JP2003325488A - 携帯型生体情報収集装置 - Google Patents

携帯型生体情報収集装置

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Tomosumi Saruwatari
朋澄 猿渡
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義春 山本
Benjamin H Natelson
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 日常生活において定期的に認知機能テストを
実施可能にすることで、記憶機能の変動を捕らえること
を可能にした人体に装着可能な携帯型生体情報収集装置
を提供する。 【解決手段】 複数種類のキャラクタを無作為に選択す
るキャラクタ選択手段と、前記キャラクタを表示する表
示部と、前記表示部に無作為に表示される時系列的に前
後関係に有るキャラクタ同士の関係を回答する入力手段
と、前記キャラクタが更新表示されてから前記入力手段
から入力信号が入力されるまでの反応時間を計時する計
時手段と、前記入力手段からの回答と前記反応時間を記
憶する記憶手段と、前記反応時間と前記回答を時系列的
に前記記憶装置に記憶させる制御回路とを有する。更
に、生体信号の検出手段も備え、行動パターンと記憶機
能の関係や、気分動向と記憶機能との関係などの最新の
研究に供する携帯型生体情報収集装置を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は装着者の日常生活に
おける生体情報を時系列的に収集する携帯型生体情報収
集装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の生体情報モニタリング装置は、生
体情報を連続的に計測することにより、健康管理や診
断、治療の手助けとすることは広く知られている。たと
えば、歩数計などは一般に広く普及した装置であり、装
着者の運動量を歩数に着目して計測している。この場
合、計測は連続的に行われるが、データの取り扱いは総
数的で、1日の総歩数でもって健康管理の指標としてい
る。また、米国特許(Patent Number:5197489)におい
ては、装着者の体動を時系列的に記録し治療診断に役立
てようとする試みがなされている。
【0003】これらの生体情報モニタリング装置におい
ては、体動や活動量の変化などの他に脈拍センサや温度
センサと組み合わせることで、それらの情報も時系列的
に客観的に記録することができる。しかしながら、なぜ
活動的だったのか、と言った原因に関わるような主観的
な情報やその時の気分はどうであったのかと言った精神
情報を得ることが出来ないと言う問題点を本出願人が指
摘し、装着者の主観的な情報も定期的に得られるように
した携帯型生体情報収集装置を提案して来ている。
【0004】一方、最新の研究において、アルツハイマ
ー病や老人性痴呆症の診断に使われている認知機能テス
トと行動パターンとの関係や、気分動向との関係に関心
が集まり始めて来ている。認知機能テストの例を示す
と、「麦茶」、「さんま」などと言った簡単な単語15
種をコンピュータ画面に3秒間隔で連続的に表示した
後、90秒後にそれを回答させる直後自由再生課題や、
その15単語にさらに15単語を加えた30単語から最
初の15単語を回答させる遅延確認課題、任意のキャラ
クタが無作為に表示され、時系列的に前後関係に有るキ
ャラクタ同士が同一で有るか否かを問う直後確認課題、
などいくつかの種類が有るが、いずれも短期的な記憶機
能を評価するもので、この部分を司る脳の前頭葉部分の
機能を検査するものである。一般的にこれらは、前頭葉
機能検査又は認知機能テストと呼ばれている。そして、
これら検査(以下本明細書では認知機能テストと呼
ぶ。)は、どれも病院や診療所のコンピュータを使って
行われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の認知機能テスト
は、病院や診療所コンピュータを使って行っていたた
め、患者の日常生活における記憶機能の細かい変動を捕
らえることが不可能で有った。本発明の目的は、日常生
活において定期的に認知機能テストを実施可能にするこ
とで、記憶機能の変動を捕らえることを可能にした人体
に装着可能な携帯型生体情報収集装置を提供することに
