JP2003324014A - ビーズコア型ノイズフィルタ - Google Patents
ビーズコア型ノイズフィルタInfo
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- JP2003324014A JP2003324014A JP2002128066A JP2002128066A JP2003324014A JP 2003324014 A JP2003324014 A JP 2003324014A JP 2002128066 A JP2002128066 A JP 2002128066A JP 2002128066 A JP2002128066 A JP 2002128066A JP 2003324014 A JP2003324014 A JP 2003324014A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 MnZnフェライトの比抵抗を高めることに
より、高周波特性を良くし、不要輻射ノイズの対策に用
いることを可能とし、かつMnZnフェライトの誘電率
を抑制することにより、伝送信号波形を歪ませることな
くノイズ対策可能なビーズコア型ノイズフィルタ提供す
る。 【解決手段】 本発明のビーズコア型ノイズフィルタ
は、円柱状形状をなし、信号線が挿入される一つ又は複
数の貫通孔をもつ比抵抗の高い軟磁性体1と信号線2と
で構成される。そのビーズ型ノイズフィルタは、複素比
誘電率の実数部が1kHzにおいて1,000以上かつ
20,000以下、1MHzにおいて50以下であり、
かつ比抵抗が150Ωm以上である軟磁性材料1により
閉磁路の磁心を形成し、これに信号線2を貫通させるこ
とにより、高特性なビーズコア型ノイズフィルタを提供
することができる。
より、高周波特性を良くし、不要輻射ノイズの対策に用
いることを可能とし、かつMnZnフェライトの誘電率
を抑制することにより、伝送信号波形を歪ませることな
くノイズ対策可能なビーズコア型ノイズフィルタ提供す
る。 【解決手段】 本発明のビーズコア型ノイズフィルタ
は、円柱状形状をなし、信号線が挿入される一つ又は複
数の貫通孔をもつ比抵抗の高い軟磁性体1と信号線2と
で構成される。そのビーズ型ノイズフィルタは、複素比
誘電率の実数部が1kHzにおいて1,000以上かつ
20,000以下、1MHzにおいて50以下であり、
かつ比抵抗が150Ωm以上である軟磁性材料1により
閉磁路の磁心を形成し、これに信号線2を貫通させるこ
とにより、高特性なビーズコア型ノイズフィルタを提供
することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板実装用の信号
ラインやDCラインに使用される不要輻射ノイズ等の抑
制を目的としたビーズコア型ノイズフィルタである。
ラインやDCラインに使用される不要輻射ノイズ等の抑
制を目的としたビーズコア型ノイズフィルタである。
【0002】
【従来の技術】電子機器が小型化、高性能化されるなか
で、信号ラインから輻射される高周波ノイズが大きな問
題となっている。このノイズを抑制する最も簡単な対策
として、信号ラインをトロイダル形状の磁心に貫通させ
る方法がある。このトロイダル形状の磁心をビーズコア
型ノイズフィルタと呼んでいる。トロイダル形状の閉磁
路磁心に1ターン貫通させる場合が多いが、複数孔の空
いた磁心に複数ターン巻く場合もある。以下、図1に基
づいて、ビーズコア型ノイズフィルタの構成を説明す
る。1は比抵抗の高い軟磁性体(ビーズコア)である。
その形状は、円柱状であり、一つの孔が設けられてお
り、その中に信号線4が配置される。尚、形状は、一つ
の孔に限らなく、複数の孔で形成する場合もある。
で、信号ラインから輻射される高周波ノイズが大きな問
題となっている。このノイズを抑制する最も簡単な対策
として、信号ラインをトロイダル形状の磁心に貫通させ
る方法がある。このトロイダル形状の磁心をビーズコア
型ノイズフィルタと呼んでいる。トロイダル形状の閉磁
路磁心に1ターン貫通させる場合が多いが、複数孔の空
いた磁心に複数ターン巻く場合もある。以下、図1に基
づいて、ビーズコア型ノイズフィルタの構成を説明す
る。1は比抵抗の高い軟磁性体(ビーズコア)である。
その形状は、円柱状であり、一つの孔が設けられてお
り、その中に信号線4が配置される。尚、形状は、一つ
の孔に限らなく、複数の孔で形成する場合もある。
【0003】従来、数10〜数100MHzの不要輻射
ノイズ対策を行うため、このような高周波数帯において
も使用可能な高比抵抗のNiZnフェライト(102〜
10 5Ωm)が用いられている。この他、ビーズコア内
面に絶縁被覆無しのリード線を直に接するように貫通さ
せるためにも、磁心には高い比抵抗が要求される。この
ように、ビーズコア型ノイズフィルタは非常に簡単な構
造であるにもかかわらず、NiZnフェライトが原料に
高価なNiを含んでいるため、高価な部品となってしま
う欠点があった。
ノイズ対策を行うため、このような高周波数帯において
も使用可能な高比抵抗のNiZnフェライト(102〜
10 5Ωm)が用いられている。この他、ビーズコア内
面に絶縁被覆無しのリード線を直に接するように貫通さ
せるためにも、磁心には高い比抵抗が要求される。この
ように、ビーズコア型ノイズフィルタは非常に簡単な構
造であるにもかかわらず、NiZnフェライトが原料に
高価なNiを含んでいるため、高価な部品となってしま
う欠点があった。
【0004】この問題を解決するべくこれに対して、安
価でかつ良好な特性を有するソフトフェライトにMnZ
nフェライトがあるが、その比抵抗は10−1〜100
Ωmと非常に低いために、所望の高周波数帯域において
使用することができない。ノイズ対策したい信号周波数
帯よりも低い周波数において渦電流による損失が著しく
