JP2003322175A - クラッチディスク - Google Patents
クラッチディスクInfo
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- JP2003322175A JP2003322175A JP2002134394A JP2002134394A JP2003322175A JP 2003322175 A JP2003322175 A JP 2003322175A JP 2002134394 A JP2002134394 A JP 2002134394A JP 2002134394 A JP2002134394 A JP 2002134394A JP 2003322175 A JP2003322175 A JP 2003322175A
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- clutch disc
- clutch
- pressure plate
- flywheel
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 ドライバーに確実に摩耗限界を知らせること
ができるクラッチディスクを提供する。 【解決手段】 クラッチディスク4は、フライホイール
とプレッシャープレートとの間に挟まれてトルク伝達を
行うためのものであり、その摩擦フェーシング11は、
摩擦材としての第1層71と、摩擦材が摩耗限界付近に
達したことを検出し臭い又は音/振動によってドライバ
ーに警報を発する警報装置としての第2層72とを備え
ている。
ができるクラッチディスクを提供する。 【解決手段】 クラッチディスク4は、フライホイール
とプレッシャープレートとの間に挟まれてトルク伝達を
行うためのものであり、その摩擦フェーシング11は、
摩擦材としての第1層71と、摩擦材が摩耗限界付近に
達したことを検出し臭い又は音/振動によってドライバ
ーに警報を発する警報装置としての第2層72とを備え
ている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クラッチディス
ク、特に、車両のクラッチ装置に用いられるものに関す
る。
ク、特に、車両のクラッチ装置に用いられるものに関す
る。
【0002】
【従来の技術】クラッチ装置は、車両のエンジンの出力
側に設けられ、エンジンからのトルクをトランスミッシ
ョン側に断接するための装置である。クラッチ装置は、
エンジンのフライホイールに近接したクラッチディスク
を有するクラッチディスク組立体と、フライホイールに
装着されクラッチディスクをフライホイールに付勢する
ためのクラッチカバー組立体とを主に備えている。クラ
ッチディスク組立体は、クラッチディスクと、トランス
ミッション入力シャフトにスプライン係合するハブフラ
ンジと、両者を回転方向に弾性的に連結するダンパー機
構とを備えている。クラッチカバー組立体は、フライホ
イールに固定されたクラッチカバーと、クラッチディス
クに対向するプレッシャープレートと、クラッチカバー
に支持されプレッシャープレートに弾性力を付与するダ
イヤフラムスプリングとを備えている。
側に設けられ、エンジンからのトルクをトランスミッシ
ョン側に断接するための装置である。クラッチ装置は、
エンジンのフライホイールに近接したクラッチディスク
を有するクラッチディスク組立体と、フライホイールに
装着されクラッチディスクをフライホイールに付勢する
ためのクラッチカバー組立体とを主に備えている。クラ
ッチディスク組立体は、クラッチディスクと、トランス
ミッション入力シャフトにスプライン係合するハブフラ
ンジと、両者を回転方向に弾性的に連結するダンパー機
構とを備えている。クラッチカバー組立体は、フライホ
イールに固定されたクラッチカバーと、クラッチディス
クに対向するプレッシャープレートと、クラッチカバー
に支持されプレッシャープレートに弾性力を付与するダ
イヤフラムスプリングとを備えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなクラッチ装
置では、クラッチ装置の使用限界はクラッチディスク、
より正確にはその摩擦フェーシングの摩耗量で決定され
る。つまり、クラッチディスクの摩耗限界を超えて使用
を続けると、クラッチトルクが低下し、いわゆるクラッ
チ滑り現象が生じてしまう。
置では、クラッチ装置の使用限界はクラッチディスク、
より正確にはその摩擦フェーシングの摩耗量で決定され
る。つまり、クラッチディスクの摩耗限界を超えて使用
を続けると、クラッチトルクが低下し、いわゆるクラッ
チ滑り現象が生じてしまう。
【0004】そのため、運転者は何らかの方法でクラッ
チディスクの磨耗量が限界になったことを知り、クラッ
チディスクを交換する必要がある。一般に、運転者は、