有る。更に、行動パターンと記憶機能の関係や、気分動
向と記憶機能との関係などの最新の研究に供する携帯型
生体情報収集装置を提供することに有る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明における認知機能
テストは、携帯型生体情報収集装置の特徴から直後確認
課題型としている。すなわち回答が正解か不正解か、以
上か未満か、右か左か、上か下か、と言ったような1回
の操作で答えられる質問形式にしている。本発明におけ
る携帯型生体情報収集装置は、複数のキャラクタ格納す
る格納手段と、格納手段からキャラクタを選択するキャ
ラクタ選択手段と、選択されたキャラクタを表示する表
示手段と、表示手段に表示されたキャラクタに関する情
報を入力する入力手段と、キャラクタの表示から入力ま
での時間を計時する計時手段と、入力手段で入力された
情報及び、計測手段で計測された時間を記憶する記憶手
段と、から構成されることを特徴とする。
【0007】また、本願発明における携帯型生体情報収
集装置は、日常生活の中で使われることを想定して、質
問に対する回答を遅延させる遅延手段も備える。この遅
延手段は携帯者が回答出来ないような状況、たとえば急
いで走っている時、会議中など等、回答できない旨を入
力すると、たとえば30分後に再び質問を開始する。この
遅延質問機能が有るため、日常生活に支障を来たすこと
無く情報収集することが可能になる。
【0008】
【発明の実施の形態】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。図1は本発明の一実施例による携帯型生
体情報収集装置の外観図であり、図1(a)は平面図、
(b)は側面図である。携帯型生体情報収集装置100
は、本体部分101と一対のバンド108、109により構成さ
れ、バンド108、109により装着者の手首に装着できるよ
うになっている。本体部分101は、表示部102と複数のキ
ー103、104、105、106、107を有する。表示部102は、た
とえばLCD等の表示装置であり、普段は時刻情報を表
示させることで、本携帯型生体情報収集装置100を時計
機能を有する腕時計として使用することができる。認知
機能テスト実施時は、表示部102に任意のキャラクタの
繰り返し点灯と消灯が繰り返される。装着者はそのキャ
ラクタの前後の関係を判断しその結果をキー107で入力
する。
【0009】本実施例では、キー107は上下左右の4軸の
カーソルキー型の入力装置であり、たとえば、時系列的
に前後関係のキャラクタ表示が同一か同一で無いかを同
一の場合、右、同一で無い場合、左、という様に操作を
簡単にすることで、装着者が記憶だけに集中できる様に
配慮している。その他のキー103,104,105,106は、他の
機能を実現するために用いられる。たとえば、モード切
替えや時刻修正などであり、本発明とは直接関連しない
ので説明は省略する。本発明による携帯型生体情報収集
装置は腕時計型をしているので、認知機能テストが行わ
れない時、表示部102には時刻を表示していると装着者
は便利である。本体部分101の側面には、外部のパーソ
ナルコンピュータ等との入出力端子110,111,112が形成
されている。
【0010】図2は携帯型生体情報収集装置100とパーソ
ナルコンピュータ(以下、PCと記述する。)210を接続
し、通信を行う時の概念図である。携帯型生体情報収集
装置100はドッキングステーション200を介してPC210と
接続される。ドッキングステーション200には、接続ピ
ン201、202、203が設けられており、接続ピン201,202,2
03は、携帯型生体情報収集装置100のそれぞれの入出力
端子110,111,112と接触するようになっており、ケーブ
ル204によりPC210の入出力ポートとつながっている。携
帯型生体情報収集装置100とPC210の間で通信を行うこと
により、認知機能テストの結果を容易にPC210に転送す
ることが可能になる。
【0011】PC210において転送されたテスト結果を各
種分析ソフトで分析する。携帯型生体情報収集装置100
とPC210との間で通信を行うことにより、生体情報検出
のための各種設定データや気分動向を評価する為の質問
事項なども、PC210から携帯型生体情報収集装置100に容
易に書き込むことができる。図2ではPC210と携帯型生体
情報収集装置100の接続にドッキングステーション200及
