JP2003324094A - マイクロ波プラズマ処理装置、プラズマ処理方法及び電子部品 - Google Patents

マイクロ波プラズマ処理装置、プラズマ処理方法及び電子部品

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JP2003324094A
JP2003324094A JP2002129079A JP2002129079A JP2003324094A JP 2003324094 A JP2003324094 A JP 2003324094A JP 2002129079 A JP2002129079 A JP 2002129079A JP 2002129079 A JP2002129079 A JP 2002129079A JP 2003324094 A JP2003324094 A JP 2003324094A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環状導波管の周方向に発生する表面波干渉プ
ラズマ(SIP)の均一化を図り、高品質なマイクロ波
プラズマ処理装置を提供することができるようにする。 【解決手段】 H面に所定の間隔で穿孔されて設けられ
た放射状もしくは円弧状のスロットを有する無終端環状
導波路を2層に積層した構造の無終端導波管110にマ
イクロ波を導入することにより、1層構造の無終端環状
導波路の場合に比して、無終端環状導波路の周方向に発
生する定在波をより均一にできるようにする。これによ
り、プラズマ処理室に均一なマイクロ波を供給すること
ができるようになり、高品質なマイクロ波プラズマ処理
装置とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子、液晶
素子、発光素子などの電子部品を作製するための被処理
基体(シリコンウエハ、ガラス基板など)に処理を施す
マイクロ波プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法に関
し、特に、大面積基体を高品質処理するために、高密度
・均一・低電子温度で安定な平板状プラズマを発生させ
るマイクロ波プラズマ処理装置及びプラズマ方法に用い
て好適なものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波をプラズマ生起用の励起源と
して使用するプラズマ処理装置としては、エッチング装
置、アッシング装置、CVD(Chemical Vapor Deposit
ion)装置、ドーピング装置等が知られている。
【0003】マイクロ波プラズマエッチング装置を使用
した被処理基体のエッチング処理としては、例えば次の
ようにして行われる。即ち、マイクロ波プラズマエッチ
ング装置のプラズマ処理室内にエッチャントガスを導入
し、同時にマイクロ波エネルギーを投入してエッチャン
トガスを励起し、分解して、プラズマ処理室内に配され
た被処理基体の表面をエッチングする。
【0004】また、マイクロ波プラズマアッシング装置
を使用した被処理基体のアッシング処理としては、例え
ば次のようにして行われる。即ち、マイクロ波プラズマ
アッシング装置のプラズマ処理室内にアッシングガスを
導入し、同時にマイクロ波エネルギーを投入してアッシ
ングガスを励起し、分解して、プラズマ処理室内に配さ
れた被処理基体の表面をアッシングする。
【0005】また、マイクロ波プラズマCVD装置を使
用する被処理基体の成膜処理としては、例えば次のよう
にして行われる。即ち、マイクロ波プラズマCVD装置
のプラズマ処理室内に反応ガスを導入し、同時にマイク
ロ波エネルギーを投入して反応ガスを励起し、分解し
て、プラズマ処理室内に配された被処理基体上に堆積膜
を形成する。
【0006】また、マイクロ波プラズマドーピング装置
を使用した被処理基体のドーピング処理としては、例え
ば次のようにして行われる。即ち、マイクロ波プラズマ
ドーピング装置のプラズマ処理室内にドーピングガスを
導入し、同時にマイクロ波エネルギーを投入して反応ガ
スを励起し、分解して、プラズマ処理室内に配された被
処理基体の表面にドーピングを行う。
【0007】マイクロ波プラズマ処理装置においては、
ガスの励起源として高い周波数を持つマイクロ波を使用
することから、電子加速の回数が増加するので電子密度
が高くなり、ガス分子を効率的に電離させ、励起させる
ことができる。それ故に、マイクロ波プラズマ処理装置
は、ガスの電離効率、励起効率及び分解効率が高く、低
温でも高速で高品質処理できるといった利点を有する。
また、マイクロ波が誘電体を透過する性質を有すること
から、プラズマ処理装置を無電極放電タイプのものとし
て構成でき、これ故に高清浄なプラズマ処理を行い得る
という利点もある。
【0008】こうしたマイクロ波プラズマ処理装置の更
なる高速化のために、電子サイクロトロン共鳴(EC
R)を利用したプラズマ処理装置も実用化されてきてい
る。電子サイクロトロン共鳴(ECR)とは、磁束密度
が87.5mTの場合、磁力線の周りを電子が回転する
電子サイクロトロン周波数が、マイクロ波の一般的な周
波数2.45GHzと一致し、電子がマイクロ波を共鳴
的に吸収して加速し、高密度プラズマが発生する現象で
ある。こうした電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラ
ズマ処理装置においては、マイクロ波導入手段と磁界発
生手段との構成について、代表的なものとして次の4つ
の構成が知られている。
【0009】即ち、第1の構成としては、導波管を介し
て伝搬されるマイクロ波を被処理基体の対向面から透過
窓を介して円筒状のプラズマ発生室に導入し、プラズマ
発生室の中心軸と同軸の発散磁界をプラズマ発生室の周
辺に設けられた電磁コイルを介して導入する構成(NT
T方式)であり、第2の構成としては、導波管を介して
伝送されるマイクロ波を被処理基体の対向面から釣鐘状
のプラズマ発生室に導入し、プラズマ発生室の中心軸と
同軸の磁界をプラズマ発生室の周辺に設けられた電磁コ
イルを介して導入する構成(日立方式)であり、第3の
構成としては、円筒状スロットアンテナの一種であるリ
ジターノコイルを介してマイクロ波を周辺からプラズマ
発生室に導入し、プラズマ発生室の中心軸と同軸の磁界
をプラズマ発生室の周辺に設けられた電磁コイルを介し
て導入する構成(リジターノ方式)であり、第4の構成
としては、導波管を介して伝送されるマイクロ波を被処
理基体の対向面から平板状のスロットアンテナを介して
円筒状のプラズマ発生室に導入し、アンテナ平面に平行
なループ状磁界を平面アンテナの背面に設けられた永久
磁石を介して導入する構成(平面スロットアンテナ方
式)である。
【0010】マイクロ波プラズマ処理装置の一例とし
て、近年、マイクロ波の均一で効率的な導入装置として
複数の直線状スロットが平板状H面に放射状に形成され
た無終端環状導波管を用いた装置が提案されている(公
開平10−233295号公報)。図5は、この従来例
のマイクロ波プラズマ処理装置の模式図であり、図5
(a)にその概略断面図、図5(b)にその上面図、図
5(c)にそのプラズマ発生機構部の詳細図を示す。
【0011】501はプラズマ処理室、502は被処理
基体、503は基体502の支持体、504は基体50
2の温度を調節する手段、505は高周波バイアス印加
手段、506は処理用ガス導入手段、507は排気手
段、508は排気コンダクタンス調整手段、509はプ
ラズマ処理室501を大気側と分離する誘電体、510
はマイクロ波を誘電体509を透してプラズマ処理室5
01に導入するためのスロット付無終端環状導波管、5
12は無終端環状導波管510内のマイクロ波導波路、
513は無終端環状導波管510内に導入されたマイク
ロ波を左右に分配するE分岐、515はスロット、51
6はスロット515を通して導入され誘電体509の表
面を伝播する表面波、517は隣接するスロットから導
入された表面波516同士の干渉により生じた表面定在
波、518は表面定在波517により生じた表面プラズ
マ、519は表面プラズマ518の拡散により生じたバ
ルクプラズマである。
【0012】次に、プラズマの発生及びその処理につい
て以下に説明する。まず、排気手段507を介してプラ
ズマ処理室501内を真空排気する。続いて、処理用ガ
ス導入手段506を介してプラズマ処理用ガスを所定の
流量でプラズマ処理室501内に導入する。
【0013】続いて、プラズマ処理室501と排気手段
507との間に設けられたコンダクタンス調整手段50
8を調整し、プラズマ処理室501内を所定の圧力に保
持する。ここで必要に応じて、高周波バイアス印加手段
505を介して被処理基体502にバイアスを印加す
る。
【0014】続いて、マイクロ波電源(不図示)から無
終端環状導波管510を介してプラズマ処理室501内
に所望の電力を供給する。この際、無終端環状導波管5
10内に導入されたマイクロ波は、E分岐513で左右
に2分配され、自由空間よりも長い管内波長をもって導
波路512を伝搬する。この分配されたマイクロ波同士
は干渉しあい、管内波長の1/2毎に定在波517を生
じる。電流が最大になる位置、即ち、隣接する2つの定
在波517の間で無終端環状導波管510内のマイクロ
波導波路512の中央、に設置されたスロット515か
ら誘電体509を透してプラズマ処理室501に導入さ
れたマイクロ波は、スロット515近傍にプラズマを生
成する。
【0015】この生成したプラズマの電子密度が、 nec=ε0eω2/e2 [ε0:真空誘電率,me:電子質量,ω:電源角周波
数,e:電子電荷]で表されるカットオフ密度nec(電
源周波数2.45GHzの場合、7×1010cm-3)を
超えると、マイクロ波はプラズマ中を伝搬できなくな
り、さらに電子密度が増加し、 nes=(1+εd)ε0eω2/e2 [εd:誘電体窓比誘電率]で表される真正表面波モー
ドの閾値密度nes(誘電体509が石英窓[εd:3.
