JP2003323904A - 燃料電池発電装置 - Google Patents

燃料電池発電装置

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JP2003323904A
JP2003323904A JP2002131073A JP2002131073A JP2003323904A JP 2003323904 A JP2003323904 A JP 2003323904A JP 2002131073 A JP2002131073 A JP 2002131073A JP 2002131073 A JP2002131073 A JP 2002131073A JP 2003323904 A JP2003323904 A JP 2003323904A
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森島  慎
Toru Koyama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】流体供給機構のような補機を持たない携帯用の
燃料電池発電装置に適用した場合に好適な電解質膜/電
極接合体の提供。 【解決手段】燃料を酸化するアノードと酸素を還元する
カソードが電解質膜を介して構成される、液体を燃料と
する燃料電池の燃料収納容器の壁面に通気孔を1つ以上
備え、かつ該燃料収納容器の壁面に少なくとも電解質
膜,アノード及びカソードから構成される単電池を複数
装着し、該複数の電池を電気的に結合した燃料電池発電
装置において、該電解質膜がポリエーテルスルホンをス
ルホン化して得られるスルホン化ポリマーよりなること
を特徴とする燃料電池発電装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアノード,電解質
膜,カソード,拡散層から構成され、アノードで燃料が
酸化され、カソードで酸素が還元される燃料電池発電装
置に係わり、特に燃料としてメタノールのような液体燃
料を用いた小型の携帯用燃料電池発電装置とこれを用い
た携帯用電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の電子技術の進歩によって、電話
器,ブックタイプパーソナルコンピュータ,オーディオ
・ビジュアル機器、或いはモバイル用情報端末機器など
が小型化され、携帯用電子機器として急速な普及が進ん
でいる。
【0003】従来こうした携帯用電子機器は二次電池に
よって駆動するシステムであり、シール鉛バッテリーか
らNi/Cd電池,Ni/水素電池、更にはLiイオン
電池へと新型二次電池の出現,小型化/軽量化及び高エ
ネルギー密度化技術によって発展してきた。
【0004】何れの二次電池においてもエネルギー密度
を高めるための電池活物質開発や高容量電池構造の開発
が行われ、より一充電での使用時間の長い電源を実現す
る努力が払われている。
【0005】しかしながら、二次電池は一定量の電力使
用後には充電することが必須であり、充電設備と比較的
長い充電時間が必要となるために携帯用電子機器の長時
間連続駆動には多くの問題が残されている。
【0006】今後、携帯用電子機器は増加する情報量と
その高速化に対応してより高出力密度で高エネルギー密
度の電源、即ち連続使用時間の長い電源を必要とする方
向に向かっており、充電を必要としない小型発電機(マ
イクロ発電機)の必要性が高まっている。
【0007】こうした要請に対応するものとして燃料電
池発電装置(燃料電池電源又は燃料電池とも言う)が考
えられる。燃料電池は燃料の持つ化学エネルギーを電気
化学的に直接電気エネルギーに変換するもので、通常の
エンジン発電機などの内燃機関を用いた発電機のような
動力部を必要としないため、小型発電デバイスとしての
実現性は高い。
【0008】又、燃料電池は燃料を補給する限り発電を
継続するために、二次電池の場合に見られるような充電
のために一時携帯用電子機器の動作を停止するというこ
とが不要となる。
【0009】このような要請の中でパーフルオロカーボ
ンスルホン酸系樹脂の電解質膜を用いてアノードで水素
ガスを酸化し、カソードで酸素を還元して発電する固体
高分子型燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fue
l Cell)は出力密度が高い電池として知られている。
【0010】また、燃料に液体アルコールを用いて直接
燃料電池に供給するタイプの検討が進められている。こ
のタイプの燃料電池はメタノール直接型燃料電池(DM
