JP2003326261A - 浴水浄化装置 - Google Patents

浴水浄化装置

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JP2003326261A
JP2003326261A JP2002133728A JP2002133728A JP2003326261A JP 2003326261 A JP2003326261 A JP 2003326261A JP 2002133728 A JP2002133728 A JP 2002133728A JP 2002133728 A JP2002133728 A JP 2002133728A JP 2003326261 A JP2003326261 A JP 2003326261A
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Japan
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bath water
bath
bathwater
bacteria
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JP2002133728A
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English (en)
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Toshihiro Otsubo
寿弘 大坪
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Denso Corp
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/30Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies
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  • Filtration Of Liquid (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 残留塩素濃度を高めなくても抗菌作用を有す
る電解水生成手段を配設させることで浴水の浄化および
抗菌を可能とした浴水浄化装置を実現する。 【解決手段】 浴水が導かれる電解槽21、一方がフェ
ライト材よりなる一対の電極22、23を有し浴水を電
気分解により電解水を生成する電解水生成手段20と、
浴水を通過させて浄化する浄化槽31を有し電解水生成
手段20による電解水を混入させて浴水を抗菌するとと
もに、浴水を浄化する浴水浄化手段30とを備え、電解
水生成手段20は、浴水中に含まれる細菌の対数増殖開
始時期以前に、電極22、23間に電圧を印加させるこ
とにより、次亜塩素酸および酸素活性種を含む電解水を
生成させて浴水に混入するように構成した。これによ
り、浴水の浄化および抗菌を可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浴槽内の浴水を抗
菌するとともに浄化する浴水浄化装置に関するものであ
り、特に浴水に含まれる塩素イオンから次亜塩素酸およ
び酸素活性種を含む電解水を生成する電解水生成手段に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の浴水浄化装置として、例
えば、特開2000−140859号公報に開示されて
いる。この公報では、浴槽内の浴水を循環する流路と、
この浴水を強制的に循環させる循環手段と、物理的に懸
濁物質の除去を行う濾過手段と、浴槽に次亜塩素酸を添
加可能な抗菌手段と、循環手段および抗菌手段の動作を
制御して、浴水中に浮遊または浴槽壁面に付着する細菌
の対数増殖開始以前の特定の時期に一定濃度の次亜塩素
酸の添加を行う制御手段とからなるものである。
【0003】これにより、浴水中に懸濁する垢などの有
機物を濾過手段で濾過除去するだけでなく、制御手段に
より抗菌手段の働きで、浴水中に浮遊または浴槽壁面に