8]の場合は3.4×1011cm-3、窒化アルミニウム
(AlN)窓[εd:9.8]の場合は7.6×1011
cm-3)を超え、 δ=C/ωp=C(ε0e/e2e1/2=(2/ωμ0
σ)1/2 [C:光速,ωp:電子プラズマ角周波数,μ0:真空透
磁率,σ:プラズマ導電率]で表される表皮厚δが十分
薄くなる(例えば、電子密度が1×1012cm-3以上に
なると、表皮厚は10mm以下になる)と、マイクロ波
は誘電体509の表面を表面波516として伝搬する。
【0016】また、隣接するスロット515から導入さ
れた表面波516同士が干渉し、 λs=λw{1−(ε0eω2/e2e1/2} [λw:完全導体間誘電体窓内マイクロ波波長]で表さ
れる表面波516の波長λsの1/2毎に表面定在波5
17の腹を生じ、プラズマ処理室501にしみ出したこ
の表面定在波517によって電子が加速され表面プラズ
マ518が生じる。更に、表面プラズマ518の拡散に
よりバルクプラズマ519が生じる。
【0017】このようにして生成される表面波干渉プラ
ズマ(SIP:Surface-wave Interfered Plasma)は、
表面プラズマ518とバルクプラズマ519の2層構造
を有する。この時に処理用ガス導入手段506を介して
処理用ガスをプラズマ処理室501内に導入しておく
と、発生した高密度プラズマにより処理用ガスが励起さ
れ、支持体503上に載置された被処理基体502の表
面を処理する。
【0018】このようなマイクロ波プラズマ処理装置を
用いることにより、圧力10mTorr、マイクロ波パ
ワー3kWの条件で、直径300mm以上の大口径空間
に±3%以内の均一性をもって、電子密度2×1012
-3以上、電子温度3eV以下、プラズマ電位15V以
下の高密度低電子温度プラズマを発生させることができ
るので、ガスを充分に反応させ活性な状態で被処理基体
502に供給でき、かつ入射イオンやチャージアップに
よる被処理基体502の表面ダメージも低減でき、高品
質で高速な処理が可能になる。
【0019】また、アッシング処理などで使用する圧力
1Torr程度の高圧条件では、電子密度5×1012
-3以上の高密度プラズマが誘電体窓509近傍に局所
的に発生するので、高速で極めて低ダメージな処理が可
能になる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5に
示したような高密度低電子温度プラズマを発生するマイ
クロ波プラズマ処理装置を用いて処理を行う場合に、そ
のプラズマ発生条件によっては無終端環状導波管510
の周方向に発生する表面干渉プラズマ(SIP)に偏り
が生じて、その均一性が低下する場合があった。
【0021】この不均一を本質的に解決するために、環
状導波路512への導入口を軸対称に複数、できれば環
状導波路512内に生じる定在波517の腹の数設ける
ことにより不均一を回避することも考えられるが、導入
部E分岐513を多数形成することは構造的に難しく、
また、各E分岐513へマイクロ波を均一に分配するこ
とも容易ではない。
【0022】本発明は前述の問題点にかんがみてなされ
たもので、環状導波管の周方向に発生する表面波干渉プ
ラズマ(SIP)の均一化・安定化を図り、高品質なマ
イクロ波プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供
することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来のマイ
クロ波プラズマ処理装置における前述した問題点を解決
し、前記目的を達成すべく鋭意努力した結果、以下に示
す発明の諸様態に想到した。
【0024】本発明のマイクロ波プラズマ処理装置は、
プラズマ処理室と、前記プラズマ処理室内に設置された
被処理基体を支持する基体支持手段と、前記プラズマ処
理室内にガスを導入するガス導入手段と、前記プラズマ
処理室内を排気する排気手段と、前記プラズマ処理室に
マイクロ波を導入するマイクロ波導入手段とを含み、前
記マイクロ波導入手段は、H面に所定の間隔で穿孔され
て設けられたスロットを有する無終端環状導波路を2層
に積層した構造を備えていることを特徴とするものであ
る。
【0025】本発明のプラズマ処理方法は、プラズマ処
理室と、前記プラズマ処理室にマイクロ波を導入し、H
面に所定の間隔で穿孔されて設けられたスロットを有す
る無終端環状導波路を2層に積層した構造を備えるマイ
クロ波導入手段とを有するマイクロ波プラズマ処理装置
に用いるプラズマ処理方法であって、前記プラズマ処理
室内に設置された基体を支持する基体支持工程と、前記
プラズマ処理室内を排気する排気工程と、前記プラズマ
処理室内にガスを導入するガス導入工程と、前記プラズ
マ処理室内を所定の圧力に保持する圧力保持工程と、前
記マイクロ波導入手段から前記プラズマ処理室にマイク
ロ波を導入してプラズマを発生させ、前記基体を処理す
る基体処理工程とを含むことを特徴とするものである。
【0026】本発明は前記技術手段を有するので、スロ
ットを有する2層に積層した構造の無終端環状導波路を
備えるマイクロ波導入手段にマイクロ波を導入すること
により、1層構造の無終端環状導波路の場合に比して、
無終端環状導波路の周方向に発生する定在波をより均一
にすることができる。これにより、プラズマ処理室に均
一なマイクロ波を供給することができるようになり、高
品質なマイクロ波プラズマ処理装置とすることができ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照しながら本
発明のマイクロ波プラズマ処理装置、プラズマ処理方法
及びプラズマ処理により作製された電子部品の実施形態
について説明する。
【0028】図1は、本発明の実施形態におけるマイク
ロ波プラズマ処理装置の模式図であり、図1(a)にそ
の概略断面図、図1(b)にその上面図、図1(c)に
そのプラズマ発生機構部の詳細図を示す。
【0029】101はプラズマ処理室、102は被処理
基体、103は基体102の支持体、104は基体10
2の温度を調節する手段、105は高周波バイアス印加
手段、106は処理用ガス導入手段、107は排気手
段、108は排気コンダクタンス調整手段、109はプ
ラズマ処理室101を大気側と分離する誘電体、110
は誘電体109を透してマイクロ波をプラズマ処理室1
01に導入するためのスロット付2層無終端環状導波管
(DMAアンテナ)、111は2層無終端環状導波管1
10内の入力側環状導波路、112は2層無終端環状導
波管110内の出力側環状導波路、113は入力側環状
導波路111の2箇所の導入口からマイクロ波を導入す
るためのE分岐もしくはH分岐などの2分岐導波管、1
14は入力側環状導波路111と出力側環状導波路11
2とを結合する導波路結合スロット、115は出力側ス
ロット、116は出力側スロットから導入され誘電体1
09表面を伝播する表面波、117は隣接するスロット
から導入された表面波116同士の干渉により生じた表
面定在波、118は表面定在波117により発生した表
面プラズマ、119は表面プラズマの拡散により生じた
バルクプラズマである。
【0030】次に、このような構成とする結論に至った
経緯について説明する。図5に示す従来例の場合、マイ
クロ波がスロット515から均一に導入される為には、
環状導波路512内に均一にその定在波が生じる必要が
ある。しかし、圧力やマイクロ波パワーなどの条件変化
により1スロットを介したカップリング度が変化した場
合、導入E分岐513に近い方への偏りや逆に遠い方へ
の偏りが生じ、無終端環状導波管510の周方向に発生
するプラズマの不均一の原因になる。
【0031】この不均一を本質的に解決するために、環
状導波路512への導入口を軸対称に複数、できれば環
状導波路512内に生じる定在波517の腹の数(例え
ば1周長が管内波長の4倍の環状導波路512である場
合には8個)設けることを考えたが、導入E分岐513
を多数形成することは構造的に難しく、各E分岐513
へマイクロ波を均一に分配することも容易ではない。
【0032】そこで、様々な思索の結果、導入E分岐5
13ではなくスロットを介した環状導波路512へのマ
イクロ波導入を考え付いた。更に、この入力側スロット
への分配は、環状導波路が簡便であると考え、その結
果、従来例の環状導波路512を2層の積層構造にする
結論に至った。また、入力側環状導波路111へのマイ
クロ波導入は、軸対称にする為、E分岐もしくはH分岐
導波管113を用いて2分配し2箇所から導入すること
が望ましいと考えた。
【0033】また、入力側環状導波路111の断面寸法
は、真正反射の低減のため入力用2分岐導波管113の
断面寸法と同一であることが望ましいと考えた。さら
に、出力側環状導波路112の中心径は、表面定在波励
起用の出力側スロット115の中心径と同一であること
が最も効率的であり望ましいと考えた。従ってこの場
合、出力側環状導波路112の断面寸法は、出力側環状
導波路112の1周長とその管内波長との比が入力側環
状導波路111の1周長とその管内波長との比とが同一
になるような寸法が望ましい。
【0034】真正反射の低減のために、出力側環状導波
路112の中心半径rg1が出力側スロット115の中心
半径と同一の場合において、さらに、隣接する出力側ス
ロット115間に励起される表面定在波117の腹の数
をnl、表面波116の波長をλS、出力側環状導波路1
12の1周長に対する出力側無終端環状導波路112内
のマイクロ波長の倍率をngとすると、 rg1=nlλS/[2tan[(π/2ng)][1+cos(π/
g)]] と表せる。
【0035】一般的には、入力側環状導波路111と出
力側環状導波路112の中心径と断面寸法は異なる。導
波路結合スロット114の位置は、入力側電界が強く反
射側電界が弱くなるように、その中心半径が入力側環状
導波路111の中心半径と一致するように配置する。導
波路結合スロット114の長さは入力側環状導波路11
1内の管内波長の1/4程度に、また、出力スロット1
15の長さも出力側環状導波路112内の管内波長の1
/4程度に設定する。
【0036】次に、プラズマの発生及びその処理につい
て以下に説明する。まず、排気手段107を介してプラ
ズマ処理室101内を真空排気する。
【0037】続いて、処理用ガス導入手段106を介し
てプラズマ処理用ガスを所定の流量でプラズマ処理室1
01内に導入する。
【0038】続いて、プラズマ処理室101と排気手段
107との間に設けられたコンダクタンス調整手段10
8を調整し、プラズマ処理室101内を所定の圧力に保
持する。ここで必要に応じて、高周波バイアス印加手段
105を介して被処理基体102にバイアスを印加す
る。
【0039】続いて、マイクロ波電源(不図示)から無
終端環状導波管110を介してプラズマ処理室101内
に所望の電力を供給する。この際、無終端環状導波管1
10内に導入されたマイクロ波は、2分岐導波管113
で2分配されて入力側環状導波路111に2箇所から導
入され、入力側環状導波路111内をそれぞれ伝搬して
干渉しあい、管内波長の1/2毎に“腹”をもつ定在波
がほぼ均一に生じる。
【0040】さらに、入力側環状導波路111から導波
路結合スロット114を介して出力側環状導波路112
に導入されたマイクロ波が干渉しあってほぼ完全に均一
な定在波の“腹”を生じる。このとき、出力側環状導波
路112に導入されたマイクロ波の一部は、導波路結合
スロット114を介して入力側環状導波路111へ反射
電力として戻るが、反射電界が充分弱くなるように導波
路結合スロット114を配置してあるので、その反射を
最小限に抑えることができる。そして、出力スロット1
14から誘電体109を透してプラズマ処理室101に
導入されたマイクロ波は、スロット114近傍にプラズ
マを生成する。
【0041】この生成したプラズマの電子密度が、 nec=ε0eω2/e2 [ε0:真空誘電率,me:電子質量,ω:電源角周波
数,e:電子電荷]で表されるカットオフ密度nec(電
源周波数2.45GHzの場合、7×1010cm-3)を
超えると、マイクロ波はプラズマ中を伝搬できなくな
り、さらに電子密度が増加し、 nes=(1+εd)ε0eω2/e2 [εd:誘電体窓比誘電率]で表される真正表面波モー
ドの閾値密度nes(誘電体109が石英窓[εd:3.
