JP2003324095A - 半導体製造装置用基板の冷却回路とその冷却回路を備えた半導体製造装置 - Google Patents

半導体製造装置用基板の冷却回路とその冷却回路を備えた半導体製造装置

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JP2003324095A
JP2003324095A JP2002130397A JP2002130397A JP2003324095A JP 2003324095 A JP2003324095 A JP 2003324095A JP 2002130397 A JP2002130397 A JP 2002130397A JP 2002130397 A JP2002130397 A JP 2002130397A JP 2003324095 A JP2003324095 A JP 2003324095A
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cooling
flow
flow path
cooling circuit
refrigerant
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Yoshinobu Masutani
栄伸 増谷
Shinji Tsujimura
真治 辻村
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Komatsu Ltd
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Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】冷媒の流れにより発生する磁界の影響を低減さ
せた半導体製造装置用の冷却回路を提供する。 【解決手段】プラズマガス雰囲気下や電界雰囲気下など
でウエハ(W) を加工する半導体製造装置(10)を、水など
の冷却媒体により冷却する半導体製造装置用の冷却装置
である。冷却回路(20,30,40)を、冷却媒体を任意の1方
向に流す第1流路(27) と、同冷却媒体を前記第1流路
(27)に対して逆方向に流す略同一長さをもつ第2流路(2
8)とをもって構成し、前記第1及び第2の流路(27,28)
を隣接させて、第1流路(27)及び第2流路(28)を流れる
冷却媒体により発生する磁界を冷却回路外で相殺させて
同磁界の影響を少なくし、好適で且つ安定した半導体製
造のための各種処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒を用いた半導
体製造装置基板用の冷却回路と同冷却回路を備えた半導
体製造装置に関し、特に半導体製造装置のプラズマや電
界雰囲気中の処理部における電界や磁界条件を安定化さ
せるための冷却装置と、同冷却装置を備えたプラズマエ
ッチング装置、プラズマCVD装置、各種のドーピング
装置などの半導体製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体の製造には、基板に対する多数の
処理工程があり、その代表的な工程にプラズマエッチン
グ工程、プラズマCVD工程、イオン注入によるドーピ
ング工程があり、それぞれに専用の装置が使われる。こ
れらの工程の多くは、プラズマガス中で、或いは制御電
界中で半導体基板に処理がなされる。この処理において
半導体基板は高熱下に晒され、その過熱を防止し、或い
は上昇した温度を短時間に下げる必要がある。そこで、
一般に半導体基板を支持する支持台(サセプタ)で介し
て半導体基板の全面を均等に冷却するための冷却装置が
搭載されている。
【0003】この冷却装置として、例えば特開平3−2
63398号公報に開示された冷却構造が提案されてい
る。この冷却構造によれば、発熱モジュールと冷却プレ
ートを使って実装基板を冷却するものであり、前記基板
と冷却プレートとの間に前記発熱モジュールが介装さ
れ、発熱モジュールの上面で積極的に基板を冷却すると
共に、同発熱モジュールの下面に接する冷却プレートを
介して放熱させている。前記冷却プレートの内部には一
方向に向けて水を流す導水路が形成され、前記基板と冷
却プレートとの間に前記導水路を流れる水とは逆方向に