付着した細菌が活発に増殖する前の時点、つまり、これ
らの細菌の対数増殖期以前に抗菌作用を有する次亜塩素
酸を浴水に添加し、浴水中の残留塩素の濃度を一定にす
ることで、細菌の増殖活性を低下させ、細菌の対数増殖
開始の時間を遅らせることができる。従って、浴槽内の
水の衛生性を保つことができるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報によれば、浴水に次亜塩素酸を添加することにより浴
水中の残留塩素濃度を任意のレベルに保つことができる
ものの、残留塩素のレベルを高めることで細菌の増殖を
抑制できるが、残留塩素濃度が高くなると塩素臭が強く
なり入浴者に不快感を感ずる問題がある。
【0005】そこで、本発明の目的は、上記点を鑑みた
ものであり、残留塩素濃度を高めなくても抗菌作用を有
する電解水生成手段を配設させることで浴水の浄化およ
び抗菌を可能とした浴水浄化装置を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記、目的を達成するた
めに、請求項1ないし請求項3に記載の技術的手段を採
用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、浴槽
(1)内の浴水が導かれる電解槽(21)、およびこの
電解槽(21)内に配設され、導電性金属よりなる一対
の電極(22、23)を有し、浴水を電気分解すること
により電解水を生成する電解水生成手段(20)と、浴
水を通過させて浄化する浄化手段(31)を有し、必要
に応じて電解水生成手段(20)による電解水を混入さ
せて浴水を抗菌するとともに、浴槽(1)から浴水を循
環させて浴水を浄化する浴水浄化手段(30)とを備え
る浴水浄化装置において、電解水生成手段(20)は、
浴水中に浮遊または浴槽壁面に付着する細菌の対数増殖
開始時期以前に、浴水浄化手段(30)を循環する浴水
を電解槽(21)内に導いて、電極(22、23)間に
電圧を印加させることにより、少なくとも次亜塩素酸お
よび酸素活性種を含む電解水を生成させて浴水に混入す
るように構成したことを特徴としている。
【0007】請求項1に記載の発明によれば、浴水の濁
度は、浴水中に含まれる垢など懸濁物質の粒子の数に比
例すると知られている。この種の浴水浄化装置において
は、粒子径の大きい懸濁物質は浄化手段(31)にて除
去できるものの、浄化手段(31)にて除去できない粒
子径の小さい懸濁物質は、入浴開始後数時間後に浴水中
の溶存有機物を栄養源として急激な増殖、つまり、対数
増殖する細菌が増加するために濁度が細菌の増加ととも
に上昇するものであると知られている。
【0008】そこで、本発明は、細菌が急激に増加する
対数増殖開始時期以前に、抗菌作用を有する次亜塩素酸
の他に酸素活性種を生成させることにより、酸素活性種
が抗菌作用を有することで、次亜塩素酸の濃度、つま
り、残留塩素濃度を高めなくても細菌の増殖を抑制させ
浴水の濁度の上昇を抑えることができる。
【0009】また、浴水に混入される次亜塩素酸の残留
塩素濃度が低いことにより、入浴者に塩素臭による不快
感を与えることはない。
【0010】請求項2に記載の発明では、電極(22、
23)は、高電位電圧が印加される電極(22、23)
がフェライトで形成されていることを特徴としている。
【0011】請求項2に記載の発明によれば、具体的に
は、電極(22、23)にフェライト材を用いて電気分
解することにより、次亜塩素酸および酸素活性種を含む
電解水が生成され、これらが抗菌作用を有することで、
残留塩素濃度を高めなくとも細菌の増殖を抑制させ浴水
の濁度の上昇を抑えることができる。
【0012】請求項3に記載の発明では、電解水生成手
段(20)は、入浴開始後2時間以内、好ましくは入浴
開始直後に、次亜塩素酸および酸素活性種を含む電解水
を生成させて浴水に混入するように構成したことを特徴
としている。
【0013】請求項3に記載の発明によれば、上述した
細菌の対数増殖開始時期は、発明者の研究によると、浴
水の汚れ度合いを表す汚濁指数として、上水基準や浴場
水基準に用いられているKMnO4消費量(過マンガン
