JP2003326306A - 熱間仕上タンデム圧延方法 - Google Patents

熱間仕上タンデム圧延方法

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JP2003326306A
JP2003326306A JP2003013795A JP2003013795A JP2003326306A JP 2003326306 A JP2003326306 A JP 2003326306A JP 2003013795 A JP2003013795 A JP 2003013795A JP 2003013795 A JP2003013795 A JP 2003013795A JP 2003326306 A JP2003326306 A JP 2003326306A
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Mitsutoshi Kajigaya
充敏 梶ヶ谷
Futoshi Goto
太 後藤
Takashi Motomura
隆 本邑
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱間圧延時、自動板厚制御(AGC)によっ
て被圧延材の圧延後形状起因の通板トラブルを誘発する
のを防止する。 【解決手段】 ベンダ力が制御限界に近づくにつれ、自
動板厚制御の応答を漸減し、遠ざかるにつれ漸増する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鋼鈑等の金属板の熱
間仕上タンデム圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延とは、金属材料を数100〜千
数100℃に加熱した後、熱間圧延ライン上に抽出し、
ローラーで挟圧しつつそのローラーを回転させ、薄く延
ばすことをいう。
【0003】鋼をはじめとする金属板の熱間圧延は、図
5に示すような、金属材料を加熱炉10で加熱し、粗圧
延機(Rougher)12、仕上圧延機(Finis
her)18などの圧延機を所々に配置して長く伸びる
熱間圧延ライン100上に抽出し、順次各圧延機で圧延
し、コイラー(巻取装置)24で巻き取る、という一連
のプロセスを1本1本の各被圧延材8に対して施すこと
で行われる。ここで、被圧延材とは熱間圧延ライン上に
て正に圧延加工されつつある金属材料を称する文言であ
り、最終的な製品厚まで圧延され巻き取られつつある段
階以降のものを金属板と称す。なお、金属板は金属帯を
も含む意味である。
【0004】熱間圧延ライン100上には、図5に示し
た、クロップシャー14、デスケーリング装置16、冷
却ゾーン22、などの付帯設備も配置されている。
【0005】そして、各圧延機をはじめとする各設備間
には図示しない多数のテーブルローラがあり、これによ
り被圧延材8が矢印A方向に搬送される。
【0006】粗圧延機12、仕上圧延機18は複数ある
ので、それぞれRougher、Finisherの頭
文字を取り、各圧延スタンドのナンバーを付与して、R
1、R2、R3、F1、F2…F7などと略称される。
コイラー24も同様に複数あって、号機ナンバーを付与
して、DC1、DC2などと略称される。
【0007】仕上圧延機18では1本の被圧延材を同時
に複数の圧延スタンド(図5の例ではF1、F2…F
7)で圧延するが、このように1本の被圧延材を同時に
複数の圧延スタンドで圧延することはタンデム圧延と称
されている。本発明ではこれを熱間で行う場合を対象と
するので、以下、熱間仕上タンデム圧延、と称して使用
する。
【0008】ところで、金属板の熱間仕上タンデム圧延
において、被圧延材長手方向の板厚分布を可及的に均一
にするために自動板厚制御(AGC)が、図5中の制御
装置50から熱間仕上タンデム圧延機18の各圧延スタ
ンドに対する指令により被圧延材の長手方向略全長に対
して行われ、被圧延材幅方向の板厚分布(クラウン)を
可及的に所望の目標値に近づけるよう、同様に制御装置
50からの指令により、後述のベンダの荷重連動制御が
行われ、例えば図6中の矢印の方向に、図示しないワー
