JP2003322721A - 光学フィルムおよびそれを用いた偏光板 - Google Patents

光学フィルムおよびそれを用いた偏光板

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JP2003322721A
JP2003322721A JP2002129687A JP2002129687A JP2003322721A JP 2003322721 A JP2003322721 A JP 2003322721A JP 2002129687 A JP2002129687 A JP 2002129687A JP 2002129687 A JP2002129687 A JP 2002129687A JP 2003322721 A JP2003322721 A JP 2003322721A
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zirconium dichloride
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JP2002129687A
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Tsukasa Yamada
司 山田
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偏光板の保護フィルムとして使用した場合
に、保護フィルムに起因する輝点故障および黄変が発生
し難い、光学フィルムを提供する。さらに、経時による
偏光度低下、褪色が起こらず、耐久性に優れる偏光板を
提供する。 【解決手段】 少なくとも1種のメタロセンを含む触媒
の存在下での重合により製造された飽和ノルボルネン系
樹脂を10質量%以上含むフィルムと、該フィルムの上
方に粘着剤層とを有する光学フィルム、および前記光学
フィルムと偏光膜とを積層した偏光板である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学フィルムおよび
それを保護フィルムとして用いた偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶ディスプレイ(LCD)は車
載用途および携帯情報端末用途として広く用いられるよ
うになってきており、LCDの高温や高温多湿環境下に
おける信頼性が強く要望されている。これらのLCDに
は、透過、反射光の制御のために透明な高分子フィルム
を一定方向に分子配列し、ミセルの間隙に二色性物質を
吸着させた偏光膜が使用されている。このような偏光膜
の代表例としては、ポリビニルアルコール(以下、PV
A)・ヨウ素系、PVA・染料系、PVA・ポリビニレ
ン系などのPVC系偏光膜、あるいはポリエン系偏光膜
などが挙げられ、実際に使用されているのはPVA・ヨ
ウ素系がほとんどである。また、これらの偏光膜の透過
軸方向に対する機械的強度、熱や水分による収縮、偏光
機能低下などの防止のために、通常、偏光膜の片面ある
いは両面に保護フィルムが設けられている。保護フィル
ムには、複屈折がないこと、透過率が高いこと、耐熱性
・耐吸湿性が良好で、機械的強度が高いこと、温度・湿
度の変化による収縮率が小さいこと、表面が平滑で、解
像度が高いこと、粘着剤との密着性が良好であること、
外観性に優れていること、などの性能が要求される。実
際の保護フィルムとしては、低複屈折性と外観性の良好
なセルローストリアセテート(以下、TAC)が一般的
に使用されている。実際のLCDでは、偏光膜と保護フ
ィルムからなる偏光板を、透明電極を形成する2枚の電
極基板間に液晶を封入した液晶セルの片側もしくは両側
に貼合して使用することになる。
【0003】しかしながら、TAC自体は吸水性が高
く、高温多湿環境下において偏光度の低下、および褪色
による透過率の上昇を起こすという問題がある。また、
高温多湿環境下では偏光子に配向緩和しようとする力が
発生し、その応力によって保護膜のTACに位相差が生
じ、偏光度の部分的なムラが発生するなどの問題も同時
に顕在化している。これらの問題は、TACの光弾性係
数が大きく、外力が加わった場合、または成形時の残留
応力がある場合には複屈折が大きくなり易いことが原因
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記問題点を解決する
ために、偏光板保護フィルムとして種々の樹脂フィルム
が提案されている。特に、ノルボルネン系樹脂からなる
保護フィルムは、上記問題点が解決されたフィルムとし
て有利である。しかしながら、ノルボルネン系樹脂を偏
光板の保護フィルムとして実際に使用すると、高温高湿
下での偏光度の低下は軽減されるものの、偏光板全体に
輝点状故障が散見されることが判明した。また、長時間
高湿下に放置したところ、黄変が発生することも明らか
になった。
【0005】本発明は、上記諸問題に鑑みなされたもの
であって、偏光板の保護フィルムとして使用した場合
に、保護フィルムに起因する輝点故障および黄変が発生
し難い、偏光板の保護フィルムとして有用なフィルムを
提供することを課題とする。また、本発明は、経時によ
る偏光度低下および褪色が生じ難い、耐久性に優れた偏
光板を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、偏光板に生じた輝点
故障は、保護フィルム中に、ノルボルネン系樹脂を重合
した際に用いたメタセシス触媒の残査が存在することが
原因であるとの知見を得た。また、高湿経時での黄変
も、前記メタセシス触媒の残査に起因するとの知見を得
た。これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねた結
果、以下の手段により上記課題を解決し得ることを見出
し、本発明を完成するに到った。なお、メタロセン触媒
は反応の形態よりメタセシス触媒の概念に含まれるが、
混乱を避けるため、本明細書では便宜上、メタロセン触
媒を含有しないメタセシス触媒を「メタセシス触媒」と
いうものとする。
【0007】前記課題を解決するための手段は以下の通
りである。 (1) 少なくとも1種のメタロセンを含む触媒の存在
下で重合してなる飽和ノルボルネン系樹脂を10質量%
以上含むフィルムと、該フィルムの上方に粘着剤層とを
有する光学フィルム。 (2) メタセシス触媒の存在下で重合してなる飽和ノ
ルボルネン系樹脂をさらに含有する(1)に記載の光学
フィルム。 (3) 無水マレイン酸系樹脂をさらに含有する(1)
に記載の光学フィルム。 (4) 前記触媒が、少なくとも1種のメタロセン以外
の助触媒を含む(1)〜(3)のいずれかに記載の光学
フィルム。 (5) 前記メタロセンが下記一般式(I)で表される
化合物である(1)〜(4)のいずれかに記載の光学フ
ィルム。
【0008】一般式(I)
【化1】
【0009】式中、M1は元素周期律表の3〜10族お
よびランタニド系列から選ばれる金属を表し、R1aおよ
びR1bは各々独立して、置換されていてもよいシクロペ
ンタジエニル基または置換もしくは部分的に水素化され
ていてもよいインデニル基を表し、R2はR1aおよびR
1bとを連結する連結基を表し、少なくとも1個の硼素原
子もしくは元素周期律表14族から選ばれる原子を含む
ことが望ましい。R3はアニオン性または非イオン性配
位子を表し、nはM1の価数に依存して0〜4のいずれ
かの数を表し、nが2以上の時、R3は互いに同一であ
っても異なっていてもよい。なお、式中、結合を便宜上
一本の線で示したが、結合様式は特に限定されず、共有
結合(単結合、二重結合等)、配位結合、イオン結合
等、およびこれらの混合のいずれの結合様式も含むもの
とする。
【0010】(6) 前記粘着剤層の厚みが1μm以上
10μm以下である(1)〜(5)のいずれかに記載の
光学フィルム。 (7) 偏光膜の保護フィルムとして用いられる(1)
〜(6)のいずれかに記載の光学フィルム。 (8) 前記粘着剤層がポリビニルアルコール系樹脂を
含有する(1)〜(7)のいずれかに記載の光学フィル
ム。 (9) 前記粘着剤層が前記ポリビニルアルコール系樹
脂とともに、ポリエチレンイミン系樹脂および/または
該ポリビニルアルコール系樹脂の架橋剤を含有する
(8)に記載の光学フィルム。
【0011】(10) (1)〜(9)のいずれかに記
載の光学フィルムと偏光膜とを積層した偏光板。 (11) 前記偏光膜がポリビニルアルコール系樹脂を
含有する(10)に記載の偏光板。 (12) (8)または(9)に記載の光学フィルムの
粘着剤層と(11)に記載の偏光膜との界面にポリビニ
ルアルコール系樹脂を含む溶液を介在させて、前記光学
フィルムと偏光膜とを積層する工程と、前記積層体を加
熱して、前記溶液を乾燥させる工程とを含む偏光板の製
造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の光学フィルムは、飽和ノルボルネン系樹
脂を含むフィルム上に粘着剤層を形成したものである。
前記フィルムは、メタロセンを含む触媒下で単量体を重
合することによって製造された飽和ノルボルネン系樹脂
を少なくとも10質量%以上含有する。本発明では、フ
ィルム中に、メタロセン触媒の存在下で重合することに
よって製造された飽和ノルボルネン系樹脂を配合するこ
とによって、従来、メタセシス触媒の残渣に起因して生
じていた輝度故障および黄変を軽減させている。フィル
ム中に、メタセシス触媒の残渣が存在する場合であって
も、メタロセン系触媒の存在下で重合することによって
製造された飽和ノルボルネン系樹脂を前記範囲でブレン
ドすることにより、輝点故障および黄変故障が格段に軽
減される。そのメカニズムの詳細については明らかでは
ないが、メタロセン触媒がメタセシス触媒の残査に対し
て何らかの作用を及ぼすことによって軽減されるものと
推測される。
【0013】前記飽和ノルボルネン系樹脂フィルムは、
メタロセン触媒の存在下での重合により製造された飽和
ノルボルネン系樹脂を、30質量%以上含有するのが好
ましく、60質量%以上含有するのがより好ましく、8
0質量%以上含有するのがさらに好ましい。メタロセン
触媒の存在下での重合により製造された飽和ノルボルネ
ン系樹脂を100質量%含むのが最も好ましい態様であ
る。なお、前記フィルムが、飽和ノルボルネン系樹脂以
外の樹脂を含む場合は、メタロセン触媒の存在下での重
合により製造された飽和ノルボルネン系樹脂の含有量
を、全種類の樹脂の含有量の総和に対して、10質量%
以上とする。
【0014】本明細書において、「飽和ノルボルネン系
樹脂」には、ノルボルネン系単量体の単独重合体、ノル
ボルネン系単量体と他の共重合性単量体との共重合体、
それらの水素添加物、およびそれらの変性物が含まれる