FC:Direct Methanol Fuel Cell )と呼ばれている。
液体燃料を直接利用できれば高温を必要とする改質器が
不要となり、システムの軽量およびシンプル化が達成さ
れるため特にモバイル機器の電源として有望視されてい
る。
【0011】しかしながら、電解質材料であるところの
パーフルオロカーボンスルホン酸系樹脂はメタノールを
吸収する度合いが大きく、メタノールを吸収した樹脂は
膨潤により形状が変化する。パーフルオロカーボンスル
ホン酸系樹脂をフィルム状にした場合メタノールに対す
る遮断性は低く、片面に接触させたメタノールは膜を浸
透し裏側の面に透過してしまう。
【0012】この材料をDMFCの電解質材料として用
いた場合、燃料極であるアノードに供給したメタノール
は膜に浸透・膨潤する結果、アノードから酸素極である
カソードへ透過する。透過したメタノールがカソードに
到達するとカソードに供給された酸素と直接酸化反応が
生じるため電気化学反応によって取り出せるエネルギー
が減少する。その結果、電池としての発電電圧が低下す
る。
【0013】よってDMFCの性能を向上させるために
はメタノール遮断性の優れた電解質材料の開発が必要と
なっていた。
【0014】この課題に関し特開2000−38472
ではポリベンズイミダゾールなどのイミダゾール環を有
する高分子化合物にリン酸などの無機酸をドープした高
分子固体電解質が提案されている。
【0015】また、特開2000−106202では電
解質膜として有機化合物系イオン交換膜とプロトン伝導
性を有する無機化合物とで構成されている燃料電池が提
案されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記に示す電解質膜は
メタノール遮断性が必ずしも満足できるものではなかっ
た。
【0017】本発明は、メタノール遮断性を向上した電
解質膜を用いた携帯用メタノール燃料電池(燃料電池発
電装置)の提供にある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明では前述の課題を
達成するために鋭意検討した結果、燃料を酸化するアノ
ードと酸素を還元するカソードとが電解質膜を介して構
成される、液体を燃料とし、燃料収納容器の壁面に通気
孔を備え、燃料収納容器の壁面に少なくとも電解質膜,
アノード及びカソードを有する単電池を複数装着し、複
数の電池を電気的に結合した燃料電池発電装置である。
そして、電解質膜にポリエーテルスルホンをスルホン化
して得られるスルホン化ポリマーを用いることにより、
本発明を完成するに至った。
【0019】
【発明の実施の形態】本実施の形態に用いられるスルホ
ン化ポリエーテルスルホンの製造法としては、ポリエー
テルスルホンを公知のスルホン化剤と反応させることに
より得ることができる。ポリエーテルスルホンのスルホ
ン酸当量重量としては2000g/eqより低いことが
好ましく、更には500〜1700g/eqの範囲が好
ましい。スルホン酸当量重量がこの範囲より高い場合に
は膜のイオン伝導抵抗が大きくなり、低い場合には水に
溶解し易くなり好ましくない。
【0020】このスルホン化ポリエーテルスルホンを膜
へ転化する方法に特に制限はないが、溶液状態より製膜
する方法(溶液キャスト法)あるいは溶融状態より製膜
する方法(溶融プレス法もしくは溶融押し出し法)等が
可能である。
【0021】具体的には前者については、たとえばポリ
マー溶液をガラス板上に流延塗布し、溶媒を除去するこ
とにより製膜する。
【0022】製膜に用いる溶媒は、高分子を溶解し、そ
の後に除去し得るものであるならば特に制限はなく、
N,N′−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルア
セトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルス
ルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、あるいはエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル
エーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等
のアルキレングリコールモノアルキルエーテル、ジクロ
ロメタン、トリクロロエタン等のハロゲン系溶媒、i−
プロピルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコ
ールが好適に用いられる。
