログラムの実行はステップ130にて開始
され、電子制御ユニット43は、ステップ132にて、
先端衝突センサ41の出力信号に基づいて車両の前端が
前方物体(主に、前方車両)に衝突しているかを判定す
る。具体的には、先端衝突センサ51によって検出され
た加速度が、車両の前端部の前方物体への衝突に伴って
発生する所定加速度以上であるかを判定する。
【0060】このステップ132の判定において、車両
の前端部が前方物体に衝突していない、すなわち「No」
と判定されれば、ステップ136にてこのペダル引き込
み制御プログラムの実行を一旦終了する。なお、この場
合には、アクセルペダル33、ブレーキペダル10およ
びパーキングブレーキペダル34は、それぞれ原位置に
ある。
【0061】一方、車両の前端部が前方物体に衝突し
て、ステップ132にて「Yes」と判定されると、電子
制御ユニット43は、ステップ134の処理を実行す
る。このステップ134の処理は、上記第1実施形態の
ステップ114の処理と同じであり、このステップ13
4の処理により、アクセルペダル33、ブレーキペダル
10およびパーキングブレーキペダル34は、それぞれ
原位置から前方へ引き込み操作される。
【0062】このような第2実施形態によれば、車両の
前端部の前方物体への衝突時に、アクセルペダル33、
ブレーキペダル10およびパーキングブレーキペダル3
4が前方へ移動されるので、同衝突の影響が車体を介し
て運転者の下肢部におよぶ前に、これらのペダル33,
10,34は前方へ移動し終えている。したがって、車
両衝突時におけるアクセルペダル33、ブレーキペダル
10およびパーキングブレーキペダル34の前方移動に
対する時間遅れがなくなり、車両衝突時における運転者
の下肢に対する衝撃を良好に緩和できる。
【0063】c.第3実施形態 次に、本発明の第3実施形態について説明する。この第
3実施形態に係るペダル移動装置は、上記第1実施形態
のペダル移動装置に加えて、図1に破線で示すように、
上記第2実施形態で説明した先端衝突センサ51と、電
源回路47の出力に接続された電力供給遮断回路52と
を備えている。電力供給遮断回路52は、電子制御ユニ
ット43に制御されて、車両走行に必須でない一部の車
載装置への電力の供給を選択的に供給するものである。
この一部の車載装置とは、例えばウインドウの霜取り用
の熱線ヒータ装置、オーディオ装置、シートヒータ装置
などである。一方、エンジン制御装置、照明装置などの
車両走行に必要な他の装置には、電源回路47から電力
が常時供給されるようにする。また、この第3実施形態
に係る電子制御ユニット43は、上記第1実施形態に係
る図4のペダル引き込み制御プログラムに代えて、図6
のペダル引き込み制御プログラムを記憶していて同プロ
グラムを所定の短時間毎に繰り返し実行する。他の部分
に関しては、上記第1実施形態と同じである。
【0064】以下、この第3実施形態に係るペダル移動
装置の作動を説明する。このペダル移動装置において
も、イグニッションスイッチIGの投入後、電子制御ユ
ニット43は、図6のペダル引き込み制御プログラムを
所定の短時間毎に繰り返し実行し始める。このペダル引
き込み制御プログラムの実行はステップ150にて開始
され、電子制御ユニット43は、上記第1実施形態と同
様なステップ102〜112の衝突予測処理を実行す
る。この衝突予測処理により、車両が前方物体に衝突す
る可能性がなければ(または衝突回避不能でなけれ
ば)、ステップ112にて「No」と判定してステップ1
52に進む。
【0065】ステップ152においては、電源復帰処理
を実行する。この電源復帰処理は、電源供給遮断回路5
2によって電力供給が遮断されていて車両走行に必須で
ない一部の装置への電力の供給を復帰させるものであ
る。しかし、前記車両走行に必須でない一部の装置の電
力供給が遮断されていない場合には、実質的な処理が行
われないで、同一部の装置へも継続して電力が供給され
る。前記ステップ152の処理後、ステップ154に
て、“1”により一部の装置への電力供給が遮断されて
いる状態を表す電力遮断フラグPWFを“0”にリセッ
トする。そして、ステップ170にてこのペダル引き込
み制御プログラムの実行を終了する。
【0066】一方、ステップ112において、車両が前
方物体に衝突する可能性あり(Ts≦Ts2)(または衝
突回避不能である(Ts≦Ts1))と判定されれば、す
なわち「Yes」と判定されれば、ステップ156以降の
処理が実行される。ステップ156においては、電力遮
断フラグPWFが“0”であるか否かが判定される。い
ま、ステップ112における「Yes」との判定が初回で
あれば、電力遮断フラグPWFは“0”であるので、ス
テップ156にて「Yes」と判定してステップ158に
進む。
【0067】ステップ158においては、電子制御ユニ
ット43は、電力供給遮断回路52を制御して、車両走
行に必須でない一部の装置への電力の供給を停止する。
次に、ステップ160にて電子制御ユニット43に内蔵
のタイマによる時間計測を開始し、ステップ162にて
電力遮断フラグPWFを”1"に設定する。そして、ステ
ップ166にて、上記第2実施形態のステップ132の
判定処理と同様に、先端衝突センサ51の検出出力に基
づいて車両の前端部が衝突したか否かを判定する。この
場合、車両の前端部が衝突していなければ、ステップ1
66にて「No」と判定して、ステップ170にてこのペ
ダル引き込み制御プログラムの実行を一旦終了する。
【0068】そして、ステップ112にて「Yes」、す
なわち車両が前方物体に衝突する可能性あり(Ts≦Ts
2)(または衝突回避不能である(Ts≦Ts1))と判定
され続けると、電力遮断フラグPWFは“1”に設定さ
れているので、ステップ156にて「No」と判定してス
テップ164に進む。ステップ164においては、タイ
マによる時間計測値に基づいて、前記ステップ160の
処理による時間計測開始から所定時間が経過したかを判
定する。所定時間が経過していなければ、ステップ16
4にて「No」と判定して、ステップ166の前記判定処
理に進む。そして、車両の前端部が衝突するまで、ステ
ップ166にて「No」と判定し続けて、ステップ170
にてこのペダル引き込み制御プログラムの実行を終了す
る。
【0069】一方、車両の前端部が前方物体に衝突すれ
ば、ステップ166にて「Yes」と判定して、ステップ
168に進む。ステップ168においては、上記第1実
施形態のステップ114の処理と同様に、アクセルペダ
ル33、ブレーキペダル10およびパーキングブレーキ
ペダル34を原位置から前方へ引き込み操作する。この
場合、前記ステップ158の処理により、車両走行に必
須でない一部の装置への電源回路47からの電力の供給
は停止しているので、駆動回路44〜46を介して電動
モータ31,16,32には充分な電力が供給される。
その結果、電動モータ31,16,32は、アクセルペ
ダル33、ブレーキペダル10およびパーキングブレー
キペダル34を急速に前方へ引き込み操作することがで
き、車両衝突時におけるアクセルペダル33、ブレーキ
ペダル10およびパーキングブレーキペダル34の前方
移動に対する時間遅れがなくなり、車両衝突時における
運転者の下肢に対する衝撃を良好に緩和できる。
【0070】また、車両の前端部が衝突する前に、前記
ステップ160の処理による時間計測開始から所定時間
が経過すると、ステップ164にてタイマによる計測時