高負荷時にクラッチの滑りをより早く発見する必要があ
る。しかし、摩耗限界に関する判断は運転者の感覚によ
るところが大きいため、正確な判断が保証されているわ
けではない。
チディスクの磨耗量が限界になったことを知り、クラッ
チディスクを交換する必要がある。一般に、運転者は、
高負荷時にクラッチの滑りをより早く発見する必要があ
る。しかし、摩耗限界に関する判断は運転者の感覚によ
るところが大きいため、正確な判断が保証されているわ
けではない。
【0005】本発明の課題は、ドライバーに摩耗限界を
確実に知らせることができるクラッチディスクを提供す
ることにある。
確実に知らせることができるクラッチディスクを提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のクラッ
チディスクは、フライホイールとプレッシャープレート
との間に挟まれてトルク伝達を行うためのものであり、
円板状の摩擦材と、摩擦材が摩耗限界付近に達したこと
を検出し臭い又は音/振動によってドライバーに警報を
発する警報装置とを備えている。
チディスクは、フライホイールとプレッシャープレート
との間に挟まれてトルク伝達を行うためのものであり、
円板状の摩擦材と、摩擦材が摩耗限界付近に達したこと
を検出し臭い又は音/振動によってドライバーに警報を
発する警報装置とを備えている。
【0007】このクラッチディスクでは、警報装置が、
摩擦材が摩耗限界付近に達したことを検出し、臭い又は
音/振動によってドライバーに警報を発するため、ドラ
イバーは摩擦材が摩耗限界付近に達したことを確実に知
ることができる。請求項2に記載のクラッチディスクで
は、請求項1において、警報装置は、摩擦材の摩耗限界
付近の表皮とフライホイール又はプレッシャープレート
の摩擦面との接触を警報する。
摩擦材が摩耗限界付近に達したことを検出し、臭い又は
音/振動によってドライバーに警報を発するため、ドラ
イバーは摩擦材が摩耗限界付近に達したことを確実に知
ることができる。請求項2に記載のクラッチディスクで
は、請求項1において、警報装置は、摩擦材の摩耗限界
付近の表皮とフライホイール又はプレッシャープレート
の摩擦面との接触を警報する。
【0008】このクラッチディスクでは、摩擦材の摩耗
限界付近の表皮とフライホイール又はプレッシャープレ
ートの摩擦面との接触によって、ドライバーは摩擦材が
摩耗限界付近に達したことを確実に知ることができる。
請求項3に記載のクラッチディスクは、請求項1におい
て、摩擦材側回転部材をさらに備えている。警報装置
は、摩擦材側回転部材とフライホイール又はプレッシャ
ープレートの摩擦面との接触を警報する。
限界付近の表皮とフライホイール又はプレッシャープレ
ートの摩擦面との接触によって、ドライバーは摩擦材が
摩耗限界付近に達したことを確実に知ることができる。
請求項3に記載のクラッチディスクは、請求項1におい
て、摩擦材側回転部材をさらに備えている。警報装置
は、摩擦材側回転部材とフライホイール又はプレッシャ
ープレートの摩擦面との接触を警報する。
【0009】このクラッチディスクでは、摩擦材側回転
部材とフライホイール又はプレッシャープレートの摩擦
面との接触によって、ドライバーは摩擦材が摩耗限界付
近に達したことを確実に知ることができる。請求項4に
記載のクラッチディスクでは、請求項1又は2におい
て、警報装置は、摩擦材の摩耗限界付近の表皮とフライ
ホイール又はプレッシャープレートの摩擦面との摺動を
警報する。
部材とフライホイール又はプレッシャープレートの摩擦
面との接触によって、ドライバーは摩擦材が摩耗限界付
近に達したことを確実に知ることができる。請求項4に
記載のクラッチディスクでは、請求項1又は2におい
て、警報装置は、摩擦材の摩耗限界付近の表皮とフライ
ホイール又はプレッシャープレートの摩擦面との摺動を
警報する。
【0010】このクラッチディスクでは、摩擦材の摩耗
限界付近の表皮とフライホイール又はプレッシャープレ
ートの摩擦面との摺動によって、ドライバーは摩擦材が
摩耗限界付近に達したことを知ることができる。この場
合は部品点数が少なくなっている。請求項5に記載のク
ラッチディスクでは、請求項4において、警報は摺動音
/振動である。
限界付近の表皮とフライホイール又はプレッシャープレ
ートの摩擦面との摺動によって、ドライバーは摩擦材が
摩耗限界付近に達したことを知ることができる。この場
合は部品点数が少なくなっている。請求項5に記載のク
ラッチディスクでは、請求項4において、警報は摺動音
/振動である。
【0011】請求項6に記載のクラッチディスクでは、
請求項4において、警報は摺動臭である。請求項7に記
載のクラッチディスクでは、請求項5又は6において、
警報は化学変化によって発生する。請求項8に記載のク
ラッチディスクでは、請求項1において、摩擦材は第1
層と第2層とを有している。第1層は、フライホイール