クロールチョックを介してワークロール19を曲げ戻す
ようにすることで、被圧延材の長手方向略全長に対して
クラウンが制御される。
【0009】あるいは更に、被圧延材幅方向の板厚分布
を可及的に所望の目標値に近づけるようにするために
は、ベンダの荷重連動制御に加え、圧延機の形式を、図
7に示すペアクロス圧延機に代表される、ワークロール
19がクロス可能な圧延機とし、被圧延材の圧延を継続
しながらワークロールのクロス角を走間で変更する、走
間クロスと呼ばれる方法を併用する場合もある。走間ク
ロスを行う場合は、走間クロス中にベンダ力を変更し
て、その制御範囲の中央域に戻し、走間クロス終了後に
再びベンダ力が制御範囲内で制御可能な余力を持てるよ
うにする。
【0010】ここで、自動板厚制御(AGC)とは、よ
り詳しくは被圧延材幅方向中央の板厚について、その長
手方向の板厚分布を可及的に均一にする制御である。
【0011】自動板厚制御(AGC)の代表的な例とし
て、ゲージメータAGC(BISRA AGCともい
う)がある。これは、被圧延材先端から仕上圧延機出側
長換算数m〜数10mのところまで圧延したあるタイミ
ングにて、各圧延機ごとにそのときの実圧延荷重(被圧
延材を圧延することによって圧延機が被圧延材から受け
る反力)を制御装置50内でロックオンし、以降、被圧
延材尾端を圧延し終わるまで、実圧延荷重の、ロックオ
ンした圧延荷重からの、変動分に適当なゲインを掛け
て、上下ワークロール19の開度を調整する制御であ
る。
【0012】今現在圧延中の場合を仮定し、現時点の実
圧延荷重が、ロックオンした圧延荷重よりも大きければ
上下ワークロール19の間隔を閉塞するように制御が行
われ、小さければ同開放するように制御が行われる。
【0013】制御の結果、被圧延材の板厚が、その略全
長について、需要家の要求する板厚の範囲に収まればよ
い。
【0014】ロックオンが被圧延材先端から熱間仕上タ
ンデム圧延機出側長換算数m〜数10mのところまで圧
延したあるタイミングにて行われるのは、被圧延材先端
の噛み込み時の圧延機、被圧延材の過渡的な不安定な状
態が過ぎ去って、圧延機も被圧延材も安定したところ
で、ロックオンするのが合理的だからである。
【0015】なぜならば、被圧延材最先端からの板厚精
度確保を指向してもっと先端で圧延荷重をロックオンす
ると、被圧延材温度が局部的に低くて硬質であったり、
圧延機間張力がまだ起立していなかったり、という原因
が相乗し、所望よりも板厚が厚くなっているところで圧
延荷重をロックオンしてしまって、以降被圧延材尾端ま
でずっと板厚が過厚に制御されるという不当な結果につ
ながるからである。
【0016】次に、ベンダの荷重連動制御によるクラウ
ン制御についての説明に移る。
【0017】クラウンとは、金属板の圧延の結果、概し
て、圧延荷重によりワークロール19が撓むことに起因
して被圧延材の圧延後の幅方向の板厚分布が幅中央にて
凸になる山形の分布になるのが王冠(Crown)に似
ていることからこの名称があるが、そのような圧延後の
被圧延材幅方向の板厚分布のことをいう。多くの場合、
被圧延材幅最エッジから25mmのポイント(両サイド
にあるので平均する)の板厚と、被圧延材幅中央の板厚
の差をとった値で表現する。
【0018】クラウンが大きすぎると同一金属板内で板
厚が不均一であることになり品質上好ましくない。需要
家でプレスしたりすると割れたりするからである。それ
ではクラウンは可及的にゼロに近い程よいのかという
と、それは対象とする金属板の種類による。熱間圧延後
に冷間圧延を行う金属板の場合は、通板安定性確保上5
0〜100μm程度のクラウンがあった方がよく、そう
でない金属板の場合は、需要家の指定するクラウンの値
の範囲(可及的にゼロがよい場合もあるし、そうでない
場合もある)に入ればよい。
【0019】ここで、ベンダの荷重連動制御の説明に移
る前に、ベンダについて説明しておく。ベンダとは、図
8に太い矢印Bで示す方向、即ち圧延機のワークロール
19が圧延荷重により撓むのを逆側に曲げ戻す方向に力
を作用させるアクチュエータのことである。この例で
は、圧延荷重で撓んだワークロールを曲げ戻す方向に力