【0023】高分子電解質膜の厚みは特に制限はない
が、10〜200μmが好ましい。特に30〜100μ
mが好ましい。実用に耐える膜の強度を得るには10μ
mより厚い方が好ましく、膜抵抗の低減つまり発電性能
向上のためには200μmより薄い方が好ましい。
【0024】溶液キャスト法の場合、膜厚は溶液濃度あ
るいは基板上への塗布厚により制御できる。溶融状態よ
り製膜する場合、膜厚は溶融プレス法あるいは溶融押し
出し法等で得た所定厚さのフィルムを所定の倍率に延伸
することで膜厚を制御できる。
【0025】また、この電解質膜は補強材として高分子
多孔体の空隙部にスルホン化ポリマーを充填した複合膜
とすることにより、乾燥と湿潤時の膨潤によって生ずる
膜の変形を抑制するとともに、機械強度を向上させ、さ
らにメタノール遮断性も向上できる。補強材を用いるこ
とによりイオン伝導性が低下する場合には、予めスルホ
ン化した補強材を使用することも可能である。
【0026】このような高分子多孔体の材質としてポリ
フロロカーボン,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリ
イソブチレン,ポリ脂環式オレフィン,ポリオキシメチ
レン,ポリスルホン,ポリエーテルスルホン,ポリエー
テルエーテルスルホン,ポリフェニレンスルフィッド,
ポリエーテルエーテルケトン,ポリパラフェニレンベン
ズビスチアゾール,ポリパラフェニレンベンズビスオキ
サゾール,ポリベンズイミダゾール,フェノール樹脂,
テトラフロロエチレン,ヘキサフロロプロピレン等の高
分子材料がある。
【0027】スルホン化ポリマーを触媒が担持された導
電材の表面に付着させ、バインダーポリマーとして用い
る方法としては、上記スルホン化ポリマーを溶液状態ま
たは粉末状態で触媒層をなす原料粉末(導電材粒子と触
媒とからなる粒子)および必要に応じて添加される結着
剤等と混合し、これを成形して触媒層を形成すればよ
い。
【0028】スルホン化ポリマーを溶液としてバインダ
ーポリマーに用いる場合には、溶媒として、メタノー
ル、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノー
ル、ブタノール等の低級アルコールの単独溶媒またはこ
れらの中から選ばれた二種類以上の混合溶媒を用いるこ
とができる。
【0029】また、水と上記溶媒との混合溶媒も用いる
ことができる。スルホン化ポリマーの濃度は、触媒層が
スルホン化ポリマーで被覆された触媒により構成される
ことが好ましいことから、1重量%〜20重量%が好ま
しい。
【0030】この濃度が高すぎると触媒表面に形成され
る被覆が厚すぎてメタノールの触媒への拡散が阻害され
たり、スルホン化ポリマーにより触媒表面を均一に被覆
できず触媒の利用率が低下したりして燃料電池としての
出力が低下する場合がある。また、この濃度が低すぎる
とスルホン化ポリマーの粘度が小さすぎて触媒表面を被
覆できない部位が生じ、イオン交換膜と触媒層との接合
が不完全になり燃料電池としての出力が低下する場合が
ある。
【0031】このスルホン化ポリマーを触媒および導電
材と混合し、使用することにより、メタノール遮断性が
高いばかりでなく、電極層と電解質膜との接着性の観点
から好ましい。
【0032】膜/電極接合体に使用されるガス拡散電極
は、触媒金属の微粒子を担持した導電材により構成され
るものであり、必要に応じて撥水剤や結着剤が含まれて
いてもよい。
【0033】ガス拡散電極に使用される触媒金属として
は、メタノールの酸化反応および酸素の還元反応を促進
する金属であればいずれのものでもよく、例えば、白
金,ルテニウム,金,銀,パラジウム,イリジウム,ロ
ジウム,鉄,コバルト,ニッケル,クロム,タングステ
ン,マンガン,バナジウム、或いは、これらの合金が挙
げられる。
【0034】このような触媒の中で、特にメタノール極
用の触媒としては白金とルテニウム、或いは白金−ルテ
ニウム合金、空気極用の触媒としては白金が多くの場合
用いられる。これらの触媒はカーボン等の担体に付着さ
せる。触媒の担持量は電極が成形された状態で0.01
〜10mg/cm2が好ましい。触媒の担持量が0.01mg/
cm2未満では触媒の性能が発揮されず、10mg/cm2を超
えて担持しても性能は飽和する。触媒の担持量のより好
ましい値は0.3〜5mg/cm2である。
【0035】導電材としては、電子導伝性物質であれば
いずれのものでも良く、例えば、各種金属や炭素材料な
どが挙げられる。炭素材料としては、例えば、ファーネ
スブラック,チャンネルブラックおよびアセチレンブラ