ものとする。本発明に使用可能な飽和ノルボルネン系樹
脂は、その繰り返し単位中にノルボルネン骨格を有する
ものであり、例えば、特開平3−14882号公報、特
開平3−122137号公報などに開示されている公知
の樹脂が挙げられる。本発明においてはこれら従来公知
のノルボルネン系樹脂を好適に使用することができ、例
えば、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加
物;ノルボルネン系モノマーの付加重合体;ノルボルネ
ン系モノマーと、エチレン、α−オレフィンなどのオレ
フィン系モノマーとの付加重合体;ノルボルネン系モノ
マーとシクロペンテン、シクロオクテン、5,6−ジヒ
ドロジシクロペンタジエンなどの環状オレフィン系モノ
マーとの付加重合体;およびこれらの重合体の変性物等
が挙げられる。
【0015】上記ノルボルネン系モノマーとしては、例
えば、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、
5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノル
ボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メ
トキシカルボニル−2−ノルボルネン、5,5−ジメチ
ル−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネ
ン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボ
ルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−フェニ
ル−5−メチル−2−ノルボルネン、エチレン−テトラ
シクロドデセン共重合体、6−メチル−1,4:5,8
−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オ
クタヒドロナフタレン、6−エチル−1,4:5,8−
ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オク
タヒドロナフタレン、6−エチル−1,4:5,8−エ
チリデン−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オク
タヒドロナフタレン、6−クロロ−1,4:5,8−ジ
メタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレン、6−シアノ−1,4:5,8−ジメ
タノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒ
ドロナフタレン、6−ピリジル−1,4:5,8−ジメ
タノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒ
ドロナフタレン、6−メトキシカルボニル−1,4:
5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8
a−オクタヒドロナフタレン、1,4−ジメタノ−1,
4,4a,4b,5,8,8a,9a−オクタヒドロフ
ルオレン、5,8−メタノ−1,2,3,4,4a,
5,8,8a−オクタヒドロ−2.3−シクロペンタジ
エノナフタレン、4,9:5,8−ジメタノ−3a,
4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1
H−ベンゾインデン、4,11:5,10:6,9−ト
リメタノ−3a,4,4a,5,5a,6,9,9a,
10,10a,11,11a−ドデカヒドロ−1H−シ
クロペンタアントラセン等が挙げられる。
【0016】本発明では、上記ノルボルネン系モノマー
を、メタロセンを含む触媒を用いて重合する。重合方法
については、公知の種々の方法を参考にして実施するこ
とができる。必要に応じて、他の共重合可能なモノマー
と共重合したり、水素添加によりノルボルネン系重合体
水素添加物とすることができる。また、上記ノルボルネ
ン系モノマーの重合体や重合体水素添加物を、公知の方
法により、α−,β−不飽和カルボン酸およびその誘導
体、スチレン系炭化水素、オレフィン系不飽和結合、お
よび、加水分解可能な基を持つ有機ケイ素化合物、不飽
和エポキシ単量体などを用いて変性させてもよい。
【0017】本発明において、重合触媒に用いられるメ
タロセンとしては、下記一般式(I)で表されるメタロ
セン化合物が好ましい。
【0018】一般式(I)
【化2】
【0019】式中、M1は元素周期律表の3〜10族お
よびランタニド系列から選ばれる金属を表し、R1aおよ
びR1bは各々独立して、置換されていてもよいシクロペ
ンタジエニル基または置換もしくは部分的に水素化され
ていてもよいインデニル基を表し、R2はR1aおよびR
1bとを連結する連結基を表し、少なくとも1個の硼素原
子もしくは元素周期律表14族から選ばれる原子を含む
ことが望ましい。R3はアニオン性または非イオン性配
位子を表し、nはM1の価数に依存して0〜4のいずれ
かの数を表し、nが2以上の時、R3は互いに同一であ
っても異なっていてもよい。なお、式中、結合を便宜上
一本の線で示したが、結合様式は特に限定されず、共有
結合(単結合、二重結合等)、配位結合、イオン結合
等、およびこれらの混合のいずれの結合様式も含むもの
とする。
【0020】M1は、元素周期表の3〜10族およびラ
ンタニド系列から選ばれる金属を表す。M1は好ましく
は元素周期表の4族およびランタニド系列から選ばれる
金属を表し、より好ましくはチタン、ジルコニウムまた
はハフニウムを表す。
【0021】R2はR1aおよびR1bとを連結する連結基
を表し、少なくとも1個の硼素原子もしくは元素周期律
表14族から選ばれる原子を含むことが望ましい。所望
により、1個以上の硫黄および/または酸素原子を含ん
でもよく、所望によりR1aおよび/またはR1bと一緒に
環を形成していてもよい。
【0022】R3はアニオン性または非イオン性配位子
を表す。好ましくは、水素原子または炭素原子数1〜4
0の基を表す。炭素原子数1〜40の基としては、アル
キル基、アリール基、アリールオキシ基、アルケニル
基、アリールアルキル基、アルキルアリール基またはア
リールアルケニル基を表す。これらの基は置換基を有し
ていてもよく、該置換基としては、ハロゲン原子等が挙
げられる。
【0023】前記一般式(I)で表されるメタロセンの
好ましい態様について以下に説明する。前記一般式
(I)中、M1は元素周期表の4族およびランタニド系
列から選ばれる金属を表す。R1aおよびR1bは各々独立
して、1個以上のハロゲン原子もしくは炭素原子数1〜
40の置換基[例えば、ハロゲン化されていてもよい炭
素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化されていてもよ
い炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリ
ールオキシ基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数
7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアル
キルアリール基、炭素数8〜40のアリールアルケニル
基、Si(R43、N(R42、SiR(OR 43、S
i(SR43、およびP(R42{但し、R4はハロゲ
ン原子、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数6
〜10のアリール基を表すが、複数のR 4は同一であっ
ても異なっていてもよく、また互いに結合して環系を形
成していてもよい}等]により置換されていてもよいシ
クロペンタジエニル基;または1個以上のハロゲン原子
もしくは炭素数1〜40の置換基[例えば、ハロゲン化
されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲ
ン化されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、炭
素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜12のア
ルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭
素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数8〜40の
アリールアルケニル基、Si(R43、N(R42、S
iR(OR43、Si(SR43およびP(R42{但
し、R4はハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル
基、または炭素数6〜10のアリール基を表すが、複数
のR4は同一であっても異なっていてもよく、また互い
に結合して環系を形成していてもよい}等]により置換
されていてもよいインデニル基(但し、該インデニル基
は、部分的に水素化されていてもよい);を表すが、R
1aおよびR1bの少なくとも一つは置換基を有する。
【0024】R2はR1aおよびR1bを連結する連結基を
表す。R2の例としては、−B(R5)−、−Al
(R5)−、−Ge−、−Sn−、−O−、−S−、−
S(O)−、−S(O2)−、−NR5−、−C(O)
−、−P(R5)−、−P(O)(R5)−、および下記
に示す2価基などをあげることができ、このうち少なく
とも1個の硼素原子もしくは元素周期律表14族から選
ばれる原子を含むことがより好ましい。
【0025】
【化3】
【0026】前記式中、R5a〜R5dは各々独立して、水
素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜40の置換基
[例えば、ハロゲン化されていてもよい炭素数1〜10
のアルキル基、ハロゲン化されていてもよい炭素数6〜
20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ
基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数7〜40の
アリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリー
ル基、炭素数8〜40のアリールアルケニル基、Si
(R63、N(R62、Si(OR63、またはP(R
63{R6はハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル
基または炭素数6〜10のアリール基を表し、複数のR