び204を用いたが、ステーションやケーブルを用いずに
赤外線等の通信手段を用いることも可能である。
【0012】図3は携帯型生体情報収集装置100の構成図
である。制御手段304は、予め定められた時間間隔で認
知機能テストを行う。認知機能テスト開始時、まず始に
制御手段304はキャラクタ選択手段300に複数種のキャラ
クタから無作為に1つの第1キャラクタを選択させる。制
御手段304はその選択された第1キャラクタを表示部301
に一定時間表示させる。この表示部301は、図1におけ
る表示部102に相当する。制御手段304は第1キャラクタ
を一定時間表示部301に表示させた後、第1キャラクタを
消灯させ、キャラクタ選択手段300に第1キャラクタと同
様に複数種のキャラクタから無作為に第2キャラクタを
選択させる。制御手段304は第1キャラクタと同様に第2
キャラクタを表示部301に表示すると同時に反応時間計
測手段302の計測を開始させる。
【0013】本発明の携帯型生体情報収集装置の装着者
は、時系列的に表示された第1キャラクタと第2キャラク
タとの関係がどうで有ったか、例えば同じであったか、
異なっていたかという、キャラクタに関する情報を入力
手段303を用いて回答する。この入力手段303は、図1に
おけるキー107に相当する。入力手段303からの入力が有
ると反応時間計測手段302は直ちに時間計測を停止す
る。この反応時間の計測は、偶数回目のキャラクタが表
示されたときに行われる。制御手段304は入力手段303か
らの入力が正解なのか否かの情報と反応時間計測手段30
2の計測時間を記憶手段305に記憶させる。制御手段304
は記憶手段305に正誤情報と計測時間を記憶させた後、
反応時間計測手段302をリセットさせ、再びキャラクタ
選択手段300に複数種のキャラクタから無作為に1つの第
3キャラクタを選択させる。以上述べた第1キャラクタの
選択から制御手段304が反応時間計測手段302をリセット
させるまでの動作を、ある一定時間繰り返し行うことで
認知機能テストは実施される。
【0014】図4は本発明の一実施例を示すブロック図
である。入力手段409、I/Oポート408、リアルタイム
クロック(以下RTCと記述する。)407、タイマー40
6、ブザードライバ415、LCDドライバ413、ROM41
2、RAM411、CPU410はバスラインに接続されてい
る。ブザードライバ415の出力にはブザー416、LCDド
ライバ413の出力にはLCD414が接続されている。以上
の構成で認知機能テストは実現可能であるが図4におい
ては、生体情報の一つとして装着者の行動パターンを記
録可能にする構成も付加されている。
【0015】加速度センサ400は、圧電型の加速度セン
サでニオブ酸リチウムやチタン酸ジルコン酸鉛等の圧電
素子を片持ち梁に形成し、加速度により素子がたわんで
電荷を発生するもので有る。すなわち、加速度センサ40
0は、装着者の動きに応じて加速度を検出し、信号を出
力する。前記信号は、増幅手段401により増幅される。
増幅された信号は、各種ノイズや高周波成分を含んでい
るので、ハイパスフィルター402とローパスフィルター4
03により必要な周波数成分が取り出される。ハイパスフ
ィルター402とローパスフィルター403により抽出された
体動を表す信号は、変換手段404により定量化、数値化
される。
【0016】数値化の方法としては、体動を表す信号を
直接A/D変換する方法や、基準電圧との比較により計
数化する方法がある。小型化、省電力化の点では後者の
方が適しているので、本実施例では計数化する構成にし
てある。I/Oポート408からの信号CS1とCS2により
コンパレータ420の基準電圧が設定される。コンパレー
タ420は、基準電圧と体動を表す信号とを比較し、体動
を表すアナログ信号を2値のデジタル信号に変換する。
変換されたデジタル信号はカウンタ405に入力され数値
化される。
【0017】図5に認知機能テストの動作フローを示し
図4と合わせて動作を説明する。タイマー406は予め設定
されている体動の検出周期Tsと認知機能テスト実施周
期Tc毎に割り込みを発生する。割り込みが発生すると
CPU410はROM412に格納されている処理プログラム
にしたがって処理を開始する。割り込みがTcnで無い
ときは他の処理を実施し、割り込みがTcnのとき、認
知機能テストを開始する(処理500)。まず認知機能テ