8]の場合は3.4×1011cm-3、窒化アルミニウム
(AlN)窓[εd:9.8]の場合は7.6×1011
cm-3)を超え、 δ=C/ωp=C(ε0e/e2e1/2=(2/ωμ0
σ)1/2 [C:光速,ωp:電子プラズマ角周波数,μ0:真空透
磁率,σ:プラズマ導電率]で表される表皮厚δが十分
薄くなる(例えば、電子密度が1×1012cm-3以上に
なると、表皮厚は10mm以下になる)と、マイクロ波
は誘電体109の表面を表面波116として伝搬する。
【0042】また、隣接する出力スロット115から導
入された表面波116同士が干渉し、 λs=λw{1−(ε0eω2/e2e1/2} [λw:完全導体間誘電体窓内マイクロ波波長]で表さ
れる表面波116の波長λsの1/2毎に表面定在波1
17の腹を生じ、プラズマ処理室101にしみ出したこ
の表面定在波117によって電子が加速され表面プラズ
マ118が生じる。更に、表面プラズマ118の拡散に
よりバルクプラズマ119が生じる。
【0043】このようにして生成する表面波干渉プラズ
マ(SIP:Surface-wave Interfered Plasma)は、表
面プラズマ118とバルクプラズマ119の2層構造を
有する。この時に処理用ガス導入手段106を介して処
理用ガスをプラズマ処理室101内に導入しておくと、
発生した高密度プラズマにより処理用ガスが励起され、
支持体103上に載置された被処理基体102の表面を
処理する。
【0044】本発明のマイクロ波プラズマ処理装置に用
いる無終端環状導波管110の材質としては、導電体で
あれば使用可能であるが、マイクロ波の伝搬ロスをでき
るだけ抑えるため導電率の高いアルミニウム(Al)、
銅(Cu)、 銀(Ag)/銅(Cu)メッキしたSU
Sなどが最適である。
【0045】また、本発明のマイクロ波プラズマ処理装
置に用いるマイクロ波導入方法としては、アンテナの軸
対称性を向上させるため、アンテナ中心で2分配し、2
箇所の導入口から無終端環状導波管110に導入するの
が望ましい。例えば、入力側無終端環状導波路111の
1周長に対する前記入力側無終端環状導波路内のマイク
ロ波長の倍率が奇数の場合はH分岐を用い、偶数の場合
はE分岐を用いてマイクロ波を2分配し、入力側無終端
環状導波路11に180度間隔で2個設けられた導入口
から2分配したマイクロ波を導入する形態などである。
また、無終端環状導波管110の出力スロット115か
ら導出されるマイクロ波の強度を調整したい場合には、
出力スロット115の開き角を変化させても良いし、導
波管結合スロット114と出力ロット115とを間隔を
変えずに一緒に径方向にずらしても良い。
【0046】また、本発明のマイクロ波プラズマ処理装
置及び処理方法で用いるマイクロ波周波数としては、
0.8GHz〜20GHzの範囲から適宜選択すること
ができる。
【0047】また、本発明のマイクロ波プラズマ処理装
置に用いる誘電体109としては、二酸化ケイ素(Si
2)系の石英や各種ガラス、窒化シリコン(Si
34)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム
(KCl)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化カルシ
ウム(CaF2)、フッ化バリウム(BaF2)、酸化ア
ルミニウム(Al23)、窒化アルミニウム(Al
N)、酸化マグネシウム(MgO)などの無機物が適当
であるが、ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネ
ート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリア
ミド、ポリイミドなどの有機物のフィルムやシートなど
も適用可能である。マイクロ波プラズマ処理装置にマイ
クロ波を透過する性質を有する誘電体109を用いるこ
とで、プラズマ処理装置を無電極放電タイプのものとし
て構成することができ、これにより高清浄なプラズマ処
理を行うことができるようになるという利点がある。
【0048】また、本発明のマイクロ波プラズマ処理装
置及び処理方法において、磁界発生手段を用いても良
い。ここで用いられる磁界としては、ミラー磁界なども
適用可能であるが、スロット115近傍の磁束密度が被
処理基体102近傍の磁束密度よりも大きいマグネトロ
ン磁界が最適である。磁界発生手段としては、永久磁石
などのコイル以外でも使用可能である。コイルを用いる
場合には、過熱防止のため水冷機構や空冷など他の冷却
手段を用いてもよい。
【0049】また、プラズマ処理のより高品質化のた
め、紫外光を被処理基体102表面に照射してもよい。
光源としては、被処理基体102もしくは被処理基体1
02上に付着したガスで吸収される光を放射するもので
あれば適用可能であり、エキシマレーザ、エキシマラン
プ、希ガス共鳴線ランプ、低圧水銀ランプなどが適当で
ある。
【0050】また、本発明のプラズマ処理方法における
プラズマ処理室101内の圧力は0.1mTorr〜1
0Torrの範囲、より好ましくは、CVDの場合は圧
力1mTorr〜100mTorr、隔離CVDの場合
は圧力100mTorr〜10Torr、エッチングの
場合は圧力0.5mTorr〜50mTorr、アッシ
ングの場合は圧力100mTorr〜10Torrの範
囲から選択することができる。
【0051】また、本発明のプラズマ処理方法による堆
積膜の形成は、使用するガスを適宜選択することにより
Si34、SiO2、Ta25、TiO2、TiN、Al
23、窒化アルミニウム(AlN)膜、MgF2などの
絶縁膜、アモルファスシリコン(a−Si)、ポリシリ
コン(poly−Si)、SiC、GaAsなどの半導体
膜、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、モリ
ブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)な
どの金属膜等、各種の堆積膜を効率よく形成することが
可能である。
【0052】また、本発明のプラズマ処理方法により処
理する被処理基体102は、半導体であっても、導電性
のものであっても、あるいは電気絶縁性のものであって
もよい。導電性基体としては、鉄(Fe)、ニッケル
(Ni)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、モ
リブデン(Mo)、金(Au)、ニオブ(Nb)、タン
タル(Ta)、バナジウム(V)、チタン(Ti)、白
金(Pt)、鉛(Pb)などの金属またはこれらの合
金、例えば真鍮、ステンレス鋼などが挙げられる。ま
た、絶縁性基体としては、二酸化ケイ素(SiO2)系
の石英や各種ガラス、Si34、NaCl、KCl、L
iF、CaF2、BaF2、Al23、窒化アルミニウム
(AlN)、MgOなどの無機物、ポリエチレン、ポリ
エステル、ポリカーボネート、セルロースアセテート、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミドなどの有機
物のフィルム、シートなどが挙げられる。
【0053】CVD法により基板102上に薄膜を形成
する場合に用いられるガスとしては、一般に公知のガス
が使用できる。a−Si、poly−Si、SiCなどのS
i系半導体薄膜を形成する場合の処理用ガス導入手段1
06を介してプラズマ処理室101へ導入するSi原子
を含有する原料ガスとしては、SiH4、Si26など
の無機シラン類、テトラエチルシラン(TES)、テト
ラメチルシラン(TMS)、ジメチルシラン(DM
S)、ジメチルジフルオロシラン(DMDFS)、ジメ
チルジクロルシラン(DMDCS)などの有機シラン
類、SiF4、Si26、Si38、SiHF3、SiH
22、SiCl4、Si2Cl6、SiHCl3、SiH2
Cl2、SiH3Cl、SiCl22などのハロシラン類
等、常温常圧でガス状態であるものまたは容易にガス化
し得るものが挙げられる。また、この場合のSi原料ガ
スと混合して導入してもよい添加ガスまたはキャリアガ
スとしては、H2、He、Ne、Ar、Kr、Xe、R
nが挙げられる。
【0054】また、Si34 、SiO2 などのSi化
合物系薄膜を形成する場合の処理用ガス導入手段106
を介して導入するSi原子を含有する原料としては、S
iH 4、Si26などの無機シラン類、テトラエトキシ
シラン(TEOS)、テトラメトキシシラン(TMO
S)、オクタメチルシクロテトラシラン(OMCT
S)、ジメチルジフルオロシラン(DMDFS)、ジメ
チルジクロルシラン(DMDCS)などの有機シラン
類、SiF4、Si26、Si38、SiHF3、SiH
