JP2003322223A - 歯車装置 - Google Patents

歯車装置

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JP2003322223A
JP2003322223A JP2002133866A JP2002133866A JP2003322223A JP 2003322223 A JP2003322223 A JP 2003322223A JP 2002133866 A JP2002133866 A JP 2002133866A JP 2002133866 A JP2002133866 A JP 2002133866A JP 2003322223 A JP2003322223 A JP 2003322223A
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shaft
drive shaft
gear device
locking means
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JP2002133866A
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Tatsu Watabe
達 渡部
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過大な負荷が加った場合も歯車装置を破損か
ら未然に防止できる安全装置を備えた小型で低価格の歯
車装置を提供する。 【解決手段】 歯車装置10により駆動される図示しな
い機能装置の負荷が通常の範囲内にあるときは、モータ
11の軸12の回転はピニオン13、第1歯車15を経
て第2歯車17に伝達される。負荷が許容値を越える
と、モータ11からピニオン13、第1歯車15を経て
第2歯車17に伝達されるトルクの一部は歯車15と1
7との歯型がハスバのため、第2歯車17は第1歯車1
5に対して軸方向に向かう推力が加わり、第2歯車17
の環状突起17cが駆動軸16の溝16aから外れ、第
2歯車17は軸方向に移動して第1歯車15との噛合が
外れ、歯車装置の破損を未然に防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複写機やプリン
ター等の画像形成装置の内部に配置されている各種の機
構、例えば感光体駆動機構に使用される高精度の歯車装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】画像形成装置の内部に配置されている各
種の装置(以下、機能装置という)を駆動するために歯
車装置が使用されている。機能装置に過大な力が加わっ
たとき、例えば機能装置が記録紙搬送機構で、この搬送
機構に歯車装置が使用されている例で説明すれば、搬送
される記録紙にジャムが発生して紙詰まりを起こしたよ
うな場合は、搬送ベルトを駆動する歯車装置に過大な負
荷が加わり、歯車装置が破損してしまう場合も予想され
る。
【0003】このため、歯車装置を構成する歯車列の途
中に、バネにより付勢された揺動レバーの上に回転自在
に取付られた揺動歯車を介在させ、揺動歯車を歯車列中
に介在/離脱可能に構成したものが提案されている。
【0004】この構成では、通常の負荷が伝達されてい
るときは、揺動レバーはバネの付勢力により付勢され、
揺動歯車は歯車列の中に位置してモータから機能装置へ
向かう動力伝達がなされている。しかし、過大な負荷が
加わったときは揺動歯車の歯に大きな力が作用して揺動
歯車はバネの付勢力に抗して揺動レバーを回動させ、揺
動歯車が歯車列から離脱するので、モータから機能装置
へ向かう動力伝達が遮断され、歯車装置が保護される。
【0005】また、歯車装置を構成する歯車の歯幅を、
モータから機能装置へ伝達される最大トルクに耐える歯
幅とする構成も提案されている。例えば、通常の状態で
伝達すべきトルクが11.5Wのときの必要な歯車の歯
幅は4.6mmとなるが、この場合、モータはトルクに
余裕を見込んで約30%増の定格トルク15Wのモータ