6は同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環系
を形成していてもよい}]を表す。前記式中、M2は、
珪素、ゲルマニウムまたは錫を表す。
【0027】前記一般式(I)中、R3は、水素原子、
炭素数1〜40の基(例えば、炭素数1〜10のアルキ
ル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10
のアリール基、炭素数6〜25のアリールオキシ基、炭
素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリー
ルアルキル基および炭素数7〜40のアリールアルケニ
ル基)、OH基、ハロゲン原子またはN(R72(但
し、R7はハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基
または炭素数6〜10のアリール基を表す)を表す。n
は1または2を表し、nが2の時、2つのR3は同一で
も異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してい
てもよい。該環としては、2,3−インデニレン基、シ
クロへキシレン基、2,3−インダニレン基などを挙げ
ることができる。
【0028】前記一般式(I)で表されるメタロセン化
合物のより好ましい態様は、下記一般式(II)で表され
るメタロセン化合物である。
【0029】一般式(II)
【化4】
【0030】前記一般式(II)中、M1は、チタン、ジ
ルコニウムまたはハフニウムを表す。R1aは、2および
3の位置が無置換(即ち、2および3の位置には水素原
子が存在し)のインデニル基もしくは4,5,6,7−
テトラヒドロインデニル基を表す。インデニル基および
テトラヒドロインデニル基の4、5、6および7の位置
は、無置換であっても置換されていてもよく(即ち、水
素原子の代わりに置換基を有していてもよく)、該置換
基としてはハロゲン原子、炭素数1〜10の置換基など
が挙げられる。R1bは、少なくとも3の位置に炭素数2
〜40の置換基[例えば、ハロゲン化されていてもよい
炭素数2〜10のアルキル基、ハロゲン化されていても
よい炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のア
リールオキシ基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素
数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のア
ルキルアリール基、炭素数8〜40のアリールアルケニ
ル基、Si(R43、N(R42、SiR(OR43
Si(SR43もしくはP(R42{但し、R4はハロ
ゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6
〜10のアリール基を表し、複数のR4は同一であって
も異なってていもよく、互いに結合して環系を形成して
いてもよい}]を有するシクロペンタジニル基を表す。
前記シクロペンタジエニル基は、さらに2、4および5
の位置に置換基(例えば、炭素数1〜10の置換基また
はハロゲン原子)を有していてもよい。
【0031】R2は、R1aおよびR1bの1位を連結する
1〜3個の員数からなる連結基を表す。R2の好ましい
具体例としては、以下のものが挙げられる。
【0032】
【化5】
【0033】前記式中、R5a〜R5dは各々独立して、水
素原子、炭素数1〜40の置換基{例えば、ハロゲン化
されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲ
ン化されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、炭
素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜12のア
ルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭
素数7〜40のアルキルアリール基および炭素数8〜4
0のアリールアルケニル基}を表し、mは1、2または
3を表し、M2は珪素である。
【0034】前記一般式(II)中、R3aおよびR3bは各
々独立して、水素原子、炭素数1〜40の置換基(例え
ば、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のア
ルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜
25のアリールオキシ基、炭素数2〜10のアルケニル
基、炭素数7〜40のアリールアルキル基および炭素数
7〜40のアリールアルケニル基)、OH基、ハロゲン
原子またはN(R72{但し、R7は、ハロゲン原子、
炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6〜10のア
リール基を表す}を表すか、または、R3aおよびR3b
互いに結合して環系を形成していてもよい。該環として
は、2,3−インデニレン基、シクロへキシレン基、
2,3−インダニレン基などを挙げることができる。
【0035】前記一般式(II)で表されるメタロセン化
合物の、特に好ましい態様を以下に示す。前記一般式
(II)中、M1はジルコニウムであり;R1aは、水素原
子以外に置換基を全く有しない無置換のインデニル基ま
たはテトラヒドロヒドロインデニル基を表し;R1bは、
3の位置で炭素数2〜40の置換基[例えば、炭素数2
〜10のアルキル基(エチル、プロピル、イソプロピ
ル、tert−ブチルおよびn−ブチル)、炭素数6〜
20のアリール基、炭素数7〜20のアリールアルキル
基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、Si
(R43、N(R42、SiR(OR43、Si(SR
43およびP(R42{但し、R4はハロゲン原子、炭
素数1〜40のアルキル基または炭素数6〜10のアリ
ール基を表し、複数のR 4は同一であっても異なってい
てもよく、互いに結合して環を形成していてもよい}]
により置換されており、2、4および5の位置には水素
の代わりに全く置換基を有さない、シクロペンタジエニ
ル基を表す;態様である。
【0036】本発明に触媒として使用可能なメタロセン
の具体例としては、イソプロピレン(1−インデニル)
(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニル)(3−
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、メチルフェニルメチレン(1−インデニル)(3−
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、イソプロピレン(1−インデニル)(3−エチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェ
ニルメチレン(1−インデニル)(3−エチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニ
ルメチレン(1−インデニル)(3−エチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン
(1−インデニル)(3−イソプロピルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン
(1−インデニル)(3−イソプロピルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチ
レン(1−インデニル)(3−イソプロピルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン
(1−インデニル)(3−tert−ブチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチ
レン(1−インデニル)(3−tert−ブチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェ
ニルメチレン(1−インデニル)(3−tert−ブチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イ
ソプロピレン(1−インデニル)(3−トリメチルシリ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
フェニルメチレン(1−インデニル)(3−トリメチル
シリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、メチルフェニルメチレン(1−インデニル)(3−
トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、
【0037】イソプロピレン(4,5,6,7−テトラ
ヒドロ−1−インデニル)(3−トリメチルシリルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロ
ピレン(1−インデニル)(3,4−ジメチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメ
チレン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニ
ル)(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン(4,
5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)(3−ト
リメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、イソプロピレン(1−インデニル)(3,4
−ジ−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニ
ル)(3,4−ジ−トリメチルシリルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレ
ン(1−インデニル)(3,4−ジ−トリメチルシリル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソ
プロピレン(1−インデニル)(2,3−ジ−トリメチ
ルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジフェニルメチレン(1−インデニル)(2,3−
ジ−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、