増大してしまうためである。また、磁心内面に被覆なし
の信号線をそのまま、挿入して接触させて、組み立てる
ことが出来ない欠点がある。もう一つ、安価なソフトフ
ェライトにMgZnフェライトがある。しかしながら、
初透磁率や飽和磁束密度といった軟磁気特性が他のソフ
トフェライトに比べて劣るため、ビーズコア型ノイズフ
ィルタとして同じ特性を得ようとした場合、磁心の寸法
を大きくしなければならない。特に、リップル電流やサ
ージノイズが問題となる信号線、特に電源線などに用い
る場合、磁気飽和しないよう、さらにコア形状を大型化
しなければならなくなる。このような問題から、MgZ
nフェライトはビーズコア型ノイズフィルタとして使用
されていないのが実状である。
価でかつ良好な特性を有するソフトフェライトにMnZ
nフェライトがあるが、その比抵抗は10−1〜100
Ωmと非常に低いために、所望の高周波数帯域において
使用することができない。ノイズ対策したい信号周波数
帯よりも低い周波数において渦電流による損失が著しく
増大してしまうためである。また、磁心内面に被覆なし
の信号線をそのまま、挿入して接触させて、組み立てる
ことが出来ない欠点がある。もう一つ、安価なソフトフ
ェライトにMgZnフェライトがある。しかしながら、
初透磁率や飽和磁束密度といった軟磁気特性が他のソフ
トフェライトに比べて劣るため、ビーズコア型ノイズフ
ィルタとして同じ特性を得ようとした場合、磁心の寸法
を大きくしなければならない。特に、リップル電流やサ
ージノイズが問題となる信号線、特に電源線などに用い
る場合、磁気飽和しないよう、さらにコア形状を大型化
しなければならなくなる。このような問題から、MgZ
nフェライトはビーズコア型ノイズフィルタとして使用
されていないのが実状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図3に示すビーズコア
型ノイズフィルタの等価回路はインダクタンス成分Lと
レジスタンス成分Rの直列回路で表される。そして、こ
れにキャパシタンス成分Cが並列に加わる。図におい
て、信号周波数帯域においてはL≫Rとなるため、ビー
ズコア型ノイズフィルタはインダクタ:Lとして働き、
誘導成分となって、信号に抵抗による損失を与えないと
共に、信号線間の静電容量とにより回路的にローパスフ
ィルタを形成する。しかし、インダクタンスの値も小さ
いので、カットオフ周波数が伝送させる信号周波数帯域
より高い周波数なので、信号の伝送損失は無視できる。
信号より高い周波数帯域においてはL≪Rとなるため、
抵抗として働き、ノイズを熱として吸収する。特に、不
要輻射ノイズに対しては、有効な抑制効果をもつ。ビー
ズコア型ノイズフィルタのインピーダンス:|Z|は下
記式(1)によって、リアクタンス:X成分と抵抗:R
成分とに分離することができる。磁心に交流磁界を印加
した場合、複素透磁率:μは下記式(2)と表される。
実数部:μ’によりビーズコア型ノイズフィルタのX成
分(L成分と言っても良い)が生じ、虚数部:μ”によ
りR成分が生じる。したがって、伝送する信号の周波数
帯域ではX成分が支配的であり、これは、信号線間の静
電容量とで形成するローパスフィルタとして作用し、信
号に重畳するノイズ成分を遮断して通過させないことに
貢献する。しかし、一旦は遮断して、通過させなかった
このノイズ成分は、他の回路に影響するノイズ成分とな
る可能性がある。一方、不要輻射ノイズなどが発生する
高周波数帯域ではR成分が支配的であり、このR成分が
不要輻射ノイズを含むノイズ成分を熱エネルギーに変換
し除去する因子となる。このようにノイズを熱エネルギ
ーに変換して除去する方が、上記したローパスフィルタ
によるノイズの遮断より、より安全で確実なノイズ抑制
対策である。これら両成分の大きさが同一となる周波
数:X−Rクロスポイントは、ノイズを反射する成分と
熱エネルギーに変換し除去する成分との境目となる周波
数である。通常、ノイズを除去する際は、熱エネルギー
に変換して除去する成分が多い方が望ましい。言い換え
れば、同じインピーダンス特性であればX−Rクロスポ
イントは低いほど良い。高周波数帯域においてX成分が
大きく、R成分が小さいと、信号線間の静電容量:C成
分によってQ(インダクタの性能を表すための指数)が
大きいLC共振が生じ、ビーズコア型ノイズフィルタを
接続する回路によってはデジタル信号に対し、リンギン
グ等の波形歪を起こしてしまうと言う問題もある。
型ノイズフィルタの等価回路はインダクタンス成分Lと
レジスタンス成分Rの直列回路で表される。そして、こ
れにキャパシタンス成分Cが並列に加わる。図におい
て、信号周波数帯域においてはL≫Rとなるため、ビー
ズコア型ノイズフィルタはインダクタ:Lとして働き、
誘導成分となって、信号に抵抗による損失を与えないと
共に、信号線間の静電容量とにより回路的にローパスフ
ィルタを形成する。しかし、インダクタンスの値も小さ
いので、カットオフ周波数が伝送させる信号周波数帯域
より高い周波数なので、信号の伝送損失は無視できる。
信号より高い周波数帯域においてはL≪Rとなるため、
抵抗として働き、ノイズを熱として吸収する。特に、不
要輻射ノイズに対しては、有効な抑制効果をもつ。ビー
ズコア型ノイズフィルタのインピーダンス:|Z|は下
記式(1)によって、リアクタンス:X成分と抵抗:R
成分とに分離することができる。磁心に交流磁界を印加
した場合、複素透磁率:μは下記式(2)と表される。
実数部:μ’によりビーズコア型ノイズフィルタのX成
分(L成分と言っても良い)が生じ、虚数部:μ”によ
りR成分が生じる。したがって、伝送する信号の周波数
帯域ではX成分が支配的であり、これは、信号線間の静
電容量とで形成するローパスフィルタとして作用し、信
号に重畳するノイズ成分を遮断して通過させないことに
貢献する。しかし、一旦は遮断して、通過させなかった
このノイズ成分は、他の回路に影響するノイズ成分とな
