JP3714248B2 - 処理装置及び処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、処理装置及びその製造方法並びに被処理体の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工程では、半導体ウエハの表面に薄膜を形成したり、半導体ウエハの薄膜を除去したりすることが行なわれており、このような成膜工程及び除膜工程には減圧CVD装置、スパッタリング装置あるいはエッチング装置、アッシング装置などの処理装置が広く用いられている。そして、最近では半導体デバイスが16MDRAM、64MDRAMと高集積化し、その配線構造がハーフミクロン、クォータミクロンオーダーの超微細構造になって来ているため、プラズマを利用したCVD装置、エッチング装置などが用いられている。例えば、超微細加工のエッチング技術では、一方向のみを優先的にエッチングする異方性エッチング技術が重要である。異方性エッチングを行なう装置としては例えば反応性イオンエッチング(RIE)装置が知られている。
【0003】
RIE装置は、高周波電力を印加した下部電極と接地された上部電極との間でエッチングガスのプラズマを発生させ、このプラスマ中の反応性イオンを負に自己バイアスされた下部電極に向けて照射し、この反応性イオンにより半導体ウエハ等の被処理体表面の被エッチング成分をエッチングするよう構成されている。このエッチングに際し、反応性イオン以外にも化学的に活性なラジカルも同時に生成し、このラジカルによっても被エッチング成分がエッチングされる。ところがラジカルは電気的に中性であるため、その照射方向を一方向に規制することができず等方的なエッチングが起こり、その結果半導体ウエハがサイドエッチングされ、精度の高いエッチングを行なうことができない。そのため、従来から被処理体を支持する下部電極を液化窒素などの冷媒を用いて例えばマイナス温度域の低温に制御し、ラジカル反応を凍結して異方性エッチングの精度を高めるようにしている。また、半導体ウエハをエッチングする際には半導体ウエハ全面の温度を略均一に制御してエッチング速度にバラツキがないようにする必要がある。
【0004】
また、プラズマCVD装置の場合には、高周波電力を印加した下部電極と接地された上部電極との間でプロセスガスのプラズマを発生させ、このプラスマ中の生成ガスが下部電極上の半導体ウエハ表面に堆積して所定の薄膜を形成するよう構成されている。そして、プラズマCVD装置の場合にも半導体ウエハの処理温度が成膜速度に大きな影響を与えるため、半導体ウエハ全面の温度を略均一に制御する必要がある。そのため、従来から半導体ウエハを載置する下部電極に内蔵された温度調整機構などを用いて被処理体全面を均一に加熱して被処理体表面に均一な薄膜を形成するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、被処理体の接触面及び下部電極上面は完全な平坦に加工することが困難で、それぞれの面には微視的な凹凸が残っており、これらの凹凸故に被処理体が下部電極に密着せず、下部電極上面と被処理体裏面との間に細隙が形成されるため、従来の処理装置の場合には、この細隙部分における下部電極からの熱伝達が接触部分における熱伝達よりも劣り、均一な冷却を行なうことができず、被処理体面内で温度分布を生じて被処理体に均一なプラズマ処理を施すことが難しいという課題があった。また、従来の処理装置の中には下部電極がプラズマの照射損傷を受けないように下部電極の外径を被処理体の外径より小さく形成したものがある。このような処理装置の場合には下部電極からはみ出した被処理体の外周縁部をその内側ほどに冷却することができず、処理中にその外周縁部の温度がその内側よりも高くなり、均一なプラズマ処理が益々難しくなるという課題があった。
【0006】
また、従来のプラズマCVD装置やプラズマアッシング装置の場合には、薄膜化が進むに連れて処理室内が高真空になるため、エッチング装置と同様に下部電極上面の微細な凹凸が電極から被処理体への熱伝達を阻害し、被処理体表面を均一に加熱することができず、均一な成膜あるいはアッシングを行なうことが難しくなるという課題があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、被処理体とこれを保持する支持体間の接触不良による冷却ムラや加熱ムラを効率良く抑制し、被処理体の面内での温度分布を抑制し、安定したプラズマ処理を短時間で施すことができる処理装置及び処理方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の処理装置は、処理室内の支持体で支持された被処理体にプラズマ処理を施す処理装置において、上記支持体の支持面で開口する第1、第2ガス通路を上記支持体内に設ける共に第1、第2ガス通路に互いに吸熱反応する異なった熱伝導性ガスをそれぞれ供給する第1、第2ガス供給手段を接続したことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の請求項2に記載の処理装置は、処理室内の支持体で支持された被処理体にプラズマ処理を施す処理装置において、上記支持体の支持面で開口する第1、第2ガス通路を上記支持体内に設ける共に第1、第2ガス通路に互いに発熱反応する異なった熱伝導性ガスをそれぞれ供給する第1、第2ガス供給手段を接続したことを