を作用させる、いわゆるインクリースベンダのことを言
っているわけであるが、他の例として、それとは逆に圧
延荷重で撓んだワークロールを更に撓みを大きくするよ
うに曲げる方向に力を作用させるディクリースベンダを
併設する場合もある。
【0020】図8は、ある熱間仕上タンデム圧延機のう
ちの1つの圧延スタンドの概要を示し、19はワークロ
ール、195はワークロールチョック、20はバックア
ップロールを示す。そして、誇張して示してあるが、ワ
ークロール19をベンダで太い矢印Bの方向に曲げ戻す
ことにより、被圧延材8が圧延スタンド入側(図8の左
側)で幅エッジがウエービングする耳伸びの状態であっ
たのが、圧延スタンド出側(図8の右側)では平坦にな
っている様子も同時に示す。
【0021】ベンダの荷重連動制御とは、被圧延材先端
から熱間仕上タンデム圧延機出側長換算数m〜数10m
のところまで圧延したあるタイミングにて、各圧延スタ
ンドごとにそのときの圧延荷重(被圧延材を圧延するこ
とによって圧延スタンドが被圧延材から受ける反力)を
図示しない制御装置内でロックオンし、以降、被圧延材
尾端を圧延し終わるまで、実圧延荷重の、ロックオンし
た圧延荷重からの、変動分に適当なゲインを掛けて、ベ
ンダ力を調整する制御である。
【0022】今現在圧延中の場合を仮定し、現時点の実
圧延荷重が、ロックオンした圧延荷重よりも大きければ
ベンダ力を強くするように制御が行われ、小さければ同
弱くするように制御が行われる。
【0023】制御の結果、被圧延材のクラウンが、その
略全長について、需要家の要求するクラウンの範囲に収
まればよい。
【0024】ロックオンが被圧延材先端から熱間仕上タ
ンデム圧延機出側長換算数m〜数10mのところまで圧
延したあるタイミングにて行われるのは、自動板厚制御
(AGC)の場合の理由と同様である。
【0025】走間クロスを併用する場合は、図9に示す
ように、荷重連動制御中、最大ベンダ力(MAX)に達
した時点で、クロス角を走間で変更開始して、最大ベン
ダ力を越える分について補償する、というように、荷重
連動制御中、ベンダ力が制御限界に達した時点で、クロ
ス角を走間で変更開始して、ベンダ力が制御限界を外れ
る分について補償し、被圧延材のクラウンが所定の許容
範囲に収まるようにする、という制御が行われている。
【0026】さてここで、次の話に移る。自動板厚制御
(AGC)とベンダの荷重連動制御とは、共にロックオ
ンした圧延荷重からの圧延荷重の変動分を入力とする点
で共通しているものの、制御は各々独立に行われる。
【0027】すると次に述べるような問題が生じる。ど
ちらか一方の制御の結果ともう一方の制御の結果が重畳
することに伴って、副作用的に被圧延材幅中央部板厚、
被圧延材幅方向板厚分布(クラウン)以外の被圧延材の
性状に悪影響が出る危険が生じる可能性があるところ、
そういうことは全く考慮されずに前述の2つの制御は各
々独立に行われることになるのである。
【0028】しかしながらベンダの荷重連動制御はクラ
ウン制御と関係があり、図8に示したように被圧延材幅
方向板厚分布を圧延前後で比較した場合、板厚に対する
クラウンの比率を圧延前から後にかけて小さくする方
向、つまり板厚が減少する以上にクラウンを減少させる
方向に向かわせようとすると、それはベンダ力を強める
方向に制御することにつながり、結果的に、板厚に対す
るクラウンの比率が減った分、被圧延材長手方向の伸び
が、被圧延材幅のエッジで小さく、同幅中央で大きくな
る側に作用し、図8のように圧延機入側で耳伸びの状態
であったものは圧延機出側では平坦になる側に制御され
る。
【0029】このようにクラウン制御と被圧延材の形状
(ここに示した耳伸び、ここに図示しなかった逆に幅中
央がウエービングする腹伸びなどの形状の平坦度)とは
表裏一体の関係にある。
【0030】ここで今、一例として被圧延材温度が局部
的に低い部分を圧延しはじめた場合を仮定する。する
と、低温ゆえに被圧延材は硬質で圧延荷重が大きくなる
方向に向かう。このとき自動板厚制御(AGC)は、板
厚が過厚になるのを防ごうと圧延機の上下ワークロール
間隔を閉塞させる側に制御し、ベンダの荷重連動制御は