【0038】メチルフェニルメチレン(1−インデニ
ル)(2,3−ジ−トリメチルシリルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン(1−
インデニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1
−インデニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン
(1−インデニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン(1
−インデニル)(3,4−ジエチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1
−インデニル)(3,4−ジエチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン
(1−インデニル)(3,4−ジエチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン(1
−インデニル)(3,4−ジイソプロピルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレ
ン(1−インデニル)(3,4−ジイソプロピルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェ
ニルメチレン(1−インデニル)(3,4−ジイソプロ
ピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
イソプロピレン(1−インデニル)(3,4−ジ−te
rt−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニル)(3,
4−ジ−tert−ブチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、
【0039】メチルフェニルメチレン(1−インデニ
ル)(3,4−ジ−tert−ブチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン(1−
インデニル)(2,3−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1
−インデニル)(2,3−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン
(1−インデニル)(2,3−ジメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン(1
−インデニル)(2,3−ジエチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1
−インデニル)(2,3−ジエチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン
(1−インデニル)(2,3−ジエチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン(1
−インデニル)(2,3−ジイソプロピルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレ
ン(1−インデニル)(2,3−ジイソプロピルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェ
ニルメチレン(1−インデニル)(2,3−ジイソプロ
ピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
【0040】イソプロピレン(1−インデニル)(2,
3−ジ−tert−ブチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−インデ
ニル)(2,3−ジ−tert−ブチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチ
レン(1−インデニル)(2,3−ジ−tert−ブチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イ
ソプロピレン(1−インデニル)(テトラメチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニル
メチレン(1−インデニル)(テトラメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニル
メチレン(1−インデニル)(テトラメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン
(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)
(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ジフェニルメチレン(4,5,6,7−テトラ
ヒドロ−1−インデニル)(3−メチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチ
レン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニ
ル)(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、イソプロピレン(4,5,6,7−テトラ
ヒドロ−1−インデニル)(3−エチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、
【0041】ジフェニルメチレン(4,5,6,7−テ
トラヒドロ−1−インデニル)(3−エチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニル
メチレン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデ
ニル)(3−エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、イソプロピレン(4,5,6,7−テト
ラヒドロ−1−インデニル)(3−イソプロピルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニル
メチレン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデ
ニル)(3−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン(4,
5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)(3−イ
ソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、イソプロピレン(4,5,6,7−テトラヒドロ
−1−インデニル)(3−tert−ブチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチ
レン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニ
ル)(3−tert−ブチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン(4,
5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)(3−t
ert−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、イソプロピレン(4,5,6,7−テトラヒ
ドロ−1−インデニル)(3,4−ジメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、
【0042】ジフェニルメチレン(4,5,6,7−テ
トラヒドロ−1−インデニル)(3,4−ジメチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフ
ェニルメチレン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−
インデニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン(4,
5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)(3,4
−ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ジフェニルメチレン(4,5,6,7−テトラヒ
ドロ−1−インデニル)(3,4−ジエチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニル
メチレン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデ
ニル)(3,4−ジエチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、イソプロピレン(4,5,6,7
−テトラヒドロ−1−インデニル)(3,4−ジイソプ
ロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジフェニルメチレン(4,5,6,7−テトラヒド
ロ−1−インデニル)(3,4−ジイソプロピルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェ
ニルメチレン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−イ
ンデニル)(3,4−ジイソプロピルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン(4,
5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)(3,4
−ジ−tert−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(4,5,6,
7−テトラヒドロ−1−インデニル)(3,4−ジ−t
ert−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、
【0043】メチルフェニルメチレン(4,5,6,7
−テトラヒドロ−1−インデニル)(3,4−ジ−te
rt−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、イソプロピレン(4,5,6,7−テトラヒド