を選定し、定格トルク15Wに対応する歯車として歯幅
6mmのものを選択することになる。
【0006】しかし、機能装置に障害が発生してトルク
が増大すると、モータは回転しようとして最大トルクを
発生する。発生する最大トルクが25Wであるとする
と、歯車にも25Wのトルクが作用するから歯幅6mm
の歯車は破損してしまう。これを避けるために歯車が2
5Wのトルクに耐えるようにするためには、歯幅約10
mmの歯車の使用が必要となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した揺動歯車を歯
車列の中に介在させた構成の歯車装置では、揺動レバー
や揺動歯車を配置するスペースを確保するために歯車装
置が大型になってしまうほか、揺動レバーや揺動歯車等
の部材が増え、コスト増となるという不都合がある。ま
た、歯車装置を構成する歯車の歯幅を、伝達される最大
トルクに耐える歯幅とする構成においては、通常の状態
の伝達トルクに耐える歯幅の2倍程度の歯幅にする必要
があるので、歯車装置が大型になってしまうほか、コス
ト増となるという不都合がある。
【0008】この発明は、揺動レバーや揺動歯車等を使
用せず、スペースを確保やコスト増を招くことなしに、
歯車装置の破損を未然に防止する安全装置を備えた歯車
装置を提供し、上記課題を解決することを目的とするも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は上記課題を解
決するもので、請求項1の発明は、少くともハスバ歯型
を有する1対の第1歯車と第2歯車と、前記第1歯車が
固定装着される第1軸と、前記第2歯車が装着される第
2軸とから構成される歯車装置において、前記第2歯車
は、第2歯車に作用する軸方向推力が所定の限界値以下
のときは第2歯車を第2軸に係止し、軸方向推力が所定
の限界値を越えたときは第2歯車の第2軸への係止を解
除する係止手段を介して第2軸に装着されることを特徴
とする歯車装置である。
【0010】そして、前記第2歯車は、前記係止手段に
よる第2軸への係止が解除されたときは、第2軸上を軸
方向に移動して前記第1歯車との噛合から離脱できるよ
うにするとよい。
【0011】また、前記係止手段は、第2歯車のハブの
軸孔内面に設けられた突起と第2軸の外周面に設けられ
た溝とから構成され、第2歯車に作用する軸方向推力が
所定の限界値を越えたとき、前記突起が半径方向に変形
して前記溝から離脱する係止手段とするとよい。
【0012】さらに、前記係止手段は、前記第2歯車の
ハブの軸孔内面に設けられた弾性変形可能な爪と、第2
軸の外周面に設けられた溝とから構成され、第2歯車に
作用する軸方向推力が所定の限界値を越えたとき、前記
爪が半径方向に弾性変形して前記溝から離脱する係止手
段としてもよい。
【0013】また、前記係止手段は、前記第2歯車のハ
ブの軸孔内面に嵌合する円筒部とその一端に設けられた
弾性変形可能な突起からなる前記第2軸上に同軸に設け
られた係止手段で、第2歯車に作用する軸方向推力が所
定の限界値を越えたとき前記突起が半径方向に弾性変形
して前記第2歯車を離脱させる係止手段とすることもで
きる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を説
明する。図1は、ハスバ歯車又はヘリカルギアと呼ばれ
る歯車の外観を示す斜視図で、ハスバ歯車は、歯車Tの
外周面を構成する円筒面上に形成される螺旋Rに沿って
歯を刻んだものである。なお、符号Bはハスバ歯車を軸
に固定する部分であるハブを示す。以下説明するこの発
明の第1乃至第3の実施の形態では、ピニオンや歯車に
形成されている歯型は、全てハスバの歯型であるものと
する。
【0015】ハスバ歯車は、平歯車に比較して同時に噛
み合う歯数を増加することができるので、円滑な動力伝
達ができ、騒音の発生が少ないという特徴があるが、一
方、歯が捩れているために軸方向の推力が発生するか
ら、推力に耐える軸受を使用しなければならないという
欠点がある。この発明は、この軸方向の推力を利用して
過負荷による歯車装置の破壊を防止しようとするもので