絶縁性流体を流す絶縁性流路を形成して、発熱モジュー
ルの温度勾配を均一化しようとするものである。
【0004】また、例えば特開平6−346256号公
報によれば、プラズマ処理室内に半導体基板を載置固定
するサセプタを冷却するために、前記サセプタにはその
内部に冷却された冷媒ガスを送り込む第1送り管路とサ
セプタ内部から外部に送り出される第1冷媒戻し管路と
からなる冷媒流路が形成されており、前記第1冷媒戻し
管路には冷媒を外部の冷凍回路へと送り出す第2冷媒送
り管路が接続され、前記第1送り管路には冷凍回路から
送り出される第2冷媒送り管路が接続されて、全体が冷
媒循環系を構成している。更に前記冷媒循環系におい
て、真空排気手段と冷媒供給源とを選択的に接続可能に
している。
【0005】かかる構成により、冷凍回路とサセプタに
内設された冷媒流路とを直結し、この冷媒流路内の空気
を真空排気手段により排気した後、冷媒供給源から冷媒
を導入し、この冷媒を冷凍回路にて冷却するので、熱交
換器を介さずに直接サセプタを冷却することが可能とな
り、使用する冷媒の沸点に応じて、所望の冷却温度ま
で、サセプタを急速冷却することが可能になるとしてい
る。ここで使われる冷媒ガスとしては、唯一フロン系ガ
スR−22が挙げられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
特開平6−346256号公報による冷媒は、地球環境
上に様々な影響を与えかねないことから、仮にフロン系
ガスを使用しようとするならば、その完全なシール機構
と安全性を確保すべく高額な設備投資が必要になる。そ
の点では、上記特開平3−263398号公報に開示さ
れたような、発熱モジュール(熱電モジュール)と水や
絶縁性流体を併用したり、或いは単独で使用することの
方が実施化がし易く現実的である。
【0007】しかして、水や絶縁性流体から構成される
冷却媒体について、その冷却能力を比較すると、冷却能
力に優れ且つ経済性をも勘案すると、水が熱伝導性に優
れることから、水を冷却媒体として使用することが有利
である。一方、通電性を勘案すると、この種の冷却に
は、100%の純水を除くと、水よりも絶縁性流体の方
が有利である。因みに、水と絶縁性流体であるガルデン
との熱通過率を比較すると、水のそれが5000〜60
00W/(m2 /K)であるのに対して、ガルデンのそ
れは500〜600W/(m2 /K)と、実に水はガル
デンの10倍もの熱伝達性能を有している。
【0008】ところで、一般的に使われる工業用水には
多種類のイオン化した物質やイオン粒子が含まれてお
り、例えば半導体の製造分野において多く使われる洗浄
水は、通常、イオン交換樹脂や清浄化設備を通して浄化
し、通常の工業用水に含まれるイオン性物質や帯電粒子
の電荷を排除した水が半導体製造専用の工業用水として
使われている。このような半導体製造用の工業用水を得
ること自体にコストがかかるばかりでなく、イオン交換
によっても100%の純水が得られるわけではない。
【0009】しかも、こうして得られる半導体製造専用
の工業用水ですら、例えば積極的に磁界が作られるプラ
ズマガス雰囲気の中で処理を行うプラズマエッチング
や、ドーピング処理などのような処理雰囲気中に磁界や
電界を与え、或いは活性ラジカルやイオン粒子をもって
処理を行おうとした場合に、その雰囲気中に外乱として
の外部磁界が発生して、その磁界が電離したプラズマガ
スや電解或いは積極的に発生させている磁界に作用し
て、その動きを歪めるため、エッチング位置やドーピン
グ位置がずれたり、エッチングやドーピングの深さがウ
エハの部位によって変化したりする。
【0010】前記外乱としての外部磁界の発生原因の一
つに、冷却時の水の使用がある。これは、通常の工業用
水にあっては勿論であるが、たとえ電気的に清浄化され
た半導体製造用の工業用水を使用しても、超純水でない
かぎり上述の課題が発生する。すなわち、工業用水には
大かれ少なかれ水中には様々なイオンが存在する。磁気
的な観点から見ると、周辺に対して等価的に電流を流し
たときと同じ現象を生じさせることになる。この現象が
半導体製造工程に多様な悪影響を及ぼす。
【0011】図11はこれを実証するグラフであり、海
水の電気伝導度を基準として得られる純水と一般の工業