る可能性がある。一方、不要輻射ノイズなどが発生する
高周波数帯域ではR成分が支配的であり、このR成分が
不要輻射ノイズを含むノイズ成分を熱エネルギーに変換
し除去する因子となる。このようにノイズを熱エネルギ
ーに変換して除去する方が、上記したローパスフィルタ
によるノイズの遮断より、より安全で確実なノイズ抑制
対策である。これら両成分の大きさが同一となる周波
数:X−Rクロスポイントは、ノイズを反射する成分と
熱エネルギーに変換し除去する成分との境目となる周波
数である。通常、ノイズを除去する際は、熱エネルギー
に変換して除去する成分が多い方が望ましい。言い換え
れば、同じインピーダンス特性であればX−Rクロスポ
イントは低いほど良い。高周波数帯域においてX成分が
大きく、R成分が小さいと、信号線間の静電容量:C成
分によってQ(インダクタの性能を表すための指数)が
大きいLC共振が生じ、ビーズコア型ノイズフィルタを
接続する回路によってはデジタル信号に対し、リンギン
グ等の波形歪を起こしてしまうと言う問題もある。
【0006】NiZnフェライトを磁心に用いたビーズ
コア型ノイズフィルタのX−Rクロスポイントは10M
Hzといった高周波数帯に存在する。このリアクタンス
成分が高周波数帯まで伸びて大きいため、C−MOSイ
ンバータのような数pFの静電容量をもつハイインピー
ダンスな回路の入力信号ラインにNiZnフェライトを
磁心に用いたビーズコア型ノイズフィルタを接続する
と、デジタル信号波形がリンギングやアンダーシュー
ト、オーバーシュートといった信号波形歪を引き起こし
てしまう問題がある。これは、上述したQが比較的大き
いLC共振などによって生ずるものである。したがっ
て、NiZnフェライトを磁心に用いた場合よりも、X
−Rクロスポイントを低い周波数帯へ低減し、安全で確
実なR成分主体でノイズ対策を行うビーズコア型ノイズ
フィルタが望まれる。 |Z| = √( X2 + R2 ) 式(1) μ = √( μ’2 + μ”2 ) 式(2)
コア型ノイズフィルタのX−Rクロスポイントは10M
Hzといった高周波数帯に存在する。このリアクタンス
成分が高周波数帯まで伸びて大きいため、C−MOSイ
ンバータのような数pFの静電容量をもつハイインピー
ダンスな回路の入力信号ラインにNiZnフェライトを
磁心に用いたビーズコア型ノイズフィルタを接続する
と、デジタル信号波形がリンギングやアンダーシュー
ト、オーバーシュートといった信号波形歪を引き起こし
てしまう問題がある。これは、上述したQが比較的大き
いLC共振などによって生ずるものである。したがっ
て、NiZnフェライトを磁心に用いた場合よりも、X
−Rクロスポイントを低い周波数帯へ低減し、安全で確
実なR成分主体でノイズ対策を行うビーズコア型ノイズ
フィルタが望まれる。 |Z| = √( X2 + R2 ) 式(1) μ = √( μ’2 + μ”2 ) 式(2)
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、近年の電子機器の高周波数化、デジタル化の流れに
より、デジタル信号などの伝送信号波形を歪ませること
なくノイズ抑制を行うビーズコアが望まれている。本発
明の第一の目的は、これらの問題を解決し、安価なMn
Znフェライトの比抵抗を著しく高めることにより、N
iZnフェライトと同程度の高周波数における軟磁気特
性を得て、数10〜数100MHzの不要輻射ノイズの
対策に用いることを可能なビーズコア型ノイズフィルタ
を提供することにある。ここで、必要に応じて、信号線
に絶縁皮膜あるいは絶縁コーティング無しで直接、接す
ることが可能な安価なビーズコア型ノイズフィルタを提
供することにある。また、本発明の第二の目的は、伝送
信号波形を歪ませることなくノイズ対策するために、よ
り安全で確実なR成分主体でノイズ対策できる高性能な
ビーズコア型ノイズフィルタを提供することにある。
で、近年の電子機器の高周波数化、デジタル化の流れに
より、デジタル信号などの伝送信号波形を歪ませること
なくノイズ抑制を行うビーズコアが望まれている。本発
明の第一の目的は、これらの問題を解決し、安価なMn
Znフェライトの比抵抗を著しく高めることにより、N
iZnフェライトと同程度の高周波数における軟磁気特
性を得て、数10〜数100MHzの不要輻射ノイズの
対策に用いることを可能なビーズコア型ノイズフィルタ
を提供することにある。ここで、必要に応じて、信号線
に絶縁皮膜あるいは絶縁コーティング無しで直接、接す
ることが可能な安価なビーズコア型ノイズフィルタを提
供することにある。また、本発明の第二の目的は、伝送
信号波形を歪ませることなくノイズ対策するために、よ
り安全で確実なR成分主体でノイズ対策できる高性能な
ビーズコア型ノイズフィルタを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のビーズコア型ノ
イズフィルタは、複素比誘電率の実数部が1kHzにお
いて1,000以上かつ20,000以下、1MHzに
おいて50以下であり、かつ比抵抗が150Ωm以上で
ある軟磁性材料により貫通孔をもつ閉磁路の磁心を形成
し、これに信号ラインを貫通させることを特徴とする。
また本発明のビーズコアは、基本成分組成が、Fe2O
3:44.0〜50.0mol%(ただし、50.0m
ol%は除く)、ZnO:4.0〜26.5mol%、
TiO2およびSnO2のうち1種または2種:0.1
〜8.0mol%、残部MnOであるMnZnフェライ
トを上記磁心に用いることを特徴とする。さらに本発明
のビーズコア型ノイズフィルタは、基本成分組成が、F
e2O3:44.0〜50.0mol%(ただし、5
0.0mol%は除く)、ZnO:4.0〜26.5m
ol%、TiO2およびSnO2のうち1種または2
種:0.1〜8.0mol%、CuO:0.1〜16.