ストの開始をブザーを鳴動して携帯者に告知する(処理
501)。次に動作回数のカウント値Iをリセットする
(処理502)。次に認知機能テストの実施時間を管理す
るテスト時間計測タイマーの計測をスタートさせる(処
理503)。
【0018】具体的な一例としてはRTC407の時刻情
報を読み出し、テスト時間を加算した時刻をテスト終了
時間としてRAM411にストアさせる。次にCPU410は
矩形分布乱数を発生させその乱数をRAM411にストア
する(処理504)。次に乱数に対応した第1のキャラクタ
をCPU410が選択しLCDドライバ413を介してLCD
414に表示させる(処理505)。ここで処理804で発生さ
せる乱数が整数で有れば、直接その乱数をLCD414に
表示させても良い。表示させたキャラクタをCPU410
は1秒後に消灯させる(処理506)。
【0019】次に再びCPU410は矩形分布乱数を発生
させその乱数をRAM411にストアする(処理507)。次
に乱数に対応した第2のキャラクタをCPU410が選択し
LCDドライバ413を介してLCD414に表示させる(処
理508)。次にCPU410は比較的早いタイマー割り込
み、たとえば64Hz割り込みを許可し、64Hz割り込み
をRAM411にカウントさせる事で反応時間タイマーの
計時をスタートさせる(処理809)。処理809で反応時間
タイマーをスタートさせた後、装着者からのスイッチ入
力をスイッチ入力待ちで待つ(処理510)。
【0020】装着者からのスイッチ入力が1秒を越えて
無い場合、第2のキャラクタ表示は消灯される(処理51
6、517)。装着者からのスイッチ入力が5秒を越えて無
い場合、CPU410は動作回数のカウント値IをRAM4
11内の配列K(I)に、5秒以内に回答が無かったこと
を意味する「2」を同じく配列A(I)に、反応時間タ
イマーの計時値Rtを配列T(I)にストアし、スイッ
チ入力待ち状態から抜ける。装着者からのスイッチ入力
が第2のキャラクタ表示後から5秒以内に有った場合、反
応時間タイマーによる計時は直ちに停止される(処理51
1)。LCD414に表示されている第2のキャラクタも点
灯していれば消灯される(処理512)。携帯者が入力手
段409で入力した結果が処理513で評価される。
【0021】RAMに記憶されている第1のキャラクタ
選択時の乱数と第2のキャラクタ選択時の乱数が同じ場
合に、携帯者が同じを意味する入力を入力手段409で行
った時、CPU410は動作回数のカウント値IをRAM4
11内の配列K(I)に、携帯者の回答が正しかったこと
を意味する「1」を配列A(I)に、反応時間タイマー
の計時値Rtを配列T(I)にストアし、スイッチ入力
待ち状態から抜ける。
【0022】RAMに記憶されている第1のキャラクタ
選択時の乱数と第2のキャラクタ選択時の乱数が同じ場
合に、携帯者が「違う」を意味する入力を入力手段409
で行った時、又は、RAMに記憶されている第1のキャ
ラクタ選択時の乱数と第2のキャラクタ選択時の乱数が
違う場合に、携帯者が「同じ」を意味する入力を入力手
段409で行った時、装着者の回答が間違えで有ったこと
を意味する「0」を配列A(I)に、反応時間タイマー
の計時値Rtを配列T(I)にストアし、スイッチ入力
待ち状態から抜ける。
【0023】スイッチ入力待ち状態から抜けるとき、反
応時間タイマーはリセットされ、64Hz割り込みも禁止
される。次にテスト時間が経過しているか否かを処理52
1で確認する。テスト時間がまだ終わっていない間は、
再び処理503に戻り次のキャラクタ表示を行い、第1のキ
ャラクタ表示(処理505)から反応時間タイマーのリセ
ット(処理521)までの処理を繰り返す。テスト時間を
経過している場合は、HALT(処理522)で認知機能
テストを終了する。以上述べた様な構成及び動作で携帯
型生体情報収集装置において、認知機能テストを実施す
ることが可能になる。
【0024】図4に示す本発明の一実施例では生体情報
として、装着者の体動情報も収集することが可能な構成
になっている。図6に体動検出回路の具体例を示し動作
を説明する。圧電型加速度センサ600は、抵抗601
と並列接続され、一端は接地してある。他端は出力端で
あり、加速度に比例した電圧を発生する。この出力端
は、オペアンプ602の非反転入力につながっている。
オペアンプ602の反転入力は帰還抵抗603を介して