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の請求項3に記載の処理装置は、請求項1または請求項2に記載の発明において、上記第1、第2ガス供給手段それぞれに熱伝導性ガスの圧力を制御する圧力制御手段を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の請求項4に記載の処理装置は、請求項3に記載の発明において、上記圧力制御手段は、上記熱伝導性ガスの供給流量を制御する供給量制御手段と、上記熱伝導性ガスの排気量を制御する排気量制御手段とを有することを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の請求項5に記載の処理装置は、請求項4に記載の発明において、上記排気量制御手段の上流側で且つ上記支持体の下流側に圧力検出手段を設けたことを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の請求項6に記載の処理装置は、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の発明において、上記第1、第2ガス供給手段それぞれに温度調整機構を設けたことを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の請求項7に記載の処理装置は、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の発明において、上記第1ガス通路の開口部を上記支持面の外周縁部に設けると共に上記第2ガス通路の開口部を上記支持面の外周縁部より内側に設けたことを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明の請求項8に記載の処理装置は、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の発明において、上記プラズマを発生させるために、上記支持体に高周波電力を印加する高周波電源を接続したことを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明の請求項9に記載の処理方法は、処理室内の支持体で支持された被処理体にプラズマ処理を施す処理方法において、上記被処理体を処理する際に、上記支持体の支持面で開口する第1、第2ガス通路それぞれに互いに吸熱反応する異なった熱伝導性ガスを供給することを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明の請求項10に記載の処理方法は、処理室内の支持体で支持された被処理体にプラズマ処理を施す処理方法において、上記被処理体を処理する際に、上記支持体の支持面で開口する第1、第2ガス通路それぞれに互いに発熱反応する異なった熱伝導性ガスを供給することを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明の請求項11に記載の処理方法は、請求項9または請求項10に記載の発明において、上記第1、第2ガス通路それぞれに供給する熱伝導性ガスの圧力を制御することを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明の請求項12に記載の処理方法は、請求項11に記載の発明において、上記第1、第2ガス通路へのガス供給量及び/また上記第1、第2ガス通路からのガス排気量をそれぞれ制御することを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明の請求項13に記載の処理方法は、請求項11または請求項12に記載の発明において、上記第1、第2ガス流路から排気するガスの圧力をそれぞれ検出することを特徴とするものである。
【0021】
また、本発明の請求項14に記載の処理方法は、請求項9〜請求項13のいずれか1項に記載の発明において、上記第1、第2ガス通路にそれぞれ供給する上記各熱伝導性ガスの温度を調整することを特徴とするものである。
【0022】
また、本発明の請求項15に記載の処理方法は、請求項9〜請求項14のいずれか1項に記載の発明において、上記第1ガス通路の熱伝導性ガスを上記支持面の外周縁部から供給すると共に上記第2ガス通路の熱伝導性ガスを上記支持面の外周縁部より内側から供給することを特徴とするものである。
【0023】
また、本発明の請求項16に記載の処理方法は、請求項9〜請求項15のいずれか1項に記載の発明において、上記支持体に高周波電力を印加して上記プラズマを発生させることを特徴とするものである。
【0024】
また、本発明の請求項17に記載の処理方法は、請求項9〜請求項16のいずれか1項に記載の発明において、予めモニター用の被処理体を用いてその表面の温度分布を測定し、上記第1、第2ガス通路への熱伝導性ガスの供給量及び/また上記第1、第2ガス通路からのガス排気量を設定し、上記温度分布を均一にすることを特徴とするものである。
【0025】
【発明に実施の形態】
以下、図1〜図6に示す実施形態に基づいて本発明を説明する。
本実施形態の処理装置は反応性イオンエッチング(RIE)装置として構成されている。このRIE装置は、図1に示すように、例えばアルミニウム等の導電性材料により円筒状に形成され処理室1を備えている。この処理室1は気密構造に構成され、その周面下部に接続された排気管2を介して図示しない真空ポンプにより真空引きして例えば10−2Torr以下の真空雰囲気を形成できる。処理室1内の底面にはアルミニウム等の導電性材料により半導体ウエハ3より小径に形成された支持体としての下部電極4が配設され、この下部電極4により半導体ウエハ3を支持する。