0mol%、残部MnOであるMnZnフェライトを上
記磁心に用いることを特徴とする。
イズフィルタは、複素比誘電率の実数部が1kHzにお
いて1,000以上かつ20,000以下、1MHzに
おいて50以下であり、かつ比抵抗が150Ωm以上で
ある軟磁性材料により貫通孔をもつ閉磁路の磁心を形成
し、これに信号ラインを貫通させることを特徴とする。
また本発明のビーズコアは、基本成分組成が、Fe2O
3:44.0〜50.0mol%(ただし、50.0m
ol%は除く)、ZnO:4.0〜26.5mol%、
TiO2およびSnO2のうち1種または2種:0.1
〜8.0mol%、残部MnOであるMnZnフェライ
トを上記磁心に用いることを特徴とする。さらに本発明
のビーズコア型ノイズフィルタは、基本成分組成が、F
e2O3:44.0〜50.0mol%(ただし、5
0.0mol%は除く)、ZnO:4.0〜26.5m
ol%、TiO2およびSnO2のうち1種または2
種:0.1〜8.0mol%、CuO:0.1〜16.
0mol%、残部MnOであるMnZnフェライトを上
記磁心に用いることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態に係るビー
ズコア型ノイズフィルタを図1ないし図9に基づいて説
明する。図1は比抵抗の高い軟磁性体(ビーズコア)1
と信号線2から構成したビーズコア型ノイズフィルタを
示す。ビーズコア型ノイズフィルタは軟磁性体(ビーズ
コア)の形状は円柱状であり、一つの貫通孔が設けら
れ、その中に一本の信号線2が配置される。図2は円柱
状の軟磁性体3に2つの貫通孔が設けられたビーズコア
型ノイズフィルタを示し、信号線4は一つの貫通孔から
折り返して他の貫通孔に挿入されている。図3は、ビー
ズコア型ノイズフィルタの等価回路を示しており、コイ
ルと抵抗が直列になっており、その直列回路にコンデン
サが並列に接続されている。
ズコア型ノイズフィルタを図1ないし図9に基づいて説
明する。図1は比抵抗の高い軟磁性体(ビーズコア)1
と信号線2から構成したビーズコア型ノイズフィルタを
示す。ビーズコア型ノイズフィルタは軟磁性体(ビーズ
コア)の形状は円柱状であり、一つの貫通孔が設けら
れ、その中に一本の信号線2が配置される。図2は円柱
状の軟磁性体3に2つの貫通孔が設けられたビーズコア
型ノイズフィルタを示し、信号線4は一つの貫通孔から
折り返して他の貫通孔に挿入されている。図3は、ビー
ズコア型ノイズフィルタの等価回路を示しており、コイ
ルと抵抗が直列になっており、その直列回路にコンデン
サが並列に接続されている。
【0010】以下に、本発明の具体的内容を説明する。
従来から汎用されているFe2O3を50.0mol%
以上含むMnZnフェライトは安価で、かつ良好な特性
を有するものの、その比抵抗は非常に低いため高周波数
帯域において使用することはできず、また、信号線を薄
い絶縁皮膜あるいは絶縁コーティング皮膜無しで直接に
磁心に接触させることは不可能であった。これに対し、
発明者らは、Fe2O3組成を50.0mol%未満と
し、かつTiO2およびSnO2のうち1種以上を適量
含有させることにより、比抵抗を著しく高めることがで
きることを特許第3108803号、特許第31088
04号等において明らかにした。しかしながら、単に高
比抵抗のフェライトを磁心に用いるだけでは、本発明の
第二の目的である、伝送信号波形を歪ませることなくノ
イズ対策するために、より安全で確実なR成分主体でノ
イズ対策できる高性能なビーズコア型ノイズフィルタを
提供することはできない。NiZnフェライトがこれに
該当する。すなわち、NiZnフェライトを磁心に用い
た場合、X−Rクロスポイントが10MHz以上の高周
波数帯域に存在する。リアクタンス成分が高周波数帯ま
で伸びて大きいため、前記したようなハイインピーダン
スなデジタル回路の入力信号線にビーズコア型ノイズフ
ィルタを挿入して使用すると、オーバーシュート、リン
ギングなどを誘発する原因となってしまう。上記したよ
うに、一般にビーズコア型ノイズフィルタの等価回路は
インダクタンス成分Lとレジスタンス成分Rの直列回路
で表される。そして、これにキャパシタンスCが並列に
加わる。ビーズコア型ノイズフィルタは多くの場合、巻
数一ターンにて使用されており、又、入力−出力間端子
が離れているため、巻線間キャパシタンス成分は小さ
い。しかし、キャパシタンス成分となりうるのは巻線間
だけでなく、巻線−コア間があり、コアの複素比誘電率
の実数部に依存する。例えば、複素比誘電率の実数部が
非常に大きいMnZnフェライトでは巻線−コア間に生
じるキャパシタンス成分が非常に大きくなる。特に、ビ
ーズコア型ノイズフィルタは巻線がコアに密着した形で
貫通しているため、キャパシタンス成分がコアの複素比
誘電率の実数部に非常に敏感である。発明者らは同じL
成分、R成分をもつMnZnフェライトにおいてビーズ
コア型ノイズフィルタを作製し、インピーダンス特性を
測定した。その結果得られた以下の事実に着目した。
「複素比誘電率の実数部の大きい(C成分が大きい)従
来一般のMnZnフェライトはX−Rクロスポイントが
低周波側にあるが、高周波におけるインピーダンス特性
は劣る。逆に、複素比誘電率の実数部の小さい(C成分
が小さい)NiZnフェライトはX−Rクロスポイント
が高周波数側にあるが、高周波におけるインピーダンス
特性は優れている。そして更には、従来一般のMnZn
フェライトやNiZnフェライトの複素比誘電率の実数
部は低周波数帯域から高周波数帯域までほぼ一定値を保
つこと、仮に変化したとしても一桁も変らない」。以上