22、SiCl4、Si2Cl6、SiHCl3、SiH2
Cl2、SiH3Cl、SiCl22などのハロシラン類
等、常温常圧でガス状態であるものまたは容易にガス化
し得るものが挙げられる。また、この場合の同時に導入
する窒素原料ガスまたは酸素原料ガスとしては、N2
NH3、N24、ヘキサメチルジシラザン(HMD
S)、O2、O3、H2O、NO、N2O、NO2などが挙
げられる。
【0055】Al、W、Mo、Ti、Taなどの金属薄
膜を形成する場合の処理用ガス導入手段106を介して
導入する金属原子を含有する原料としては、トリメチル
アルミニウム(TMAl)、トリエチルアルミニウム
(TEAl)、トリイソブチルアルミニウム(TIBA
l)、ジメチルアルミニウムハイドライド(DMAl
H)、タングステンカルボニル(W(CO)6)、モリブ
デンカルボニル(Mo(CO)6)、トリメチルガリウム
(TMGa)、トリエチルガリウム(TEGa)、テト
ライソプロポキシチタン(TIPOTi)、ペンタエト
キシチタン(PEOTa)などの有機金属、AlC
3、WF6、TiCl3、TaCl5などのハロゲン化金
属等が挙げられる。また、この場合のSi原料ガスと混
合して導入してもよい添加ガスまたはキャリアガスとし
ては、H2、He、Ne、Ar、Kr、Xe、Rnが挙
げられる。
【0056】また、Al23、窒化アルミニウム(Al
N)、Ta25、TiO2、TiN、WO3などの金属化
合物薄膜を形成する場合の処理用ガス導入手段106を
介して導入する金属原子を含有する原料としては、トリ
メチルアルミニウム(TMAl)、トリエチルアルミニ
ウム(TEAl)、トリイソブチルアルミニウム(TI
BAl)、ジメチルアルミニウムハイドライド(DMA
lH)、タングステンカルボニル(W(CO)6)、モリ
ブデンカルボニル(Mo(CO)6)、トリメチルガリウ
ム(TMGa)、トリエチルガリウム(TEGa)、テ
トライソプロポキシチタン(TIPOTi)、ペンタエ
トキシチタン(PEOTa)などの有機金属、 AlC
3、WF6、TiCl3、TaCl5などのハロゲン化金
属等が挙げられる。また、この場合の同時に導入する酸
素原料ガスまたは窒素原料ガスとしては、O2、O3、H
2O、NO、N2O、NO2、N2、NH3、N24、ヘキ
サメチルジシラザン(HMDS)などが挙げられる。
【0057】基体表面をエッチングする場合の処理用ガ
ス導入口106から導入するエッチング用ガスとして
は、F2、CF4、CH22、C26、C48、CF2
2、SF6、NF3、Cl2、CCl4、CH2Cl2、C2
Cl6、O2、N2、NH3、H2などが挙げられる。
【0058】フォトレジストなど基体表面上の有機成分
をアッシング除去する場合の処理用ガス導入口106か
ら導入するアッシング用ガスとしては、O2、O3、H2
O、H2、NO、N2O、NO2などが挙げられる。
【0059】また、本発明のマイクロ波プラズマ処理装
置及び処理方法を表面改質にも適用する場合、使用する
ガスを適宜選択することにより、例えば被処理基体10
2もしくは表面層としてSi、Al、Ti、Zn、Ta
などを使用してこれら被処理基体102もしくは表面層
の酸化処理あるいは窒化処理さらにはB、As、Pなど
のドーピング処理等が可能である。
【0060】更に、本発明において採用する成膜技術は
クリーニング方法にも適用できる。その場合酸化物ある
いは有機物や重金属などのクリーニングに使用すること
もできる。
【0061】基体102を酸化表面処理する場合の処理
用ガス導入口106を介して導入する酸化性ガスとして
は、O2、O3、H2O、NO、N2O、NO2などが挙げ
られる。また、基体102を窒化表面処理する場合の処
理用ガス導入口106を介して導入する窒化性ガスとし
ては、N2、NH3、N24、ヘキサメチルジシラザン
(HMDS)などが挙げられる。
【0062】基体102表面の有機物をクリーニングす
る場合、またはフォトレジストなど基体102表面上の
有機成分をアッシング除去する場合の処理用ガス導入口
106から導入するクリーニング/アッシング用ガスと
しては、O2、O3、H2O、H2、NO、N2O、NO2
どが挙げられる。また、基体102表面の無機物をクリ
ーニングする場合の処理用ガス導入口106から導入す
るクリーニング用ガスとしては、F2、CF4、CH
22、C26、C48、CF2Cl2、SF6、NF3など
が挙げられる。
【0063】前述した基体102の各種薄膜の成膜、ク
リーニング、フォトレジスト等のアッシングを半導体素
子、液晶素子、発光素子などの電子部品の作製に適用す
ることにより、信頼性の高い高品質の電子部品を容易か
つ確実に作製することができる。
【0064】−プラズマ処理装置例− 以下に装置例を挙げて本発明のマイクロ波プラズマ処理
装置をより具体的に説明するが、本発明はこれら装置例
に限定されるものではない。
【0065】(装置例1)図2は、本発明のマイクロ波
プラズマ処理装置の装置例1を示す模式図であり、 図
2(a)にその概略断面図、図2(b)にその上面図、
図2(c)にそのプラズマ発生機構部の詳細図を示す。
装置例1のマイクロ波プラズマ処理装置では、導波路周
長/管内波長倍率ngが4、スロット間表面定在波個数
lが3、誘電体が石英(εd:3.8)で構成されてい
るものである。
【0066】201はプラズマ処理室、202は被処理
基体、203は基体202の支持体、204は基体20
2の温度を調節する手段、205は高周波バイアス印加
手段、206は処理用ガス導入手段、207は排気手
段、208は排気コンダクタンス調整手段、209はプ
ラズマ処理室201を大気側と分離する誘電体、210
は誘電体209を透してマイクロ波をプラズマ処理室2
01に導入するためのスロット付2層無終端環状導波
管、211は2層無終端環状導波管210内の入力側環
状導波路、212は2層無終端環状導波管210内の出
力側環状導波路、213は入力側環状導波路211の2
箇所の導入口からマイクロ波を導入するためのE分岐の
2分岐導波管、214は入力側環状導波路211と出力
側環状導波路212とを結合する導波路結合スロット、
215は出力側スロット、216は出力側スロットから
導入され誘電体209表面を伝播する表面波、217は
隣接するスロットから導入された表面波216同士の干
渉により生じた表面定在波、218は表面定在波217
により発生した表面プラズマ、219は表面プラズマの
拡散により生じたバルクプラズマである。
【0067】次に、プラズマの発生及びその処理につい
て以下に説明する。まず、排気手段207を介してプラ
ズマ処理室201内を真空排気する。
【0068】続いて、処理用ガス導入手段206を介し
てプラズマ処理用ガスを所定の流量でプラズマ処理室2
01内に導入する。
【0069】続いて、プラズマ処理室201と排気手段
207との間に設けられたコンダクタンス調整手段20
8を調整し、プラズマ処理室201内を所定の圧力に保
持する。ここで必要に応じて、高周波バイアス印加手段
205を介して被処理基体202にバイアスを印加す
る。
【0070】続いて、マイクロ波電源(不図示)より無
終端環状導波管210を介してプラズマ処理室201内
に所望の電力を供給する。この際、無終端環状導波管2
10内に導入されたマイクロ波は、E分岐の2分岐導波
管213で2分配されて入力側環状導波路211に2箇
所から導入され、入力側環状導波路211内をそれぞれ
伝搬して干渉しあい、管内波長の1/2毎に“腹”をも
つ定在波がほぼ均一に生じる。
【0071】さらに、入力側環状導波路211から導波
路結合スロット214を介して出力側環状導波路212
に導入されたマイクロ波が干渉しあってほぼ完全に均一
な定在波の“腹”を生じる。このとき、出力側環状導波
路212に導入されたマイクロ波の一部は、導波路結合
スロット214を介して入力側環状導波路211へ反射
電力として戻るが、反射電界が充分弱くなるように導波
路結合スロット214を配置してあるので、その反射を
最小限に抑えることができる。そして、出力スロット2
14から誘電体209を透してプラズマ処理室201に
導入されたマイクロ波は、スロット214近傍にプラズ
マを生成する。
【0072】この生成したプラズマの電子密度が、 nec=ε0eω2/e2 [ε0:真空誘電率,me:電子質量,ω:電源角周波
数,e:電子電荷]で表されるカットオフ密度nec(電
源周波数2.45GHzの場合、7×1010cm-3)を
超えると、マイクロ波はプラズマ中を伝搬できなくな
り、さらに電子密度が増加し、 nes=(1+εd)ε0eω2/e2 [εd:誘電体窓比誘電率]で表される真正表面波モー
ドの閾値密度nes(誘電体209が石英窓[εd:3.