ある。
【0016】まず、この発明の第1の実施の形態につい
て説明する。図2はこの発明の第1の実施の形態の歯車
装置10の構成を説明する断面図である。
【0017】図2において、モータ11の軸12にはピ
ニオン13が固定され、ピニオン13には、モータ軸1
2に平行に配置された第1軸である軸14に回転自在
に、且つ軸方向には移動しないように固定された第1歯
車15が噛合している。第1歯車15には、モータ軸1
2に平行に配置された第2軸である駆動軸16に、以下
説明する取付構造により取付けられた第2歯車17が噛
合している。
【0018】第2歯車17は、図示しない機能装置、即
ち被駆動部材を駆動する歯車に噛合している。なお、モ
ータ軸12、軸14及び駆動軸16は図示しない固定部
材により軸方向には移動することなく、回転方向には回
転自在に支承されているものとする。
【0019】図3は、第1の実施の形態の歯車装置10
における駆動軸16と第2歯車17との取付構造を説明
する図で、図3の(a)は第2歯車17の断面図、図3
の(b)は駆動軸16の正面図、図3の(c)は駆動軸
16に第2歯車17を固定した状態を示す断面図であ
る。
【0020】第2歯車17と駆動軸16とを係止する係
止手段は、第2歯車17の軸孔17bの内面に突出する
突起である環状突起17cと、駆動軸16の外周面に設
けた溝16aから構成される。なお、ここでは突起は環
状突起17cとしているが、必ずしも環状に連続した突
起でなくともよく、円周方向に沿って配置された1又は
複数個の突起であってもよい。
【0021】第2歯車17は、駆動軸16に嵌合する軸
孔17bが形成されたハブ17aを備えており、ハブ1
7aの軸孔17bには、軸孔17bの内面に突出する環
状突起17cが形成されている。
【0022】一方、駆動軸16には、第2歯車17の環
状突起17cに係合する溝16aが形成されており、第
2歯車17の環状突起17cは溝16aに係合し、第2
歯車17は駆動軸16に対して軸方向に移動しないよう
に保持される。
【0023】係止手段を構成する環状突起17cと溝1
6aとの係合による保持力は、第1歯車15と第2歯車
17との噛合部分の歯型がハスバであるために第2歯車
17に作用する通常の駆動状態における推力の範囲内、
即ち所定の限界値よりも大きく設定されているから、通
常の駆動状態では第2歯車17と駆動軸16とは環状突
起17cと溝16aとの係合により保持されている。
【0024】歯車装置に過大な負荷が作用し、第2歯車
17に軸方向(矢印a方向)に向かう限界値を越えた過
大な推力が作用すると、第2歯車17は軸方向(矢印a
方向)に移動しようとして、環状突起17cと溝16a
との係合が外れるので、第2歯車17は軸方向(矢印a
方向)に移動することができる。
【0025】次に、以上の構成の動作を説明する。歯車
装置10により駆動される図示しない機能装置の負荷が
通常の範囲内にあるときは、第2歯車17には通常の大
きさの範囲内、即ち所定の限界値以下の推力が作用する
から、第2歯車17と駆動軸16とは環状突起17cと
溝16aとの係合により保持されて結合状態が維持され
る。
【0026】機能装置に障害が発生して負荷が許容値を
越えると、第1歯車15と第2歯車17とが噛合する部
分の歯型がハスバであるため、第2歯車17には第1歯
車15に対して軸方向(矢印a方向)に向かう通常の推
力範囲よりも大きな、限界値を越えた過大な推力が作用
する。
【0027】この結果、上記したように第2歯車17
は、その環状突起17cが駆動軸16の溝16aから外
れ、第2歯車17は軸方向(矢印a方向)に移動して歯
車列から離脱して第1歯車15と噛合しなくなる。これ
により、歯車装置10の破損を未然に防止することがで
きる。
【0028】次に、この発明の第2の実施の形態につい
て説明する。第2の実施の形態の歯車装置は、第2歯車
の構成が相違するだけで、歯車装置のその他の構成は駆
動軸の構成を含めて第1の実施の形態のものと変わらな
いので、以下、第1の実施の形態のものと同一部材には
同一符号を付して説明を省略し、第2歯車27と駆動軸