ロ−1−インデニル)(2,3−ジメチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレ
ン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)
(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、メチルフェニルメチレン(4,5,6,
7−テトラヒドロ−1−インデニル)(2,3−ジメチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イ
ソプロピレン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−イ
ンデニル)(2,3−ジエチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(4,
5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)(2,3
−ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、メチルフェニルメチレン(4,5,6,7−テト
ラヒドロ−1−インデニル)(2,3−ジエチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピ
レン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニ
ル)(2,3−ジイソプロピルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、
【0044】ジフェニルメチレン(4,5,6,7−テ
トラヒドロ−1−インデニル)(2,3−ジイソプロピ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メ
チルフェニルメチレン(4,5,6,7−テトラヒドロ
−1−インデニル)(2,3−ジイソプロピルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレ
ン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)
(2,3−ジ−tert−ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン
(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)
(2,3−ジ−tertt−ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン
(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)
(2,3−ジ−tert−ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン(4,
5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)(テトラ
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジフェニルメチレン(4,5,6,7−テトラヒド
ロ−1−インデニル)(テトラメチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレ
ン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)
(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリドが挙げられる。
【0045】特に、イソプロピレン(1−インデニル)
(3−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニル)
(3−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、メチルフェニルメチレン(1−インデニ
ル)(3−イソブロピルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、イソプロピレン(1−インデニル)
(3−tert−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニ
ル)(3−tert−ブチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン(1−
インデニル)(3−tert−ブチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン(4,
5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)(3−イ
ソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ジフェニルメチレン(4,5,6,7−テトラヒ
ドロ−1−インデニル)(3−イソプロピルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニル
メチレン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデ
ニル)(3−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、イソプロピレン(1−インデニ
ル)(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−イン
デニル)(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン
(1−インデニル)(3−トリメチルシリルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン
(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)
(3−tert−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(4,5,6,
7−テトラヒドロ−1−インデニル)(3−tert−
ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、メチルフェニルメチレン(4,5,6,7−テトラ
ヒドロ−1−インデニル)(3−tert−ブチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロ
ピレン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニ
ル)(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(4,5,
6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)(3−トリメ
チルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、メチルフェニルメチレン(4,5,6,7−テト
ラヒドロ−1−インデニル)(3−トリメチルシリルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドが好まし
い。
【0046】前記メタロセンは、オレフィン重合に関し
て非常に活性の高い触媒である。メタロセン触媒以外
に、他の助触媒を1種以上用いるのが好ましい。例え
ば、1種類のメタロセンと1種類の助触媒を使用するの
が好ましい。特に、広い、即ち、マルチモーダルの分子
量分布を有する反応器ブレンドまたはポリオレフィン類
を製造する場合は、2種以上のメタロセンの混合物を使
用することもできる。なお、前述した様に、メタセシス
触媒は、残査が偏光板作製後の輝点故障、黄変等のトラ
ブルを引き起こすことが明らかになっているので、でき
る限り用いない。ここで、前述した様に、本明細書にお
いて、「メタセシス触媒」の用語は、メタロセン触媒以
外のメタセシス触媒を意味するものとして便宜上用い、
具体例としては、Ir、Os、Ruの三塩化物の含水
塩、MoCl5、WCl6、ReCl5、(C253
l、(C253Al/TiCl4、(π−C474
o/TiCl4、(π−C474W/TICl4、(π
−C353Cr/WCl6等が挙げられる。
【0047】本発明において、好ましい助触媒として
は、下記一般式(IIIa)で表される線状型アルミノオ
キサン触媒および下記一般式(IIIb)で表される環状
型アルミノオキサン触媒が挙げられる。
【0048】
【化6】
【0049】前記一般式(IIIa)および(IIIb)にお
いて、R8a〜R8fは各々独立して、炭素数1〜6のアル
キル基、炭素数6〜18のアリール基、ベンジル基また
は水素原子を表し、pは2〜50のいずれかの整数(好
ましくは10〜35のいずれかの整数)を表す。
【0050】R8a〜R8fは、メチル基、イソブチル基、
フェニル基またはベンジル基であるのが好ましく、メチ
ル基であるのがより好ましい。R8a〜R8eは全て同一で
あるのが好ましく、前記線状型と環状型とを併用する場
合は、R8a〜R8fが全て同一であるのが好ましい。R8a
〜R8e(前記線状型と環状型とを併用する場合はR8a
8f)が異なる場合、メチル基と水素原子であるか、ま
たはメチル基とイソブチル基であるのが好ましく、各々
の場合、水素原子またはイソブチル基は、R8a〜R
8e(前記線状型と環状型とを併用する場合はR8a
8f)の0.01〜40%の割合で存在しているのが好
ましい。
【0051】前記一般式(IIIa)または(IIIb)で表
されるアルミノオキサンは、公知の種々の方法により製
造することができる。その方法の一つとして、例えば、
不活性溶媒(例えば、トルエン)中で、アルミニウム炭
化水素化合物および/またはハイブリッドアルミニウム
炭化水素化合物と、水(気体、固体、水または結合、例
えば、結晶水として)とを反応させる方法がある。R8a
〜R8eが異なるアルキル基であるアルミノオキサンを製
造するためには、所望の組成に相当する、2種の異なる
トリアルキルアルミニウム(AlR3+AlR’3)を水
と反応させる[S. PasynkIcwIcz, Polyhedron 9(1990)
429, 欧州特許出願第EP−A−302424号]。ア
ルミノオキサンの詳細な三次元構造は知られていない。
【0052】製造方法に関係なく、全てのアルミノオキ
サン溶液は、通常、遊離系または付加物として存在す
る、種々の量の未反応アルミニウム出発化合物を含む。