【0026】
下部電極4の内部には液化窒素等の冷媒が流通する冷媒通路5が形成され、この冷媒通路5内に冷媒を供給してマイナス領域の温度まで下部電極4を冷却する。更に、この下部電極4にはブロッキングコンデンサ6を介して高周波電源7が接続され、この高周波電源7の13.56M Hzの高周波電圧をブロッキングコンデンサ6を介して下部電極4に印加する。また、下部電極4の上面にはこれと同一外径の静電チャック8が接着剤で貼り付けられている。この静電チャック8は、銅箔等の導電性金属膜9をポリイミド系樹脂フィルム等の絶縁性膜10で挟んだサンドイッチ構造に形成されている。導電性金属膜9には直流電源11が接続され、この直流電源11から直流電圧を導電性金属膜9に印加して発生する絶縁性膜10表面のクーロン力により半導体ウエハ4を吸着する。また、下部電極4の周囲には石英等により形成されたフォーカスリング12が配設され、このフォーカスリング12により後述のように発生したプラズマを静電チャック8で支持された半導体ウエハ3へ集める。
【0027】
また、下部電極4の上方には例えば15〜20mmの間隔を隔てて対向する上部電極13が配設され、この上部電極13は扁平な中空円盤状に形成されている。上部電極13の上面中央には処理室1上面中央を貫通しエッチングガスの供給源(図示せず)に連通する供給管14が接続され、その下面全面にはエッチングガスを処理室1内へ噴出する多数の孔14Aが分散して形成されている。この上部電極13はグランド電位を維持するように接地されている。そして、この上部電極13から処理室1内にエッチングガスを供給し、下部電極4に高周波電力を印加すると、下部電極4と上部電極13でエッチングガスのプラズマを発生する。
【0028】
また本実施形態では、下部電極4内には冷媒通路5と干渉しない位置に熱伝導性に優れ且つ互いに吸熱反応する熱伝導性ガス(反応性ガス)がそれぞれ通る第1、第2ガス通路15、16が図1、図3に示すように形成され、しかも第1、第2ガス通路15、16はいずれも後述のように下部電極4の上面の複数位置で開口している。また、第1、第2ガス通路15、16には第1、第2ガス給排手段17、18がそれぞれ接続され、これらのガス給排手段17、18から互いに吸熱反応する反応性ガスを第1、第2ガス通路15、16へ供給すると共にそれぞれのガス圧を所定圧で維持するように排気制御する。これらの第1、第2ガス給排手段17、18はいずれも同様に構成されている。例えば、第1ガス給排手段17は、反応性ガスが充填されたボンベ17Aと、反応性ガスの流量を制御するマスフローコントローラ17Bと、マスフローコントローラ17Bにより供給された反応性ガスを排気制御する可変バルブ17Cとを備えて構成されている。
【0029】
熱伝導性に優れ且つ互いに吸熱反応する反応性ガスの組み合わせとしては、例えば窒素ガスと酸素ガスの組み合わせ、窒素ガスと水素ガスの組み合わせ等を挙げることができる。この場合には第1ガス給排手段17から供給する反応性ガスと、第2ガス給排手段18から供給する反応性ガスとが異なり、半導体ウエハ3と下部電極4間の細隙において互いに吸熱反応を起こす。この吸熱反応により単に熱伝達率を高めるだけでなく、半導体ウエハ3からの吸熱により更に冷却効率を高めることができる。但し、熱伝導性ガスとして反応性ガスを供給する場合には、これらのガス及び生成ガスがプラズマ処理に影響しないものを選択する必要がある。
【0030】
また、図2に示すように下部電極4の上面で開口する第1ガス通路15の第1開口部19は下部電極4の外周縁部に周方向に沿って例えば12個形成され、これらの第1開口部19はいずれも同一円周上に配置されている。また、同様に下部電極4の上面で開口する第2ガス通路16の第2開口部20は第1開口部19の配置された円周の内側に例えば12個分散配置されている。12個のうち8個の第2開口部20は第1開口部19のやや内側で周方向に等間隔を隔てて同一円周上に配置され、残りの4個は8個の第2開口部20の更に内側に位置し、やはり周方向に等間隔を隔てて同一円周上に配置されている。第1、第2開口部19、20の大きさは、0.1〜2.0mm径のものが好ましい。また、その個数は上記個数に制限されるものではなく、その個数が多く、広く分散している方が極め細かく半導体ウエハ3の温度を制御することができて好ましいが、経済面を勘案すると8〜200個が好ましい。
【0031】
また、静電チャック8には第1、第2開口部19、20に対応させた2種類の第1、第2孔21、22がそれぞれ複数ずつ形成されている。第1孔21は4箇所でそれぞれ同一形状、同一大きさの円弧状に形成され、4個の第1孔21にはそれぞれ3個の第1開口部19が臨むように形成されている。また、第2孔22は12個の第2開口部20に対応させてこれらと同一大きさに形成されている。従って、下部電極4と半導体ウエハ3で挟まれた円弧状の第1孔21は円弧状の空間を形成し、この円弧状の空間部はこの部分で開口した3個の第1開口部19を介して第1ガス通路15と連通し、第1ガス通路15と同一ガス圧を維持する。第2孔22についても第1孔21と同様に半導体ウエハ3の裏面で第2ガス通路16と同一ガス圧を維持するように構成されている。尚、一番内側に配置された4個の第2開口部20及び第2孔22は下部電極4に内蔵されたリフタピン(図示せず)が進退動する孔を利用するように構成されている。