オペアンプ602の出力端と、抵抗604を介してグラ
ンドにつながり、全体で増幅回路を構成している。オペ
アンプ602の出力端は、さらにコンデンサ605、6
07を介してオペアンプ610の反転入力に接続され
る。
【0025】オペアンプ610の出力端は、帰還抵抗6
09とコンデンサ606により帰還回路を構成する。コ
ンデンサ605、606、607の接点はさらに抵抗6
08を介して接地する。オペアンプ610と、コンデン
サ605、606、607および抵抗608、609
は、多重帰還型ハイパスフィルターを構成している。オ
ペアンプ610の出力端は、抵抗611、613を介し
て、次のオペアンプ616の反転入力につながってい
る。オペアンプ616の出力端は、帰還抵抗612とコ
ンデンサ615により帰還回路を構成する。抵抗61
1、612、613の接点はさらにコンデンサ614を
介して接地する。
【0026】オペアンプ616と、抵抗611、61
2、613およびコンデンサ614、615は、多重帰
還型ローパスフィルターを構成している。オペアンプ6
16の出力は、オペアンプ617の非反転入力へつなが
っている。また、オペアンプ617の反転入力には基準
電圧Vrefが与えられており、オペアンプ617はコ
ンパレータとして動作する。基準電圧Vrefは、抵抗
619、620、621、622とアナログスイッチ6
23、624により、生成される。アナログスイッチ6
23、624は、信号CS1、CS2によりそれぞれO
N、OFFし、基準電圧Vrefの値を変化させること
ができ、オペアンプ617の感度を変えることができ
る。オペアンプ617の出力は、バッファ618により
片電源の矩形波に成形される。この矩形波が、図4のカ
ウンタ405に入力され、計数されることになる。
【0027】図7は、図5のAS点と出力PSの波形を
示したものである。AS点では、装着者の体動を表すア
ナログ信号が出力されており、これがコンパレータによ
り基準電圧Vrefと比較される。コンパレータの出力
は、バッファにより成形されPS点での波形は、2値の
矩形波となる。この矩形波は、装着者の体動にともなっ
て発生し、カウンタ405に蓄積され体動検出周期Ts
毎に読み出されると伴に初期化される。したがって、体
動検出周期Ts間の装着者の体動に伴うカウント値がR
AMに記録されて行く。図8に体動測定終了後、計測結
果をPCに読み込み、グラフ化した場合の一例を示す。
図8は横軸に時間をとり、縦軸に体動のカウント値をと
っている。図8に示すように携帯者の1日の活動の様子
がよく現れている。午前中(期間P1)では活動が活発
で、午後(期間P2)ではやや不活性化し、就寝前(期
間P3)に再び活発化し、期間P4で就寝していると言っ
た日内の活動の様子が確認出来る。
【0028】以上述べた様に、本発明による携帯型生体
情報収集装置によれば、装着者の活動の様子を簡単に記
録することが可能になる。と同時に定期的な認知機能テ
ストも合わせて実施することが出来るので、記憶機能の
変動にプラスして活動量の把握も可能になる。図5で説
明した認知機能テストの動作では、認知機能テスト開始
の割り込みTcが発生すると無条件にテストがスタート
する形で説明した。しかし、本発明による携帯型生体情
報収集装置は日常生活の中で使用するものであり、画一
的な周期でテストに答える事が不可能な場合が往々にし
て有る。そこで本発明では、テストの遅延機能を有す
る。
【0029】認知機能テスト開始の割り込みTcが発生
した時点で、装着者が何らかの理由でテストが出来ない
時に備えて、割り込みTc発生時にLCDにテストに答
えられる状況か否かを問う表示を行う。携帯者がテスト
に答えられない時の、テスト開始を一定時間遅らせる処
理の動作フローを図9に示し動作を説明する。認知機能
テスト実施時間Tcnによる割り込みも時、ブザーを鳴動
させ(処理801)装着者に認知機能テストの開始時間が
来たことを知らせる。と同時にLCDにテスト開始が可能
か表示する(処理802)。開始可能の時、先に説明した
図5の処理502の処理を行う。開始不能のとき、テスト開
始遅延処理に移行する(処理803)。
【0030】処理804では、遅延フラグがセットされて
いるか否かをチェックし既に遅延処理が行われたのか否
かを確認する。遅延フラグが0で今回の実施時間Tcnにお
ける遅延処理が初めてのとき、次回のテスト実施時間Tc
n+1のテスト開始時刻を一時メモリの他の領域に退避さ