間に基づいて「Yes」と判定して、ステップ152、1
54に進む。ステップ152においては、電子制御ユニ
ット43が、電力供給遮断回路52を制御して、前記電
力供給の遮断されていた一部の装置への電力の供給を復
帰させる。ステップ154においては、電力遮断フラグ
PWFを“0”に戻しておく。これにより、車両走行に
必須でない装置への電力供給が復帰する。これは、ステ
ップ112にて車両が前方物体に衝突する可能性あり
(Ts≦Ts2)(または衝突回避不能である(Ts≦Ts
1))と判定された後であっても、運転者による制動操
作などにより車両の前方物体への衝突が回避されたと考
えられるからである。
【0071】さらに、ステップ112にて一旦「Yes」
と判定された後であっても、ステップ102にて「No」
すなわち車両が停止状態にあると判定されたり、ステッ
プ108にて「No」すなわち前方物体に対する車両の相
対速度Vabが負であると判定されたり、ステップ112
にて「No」すなわち車両が前方物体に衝突する可能性な
し(Ts≦Ts2)(または衝突回避可能である(Ts≦T
s1))と判定されたりすると、ステップ152,154
の処理が実行される。したがって、この場合も、車両の
前方物体への衝突が回避されたとして、車両走行に必須
でない一部の装置への電力の供給も復帰する。
【0072】上記第3実施形態では、車両の前端部が前
方物体(主に、前方車両)へ衝突したとき、アクセルペ
ダル33、ブレーキペダル10およびパーキングブレー
キペダル34を前方に移動させるようにした。しかし、
電動モータ31,16,32の出力パワーが大きい場合
には、車体への衝突検出時に、アクセルペダル33、ブ
レーキペダル10およびパーキングブレーキペダル34
を前方に急速に移動させるようにしてもよい。
【0073】この場合、図1に破線で示すように、先端
衝突センサ51に代えて車体衝突センサ53を用いるよ
うにするとよい。車体衝突センサ53は、車両の車体
(例えば、車両の重心位置)に組み付けられた加速度セ
ンサによって構成される。一方、電子制御ユニット43
は、上記図6のペダル引き込み制御プログラムのステッ
プ166にて、車体衝突センサ53の出力信号に基づい
て前方物体との衝突が車体にまで影響してきているかを
判定する。具体的には、車体衝突センサ53によって検
出された加速度が、車体衝突に伴って発生する所定加速
度以上であるかを判定する。
【0074】そして、ステップ166にて車体衝突が検
出された時点で、ステップ168の処理により、駆動回
路44〜46を介して電動モータ31,16,32を駆
動制御して、アクセルペダル33、ブレーキペダル10
およびパーキングブレーキペダル34を前方へ移動させ
る。この場合も、ステップ158の処理によって車両走
行に必須でない装置への電力供給は遮断されており、ま
た電動モータ31,16,32の出力パワーが大きいの
で、アクセルペダル33、ブレーキペダル10およびパ
ーキングブレーキペダル34は遅滞なく前方への引き込
まれ、車両衝突時における運転者の下肢に対する衝撃を
良好に緩和できる。
【0075】d.第4実施形態 次に、本発明の第4実施形態について説明する。この第
4実施形態に係るペダル移動装置は、上記第1実施形態
のペダル移動装置に加えて、図1に破線で示すように、
電子制御ユニット43に接続されて、ブレーキペダル1
0の踏み込み操作を検出する踏み込み検出スイッチ54
を備えている。この踏み込み検出スイッチ54は、ブレ
ーキペダル装置BP内に組み込まれて、ブレーキペダル
10が踏み込み操作されていないときオフ状態にあり、
ブレーキペダル10の踏み込み操作時にオン状態に切換
えられるものである。
【0076】本実施形態においては、ブレーキペダル1
0の踏み込み操作を踏み込み検出スイッチ53によって
検出するようにした。しかし、これに代えて、ブーキペ
ダル10の踏み込み踏力を検出する荷重センサをブレー
キペダル装置BPに組み込んでおき、同荷重センサによ
って検出された踏力を用いてブレーキペダル10の踏み
込み操作を検出してもよい。また、ブレーキ油圧経路内
に油圧を検出する油圧センサを設けておき、同油圧セン
サによって検出された油圧を用いてブレーキペダル10
の踏み込み操作を検出してもよい。さらに、ブレーキペ
ダル10の踏み込み速度を検出して、同検出踏み込み速
度が所定値以上であることを条件にブレーキペダル10
の踏み込み操作を検出してもよい。
【0077】また、この第4実施形態に係る電子制御ユ
ニット43は、上記第1実施形態に係る図4のペダル引
き込み制御プログラムに代えて、図7のペダル引き込み
制御プログラムを記憶していて同プログラムを所定の短
時間毎に繰り返し実行する。他の部分に関しては、上記
第1実施形態と同じである。
【0078】以下、この第4実施形態に係るペダル移動
装置の作動を説明する。このペダル移動装置において
も、イグニッションスイッチIGの投入後、電子制御ユ
ニット43は、図7のペダル引き込み制御プログラムを
所定の短時間毎に繰り返し実行し始める。このペダル引
き込み制御プログラムの実行はステップ200にて開始
され、電子制御ユニット43は、上記第1実施形態およ
びその変形例と同様なステップ102〜112による衝
突予測処理を実行する。この衝突予測処理により、車両
が前方物体に衝突する可能性がなければ(または衝突回
避不能でなければ)、ステップ112にて「No」と判定
して、上記第1実施形態と同様なステップ116の処理
により、アクセルペダル33、ブレーキペダル10およ
びパーキングブレーキペダル34を原位置に復帰させ
て、ステップ210にこのペダル引き込み制御プログラ
ムの実行を終了する。
【0079】一方、ステップ112において、車両が前
方物体に衝突する可能性あり(Ts≦Ts2)(または衝
突回避不能である(Ts≦Ts1))と判定されれば、す
なわち「Yes」と判定されれば、ステップ202以降の
処理が実行される。ステップ202においては、ブレー
キペダル10以外のアクセルペダル33およびパーキン
グブレーキペダル34が前方へ移動される。すなわち、
電子制御ユニット43は、このステップ202にて駆動
回路44,46を介して電動モータ31,32を回転さ
せて、アクセルペダル33およびパーキングブレーキペ
ダル34を前方へ引き込む。
【0080】次に、電子制御ユニット43は、ステップ
204にてブレーキペダル10が踏み込み操作されてい
るかを判定する。この判定においては、踏み込み検出ス
イッチ54のオン・オフ状態が判定される。ブレーキペ
ダル10が踏み込み操作されていなくて踏み込み検出ス
イッチ54がオフ状態にあれば、ステップ204にて
「No」と判定し、ステップ206に進む。ステップ20
6においては、電子制御ユニット43は、駆動回路45
を介して電動モータ16を回転させて、ブレーキペダル
10を前方へ引き込む。
【0081】これにより、車両の前方物体(前方車両な
ど)への衝突が事前に予測された状態では、運転者によ
るブレーキペダル10の踏み込み操作がなければ、前記
予測時にアクセルペダル33、ブレーキペダル10およ
びパーキングブレーキペダル34が前方へ引き込まれ
る。したがって、車両が前方物体に衝突しても、同衝突
時にはアクセルペダル33、ブレーキペダル10および
パーキングブレーキペダル34が既に前方へ移動し終え
ていて、車両衝突時における全ペダル33,10,34
の前方移動に対する時間遅れがなくなり、車両衝突時に