16(第1の実施の形態参照)との取付部分の構成につ
いて説明する。
【0029】図4は、第2の実施の形態の歯車装置にお
ける駆動軸16と第2歯車27との取付構造を説明する
図で、図4の(a)は第2歯車27の断面図、図4の
(b)は駆動軸16の正面図、図4の(c)は駆動軸1
6に第2歯車27を固定した状態を示す断面図である。
【0030】図4の(a)に示す第2歯車27は、第1
の実施の形態の第2歯車17に対応するものである。第
2歯車27と駆動軸16とを係止する係止手段は、第2
歯車27の軸孔27bの内面に突出する弾性変形可能な
弾性部材27dの先端に形成された爪である環状爪27
eと、駆動軸16の外周面に設けた溝16aとから構成
されている。なお、ここでは爪は環状爪27eとしてい
るが、必ずしも環状に連続した爪でなくともよく、円周
方向に沿って配置された1又は複数個の爪であってもよ
い。
【0031】第2歯車27のハブ27aの軸孔27b
は、駆動軸16に嵌合するものである。ハブ27aに
は、その内面に円環状のスリット27sが形成され、ス
リット27sを隔てて一端がハブ27aに結合されてい
る円環状の弾性部材27dが設けられている。さらに円
環状の弾性部材27dの開放端には、軸孔27bの内面
に突出する環状爪27eが形成されている。
【0032】一方、駆動軸16には溝16aが形成され
ており、第2歯車17の環状爪27eは溝16aに係合
し、第2歯車27は駆動軸16に対して軸方向に移動し
ないように保持される。
【0033】係止手段を構成する環状爪27eと溝16
aとの係合による保持力は、第1歯車15と第2歯車2
7との噛合部分の歯型がハスバであるために第2歯車1
7に作用する通常の駆動状態における推力の範囲内、即
ち所定の限界値以下よりも大きく設定されているから、
通常の駆動状態では第2歯車27と駆動軸16とは環状
爪27eと溝16aとの係合により保持されている。
【0034】歯車装置に過大な負荷が作用し、第2歯車
27に軸方向(矢印a方向)に向かう限界値を越えた過
大な推力が作用すると、第2歯車27は軸方向(矢印a
方向)に移動しようとして、環状爪27eと溝16aと
の係合が外れるので、第2歯車27は軸方向(矢印a方
向)に移動することができる。
【0035】この構成によっても、機能装置に障害、例
えば給紙機構であれば紙詰りが発生するなどして負荷が
許容値を越えるときは、第2歯車27は軸方向(矢印a
方向)に移動して歯車列から離脱し、歯車装置10の破
損を未然に防止することができる。
【0036】次に、この発明の第3の実施の形態につい
て説明する。第3の実施の形態の歯車装置は、第2歯車
の構成、及び駆動軸の構成が相違するが、歯車装置のそ
の他の構成は第1の実施の形態のものと変わらないの
で、以下、第1の実施の形態のものと同一部材には同一
符号を付して説明を省略し、第2歯車33と駆動軸31
との取付部分の構成について説明する。
【0037】図5は、第3の実施の形態の歯車装置にお
ける駆動軸31と第2歯車33との取付構造を説明する
図で、図5の(a)は第2歯車33の断面図、図5の
(b)は駆動軸31の正面図、図5の(c)は駆動軸3
1に第2歯車33を固定した状態を示す断面図である。
図5において、第2歯車33は、第1の実施の形態の第
2歯車17に対応するものであるが、第2歯車33のハ
ブ33aに突起その他の特別な構成は備えられていな
い。
【0038】駆動軸31(第1の実施の形態の駆動軸1
6に対応する)には、係止手段を構成する弾性変形可能
な突起からなる係止手段が設けられている。即ち、駆動
軸31には同軸に円筒部である有底円筒32が一体に固
定されており、有底円筒32の側面には弾性変形可能な
突起である環状突起32aが円周方向に配置されてい
る。なお、ここでは突起は環状突起32aとしている
が、必ずしも環状に連続した突起でなくともよく、円周
方向に沿って配置された1又は複数個の突起であっても
よい。
【0039】一方、第2歯車33には有底円筒32に嵌
合するハブ33aが備えられており、有底円筒32の側