ック等のカーボンブラック,活性炭,黒鉛等が挙げら
れ、これらを単独或いは混合して使用できる。
【0036】撥水剤としては、例えば、ふっ素化カーボ
ン等が使用できる。また、撥水性を有する含ふっ素樹
脂、例えば、ポリテトラフロロエチレン,テトラフロロ
エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合
体、又は、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピ
レン共重合体を加えてもよい。
【0037】燃料用電池として用いる際の電解質複合膜
と電極接合法についても特に制限はなく、公知の方法を
適用することができる。
【0038】膜/電極接合体の製法として、例えば、カ
ーボンに担持させたPt触媒紛をポリテトラフロロエチ
レン懸濁液と混ぜ、カーボンペーパーに塗布,熱処理し
て触媒層を形成する。次いで、電解質膜と同一の電解質
溶液を触媒層に塗布し、電解質膜とホットプレスで一体
化する方法がある。この他、電解質膜と同一の電解質溶
液を、予めPt触媒紛にコーテイングする方法,触媒ペ
ーストを電解質膜の方に塗布する方法,電解質膜に白金
族の金属錯イオンを吸着させた後、還元する方法等があ
る。
【0039】以下実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0040】(実施例1)撹拌機,温度計,窒素導入管
を接続した還流冷却器をつけた500mlの四つ口丸底
フラスコの内部を窒素置換した後、25gのポリエーテ
ルスルホン(PES)と濃硫酸125mlを入れた。窒素気
流下、室温にて一晩撹拌して均一溶液とした。この溶液
に、窒素気流下、撹拌しながら滴下ロートより48ml
のクロロ硫酸を滴下した。滴下開始後しばらくクロロ硫
酸が濃硫酸中の水分と激しく反応して発泡するためゆっ
くりと滴下し、発泡が穏やかになった後は5分以内に滴
下を終了させた。滴下終了後の反応溶液を25℃にて4
時間撹拌してスルホン化した。
【0041】次いで、反応溶液を15リットルの脱イオ
ン水にゆっくりと滴下しでスルホン化ポリエーテルスル
ホンを析出させ、濾過回収した。析出した沈澱をミキサ
ーによる脱イオン水洗浄と吸引濾過による回収操作を、
濾液が中性になるまで繰り返した後、80℃にて一晩減
圧乾燥した。得られたスルホン化ポリエーテルスルホン
のイオン交換基当量重量は874g/eqであった。
【0042】電解質膜の作製にはスルホン化ポリエーテ
ルスルホンをN−メチルピロリドンに溶解して30重量
%の溶液を作製した。該溶液をガラス基板上に流延塗布
した後、80℃、減圧状態で1時間、次いで150℃で
3時間乾燥して溶媒を除去して電解質膜を作製した。得
られた電解質膜の膜厚は40μmであった。
【0043】次に、白金・ルテニウム担持炭素触媒に乾
燥重量でバインダーポリマー量が触媒量の60wt%に
相当する5重量%ナフィオン溶液(アルドリッチ社製)
を添加してペースト状に混練したものを上記で得られた
電解質膜上に30mm×30mmのサイズで塗布し60℃で
3時間乾燥してアノードを形成した。得られたアノード
の白金担持量は0.5mg/cm2であり、ルテニウム担持量
は0.5mg/cm2であった。
【0044】形成された電解質膜の反対側の面に、白金
担持炭素粉末触媒に乾燥重量でナフィオンが触媒量の6
0wt%に相当する量の5重量%ナフィオン溶液を添加
し、ペースト状に混練したものを乾燥時の厚みが15μ
mとなるように裏面のアノードと重なるように塗布し、
60℃で3時間乾燥しカソードを形成し電解質膜/電極
接合体を作製した。得られたカソードの白金担持量は
0.8mg/cm2であった。乾燥後の接合体を1M硫酸に8
時間浸漬し、充分な水洗を行ったのちに自然乾燥させプ
ロトン化を施した電解質膜/電極接合体を得た。
【0045】(実施例2〜4)実施例1のクロロ硫酸滴
下後の攪拌時間を4時間から、4.5 時間,3時間およ
び2時間にかえてスルホン化ポリエーテルスルホンを作
製した以外は実施例1と同様に電解質膜/電極接合体を
得た。イオン交換基当量重量はそれぞれ650g/e
q,1100g/eq,1450g/eqであり、膜厚
40μmとなるよう製膜した。
【0046】(実施例5)実施例1の電解質膜/電極接
合体に用いた電解質バインダーとして5重量%ナフィオ
ン溶液に代えて、実施例1のスルホン化ポリエーテルス
ルホンを1−プロパノール:2−プロパノール:水=4
0:40:20(重量比)の混合溶媒に5重量%溶解し
た水溶液を用いた以外は実施例1と同様に電解質膜/電
極接合体を作製した。製膜後の膜厚は40μmである。