酸カリウム消費量)をパラメータとして細菌の対数増殖
開始時期を実験により求めてみると、2時間経過後に細
菌が急上昇することを見出した。そこで、本発明では、
入浴開始後2時間以内、好ましくは入浴開始直後に、次
亜塩素酸および酸素活性種を含む電解水を生成させて浴
水に混入するように構成したことにより、残留塩素濃度
を高めなくとも細菌の増殖を抑制させ浴水の濁度の上昇
を抑えることができる。
【0014】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものであ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の浴水浄化装置を浴
槽内の浴水を浄化する浴水浄化装置に適用した一実施形
態を図1ないし図8に基づいて説明する。図1は浴水浄
化装置10の全体構成を示す模式図である。
【0016】本実施形態の浴水浄化装置10は、図1に
示すように大別すると、次亜塩素酸および酸素活性種を
含む電解水を生成する電解水生成手段20と浴槽1内の
浴水を循環させて浴水を浄化する浴水浄化手段30、制
御装置40、および外部熱源装置50から構成されてい
る。
【0017】浴水浄化手段30は、使用者が入浴した
り、時間が経過することにより汚れが生じた浴槽1内の
浴水を浄化する浄化部31aを内部に備えた浄化手段で
ある浄化槽31、浴水を汲み上げる循環手段である循環
ポンプ32、および浴槽1から浴水を汲み上げて浄化槽
31へ流通させ浴槽1に戻すための循環水通路33から
構成されている。
【0018】外部熱源装置50は、浴槽1内にお湯張り
や差し湯などの給湯および浴水を加温する熱源装置であ
って、循環水通路33に接続されている。この循環水通
路33は、浴槽1から浴水を汲み上げて循環ポンプ3
2、外部熱源装置50、浄化槽31、電解水生成手段2
0、および浴槽1に戻すための各接続配管AないしGか
らなる循環通水路と、浄化槽31内に外部熱源装置50
からの温水を供給する給湯配管Jと、下流端が浴槽1外
に排水する排水配管Hとから構成されている。
【0019】接続配管Aは、浴槽1から浴水を吸入する
ための吸入管であって、上流側端部には、浴槽1内から
接続配管Aに浴水を吸入するための図示しない吸入ユニ
ットが取り付けられている。この吸入ユニットには、浴
槽1に溜められる浴水に浸漬される位置に形成された吸
入口(図示しない)と、この吸入口よりも下流側に設け
られたフィルタ(図示しない)と、このフィルタよりも
さらに下流側に設けられた逆止弁(図示しない)とを有
している。
【0020】これにより、浴水が吸入ユニットを通過す
る際に、フィルタ(図示せず)により入浴後の髪の毛な
どの大きなごみは除去される。また、さらに下流側に設
けられた逆止弁(図示せず)によって浴水の浴槽1への
逆流は防止される。
【0021】一方、下流端は第1三方弁34に接続さ
れ、接続配管Aの途中には循環ポンプ32が設けられて
いる。この第1三方弁34は、接続配管Aから吸入した
浴水を浄化槽31への流通方向を順方向(浄化運転モー
ドのとき)に流通させるか、または逆方向(逆洗浄運転
モード)に流通させるかのいずれか一方に切り換える三
方弁である。
【0022】接続配管Bは、第1三方弁34と外部熱源
装置50とを接続する配管であり、接続配管Cは、外部
熱源装置50と第2三方弁35とを接続する配管であ
る。この第2三方弁35は、浄化槽31へ流通させる
か、または浄化槽31から排水配管Hのいずれか一方に
流れ方向を切り換えるための三方弁である。接続配管D
は第2三方弁35と浄化槽31とを接続する配管であ
る。この接続配管Dには、水温センサ36が設けられて
いて、外部熱源装置50により加温された浴水温度を検
知するものである。
【0023】次に、浄化槽31の浄化部31aは、濾材
として、例えばφ0.3〜0.5mm程度のセラミック
ス(例えば、アルミナ)からなるビーズを積層させたも
ので、その浄化部31aに浴水を流通させて浴水中の懸
濁物質粒子などの汚れをろ過することで物理的に除去す
る。なお、これらの濾材は、概して懸濁物質の粒子径
が、例えば約10μm以上の粒子であれば除去できるも