用水の電気伝導度に基づき、それらの流量を変化させた
ときの等価電流値の変化を示している。超純水では、そ
の流量を変化させても等価電流値に変化はないが、一般
の工業用水では、その流量の増加に伴い比例的に等価電
流値が増加する。例えばプラズマエッチング装置の水流
による冷却において、20L/minの工業用水を流す
と、8アンペアに等しい電流が流れたときと同じ強さの
磁界が水流回りに発生し、これがエッチング処理に外乱
として悪影響を及ぼしている。
【0012】本発明は、こうした課題を解消すべくなさ
れたものであり、具体的な目的は半導体製造用の工業用
水に止まらず、安価な一般工業用水を使った冷却回路に
あっても、半導体製造装置に磁気的な外乱の発生による
悪影響を与えることの少ない冷却回路を提供することに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用効果】上記の目的
を達成するための本発明の基本構成は、冷媒を使った半
導体製造装置用基板の冷却回路にあって、冷媒が流れる
流路を備え、前記流路が、同流路を流れる冷媒により発
生する磁界の方向ベクトルの総和が零となるように形成
されてなることを特徴とする半導体製造装置用基板の冷
却回路にある。流路を流れる冷媒により発生する磁界の
方向ベクトルの総和が零となるため、例えばプラズマエ
ッチング装置の水流による冷却において、通常の工業用
水を流しても、水流回りに実質的に磁界を発生させるこ
とがなくなり、エッチング処理にあたっての外乱として
の悪影響を及ぼすことが阻止される。
【0014】本発明の好ましい態様によれば、前記流路
が冷媒を1方向に流す第1流路と、冷媒を前記第1流路
に対して略逆方向に流し、第1流路と略同一長さを有す
る第2流路とを備えており、前記第1流路と第2流路に
流れる冷媒とが、ほぼ同一流量を流されるように構成さ
れてなることを特徴とする。ここで、第1流路に対して
略逆方向に流すとは135°〜225°の範囲で第2流
路に冷媒を流すことである。
【0015】かかる構成によれば、第1流路を流れる冷
媒によって発生する磁束が作る磁界の方向ベクトルと、
第2流路を流れる冷媒によって発生する磁束が作る磁界
の方向ベクトルとが、流路の外側で互いに弱め合う。こ
れにより、冷却装置の外部に発生する磁界が低減される
ため、その発生磁界による電界や帯電粒子の運動軌跡を
歪めることがなく、半導体の加工が好適な条件下で安定
して行われるようになる。
【0016】また、本発明にあっては、前記第1及び第
2の流路を垂直方向及び/又は水平方向に隣接して配す
ることが望ましい。これにより、垂直方向及び水平方向
に発生する流路外部の磁界がより確実に相殺され、電界
や帯電粒子の運動軌跡が多方向に歪められなくなる。
【0017】更に上記発明にあって、第1及び第2の流
路は、その冷媒の流れ方向に直交して細分化することが
望ましい。これにより、第1及び第2のそれぞれの細分
化された流路を流れる冷媒の流量が少なくなるため、第
1及び第2の流路に発生する磁界の最大強さを低減で
き、外部に漏れる磁界を更に小さくすることができる。
【0018】本発明の最も典型的な流路構造として、前
記第1流路が冷却板の表面側に形成され、前記第2流路
が同冷却板の裏面側に形成される。すなわち、一枚以上
の冷却板の表裏面側に、第1流路と第2流路とをそれぞ
れが交互に配されるように形成し、それらの流路が互い
に逆方向を向くようにして同量の冷媒を流すようにす
る。このとの流路形成は、銅やアルミニウムなどの高熱
伝導性素材からなる一枚の冷却板の表裏に、例えば切削
により或いは鋳造などにより第1溝路と第2溝路とを形
成したのち、熱伝達性に優れた同質材料のスペーサによ
り前記各溝路を閉鎖して第1流路及び第2流路を形成す
る。
【0019】更に、本発明にあっては、前記第1及び第
2流路を、同軸上に形成された二重管路から構成するこ
ともできる。この場合、例えば上述の材質と同様の高伝
熱性能を有する素材からなる2本の細長い長尺の板材の
対向面に、断面が鏡面対象となる異径の同心円上に断面
が二つの半円弧状をしたチャネルを形成し、その対面同
士をロウ付けなどにより接合して一体化することにより
製作できる。勿論、内円部分と外円部分とを一部で連結