おける運転者の下肢に対する衝撃を良好に緩和できる。
【0082】一方、車両が前方物体に衝突する可能性あ
り(Ts≦Ts2)(または衝突回避不能である(Ts≦T
s1))と判定された時点で、運転者によるブレーキペダ
ル10の踏み込み操作があれば、ステップ204にて
「Yes」と判定して、ステップ208に進む。ステップ
208においては、駆動回路45を制御して、ブレーキ
ペダル10が停止状態にあれば同停止状態に維持し、ブ
レーキペダル10が前方へ移動状態にあれば同移動状態
を停止状態に切換える。そして、ステップ210にて、
このペダル引き込み制御プログラムの実行を終了する。
【0083】この運転者によるブレーキペダル10の踏
み込み操作により、図示しないブレーキ装置により車両
は制動される。したがって、たとえ車両の前方衝突が予
測されても、運転者による衝突回避動作が優先されて車
両が制動される。その結果、この第4実施形態において
は、運転者がブレーキペダル10を踏み込み操作しなく
て車両が前方物体(主に、前方車両)に衝突する場合に
は、運転者の下肢部の区間が広く保たれて、同運転者の
下肢に対する衝撃が回避される。一方、車両の前方衝突
を回避するために、運転者がブレーキペダル10の踏み
込み操作によって車両を制動させる場合には、運転者の
意志が反映されるようになる。
【0084】(第1変形例)次に、上記第4実施形態の
第1変形例について説明する。この第1変形例において
は、電子制御ユニット43は図8のペダル引き込み制御
プログラムを実行する。この図8のペダル引き込み制御
プログラムは、上記第4実施形態に係る図7のペダル引
き込み制御プログラムのステップ208の処理に代え
て、ステップ220の処理を実行するものである。
【0085】このステップ220の処理は、ステップ2
04にて「Yes」すなわちブレーキペダル10の踏み込
み操作があると判定されたときに実行される。そして、
このステップ220においては、上記ステップ206の
ブレーキペダル10の前方への引き込み量に比べて少量
の引き込み量だけブレーキペダル10を前方へ引き込
む。すなわち、電子制御ユニット43は、駆動回路45
を制御して、上記ステップ206の場合よりも所定量だ
け小さい角度だけ電動モータ16を回転させる。
【0086】その結果、この第1変形例によれば、運転
者による前方物体への衝突回避操作が重視されるととも
に、車両が前方物体に衝突した場合でも、運転者の下肢
部の空間がいくらか広くなる。したがって、運転者の車
両操作の意志を反映するとともに、運転者の下肢に対す
る衝撃に対しても良好な保護が図られる。
【0087】(第2変形例)次に、上記第4実施形態の
第2変形例について説明する。この第2変形例において
は、電子制御ユニット43は図9のペダル引き込み制御
プログラムを実行する。この図9のペダル引き込み制御
プログラムは、上記第4実施形態に係る図7のペダル引
き込み制御プログラムのステップ204〜208の処理
に代えて、ステップ224〜236の処理を実行するよ
うにしたものである。
【0088】ステップ224においては、衝突予測フラ
グPRFが“0”であるか否かを判定する。この衝突予
測フラグPRFは、“1”により車両が前方物体に衝突
する可能性あり(Ts≦Ts2)(または衝突回避不能で
ある(Ts≦Ts1))と予測された状態を表し、“0”
により前記衝突予測のない状態を表す。そして、この衝
突予測フラグPRFは、前記衝突予測のない場合には、
ステップ236の処理により“0”に設定されている。
したがって、ステップ112にてはじめて衝突予測がな
された場合には、ステップ224にて「Yes」と判定し
て、ステップ226に進む。なお、この衝突予測がなさ
れた場合には、ステップ202の処理により、アクセル
ペダル33およびパーキングブレーキペダル34は前方
へ引き込み操作される。
【0089】ステップ226においては、電子制御ユニ
ット43に内蔵のタイマに計時動作を開始させる。そし
て、ステップ228にて衝突予測フラグPRFを“1”
に設定して、ステップ210にてこのペダル引き込み制
御プログラムの実行を一旦終了する。そして、次のペダ
ル引き込み制御プログラムの実行時においても、ステッ
プ112にて「Yes」すなわち衝突予測がなされた場合
には、衝突予測フラグPRFは既に“1”に設定されて
いるので、ステップ224にて「No」と判定してステッ
プ230に進む。ステップ230においては、前記タイ
マによる時間計測値に基づいて、前記ステップ226に
よる計時開始から所定時間が経過したか否かを判定す
る。所定時間が経過していなければ、ステップ230に
て「No」と判定して、ステップ210にてこのペダル引
き込み制御プログラムの実行を一旦終了する。
【0090】一方、前記タイマによる計時開始から所定
時間が経過すると、ステップ230にて「Yes」と判定
して、ステップ232に進む。ステップ232において
は、上記第4実施形態に係る図7のステップ204の判
定処理と同様に、ブレーキペダル10が踏み込み操作さ
れているか否かを判定する。そして、ブレーキペダル1
0が未だ踏み込み操作されてなければ、ステップ232
にて「No」と判定して、ステップ234にて上記図7の
ステップ206の処理と同様にしてブレーキペダル10
を前方へ引き込む。そして、ステップ210にて、この
ブレーキペダル引き込み制御プログラムの実行を終了す
る。
【0091】一方、ステップ232にて「Yes」すなわ
ちブレーキペダル10が踏み込み操作されていると判定
されれば、ステップ210にてこのペダル引き込み制御
プログラムの実行を一旦終了する。ただし、この第2変
形例においては、上記第4実施形態とは異なり、ブレー
キペダル10の前方への引き込みが開始した後には、ブ
レーキペダル10の踏み込み操作があってもブレーキペ
ダル10の引き込み操作は停止されない。
【0092】このように動作する第2変形例において
は、車両の前方物体への衝突が予測された後、所定時間
の経過を待ってブレーキペダル10が踏み込み操作され
ているかを判定して、同判定に基づいてブレーキペダル
10の前方への引き込みが制御される。その結果、この
第2変形例によれば、車両の衝突予測を余裕をもって行
っても、衝突回避のための運転者のブレーキペダル10
の踏み込み操作が重視されることになる。
【0093】したがって、この第2変形例においては、
ステップ112の衝突予測のうちで、車両が前方物体に
衝突する可能性ありと判定する場合に(Ts≦Ts2)、
極めて有効に作用する。また、前記ステップ112の衝
突予測のうちで、衝突回避不能であると判定する場合に
は(Ts≦Ts1)、前記ステップ236の所定時間を極
めて短くするとよい。
【0094】また、この第2変形例においては、ブレー
キペダル10の前方への引き込み操作の開始後に、ブレ
ーキペダル10の踏み込み操作があってもブレーキペダ
ル10の引き込み操作は停止されないようにした。しか
し、これに代えて、上記第4実施形態の場合のように、
ブレーキペダル10の前方へ引き込み操作の開始後であ
っても、ブレーキペダル10の踏み込み操作があった場
合には、ブレーキペダル10の引き込み操作を停止する
ようにしてもよい。この場合、ステップ232にて「Y
es」と判定されたとき、上記図7のステップ208に
よるブレーキペダル10の前方移動停止処理を実行する
ようにすればよい。
【0095】さらに、上記第4実施形態の第1変形例の