のである。ここで、本実施形態では、浄化運転モードに
おける浄化槽31内の流れ方向は、図中に示すように、
上から下へ流す順方向であるため浄化部31aの上流側
に濾過された懸濁物質が溜まるように構成している。
【0024】接続配管Eは、一端が浄化槽31に他端が
電解水生成手段20の電解槽21に接続され、接続配管
Eの途中に第1二方弁37が設けられている。この第1
二方弁37は、浄化槽31と電解槽21との間を開閉す
る開閉弁であり、濾過された浴水、すなわち、粒子径の
小さい懸濁物質を電解槽21内に流通させる浄化運転モ
ード(後述する)のときに開弁するように制御される。
【0025】接続配管Fは電解槽21内で電気分解され
た浴水を浴槽1内に戻すための吐出管である。下流側端
部には浴槽1に溜められる浴水に浸漬される位置に形成
された吐出口(図示しない)を有する吐出ユニットが取
り付けられている。また、接続配管Fの吐出口(図示し
ない)側の近傍には、浴槽1内の水位を検出する圧力セ
ンサ38が設けられおり、この圧力センサ38の水位レ
ベルの上昇、下降により入浴者の有無を検知している。
【0026】接続配管Gは、一端が第1三方弁34に他
端が給湯配管Jの下流側の分岐点J1に接続されてお
り、逆洗浄運転モード(後述する)のときに、浴槽1内
の浴水を浄化槽31内に順方向の逆となる逆方向に流通
させるように構成している。
【0027】なお、給湯配管Jの途中には第2二方弁3
9が設けられ、外部熱源装置50から供給される給湯を
開閉する開閉弁である。この第2二方弁39は、浄化槽
31内に高温の給湯水を供給させて熱抗菌を行なう熱洗
浄運転モード(後述する)のときと、お湯張り、差し湯
など浴槽1内に給湯する給湯運転モード(後述する)と
きに開弁する弁である。
【0028】次に、本発明の要部である電解水生成手段
20について説明する。電解水生成手段20は、浴水浄
化手段30に循環する浴水を導き、その浴水中の塩素イ
オンから浴水を抗菌するための次亜塩素酸および酸素活
性種を電気分解によって生成させて浴水に混入させるも
のである。
【0029】本実施形態の電解水生成手段20は、浴水
が導かれる電解槽21、この電解槽21内に配設され互
いに極性の異なる電極22、23およびこの両電極2
2、23に電源である電圧を印加する電圧印加手段24
から構成している。この電解槽21には、下方側が浴水
を電解槽21内に導くための接続配管Eに接続され、上
方側が生成された次亜塩素酸および酸素活性種を浴槽1
内に戻す接続配管F接続されている。
【0030】電解槽21は、浄化槽31で濾過された浴
水を電気分解する電解槽であり、電解槽21内には、電
圧印加手段24に接続されたフェライトおよびチタン白
金からなる一対の電極22、23が対向して配設されて
いる。一対の電極22、23のうち、電圧印加手段24
により高電位電圧が印加される電極22側が導電性金属
であるフェライト材で板状に形成され、低電位電圧が印
加される電極23側が不溶性金属(例えば、Ti材にP
tメッキもしくはPtを焼成)で板状に形成されてい
る。
【0031】電圧印加手段24は、浄化運転モード(後
述する)のときに、一対の電極22、23間に電圧(例
えば、15V)を印加させるとともに、一日あたり所定
時間(例えば、10秒程度)のみ印加する電圧の極性を
反転させて電極22、23に付着するスケールを除去す
るように制御される。これにより、電解効率の低下を防
止する。
【0032】また、使用者が操作する操作盤(図示せ
ず)が設けられており、その操作盤には電解水生成手段
20、循環ポンプ32、外部電源装置50などの機能部
品の動作を指令する図示しない浄化スイッチ、給湯スイ
ッチなどの操作スイッチが備えられている。この操作盤
の操作信号は制御手段である制御装置40に入力され
る。制御装置40には、上述した浄化、熱洗浄、逆洗浄
および給湯運転モードの制御プログラムが設けられてお
り、操作盤からの操作信号の他に、水温センサ36や圧
力センサ38からの検知信号を入力し循環ポンプ32、
第1、第2三方弁34、35、第1、第2二方弁37、
39、電圧印加手段24、および外部電源装置50を制
御するように構成している。