しておく必要がある。こうして得られる内円チャネル部
分を第1流路とすれば、外円チャネル部分が第2流路を
構成する。
【0020】第1流路と第2流路に逆向きの冷媒を流す
には、それぞれの流路の一端を別個の冷媒供給源と接続
し、それぞれ独立して冷媒を逆方向に流すこともできる
が、例えばその外円チャネル部分の一端を閉塞するとと
もに、同端部において内円チャネル部分と外円チャネル
部分とを同心円上で連通させることにより、その他端の
内円チャネル部分又は外円チャネル部分から冷媒を流せ
ば、一端部で反転し外円チャネル部分又は内円チャネル
部分を冷媒が逆向きに流れ、単一の冷媒供給源を共用で
きる。
【0021】さらに、本発明にあって、前記第1及び第
2流路を、捩合された二本の管路から構成することがで
きる。すなわち、2本の細管を用意して、これを捩合す
れば格別の加工することなく第1流路と第2流路とを一
本の流路内に形成することができる。この場合にも、一
端を連結して他端の一方の細管から冷媒を流せば、他方
の細管を通って冷媒は逆流し、単一の冷媒供給源を有効
に使うことができる。
【0022】かかる多様な構成を有する本願発明の冷却
回路を、半導体製造装置の磁界や電界を使った様々な処
理を行う処理装置に適用することにより、冷却媒体、特
に水などのように多種類の電解質やイオン性物質を含ん
だ冷却媒体を使うことによるが外乱としての磁界の発生
を効果的に低減でき、この外乱による処理の不具合を効
果的に防ぐことができるようになる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図を参照しながら、本発明
に係る実施形態を詳細に説明する。まず、第1実施形態
を説明する。図1は、本実施形態に係る冷却装置を用い
た、プラズマエッチング装置10の構成図を示してい
る。
【0024】図1においてプラズマエッチング装置10
は、図示しない真空ポンプによってチャンバ内部を真空
引きが自在な、真空チャンバ11を備えている。真空チ
ャンバ11の内部には、所定の組成の反応ガスが所定圧
力で封入されている。真空チャンバ11の内部には、一
対の平板状のプラズマ電極13,14が紙面上下方向に
対向して設置されている。上部プラズマ電極13は電気
的に接地され、下部プラズマ電極14は、ブロッキング
コンデンサ15と、図示しない整合器とを介して、高周
波電源16に接続されている。
【0025】下部プラズマ電極14上には、図示しない
チャックを用いてウエハWが搭載されている。上部プラ
ズマ電極13と下部プラズマ電極14との間に高周波電
圧を印加して電界をかけることにより、反応ガスが電離
または解離され、発生したプラズマガスがウエハWをエ
ッチングする。
【0026】下部プラズマ電極14は、サセプタ17と
呼ばれる金属製の基台上に搭載されており、サセプタ1
7の内部には、多数の熱電素子を並べた熱電モジュール
及び本発明の冷却回路からなる冷却装置12が組み込ま
れている。図1では図示しない電源及び電極を介して、
熱電素子に電流を流すことにより、熱電素子の冷却側電
極19aの温度が低下し、ウエハWを冷却する。これに
より、ウエハW表面のプラズマガスの温度上昇を抑制
し、所定位置に所定深さだけエッチングを行なうことが
可能となる。
【0027】本実施形態にあっては、さらに前記熱電モ
ジュールの下部に、本発明の冷却回路20が装着されて
いる。図2は本実施形態による冷却回路20の構成部材
を分解して示している。本実施形態における前記冷却回
路20は、第1及び第2の2枚の熱伝導性に優れた銅や
アルミニウムなどの金属製円板21,22と、一枚の同
様の材質からなる密閉板23とにより構成されている。
第1の円板21の一面には、同図(a)に示すように、
その中心部の始端24aから略半円弧を描いたのち、そ
の内側を円板中心を囲んで略Ω状に延び、次いで外周へ
と渦巻き状に連続して延びる第1溝24が形成され、そ
の終端24bを外部に開口させている。第1溝24の前
記終端24bには裏まで貫通して、図3に示すように、
外部の冷媒循環路26と接続する貫通孔が形成されてい
る。
【0028】一方の第2の円板22の一面には、同図
(b)に示すように、その中心部の円形領域を平坦面と
すると共に、前記第1溝24の終端24bに形成された