又はプレッシャープレートの摩擦面側の第1面と、摩耗
限界である第2面とを有している。第2層は、第1層の
第2面に固定されており、化学変化によって発生する臭
い又は音/振動が発生する成分が配合されている。
請求項4において、警報は摺動臭である。請求項7に記
載のクラッチディスクでは、請求項5又は6において、
警報は化学変化によって発生する。請求項8に記載のク
ラッチディスクでは、請求項1において、摩擦材は第1
層と第2層とを有している。第1層は、フライホイール
又はプレッシャープレートの摩擦面側の第1面と、摩耗
限界である第2面とを有している。第2層は、第1層の
第2面に固定されており、化学変化によって発生する臭
い又は音/振動が発生する成分が配合されている。
【0012】このクラッチディスクでは、摩擦材の第1
層の摩耗が第2面付近まで進むと、化学変化によって第
2層から臭い又は音/振動が発生する。これにより、ド
ライバーは摩擦材が摩耗限界付近に達したことを確実に
知ることができる。請求項9に記載のクラッチディスク
では、請求項1において、摩擦材には、フライホイール
又はプレッシャープレートの摩擦面側から反対側に向か
って、化学変化によって臭い又は音が発生する成分が連
続的又は段階的に増加するように配合されている。
層の摩耗が第2面付近まで進むと、化学変化によって第
2層から臭い又は音/振動が発生する。これにより、ド
ライバーは摩擦材が摩耗限界付近に達したことを確実に
知ることができる。請求項9に記載のクラッチディスク
では、請求項1において、摩擦材には、フライホイール
又はプレッシャープレートの摩擦面側から反対側に向か
って、化学変化によって臭い又は音が発生する成分が連
続的又は段階的に増加するように配合されている。
【0013】このクラッチディスクでは、摩擦材の摩耗
が進むと、化学変化によって発生する臭い又は音/振動
が連続的又は段階的に増加していく。これにより、ドラ
イバーは、摩耗限界に達する以前から摩耗の進行を意識
することになり、さらにその状態で摩擦材が摩耗限界付
近に達したことを知ることができるので、摩耗限界を確
実に知ることができる。
が進むと、化学変化によって発生する臭い又は音/振動
が連続的又は段階的に増加していく。これにより、ドラ
イバーは、摩耗限界に達する以前から摩耗の進行を意識
することになり、さらにその状態で摩擦材が摩耗限界付
近に達したことを知ることができるので、摩耗限界を確
実に知ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】(1)構成
図1は、本発明の一実施形態が採用されたクラッチ装置
1を示している。クラッチ装置1は、フライホイール9
からのトルクをトランスミッション側に伝達するための
装置であり、クラッチカバー組立体2と、クラッチディ
スク組立体3とから主に構成されている。図1におい
て、左側に図示しないエンジンが配置され、右側に図示
しないトランスミッションが配置されている。なお、図
1における直線O−Oがクラッチ装置1の回転軸線であ
る。
1を示している。クラッチ装置1は、フライホイール9
からのトルクをトランスミッション側に伝達するための
装置であり、クラッチカバー組立体2と、クラッチディ
スク組立体3とから主に構成されている。図1におい
て、左側に図示しないエンジンが配置され、右側に図示
しないトランスミッションが配置されている。なお、図
1における直線O−Oがクラッチ装置1の回転軸線であ
る。
【0015】クラッチカバー組立体2は、車両のエンジ
ンのフライホイール9から伝達されたトルクを、クラッ
チディスク組立体3に伝達または遮断するための装置で
あり、フライホイール9に取り付けられる。このクラッ
チカバー組立体2は、いわゆるプッシュタイプ式(ダイ
ヤフラムスプリングの内周縁を軸方向エンジン側に押す
ことでクラッチレリーズを行う形式)である。
ンのフライホイール9から伝達されたトルクを、クラッ
チディスク組立体3に伝達または遮断するための装置で
あり、フライホイール9に取り付けられる。このクラッ
チカバー組立体2は、いわゆるプッシュタイプ式(ダイ
ヤフラムスプリングの内周縁を軸方向エンジン側に押す
ことでクラッチレリーズを行う形式)である。
【0016】クラッチディスク組立体3は、クラッチデ
ィスク4と、クラッチディスク4にコイルスプリング6
を介して連結されたハブ7とから主に構成されている。
クラッチディスク4は、1対の円板状摩擦フェーシング
11と、その間に配置されたクッショニングプレート1
2と、両者を互いに固定するリベット13とから構成さ
れている。クラッチディスク4はフライホイール9の摩
擦面9aに近接して配置されている。
ィスク4と、クラッチディスク4にコイルスプリング6
を介して連結されたハブ7とから主に構成されている。
クラッチディスク4は、1対の円板状摩擦フェーシング