場合のように、車両の衝突予測があった後に、ブレーキ
ペダル10が踏み込み操作された場合には、ブレーキペ
ダル10を少量だけ前方へ引き込むようにしてもよい。
この場合、ステップ232にて「Yes」と判定されたと
き、上記図8のステップ220によるブレーキペダル1
0の前方移動処理を実行して、その後にステップ210
にてこのペダル引き込み制御プログラムの実行を終了す
るようにすればよい。
【0096】(第3変形例)次に、上記第4実施形態の
第3変形例について説明する。この第3変形例において
は、電子制御ユニット43は図10のペダル引き込み制
御プログラムを実行する。この図10のペダル引き込み
制御プログラムは、上記第4実施形態に係る図7のペダ
ル引き込み制御プログラムのステップ208の処理を省
略して、ステップ240の処理を追加したものである。
【0097】この第3変形例においては、ステップ20
4にて「Yes」すなわちブレーキペダル10が踏み込み
操作されたと判定されたとき、ステップ240の判定処
理を実行するようにしたものである。ステップ240に
おいては、先端衝突センサ51からの検出信号に基づい
て、車両の前端部が前方物体に衝突したか否かを判定す
る。そして、前記車両の前端部の前方物体への衝突が検
出されない状態では、ステップ240における「Yes」
との判定のもとに、ステップ210にてこのペダル引き
込み制御プログラムの実行を終了する。そして、この状
態では、ブレーキペダル10は前方に引き込み操作され
ない。
【0098】一方、ブレーキペダル10が踏み込み操作
されていても、車両の前端部が前方物体に衝突すると、
ステップ240にて「Yes」と判定して、ステップ20
6に進む。ステップ206においては、上述のように、
ブレーキペダル10が前方へ引き込み操作される。
【0099】このように動作する第3変形例において
は、車両の前方物体への衝突が予測された後、ブレーキ
ペダル10の踏み込み操作があれば、ブレーキペダル1
0の引き込み操作が行われない。したがって、この第3
変形例においても、ブレーキペダル10の踏み込み操作
に基づく運転者による車両の衝突回避操作が重視され
る。しかし、車両の前端部が前方物体に衝突した際に
は、ブレーキペダル10は前方へ引き込み操作されるの
で、運転者の下肢部に対する衝撃も良好に回避できる。
【0100】また、この第3変形例においては、ブレー
キペダル10の前方への引き込み操作の開始後に、ブレ
ーキペダル10の踏み込み操作があってもブレーキペダ
ル10の引き込み操作は停止されないようにした。しか
し、これに代えて、上記第4実施形態の場合のように、
ブレーキペダル10の前方への引き込み操作の開始後で
あっても、ブレーキペダル10の踏み込み操作があった
場合には、ブレーキペダル10の引き込み操作を停止す
るようにしてもよい。この場合、ステップ204におけ
る「Yes」との判定後に、上記図7のステップ208に
よるブレーキペダル10の前方移動停止処理を実行し
て、ステップ240に進むようにすればよい。
【0101】さらに、上記第4実施形態の第2変形例の
場合のように、車両の衝突予測があった後に、ブレーキ
ペダル10が踏み込み操作された場合には、ブレーキペ
ダル10を少量だけ前方へ引き込むようにしてもよい。
この場合も、ステップ204にて「Yes」との判定後
に、上記図8のステップ220によるブレーキペダル1
0の前方移動停止処理を実行して、ステップ240に進
むようにすればよい。
【0102】(第4変形例)次に、上記第4実施形態の
第4変形例について説明する。この第4変形例において
は、電子制御ユニット43は図11のペダル引き込み制
御プログラムを実行する。この図11のペダル引き込み
制御プログラムは、上記第4実施形態の第3変形例に係
る図10のペダル引き込み制御プログラムのステップ1
12および240の判定処理を、それぞれステップ24
4および246の判定処理に置換したものである。
【0103】ステップ244の判定処理は、ステップ1
10の処理により計算した先端衝突時間Tsが所定時間
Ts2(例えば、0.5秒)以下であるか、すなわち運転
者が衝突回避操作をしなければ車両が前方物体に衝突す
る可能性があるかを判定するものである。ステップ24
6の判定処理は、前記計算した先端衝突時間Tsが所定
時間Ts1(例えば、0.3秒)以下であるか、すなわち
車両の前方物体への衝突回避が不能であるかを判定する
ものである。
【0104】したがって、この第4変形例にあっては、
ステップ224にて「Yes」、すなわち運転者が衝突
回避操作をしなければ車両が前方物体に衝突する可能性
があると判定された場合であっても、ステップ246に
て「Yes」、すなわち衝突回避不能であると判定され
るまで、運転者によってブレーキペダル10が踏み込み
操作された場合、運転者によるブレーキペダル10の踏
み込み操作に対して反する制御となるブレーキペダルの
前方移動が禁止される。これにより、運転者による衝突
回避動作が重視され、車両衝突を運転者による運転操作
によって回避し易くなる。
【0105】一方、ブレーキペダルが踏み込み操作され
なくて、ステップ246にて「Yes」、すなわち衝突
回避不能と判定されると、ステップ206の処理により
ブレーキペダルが前方に移動されるので、車両衝突時に
おける運転者の下肢に対する衝撃を良好に緩和できる。
その結果、この第4変形例によっても、運転者の下肢に
対する衝撃の緩和と車両の運転操作性の両立を図ること
ができる。
【0106】また、この第4変形例においても、上記第
4実施形態の第2および第3変形例の場合と同様に、ブ
レーキペダル10の前方への引き込み操作開始後に、ブ
レーキペダル10の踏み込み操作があった場合には、ブ
レーキペダル10の引き込み操作を停止するようにして
もよい。この場合も、ステップ204にて「Yes」との
判定後に、上記図7のステップ208によるブレーキペ
ダル10の前方移動停止処理を実行して、ステップ24
6に進むようにすればよい。
【0107】さらに、この第4変形例においても、上記
第4実施形態の第2および第3変形例の場合と同様に、
車両の衝突予測があった後に、ブレーキペダル10が踏
み込み操作された場合には、ブレーキペダル10を少量
だけ前方へ引き込むようにしてもよい。この場合も、ス
テップ204にて「Yes」との判定後に、上記図8のス
テップ220によるブレーキペダル10の前方移動処理
を実行して、ステップ246に進むようにすればよい。
【0108】(第5変形例)次に、上記第4実施形態の
第5変形例について説明する。この第5変形例において
は、電子制御ユニット43は図12のペダル引き込み制
御プログラムを実行する。この図12のペダル引き込み
制御プログラムは、上記第4実施形態に係る図7のペダ
ル引き込み制御プログラムのステップ202〜208の
処理を、ステップ250〜256の処理に変更したもの
である。
【0109】この第5変形例においては、ステップ11
2にて「Yes」、すなわち運転者による衝突回避操作
がなければ車両が前方物体に衝突する可能性あり(Ts
≦Ts2)(または衝突回避不能である(Ts≦Ts1))
と判定されると、ステップ250の処理が実行される。
ステップ250においては、駆動回路44,46を介し
て電動モータ31,32を駆動制御して、ブレーキペダ
ル10以外のペダルすなわちアクセルペダル33および
パーキングブレーキペダル34を前方へ高速で引き込
む。
【0110】前記ステップ250の処理後、ステップ2