アルミノオキサンを支持体に適用し、次いで、これを支
持した形態で懸濁液中で使用することも可能である。ア
ルミノオキサンを支持体に適用する種々の方法は、公知
である(欧州特許出願第EP−A−578838号)。
シリカゲルは、支持体として機能し得る。
【0053】前記メタロセン化合物を触媒として重合反
応に使用する前に、助触媒、特にアルミノオキサンによ
り、本発明の方法で使用すべきメタロセンを予備活性化
させることができる。これにより、重合活性が顕著に増
加する。遷移金属化合物の予備活性化は、溶液中で実施
することができる。従って、メタロセンを不活性炭化水
素中のアルミノオキサン溶液に溶解させるのが好まし
い。好適な不活性炭化水素類は、脂肪族または芳香族炭
化水素類である。トルエンを使用するのが好ましい。前
記予備活性化処理において、溶液中のアルミノオキサン
の濃度は、用いる材料によって好ましい範囲も異なる
が、全溶液をベースとして約1質量%〜飽和濃度が一般
的であり、好ましくは5〜30質量%である。メタロセ
ンは同濃度で使用し得るが、アルミノオキサン1mol
当たり10-4〜1molの量で使用するのが好ましい。
予備活性化時間は、5分〜60時間が一般的であり、5
〜60分間が好ましい。予備活性化は、−78℃〜10
0℃の温度で実施することができ。0〜70℃で実施す
るのが好ましい。
【0054】本発明において、メタロセンはそのままの
形態で触媒として用いることもできるが、支持体に担持
された形態で触媒として用いることもできる。好適な支
持体としては、例えば、シリカゲル、酸化アルミニウ
ム、固体アルミノオキサンまたは他の無機支持体材料が
ある。微粉砕形のポリオレフィン粉末も好適な支持体材
料である。
【0055】本発明において、前記アルミノオキサンの
代わりにまたはアルミノオキサンに加えて、助触媒とし
て式:R−(NH4x−B(BR’4xまたは式:R3
PHBR’4の塩様化合物を使用することができる。こ
こで、xは1〜3のいずれかの整数を表し、Rはアルキ
ル基またはアリール基を表し、R’はフッ素化または部
分的にフッ素化されていてもよいアリール基を表す。こ
の場合、触媒は、メタロセンと前記式で表される化合物
の1種との反応生成物を含む(欧州特許出願第EP−A
−277004号)。
【0056】重合系の反応混合物に溶媒を添加する場
合、これらは、慣習的に不活性溶媒、例えば、脂肪族若
しくは脂環式炭化水素類、石油留分若しくは水素化ディ
ーゼル油留分またはトルエンである。
【0057】触媒として用いるメタロセン類は、ラセミ
化合物(racemate)の形態で使用するのが好ま
しい。メタロセンは、反応器容積1dm3当たり遷移金
属をベースとして、10-1〜10-8molの濃度で使用
するのが好ましく、10-2〜10-7mol好ましく、1
-3〜10-7molが特に好ましい。助触媒であるアル
ミノオキサンは、反応器容積1dm3当たりアルミニウ
ム含量をベースとして、10-4〜10-1molの濃度で
使用し、10-4〜2×10-2molが好ましい。しかし
ながら、原則として高い濃度も可能である。その他、詳
細については特表2001−506689号公報に記載
の項目をもちいることができる。
【0058】予備重合を実施してもよい。予備重合は、
メタロセンを使用して実施することができる。予備重合
に関しては、重合に使用したオレフィン類(またはその
中の1種)を使用するのが好ましい。
【0059】本発明で使用する飽和ノルボルネン系樹脂
の数平均分子量は特に限定されないが、トルエン溶媒に
よるゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GP
C)で測定される数平均分子量は、2万5千〜10万が
好ましく、より好ましくは3万〜8万である。
【0060】本発明では、上記メタロセンを含む触媒の
存在下での重合により製造された飽和ノルボルネン系樹
脂に、市販の飽和ノルボルネン系樹脂を配合することも
できる。但し、市販の飽和ノルボルネン系樹脂は通常メ
タセシス触媒を用いて重合されたものであるので、ブレ
ンド量は少ないほど好ましい。市販の飽和ノルボルネン
樹脂としては、例えば、日本ゼオン社製、商品名「ZE
ONOR」、「ZEONEX」;JSR社製、商品名
「ARTON」;日立化成工業社製、商品名「OPTO
REZ」;三井石油化学社製、商品名「APEL」等を
挙げることができる。また、飽和ノルボルネン系樹脂以
外の樹脂も、飽和ノルボルネン系樹脂と相溶するポリマ
ーであれば、その特性を損なわない範囲でブレンドする
ことができる。具体的には、TAC等のセルロース系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シ
ンジオタクチックポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポ
リアリレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂等を主成分と
する樹脂が好ましく挙げられる。また、特に無水マレイ
ン酸系の樹脂の一部は飽和ノルボルネン系樹脂との相溶
性に優れ、特に好ましく用いることができる。
【0061】本発明に使用する飽和ノルボルネン系樹脂
フィルムは、種々の公知の方法を参考にして製造するこ
とができる。例えば、溶液流延法、溶融成形法等により
製造することができる。
【0062】溶液流延法により製造する場合は、まず、
例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロ
ベンゼン、トリエチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イ
ソプロピルベンゼン等の高沸点溶媒、または、これら高
沸点溶媒とシクロヘキサン、ベンゼン、テトラヒドロフ
ラン、ヘキサン、オクタン等の低沸点溶媒との混合溶媒
に、上記飽和ノルボルネン系樹脂を、好ましくは濃度5
〜60質量%となるように溶解して樹脂溶液を得る。他
の樹脂を用いる場合は、全種類の総量の濃度が前記範囲
となるように、樹脂溶液を調製する。
【0063】次に、得られた樹脂溶液をバーコーター、
ドクターナイフ、メイヤーバー、ロール、Tダイ等を用
いて、ポリエチレンテレフタレートなどの耐熱性フィル
ム、スチールベルト、金属箔等上に流延し、加熱乾燥す
ることにより、飽和ノルボルネン系樹脂フィルムを得
る。
【0064】溶融成形法により製造する場合は、Tダイ
法やインフレーション法などの溶融押出法、カレンダー
法、熱プレス法、射出成形法などを用いて製造すること
ができる。
【0065】上記飽和ノルボルネン系樹脂フィルムに
は、本発明の効果を損なわない範囲において、フィルム
の耐熱性、耐紫外線性、平滑性等を向上させるために、
フェノール系、リン系などの老化防止剤;フェノール系
などの熱劣化防止剤;アミンなどの帯電防止剤;脂肪族
アルコールのエステル、多価アルコールの部分エステル
や部分エーテルなどの滑剤;ベンゾフェノン系紫外線吸
収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、アクリロニ
トリル系紫外線吸収剤などの紫外線吸収剤;フッ素系ノ
ニオン界面活性剤、特殊アクリル樹脂系レベリング剤、
シリコーン系レベリング剤などのレベリング剤等が添加
されてもよい。
【0066】上記飽和ノルボルネン系樹脂フィルムの厚
みは、通常5〜200μmが好ましく、より好ましくは
10〜100μmである。フィルムの厚みが5μm未満
では強度が低下するだけでなく、偏光板の耐久試験を行
うとカールが大きくなるなどの問題がある。反対に10
0μmを超えると透明性が低下するだけでなく、透湿度
が小さくなりPVA系接着剤の溶剤である水の乾燥が遅
くなるという問題がある。
【0067】上記飽和ノルボルネン系樹脂フィルムに
は、後述の粘着剤層を積層する前に、表面処理を施すこ
とが好ましい。表面処理としては、コロナ放電処理、紫
外線照射処理などが挙げられ、好ましくはぬれ指数で4
5dyn/cm以上、さらに好ましくは50dyn/c
m以上の表面状態にすればよい。ぬれ指数とは、ZIs
manによる臨界表面張力を意味し、JIS K 87
68に基づき標準ぬれ試薬で測定される。
【0068】本発明の光学フィルムは、上記飽和ノルボ
ルネン系樹脂フィルムの少なくとも片面に、粘着剤層が
積層されたものである。前記粘着剤層としては特に限定
されないが、透明性に優れたものが好ましく、例えば天
然ゴム、合成ゴム、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマ
ー、ポリビニルエーテル、アクリル系ポリマー、変成ポ
リオレフィン系、およびこれらにイソシアナートなどの
硬化剤を添加した硬化型粘着剤、ポリウレタン系樹脂溶
液とポリイソシアナート系樹脂溶液を混合するドライラ
ミネート用接着剤、合成ゴム系接着剤、エポキシ系接着
剤などが挙げられる。また、本発明の光学フィルムを、
偏光子の保護フィルムとしてとして用いる場合は、粘着
剤層に、偏光子の材料である、ポリビニルアルコール系
樹脂(以下、PVA)およびポリエチレンイミン系樹脂
(以下、PEI)等を含有させると、接着性の向上に寄
与するので好ましい。
【0069】特に、後述するPVA系偏光子に接着させ
る場合は、前記粘着剤層(なお、一般的に「樹脂層」と
表現されることもある)を、PVAおよびPEIから形
成するのが好ましい。用いるPVAの平均重合度および
鹸化度については、特に制限はないが、好ましくは重合
度200〜4,000、鹸化度90モル%以上である。
上記PEIとしては、エチレンイミンをカチオン重合し
て得られる1級のアミノ基や、2級および3級のアミノ
基による分岐構造を有するポリアミンが用いられる。P
EIの市販品としては、例えば、日本触媒化学社製「エ
ポミン」(商品名)が挙げられる。
【0070】上記粘着剤層におけるPVAとPEIとの
割合は、PVAが50〜95質量%に対してPEIが5
0〜5質量%が好ましい。PVAの割合が、50質量%
未満では、粘着剤層を形成した後、光学フィルムをロー
ル状に巻き取る際にブロッキングを起こし易くなり、9
5質量%を超えると飽和ノルボルネン系樹脂フィルムと
の密着力が低下する傾向がある。また、前記粘着剤層に
は、PEIの架橋剤やその他の添加剤が含まれてもよ
い。上記架橋剤としては、PEIのアミノ基と反応し架
橋構造を形成可能な官能基を有するのであれば、特に限
定されるものではないが、架橋構造を形成可能な官能基
としては、アルデヒド、ケトン、アルキルハライド、イ
ソシアネート、チオイソシアネート、二重結合、エポキ
シ、酸、酸無水物、アシルハライド類、エステル類など
が挙げられ、これらを分子中に有する化合物が用いられ
る。