せる(処理805)。次に次回のテスト開始時刻を30分後
に設定する(処理806)。次に遅延フラグをセットし
(処理807)、動作を終了(処理808)する。以上の処理
により規則正しく設定されている認知機能テストのテス
トを一定時間遅らせることが出来る。
【0031】処理804で遅延フラグが既にセットされて
いる場合は、今回のテスト実施時間Tcnにおける遅延操
作が2度目であるので、本実施例では遅延フラグをリセ
ットし(処理809)、次回のテスト実施時間であるTcn+1
を一度、処理805で退避した時刻に再設定をして動作を
終了する(処理808)。すなわち本実施例の場合、遅延
操作は1度しか認めず2度目の場合、今回Tcnにおける
テストは中止し、次回のテスト実施時刻は規則的な時刻
に再設定される。以上のように簡単にテスト開始時刻を
遅延させることが可能である。
【0032】尚、説明した実施例ではTcn+xのテストを
繰り返して行くと装着者が就寝中もテストで起こされて
しまうことになる。これを防止するための一つの方法と
して体動測定の結果を利用し、自動的に携帯者が就寝し
たことを検出して認知機能テストの開始を禁止すること
も可能である。すなわち図7で説明したように体動測定
の結果を見ることで装着者が就寝したかどうかを携帯型
生体情報収集装置で検出することが出来るので、就寝を
自動的に検出し、認知機能テストを禁止することが出来
る。また、このように自動的に行うのでは無く、携帯者
の操作で、就寝と起床の情報を携帯型生体情報収集装置
に入力するようにし、就寝中は認知機能テストが実施さ
れない様にしても良い。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明ではアルツ
ハイマーや痴呆の診断に利用される認知機能テストを携
帯型情報収集装置で実施できると共に、装着者の活動の
情報も併せて記録することも可能になるので、行動パタ
ーンと記憶機能の関係や、気分動向と記憶機能との関係
などの最新の研究に役立つ携帯型生体情報収集装置を提
供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による携帯型生体情報収集装
置の外観図である。
【図2】携帯型生体情報収集装置とパーソナルコンピュ
ータを接続し、通信を行なう時の概念図である。
【図3】本発明の携帯型生体情報収集装置の構成図であ
る。
【図4】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図5】本発明による認知機能テストの動作フローを示
す図である。
【図6】本発明による本体動検出回路の一具体例を示す
図である。
【図7】本発明の一実施例による携帯型生体情報収集装
置の体動検出回路における出力波形図である。
【図8】本発明の一実施例による携帯型生体情報収集装
置の計測結果を示すグラフである。
【図9】本発明によるテスト開始を一定時間遅らせる処
理を説明する動作フロー図である。
【符号の説明】
100 携帯型生体情報収集装置 101 本体 102 表示手段 103、104、105,106、107 キー 108、109 バンド 110、111、112 入出力端子 200 ドッキングステーション 201、202、203 接続ピン 204 ケーブル 210 パーソナルコンピュータ 300 キャラクタ選択手段 301 表示部 302 反応時間計測手段 303 入力手段 304 制御手段 305 記憶手段 400 加速度センサ 401 増幅手段 402 ハイパスフィルター 403 ローパスフィルター 404 変換手段 405 カウンタ 406 タイマー 407 RTC 408 I/Oポート 409 入力手段 410 CPU 411 RAM 412 ROM 413 LCDドライバ 414 LCD 415 ブザードライバ 416 ブザー 420 コンパレータ 600 加速度センサ 601、604、608、611、613、619、6