貫通孔と対応する位置を始端25aとして中心部に向け
て渦巻き状に連続して延びる第2溝25が形成され、そ
の終端25bに貫通孔を形成して、外部の前記冷媒循環
路26に接続させている。また、前記密閉板23は全て
が平坦面とされている。前記密閉板23を第1円板21
の第1溝24が形成されている側の面に接着剤等を介し
て接合一体化すると共に、同第1円板21の裏面に前記
第2円板22の第2溝25が形成されている側の面を、
同第2溝25の始端25aを前記第1溝24の終端24
bの貫通孔に合わせるようにして密着させ、接着剤等を
介して接合一体化する。こうして、第1及び第2円板2
1,22の中心部及び周辺部の各貫通孔を介して一枚の
冷却板の表裏面側の内部にそれぞれ連通する渦巻き状の
第1及び第2の冷媒流路27,28が形成されることに
なる。
【0029】いま、ウェハWに対してプラズマエッチン
グがなされるとき、上記熱電モジュール18に電流が流
されて熱電素子の冷却側電極12の温度を低下させ、図
示せぬチャックを介してウェハWを冷却する。このと
き、放熱側の電極13の温度は上昇するが、その熱量は
本発明の上記構成を備えた冷却装置20により吸熱され
て積極的に冷却される。前記冷却装置20には、冷却媒
体としての水が第1の冷媒流路27を一方向に流れ、第
2の流路28には前記第1流路27を流れる水とは逆方
向に同じ水が流れている。
【0030】この冷媒流路を、従来のごとく、水が一方
向にのみ流れる回路とすると、水に含まれる各種のイオ
ン粒子や電解質も一方向に流れることになり、水の流れ
方向に電流が流れているに等しい現象が生じることにな
る。すなわち、冷媒流路の回りには等価電流による円形
磁界が発生し、これが半導体製造装置の処理室内のプラ
ズマガスや電界、磁界などに大きく影響を及ぼして、処
理室内のイオン粒子や電子の移動軌跡を歪めてしまい、
高精度の処理を行うことが出来なくなる。
【0031】これに対して、本発明のごとく、第1流路
27と第2流路28を形成すると共に、第1流路27を
一方向に水を流し、第2流路28には第1流路27の流
れ方向とは逆方向に水を流すようにすれば、第1及び第
2流路27,28から発生する磁界が各流路の外側で相
殺し合い、流路外部の磁束密度を低減させるため、処理
室内のイオン粒子や電子の移動軌跡を歪めることが少な
くなり、精密で且つ安定した高精度の処理を行うことが
可能となる。
【0032】図4は、図2の本発明の冷却回路の流路断
面から見た磁界29a,29bの分布状態を示す。同図
において、第1流路27を紙面の手前に向かう水が流
れ、第2流路28を紙面の奥に向かう水が流れている。
その結果、第1流路27と第2流路28の間では、それ
ぞれに発生する磁界29a,29bの方向が同方向とな
って磁束密度が増加するのに対し、各流路27,28の
外側の磁界29a,29bは、磁界の方向が互いに逆方
向を向いて相殺して磁束密度を減少させている。一方、
この磁束密度の減少率は、第1流路27の長さと第2流
路28の長さとの差が小さいほど増加する。
【0033】本発明における、上記第1流路27と第2
流路28のトータル長さがほぼ同一となるように、上述
の流路パターン以外にも様々な流路パターンの設計が可
能であり、図2に示す流路パターンに限定されない。ま
た、その流路形成の手法も上述の手法以外に、例えば2
枚の第1及び第2円板の溝形成面を対向させると共に、
その間に平坦面を有するスペーサ円板を介装して接合一
体化させてもよく、この場合には前記スペーサ円板に第
1及び第2円板の溝端に連通する貫通孔を形成すること
が望ましい。
【0034】図5は上記実施形態による冷却回路20に
工業用水を冷媒として使った場合と、従来の冷却回路に
おいて同用水を一方向に流す場合の、サセプタの上方5
mmの高さにおける径方向の磁束密度の変化を示してい
る。同図から理解できるように、本実施形態による冷却
回路20では、ウェハの径方向における磁束密度の変化
はないが、従来の冷却回路ではウェハ中心から急激に磁
束密度が増加し、周縁の近くで急激に減少しており、し
かもその減少する周縁の磁束密度も10×10 -4ガウス
と、本発明の冷却回路20と比較すると未だ極めて大き
いことが分かる。
【0035】図6は、本発明の冷却回路の第2実施形態