【0032】
熱伝導性に優れ且つ互いに吸熱反応する反応性ガスの組み合わせとして例えば窒素ガスと酸素ガスを第1、第2ガス給排手段17、18のボンベ17A、18Aから個別に供給しながらそれぞれの排気量を可変バルブ17C、18C及び圧力計17D、18Dにより制御することにより第1ガス通路15内の窒素ガスのガス圧と第2ガス通路16内の酸素ガスのガス圧をそれぞれ所定圧に制御することができる。所定圧の窒素ガスと酸素ガスは第1、第2ガス通路15、16の第1、第2開口部19、20及び静電チャック8の第1、第2孔21、22を介して静電チャック8と半導体ウエハ3間の細隙を満たし、これらのガスにより細隙での熱伝導性を高めるとができる。しかも、エッチング時の半導体ウエハ3での発熱により窒素ガスと酸素ガスが吸熱反応し、半導体ウエハ3の熱を吸熱してその冷却効率を一層高めることができる。また、熱伝導性ガス(反応性ガス)としては、エンタルピーが大きなガスほど好ましい。エンタルピーが大きなガスは、熱伝達媒体としての機能ばかりでなく、多くの熱エネルギーを輸送でき、それだけ半導体ウエハ3に多くの熱を奪い、あるいは多くの熱を与えることができる。
【0033】
従って、静電チャック8上に半導体ウエハ3を吸着し、下部電極4と上部電極4間の真空放電によりエッチングガスのプラズマを発生させて半導体ウエハ3にエッチング処理を施す際に、半導体ウエハ3がエッチングにより昇温しても、半導体ウエハ3を下部電極4により冷却することができる。そして、この冷却作用は半導体ウエハ3が静電チャック8全面に均等に密着せず、両者間に多少の細隙が形成されていても、この細隙に第1、第2開口部19、20及び第1、第2孔21、22を介して窒素ガスと酸素ガスが供給され、これらのガスにより細隙での熱伝達率を高め、半導体ウエハ3の熱は窒素ガス及び酸素ガスを介して下部電極4へ均等に伝達され、半導体ウエハの密着の度合に関係なく半導体ウエハ3全面をムラなく冷却することができる。しかも半導体ウエハ3がエッチングによる発熱を利用した窒素ガスと酸素ガスの吸熱反応により半導体ウエハ3の熱を吸熱するため、半導体ウエハ3の冷却効率を更に高めることができる。
【0034】
また、本実施形態のように半導体ウエハ3が静電チャック8よりも大径の場合には、静電チャック8からはみ出した半導体ウエハ3の外周縁部が直接冷却されず、その部分の温度がその内側よりも高温になるが、この場合には、第1、第2ガス給排手段17、18により窒素ガスと酸素ガスの給排を制御して第1ガス通路15内の窒素ガスのガス圧を第2ガス通路16内の酸素ガスのガス圧より高く設定することができる。このように第1ガス通路15内の窒素ガスのガス圧を第2ガス通路16内の酸素ガスのガス圧より高く設定することにより、窒素ガスと酸素ガスの吸熱反応と相俟って半導体ウエハ3の外周縁部での冷却作用をその内側よりも強くすることができ、半導体ウエハ3の外周縁部をその内側よりも強く冷却し、半導体ウエハ3全面をムラなく冷却してその面内での温度分布をなくすことができる。
【0035】
次に、動作について説明する。真空引きされた処理室1内の下部電極4に半導体ウエハ3を載置し、静電チャック8のクーロン力で半導体ウエハ3を静電チャック8上に吸着する。次いで、上部電極13の供給管14でエッチングガスを受給し、その孔14Aから処理室1内へエッチングガスを供給し、エッチングガスのガス圧を例えば10−2Torr以下の真空度に設定する。次いで、下部電極4に13.56MHzの高周波電圧を印加しエッチングガスを介して下部電極4と上部電極13間で真空放電させるとこれら両者間でエッチングガスがプラズマ化し、主としてその反応性イオンによって半導体ウエハ3に異方性エッチングを施す。このエッチングにより半導体ウエハ3の温度が上昇するが、下部電極4内の冷媒通路5を流通する液化窒素等の冷媒により下部電極4を冷却しているため、この下部電極4及び静電チャック8を介して半導体ウエハ3を冷却してその温度上昇を抑制する。
【0036】
この時、第1、第2ガス給排手段17、18のガスボンベ17A、18Aからマスフローコントローラ17B、18Bを介して予め設定されたガス流量に制御しながら下部電極4内の第1ガス通路15に窒素ガスを供給すると共に第2ガス通路16内に酸素ガスを供給している。この第1、第2ガス通路15、16内に供給された窒素ガスと酸素ガスはそれぞれの可変バルブ17C、18Cによって排気量を制御し、第1、第2ガス通路15、16内の圧力がそれぞれ一定圧力に設定されている。このように圧力設定された窒素ガスは第1ガス通路15の第1開口部19及び静電チャック8の第1孔21を介して静電チャック8と半導体ウエハ3間に形成された細隙に侵入すると共に酸素ガスは第2ガス通路16の第2開口部20及び静電チャック8の第2孔22を介して静電チャック8と半導体ウエハ3間に形成された細隙に侵入してこれらの細隙の圧力をそれぞれ上述の圧力に維持する。
【0037】