52にて先端衝突センサ51の検出出力に基づいて、車
両の前端部が前方物体に衝突しているかを判定する。車
両の前端部が前方物体に衝突していなければ、ステップ
252における「No」との判定のもとに、ステップ2
54にて駆動回路45を介して電動モータ16を制御し
て、ブレーキペダル10を前方へ低速で引き込む。そし
て、ステップ210にてこのペダル引き込み制御プログ
ラムの実行を一旦終了する。
【0111】一方、車両の前端部が前方物体に衝突する
と、ステップ252にて「Yes」と判定し、ステップ
256に進む。ステップ256においては、駆動回路4
5を介して電動モータ16を制御して、ブレーキペダル
10を前方へ高速で引き込む。
【0112】したがって、この第5変形例においては、
車両の前端部が前方物体に衝突するまでは、ブレーキペ
ダル10の前方への移動速度が小さくなる。そのため、
この状態では、運転者は、衝突回避のためのブレーキペ
ダル10の踏み込み操作をし易くなる。また、車両が前
方物体に衝突すると、ブレーキペダル10は高速で前方
へ引き込まれるので、車両衝突時における運転者の下肢
に対する衝撃を良好に緩和できる。その結果、この第5
変形例によっても、運転者の下肢に対する衝撃の緩和と
車両の運転操作性の両立を図ることができる。
【0113】(第6変形例)次に、上記第4実施形態の
第6変形例について説明する。この第6変形例において
は、電子制御ユニット43は図13のペダル引き込み制
御プログラムを実行する。この図13のペダル引き込み
制御プログラムは、上記第4実施形態の第5変形例に係
る図12のペダル引き込み制御プログラムのステップ1
12および252の判定処理を、それぞれステップ26
0および262の判定処理に置換したものである。
【0114】ステップ260の判定処理は、ステップ1
10の処理により計算した先端衝突時間Tsが所定時間
Ts2(例えば、0.5秒)以下であるか、すなわち運転
者が衝突回避操作をしなければ車両が前方物体に衝突す
る可能性があるかを判定するものである。ステップ26
2の判定処理は、前記計算した先端衝突時間Tsが所定
時間Ts1(例えば、0.3秒)以下であるか、すなわち
前方物体への衝突回避が不能であるかを判定するもので
ある。
【0115】したがって、この第6変形例においては、
車両の前方物体への衝突回避が不能になるまでは、言い
換えれば車両の前方物体への衝突の可能性が極めた高く
なるまでは、ブレーキペダル10の前方への移動速度が
小さくなる。そのため、この状態では、運転者は、衝突
回避のためのブレーキペダル10の踏み込み操作をし易
くなる。また、車両の前方物体への衝突が回避不能にな
ると、言い換えれば車両の前方物体への衝突の可能性が
極めて高い場合には、ブレーキペダル10は高速で前方
へ引き込まれるので、車両衝突時における運転者の下肢
に対する衝撃を良好に緩和できる。その結果、この第6
変形例によっても、運転者の下肢に対する衝撃の緩和と
車両の運転操作性の両立を図ることができる。
【0116】(第7変形例)次に、上記第4実施形態の
第7変形例について説明する。この第7変形例において
は、電子制御ユニット43は図14のペダル引き込み制
御プログラムを実行する。この図14のペダル引き込み
制御プログラムは、上記第4実施形態の第6変形例に係
る図13のペダル引き込み制御プログラムのステップ2
62,254,256の処理を、ステップ270〜28
6の処理に変更したものである。
【0117】この第7変形例においては、上記ステップ
250にてブレーキペダル10以外のペダルを高速で前
方へ引き込んだ後、ステップ270にて移動中フラグM
VFが“0”であるか否かを判定する。この移動中フラ
グMVFは、“1”によりブレーキペダル10が前方へ
移動中であることを表し、“0”によりブレーキペダル
10が移動中でないことを表す。そして、移動中フラグ
MVFは、ステップ260にて、ステップ110の処理
により計算した先端衝突時間Tsが所定時間Ts2(例え
ば、0.5秒)以下でない、すなわち運転者が衝突回避
操作をしなくても車両が前方物体に衝突する可能性がな
い場合に、ステップ286の処理により“0”に設定さ
れている。また、この移動中フラグMVFは、ステップ
102,108の判定処理により、車両停止中である場
合または前方物体との距離が離れつつある場合も、
“0”に設定されている。
【0118】いま、ステップ260にて「Yes」すな
わち運転者が衝突回避操作をしなければ車両が前方物体
に衝突する可能性があると判定され、かつ移動中フラグ
MVFが“0”であれば、ステップ272に進む。ステ
ップ272においては、駆動回路45を介して電動モー
タ16を駆動制御して、ブレーキペダル10を前方に低
速で引き込む。そして、ステップ274にて移動中フラ
グMVFを“1”に変更し、ステップ276にてカウン
ト値Nを「0」に初期設定して、ステップ210にてこ
のペダル引き込み制御プログラムの実行を一旦終了す
る。
【0119】前記のように移動中フラグMVFが“1”
に変更されると、次にこのペダル引き込み制御プログラ
ムが実行されたときには、ステップ270にて「No」
と判定してステップ278に進む。ステップ278にお
いては、カウント値Nが所定値N0(N0は「1」より大
きな整数値)に達したか否かを判定する。カウント値N
が所定値N0に達していなければ、ステップ278にて
「No」と判定して、ステップ280にてカウント値N
に「1」を加算して、ステップ210にてペダル引き込
み制御プログラムの実行を終了する。
【0120】前記ステップ280の処理によりカウント
値Nが大きくなって所定値N0以上になると、ステップ
278にて「Yes」と判定して、ステップ282に進
む。ステップ282においては、駆動回路45を介して
電動モータ16を制御して、電動モータ16の回転速度
を所定量だけ増加させる。したがって、ブレーキペダル
10の前方への移動速度が所定量だけ増加する。このス
テップ282の処理後、ステップ284にてカウント値
Nを「0」に初期設定して、ステップ210にてこのペ
ダル引き込み制御プログラムの実行を一旦終了する。
【0121】このように、カウント値Nが所定値N0に
達するまで、前述したステップ270,278,280
の処理が実行される。そして、カウント値Nが所定値N
0以上になると、前記ステップ282の処理により、ブ
レーキペダル10の前方への移動速度を所定量だけ速め
る。したがって、このペダル引き込み制御プログラムの
実行により、ブレーキペダル10の前方への引き込み速
度は時間経過に従って徐々に速められる。
【0122】このように動作する結果、この第7変形例
によれば、車両の前方物体への衝突が予測された時点に
おけるブレーキペダル10の前方への移動速度は小さ
く、運転者は衝突回避のためのブレーキペダルの踏み込
み操作がし易くなる。そして、時間経過にしたがってブ
レーキペダル10の前方への移動速度は速くなるので、
車両が前方物体に衝突してしまった場合には、ブレーキ
ペダル10は充分に前方へ引き込まれていて、車両衝突
時における運転者の下肢に対する衝撃を良好に緩和でき
る。その結果、この第7変形例においても、運転者の下
肢に対する衝撃の緩和と車両の運転操作性の両立を図る
ことができる。
【0123】(第8変形例)次に、上記第4実施形態の
第8変形例について説明する。この第8変形例において
は、電子制御ユニット43は図15のペダル引き込み制