【0033】本実施形態では、図示しない浄化スイッチ
を操作することで、圧力センサ38によって入浴を検知
し、入浴終了後に浄化運転、熱洗浄運転、逆洗浄運転を
組み合わせて入浴後の浴水の浄化、抗菌および加温を行
なって、浴水の細菌の増殖抑制と濁度の上昇を防止でき
るものである。
【0034】次に、以上の構成による浴水浄化装置10
の作動について説明する。家庭用や業務用の風呂など
は、入浴により剥離した人体の由来の垢などの有機物で
ある懸濁物質が浴水中に含まれる。一般的に、この懸濁
物質を放置しておくと浴水中の溶存態有機物を栄養源と
して細菌が増殖することで浴水の濁度が上昇してしまう
ことが知られている。
【0035】例えば、運輸省港湾技術研究所発行の宮
崎、早乙女、増田による港湾技研NO.284、197
8「濁度測定における粒径の影響について」の文献によ
れば、この濁度は、下記の(数式1)に示すように、懸
濁物質(細菌)の粒子径dと粒子数Nに比例している。
つまり、細菌の粒子径が大きいほど、粒子数が多いほど
濁度が上昇する。
【0036】
【数1】 T=n*dm*N ここで、T:濁度、n:係数、d:粒子径(μm)、
m:係数、N:粒子数(個/ml)である。
【0037】ところで、汚れた浴水の粒子径の分布を調
べてみると、図3(a)に示すように、特に粒子径が約
4μm以下の細菌の粒子数が増加している。これを図3
(b)に示すように、粒子径の10μmを境にして10
μm以下と10μm以上とで濁度を求めてみると、10
μm以下の粒子は全体の約75%を占め濁度が0.59
8、10μm以上の粒子は約25%を占め濁度が0.1
94となっている。すなわち、粒子径の小さい細菌数が
多いほど濁度が上昇してしまう。この種の浴水浄化装置
の濾材を用いた浄化部31aでは、概して粒子径10μ
m以上の粒子については除去が可能であるが、粒子径1
0μm以下の粒子を除去しないと濁度の上昇を防止でき
ない問題がある。
【0038】しかも、上記濁度は、細菌の対数増殖と同
時に進行するので細菌が対数増殖を開始する以前に、細
菌の増殖活性を低下させ、細菌の対数増殖を阻害させる
ことで浴水の濁度を抑制できる。ここで、浴水中の細菌
増殖特性の一例を図4に示した。図4は、水道水基準や
浴場水基準に用いられている汚濁指数であるKMnO4
消費量(過マンガン酸カリウム消費量)をパラメータと
して、細菌の対数増殖開始時期を求めた特性図である。
これによると、KMnO4消費量の大小にかかわらず入
浴開始後約2時間経過後に急激な増殖、つまり対数増殖
を開始し、その後順次増加して24時間程度まで微増し
ていることが分かった。
【0039】そこで、本発明は、浴水浄化手段30に電
解水生成手段20を設け、浄化運転の作動を対数増殖開
始時期以前に運転させ、次亜塩素酸および酸素活性種を
生成させて浴水中の細菌を抗菌することにより、次亜塩
素酸の濃度、つまり、残留塩素濃度を高めなくても細菌
の増殖抑制をして濁度の上昇を防止したものである。
【0040】本実施形態では、図示しない浄化スイッチ
がオンに投入されておれば、入浴開始直後から浄化運転
が圧力センサ38の検知信号によって自動的に開始され
るように制御する。この圧力センサ38は、浴槽1内の
水位レベルを圧力で検知させたもので、使用者が所望す
る水位レベルを初期設定圧力としている。従って、浴槽
1内へのお湯張りはこの初期設定圧力に相当する水位レ
ベルとなっている。そして、入浴開始の検知は圧力セン
サ38の検知信号により、浴槽1内の水位レベルの変動
によって入浴者の有無を検知すると、浄化運転が開始さ
れ、制御装置40により、第1、第2三方弁34、35
を図1に示す実線の矢印の流れ方向に切り換えさせ、第
1二方弁37を開弁させ、循環ポンプ32を作動させる
ことで、浴槽1内の浴水が浴槽1→接続配管A→第1三
方弁34→接続配管B→外部熱源装置50→接続配管C
→第2三方弁35→接続配管D→浄化槽31→接続配管
E→電解槽21→接続配管F→浴槽1の経路で循環され
る。
【0041】これにより、浴水中の垢などの懸濁物質が
浄化部31aの濾材で物理的に濾過される。浄化部31
aでは、おもに、懸濁物質の粒子径が約10μm以上の
粒子を濾過し、その浄化部31aの上流側に溜めること