を示している。同図に示す冷却回路30は同一軸線上に
配される内径の異なる内側管材31a及び外側管材31
bからなる二重管又は三重管構造の冷却管材31に構成
して、外側管材31aの一端を閉塞すると共に、その閉
塞端側の内側管材31bの端部と外側管材31aの閉塞
端との間に連通路31cが形成されている。かかる構造
の冷却管材31を渦巻き状に、或いはジグザグ状に配す
ることにより本発明の冷却回路を構成する。因みに、本
実施形態にあっては前記内側管材31aの内径を2c
m、外側管材31bの内径を2.54cmに設定してい
る。
【0036】この冷却管材31の、例えば外側管材31
aに冷媒としての水を導入して、閉塞端に向けて水を一
方向に流すと、水は連通路31cを通って内側管材31
bに入り、同内側管材31bを外側管材31aの水の流
れる方向とは逆向きに流れて、その開口端から冷却回路
外へと排出される。このような水の流れにより、上記第
1実施形態と同様に、外側管材31a内部の第1流路と
内側管材31bの内部の第2流路を流れる逆方向の水に
より発生するから発生する磁界は各流路の外側で相殺し
合い磁束密度を低減するため、処理室内のイオン粒子や
電子の移動軌跡を歪めることが少なくなり、精密で且つ
安定した処理を行うことが可能となる。
【0037】前記冷却管材31の製作は、例えばロスト
ワックス法により、図7(a)に示すような、半円形に
切り欠かれた中央溝部32に略Y字状断面の突条33を
長さ方向に突設したバー材を2本成形し、同図(b)に
示すように、その中央溝部32側の面同士をすり合わせ
て重ね合わせ、その密着面同士を接着剤により接合一体
化する。或いは、例えば前記重ね合わせて一体化したと
きの断面形態をもつ押出ダイを使って、銅やアルミニウ
ムなどの熱伝導性に優れた金属材料を押出しにより連続
成形することも可能である。なお、前記冷却管材31の
断面形状は図示する形状に限定されるものではなく、例
えば第1流路及び第2流路のそれぞれの断面を円形の他
に、矩形、楕円形、多角形などを単独に又は組み合わせ
た様々な形状が採用できる。
【0038】図8は本発明の冷却回路の第3実施形態を
示している。同図に示す冷却回路40は同一径で同質材
料からなる2本の金属管41a,41bを捩合して1本
の冷却管材41を製作し、その一方の金属管41aに一
方向の水を流すと共に、他方の金属管41bに一方の金
属管41aの流れ方向と逆向きに水を流す。或いは、図
示は省略したが、1本の金属管を半分で折り返し、捩合
して1本の冷却管材41を製作することもできる。この
場合には、同金属管の一方の開口端から水を導入して他
方の開口端から外部に排出すれば、捩合部分では水の流
れが逆向きとなる。
【0039】かかる構成を備えた冷却回路40にあって
も、上記実施形態と同様に、冷却時に発生する各捩合部
分の各金属管41a,41b回りの磁界は、各金属管4
1a,41bの外側で相殺し合って、その強さを低減す
る。その結果、処理室内のイオン粒子や電子の移動軌跡
を歪めることが少なくなり、精密で且つ安定した処理を
行うことが可能となる。
【0040】図1は、本発明の冷却装置を適用されたプ
ラズマエッチング装置10の実施形態を示す。同図にお
いて、冷却装置12は、上述の実施形態で説明したよう
な各種の冷却回路20,30,40と公知の熱電モジュ
ール18とをサセプタ17の内部に設けると共に、真空
チャンバ11の外壁にも付設して、サセプタ17上のウ
ェハWを冷却すると同時に、真空チャンバ11の内部を
も積極的に冷却している。このように、本発明の冷却回
路を使って、ウエハWのみならず、真空チャンバ11の
壁面やその内部を積極的に冷却すれば、冷却回路20,
30,40から発生する磁界が弱いため、プラズマガス
が影響を受けず、エッチングが好適に且つ安定して行な
われる。
【0041】なお、以上の説明においては、プラズマガ
スによってエッチングを行なうプラズマエッチング装置
について説明したが、本発明はエッチング装置のみに限
らず、プラズマを用いた半導体製造装置全般について応
用可能である。また、プラズマを用いた半導体製造装置
のみならず、例えば電子ビーム等の帯電粒子を用いた電
子ビーム描画装置などのように、電界をかけて半導体の
処理を行なうような半導体製造装置全般に対して応用が