8]の場合は3.4×1011cm-3)を超え、 δ=C/ωp=C(ε0e/e2e1/2=(2/ωμ0
σ)1/2 [C:光速,ωp:電子プラズマ角周波数,μ0:真空透
磁率,σ:プラズマ導電率]で表される表皮厚δが十分
薄くなる(例えば、電子密度が1×1012cm-3以上に
なると、表皮厚は10mm以下になる)と、マイクロ波
は誘電体209の表面を表面波216として伝搬する。
【0073】また、隣接する出力スロット215から導
入された表面波216同士が干渉し、 λs=λw{1−(ε0eω2/e2e1/2} [λw:完全導体間誘電体窓内マイクロ波波長]で表さ
れる表面波216の波長λsの1/2毎に表面定在波2
17の腹を生じ、プラズマ処理室201にしみ出したこ
の表面定在波217によって電子が加速され表面プラズ
マ218が生じる。更に、表面プラズマ218の拡散に
よりバルクプラズマ219が生じる。
【0074】このようにして生成する表面波干渉プラズ
マ(SIP:Surface-wave Interfered Plasma)は、表
面プラズマ218とバルクプラズマ219の2層構造を
有する。この時に処理用ガス導入手段206を介して処
理用ガスをプラズマ処理室201内に導入しておくと、
発生した高密度プラズマにより処理用ガスが励起され、
支持体203上に載置された被処理基体202の表面を
処理する。
【0075】ここで石英からなる誘電体209は、直径
378mm、厚さ16mmの無水合成石英で形成されて
いる。
【0076】2層無終端環状導波管210の材質は、マ
イクロ波の伝搬損失を抑えるため、すべてAlを用いて
いる。2層無終端環状導波管内の入力側環状導波路21
1は、断面寸法が27mm×96mmであって、中心径
が202.2mm(導波路周長が管内波長の4倍)であ
る。出力側環状導波路212は、断面寸法が27mm×
80.4mmであって、中心径が240mm(導波路周
長が管内波長[188.5mm]の4倍)である。導波
路結合スロット214は、入力側環状導波路211と出
力側環状導波路212との重なり部分に入力側環状導波
路211の中心径と等しい202.2mmの位置に40
mm×4mmの寸法で8個放射状に形成されている。出
力スロット215は中心径が出力側環状導波管212と
同一の240mmの位置に48×4mmの寸法でやはり
8個放射状に形成されている。
【0077】E分岐の2分岐導波管213には、4Eチ
ューナ、方向性結合器、アイソレータ、2.45GHz
の周波数を持つマイクロ波電源(不図示)が順に接続さ
れている。
【0078】図2に示したマイクロ波プラズマ処理装置
を使用して、Ar流量500sccm、圧力10mTo
rr、マイクロ波パワー3.0kWの条件でプラズマを
発生させ、得られたプラズマの計測を行った。プラズマ
計測は、シングルプローブ法により以下のようにして行
った。
【0079】プローブに印加する電圧を−10から+3
0Vの範囲で変化させ、プローブに流れる電流をI−V
測定器により測定し、得られたI−V曲線からラングミ
ュアらの方法により電子密度、電子温度、プラズマ電位
を算出した。その結果、電子密度は、圧力10mTor
rの場合2.1x1012/cm3±2.9%(φ300面
内)であり、均一で高電子密度の安定したプラズマが形
成されていることが確認された。
【0080】(装置例2)図3は、本発明のマイクロ波
プラズマ処理装置の装置例2を示す模式図であり、 図
3(a)にその概略断面図、図3(b)にその上面図、
図3(c)にそのプラズマ発生機構部の詳細図を示す。
装置例2のマイクロ波プラズマ処理装置では、導波路周
長/管内波長倍率ngが3、スロット間表面定在波個数
lが3、誘電体が石英(εd:3.8)で構成されてい
るものである。
【0081】301はプラズマ処理室、302は被処理
基体、303は基体302の支持体、304は基体30
2の温度を調節する手段、305は高周波バイアス印加
手段、306は処理用ガス導入手段、307は排気手
段、308は排気コンダクタンス調整手段、309はプ
ラズマ処理室301を大気側と分離する誘電体、310
は誘電体309を透してマイクロ波をプラズマ処理室3
01に導入するためのスロット付2層無終端環状導波
管、311は2層無終端環状導波管310内の入力側環
状導波路、312は2層無終端環状導波管310内の出
力側環状導波路、313は入力側環状導波路311の2
箇所の導入口からマイクロ波を導入するためのH分岐の
2分岐導波管、314は入力側環状導波路311と出力
側環状導波路312とを結合する導波路結合スロット、
315は出力側スロット、316は出力側スロットから
導入され誘電体309表面を伝播する表面波、317は
隣接するスロットから導入された表面波316同士の干
渉により生じた表面定在波、318は表面定在波317
により発生した表面プラズマ、319は表面プラズマの
拡散により生じたバルクプラズマである。
【0082】次に、プラズマの発生及びその処理につい
て以下に説明する。まず、排気手段307を介してプラ
ズマ処理室301内を真空排気する。
【0083】続いて、処理用ガス導入手段306を介し
てプラズマ処理用ガスを所定の流量でプラズマ処理室3
01内に導入する。
【0084】続いて、プラズマ処理室301と排気手段
307との間に設けられたコンダクタンス調整手段30
8を調整し、プラズマ処理室301内を所定の圧力に保
持する。ここで必要に応じて、高周波バイアス印加手段
305を介して被処理基体302にバイアスを印加す
る。
【0085】続いて、マイクロ波電源(不図示)より無
終端環状導波管310を介してプラズマ処理室301内
に所望の電力を供給する。この際、無終端環状導波管3
10内に導入されたマイクロ波は、H分岐の2分岐導波
管313で2分配されて入力側環状導波路311に2箇
所から導入され、入力側環状導波路311内をそれぞれ
伝搬して干渉しあい、管内波長の1/2毎に“腹”をも
つ定在波がほぼ均一に生じる。
【0086】さらに、入力側環状導波路311から導波
路結合スロット314を介して出力側環状導波路312
に導入されたマイクロ波が干渉しあってほぼ完全に均一
な定在波の“腹”を生じる。このとき、出力側環状導波
路312に導入されたマイクロ波の一部は、導波路結合
スロット314を介して入力側環状導波路311へ反射
電力として戻るが、反射電界が充分弱くなるように導波
路結合スロット314を配置してあるので、その反射を
最小限に抑えることができる。そして、出力スロット3
14から誘電体309を透してプラズマ処理室301に
導入されたマイクロ波は、スロット314近傍にプラズ
マを生成する。
【0087】この生成したプラズマの電子密度が、 nec=ε0eω2/e2 [ε0:真空誘電率,me:電子質量,ω:電源角周波
数,e:電子電荷]で表されるカットオフ密度nec(電
源周波数2.45GHzの場合、7×1010cm-3)を
超えると、マイクロ波はプラズマ中を伝搬できなくな
り、さらに電子密度が増加し、 nes=(1+εd)ε0eω2/e2 [εd:誘電体窓比誘電率]で表される真正表面波モー
ドの閾値密度nes(誘電体309が石英窓[εd:3.
8]の場合は3.4×1011cm-3、窒化アルミニウム
(AlN)窓[εd:9.8]の場合は7.6×1011
cm-3)を超え、 δ=C/ωp=C(ε0e/e2e1/2=(2/ωμ0
σ)1/2 [C:光速,ωp:電子プラズマ角周波数,μ0:真空透
磁率,σ:プラズマ導電率]で表される表皮厚δが十分
薄くなる(例えば、電子密度が1×1012cm-3以上に
なると、表皮厚は10mm以下になる)と、マイクロ波
は誘電体309の表面を表面波316として伝搬する。
【0088】また、隣接する出力スロット315から導
入された表面波316同士が干渉し、 λs=λw{1−(ε0eω2/e2e1/2} [λw:完全導体間誘電体窓内マイクロ波波長]で表さ
れる表面波316の波長λsの1/2毎に表面定在波3
17の腹を生じ、プラズマ処理室301にしみ出したこ
の表面定在波317によって電子が加速され表面プラズ
マ318が生じる。更に、表面プラズマ318の拡散に
よりバルクプラズマ319が生じる。
【0089】このようにして生成する表面波干渉プラズ
マ(SIP:Surface-wave Interfered Plasma)は、表
面プラズマ318とバルクプラズマ319の2層構造を
有する。この時に処理用ガス導入手段306を介して処
理用ガスをプラズマ処理室301内に導入しておくと、
発生した高密度プラズマにより処理用ガスが励起され、
支持体303上に載置された被処理基体302の表面を
処理する。
【0090】ここで石英からなる誘電体309は、直径
330mm、厚さ16mmの無水合成石英で形成されて
いる。
【0091】2層無終端環状導波管310の材質は、マ
イクロ波の伝搬損失を抑えるため、すべてAlを用いて
いる。2層無終端環状導波管内の入力側環状導波路31
1は、断面寸法が27mm×96mmであって、中心径
が151.6mm(導波路周長が管内波長の3倍)であ
る。出力側環状導波路312は、断面寸法が27mm×
74mmであって、中心径が208mm(導波路周長が
管内波長[217.8mm]の3倍)である。導波路結
合スロット314は、入力側環状導波路311と出力側
環状導波路312との重なり部分に入力側環状導波路3
11の中心径と等しい151.6mmの位置に40mm
×4mmの寸法で6個放射状に形成されている。出力ス
ロット315は中心径が出力側環状導波管312と同一
の208mmの位置に56×4mmの寸法で形成されて
いる。
【0092】H分岐の2分岐導波管313には、4Eチ
ューナ、方向性結合器、アイソレータ、2.45GHz
の周波数を持つマイクロ波電源(不図示)が順に接続さ
れている。
【0093】図3に示したマイクロ波プラズマ処理装置
を使用して、Ar流量500sccm、圧力0.1To
rr、マイクロ波パワー3.0kWの条件でプラズマを
発生させ、得られたプラズマの計測を行った。プラズマ
計測は、シングルプローブ法により以下のようにして行
った。
【0094】プローブに印加する電圧を−10から+3
0Vの範囲で変化させ、プローブに流れる電流をI−V
測定器により測定し、得られたI−V曲線からラングミ
ュアらの方法により電子密度、電子温度、プラズマ電位
を算出した。その結果、電子密度は、0.1Torrの
場合3.1x1012/cm3±3.9%(φ300面内)
であり、均一で高電子密度の安定したプラズマが形成さ
れていることが確認された。
【0095】(装置例3)図4は、本発明のマイクロ波
プラズマ処理装置の装置例3を示す模式図であり、 図
4(a)にその概略断面図、図4(b)にその上面図、