により浴水が浄化される。そして、粒子径の約10μm
以下の粒子を含んだ浴水は電解水生成手段20の電解槽
21内に導かれる。
【0042】電解水生成手段20は、電圧印加手段24
に電源が通電されて両電極22、23間に電圧が印加さ
れると、両電極22、23間に電流が流れ電気分解が行
なわれる。これにより、電解槽21内では、次亜塩素酸
(HOCl)および酸素活性種が生成される。まず、次
亜塩素酸(HOCl)の化学式について図2に基づいて
説明する。
【0043】図2に示すように、高電位側である陽極側
の電極22近傍では、下記化学式(1)によって示され
るように水酸化物イオン(OH-)が分解され、相対的
に水素イオン(H+)濃度が高まることによって強酸性
水が生成されるとともに、化学式(2)、(3)によっ
て示すように、塩素イオン(Cl-)が一旦、塩素ガス
(Cl2↑)となった後、水と反応し抗菌成分である次
亜塩素酸(HOCl)が生成される。このように生成さ
れた強酸性水および次亜塩素酸によって浴水の抗菌が行
われる。
【0044】
【化1】 4OH-+4e+→O2↑+H2
【0045】
【化2】 2Cl-+2e+→Cl2
【0046】
【化3】 H2O+Cl2→HOCl+H++Cl- 一方の低電位側である陰極側の電極23近傍では、下記
化学式(4)に示すように、水素イオン(H+)が水素
ガス(H2↑)に分解され、相対的に水酸化イオン(O
-)の濃度が高められアルカリイオン水が生成され
る。
【0047】
【化4】 2H++2e-→H2↑なお、陰極側に発生し
た水素ガス(H2↑)は、図示しない排気口から大気に
排出される。また、本実施形態では、陽極側の電極22
にフェライト材を用いることにより、次亜塩素酸を生成
するとともに、生成過程のメカニズムについては現状に
おいては不明であるが、次亜塩素酸と同様の抗菌作用を
有する酸素活性種が生成される。この酸素活性種は、例
えば過酸化水素(H22)、ヒドロキシラジカル(OH
・)スーパーオキシドアニオン(O・2 -)などに相当す
るもので二つの酸素原子の孤独な電子がくっついて酸素
分子となっており、酸化還元電位が次亜塩素酸よりも同
等もしくは強いため抗菌作用を有している。従って、こ
のフェライト材からなる電極22を用いて電気分解する
ことにより、次亜塩素酸の濃度を高めなくても酸素活性
種の抗菌作用により細菌の増殖を抑制することができ
る。
【0048】因みに、このフェライト材を用いる効果を
発明者は、実験によって検証したので図5に基づいて説
明する。図5は、両電極22、23に不溶性金属である
チタン白金(例えば、Ti材にPtメッキもしくはPt
を焼成)で形成したものと、本実施形態のフェライト材
を用いたものとで、対数細菌数(cfu/ml)および
次亜塩素酸濃度(ppm)を比較した特性図である。図
中実線で示したものがチタン白金電極であり、図中破線
で示したものがフェライト電極である。
【0049】これによれば、フェライト電極は次亜塩素
酸濃度(ppm)を高めることなく、チタン白金電極と
同等の対数細菌数(cfu/ml)の抑制ができる。従
って、次亜塩素酸濃度(ppm)が高まると塩素臭によ
る不快感を生ずるが、この程度であれば入浴者に塩素臭
による不快感を与えることはない。なお、制御装置40
は、上述した浄化運転のときに、別途水温センサ36か
らの検知信号に基づいて使用者が設定した設定水温にな
るように外部熱源装置50を制御している。
【0050】次に、入浴者の入浴が完了し圧力センサ3
8が初期設定圧力を検知したら所定時間(例えば、20
分程度)後、浄化運転から熱洗浄運転モードに切り換
る。この熱洗浄運転は、浄化部31aの上流側に溜まっ
た細菌を熱抗菌するとともに、濾過された蛋白質汚れの
熱変性させて浄化部31aより剥離しやすくするための
運転である。なお、上述した浄化運転は入浴者が入浴を
完了しても熱洗浄運転に切り換えるまで継続している。
【0051】この熱洗浄運転のときは、制御装置40に
より、第1、第2三方弁34、35を図6に示す破線の
矢印の流れ方向に切り換えさせ、第1二方弁37を閉弁
させ、第2二方弁39を開弁させて外部熱源装置50を