の知見により、複素比誘電率の実数部が低周波から高周
波にかけて非常に大きく変化する軟磁性材料を磁心に用
いたビーズコア型ノイズフィルタを提案した。これによ
り、低周波での複素比誘電率の実数部がある程度大きい
ため、X−Rクロスポイントが低周波側に存在し、高周
波での複素比誘電率の実数部が小さいため、高周波にお
けるインピーダンス特性も優れるビーズコア型ノイズフ
ィルタの作製が可能となる。
従来から汎用されているFe2O3を50.0mol%
以上含むMnZnフェライトは安価で、かつ良好な特性
を有するものの、その比抵抗は非常に低いため高周波数
帯域において使用することはできず、また、信号線を薄
い絶縁皮膜あるいは絶縁コーティング皮膜無しで直接に
磁心に接触させることは不可能であった。これに対し、
発明者らは、Fe2O3組成を50.0mol%未満と
し、かつTiO2およびSnO2のうち1種以上を適量
含有させることにより、比抵抗を著しく高めることがで
きることを特許第3108803号、特許第31088
04号等において明らかにした。しかしながら、単に高
比抵抗のフェライトを磁心に用いるだけでは、本発明の
第二の目的である、伝送信号波形を歪ませることなくノ
イズ対策するために、より安全で確実なR成分主体でノ
イズ対策できる高性能なビーズコア型ノイズフィルタを
提供することはできない。NiZnフェライトがこれに
該当する。すなわち、NiZnフェライトを磁心に用い
た場合、X−Rクロスポイントが10MHz以上の高周
波数帯域に存在する。リアクタンス成分が高周波数帯ま
で伸びて大きいため、前記したようなハイインピーダン
スなデジタル回路の入力信号線にビーズコア型ノイズフ
ィルタを挿入して使用すると、オーバーシュート、リン
ギングなどを誘発する原因となってしまう。上記したよ
うに、一般にビーズコア型ノイズフィルタの等価回路は
インダクタンス成分Lとレジスタンス成分Rの直列回路
で表される。そして、これにキャパシタンスCが並列に
加わる。ビーズコア型ノイズフィルタは多くの場合、巻
数一ターンにて使用されており、又、入力−出力間端子
が離れているため、巻線間キャパシタンス成分は小さ
い。しかし、キャパシタンス成分となりうるのは巻線間
だけでなく、巻線−コア間があり、コアの複素比誘電率
の実数部に依存する。例えば、複素比誘電率の実数部が
非常に大きいMnZnフェライトでは巻線−コア間に生
じるキャパシタンス成分が非常に大きくなる。特に、ビ
ーズコア型ノイズフィルタは巻線がコアに密着した形で
貫通しているため、キャパシタンス成分がコアの複素比
誘電率の実数部に非常に敏感である。発明者らは同じL
成分、R成分をもつMnZnフェライトにおいてビーズ
コア型ノイズフィルタを作製し、インピーダンス特性を
測定した。その結果得られた以下の事実に着目した。
「複素比誘電率の実数部の大きい(C成分が大きい)従
来一般のMnZnフェライトはX−Rクロスポイントが
低周波側にあるが、高周波におけるインピーダンス特性
は劣る。逆に、複素比誘電率の実数部の小さい(C成分
が小さい)NiZnフェライトはX−Rクロスポイント
が高周波数側にあるが、高周波におけるインピーダンス
特性は優れている。そして更には、従来一般のMnZn
フェライトやNiZnフェライトの複素比誘電率の実数
部は低周波数帯域から高周波数帯域までほぼ一定値を保
つこと、仮に変化したとしても一桁も変らない」。以上
の知見により、複素比誘電率の実数部が低周波から高周
波にかけて非常に大きく変化する軟磁性材料を磁心に用
いたビーズコア型ノイズフィルタを提案した。これによ
り、低周波での複素比誘電率の実数部がある程度大きい
ため、X−Rクロスポイントが低周波側に存在し、高周
波での複素比誘電率の実数部が小さいため、高周波にお
けるインピーダンス特性も優れるビーズコア型ノイズフ
ィルタの作製が可能となる。
【0011】本発明は、磁心の比抵抗は150Ωm以上
とする。磁心に絶縁被覆が無い銅線を直接、巻き回して
問題ないかどうかは、印加される電圧に依存するため一
概に言えない。しかしながら、150Ωm以上比抵抗が
大きければ、かなりの用途において支障がない。本発明
は、磁心の複素比誘電率の実数部:ε’が、1kHzに
おいて1,000以上かつ20,000以下、1MHz
において50以下とする。このように複素比誘電率の実
数部が低周波数から高周波数にかけて大きく変化する特
徴を有する磁心を用いることにより、そのビーズコア型
ノイズフィルタのX−Rクロスポイントは低周波側、例
えば5MHzあたりに移動する。磁心に交流磁界を印加
した場合、誘電率は下記式(3)に示したように、複素
数で表される。ここで、複素比誘電率虚数部:ε”であ
り、誘電損失に寄与する成分である。 ε = √( ε’2 + ε”2 ) 式(3)
とする。磁心に絶縁被覆が無い銅線を直接、巻き回して
問題ないかどうかは、印加される電圧に依存するため一
概に言えない。しかしながら、150Ωm以上比抵抗が
大きければ、かなりの用途において支障がない。本発明
は、磁心の複素比誘電率の実数部:ε’が、1kHzに
おいて1,000以上かつ20,000以下、1MHz
において50以下とする。このように複素比誘電率の実
数部が低周波数から高周波数にかけて大きく変化する特
徴を有する磁心を用いることにより、そのビーズコア型
ノイズフィルタのX−Rクロスポイントは低周波側、例
えば5MHzあたりに移動する。磁心に交流磁界を印加
した場合、誘電率は下記式(3)に示したように、複素
数で表される。ここで、複素比誘電率虚数部:ε”であ
り、誘電損失に寄与する成分である。 ε = √( ε’2 + ε”2 ) 式(3)