図4(c)にそのプラズマ発生機構部の詳細図を示す。
装置例3のマイクロ波プラズマ処理装置では、導波路周
長/管内波長倍率ngが3、スロット間表面定在波個数
lが5、誘電体409が窒化アルミニウム(AlN)
(εd:9.8)で構成されているものである。
【0096】401はプラズマ処理室、402は被処理
基体、403は基体402の支持体、404は基体40
2の温度を調節する手段、405は高周波バイアス印加
手段、406は処理用ガス導入手段、407は排気手
段、408は排気コンダクタンス調整手段、409はプ
ラズマ処理室401を大気側と分離する誘電体、410
は誘電体409を透してマイクロ波をプラズマ処理室4
01に導入するためのスロット付2層無終端環状導波
管、411は2層無終端環状導波管410内の入力側環
状導波路、412は2層無終端環状導波管410内の出
力側環状導波路、413は入力側環状導波路411の2
箇所の導入口からマイクロ波を導入するためのH分岐の
2分岐導波管、414は入力側環状導波路411と出力
側環状導波路412とを結合する導波路結合スロット、
415は出力側スロット、416は出力側スロットから
導入され誘電体409表面を伝播する表面波、417は
隣接するスロットから導入された表面波416同士の干
渉により生じた表面定在波、418は表面定在波417
により発生した表面プラズマ、419は表面プラズマの
拡散により生じたバルクプラズマである。
【0097】次に、プラズマの発生及びその処理につい
て以下に説明する。まず、排気手段407を介してプラ
ズマ処理室401内を真空排気する。
【0098】続いて、処理用ガス導入手段406を介し
てプラズマ処理用ガスを所定の流量でプラズマ処理室4
01内に導入する。
【0099】続いて、プラズマ処理室401と排気手段
407との間に設けられたコンダクタンス調整手段40
8を調整し、プラズマ処理室401内を所定の圧力に保
持する。ここで必要に応じて、高周波バイアス印加手段
405を介して被処理基体402にバイアスを印加す
る。
【0100】続いて、マイクロ波電源(不図示)より無
終端環状導波管410を介してプラズマ処理室401内
に所望の電力を供給する。この際、無終端環状導波管4
10内に導入されたマイクロ波は、H分岐の2分岐導波
管413で2分配されて入力側環状導波路411に2箇
所から導入され、入力側環状導波路411内をそれぞれ
伝搬して干渉しあい、管内波長の1/2毎に“腹”をも
つ定在波がほぼ均一に生じる。
【0101】さらに、入力側環状導波路411から導波
路結合スロット414を介して出力側環状導波路412
に導入されたマイクロ波が干渉しあってほぼ完全に均一
な定在波の“腹”を生じる。このとき、出力側環状導波
路412に導入されたマイクロ波の一部は、導波路結合
スロット414を介して入力側環状導波路411へ反射
電力として戻るが、反射電界が充分弱くなるように導波
路結合スロット414を配置してあるので、その反射を
最小限に抑えることができる。そして、出力スロット4
14から誘電体409を透してプラズマ処理室401に
導入されたマイクロ波は、スロット414近傍にプラズ
マを生成する。
【0102】この生成したプラズマの電子密度が、 nec=ε0eω2/e2 [ε0:真空誘電率,me:電子質量,ω:電源角周波
数,e:電子電荷]で表されるカットオフ密度nec(電
源周波数2.45GHzの場合、7×1010cm-3)を
超えると、マイクロ波はプラズマ中を伝搬できなくな
り、さらに電子密度が増加し、 nes=(1+εd)ε0eω2/e2 [εd:誘電体窓比誘電率]で表される真正表面波モー
ドの閾値密度nes(誘電体409が窒化アルミニウム
(AlN)窓[εd:9.8]の場合は7.6×1011
cm-3)を超え、 δ=C/ωp=C(ε0e/e2e1/2=(2/ωμ0
σ)1/2 [C:光速,ωp:電子プラズマ角周波数,μ0:真空透
磁率,σ:プラズマ導電率]で表される表皮厚δが十分
薄くなる(例えば、電子密度が1×1012cm-3以上に
なると、表皮厚は10mm以下になる)と、マイクロ波
は誘電体409の表面を表面波416として伝搬する。
【0103】また、隣接する出力スロット415から導
入された表面波416同士が干渉し、 λs=λw{1−(ε0eω2/e2e1/2} [λw:完全導体間誘電体窓内マイクロ波波長]で表さ
れる表面波416の波長λsの1/2毎に表面定在波4
17の腹を生じ、プラズマ処理室401にしみ出したこ
の表面定在波417によって電子が加速され表面プラズ
マ418が生じる。更に、表面プラズマ418の拡散に
よりバルクプラズマ419が生じる。
【0104】このようにして生成する表面波干渉プラズ
マ(SIP:Surface-wave Interfered Plasma)は、表
面プラズマ418とバルクプラズマ419の2層構造を
有する。この時に処理用ガス導入手段406を介して処
理用ガスをプラズマ処理室401内に導入しておくと、
発生した高密度プラズマにより処理用ガスが励起され、
支持体403上に載置された被処理基体402の表面を
処理する。
【0105】ここで窒化アルミニウム(AlN)からな
る誘電体409は、直径320mm、厚さ10mmのイ
ットリア助剤入り高熱伝導型で形成されている。
【0106】2層無終端環状導波管410の材質は、マ
イクロ波の伝搬損失を抑えるため、すべてAlを用いて
いる。2層無終端環状導波管内の入力側環状導波路41
1は、断面寸法が27mm×96mmであって、中心径
が151.6mm(導波路周長が管内波長の3倍)であ
る。出力側環状導波路412は、断面寸法が27mm×
73mmであって、中心径が214mm(導波路周長が
管内波長[224.1mm]の3倍)である。導波路結
合スロット414は、入力側環状導波路411と出力側
環状導波路412との重なり部分に入力側環状導波路4
11と等しい中心径151.6mmの位置に40mm×
4mmの寸法で6個放射状に形成されている。出力スロ
ット415は中心径が出力側環状導波管412と同一の
214mmの位置に56×4mmの寸法で形成されてい
る。
【0107】H分岐の2分岐導波管413には、4Eチ
ューナ、方向性結合器、アイソレータ、2.45GHz
の周波数を持つマイクロ波電源(不図示)が順に接続さ
れている。
【0108】図4に示したマイクロ波プラズマ処理装置
を使用して、Ar流量500sccm、圧力0.1To
rr、マイクロ波パワー3.0kWの条件でプラズマを
発生させ、得られたプラズマの計測を行った。プラズマ
計測は、シングルプローブ法により以下のようにして行
った。
【0109】プローブに印加する電圧を−10から+3
0Vの範囲で変化させ、プローブに流れる電流をI−V
測定器により測定し、得られたI−V曲線からラングミ
ュアらの方法により電子密度、電子温度、プラズマ電位
を算出した。その結果、電子密度は、0.1Torrの
場合1.7x1012/cm3±3.2%(φ300面内)
であり、均一で高電子密度の安定したプラズマが形成さ
れていることが確認された。
【0110】−プラズマ処理方法例− 以下に方法例を挙げて本発明のプラズマ処理方法をより
具体的に説明するが、本発明はこれら方法例に限定され
るものではない。
【0111】(プラズマ処理方法例1)図3のマイクロ
波プラズマ処理装置を使用したプラズマ処理方法例1を
説明する。プラズマ処理方法例1は、フォトレジストの
アッシング処理を行ったものである。被処理基体302
としては、層間SiO2膜をエッチングし、ビアホール
を形成した直後のシリコン基板(φ8インチ)を使用し
ている。
【0112】まず、シリコン基板302を基体支持体3
03上に設置し、温度調節手段304を介してシリコン
基板302を250℃に加熱した後、排気手段307を
介してプラズマ処理室301内を真空排気して、10-5
Torrまで減圧させる。
【0113】続いて、プラズマ処理用ガス導入口306
を介してプラズマ処理室301内に1.5slmの流量
で酸素ガスを導入する。
【0114】続いて、プラズマ処理室301と排気手段
307との間に設けられたコンダクタンスバルブ308
を調整し、プラズマ処理室301内を1Torrに保持
する。
【0115】続いて、2.45GHzのマイクロ波電源
(不図示)から無終端環状導波管310を介してプラズ
マ処理室301内に1.5kWの電力を供給する。
【0116】かくして、プラズマ処理室301内にプラ
ズマを発生させることができる。この際、プラズマ処理
用ガス導入口306を介して導入された酸素ガスは、プ
ラズマ処理室301内で励起、分解、反応して酸素ラジ
カルとなり、シリコン基板の被処理基体302の方向に
送られて、シリコン基板302上のフォトレジストを酸
化する。これにより、フォトレジストを気化し除去する
ことができる。
【0117】実際にアッシングを行って、アッシング速
度と基板表面電荷密度などについて評価した。この評価
により得られたアッシング速度及び均一性は、5.6μ
m/min±4.2%と極めて良好で、表面電荷密度も
−1.3×1011/cm2と充分低い値を示している。
【0118】(プラズマ処理方法例2)次に、図4のマ
イクロ波プラズマ処理装置を使用したプラズマ処理方法
例2を説明する。プラズマ処理方法例2も、プラズマ処
理方法例1と同様にフォトレジストのアッシング処理を
行ったものである。被処理基体402としては、濃度5
1015cm-2の高濃度インプラ後のフォトレジストが表
面硬化したシリコン基板(φ8インチ)を使用してい
る。
【0119】まず、シリコン基板402を基体支持体4
03上に設置した後、排気手段407を介してプラズマ
処理室401内を真空排気して、圧力10-5Torrま
で減圧させる。
【0120】続いて、プラズマ処理用ガス導入口406
を介してプラズマ処理室401内に酸素ガスを1sl
m、CF4を10sccmの流量で導入する。
【0121】続いて、プラズマ処理室401と排気手段
407との間に設けられたコンダクタンスバルブ408
を調整し、プラズマ処理室401を0.6Torrに保
持する。
【0122】続いて、2.45GHzのマイクロ波電源
(不図示)から無終端環状導波管410を介してプラズ
マ処理室401内に1.5kWの電力を供給する。
【0123】かくして、プラズマ処理室401内にプラ
ズマを発生させることができる。この際、プラズマ処理
用ガス導入口406を介して導入されたCF4添加酸素
ガスは、プラズマ処理室401内で励起、分解、反応し
て弗素ラジカルを含む酸素ラジカルとなり、シリコン基
板402の方向に送られて、基板402上のフォトレジ
ストを酸化する。これにより、フォトレジストを気化し
除去することができる。
【0124】実際にアッシングを行って、アッシング速