作動させる。これにより、外部熱源装置50からの給湯
水が給湯配管J→浄化槽31→排水配管H→機外に排水
の経路が形成される。
【0052】そして、外部熱源装置50は水温センサ3
6が所定温度(例えば、80℃程度)になるまで高出力
にて運転し、所定温度に達したら第2二方弁39を閉弁
させ、外部熱源装置50を停止する。そして、暫くの間
(例えば、3分程度)、浄化槽31内を高温の状態を維
持することで、高熱による抗菌と汚れの熱変性が実行さ
れる。そして、暫くの間経過後再び、第2二方弁39を
開弁させて、所定時間、設定温度による給湯水を供給す
るように外部熱源装置50を運転し、浄化槽31内の高
温水および浄化部31aの上流側に溜まった汚れを機外
に排出する。以上の浄化運転を入浴ごとに繰り返すこと
で、濁度の上昇は防止できるが、浴水に溶存している有
機物は分解しないため浴水中に蓄積されてしまう。
【0053】図7は、毎日入浴者が5人、入浴ごとに浄
化運転を4日間繰り返したときの浴水の濁度とKMnO
4消費量とを測定したデータである。これによると、浄
化運転により、その都度濁度は低下するが、KMnO4
消費量においては経過日数ごとに上昇してしまう。そこ
で、本実施形態では、逆洗浄運転モードを設けてKMn
O4消費量の上昇を防止させている。
【0054】具体的には、上述の熱洗浄運転の間隔を計
測し所定時間経過後に最終入浴者に熱洗浄運転と判定さ
せて逆洗浄運転を実行する。このときは、図6に示すよ
うに、熱洗浄運転のときの状態から第2二方弁39を閉
弁させて循環ポンプ32を所定時間作動させる。これに
より、浴槽1内の浴水が浴槽1→接続配管A→第1三方
弁34→接続配管G、J→浄化槽31接続配管D→第2
三方弁35→排水配管H→機外に排水の経路が形成され
る。これにより、浴水の一部が排水され、浴水中に溶存
している有機物が機外に排水される。そして、この逆洗
浄運転後は、再度熱洗浄運転を実行して浄化槽31内を
熱抗菌させた後、給湯運転を実行させる。
【0055】なお、給湯運転は、浴槽1内に設定温度の
給湯水を初期設定圧力に達するまでお湯張りを行なうこ
とであり、制御装置40により、第1、第2三方弁3
4、35を図8に示す実線の矢印の流れ方向に切り換え
させ、第1、第2二方弁37を開弁させて外部熱源装置
50を作動させる。これにより、外部熱源装置50から
設定温度の給湯水が給湯配管J→浄化槽31→接続配管
E→電解槽21→接続配管F→浴槽1の順に供給され
る。なお、このときには電解水生成手段20を作動させ
ない。従って、逆洗浄運転を行なうことにより、浴槽1
内の浴水の一部が入れ替わることで濁度が低下するとと
もに、KMnO4消費量も上昇せずに浄化が維持され
る。
【0056】以上の一実施形態の浴水浄化装置によれ
ば、浴水の濁度は浴水中に含まれる垢などの懸濁物質の
粒子数に比例するものである。特に、浄化槽31で濾過
することができない粒子径の小さい粒子は、浴水中の溶
存有機物を栄養源として増殖した細菌であって、この細
菌が増加するほど濁度が上昇してしまう。
【0057】また、この細菌の対数増殖開始時期は、発
明者の研究によると、浴水の汚れ度合いを表す汚濁指数
として、上水基準や浴場水基準に用いられているKMn
O4消費量(過マンガン酸カリウム消費量)をパラメー
タとして細菌の対数増殖開始時期を実験により求めてみ
ると、2時間経過後に細菌が急上昇することを見出し
た。
【0058】そこで、本実施形態では、電解水生成手段
20の電極22をフェライト材で形成し、電解槽21内
に浴水を導いて対数増殖開始時期以前、好ましくは入浴
開始直後に、抗菌作用を有する次亜塩素酸の他に酸素活
性種を生成させることにより、酸素活性種が抗菌作用を
有することで、次亜塩素酸の濃度、すなわち、残留塩素
濃度を高めなくても細菌の増殖を抑制させ浴水の濁度の
上昇を抑えることができる。また、浴水に混入される次
亜塩素酸の残留塩素濃度が低いことにより、入浴者に塩
素臭による不快感を与えることはない。
【0059】なお、本実施形態では、抗菌作用を有する
次亜塩素酸の他に酸素活性種を生成する浄化運転を入浴
開始直後にしたが、細菌が増殖する対数増殖開始時期以
前、具体的には、入浴開始後2時間以内に作動させても