【0012】
【実施例】実施例1として、Fe2O3、ZnO、Ti
O2、SnO2、CuO、MnO、NiOおよびMgO
を、図7に示した最終組成になるよう各原料粉末をボー
ルミルにて混合した後、大気中、900℃で2時間仮焼
した。次に、ボールミルにて平均粉体粒径がおよそ1.
4μmになるまで微粉砕した。さらに、この混合粉末に
ポリビニルアルコールを加えて造粒し、80Mpaの圧
力で二種類のトロイダル形状に成形した。焼き上がりの
形状にて、外形:3.2mm、内径:1.6mm、高
さ:6mmであった。その後、試料1〜試料3は、窒素
を流入して酸素分圧を制御した雰囲気中、1,150℃
で3時間焼成した。試料4および試料5は、大気中、
1,150℃で3時間焼成した。そして、上記のように
して得た各試料について、1MHzにおける初透磁率:
μi、1,194A/mにおける飽和磁束密度:Bs、
比抵抗:ρv、および1kHzと1MHzにおける複素
比誘電率の実数部を測定した。この結果を、図8に示
す。
O2、SnO2、CuO、MnO、NiOおよびMgO
を、図7に示した最終組成になるよう各原料粉末をボー
ルミルにて混合した後、大気中、900℃で2時間仮焼
した。次に、ボールミルにて平均粉体粒径がおよそ1.
4μmになるまで微粉砕した。さらに、この混合粉末に
ポリビニルアルコールを加えて造粒し、80Mpaの圧
力で二種類のトロイダル形状に成形した。焼き上がりの
形状にて、外形:3.2mm、内径:1.6mm、高
さ:6mmであった。その後、試料1〜試料3は、窒素
を流入して酸素分圧を制御した雰囲気中、1,150℃
で3時間焼成した。試料4および試料5は、大気中、
1,150℃で3時間焼成した。そして、上記のように
して得た各試料について、1MHzにおける初透磁率:
μi、1,194A/mにおける飽和磁束密度:Bs、
比抵抗:ρv、および1kHzと1MHzにおける複素
比誘電率の実数部を測定した。この結果を、図8に示
す。
【0013】MgZnフェライトである試料5は、初透
磁率も飽和磁束密度も低く、他の試料に比べて優位性が
ない。特に、ビーズコア型ノイズフィルタはリップル電
流やサージノイズに対して磁気飽和しないことが要求さ
れるため、飽和磁束密度が低いMgZnフェライトは磁
心の寸法を大きくしなければならない欠点がある。一般
的なMnZnフェライトである試料3は、初透磁率およ
び飽和磁束密度とも良好な値を示すものの、比抵抗が非
常に低く、高周波数帯における使用が困難である。ま
た、薄い絶縁皮膜、あるいは絶縁皮膜をコーティングし
ない信号線を直接、磁心に接することができない点で
も、用途が限られてしまう。本発明に用いるMnZnフ
ェライトの試料1、試料2およびNiZnフェライトで
ある試料3は初透磁率、飽和磁束密度、比抵抗とも好ま
しい値を示している。
磁率も飽和磁束密度も低く、他の試料に比べて優位性が
ない。特に、ビーズコア型ノイズフィルタはリップル電
流やサージノイズに対して磁気飽和しないことが要求さ
れるため、飽和磁束密度が低いMgZnフェライトは磁
心の寸法を大きくしなければならない欠点がある。一般
的なMnZnフェライトである試料3は、初透磁率およ
び飽和磁束密度とも良好な値を示すものの、比抵抗が非
常に低く、高周波数帯における使用が困難である。ま
た、薄い絶縁皮膜、あるいは絶縁皮膜をコーティングし
ない信号線を直接、磁心に接することができない点で
も、用途が限られてしまう。本発明に用いるMnZnフ
ェライトの試料1、試料2およびNiZnフェライトで
ある試料3は初透磁率、飽和磁束密度、比抵抗とも好ま
しい値を示している。
【0014】実施例2として、実施例1にて得た各試料
についてリード線を貫通させてビーズコア型ノイズフィ
ルタとした。図9に一覧を示す。インピーダンスの周波
数特性を測定した結果を、図4に示す。このインピーダ
ンスがビーズコア型ノイズフィルタとしての実用特性で
ある。ノイズ対策において重要となる10MHzよりも
高周波側において、比較例1のインピーダンス特性は、
他のものに比べて著しく低下している。これはMnZn
フェライトの比抵抗が低いことによる。また、比較例3
のインピーダンス特性は、他のいずれの試料と比べても
低い。これはMgZnフェライトの初透磁率が低いこと
による。これに対して、本発明1、本発明2および比較
例2のインピーダンス特性は高周波数において良好な値
を示している。
についてリード線を貫通させてビーズコア型ノイズフィ
ルタとした。図9に一覧を示す。インピーダンスの周波
数特性を測定した結果を、図4に示す。このインピーダ
ンスがビーズコア型ノイズフィルタとしての実用特性で
ある。ノイズ対策において重要となる10MHzよりも
高周波側において、比較例1のインピーダンス特性は、
他のものに比べて著しく低下している。これはMnZn
フェライトの比抵抗が低いことによる。また、比較例3
のインピーダンス特性は、他のいずれの試料と比べても
低い。これはMgZnフェライトの初透磁率が低いこと
による。これに対して、本発明1、本発明2および比較
例2のインピーダンス特性は高周波数において良好な値
を示している。
【0015】実施例3として、上記の実施例1および実
施例2の結果、ビーズコア型ノイズフィルタとして有望
なものは本発明1、本発明2および比較例2に限られ
る。したがって、これらにつき、実施例2のインピーダ
ンスの結果について、インピーダンスを上記式(1)に
したがいX:リアクタンス成分と、R:抵抗成分に分離
した。本発明1の場合を図5に、比較例2の場合を図6
に示す。本発明1のX−Rクロスポイントは5MHz付