【0071】前記その他の添加剤としては、例えば、シ
ランカップリング剤、チタンカップリング剤等のカップ
リング剤;テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−
フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂等の粘着付
与剤;紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐加水
分解安定剤等の安定剤;PEIの黄変抑制剤などが挙げ
られる。
【0072】前記粘着剤層は、乾燥後の厚み、塗工の円
滑性等を考慮して、適当な濃度(例えば0.01〜50
質量%)となるように、粘着剤層の材料(例えば、PV
AおよびPEI)が所定量配合された水溶液(塗工液)
を調製した後、塗工液を種々の方法(例えば、グラビア
コーター、マイクログラビアコーター等)で、上記飽和
ノルボルネン系樹脂フィルムの片面または両面に塗布
し、熱風等で乾燥させることによって形成することがで
きる。
【0073】前記塗工液を調製するために用いられる溶
媒としては、水、アルコール、または水とアルコールと
の混合溶媒を用いることができる。前記アルコールとし
ては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ールなどが挙げられる。
【0074】前記粘着剤層の乾燥後の厚みは、0.01
〜20μmが好ましく、より好ましくは0.05〜10
μmである。厚みが、0.01μm未満では充分な接着
力が得られず、20μmを超えると耐湿試験等において
偏光板の褪色が起きやすくなる。
【0075】本発明の光学フィルムは、透明であるのが
好ましい。本明細書において、「透明」とは、波長域4
00nm〜700nmにおける透過率が全域で70%以
上であることをいう。
【0076】本発明の光学フィルムは、偏光板の保護フ
ィルムとして用いることができる。本発明の光学フィル
ムは光弾性定数が小さく、偏光子の収縮により発生する
応力が負荷されても保護フィルムには大きな位相差が発
生することがないので、本発明の光学フィルムを保護フ
ィルムとして用いることで、偏光子の収縮などによる偏
光度の変動が抑制された偏光板を提供できる。また、本
発明の光学フィルムは、従来、保護フィルムとして汎用
されていた鹸化TACより透湿度が格段に小さいので、
高湿度下で使用された場合にも水が浸入するのを抑制で
き、高湿度下の使用による偏光度の変動が改善された偏
光板を提供することができる。また、本発明の光学フィ
ルムは、粘着剤層を備えているので、容易に偏光子に接
着できる。特に、接着剤として、偏光子との接着性が高
い材料を用いることで、充分な接着強度により、容易に
偏光子に接着させることができる。さらに本発明の光学
フィルムは、飽和ノルボルネン系樹脂の一部または全部
が、メタロセン触媒の存在下で重合された飽和ノルボル
ネン系樹脂であるので、フィルム中に存在する触媒残査
に起因する輝点故障および、高温高湿経時における黄変
故障が軽減された、実用性の高い偏光板を提供すること
ができる。
【0077】以下、本発明の光学フィルムを保護フィル
ムとして用いた偏光板について説明する。本発明の偏光
板は、本発明の光学フィルムと偏光子とを、前記光学フ
ィルムの粘着剤層を前記偏光子との積層面に配置して積
層してなる。本発明の偏光板において、上記飽和ノルボ
ルネン系樹脂フィルムは、偏光子の保護膜として機能す
る。
【0078】前記偏光子には、通常、偏光子の機能を有
するPVA製フィルムまたはシートを使用することがで
きる。例えば、PVAフィルムにヨウ素を吸着させた
後、ホウ酸浴中で一軸延伸したPVA・ヨウ素系偏光
子;PVAフィルムに二色性の高い直接染料を拡散吸着
させた後一軸延伸したPVA・染料系偏光膜;PVAフ
ィルムにヨウ素を吸着させ延伸してポリビニレン構造と
したPVA・ポリビニレン系偏光膜などが挙げられる。
【0079】偏光子の機能を有するPVA製フィルムま
たはシートは、PVA系フィルムまたはシートを延伸し
たものであって、PVAは、通常酢酸ビニルを重合した
ポリ酢酸ビニルを鹸化して製造されるが、本発明におい
ては必ずしもこれらに限定されるものではない。酢酸ビ
ニルに、少量の不飽和カルボン酸(塩、エステル、アミ
ド、ニトリル等を含む)、オレフィン類、ビニルエーテ
ル類、不飽和スルホン酸塩等の共重合可能成分を共重合
させたものであってもよい。
【0080】本発明の光学フィルムを保護フィルムとす
る偏光板は、偏光子の片面あるいは両面に上記光学フィ
ルムを貼合することによって製造することができる。偏
光子に前記光学フィルムを貼合する方法としては、種々
の公知の方法を利用することができる。上記光学フィム
の表面には粘着剤層が形成されており、鹸化TACを用
いた偏光板保護フィルムと同様、偏光子の両面にウェッ
トラミネーションにより接着できる。ウェットラミネー
ションにより接着する場合は、粘着剤層にはPVA系接
着剤を用いるのが好ましい。ウェットラミネーションを
利用する場合は、乾燥後の厚み、塗工の円滑性等を考慮
して、例えば、PVA系接着剤を水により適当な濃度
(例えば0.01〜50質量%)に希釈して塗工液を調
製した後、公知の方法(例えば、グラビアコーター、マ
イクログラビアコーター等)で、上記光学フィルムの粘
着剤層上に塗布し、対ロールで余分な塗工液をしごきな
がら、粘着剤層を介して飽和ノルボルネン系樹脂フィル
ムと偏光子とをラミネートし、熱風等で乾燥させて接着
することによって、偏光子を作製することができる。
【0081】上記PVA系接着剤としては、種々の重合
度および鹸化度を有するPVA、共重合変性PVA、グ
ラフト変性PVA等のPVA系重合体の水溶液を使用す
ることができる。架橋剤が配合されていてもよい。しか
しながら、通常は未変性のPVA水溶液で充分である。
【0082】本発明の光学フィルムは、少なくとも偏光
子の片面に積層されていればよく、もう一方の面には透
明性が高い樹脂フィルムを積層することができる。勿
論、偏光子の両面に本発明の光学フィルムを積層しても
よい。本発明の偏光板を、液晶表示装置に組み込んだ場
合に、液晶セル側の面には本発明の光学フィルムが偏光
子の保護フィルムとして配置されているのが好ましい。
該面に保護フィルムを使用しないと高温多湿下での位相
差変化が抑えられないためである。
【0083】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操
作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更する
ことができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す
具体例に制限されるものではない。 [実施例1] 1.偏光板保護フィルムの作製 (1)飽和ノルボルネン系樹脂の調製 (1)−1 メタロセン触媒を用いた飽和ノルボルネン
系樹脂(N−1)の調製 トルエンに、8−メチル−8−メトキシカルボニルテト
ラシクロ〔4,4,0,12.5,17.10〕ドデカ
−3−エンを溶解して、50質量%濃度溶液を調製し
た。このトルエン溶液600cm3を、予めエテンで完
全にパージした1.5dm3オートクレーブ中に投入し
た。エテン(エチレン)(6bar)で複数回加圧する
ことにより、溶液をエテンで飽和させた。メチルアルミ
ノオキサンのトルエン溶液(凝固点降下測定法:cry
oscopic determinationにより1
300g/molの分子量を有する10質量%濃度のメ
チルアルミノオキサンのトルエン溶液)10cm3を計
量し、混合物を70℃で30分間、撹拌した。メチルア
ルミノオキサンのトルエン溶液10cm3中で、イソプ
ロピレン(1−インデニル)(3−tert−ブチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド0.37
mgを15分間予備活性化した後に、反応容器中に添加
した。撹拌(750rpm)しながら、重合を1時間実
施し、追加の量を計量することにより、エテン圧力を6
barに保持した。
【0084】反応時間終了後、重合混合物を容器に排出
し、即座にアセトン5dm3を導入し、10分間撹拌
し、続いて、沈澱した生成物を濾過した。フィルターケ
ーキを、各々10%塩酸とアセトンで交互に3回洗浄
し、残渣をアセトン中でスラリー化させ、再び濾過し
た。このようにして精製したポリマーを、減圧(0.2
bar)下、80℃で15時間乾燥させた。これにより
無色のポリマー40gが得られた。このポリマーは、ガ
ラス転移温度142℃、粘度数185mL/g、重量平
均分子量147,000g/molであった。
【0085】(1)−2 メタセシス触媒を用いた飽和
ノルボルネン系樹脂(N−2) 8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ
〔4,4,0,12.5,17.10〕ドデカ−3−エ
ン100gと、1,2−ジメトキシエタン60gと、シ
クロヘキサン240gと、1−ヘキセン9gと、ジエチ
ルアルミニウムクロライドのトルエン溶液(0.96モ
ル/リットル)3.4mLとを内容積1リットルのオー
トクレーブに仕込んだ。一方、六塩化タングステンの
1,2−ジメトキシエタン溶液(0.05モル/リット
ル)20mLと、パラアルデヒドの1,2−ジメトキシ
エタン溶液(0.1モル/リットル)10mLとをフラ
スコ内で混合した。この混合溶液4.9mLを、前記オ
ートクレーブ内に添加した。密栓後、オートクレーブ内
の系を80℃に加熱しながら2時間にわたって攪拌する
ことにより重合を行った。得られた重合体溶液に、1,
2−ジメトキシエタンとシクロヘキサンとの混合溶媒
(1,2−ジメトキシエタン/シクロヘキサン=20質
量%/80質量%)を加えて、重合体/溶媒の割合を1
/10(質量比)とした後、トリエタノールアミン20
gを加えて10分間攪拌した。この重合体溶液に、メタ
ノール500gを加えて30分間攪拌して静置した。2
層に分離した上層を除き、再びメタノールを加えて30
分間攪拌し、静置した後、上層を除いた。同様の操作を
さらに2回行い、得られた下層をシクロヘキサン、1,
2−ジメトキシエタンで適宜希釈し、重合体濃度が10
%であるシクロヘキサン−1,2−ジメトキシエタン溶
液を得た。
【0086】このようにして得られた重合体溶液に、水
添触媒としてパラジウム/シリカマグネシア[日揮化学
(株)製、パラジウム量=5質量%]20gを添加し、
オートクレーブ中で、水素圧40kg/cm2として1
65℃で4時間にわたり水素添加反応を行った。次い
で、水添触媒を濾過によって除去した。このようにして
得られた水添重合体溶液に、酸化防止剤であるペンタエ
リスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
を、当該水添重合体に対して0.1質量%となる割合で
加えてから380℃で減圧下に脱溶媒を行った。次い
で、溶融した樹脂をチッ素雰囲気下で押出機によりペレ
ット化することにより、水素添加率99.5%、ガラス
転移温度158℃、粘度数195mL/g、重量平均分
子量149,000g/molの水添重合体を得た。
【0087】(2) 飽和ノルボルネン系樹脂フィルム
の作製 上記得られた各々のノルボルネン系ポリマーを単独ある
いは表1に示した様にブレンドして、トルエンに35質
量%になるよう溶解し、ポリエチレンテレフタレート工
程フィルムに流延し、80℃で5分間、120℃で5分
間、さらに工程フィルムから剥がした後に150℃で3
分間乾燥して、飽和ノルボルネン系樹脂フィルムを得
た。ブレンド比などの条件は表1に記載した。尚、乾燥
後の飽和ノルボルネン系樹脂フィルムの厚みは60μm
であった。
【0088】上記飽和ノルボルネン系樹脂フィルムの片
面に、コロナ放電処理を行った。処理後、ぬれ指示薬を
用いたぬれ指数の測定では、70dyn/cm以上であ
った。
【0089】(3) 粘着剤層の形成 PVA(クラレ社製「クラレポバールPVA−117
H」)の8質量%水溶液と、架橋剤としてエポキシ化合
物(ナガセ化成社製「デナコール313」)とを、質量
比8:2で配合して塗工液を得た。この塗工液をメイヤ
ーバー#8で上記飽和ノルボルネン系樹脂フィルムのコ
ロナ処理面に塗工した後、100℃で3分間乾燥して粘
着剤層を形成し、偏光板保護フィルムを作製した。粘着
剤層の乾燥後の厚みは1.5μmであった。
【0090】2.偏光子の作製 鹸化度99%の厚み75μmのPVA未延伸フィルムを
室温水で洗浄した後、縦一軸に5倍延伸を行った。この
フィルムの緊張状態を保持したままで、ヨウ素0.5質
量%、ヨウ化カリウム5質量%からなる水溶液に浸漬し
て二色性色素を吸着させた。さらに、ホウ酸10質量
%、ヨウ化カリウム10質量%からなる50℃の水溶液
で5分間架橋処理を行い、PVA偏光子を得た。
【0091】3.偏光板の作製 PVA系接着剤塗工液として市販のPVA(クラレ社製
「クラレポバールPVA−117H」)の5質量%水溶
液を調製し、この塗工液をメイヤーバー#8により得ら
れた各々の偏光板保護フィルムの粘着剤層上に塗布し、
対ロールで余分な水溶液をしごきながら、偏光板保護フ
ィルムを偏光子の両面にウェットラミネートした。これ
らを50℃×3分間、70℃×3分間および80℃×3
分間の3段階で熱風乾燥した後、さらに室温で2日間養
生して、図1に示した構成の偏光板試料を作製した。図
1中、1は偏光子、2はPVA系接着剤、3は偏光板保
護フィルム、4は飽和ノルボルネン系樹脂フィルム、5
は粘着剤層をそれぞれ示す。
【0092】4.評価 (1)輝点故障評価 上記で得られた偏光板試料を50cm×50cmの正方
形に打ち抜き、クロスニコルで重ね合わせた。重なった
部分の光の抜け(輝点故障)の数をカウントした。上記
のカウントをそれぞれのサンプルにつき3点ずつ測定
し、合計の輝点数を求めた。 (2)高温高湿下での変色評価 上記で得られた偏光板試料を50mm×50mmの正方
形に打ち抜いた試験片につき耐久性試験を行い、その結
果を表2に示した。耐久試験条件は、60℃90%RH
について、各500Hrまで観測した。500Hrの耐
久性試験前後における黄変の度合いを目視により以下の
5段階で評価した。 黄変の評価基準 ◎:目視での変化なし、○:極めてわずかに黄変、△:
弱い黄変あり、△〜×:黄変あり、×:明らかな黄変あ
り。
【0093】
【表1】
【0094】[実施例2] 1.偏光板保護フィルムの作製 (1)飽和ノルボルネン系樹脂の調製 (1)−1 無水マレイン酸系樹脂(M−1)の調製 ソルビン酸より得られたソルビン酸クロライド40gを
2−ヒドロキシエチルアクリレート37.36g、N,
N−ジメチルアニリン38.96g、エーテル200m
Lの混合液にエーテルリフラックス下にて滴下し、8時
間反応させた。生成した沈澱を濾過し、エーテルを留去
後、重合禁止剤を加え、103℃/0.15mmHgに
て1−アクリロイルオキシ−2−ソルボイルオキシエタ
ン36gを得た。得られたジエステル8gと無水マレイ
ン酸3.48g、トルエン16mLの混合液を80℃で
2時間、次いで100℃で8時間反応させた。冷却後、
ヘキサンを16mL加え、沈澱物を濾過後、酢酸エチ
ル、10mLおよびヘキサン20mLの混合液にて再結
晶させ、目的の6−メチル−4−シクロヘキセン−1,
2,3−トリカルボキシリックアシド−3−〔2−(ア
クリロイルオキシ)エチル〕エステル−1、2−アンハ
イドライドを得た。
【0095】(2) 飽和ノルボルネン系樹脂フィルム
の調製 上記飽和ノルボルネン系樹脂を単独あるいはブレンドし
て、トルエンに35質量%になるよう溶解し、ポリエチ
レンテレフタレート工程フィルムに流延し、80℃で5
分間、120℃で5分間、さらに工程フィルムから剥が
した後に、150℃で3分間乾燥して、飽和ノルボルネ
ン系樹脂フィルムを得た。ブレンド比などの条件は表2
に記載した。尚、乾燥後の飽和ノルボルネン系樹脂フィ
ルムの厚みは50μmであった。
【0096】上記飽和ノルボルネン系樹脂フィルムの片
面に、コロナ放電処理を行った。処理後、ぬれ指示薬を
用いたぬれ指数の測定では、70dyn/cm以上であ
った。
【0097】(3) 粘着剤層の形成 PVA(クラレ社製「クラレポバールPVA−117
H」)の1質量%水溶液と、PEI(日本触媒化学社製
「エポミンP−1000」)の1質量%水溶液とを、質
量比7:1で配合して塗工液を得た。この塗工液をメイ
ヤーバー#8で上記飽和ノルボルネン系樹脂フィルムの
コロナ処理面に塗工した後、100℃で3分間乾燥して
粘着剤層を形成し、偏光板保護フィルムを作製した。粘
着剤層の乾燥後の厚みは1.2μmであった。
【0098】2.偏光子の作製 鹸化度99%の厚み75μmのPVA未延伸フィルムを
室温水で洗浄した後、縦一軸に5倍延伸を行った。この
フィルムの緊張状態を保持したままで、ヨウ素0.5質
量%、ヨウ化カリウム5質量%からなる水溶液に浸漬し
て二色性色素を吸着させた。さらに、ホウ酸10質量
%、ヨウ化カリウム10質量%からなる50℃の水溶液
で5分間架橋処理を行い、本発明に用いるPVA偏光子
を得た。
【0099】3.偏光板の作製 PVA系接着剤塗工液として市販のPVA(クラレ社製
「クラレポバールPVA−117H」)の5質量%水溶
液を調製し、この塗工液をメイヤーバー#8により各々
の偏光板保護フィルムの粘着剤層上に塗布し、対ロール
で余分な水溶液をしごきながら、偏光板保護フィルムを
偏光子の両面にウェットラミネートした。これらを50
℃×3分間、70℃×3分間および80℃×3分間の3
段階で熱風乾燥した後、さらに室温で2日間養生して、
図1に示した構成の偏光板試料を作製した。なお、比較
例5には市販のTAC(富士写真フイルム製TD80U
F)を鹸化したものを用い、ノルボルネン系保護膜の場
合と同様にして偏光板を作製した。
【0100】4.評価 (1)輝点故障および(2)黄変故障の評価については
実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。 (3)耐久性評価(偏光度変化) 上記で得られた偏光板試料を50mm×50mmの正方
形に打ち抜いた試験片につき耐久性試験を行った。耐久
試験条件は、90℃dryおよび60℃90%RHにつ
いて、各500Hrまで観測した。500Hrの耐久性
試験前後における偏光度変化を、下記の光学測定法によ
り測定して表示特性を評価した。すなわち、2枚の偏光
板についてJIS K 7105に準拠して、全光線透
過率を測定し、下記式から偏光度変化を算出した。 {(Y0−Y90)/(Y0+Y90)}1/2 ×100 Y0は偏光板の偏光軸を平行に揃えた2枚の全光線透過
率であり、Y90は偏光板の偏光軸を直交に揃えた2枚の
全光線透過率である。
【0101】
【表2】
【0102】以上の結果から、実施例の偏光板は比較例
に比べて、輝点故障が少なく、また500時間の高温高
湿条件下での耐久試験後においても、黄変が起こりにく
いことがわかった。さらに、本発明の偏光板保護膜は高
温高湿下での耐久性試験による偏光度の変化がほとんど
なく、優れた耐久性を有していることがわかった。
【0103】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、偏
光板の保護フィルムとして使用した場合に、保護フィル
ムに起因する輝点故障および黄変が発生し難い、偏光板
の保護フィルムとして有用な光学フィルムを提供するこ
とができる。また、本発明によれば、経時による偏光度
低下および褪色が生じ難い、耐久性に優れた偏光板を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で作製した偏光板の構成を示す模式的
な分解断面図である。
【符号の説明】
1 偏光子 2 PVA系接着剤 3 偏光板保護フィルム 4 飽和ノルボルネン系樹脂フィルム 5 粘着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA02 BA25 BA27 BB11 BB18 BB22 BB43 BB51 BB62 BC03 BC09 BC14 BC22 2H091 FA08X FA08Z FB02 FC01 FD09 FD14 FD15 FD16 GA17 LA03 LA04 LA05 LA06 LA09 LA16 LA30

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種のメタロセンを含む触媒
    の存在下で重合してなる飽和ノルボルネン系樹脂を10
    質量%以上含むフィルムと、該フィルムの上方に粘着剤
    層とを有する光学フィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光学フィルムと偏光膜
    とを積層してなる偏光板。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007000961A1 (ja) * 2005-06-28 2007-01-04 Nitto Denko Corporation 光学フィルム、偏光板、および画像表示装置
JPWO2017110342A1 (ja) * 2015-12-24 2018-10-18 コニカミノルタ株式会社 偏光板保護フィルム、その製造方法及び偏光板

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