【0047】(実施例6)実施例1のスルホン化ポリエ
ーテルスルホンを1−プロパノール:2−プロパノー
ル:水=40:40:20(重量比)の混合溶媒に溶解
し、濃度5wt%の電解質溶液を作製した。該電解質溶
液を膜厚20μm,空孔率80%ポリエーテルスルホン
多孔質フィルムに含浸,真空乾燥して、39μmのスル
ホン化ポリエーテルスルホン電解質複合膜を得た。この
複合膜に実施例5と同様に電極を作製し、電解質膜/電
極接合体を作製した。
【0048】(比較例1)白金・ルテニウム担持炭素触
媒に乾燥重量でバインダポリマー量が触媒量の60wt
%に相当する5重量%ナフィオン溶液を添加してペース
ト状に混練したものをナフィオン112膜(膜厚51μ
m)上に30mm×30mmのサイズで塗布し60℃で3時
間乾燥してアノードを形成した。得られたアノードの白
金担持量は0.5mg/cm2であり、ルテニウム担持量は
0.5mg/cm2であった。
【0049】形成された電解質膜の反対側の面に、白金
担持炭素粉末触媒に乾燥重量でナフィオンが触媒量の6
0wt%に相当する量の5重量%ナフィオン溶液を添加
し、ペースト状に混練したものを乾燥時の厚さが15μ
mとなるように塗布して60℃で3時間乾燥しカソード
を形成することにより電解質膜/電極接合体を作製し
た。得られたカソードの白金担持量は0.8mg/cm2であ
った。乾燥後の接合体を1M硫酸に8時間浸漬し、充分
な水洗を行ったのちに自然乾燥させプロトン化を施した
電解質膜/電極接合体を得た。
【0050】(比較例2)実施例1のクロロ硫酸滴下後
の攪拌時間を4時間から、0.5 時間にかえてスルホン
化ポリエーテルスルホンを作製した以外は実施例1と同
様に電解質膜/電極接合体を得た。イオン交換基当量重
量は2000g/eqであり、膜厚40μmとなるよう
製膜後した。
【0051】実施例および比較例で作製した電解質膜/
電極接合体を以下のように評価し、表1に結果を示し
た。
【0052】
【表1】
【0053】メタノール遮断性の評価には、0.5kgf/
cm2に加圧した所定濃度のメタノール水溶液を0.5ml
/分 でアノード室に送り込み、セル温度25℃,30m
m角セルを透過してカソード室から排気される透過物を
コールドトラップで採取し、その重量とガスクロ分析に
よる組成からメタノールの透過量を算出し、メタノール
透過性の評価結果とした。
【0054】電池性能の評価には、2枚のセパレータで
挟み、評価用セルを組み立てた。このセルのアノードに
5wt%または20wt%のメタノール水溶液を、カソ
ードに空気を供給し、25℃で発電試験を行い、出力密
度を算出した。
【0055】引張り試験は、電解質膜又は電解質複合膜
を幅10mmの短冊状に裁断し、JISK 7127に準拠
し、幅10mmの短冊状試験片で、チャック間距離50mm
にてオートグラフを用いて引張強度を測定した。
【0056】なお、図1は本電解質膜/電極接合体を用
いた燃料電池発電装置の一例を示す。燃料は燃料収納容
器1をプラットホームとして結合することによって、各
々の単電池に強制的に供給する補機を設けることなく供
給できる。燃料保持層6を有する燃料収納容器1の外壁
面には、予め液体燃料が透過するに十分な網目状構造,
多孔質層若しくはスリット状の拡散孔3を形成してい
る。また、上下には通気孔7を有している。
【0057】燃料電池装着部2の表面には他の燃料電池
と電気的接続をするための耐食性,導電性を有する材料
を用いたインターコネクター4を形成しておく。インタ
ーコネクター4は液体燃料が透過するに十分な網目状構
造、多孔質層若しくはスリット状の拡散孔構造を持って
いる。
【0058】燃料収納容器1の内壁面には電気化学的に
不活性な液体燃料吸い上げ材5が装着されている。燃料
収納容器壁面に装着された燃料電池を電気的に直列或い
は直列と並列の組み合わせで接続し発電装置外部へ取り
出す燃料電池端子を設けてある。
【0059】表1から実施例1〜4の出力密度は比較例
1とほぼ同等であったが、メタノール透過量は大幅に低
い。これは電解質膜に該イオン交換膜がポリエーテルス
ルホンをスルホン化して得られるスルホン化ポリマーを
用いた結果、アノードからカソードへ移動,透過するメ
タノール量が減少したためである。
【0060】従って、図1に示すような流体供給機構の
ような補機を持たない携帯用の燃料電池発電装置に適用
した場合、比較例1に比べて実施例1〜4は燃料の消失
が少なく、長い時間発電を継続できる。
【0061】実施例5の出力密度は実施例1より向上
し、メタノール透過量は低減している。これはバインダ