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る冷却回路が適用された冷却装置を
備えたプラズマエッチング装置の概略構成を示す断面図
である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る冷却回路の構成部
材の一例を模式的に示す分解斜視図である。
【図3】前記実施形態の冷却回路の流路断面図である。
【図4】同冷却回路における磁界の説明図である。
【図5】前記実施形態の冷却回路と従来の冷却回路によ
るサセプタの上方5mmの高さにおける径方向の磁束密
度の変化を示す線図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る冷却回路の部分構
成例を模式的に示す透視図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る冷却回路の製作例
を示す説明図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る冷却回路の部分構
成例を模式的に示す透視図である。
【図9】工業用水の流量変化に伴う等価電流値の変化を
示す線図である。
【符号の説明】
10 プラズマエッチング装置 11 真空チャンバ 12 冷却装置 13,14 プラズマ電極 15 ブロッキングコンデンサ 16 高周波電源 17 サセプタ 18 熱電モジュール 20,30,40 冷却回路 21,22 第1及び第2円板 23 密閉板 24,25 第1及び第2溝 24a 貫通孔 26 冷媒循環路 27,28 第1及び第2冷媒流路 29a,29b 磁界 31 (二重管構造の)冷却管材 31a 内側管材 31b 外側管材 31c 連通路 32 中央溝部 33 (Y字状断面の)突条 41 冷却管材 41a,41b 金属管 W 半導体ウェハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K029 EA08 4K030 CA04 KA26 5F004 AA16 BA04 BB25 BD04 5F031 CA02 HA02 HA03 HA38 MA32

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体製造装置用基板の冷却回路にあっ
    て、 冷媒(29)が流れる流路(27,28) を備え、 前記流路(27,28) が、同流路(27,28) を流れる冷媒(29)
    により発生する磁界の方向ベクトルの総和が零となるよ
    うに形成されてなる、ことを特徴とする半導体製造装置
    用基板の冷却回路。
  2. 【請求項2】 前記流路(27,28) は、 冷媒(29)が1方向に流れる第1流路(27)と、 冷媒(29)が前記第1流路(27)に対して略逆方向に流れ、
    第1流路(27)と略同一長さを有する第2流路(28)とを備
    えてなり、 前記第1流路(27)と第2流路(28)に流れる冷媒(29)と
    が、ほぼ同一流量を流されるように構成されてなること
    を特徴とする請求項1に記載の冷却回路。
  3. 【請求項3】 前記第1流路(27)が冷却板(4) の表面側
    に形成され、前記第2流路(2) が同冷却板(26)の裏面側
    に形成されてなる請求項2記載の冷却回路。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第2流路(27,28) が、同軸
    上に形成された二重管路又は三重管路から構成されてな
    ることを特徴とする請求項2記載の冷却回路。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2流路(27,28) が、捩合
    された二本の管路から構成されてなる請求項2記載の冷
    却回路。
  6. 【請求項6】 前記冷媒(29)が工業用水である請求項1
    〜5のいずれかに記載の冷却回路。
  7. 【請求項7】 前記請求項1〜5のいずれかに記載の冷
    却回路を備えてなることを特徴とする半導体製造装置。
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