御プログラムを実行する。この図15のペダル引き込み
制御プログラムは、上記第4実施形態の第7変形例に係
る図14のペダル引き込み制御プログラムのステップ2
70〜286の処理を、ステップ290,292の処理
に変更したものである。
【0124】ステップ290においては、上記ステップ
110の処理により計算した先端衝突時間Tsに応じて
ブレーキペダル10の移動速度MVを決定する。この場
合、電子制御ユニット43内には、先端衝突時間Tsが
短くなるに従って増加する関係にある移動速度MVを先
端衝突時間Tsに対応させて記憶した移動速度テーブル
が用意されている。そして、電子制御ユニット43は、
移動速度テーブルを参照することにより、先端衝突時間
Tsに対応した移動速度MVを決定する。
【0125】このステップ290の移動速度MVの計算
後、ステップ292にて駆動回路45を介して電動モー
タ16を駆動制御して、ブレーキペダル10を前方に前
記移動速度MVで引き込む。これにより、ブレーキペダ
ル10の前方への移動速度は、車両の前方衝突が発生す
るまでの時間が短くなるに従って速くなる。
【0126】その結果、第8変形例によれば、車両が前
方物体に衝突するまでの時間が長ければ、ブレーキペダ
ル10の前方への移動速度が小さく、運転者は、衝突回
避のためのブレーキペダル10の踏み込み操作をし易く
なる。そして、車両が前方物体に衝突するまでの時間が
短ければ、すなわち車両の前方物体への衝突が回避不能
ならば、ブレーキペダル10は充分に速く前方へ引き込
まれるので、車両衝突時における運転者の下肢に対する
衝撃を良好に緩和できる。その結果、この本発明の他の
特徴によっても、運転者の下肢に対する衝撃の緩和と車
両の運転操作性の両立を図ることができる。
【0127】e.第5実施形態 次に、本発明の第5実施形態について説明する。この第
5実施形態に係るペダル移動装置は、図16に示すよう
に、上記第1ないし第4実施形態およびそれらの変形例
に係るペダル移動装置に加えて、シート移動装置61お
よびシートベルト引き締め装置62が付加されている。
【0128】シート移動装置61は、運転者用シート6
3の下方に配置されて、電動モータ、同電動モータに駆
動される駆動機構などからなり、駆動回路64によって
制御されて運転者用シート63を前後に移動させる。シ
ートベルト引き締め装置62は、運転者用シート63の
側方に設けられて、電動モータ、同電動モータにより駆
動されてシートベルトを巻き取る巻き取り機構などから
なり、駆動回路66によって制御されてシートベルト6
5を巻き上げて同シートベルト65を引き締め可能とす
る。駆動回路64,66は電子制御ユニット43に接続
されて、各電動モータをそれぞれ回転させることによっ
てシート移動装置61およびシートベルト引き締め装置
61,52を作動させる。また、電子制御ユニット43
は、図17のペダル引き込み制御プログラムを所定の短
時間ごとに繰返し実行する。
【0129】この図17のペダル引き込み制御プログラ
ムは、上記第4実施形態に係る図7のペダル引き込み制
御プログラムのステップ202〜208の処理を、ステ
ップ302〜310の処理に変更したものである。ステ
ップ112において、「Yes」すなわち車両が前方物
体に衝突する可能性がある(または車両の前方物体への
衝突が回避不能である)と判定されないとき、ステップ
116,302,304の処理が実行される。
【0130】ステップ116においては、上述のように
駆動回路44〜46を介して電動モータ31,16,3
2を制御することより、アクセルペダル33、ブレーキ
ペダル10およびパーキングブレーキペダル34が原位
置に復帰される。ステップ302においては、駆動回路
64を介してシート移動装置61を駆動制御することに
より、運転者用シート63を元の位置へ復帰させる。ス
テップ304においては、駆動回路66を介してシート
ベルト引き締め装置62を駆動制御することにより、シ
ートベルト65の引き締めを解除する。ただし、これら
のステップ116,302,304においては、後述す
るステップ306〜308の処理により、各ペダル3
3,10,34が前方へ引き込まれていなかったり、運
転者用シート63が後方に移動されていなかったり、シ
ートベルト65が引き締められていなければ、実質的な
制御は行なわれない。これらのステップ116,30
2,304の処理後、ステップ320にてこのペダル引
き込み制御プログラムの実行を一旦終了する。
【0131】一方、ステップ112において、「Ye
s」すなわち車両が前方物体に衝突する可能性がある
(または車両の前方物体への衝突が回避不能である)と
判定されると、ステップ306〜308の処理が実行さ
れる。ステップ306においては、駆動回路44〜46
を介して電動モータ31,16,32を制御することよ
り、アクセルペダル33、ブレーキペダル10およびパ
ーキングブレーキペダル34が前方へ引き込まれる。ス
テップ308においては、駆動回路64を介してシート
移動装置61を駆動制御することにより、運転者用シー
ト63が後方へ所定量だけ移動される。ステップ310
においては、駆動回路66を介してシートベルト引き締
め装置62を駆動制御することにより、シートベルト6
5が引き締められる。
【0132】このように第5実施形態においては、車両
の前方衝突が予測されると、アクセルペダル33、ブレ
ーキペダル10およびパーキングブレーキペダル34の
前方への引き込みと同時に、運転者用シート63が後方
に移動される。したがって、車両の前方衝突時における
運転者の下肢部の空間が広く確保され、車両衝突時にお
ける運転者の下肢部とペダルとの干渉可能性あるいは干
渉負荷の低減が可能となり、運転者の下肢に対する衝撃
をより良好に防止できる。また、この車両の前方衝突の
予測時には、シートベルト65が引き締められるので、
運転者の着座姿勢を安定させることができて、運転者に
よる衝突回避の運転操作性が向上する。
【0133】(第1変形例)次に、上記第5実施形態の
第1変形例について説明する。この第1変形例において
は、電子制御ユニット43は図18のペダル引き込み制
御プログラムを実行する。この図18のペダル引き込み
制御プログラムは、上記第5実施形態に係る図17のペ
ダル引き込み制御プログラムのステップ306の処理を
省略して、ステップ322〜326の処理を追加したも
のである。
【0134】ステップ322の処理は、ステップ112
にて衝突予測が判定されたとき、ブレーキペダル10以
外のペダルすなわちアクセルペダル33およびパーキン
グブレーキペダル34を前方に引き込み操作する処理で
ある。このステップ322の処理後、ステップ324に
て、先端衝突センサ51からの検出信号に基づいて車両
の前端部が前方物体に衝突したか否かが判定される。そ
して、このステップ324の判定処理によって車両の前
端部の前方物体への衝突が検出されない限り、ステップ
326,310,308の処理が実行されない。
【0135】一方、ステップ324にて車両の前端部の
前方物体への衝突が検出されると、ステップ326にて
駆動回路45を介して電動モータ16が駆動制御され
て、ブレーキペダル10が前方へ引き込まれる。前記ス
テップ326の処理後、上述したステップ308,31
0の処理により、運転者用シート63が後方へ移動され
るとともに、シートベルト65が引き締められる。
【0136】このように、この第1変形例においては、