ーポリマーとして実施例1で用いた電解質材料と同一材
料を使用することにより、実施例1に比べてメタノール
遮断特性が向上するとともに、電解質膜/電極接合体の
接着性が向上し、界面抵抗が減少したためと考えられ
る。
【0062】従って、流体供給機構のような補機を持た
ない携帯用の燃料電池発電装置に適用した場合、燃料の
消失が少なく、長い時間発電を継続できる。
【0063】実施例6の出力密度は実施例5と同等であ
るが、メタノール透過量は低減している。また、引張り
強度は向上している。これは多孔質フィルムを補強材に
用いたことにより、メタノール遮断特性が更に向上する
とともに、引張り強度の向上により信頼性が向上してい
る。従って、流体供給機構のような補機を持たない携帯
用の燃料電池発電装置に適用した場合、燃料の消失が少
なく、長い時間発電を継続できる。
【0064】燃料を酸化するアノードと酸素を還元する
カソードが電解質膜とを介して構成される、液体を燃料
とし、燃料収納容器の壁面に通気孔を備え、燃料収納容
器の壁面に少なくとも電解質膜,アノード及びカソード
を有する単電池を複数装着し、複数の電池を電気的に結
合した燃料電池発電装置であって、この電解質膜にポリ
エーテルスルホンをスルホン化して得られるスルホン化
ポリマーを用いることにより、さらにはバインダーポリ
マーとして電解質材料と同一材料を使用することにより
メタノール遮断特性が向上し、流体供給機構のような補
機を持たない携帯用の燃料電池発電装置に適用した場合
に好適な電解質膜/電極接合体を提供することもでき
る。
【0065】
【発明の効果】本発明によりメタノール遮断性を向上し
た電解質膜を用いた燃料電池発電装置を提供することが
できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる燃料電池発電装置の断面構造
図。
【符号の説明】
1…燃料収納容器、2…燃料電池装着部、3…拡散孔、
4…インターコネクター、5…燃料吸い上げ材、6…燃
料保持層、7…通気孔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小山 徹 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 加茂 友一 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 5H026 AA08 CX05 EE18 HH00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料を酸化するアノードと酸素を還元する
    カソードとが電解質膜を介して構成され、液体を燃料と
    し、燃料収納容器の壁面に通気孔を備え、前記燃料収納
    容器の壁面に少なくとも電解質膜,アノード及びカソー
    ドを有する単電池を複数装着し、前記複数の単電池を電
    気的に結合した燃料電池発電装置において、前記電解質
    膜がポリエーテルスルホンをスルホン化して得られるス
    ルホン化ポリマーよりなることを特徴とする燃料電池発
    電装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のポリエーテルスルホンのス
    ルホン酸当量が、当量重量500〜1700g/eqで
    あることを特徴とする燃料電池発電装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の電解質膜が、高分子多孔体
    の空隙部にスルホン化ポリマーを充填した複合膜である
    ことを特徴とする燃料電池発電装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載のアノードおよびカソード
    が、触媒担持炭素系粉末材料とバインダポリマーとから
    なり、前記バインダポリマーがポリエーテルスルホンを
    スルホン化して得られるスルホン化ポリマーよりなるこ
    とを特徴とする燃料電池発電装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載のバインダポリマーであるポ
    リエーテルスルホンのスルホン酸当量が、当量重量50
    0〜1700g/eqであることを特徴とする燃料電池
    発電装置。
  6. 【請求項6】請求項1記載の燃料電池発電装置を搭載し
    た携帯用電子機器。
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