被圧延材のクラウンが過大になるのを防ごうと、ベンダ
力を増大させる側に制御する。
【0031】ところが、ここで今、ベンダ力が制御限界
に達し、これ以上ベンダ力が増大できなくなったとす
る。ちなみに制御限界とは、ベンダの設備仕様上のベン
ダ力の上限から決まる値である。
【0032】にもかかわらず自動板厚制御(AGC)の
方の制御は継続して行われ、どんどん上下ワークロール
間隔は閉塞される側に動作する。すると更に圧延荷重が
大きくなるが、先述の通り、ベンダ力は制御限界に達
し、これ以上ベンダ力は増大できなくなっているから、
クラウンは大きくなり、被圧延材形状は耳伸びになる。
これが程度が大きくなると、図10に示すように、被圧
延材尾端8Eを圧延スタンドで圧延し終わる際に、絞り
込みと呼ばれる通板トラブルが生じる可能性が高くな
る。被圧延材形状が耳伸びになると、被圧延材尾端の平
面形状がフィッシュテール(魚の尾)状になるため、熱
間仕上タンデム圧延機18の隣接する圧延機間のサイド
ガイド185と擦りやすくなるからである。
【0033】以上は被圧延材の圧延中に局部的に圧延荷
重が大きくなった場合の話であるが、逆に小さくなった
場合、自動板厚制御(AGC)は、板厚が過薄になるの
を防ごうと圧延機の上下ワークロールを離隔させる側に
制御し、ベンダの荷重連動制御は被圧延材のクラウンが
過小になるのを防ごうと、ベンダ力を減少させる側に制
御する。
【0034】ところが、ここで今、ベンダ力が制御限界
に達し、これ以上ベンダ力が減少できなくなったとす
る。ちなみに制御限界とは、ベンダの設備仕様上のベン
ダ力の下限から決まる値である。
【0035】それにもかかわらず自動板厚制御(AG
C)の方の制御は継続して行われ、どんどん上下ワーク
ロール間隔は離隔される側に動作する。すると更に圧延
荷重が小さくなるが、先述の通り、ベンダ力は制御限界
に達し、これ以上ベンダ力は減少できなくなっているか
ら、クラウンは小さくなり、被圧延材形状は腹伸びにな
る。これが程度が大きくなると、図11に示すように、
搬送方向下流側に別の圧延スタンドがあれば、被圧延材
8が折り重なって3枚噛みの状態に達し、急激に長手方
向に引張られて開口してしまう。この現象は図12に示
すように被圧延材長手方向に断続的に発生し、開口部8
Oを更に下流側の圧延スタンドで圧延する時のショック
による激しい音と振動とともに遂には開口部分が被圧延
材幅全長にわたって裂け、破断に至る。
【0036】このように圧延中ダイナミックに制御され
る板厚制御、クラウン制御では、クラウン制御アクチュ
エータであるベンダが、自動板厚制御(AGC)よりも
先にその制御限界に達してしまうことが多い。
【0037】走間クロスを併用する場合でも、先述の通
り、ベンダ力が制御限界に達した場合、自動板厚制御
(AGC)が制御を継続する結果、同様の問題がやはり
起こる。
【0038】このような問題に対し、特許文献1では、
圧延材のクラウン比率の差で与えられる形状不感帯と対
応する圧延荷重差を、圧延パススケジュールで決定され
た圧延荷重に加えて、圧延許容荷重となし、圧延パスス
ケジュールに沿い自動板厚制御装置を用いて板圧延を行
う一方、その間圧延実荷重を検出し、この圧延実荷重が
上記の圧延許容荷重の範囲内にある限り、上記自動板厚
制御装置の作動を継続し、該範囲からの逸脱の際に上記
自動板厚制御装置の作動を解除し、圧延実荷重が前記圧
延許容荷重の範囲内に戻ったとき再び前記自動板厚制御
装置を用いて、圧延を行うことからなる板厚制御方法が
提案されている。
【0039】上記特許文献1開示の技術は簡単にいう
と、通板トラブルを起こさない耳伸び又は腹伸びの限界
相当の圧延荷重を、被圧延材の実際の圧延に先立って各
圧延機に対し予め予測計算等により求めて設定してお
き、両限界圧延荷重間の範囲から逸脱する場合は自動板
厚制御(AGC)を停止してしまう、というものであ
る。
【0040】
【特許文献1】特開昭59−153512号公報
【0041】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この特許文
献1開示の技術には、次に述べるような問題があった。