面の環状突起32aが第2歯車33のハブ33aの軸方
向端面に係止して、第2歯車33は駆動軸31に対して
軸方向に移動しないように保持される。
【0040】係止手段を構成する弾性変形可能な環状突
起32aが第2歯車33のハブ33aの軸方向端面に係
止することによる保持力は、第1歯車15と第2歯車3
3との噛合部分の歯型がハスバであるために第2歯車3
3に作用する通常の駆動状態における推力の範囲内、即
ち所定の限界値以下よりも大きく設定されているから、
第2歯車33と駆動軸31とは通常の駆動状態では第2
歯車33と駆動軸31とは環状突起32aがハブ33a
の軸方向端面に係止して保持されている。
【0041】第2歯車33に軸方向(矢印a方向)に向
かう過大な推力が作用して環状突起32aの保持力を越
えると、第2歯車33は軸方向(矢印a方向)に移動し
ようとし、有底円筒32の環状突起32aは変形して第
2歯車33の軸方向(矢印a方向)に移動を許容する。
【0042】この構成によっても、第2歯車33は通常
の推力が作用しているときは、第2歯車33は有底円筒
32を介して駆動軸31に保持されているが、第2歯車
33に駆動軸31の軸方向(矢印a方向)に向かう過大
な推力が作用すると、環状突起32aが変形して第2歯
車33は有底円筒32の上を軸方向(矢印a方向)に移
動して歯車列から離脱するから、歯車装置の破損を未然
に防止できる。
【0043】次に、駆動軸に対して第2歯車を係止する
係止手段の保持力G、即ち、第1の実施の形態では、環
状突起17cが溝16aに係止して第2歯車を固定する
保持力、第2の実施の形態では環状爪27eが溝16a
に係止して第2歯車を保持する保持力、第3の実施の形
態では環状突起32aが第2歯車33のハブ33aの端
面に係止して第2歯車を保持する保持力、について説明
する。
【0044】第2歯車のピッチ円の半径をr、ハスバの
捩れ角をβ、駆動軸に作用するトルクをTとすると、第
2歯車のハスバ歯型に基づいて第2歯車を駆動軸方向に
押す力Aは、 A=(T/r)tanβ・・・・・・(1) で表すことができる。
【0045】保持力Gは、通常の駆動状態において駆動
軸に作用するトルクT1 により発生する第2歯車を駆動
軸方向に押す力A1 よりも大きく、トルクT1 の1.3
倍により発生する第2歯車を駆動軸方向に押す力(1.
3×A1 )よりも小さく設定、即ち、 A1 <G<(1.3×A1 )・・・・(2) に設定するものとする。
【0046】保持力Gを上記式(2)のように設定して
おけば、機能装置に障害が発生して歯車装置に通常のト
ルクの1.3倍までのトルクが作用しても保持機構によ
り第2歯車は駆動軸に保持され、歯車装置は正常に作動
する。しかし、1.3倍を越えるトルクが作用すると保
持機構は第2歯車を保持できなくなり、第2歯車は駆動
軸上を軸方向(矢印a方向)に移動して第1歯車15と
の噛合が外れ、モータ11の回転は駆動軸に伝達されな
くなる。
【0047】例えば第2歯車のピッチ円の半径r=10
mm、ハスバの捩れ角β=20°、通常の駆動状態にお
いて駆動軸に作用するトルクT1 =13.5N・mであ
るとすれば、上記式(2)は以下のとおりとなる。
【0048】 13.5N<G<17.6N・・・・(3) 保持機構の保持力Gが上記式(2)を満足するように、
即ち、第1の実施の形態では環状突起17cが溝16a
に係止する形状、第2の実施の形態では環状爪27eが
溝16aに係止する形状、第3の実施の形態では環状突
起32aが第2歯車33のハブ33aの端面に係止する
形状を設計すればよい。
【0049】
【発明の効果】以上説明したとおり、この発明の歯車装
置は、少くともハスバ歯型を有する1対の第1歯車と第
2歯車と、前記第1歯車が固定装着される第1軸と、前
記第2歯車が装着される第2軸とから構成される歯車装
置において、前記第2歯車は、第2歯車に作用する軸方
向推力が所定の限界値以下のときは第2歯車を第2軸に
係止し、軸方向推力が所定の限界値を越えたときは第2
歯車の第2軸への係止を解除する係止手段を介して第2
軸に装着されるように構成される。
【0050】これにより、歯車装置に過大な負荷が加っ