20、621、622抵抗 602、610、616、617 オペアンプ 603、609、612 帰還抵抗 605、606、607、614、615 コンデンサ 618 バッファ 623、624 アナログスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小田切 博之 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 (72)発明者 猿渡 朋澄 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 (72)発明者 山本 義春 東京都文京区本郷7丁目3番1号 (72)発明者 ベンジャミン エッチ. ナテルソン アメリカ合衆国 ニュージャージー州 070718 イーストオレンジ, ローズスト リート88 Fターム(参考) 2F002 AA11 AB06 AD06 BA04 BB02 EA00 EB11 EB13 EE00 GA04 GA05 4C038 PP00 PQ06 PS09

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時計機能と前頭葉機能検査機能とを備え
    たことを特徴とする携帯型生体情報収集装置。
  2. 【請求項2】 複数のキャラクタを格納する格納手段
    と、前記格納手段からひとつのキャラクタを選択するキ
    ャラクタ選択手段と、選択された前記キャラクタを表示
    する表示部と、前記表示部に表示されたキャラクタに関
    する情報を入力する入力手段と、 前記キャラクタの表示から前記入力までの時間を計時す
    る計測手段と、 前記入力手段で入力された情報及び、前記計測手段で計
    測された時間を記憶する記憶手段と、から構成される携
    帯型生体情報収集装置。
  3. 【請求項3】 複数のキャラクタを格納する格納手段
    と、前記格納手段から複数のキャラクタを順次選択する
    キャラクタ選択手段と、選択された前記複数のキャラク
    タを順次表示する表示手段と、前記表示手段に順次表示
    されたキャラクタに関する情報を入力する入力手段と、
    前記キャラクタの表示から前記入力までの時間を計測す
    る計測手段と、前記入力手段で入力された情報及び、前
    記計測手段で計測された時間を記憶する記憶手段と、か
    ら構成される携帯型生体情報収集装置。
  4. 【請求項4】 前記キャラクタ選択手段及び前記記憶手
    段の動作を制御する制御手段を有することを特徴とする
    請求項1又は2に記載の携帯型生体情報収集装置。
  5. 【請求項5】 前記記憶手段は、前記入力手段で入力さ
    れた情報及び、前記計測手段で計測された時間を、時系
    列的に一定時間継続して記憶することを特徴とする請求
    項2に記載の携帯型生体情報収集装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段はタイマーを有し、予め決
    められた時間間隔で、前記入力手段で入力された情報及
    び、前記計測手段で計測された時間を前記記憶手段に記
    憶させることを特徴とする請求項4又は5に記載の携帯
    型生体情報収集装置。
  7. 【請求項7】 前記予め決められた時間間隔とは異なる
    時間に、前記入力手段で入力された情報及び、前記計測
    手段で計測された時間を前記記憶手段に記憶させるよう
    に、前記記憶手段の動作の開始を遅延させる遅延手段を
    備えたことを特徴とする請求項6記載の携帯型生体情報
    収集装置。
  8. 【請求項8】 前記入力手段は、カーソルキーで構成さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の携帯型生体
    情報収集装置。
  9. 【請求項9】 装着者の体動情報を検出する検出手段を
    備えたことを特徴とする請求項1に記載の携帯型生体情
    報収集装置。
  10. 【請求項10】 前記検出手段が加速度センサで有るこ
    とを特徴とする請求項9に記載の携帯型生体情報収集装
    置。
  11. 【請求項11】 前記検出手段の出力信号により携帯者
    の状態を検出し、この検出結果に応じて前記表示手段の
    動作を制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求
    項9に記載の携帯型生体情報収集装置。
  12. 【請求項12】 外部からの入力により、前記表示手段
    の動作を制御する制御手段を備えたことを特徴とする請
    求項1又は2に記載の携帯型生体情報収集装置。
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