即ち、ベンダ力が荷重連動制御により結果的にその最大
または最小の制御限界まで達してもなお、クラウンを所
望の範囲内に制御不可能な域まで、実圧延荷重が耳伸び
と腹伸びの限界相当の両圧延荷重間の範囲を外れた場
合、急激に自動板厚制御(AGC)が停止する結果、隣
接する圧延機間で被圧延材に瞬間的に高い張力が作用
し、板厚が局部的に過薄になったり、逆に隣接する圧延
機間で被圧延材が緩んでだぶりが生じ、ひどい場合には
被圧延材の圧延継続が不可能になるなどの不具合が生じ
てくる。
【0042】また圧延を継続しながら走間クロスにて、
すなわちクロス角を走間で変更してベンダ力が最大また
は最小の制御限界を外れる分について、被圧延材のクラ
ウンが所定の許容範囲に収まるように補償するには、走
間クロスによるクロス角変更速度は遅いため、圧延荷重
の変動による形状の変化を補償できるのに十分なほどに
は形状制御が間に合わない場合がある、という問題もあ
る。
【0043】本発明は、従来技術のこのような問題を解
決するためになされたもので、自動板厚制御(AGC)
によって被圧延材の圧延後形状起因の通板トラブルを誘
発するのを防止することを目的としている。
【0044】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属板の熱間
仕上タンデム圧延において、ベンダの荷重連動制御と自
動板厚制御を同時に行うに際し、ベンダ力が制御限界に
近づくにつれ、自動板厚制御の応答を漸減することを特
徴とする熱間仕上タンデム圧延方法である。
【0045】本発明は又、金属板の熱間仕上タンデム圧
延において、ベンダの荷重連動制御と自動板厚制御を同
時に行うに際し、ベンダ力が制御限界に近づくにつれ、
自動板厚制御の応答を漸減し、ベンダ力が制御限界から
遠ざかるにつれ、自動板厚制御の応答を漸増することを
特徴とする熱間仕上タンデム圧延方法である。
【0046】本発明は又、金属板の熱間仕上タンデム圧
延において、ベンダの荷重連動制御と自動板厚制御に加
え、さらに走間クロスを行う場合は、ベンダ力が制御限
界に近づくにつれ、自動板厚制御の応答を漸減し、走間
クロス開始以降は、ベンダ力が制御限界から遠ざかるに
つれ、自動板厚制御の応答を漸増することを特徴とする
熱間仕上タンデム圧延方法である。
【0047】本発明によれば、圧延中の被圧延材の形状
が限界に近づくことの予兆である、ベンダ力が制御限界
に近づくことを捉え、ベンダ力が制御限界に近づくにつ
れ、自動板厚制御の応答(例えばゲイン)を漸減するよ
うにするため、急激に自動板厚制御(AGC)が停止し
て、隣接する圧延機間で被圧延材に瞬間的に高い張力が
作用し、板厚が局部的に過薄になったり、逆に隣接する
圧延機間で被圧延材が緩んでだぶりが生じたり、ひどい
場合には被圧延材の圧延継続が不可能になるなどの不具
合を防止することができる。
【0048】また、ベンダ力の増減の他に走間クロスが
可能な場合は、やはり、ベンダ力が制御限界に近づくに
つれ、自動板厚制御のゲインを漸減するが、ベンダ力が
制御限界に達し、走間でのクロス角の変更が開始した以
降は、ベンダ力の制御範囲に余力が生まれるため、ベン
ダ力が制御限界から遠ざかるにつれ、自動板厚制御の応
答(例えばゲイン)を漸増するようにするため、前述の
ような不具合を防止しつつ、板厚精度も確保することが
できる。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0050】本発明の実施の形態を適用する熱間圧延ラ
インは、図5のものを踏襲するので繰り返しの説明を省
略する。図1に制御装置50内の本発明の実施の形態に
関する制御ブロック図を示し、図13に従来のものを示
す。本発明では、従来のリミッタに代えて、チューニン
グ係数αを乗算するようにしている。
【0051】本発明の実施の形態に関する図1の制御ブ
ロック図において特徴的なことは、実ベンダ力Fbを自
動板厚制御(AGC)の出力に反映させたことである。
図1中の太線の矢印で示した経路を経て、実ベンダ力F
bを自動板厚制御(AGC)のゲインのすぐ後に乗算す
るチューニング係数αに反映するようにしている。
【0052】具体的なチューニング係数αの値は、例え