近であった。本発明2の場合にも同じ結果が得られてい
る。これに対して、比較例2のそれは10MHz付近に
ある。これは図8に示したように、本発明1および本発
明2の複素比誘電率の実数部は、1kHzと1MHzに
おいて大きく変化しているためである。したがって、イ
ンピーダンス特性は同程度、つまりノイズを抑制する作
用において両者は同レベルにある。しかしながら、デジ
タル信号波形に悪影響を及ぼす可能性が低いという点に
おいて、NiZnフェライトを用いた比較例2に対し、
本発明1および本発明2のビーズコア型ノイズフィルタ
の方が優れていることが判った。
施例2の結果、ビーズコア型ノイズフィルタとして有望
なものは本発明1、本発明2および比較例2に限られ
る。したがって、これらにつき、実施例2のインピーダ
ンスの結果について、インピーダンスを上記式(1)に
したがいX:リアクタンス成分と、R:抵抗成分に分離
した。本発明1の場合を図5に、比較例2の場合を図6
に示す。本発明1のX−Rクロスポイントは5MHz付
近であった。本発明2の場合にも同じ結果が得られてい
る。これに対して、比較例2のそれは10MHz付近に
ある。これは図8に示したように、本発明1および本発
明2の複素比誘電率の実数部は、1kHzと1MHzに
おいて大きく変化しているためである。したがって、イ
ンピーダンス特性は同程度、つまりノイズを抑制する作
用において両者は同レベルにある。しかしながら、デジ
タル信号波形に悪影響を及ぼす可能性が低いという点に
おいて、NiZnフェライトを用いた比較例2に対し、
本発明1および本発明2のビーズコア型ノイズフィルタ
の方が優れていることが判った。
【0016】
【発明の効果】以上、詳述したように、請求項1に記載
の本発明のビーズコア型ノイズフィルタは、複素比誘電
率の実数部が1kHzにおいて1,000以上かつ2
0,000以下、1MHzにおいて50以下であり、か
つ比抵抗が150Ωm以上である軟磁性材料により閉磁
路の磁心を形成し、これに信号ラインを貫通させること
により、安価で高特性なビーズコア型ノイズフィルタを
提供することができる。
の本発明のビーズコア型ノイズフィルタは、複素比誘電
率の実数部が1kHzにおいて1,000以上かつ2
0,000以下、1MHzにおいて50以下であり、か
つ比抵抗が150Ωm以上である軟磁性材料により閉磁
路の磁心を形成し、これに信号ラインを貫通させること
により、安価で高特性なビーズコア型ノイズフィルタを
提供することができる。
【0017】請求項2記載の本発明は、基本成分組成
が、Fe2O3:44.0〜50.0mol%(ただ
し、50.0mol%は除く)、ZnO:4.0〜2
6.5mol%、TiO2およびSnO2のうち1種ま
たは2種:0.1〜8.0mol%、残部MnOである
MnZnフェライトを上記磁心に用いることにより、安
価で高特性なビーズコア型ノイズフィルタを提供するこ
とができる。
が、Fe2O3:44.0〜50.0mol%(ただ
し、50.0mol%は除く)、ZnO:4.0〜2
6.5mol%、TiO2およびSnO2のうち1種ま
たは2種:0.1〜8.0mol%、残部MnOである
MnZnフェライトを上記磁心に用いることにより、安
価で高特性なビーズコア型ノイズフィルタを提供するこ
とができる。
【0018】請求項3記載の本発明は、基本成分組成
が、Fe2O3:44.0〜50.0mol%(ただ
し、50.0mol%は除く)、ZnO:4.0〜2
6.5mol%、TiO2およびSnO2のうち1種ま
たは2種:0.1〜8.0mol%、CuO:0.1〜
16.0mol%、残部MnOであるMnZnフェライ
トを上記磁心に用いることにより、安価で高特性なビー
ズコア型ノイズフィルタを提供することができる。
が、Fe2O3:44.0〜50.0mol%(ただ
し、50.0mol%は除く)、ZnO:4.0〜2
6.5mol%、TiO2およびSnO2のうち1種ま
たは2種:0.1〜8.0mol%、CuO:0.1〜
16.0mol%、残部MnOであるMnZnフェライ
トを上記磁心に用いることにより、安価で高特性なビー
ズコア型ノイズフィルタを提供することができる。
【図1】本発明の一実施の形態であるビーズコア型ノイ
ズフィルタを示す斜視図である。
ズフィルタを示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態であるビーズコア型ノイ
ズフィルタを示す斜視図である。
ズフィルタを示す斜視図である。
【図3】本発明のビーズコア型ノイズフィルタの等価回
路図を示す。
路図を示す。
【図4】インピーダンスの周波数特性の測定結果を示
す。
す。
【図5】本発明1におけるインピーダンスの周波数特性
の測定結果を示す。
の測定結果を示す。
【図6】比較例2におけるインピーダンスの周波数特性
の測定結果を示す。
の測定結果を示す。
【図7】本発明の実施形態の軟磁性材料を用いた磁気コ
アと、比較のために用いる軟磁性材料を用いた磁気コア
の基本成分組成(単位はmol%)である。
アと、比較のために用いる軟磁性材料を用いた磁気コア
の基本成分組成(単位はmol%)である。
【図8】本発明の実施形態の軟磁性材料を用いた磁気コ
アと、比較のために用いる軟磁性材料を用いた磁気コア
の基本特性の実測値である。
アと、比較のために用いる軟磁性材料を用いた磁気コア
の基本特性の実測値である。
【図9】軟磁性材料を用いたビーズコア型ノイズフィル
タにおける巻線数とX−Rクロスポイントを示す。
タにおける巻線数とX−Rクロスポイントを示す。
1、3 ビーズコア(軟磁性体)
2、4 信号線