車両の前方衝突が予測された時点では、ブレーキペダル
10は、即座に引き込み操作されることなく、車両の前
端部の前方物体への衝突が検出された後に前方へ引き込
まれる。その結果、この第1変形例によれば、運転者の
ブレーキペダル10の踏み込み操作による前方物体への
衝突回避操作が重視されるとともに、車両が前方物体に
衝突した場合でも、運転者の下肢部の空間が広くなる。
したがって、運転者の車両操作の意志を反映するととも
に、運転者の下肢に対する衝撃に対しても良好な保護が
図られる。
【0137】このように、上記第1変形例においては、
ステップ324の処理により、車両の前端部が前方物体
に衝突した時点でブレーキペダル10の前方移動、運転
者用シート63の後方移動およびシートベルト65の引
き締めを行なうようにした。しかし、電動モータ16、
シート移動装置61およびシートベルト引き締め装置6
2の駆動力が十分に大きければ、車体衝突時にブレーキ
ペダル10の前方移動、運転者用シート63の後方移動
およびシートベルト65の引き締めを行なうようにして
もよい。この場合、ステップ324において、図16の
車体衝突センサ53による検出信号に基づいて車体の衝
突を検出するようにすればよい。
【0138】これらの第5実施形態および第1変形例に
おいては、運転者の脚部を後退させる脚部後退手段とし
て、運転者用シート63を後方へ移動するシート移動装
置61を採用した。しかし、これに代えて、脚部後退手
段としてエアバック装置を採用し、エアバック装置の展
開により運転者の下肢部を後方へ押し下げるようにして
もよい。また、第5実施形態および第1変形例において
は、シートベルト65の締め付けを電動モータの駆動力
を利用したシートベルト締め付け装置62を採用した
が、電動モータの駆動力に代えて、ガス発生剤の燃焼時
の圧力を駆動源としてシートベルト65を締め付けるシ
ートベルト締め付け装置62を採用してもよい。
【0139】また、上記第5実施形態およびその第1変
形例においても、上記第3実施形態で説明した車両の衝
突予測時における車両走行に必須でない装置への電力供
給の停止処理、上記第4実施形態およびその各種変形例
に係るブレーキペダル10の踏み込み操作時の処理、ブ
レーキペダル10の移動量および移動速度の制御処理を
適宜付加して実施することも可能である。
【0140】f.その他の変形例 以上、第1〜第5実施形態およびそれらの各種変形例に
おいて本発明に係るペダル移動装置の各種実施の態様に
ついて説明した。しかし、このペダル移動装置は、これ
らの実施形態および変形例に限定されるものではなく、
本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変形も可
能である。
【0141】例えば、上記各種実施形態および各種変形
例においては、運転操作されるペダル装置としてアクセ
ルペダル装置AP、ブレーキペダル装置BPおよびパー
キングブレーキペダル装置PPを備えた車両について説
明した。しかし、クラッチペダル装置を備えた車両にあ
っては、同クラッチペダル装置を上記アクセルペダル装
置APおよびパーキングブレーキペダル装置PP(ブレ
ーキペダル装置BP以外のペダル装置)と同様に移動制
御するとよい。ブレーキペダル10が前方に移動されて
いる途中で同ブレーキペダル10が踏み込まれた場合、
前方へのペダル踏み込み或いはペダル踏み込みの移動量
を考慮し、従来より知られているブレーキアシスト装置
の倍力比を変え、ブレーキアシスト力をより高めるよう
にすることで、車両の制動による衝突回避操作をより効
果的に行なえるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1ないし第4実施形態およびそれ
らの変形例に係るペダル移動装置の全体概略図である。
【図2】 図1のブレーキペダル装置の一例を示してい
て、ブレーキペダルが原位置にある状態を示す概略図で
ある。
【図3】 図2のブレーキペダル装置のブレーキペダル
を前方へ引き込んだ状態を示す概略図である。
【図4】 本発明の第1実施形態に係り、図1の電子制
御ユニットによって実行されるペダル引き込み制御プロ
グラムのフローチャートである。
【図5】 本発明の第2実施形態に係り、図1の電子制
御ユニットによって実行されるペダル引き込み制御プロ
グラムのフローチャートである。
【図6】 本発明の第3実施形態に係り、図1の電子制
御ユニットによって実行されるペダル引き込み制御プロ
グラムのフローチャートである。
【図7】 本発明の第4実施形態に係り、図1の電子制
御ユニットによって実行されるペダル引き込み制御プロ
グラムのフローチャートである。
【図8】 本発明の第4実施形態の第1変形例に係り、
図1の電子制御ユニットによって実行されるペダル引き
込み制御プログラムのフローチャートである。
【図9】 本発明の第4実施形態の第2変形例に係り、
図1の電子制御ユニットによって実行されるペダル引き
込み制御プログラムのフローチャートである。
【図10】 本発明の第4実施形態の第3変形例に係
り、図1の電子制御ユニットによって実行されるペダル
引き込み制御プログラムのフローチャートである。
【図11】 本発明の第4実施形態の第4変形例に係
り、図1の電子制御ユニットによって実行されるペダル
引き込み制御プログラムのフローチャートである。
【図12】 本発明の第4実施形態の第5変形例に係
り、図1の電子制御ユニットによって実行されるペダル
引き込み制御プログラムのフローチャートである。
【図13】 本発明の第4実施形態の第6変形例に係
り、図1の電子制御ユニットによって実行されるペダル
引き込み制御プログラムのフローチャートである。
【図14】 本発明の第4実施形態の第7変形例に係
り、図1の電子制御ユニットによって実行されるペダル
引き込み制御プログラムのフローチャートである。
【図15】 本発明の第4実施形態の第8変形例に係
り、図1の電子制御ユニットによって実行されるペダル
引き込み制御プログラムのフローチャートである。
【図16】 本発明の第5実施形態およびその変形例に
係るペダル移動装置の全体概略図である。
【図17】 本発明の第5実施形態に係り、図16の電
子制御ユニットによって実行されるペダル引き込み制御
プログラムのフローチャートである。
【図18】 本発明の第5実施形態の変形例に係り、図
16の電子制御ユニットによって実行されるペダル引き
込み制御プログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
BT…バッテリ、AP…アクセルペダル装置、BP…ブ
レーキペダル装置、PP…パーキングブレーキペダル装
置、10…ブレーキペダル、16,31,32…電動モ
ータ、33…アクセルペダル、34…パーキングブレー
キペダル、41…距離センサ、42…車速センサ、43
…電子制御ユニット、47…電源回路、51…先端衝突
センサ、52…電力供給遮断回路、53…車体衝突セン
サ、54…踏み込み検出スイッチ、61…シート移動装
置、62…シートベルト引き締め装置、63…運転者用
シート、65…シートベルト。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の前方衝突前に同前方衝突を予測する
    予測手段と、 前記予測手段によって車両の前方衝突が予測されたと
    き、車両を運転操作するためのペダルを前方へ移動させ
    る移動手段とを備えたことを特徴とする車両のペダル移