従って、半導体ウエハ3外周縁部裏面の細隙における窒素ガスのガス圧はその内側の細隙における酸素ガスのガス圧よりも高く設定されているため、前者の細隙での熱伝達速度が後者の細隙での熱伝達速度よりも速く、半導体ウエハ3の外周縁部をその内側よりも強く冷却する。しかも、窒素ガスと酸素ガスの吸熱反応によって半導体ウエハ3の熱を吸熱し、それぞれの細隙における冷却効率が一層高くなり、より短時間で半導体ウエハ3を所定温度まで冷却して全面の温度をより短時間で均一化し、スループットを高めることができる。従って、静電チャック8から半導体ウエハ3の外周縁部がはみ出し、その内側よりも高温になる場合であっても、この部分を内側よりも強く冷却するため、結果的には半導体ウエハ3全面をバランス良く冷却して面内の温度分布をなくし、全面で均一な異方性エッチングを施すことができる。
【0038】
以上説明したように本実施形態によれば、下部電極4の支持面で開口する第1、第2ガス通路15、16を下部電極4内に設ける共に第1、第2ガス通路15、16に互いに吸熱反応する窒素ガスと酸素ガスをそれぞれ供給する第1、第2ガス給排手段17、18を接続したため、窒素ガスを第1ガス給排手段17から第1ガス通路15へ供給すると共に酸素ガスを第2ガス給排手段18から第2ガス通路16へ供給すれば、これらのガスは第1、第2ガス通路15、16を経由して第1、第2開口部19、20及び第1、第2孔21、22を介して下部電極4上面の外周縁部及びその内側の複数箇所から半導体ウエハ3と静電チャック8間の細隙に行き渡り、細隙に介在する窒素ガスと酸素ガスにより半導体ウエハ3と下部電極4間の熱伝達率が高まり、しかも窒素ガスと酸素ガスが細隙において吸熱反応して半導体ウエハ3の熱を吸熱し、半導体ウエハ3全面をムラなく短時間で冷却して半導体ウエハ3面内での温度分布を抑制し、半導体ウエハ3全面に均一なエッチングを施すことができ、ひいてはスループットを高めることができる。
【0039】
更に、本実施形態では、第1、第2ガス給排手段17、18のマスフローコントローラ17B、18B及び可変バルブ17C、18Cを介して第1、第2ガス通路15、16内の窒素ガスと酸素ガスそれぞれの圧力を個別に制御して静電チャック8と半導体ウエハ3間の外周縁部の細隙に介在する窒素ガスの圧力をその内側の細隙に介在する酸素ガスの圧力よりも高く設定するようにしたため、外周縁部の細隙の方がその内側に細隙よりも熱伝達率が良くなり、窒素ガスと酸素ガスの吸熱反応と相俟って半導体ウエハ3の外周縁部をその内側よりも強く冷却することができる。従って、半導体ウエハ3の外周縁部が静電チャック8からはみ出していても半導体ウエハ3面内を均一に冷却し、半導体ウエハ3全面に均一なエッチングを施すことができる。
【0040】
図4〜図6に示すプラズマエッチング装置を例に挙げて本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態の処理装置は、図4、図5に示す下部電極及びガスの給排機構を除き、上記実施形態と同様に構成されている。そこで、本実施形態の特徴を中心にして本発明を説明する。
【0041】
本実施形態のエッチング装置の下部電極31内には、図4に示すように熱伝導性に優れ且つ互いに吸熱反応する異なった熱伝導性ガス例えば窒素ガスと酸素ガスがそれぞれ通る第1、第2ガス通路32、33が形成され、しかも第1、第2ガス通路32、33はいずれも図5に示すように下部電極31の上面の複数位置で開口している。また、第1、第2ガス通路32、33には第1、第2ガス供給手段34、35がそれぞれ接続され、これらのガス供給手段34、35それぞれから窒素ガスと酸素ガスを第1、第2ガス通路32、33へ供給する。これらの第1、第2ガス供給手段34、35はいずれも同様に構成されている。第1、第2ガス供給手段34、35は、窒素ガスと酸素ガスがそれぞれ充填されたガス供給源例えばボンベ34A、35Aと、ボンベ34A、35Aと第1、第2ガス通路32、33をそれぞれ連結する、例えばステンレス、インコネル等のニッケル合金により形成された配管34B、35Bと、配管34B、35Bにそれぞれ取り付けられ、ヘリウムガスの流量を制御するマスフローコントローラ34C、35Cと、マスフローコントローラ34C、35Cの下流側に取り付けられた、可変バルブ34D、35D及び圧力計34E、35Eとを備えている。また、下部電極31内には上記実施形態と同様の冷媒通路36が形成され、この冷媒通路36を流れる液化窒素により下部電極31を冷却する。
【0042】
本実施形態では、互いに吸熱反応する反応性ガスとして窒素ガスと酸素ガスを用いているが、その他の吸熱反応するガス、例えば窒素ガスと水素ガスの組み合わせであっても良い。また、互いに発熱反応する異なった熱伝導性ガス(反応性ガス)を用いることもできる。発熱反応するガスとしては、例えば水素ガスと酸素ガス、一酸化炭素ガスと酸素ガスなどの組み合わせがある。また、熱伝導性ガスとしては、エンタルピーが大きなガスほど好ましい。エンタルピーが大きなガスは、熱伝達媒体としての機能ばかりでなく、多くの熱エネルギーを輸送でき、それだけ半導体ウエハ3に多くの熱を奪い、あるいは多くの熱を与えることができる。
【0043】
そして、図5に示すように下部電極31の上面で開口する第1ガス通路32の第1開口部37は下部電極31の外周縁部に周方向に沿って例えば8個形成され、これらの第1開口部37はいずれも同一円周上に配置されている。また、同様に下部電極31の上面で開口する第2ガス通路33の第2開口部38は第1開口部37の配置された円周の内側に例えば16個分散配置されている。そのうち8個の第2開口部38は第1開口部37のやや内側で径方向に等間隔を隔てた円周上に配置され、残りの8個は更に内側に位置し、やはり径方向に等間隔を隔てた円周上に配置されている。第1、第2開口部37、38の大きさは、0.1〜2.0mm径のものが好ましい。また、その個数は上記個数に制限されるものではなく、その個数が多く、広く分散している方が極め細かく半導体ウエハ3の温度を制御することができて好ましいが、経済面を勘案すると8〜200個が好ましい。