良い。
【0060】(他の実施形態)以上の一実施形態では、
KMnO4消費量の上昇を防止するために逆洗浄運転を
設けたが、浴槽1内の浴水を入れ換えることでも良い。
【0061】また、以上の実施形態では、外部熱源装置
50について言及しなかったが、ガス、電気、液体燃料
および太陽熱などを熱源として、80度程度の給湯水が
給湯できるもので良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における浴水浄化装置10
の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施形態における電解水生成手段2
0の全体構成を示す構成図である。
【図3】(a)は浴水中の懸濁物質の粒子径と個数との
分布関係を示す特性図、(b)は(a)に示す粒子径に
おける濁度と含有率の関係を示す特性図である。
【図4】浴水のKMnO4消費量をパラメータとする対
数増殖開始時期を示す特性図である。
【図5】チタン白金電極とフェライト電極とにおける次
亜塩素酸濃度、対数細菌数の特性を示す特性図である。
【図6】熱洗浄運転モードにおける給湯水の流れ方向を
示す説明図である。
【図7】浄化運転後の浴水の濁度およびKMnO4消費
量の特性を示す特性図である。
【図8】給湯運転モードにおける給湯水の流れ方向を示
す説明図である。
【符号の説明】
1…浴槽 20…電解水生成手段 21…電解槽 22、23…電極 30…浴水浄化手段 31…浄化槽(浄化手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/50 520 C02F 1/50 531M 531 540B 540 550C 550 550D 550H 550L 560F 560 560Z 1/76 A 1/76 B01D 35/02 D Fターム(参考) 4D050 AA10 AB06 BB04 BB20 BD03 BD06 BD08 CA10 CA15 4D061 DA07 DB10 EA02 EB01 EB04 EB14 EB19 EB28 EB39 FA13 GB30 4D064 AA11 BF31 BF39 BF40

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浴槽(1)内の浴水が導かれる電解槽
    (21)、および前記電解槽(21)内に配設され、導
    電性金属よりなる一対の電極(22、23)を有し、浴
    水を電気分解することにより電解水を生成する電解水生
    成手段(20)と、 浴水を通過させて浄化する浄化手段(31)を有し、必
    要に応じて前記電解水生成手段(20)による電解水を
    混入させて浴水を抗菌するとともに、前記浴槽(1)か
    ら浴水を循環させて浴水を浄化する浴水浄化手段(3
    0)とを備える浴水浄化装置において、 前記電解水生成手段(20)は、浴水中に浮遊または浴
    槽壁面に付着する細菌の対数増殖開始時期以前に、前記
    浴水浄化手段(30)を循環する浴水を前記電解槽(2
    1)内に導いて、前記電極(22、23)間に電圧を印
    加させることにより、少なくとも次亜塩素酸および酸素
    活性種を含む電解水を生成させて浴水に混入するように
    構成したことを特徴とする浴水浄化装置。
  2. 【請求項2】 前記電極(22、23)は、高電位電圧
    が印加される電極(22、23)がフェライトで形成さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の浴水浄化装
    置。
  3. 【請求項3】 前記電解水生成手段(20)は、入浴開
    始後2時間以内、好ましくは入浴開始直後に、次亜塩素
    酸および酸素活性種を含む電解水を生成させて浴水に混
    入するように構成したことを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載の浴水浄化装置。
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