度と基板表面電荷密度などについて評価した。この評価
により得られたアッシング速度及び均一性は、3.1μ
m/min±4.4%と極めて大きく、表面電荷密度も
−1.7×1011/cm2と充分低い値を示している。
【0125】(プラズマ処理方法例3)次に、図3のマ
イクロ波プラズマ処理装置を使用したプラズマ処理方法
例3を説明する。プラズマ処理方法例3は、半導体素子
保護用窒化シリコン膜の形成を行ったものである。被処
理基体302としては、Al配線パターン(ラインアン
ドスペース0.5μm)が形成された層間SiO2膜付
きP型単結晶シリコン基板(面方位〈100〉、抵抗率
10Ωcm)を使用している。
【0126】まず、シリコン基板302を基体支持体3
03上に設置した後、排気手段307を介してプラズマ
処理室301内を真空排気して、圧力10-7Torrま
で減圧させる。
【0127】続いて、基体温度調節手段204であるヒ
ータに通電して、シリコン基板302を300℃に加熱
し、シリコン基板302をこの温度に保持する。
【0128】続いて、プラズマ処理用ガス導入口306
を介してプラズマ処理室301内に窒素ガスを600s
ccmの流量で、また、モノシランガスを200scc
mの流量で導入する。
【0129】続いて、プラズマ処理室301と排気手段
307との間に設けられたコンダクタンスバルブ308
を調整し、プラズマ処理室301内を圧力20mTor
rに保持する。
【0130】続いて、2.45GHzのマイクロ波電源
(不図示)から無終端環状導波管310を介してプラズ
マ処理室301内に3.0kWの電力を供給する。
【0131】かくして、プラズマ処理室301内にプラ
ズマを発生させることができる。この際、プラズマ処理
用ガス導入口306を介して導入された窒素ガスはプラ
ズマ処理室301内で励起、分解されて窒素ラジカルと
なり、シリコン基板302の方向に送られて、モノシラ
ンガスと反応し、窒化シリコン膜がシリコン基板302
上に1.0μmの厚さで形成される。
【0132】実際に窒化シリコン膜の成膜を行って、そ
の成膜速度、応力などの膜質について評価した。ここで
応力は、成膜前後の基板反り量の変化をレーザ干渉計Z
ygo(商品名)で測定し求めた。この評価により得ら
れた窒化シリコン膜の成膜速度及び均一性は、510n
m/min±3.2%と極めて大きく、膜質も応力1.
1×109dyne/cm2(圧縮)、リーク電流1.3
×10-10A/cm2、絶縁耐圧9MV/cmの極めて良
質な膜であることが確認できた。
【0133】(プラズマ処理方法例4)図4のマイクロ
波プラズマ処理装置を使用したプラズマ処理方法例4を
説明する。プラズマ処理方法例4は、プラスチックレン
ズ反射防止用の酸化シリコン膜及び窒化シリコン膜の形
成を行ったものである。被処理基体402としては、直
径50mmプラスチック凸レンズを使用している。
【0134】まず、レンズ402を基体支持体403上
に設置した後、排気手段407を介してプラズマ処理室
401内を真空排気して、圧力10-7Torrまで減圧
させる。
【0135】続いて、プラズマ処理用ガス導入口406
を介してプラズマ処理室401内に窒素ガスを240s
ccmの流量で、また、モノシランガスを100scc
mの流量で導入する。
【0136】続いて、プラズマ処理室401と排気手段
407との間に設けられたコンダクタンスバルブ408
を調整し、プラズマ処理室401内を7mTorrに保
持する。
【0137】続いて、2.45GHzのマイクロ波電源
(不図示)から無終端環状導波管410を介してプラズ
マ処理室401内に3.0kWの電力を供給する。
【0138】かくして、プラズマ処理室401内にプラ
ズマを発生させることができる。この際、プラズマ処理
用ガス導入口406を介して導入された窒素ガスは、プ
ラズマ処理室401内で励起、分解されて窒素原子など
の活性種となり、レンズ402の方向に送られて、モノ
シランガスと反応し、窒化シリコン膜がレンズ402上
に21nmの厚さで形成される。
【0139】続いて、プラズマ処理用ガス導入口406
を介してプラズマ処理室401内に酸素ガスを200s
ccmの流量で、また、モノシランガスを100scc
mの流量で導入する。
【0140】続いて、プラズマ処理室401と排気手段
407との間に設けられたコンダクタンスバルブ408
を調整し、処理室401内を3mTorrに保持する。
【0141】続いて、2.45GHzのマイクロ波電源
(不図示)から無終端環状導波管410を介してプラズ
マ発生室401内に2.0kWの電力を供給する。
【0142】かくして、プラズマ処理室401内にプラ
ズマを発生させることができる。この際、プラズマ処理
用ガス導入口406を介して導入された酸素ガスは、プ
ラズマ処理室401内で励起、分解されて酸素原子など
の活性種となり、レンズ402の方向に送られて、モノ
シランガスと反応し、酸化シリコン膜がレンズ402上
に86nmの厚さで形成される。
【0143】実際に酸化シリコン膜及び窒化シリコン膜
の成膜を行って、その成膜速度、反射特性について評価
した。この評価により得られた窒化シリコン膜及び酸化
シリコン膜の成膜速度及び均一性はそれぞれ310nm
/min±2.3%、330nm/min±2.5と良
好で、膜質も、500nm付近の反射率が0.2%と極
めて良好な光学特性であることが確認できた。
【0144】(プラズマ処理方法例5)図2のマイクロ
波プラズマ処理装置を使用したプラズマ処理方法例5を
説明する。プラズマ処理方法例5は、半導体素子層間絶
縁用の酸化シリコン膜の形成を行ったものである。被処
理基体202としては、最上部にAlパターン(ライン
アンドスペース0.5μm)が形成されたP型単結晶シ
リコン基板(面方位〈100〉、抵抗率10Ωcm)を
使用している。
【0145】まず、シリコン基板202を基体支持体2
03上に設置した後、排気手段207を介してプラズマ
処理室201内を真空排気して、圧力10-7Torrま
で減圧させる。
【0146】続いて、基体温度調節手段204であるヒ
ータに通電して、シリコン基板202を300℃に加熱
し、シリコン基板202をこの温度に保持する。
【0147】続いて、プラズマ処理用ガス導入口206
を介してプラズマ処理室201内に酸素ガスを500s
ccmの流量で、また、モノシランガスを200scc
mの流量で導入する。
【0148】続いて、プラズマ処理室201と排気手段
207との間に設けられたコンダクタンスバルブ208
を調整し、プラズマ処理室201内を圧力30mTor
rに保持する。
【0149】続いて、13.56MHzの高周波印加手
段205を介して基板支持体202に300Wの電力を
印加するとともに、2.45GHzのマイクロ波電源
(不図示)から無終端環状導波管210を介してプラズ
マ処理室201内に2.0kWの電力を供給する。
【0150】かくして、プラズマ処理室201内にプラ
ズマを発生させることができる。この際、プラズマ処理
用ガス導入口206を介して導入された酸素ガスはプラ
ズマ処理室201内で励起、分解されて活性種となり、
シリコン基板202の方向に送られて、モノシランガス
と反応し、酸化シリコン膜がシリコン基板202上に
0.8μmの厚さで形成される。この時、イオン種はR
Fバイアスにより加速されて基板202に入射しパター
ン上の膜を削り平坦性を向上させる。
【0151】実際に酸化シリコン膜の成膜を行って、そ
の成膜速度、均一性、絶縁耐圧及び段差被覆性について
評価した。段差被覆性は、Al配線パターン上に成膜し
た酸化シリコン膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)
で観測し、ボイドを観測することにより評価した。この
評価により得られた酸化シリコン膜の成膜速度及び均一
性は250nm/min±2.8%と良好で、膜質も絶
縁耐圧8.7MV/cm、ボイドフリーであって良質な
膜であることが確認できた。
【0152】(プラズマ処理方法例6)図4のマイクロ
波プラズマ処理装置を使用したプラズマ処理方法例6を
説明する。プラズマ処理方法例6は、半導体素子層間S
iO2膜のエッチングを行ったものである。被処理基体
402としては、Alパターン(ラインアンドスペース
0.18μm)上に1μm厚の層間SiO2膜が形成さ
れたP型単結晶シリコン基板(面方位〈100〉、抵抗
率10Ωcm)を使用している。
【0153】まず、シリコン基板402を基体支持体4
03上に設置した後、排気手段407を介してプラズマ
401内を真空排気して、圧力10-7Torrまで減圧
させる。
【0154】続いて、プラズマ処理用ガス導入口406
を介してプラズマ処理室401内にC48を100sc
cmの流量で導入する。
【0155】続いて、プラズマ処理室401と排気手段
407との間に設けられたコンダクタンスバルブ408
を調整し、プラズマ処理室401内を圧力10mTor
rの圧力に保持する。
【0156】続いて、13.56MHzの高周波バイア
ス印加手段405を介して基板支持体402に300W
の電力を印加するとともに、2.45GHzのマイクロ
波電源(不図示)から無終端環状導波管410を介して
プラズマ処理室401内に2.0kWの電力を供給す
る。
【0157】かくして、プラズマ処理室401内にプラ
ズマを発生させることができる。この際、プラズマ処理
用ガス導入口406を介して導入されたC48ガスは、
プラズマ処理室401内で励起、分解されて活性種とな
り、シリコン基板402の方向に送られて、自己バイア
スによって加速されたイオンによって層間SiO2膜が
エッチングされる。基体温度調節手段404であるクー
ラによりシリコン基板402温度は80℃程度までしか
上昇しない。
【0158】実際にエッチング処理を行って、そのエッ
チング速度、選択比及びエッチング形状について評価し
た。エッチング形状は、エッチングされた酸化シリコン
膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観測して評価
した。この評価により得られたエッチング速度及び均一
性と対PR選択比は440nm/min±4.2%、1
2と良好で、エッチング形状もほぼ垂直で、マイクロロ
ーディング効果も少ないことが確認できた。
【0159】(プラズマ処理方法例7)図2のマイクロ
波プラズマ処理装置を使用したプラズマ処理方法例7を
説明する。プラズマ処理方法例7は、半導体素子層間絶
縁用ポリアリールエーテル(PAE)膜のエッチングを
行ったものである。被処理基体202としては、0.5
μm厚のPAE膜上にハードマスクとして0.13μm
SiO2膜パターンが0.1μm厚形成されたP型単結
晶シリコン基板(面方位〈100〉、抵抗率10Ωc