【0044】
また、上記配管34B、35Bそれぞれにはマスフローコントローラ34C、35Cと圧力計34E、35Eの間に位置する第1、第2温度調整機構39、40がそれぞれ取り付けられている。これらの温度調整機構39、40はいずれも同様に構成されている。そこで、第1温度調整機構39を例に挙げて図4、図6を参照しながら説明し、第2温度調整機構40には第1温度調整機構39の部品に相当する符号を付してその説明を省略する。第1温度調整機構39は、例えば図6に示すように、配管34B内に装着された温度調整部材39Aと、温度調整部材39Aを全長に亘って配管34Bを介して囲むコイル39Bと、コイル39Bを介して温度調整部材39Aの温度を調整する温度制御器39Cとを備えている。そして、本実施形態のように窒素ガスを冷却する場合にはコイル39Bは例えば冷媒が循環する冷却コイルとして構成され、また温度制御器39Cは冷却機として構成されている。そして、冷却コイルと配管34B間には熱伝達媒体例えばシリコーングリースが介在し、シリコーングリースを介して冷却コイルにより配管34Bの熱を効率良く吸熱できるように構成されている。また、上記温度調整部材39Aは、例えば図6に示すように毛細管を多数本束ねたものや、図示してないが通気自在に形成された多孔質体などによって構成することができる。この温度調整部材39Aは耐食性、耐発塵性の材料、例えば配管34Bと同様の材料あるいは石英などによって形成されたものが好ましい。
【0045】
従って、第1、第2ガス供給手段34、35は、ボンベ34A、35Aから配管34B、35Bを介してマスフローコントローラ34C、35Cによってそれぞれ所定のガス流量に制御された窒素ガスと酸素ガスを供給し、それぞれのガスの圧力を可変バルブ34D、35D及び圧力計34E、35Eにより一定に維持する。所定圧のヘリウムガスは第1、第2ガス通路32、33の第1、第2開口部37、38を介して下部電極31と半導体ウエハ3間の細隙へ流通する。そして、例えば、第1ガス通路32に到達する窒素ガスは、第1温度調整機構39によって例えば室温より低い温度である+15℃に温度調整され、また、第2ガス通路33に到達する酸素ガスは、第2温度調整機構40によって例えば室温より高い温度である+37℃に温度調整され、下部電極31の第1開口部37及び第2開口部38から供給された窒素ガスにより半導体ウエハ3を裏面から直接温度調整して半導体ウエハ3全面を例えば5℃に均等に設定する。この場合、窒素ガスは下部電極31から半導体ウエハ3への熱伝達媒体としての機能よりもむしろ半導体ウエハ3を直接昇温させたり、降温させたりする温度調整機能が優先する。
【0046】
次に、動作について説明する。まず、本実施形態のエッチング装置を用いてエッチング処理を行なう場合には、処理すべき半導体ウエハ3のエッチング処理に先立って、第1、第2ガス供給手段34、35から供給する窒素ガス及び酸素ガスガスの温度を第1、第2温度調整機構39、40を用いてそれぞれ所定の温度(調整温度が両者で同一温度の場合もあれば、温度差がある場合もある)に設定する。次いで、本実施形態の処理方法ではモニター用半導体ウエハ3を下部電極3上に載置した状態で、第1ガス供給手段34から一定流量の窒素ガスを第1ガス通路32へ供給し、その第1開口部37からモニター用半導体ウエハ3と下部電極3間に窒素ガスを供給する。これと同時に第2ガス供給手段35からも一定流量の酸素ガスを第2ガス通路33の第2開口部38を介して供給する。
【0047】
これらの窒素ガス、酸素ガスによりモニター用半導体ウエハ3の冷却ムラを上記実施形態で説明したように抑制できるが、依然としてモニター用半導体ウエハ3全面を均一に冷却することが困難な場合がある。その場合にはモニター用半導体ウエハ3の温度分布を例えば赤外線温度センサによりモニターしながら、マスフローコントローラ34C、35Cを用いて第1、第2ガス供給手段34、35からそれぞれ供給する窒素ガス、酸素ガスの流量を個別に調整し、あるいは第1、第2温度調整機構39、40を用いて窒素ガス、酸素ガスの温度を調整する。そして、それぞれの圧力及び温度における窒素ガスと酸素ガスの吸熱反応により半導体ウエハ3から積極的に熱を奪い、温度を迅速に下げた時の半導体ウエハ3全面の温度が例えば略5℃になる流量あるいは温度を探す。この際、半導体ウエハ3の温度が高い部分と低い部分との温度差が大きい時には、可変バルブ34Dまたは35Dよりガス圧力を高めて熱伝達率を大きくするか、あるいは第1、第2温度調整機構39、40により窒素ガス、酸素ガスの温度をそれぞれ調整するなどして、短時間で温度を平均化することができる。そして、全面が均一な温度になった時点での窒素ガスと酸素ガスそれぞれの流量及び第1、第2温度調整機構39、40による窒素ガス、酸素ガスの調整温度の設定条件を図示しない制御装置の記憶装置に設定登録しておく。このようにして半導体ウエハ3表面の温度を略均一にした後、エッチング処理を開始する。
【0048】