ば、図2に実線Cで示すように、実ベンダ力Fbに応じ
て、自動板厚制御(AGC)のチューニング係数αを変
化させるようにする。図2に示すものは、いわば台形状
ともいえ、本発明にいう漸減とはこのような場合も含む
意味とするが、ベンダ力Fbの設備仕様上の制御限界の
うちの上限値(Fbmax)あるいは下限値(Fbmin)と現
在値との差を見て現在値が上限値(Fbmax)あるいは下
限値(Fbmin)に近い領域では自動板厚制御(AGC)
のゲイン後の出力に対し、漸減的にゼロに近づくチュー
ニング係数を掛け算するようにし、現在値が上限値(F
bmax)あるいは下限値(Fbmin)から遠い領域では、大
きなチューニング係数αmaxを自動板厚制御(AGC)
のゲイン後の出力に対し、掛け算するようにする。例え
ばαmax=1とすればよい。
【0053】現在値が上限値(Fbmax)あるいは下限値
(Fbmin)に近いか遠いかの閾値βは、例えばFbmaxの
20%というように固定して考え、Fbmax−β〜Fbmax
の領域、Fbmin〜Fbmin+βの領域を上限値(Fbmax)
あるいは下限値(Fbmin)に近い領域、Fbmin+β〜F
bmax−βの領域を上限値(Fbmax)あるいは下限値(F
bmin)から遠い領域、とするなどすればよい。
【0054】なお、本発明はこれに限るものではなく、
図2に示す台形状のチューニング係数αの分布は、台形
状のものの代りに、ルート曲線状のもので代替するな
ど、要はベンダ力が制御限界に近づくにつれ、自動板厚
制御の応答を漸減するものであれば、この他のものであ
ってもよい。
【0055】ここで、ひとたび、ベンダ力が制御限界に
近づいたり、制御限界に達したのちに、圧延中自然とベ
ンダ力が制御限界から遠ざかりはじめることもあるが、
こういう場合は、ベンダ力が制御限界から遠ざかるにつ
れ、自動板厚制御の応答を漸増するようにするのが好ま
しい。
【0056】しかしながら、ベンダ力が制御限界に達し
て以降、制御限界から遠ざかっても自動板厚制御の応答
を漸増させないようにしたとしても、その特定のスタン
ドで自動板厚制御が効かなくなるだけであり、他のスタ
ンドでカバーするようにすることで別段大きな問題は生
じない。
【0057】また、ベンダ力の増減の他に走間クロスが
可能な場合も同様の自動板厚制御ゲインの設定のしかた
を踏襲して良い。即ち、ベンダ力が制御限界に近づき自
動板厚制御ゲインを漸減している間に、ベンダ力が制御
限界に達し、クロス角の変更が開始すると、ベンダ力は
変更され、その制御範囲の中央域に戻されるように制御
されるから、それによりベンダ力の制御範囲に余力が生
まれれば、自動的に自動板厚制御ゲインは漸増するた
め、耳伸び、腹伸びといった形状が極端に悪化するのを
抑制しつつ、自動板厚制御による板厚制御能力も十分に
発揮できる。
【0058】一方、従来技術は、いってみれば図2中に
破線Dで示した四角状にチューニング係数αが分布して
いると考えることもできる。
【0059】
【実施例】(実施例1)図3に、本発明を仕上圧延機1
8のF1、F2各圧延スタンドにそれぞれ適用した場合
の圧延荷重、ベンダ力、上下ワークロール間隔、各圧延
機出側板厚、各圧延機出側形状、チューニング係数αの
被圧延材長手方向を横軸にとった場合の変化の例を被圧
延材8の仕上圧延機18入側温度と共に示し、図14
に、本発明実施前の例を比較して示す。
【0060】図14に示すように、本発明実施前の板厚
制御は、各圧延機での目標板厚を達成しようとしている
ため、仕上圧延機18入側温度の変化に対して板厚を一
定にしようとしているが、圧延荷重変動に伴い、ベンダ
力は制御限界を超えてしまい、耳伸び(+)形状(急峻
度:%)が発生してしまっている。
【0061】これに対して、本発明を適用した場合は、
図3に示す如く、F1出側板厚偏差が発生しているもの
の、ベンダ力はその制御限界内で圧延をしているため被
圧延材8の形状に急激な変化は発生していない。更に、
F1で発生してしまった板厚偏差は、結果的にF2出側
板厚では解消していることがわかる。
【0062】(実施例2)また、ベンダ力の増減の他に