    動装置。
  2. 【請求項2】前記請求項1に記載した車両のペダル移動
    装置において、 前記予測手段によって車両の前方衝突が予測されたと
    き、シートベルトを引き締めるシートベルト引き締め手
    段を設けたことを特徴とする車両のペダル移動装置。
  3. 【請求項3】前記請求項1または2に記載した車両のペ
    ダル移動装置において、 前記予測手段によって車両の前方衝突が予測されたと
    き、運転者の脚部を後退させる脚部後退手段を設けたこ
    とを特徴とする車両のペダル移動装置。
  4. 【請求項4】車両の前端部に設けられて同前端部の前方
    物体への衝突を検出する先端衝突検出手段と、 前記先端衝突検出手段によって車両の前端部の前方物体
    への衝突が検出されたとき、車両を運転操作するための
    ペダルを前方へ移動させる移動手段とを備えたことを特
    徴とする車両のペダル移動装置。
  5. 【請求項5】前記請求項4に記載した車両のペダル移動
    装置において、 前記先端衝突検出手段によって車両の前端部の前方物体
    への衝突が検出されたとき、シートベルトを引き締める
    シートベルト引き締め手段を設けたことを特徴とする車
    両のペダル移動装置。
  6. 【請求項6】前記請求項4または5に記載した車両のペ
    ダル移動装置において、 前記先端衝突検出手段によって車両の前端部の前方物体
    への衝突が検出されたとき、運転者の脚部を後退させる
    脚部後退手段を設けたことを特徴とする車両のペダル移
    動装置。
  7. 【請求項7】車両の前方衝突前に同前方衝突を予測する
    予測手段と、 車両の前方物体への衝突を検出する衝突検出手段と、 バッテリから供給される電力により駆動されて車両を運
    転操作するためのペダルを前方へ移動させる駆動手段
    と、 前記予測手段によって車両の前方衝突が予測されたと
    き、車両に搭載された一部の装置へのバッテリからの電
    力供給を遮断する電力供給遮断手段と、 前記衝突検出手段によって車両の前方物体への衝突が検
    出されたとき、前記駆動手段を駆動させて前記ペダルを
    前方へ移動させる移動制御手段とを備えたことを特徴と
    する車両のペダル移動装置。
  8. 【請求項8】車両の前方衝突前に同前方衝突を予測する
    予測手段と、 前記予測手段によって車両の前方衝突が予測されたとき
    ブレーキペダルを前方へ移動させるブレーキペダル移動
    手段と、 ブレーキペダルの踏み込み操作を検出する踏み込み操作
    検出手段と、 前記踏み込み操作検出手段によってブレーキペダルの踏
    み込み操作が検出されたとき、前記ブレーキペダル移動
    手段によるブレーキペダルの前方への移動を禁止または
    抑制する移動抑制手段とを備えたことを特徴とする車両
    のペダル移動装置。
  9. 【請求項9】前記請求項8に記載した車両のペダル移動
    装置において、 車両の前方衝突を検出する衝突検出手段と、 前記衝突検出手段によって車両の前方衝突が検出された
    とき、前記移動抑制手段によるブレーキペダルの前方へ
    の移動を禁止または抑制する制御を解除する解除手段と
    を設けたことを特徴とする車両のペダル移動装置。
  10. 【請求項10】車両の前方衝突前に同前方衝突を予測す
    る予測手段と、 前記予測手段によって車両の前方衝突が予測されたとき
    ブレーキペダルを前方へ第1の速度で移動させる第1ブ
    レーキペダル移動手段と、 車両の前方衝突を検出する衝突検出手段と、 前記衝突検出手段によって車両の前方衝突が検出された
    とき、前記第1の速度よりも速い第2の速度でブレーキ
    ペダルを前方へ移動させる第2ブレーキペダル移動手段
    とを備えたことを特徴とする車両のペダル移動装置。
  11. 【請求項11】前記請求項8ないし10のうちのいずれ
    か一つに記載した車両のペダル移動装置において、 前記予測手段によって車両の前方衝突が予測されたと
    き、ブレーキペダル以外の車両を運転操作するためのペ
    ダルを前方へ移動させる他ペダル移動手段を設けたこと
    を特徴とする車両のペダル移動装置。
  12. 【請求項12】車両の前方衝突前に同前方衝突が発生す
    ることを予測する第1予測手段と、 前記第1予測手段によって車両の前方衝突が予測された
    ときブレーキペダルを前方へ移動させるブレーキペダル
    移動手段と、 ブレーキペダルの踏み込み操作を検出する踏み込み操作
    検出手段と、 前記踏み込み操作検出手段によってブレーキペダルの踏
    み込み操作が検出されたとき、前記ブレーキペダル移動
    手段によるブレーキペダルの前方への移動を禁止または
    抑制する移動抑制手段と、 車両の前方衝突前に同前方衝突が前記第1予測手段より
    も高い確率で発生することを予測する第2予測手段と、 前記第2予測手段によって車両の前方衝突が予測された
    とき、前記移動抑制手段によるブレーキペダルの前方へ
    の移動を禁止または抑制する制御を解除する解除手段と
    を設けたことを特徴とする車両のペダル移動装置。
  13. 【請求項13】車両の前方衝突前に同前方衝突が発生す
    ることを予測する第1予測手段と、 前記第1予測手段によって車両の前方衝突が予測された
    ときブレーキペダルを前方へ第1の速度で移動させる第
    1ブレーキペダル移動手段と、 車両の前方衝突前に同前方衝突が前記第1予測手段より
    も高い確率で発生することを予測する第2予測手段と、 前記第2予測手段によって車両の前方衝突が予測された
    とき、前記第1の速度よりも速い第2の速度でブレーキ
    ペダルを前方へ移動させる第2移動手段とを備えたこと
    を特徴とする車両のペダル移動装置。
  14. 【請求項14】前記請求項12または13に記載した車
    両のペダル移動装置において、 前記第1予測手段によって車両の前方衝突が予測された
    とき、ブレーキペダル以外の車両を運転操作するための
    ペダルを前方へ移動させる他ペダル移動手段を設けたこ
    とを特徴とする車両のペダル移動装置。
  15. 【請求項15】車両の前方衝突前に同前方衝突を予測す
    る予測手段と、 前記予測手段によって車両の前方衝突が予測されたとき
    ブレーキペダルを前方へ移動させるブレーキペダル移動
    手段と、 前記ブレーキペダル移動手段によるブレーキペダルの前
    方への移動速度を時間経過に従って速くするように制御
    する移動速度制御手段とを備えたことを特徴とする車両
    のペダル移動装置。
  16. 【請求項16】車両の前方衝突前に同前方衝突を予測す
    る予測手段と、 前記予測手段によって車両の前方衝突が予測されたとき
    ブレーキペダルを前方へ移動させるブレーキペダル移動
    手段と、 前記ブレーキペダル移動手段によるブレーキペダルの前
    方への移動速度を車両の前方衝突が発生するまでの時間
    が短くなるに従って速くするように制御する移動速度制
    御手段とを備えたことを特徴とする車両のペダル移動装
    置。
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