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 鈴木 行夫
静岡県磐田郡浅羽町浅名1743−1 ミネベ
ア株式会社浜松製作所内
(72)発明者 伊藤 清
静岡県磐田郡浅羽町浅名1743−1 ミネベ
ア株式会社浜松製作所内
(72)発明者 白井 麻由佳
静岡県磐田郡浅羽町浅名1743−1 ミネベ
ア株式会社浜松製作所内
Fターム(参考) 4G018 AA15 AA21 AA24 AA25 AA33
5E041 AB02 AB19 CA10 NN01 NN06
5E070 AA01 AB01 AB07 BA16
Claims (3)
- 【請求項1】複素比誘電率の実数部が1kHzにおいて
1,000以上かつ20,000以下、1MHzにおい
て50以下であり、かつ比抵抗が150Ωm以上である
軟磁性材料からなる貫通孔をもつ閉磁路の磁心を形成
し、この貫通孔に信号ラインを貫通させたことを特徴と
するビーズコア型ノイズフィルタ。 - 【請求項2】前記磁心の基本成分組成が、Fe2O3:
44.0〜50.0mol%(ただし、50.0mol
%は除く)、ZnO:4.0〜26.5mol%、Ti
O2およびSnO2のうち1種または2種:0.1〜
8.0mol%、残部MnOであるMnZnフェライト
であることを特徴とする請求項1に記載のビーズコア型
ノイズフィルタ。 - 【請求項3】前記磁心の基本成分組成が、Fe2O3:
44.0〜50.0mol%(ただし、50.0mol
%は除く)、ZnO:4.0〜26.5mol%、Ti
O2およびSnO2のうち1種または2種:0.1〜
8.0mol%、CuO:0.1〜16.0mol%、
残部MnOであるMnZnフェライトであることを特徴
とする請求項1に記載のビーズコア型ノイズフィルタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002128066A JP2003324014A (ja) | 2002-04-30 | 2002-04-30 | ビーズコア型ノイズフィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002128066A JP2003324014A (ja) | 2002-04-30 | 2002-04-30 | ビーズコア型ノイズフィルタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003324014A true JP2003324014A (ja) | 2003-11-14 |
Family
ID=29541938
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002128066A Withdrawn JP2003324014A (ja) | 2002-04-30 | 2002-04-30 | ビーズコア型ノイズフィルタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003324014A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005029517A1 (ja) * | 2003-09-22 | 2005-03-31 | Minebea Co., Ltd. | ビーズ型ノイズフィルタ |
WO2005029516A1 (ja) * | 2003-09-22 | 2005-03-31 | Minebea Co.,Ltd. | 信号弁別器 |
WO2005073549A1 (ja) * | 2004-01-28 | 2005-08-11 | Kouichi Osugi | 高周波ノイズ除去装置及びそれを用いたエンジン用点火装置 |
-
2002
- 2002-04-30 JP JP2002128066A patent/JP2003324014A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005029517A1 (ja) * | 2003-09-22 | 2005-03-31 | Minebea Co., Ltd. | ビーズ型ノイズフィルタ |
WO2005029516A1 (ja) * | 2003-09-22 | 2005-03-31 | Minebea Co.,Ltd. | 信号弁別器 |
US7148767B2 (en) | 2003-09-22 | 2006-12-12 | Minebea Co., Ltd. | Bead type noise filter |
WO2005073549A1 (ja) * | 2004-01-28 | 2005-08-11 | Kouichi Osugi | 高周波ノイズ除去装置及びそれを用いたエンジン用点火装置 |
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---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050426 |
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A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20070719 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20070813 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071024 |