た場合には、歯車列を構成する第2歯車が軸方向に移動
して歯車列から離脱し、歯車装置を破損から未然に防止
することができる。
【0051】そして、この発明によれば従来の歯車装置
における過大な負荷が加った場合の安全装置の1つであ
る揺動レバーや揺動歯車を使用するもののように特別な
部材を配置する必要がなく、コストを増加することもな
い。
【0052】また、歯車装置を構成する歯車の歯幅を伝
達される最大トルクに耐える歯幅とする構成のように歯
車装置が大型になることもなく、小型で低価格の歯車装
置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハスバ歯車又はヘリカルギアと呼ばれる歯車の
外観を示す斜視図。
【図2】第1の実施の形態の歯車装置の構成を説明する
断面図。
【図3】図3に示す歯車装置における軸と第2歯車との
取付構造を説明する図。
【図4】第2の実施の形態の歯車装置の軸と第2歯車と
の取付構造を説明する図。
【図5】第3の実施の形態の歯車装置の軸と第2歯車と
の取付構造を説明する図。
【符号の説明】
10 歯車装置 11 モータ 12 軸 13 ピニオン 14 軸 15 第1歯車 16 駆動軸 16a 溝 17 第2歯車 17a ハブ 17b 軸孔 17c 環状突起 27 第2歯車 27a ハブ 27b 軸孔 27s 円環状のスリット 27d 円環状の弾性部材 27e 環状爪 31 駆動軸 32 有底円筒 32a 環状突起 33 第2歯車 33a ハブ
フロントページの続き Fターム(参考) 3J009 DA17 DA18 EA12 EA21 EA32 EB17 EC01 EC05 ED02 ED04 FA17 FA18 3J062 AA35 AA36 AB01 AC01 BA19 CF02 CF12 CF16 CF32

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少くともハスバ歯型を有する1対の第1
    歯車と第2歯車と、前記第1歯車が固定装着される第1
    軸と、前記第2歯車が装着される第2軸とから構成され
    る歯車装置において、 前記第2歯車は、第2歯車に作用する軸方向推力が所定
    の限界値以下のときは第2歯車を第2軸に係止し、軸方
    向推力が所定の限界値を越えたときは第2歯車の第2軸
    への係止を解除する係止手段を介して第2軸に装着され
    ることを特徴とする歯車装置。
  2. 【請求項2】 前記第2歯車は、前記係止手段による第
    2軸への係止が解除されたときは、第2軸上を軸方向に
    移動して前記第1歯車との噛合から離脱できることを特
    徴とする請求項1記載の歯車装置。
  3. 【請求項3】 前記係止手段は、第2歯車のハブの軸孔
    内面に設けられた突起と第2軸の外周面に設けられた溝
    とから構成され、第2歯車に作用する軸方向推力が所定
    の限界値を越えたとき、前記突起が半径方向に変形して
    前記溝から離脱する係止手段であることを特徴とする請
    求項1記載の歯車装置。
  4. 【請求項4】 前記係止手段は、前記第2歯車のハブの
    軸孔内面に設けられた弾性変形可能な爪と、第2軸の外
    周面に設けられた溝とから構成され、第2歯車に作用す
    る軸方向推力が所定の限界値を越えたとき、前記爪が半
    径方向に弾性変形して前記溝から離脱する係止手段であ
    ることを特徴とする請求項1記載の歯車装置。
  5. 【請求項5】 前記係止手段は、前記第2歯車のハブの
    軸孔内面に嵌合する円筒部とその一端に設けられた弾性
    変形可能な突起からなる前記第2軸上に同軸に設けられ
    た係止手段で、第2歯車に作用する軸方向推力が所定の
    限界値を越えたとき前記突起が半径方向に弾性変形して
    前記第2歯車を離脱させる係止手段であることを特徴と
    する請求項1記載の歯車装置。
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