エッチング処理を行なう場合にはまず、下部電極31上に処理すべき半導体ウエハ3を載置した状態で上部電極からエッチングガスとして、例えば、トリフルオロエタン(CHF)と一酸化炭素(CO)の混合ガス(混合比:CHF/CO=45/155)を例えば200sccmの流量で処理室1内へ供給し、エッチングガスのガス圧力を例えば4×10−2Torrの真空度に設定する。次いで、下部電極31に13.56MHzの高周波電圧を1450Wで印加しエッチングガスを介して下部電極31と上部電極(図4では図示せず)間で真空放電させるとこれら両者間でエッチングガスがプラズマ化し、主としてその反応性イオンによって半導体ウエハ3に異方性エッチングを施す。このエッチングにより半導体ウエハ3の温度が上昇するが、下部電極31内の冷媒通路37を流通する液化窒素により下部電極31を冷却しているため、この下部電極31を介して半導体ウエハ3を冷却してその温度上昇を抑制する。
【0049】
更に、本実施形態では、第1、第2開口部37、38から供給される窒素ガスと酸素ガスは上部電極31から半導体ウエハ3への熱伝達率を高めるだけでなく、同一または異なった温度(あるいは同一温度)に調整された窒素ガスと酸素ガスにより半導体ウエハ3外周縁部及びその内側で熱を付与しあるいは熱を奪ってそれぞれの部分の温度を積極的に所定の温度である5℃に調整する。より具体的には、半導体ウエハ3の温度が5℃より高い外周縁部には大きな流量で窒素ガスを供給してガス圧力を高くして熱伝達率を上げると共に酸素ガスとの吸熱反応により冷却効率を高めてその部分の温度を5℃まで下げ、半導体ウエハ3の設定温度である5℃より内側部分には小さな流量で酸素ガスを供給して低いガス圧力で冷却効率を外周縁部よりも低下させてその部分の温度を5℃まで上げて半導体ウエハ3全面の温度を5℃に平均化する。また、場合によっては第1、第2温度調整機構39、40により第1、第2開口部37、38からそれぞれ供給する窒素ガスと酸素ガスの温度を調整して半導体ウエハ3全面の温度を5℃に平均化する。この吸熱反応を用いる方法は、第1開口部37と第2開口部38の間で周囲より高い温度分布を示す場合に有効である。
【0050】
以上説明したように本実施形態によれば、下部電極31内に第1、第2ガス通路32、33を設けると共に第1、第2ガス通路32、33を第1、第2開口部37、38を介して下部電極31上面の外周縁部及びその内側の複数箇所でそれぞれ開口させ、例えば窒素ガスと酸素ガスを第1、第2ガス供給手段34、35から第1、第2ガス通路32、33へ個別に供給し、これらのガスを第1、第2ガス通路32、33を経由させて第1、第2開口部37、38を介して下部電極31上面の外周縁部及びその内側の複数箇所から個別に半導体ウエハ3と下部電極31間の細隙に行き渡らせるようにしたため、窒素ガスと酸素ガスにより半導体ウエハ3と下部電極31間の熱伝達率が高まると共に、半導体ウエハ3の温度の高い部分では窒素ガスまたは酸素ガスの流量を高くしてその温度を低下させ、温度の低い部分では窒素ガスまたは酸素ガスの流量を低くしてその温度を高くすることにより半導体ウエハ3全面の温度を均一化することができ、延いては半導体ウエハ3面内での温度分布を解消して半導体ウエハ3全面に均一なエッチングを施すことができる。また、窒素ガス、酸素ガス流量の調整だけでは半導体ウエハ3の温度を迅速に温度調整できない場合には第1、第2温度調整機構39、40を用いることにより迅速に半導体ウエハ3の温度を均一化することができる。従って、本実施形態のエッチング装置及びプラズマ処理方法は、半導体ウエハ3の中心を通る断面において例えば外周縁部の温度が高くその内側の温度が低い、温度分布を呈する場合にでも下部電極31上に載置された半導体ウエハ3を予め温度調整してその全面の温度を均一にした後、本来の処理を行なうようにしたため、本来の処理時には被処理体の面内での温度分布を確実に抑制することができ、安定したエッチングを施すことができる。
【0051】
尚、上記実施形態では吸熱反応する熱伝導性ガス(反応性ガス)として窒素ガスと酸素ガスを例に挙げて説明したが、窒素ガスと水素ガス等の吸熱反応するその他のガスの組み合わせを用いることもできる。また、発熱反応するガスの組み合わせは半導体ウエハを加熱する必要のあるCVD装置等で好ましく用いることができる。半導体ウエハ3を静電チャック8により下部電極4上に固定する場合について説明したが、半導体ウエハ3をクランプによって固定するようにしたものであっても良い。また、実施形態ではそれぞれの下部電極を示す図において静電チャックを省略して説明したが、これら実施形態でも実施形態と同様に静電チャックが設けられており、これらの静電チャックにはそれぞれの下部電極31、51の開口部に対応した孔が設けられている。また、上記各実施形態では、上下で対をなす上部電極及び下部電極を例に挙げて説明した、本発明における第1、第2電極は上下で対向する以外にも左右で対向する電極対についても適用することができる。また、上記各実施形態ではエッチング装置を例に挙げて説明したが、本発明の処理装置はエッチング装置に制限されるものでなく、その他のプラスマCVD装置、プラスマアッシング装置等の処理装置についても同様に適用することができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明の請求項1〜請求項17に記載の発明によれば、被処理体とこれを保持する支持体間の接触不良による冷却ムラや加熱ムラを効率良く抑制し、被処理体の面内での温度分布を抑制し、安定したプラズマ処理を短時間で施すことができる処理装置及び処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理装置の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1に示す処理装置から取り出した下部電極の上方からの平面図である。