走間クロスが可能な場合は、図4にF4に本発明を適用
した場合の例を示す如く、ベンダ力が制御限界に近づ
き、自動板厚制御ゲインを漸減している間こそ当該スタ
ンド出側板厚の目標からの偏差が若干大きくなっている
が、クロス角を走間で変更してベンダ力の制御範囲に余
力が生まれた以降は、図15に示した従来例に比べ、当
該スタンド出側板厚の目標からの偏差は相当程度抑制さ
れ、クロス角を変更している時間帯のみわずかに発生す
るにとどまっていることがわかる。なお、図示していな
いが、このときF4で発生してしまった板厚偏差は、結
果的にF5出側板厚では解消していたことをここに付記
しておく。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、自動板厚制御(AG
C)によって被圧延材の圧延後形状起因の通板トラブル
を誘発するのを防止することができる。
【0064】本発明により、月1回の頻度で発生してい
た上記のような通板トラブルは解消することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における制御ブロック図
【図2】同じくチューニング係数を示す線図
【図3】本発明を適用した結果を示すタイムチャート
【図4】ベンダ力の増減の他に、走間クロスが可能な場
合の、本発明を適用した結果を示すタイムチャート
【図5】熱間圧延ラインとその構成設備の全体レイアウ
トを示した図
【図6】クラウン制御原理を示した図
【図7】ペアクロス圧延機の構造と、そのクラウン制御
原理を示した図
【図8】ベンダの作用の説明図
【図9】ベンダ力の増減の他に走間クロスが可能な場合
の各動作を、自動板厚制御にともなうロール間隙の動作
とともに示した図
【図10】絞り込みの様子を示す斜視図
【図11】腹伸びによる通板トラブルの様子を示す側面
【図12】腹伸びによる通板トラブルの様子を示す斜視
【図13】従来例の制御ブロック図
【図14】従来例を適用した結果を示すタイムチャート
【図15】ベンダ力の増減の他に、走間クロスが可能な
場合の、従来例を適用した結果を示すタイムチャート
【符号の説明】
8…被圧延材 10…加熱炉 12…粗圧延機 14…クロップシャー 16…デスケーリング装置 18…仕上圧延機 185…サイドガイド 19…ワークロール 195…ワークロールチョック 20…バックアップロール 22…冷却ゾーン 23…冷却水噴射ヘッダー 24…コイラー 25…コイラーピンチロール 50…制御装置 100…熱間圧延ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本邑 隆 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 Fターム(参考) 4E024 AA03 AA07 CC02 DD02 EE01 GG03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属板の熱間仕上タンデム圧延において、
    ベンダの荷重連動制御と自動板厚制御を同時に行うに際
    し、ベンダ力が制御限界に近づくにつれ、自動板厚制御
    の応答を漸減することを特徴とする熱間仕上タンデム圧
    延方法。
  2. 【請求項2】金属板の熱間仕上タンデム圧延において、
    ベンダの荷重連動制御と自動板厚制御を同時に行うに際
    し、 ベンダ力が制御限界に近づくにつれ、自動板厚制御の応
    答を漸減し、 ベンダ力が制御限界から遠ざかるにつれ、自動板厚制御
    の応答を漸増することを特徴とする熱間仕上タンデム圧
    延方法。
  3. 【請求項3】金属板の熱間仕上タンデム圧延において、
    ベンダの荷重連動制御と自動板厚制御に加え、さらに走
    間クロスを行うに際し、 ベンダ力が制御限界に近づくにつれ、自動板厚制御の応
    答を漸減し、 走間クロス開始以降は、ベンダ力が制御限界から遠ざか
    るにつれ、自動板厚制御の応答を漸増することを特徴と
    する熱間仕上タンデム圧延方法。
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