m)を使用している。
【0160】まず、シリコン基板202を基体支持体2
03上に設置し、基体温度調節手段204であるクーラ
により基板温度を0℃に冷却した後、排気手段207を
介してプラズマ201内を真空排気して、圧力10-7
orrまで減圧させる。
【0161】続いて、プラズマ処理用ガス導入口206
を介してプラズマ処理室201内にNH3を200sc
cmの流量で導入する。
【0162】続いて、プラズマ処理室201と排気手段
207との間に設けられたコンダクタンスバルブ208
を調整し、プラズマ処理室201内を圧力10mTor
rの保持する。
【0163】続いて、2MHzの高周波印加手段205
を介して基板支持体202に300Wの電力を印加する
とともに、2.45GHzのマイクロ波電源(不図示)
から無終端環状導波管210を介してプラズマ処理室2
01内に2.0kWの電力を供給する。
【0164】かくして、プラズマ処理室201内にプラ
ズマを発生させることができる。この際、プラズマ処理
用ガス導入口206を介して導入されたNH3ガスはプ
ラズマ処理室201内で励起、分解されて活性種とな
り、シリコン基板202の方向に送られて、自己バイア
スによって加速されたイオンによってPAE膜がエッチ
ングされる。
【0165】実際にエッチング処理を行って、そのエッ
チング速度、選択比及びエッチング形状について評価し
た。エッチング形状は、エッチングされた酸化シリコン
膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観測して評価
した。この評価により得られたエッチング速度及び均一
性と対SiO2選択比は460nm/min±3.7
%、10と良好で、エッチング形状もほぼ垂直で、マイ
クロローディング効果も少ないことが確認できた。
【0166】
【発明の効果】本発明によれば、スロットを有する2層
構造の無終端環状導波路を備えるマイクロ波導入手段に
マイクロ波を導入することにより、1層構造の無終端環
状導波路の場合に比して、無終端環状導波路の周方向に
発生する定在波をより均一にすることができる。これに
より、プラズマ処理室に均一なマイクロ波を供給するこ
とができるようになり、高品質なマイクロ波プラズマ処
理装置とすることができる。
【0167】本発明の他の特徴によれば、導波路結合ス
ロットを入力側無終端環状導波路の周方向の中心に配置
するようにしたので、導波路結合スロットから出力側無
終端環状導波路に導入したマイクロ波の反射電界を最小
限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるマイクロ波プラズマ
処理装置の模式図である。
【図2】本発明のマイクロ波プラズマ処理装置の装置例
1を示す模式図である。
【図3】本発明のマイクロ波プラズマ処理装置の装置例
2を示す模式図である。
【図4】本発明のマイクロ波プラズマ処理装置の装置例
3を示す模式図である。
【図5】従来例のマイクロ波プラズマ処理装置の模式図
である。
【符号の説明】
101、201、301、401、501 プラズマ処
理室 102、202、302、402、502 被処理基体 103、203、303、403、503 基体支持体 104、204、304、404、504 基体温度調
節手段 105、205、305、405、505 高周波バイ
アス印加手段 106、206、306、406、506 処理用ガス
導入手段 107、207、307、407、507 排気手段 108、208、308、408、508 コンダクタ
ンス調節手段 109、209、309、409、509 誘電体 110、210、310、410、510 無終端環状
導波管 111、211、311、411 入力側環状導波路 112、212、312、412 出力側環状導波路 512 無終端環状導波路 113、213、313、413 2分岐導波管 513 導入部E分岐 114、214、314、414 導波路結合スロット 115、215、315、415 出力スロット 515 スロット 116、216、316、416、516 表面波 117、217、317、417、517 表面定在波 118,218,318,418,518 表面プラズ
マ 119,219,319,419,519 バルクプラ
ズマ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K030 AA06 AA14 BA29 BA44 CA04 CA12 CA17 FA02 JA19 5F004 BB11 BB32 BD01 DA00 DA01 DA02 DA04 DA05 DA06 DA15 DA17 DA18 DA24 DA25 DA26 DA27 DA28 DB03 DB23 DB26 EB03 5F045 AA09 AA20 AB09 AB31 AB32 AB33 AC01 AC02 AC03 AC07 AC11 EH02 EH03

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマ処理室と、 前記プラズマ処理室内に設置される被処理基体を支持す
    る基体支持手段と、 前記プラズマ処理室内にガスを導入するガス導入手段
    と、 前記プラズマ処理室内を排気する排気手段と、 前記プラズマ処理室にマイクロ波を導入するマイクロ波
    導入手段とを含み、 前記マイクロ波導入手段は、H面に所定の間隔で穿孔さ
    れて設けられたスロットを有する無終端環状導波路を2
    層に積層した構造を備えていることを特徴とするマイク
    ロ波プラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 前記マイクロ波導入手段は、入力側無終
    端環状導波路と出力側無終端環状導波路との2層の積層
    構造で形成され、 前記入力側無終端環状導波路と前記出力側無終端環状導
    波路との間に設けられた放射状もしくは円弧状の導波路
    結合スロットと、 前記出力側無終端環状導波路と前記プラズマ処理室との
    間に設けられた放射状もしくは円弧状の出力側スロット
    とを備え、 前記導波路結合スロットは、前記入力側無終端環状導波
    路の周方向の中心に配置されていることを特徴とする請
    求項1に記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 前記入力側無終端環状導波路の1周長に
    対する前記入力側無終端環状導波路内のマイクロ波長の
    倍率が奇数の場合はH分岐を用い、偶数の場合はE分岐
    を用いてマイクロ波を2分配し、前記入力側無終端環状
    導波路に180度間隔で2個設けられた導入口から前記
    2分配したマイクロ波を導入することを特徴とする請求
    項2に記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】 前記入力側無終端環状導波路の内断面
    は、前記入力側無終端環状導波路にマイクロ波を導入す
    る為の矩形導波管の内断面と同一寸法であることを特徴
    とする請求項2または3に記載のマイクロ波プラズマ処
    理装置。
  5. 【請求項5】 前記導波路結合スロットの中心半径が前
    記入力側無終端環状導波路の中心半径と等しいことを特
    徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のマイクロ
    波プラズマ処理装置。
  6. 【請求項6】 前記出力側無終端環状導波路の中心半径
    g1が前記出力側スロットの中心半径と等しく、さら
    に、隣接する出力側スロット間に励起される表面定在波
    の腹の数をnl、表面波の波長をλS、前記出力側無終端
    環状導波路の1周長に対する前記出力側無終端環状導波
    路内のマイクロ波長の倍率をngとすると、 rg1=nlλS/[2tan[(π/2ng)][1+cos(π/
    g)]] であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に
    記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
  7. 【請求項7】 前記出力側スロットの長さlS1は、前記
    出力側無終端環状導波路内のマイクロ波長をλg1とする
    と、 lS1=λg1/4 であることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に
    記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
  8. 【請求項8】 プラズマ処理室と、 前記プラズマ処理室にマイクロ波を導入し、H面に所定
    の間隔で穿孔されて設けられたスロットを有する無終端
    環状導波路を2層に積層した構造を備えるマイクロ波導
    入手段とを有するマイクロ波プラズマ処理装置に用いる
    プラズマ処理方法であって、 前記プラズマ処理室内に基体を支持する基体支持工程
    と、 前記プラズマ処理室内を排気する排気工程と、 前記プラズマ処理室内にガスを導入するガス導入工程
    と、 前記プラズマ処理室内を所定の圧力に保持する圧力保持
    工程と、 前記マイクロ波導入手段から前記プラズマ処理室にマイ
    クロ波を導入してプラズマを発生させ、前記基体を処理
    する基体処理工程とを含むことを特徴とするプラズマ処
    理方法。
  9. 【請求項9】 前記マイクロ波導入手段は、入力側無終
    端環状導波路と出力側無終端環状導波路との2層の積層
    構造で形成され、 前記入力側無終端環状導波路と前記出力側無終端環状導
    波路との間に設けられた導波路結合スロットと、 前記出力側無終端環状導波路と前記プラズマ処理室との
    間に設けられた出力側スロットとを備え、 前記導波路結合スロットは、前記入力側無終端環状導波
    路の環状半径の中心に形成されていることを特徴とする
    請求項8に記載のプラズマ処理方法。
  10. 【請求項10】 前記基体処理工程がエッチング工程、
    アッシング工程、CVD工程、ドーピング工程、酸化工
    程もしくは窒化工程であることを特徴とする請求項8ま
    たは9に記載のプラズマ処理方法。
  11. 【請求項11】 請求項8〜10のいずれか1項に記載
    のプラズマ処理方法により処理された基体から作製され
    たことを特徴とする電子部品。
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