【図3】図2に示す下部電極の一部を拡大して示す断面図である。
【図4】本発明の処理装置の他の実施形態の下部電極の構成を示す概念図である。
【図5】図4に示す下部電極の上方からの平面図である。
【図6】図4に示す処理装置に用いられる温度調整機構の構成の一部を示す配管の断面斜視図である。
【符号の説明】
1 処理室
3 半導体ウエハ(被処理体)
4、31、51 下部電極(支持体)
7 高周波電源
15、32、52 第1ガス通路
16、33、53 第2ガス通路
17 第1ガス給排手段(ガス供給手段)
17B、18B マスフローコントローラ(供給量制御手段)
17C、18C 可変バルブ(排気量制御手段)
17D、18D、34E、35E 圧力計(圧力検出手段)
18 第2ガス給排手段(ガス供給手段)
18D 圧力計(圧力検出手段)
19 第1開口部(開口)
20 第2開口部(開口)
34 第1ガス供給手段
35 第2ガス供給手段
39、40 温度調整機構

Claims (17)

  1. 処理室内の支持体で支持された被処理体にプラズマ処理を施す処理装置において、上記支持体の支持面で開口する第1、第2ガス通路を上記支持体内に設ける共に第1、第2ガス通路に互いに吸熱反応する異なった熱伝導性ガスをそれぞれ供給する第1、第2ガス供給手段を接続したことを特徴とする処理装置。
  2. 処理室内の支持体で支持された被処理体にプラズマ処理を施す処理装置において、上記支持体の支持面で開口する第1、第2ガス通路を上記支持体内に設ける共に第1、第2ガス通路に互いに発熱反応する異なった熱伝導性ガスをそれぞれ供給する第1、第2ガス供給手段を接続したことを特徴とする処理装置。
  3. 上記第1、第2ガス供給手段それぞれに熱伝導性ガスの圧力を制御する圧力制御手段を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の処理装置。
  4. 上記圧力制御手段は、上記熱伝導性ガスの供給流量を制御する供給量制御手段と、上記熱伝導性ガスの排気量を制御する排気量制御手段とを有することを特徴とする請求項3に記載の処理装置。
  5. 上記排気量制御手段の上流側で且つ上記支持体の下流側に圧力検出手段を設けたことを特徴とする請求項4に記載の処理装置。
  6. 上記第1、第2ガス供給手段それぞれに温度調整機構を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の処理装置。
  7. 上記第1ガス通路の開口部を上記支持面の外周縁部に設けると共に上記第2ガス通路の開口部を上記支持面の外周縁部より内側に設けたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の処理装置。
  8. 上記プラズマを発生させるために、上記支持体に高周波電力を印加する高周波電源を接続したことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の処理装置。
  9. 処理室内の支持体で支持された被処理体にプラズマ処理を施す処理方法において、上記被処理体を処理する際に、上記支持体の支持面で開口する第1、第2ガス通路それぞれに互いに吸熱反応する異なった熱伝導性ガスを供給することを特徴とする処理方法。
  10. 処理室内の支持体で支持された被処理体にプラズマ処理を施す処理方法において、上記被処理体を処理する際に、上記支持体の支持面で開口する第1、第2ガス通路それぞれに互いに発熱反応する異なった熱伝導性ガスを供給することを特徴とする処理方法。
  11. 上記第1、第2ガス通路それぞれに供給する熱伝導性ガスの圧力を制御することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の処理方法。
  12. 上記第1、第2ガス通路へのガス供給量及び/また上記第1、第2ガス通路からのガス排気量をそれぞれ制御することを特徴とする請求項11に記載の処理方法。
  13. 上記第1、第2ガス流路から排気するガスの圧力をそれぞれ検出することを特徴とする請求項11または請求項12に記載の処理方法。
  14. 上記第1、第2ガス通路にそれぞれ供給する上記各熱伝導性ガスの温度を調整することを特徴とする請求項9〜請求項13のいずれか1項に記載の処理方法。
  15. 上記第1ガス通路の熱伝導性ガスを上記支持面の外周縁部から供給すると共に上記第2ガス通路の熱伝導性ガスを上記支持面の外周縁部より内側から供給することを特徴とする請求項9〜請求項14のいずれか1項に記載の処理方法。
  16. 上記支持体に高周波電力を印加して上記プラズマを発生させることを特徴とする請求項9〜請求項15のいずれか1項に記載の処理方法。
  17. 予めモニター用の被処理体を用いてその表面の温度分布を測定し、上記第1、第2ガス通路への熱伝導性ガスの供給量及び/また上記第1、第2ガス通路からのガス排気量を設定し、上記温度分布を均一にすることを特徴とする請求項9〜請求項16のいずれか1項に記載の処理方法。
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