11と、その間に配置されたクッショニングプレート1
2と、両者を互いに固定するリベット13とから構成さ
れている。クラッチディスク4はフライホイール9の摩
擦面9aに近接して配置されている。
【0017】クラッチカバー組立体2は、主に、クラッ
チカバー21と、プレッシャープレート22と、ダイヤ
フラムスプリング27と、図示しないストラッププレー
トとから構成されている。クラッチカバー21は、フラ
イホイール9に取り付けられる皿形状の部材である。ク
ラッチカバー21は、フライホイール9の摩擦面9aに
対して軸方向に対向する円板状部材であり、内周側部2
1aと、外周側部21bとを有している。外周側部21
bはボルト30を介してフライホイール9の外周部に固
定されている。
チカバー21と、プレッシャープレート22と、ダイヤ
フラムスプリング27と、図示しないストラッププレー
トとから構成されている。クラッチカバー21は、フラ
イホイール9に取り付けられる皿形状の部材である。ク
ラッチカバー21は、フライホイール9の摩擦面9aに
対して軸方向に対向する円板状部材であり、内周側部2
1aと、外周側部21bとを有している。外周側部21
bはボルト30を介してフライホイール9の外周部に固
定されている。
【0018】プレッシャープレート22は、クラッチデ
ィスク4とクラッチカバー21の内周側部21aとの間
でクラッチディスク4に近接して配置されている。プレ
ッシャープレート22は環状の部材であり、鋳鉄などか
ら作られている。プレッシャープレート22は、クラッ
チディスク4に対向する摩擦面22aと、クラッチカバ
ー21に対向する第2側面22bとを有している。第2
側面22bには、外周側に複数の弧状の突起22cが形
成されている。
ィスク4とクラッチカバー21の内周側部21aとの間
でクラッチディスク4に近接して配置されている。プレ
ッシャープレート22は環状の部材であり、鋳鉄などか
ら作られている。プレッシャープレート22は、クラッ
チディスク4に対向する摩擦面22aと、クラッチカバ
ー21に対向する第2側面22bとを有している。第2
側面22bには、外周側に複数の弧状の突起22cが形
成されている。
【0019】ストラッププレートは、プレッシャープレ
ート22をクラッチカバー21に対して連結するための
部材である。各ストラッププレートは、軸方向に重ねて
並べられた複数の細長い板状弾性部材からなり、円周方
向に等間隔で複数箇所に設けられている。これにより、
プレッシャープレート22は、クラッチカバー21に対
して軸方向に移動可能であるが、一体回転するようにな
っている。なお、クラッチ連結中には、ストラッププレ
ートは、プレッシャープレート22に対してフライホイ
ール9側から離れるように付勢力を与えている。
ート22をクラッチカバー21に対して連結するための
部材である。各ストラッププレートは、軸方向に重ねて
並べられた複数の細長い板状弾性部材からなり、円周方
向に等間隔で複数箇所に設けられている。これにより、
プレッシャープレート22は、クラッチカバー21に対
して軸方向に移動可能であるが、一体回転するようにな
っている。なお、クラッチ連結中には、ストラッププレ
ートは、プレッシャープレート22に対してフライホイ
ール9側から離れるように付勢力を与えている。
【0020】ダイヤフラムスプリング27は、クラッチ
カバー21に支持され、プレッシャープレート22をフ
ライホイール9側に押圧するための部材である。ダイヤ
フラムスプリング27は概ね円板形状である。ダイヤフ
ラムスプリング27は、環状の弾性部27aと、そこか
ら内周側に延びる複数のレバー部27bが延びている。
すなわち、ダイヤフラムスプリング27には大径の中心
孔が形成されその内周縁から放射状に延びる複数のスリ
ット27cが形成されている。スリット27cの半径方
向外側端すなわちレバー部27bの根元部分には、スリ
ット27cより円周方向幅の広い小判孔27dが形成さ
れている。ダイヤフラムスプリング27の弾性部27a
の外周縁はプレッシャープレート22に形成された突起
22cに当接している。弾性部27aの内周縁は、一対
のワイヤリング25によって軸方向両側を支持されてい
る。一対のワイヤリング25は、クラッチカバー21に
固定されダイヤフラムスプリング27の小判孔27dを
通過するスタッドピン29に支持されている。このよう
にして、ダイヤフラムスプリング27は、クラッチカバ
ー21に支持されて、プレッシャープレート22に対し
て軸方向エンジン側にセット荷重を与えている。
カバー21に支持され、プレッシャープレート22をフ
ライホイール9側に押圧するための部材である。ダイヤ
フラムスプリング27は概ね円板形状である。ダイヤフ
ラムスプリング27は、環状の弾性部27aと、そこか
ら内周側に延びる複数のレバー部27bが延びている。
すなわち、ダイヤフラムスプリング27には大径の中心
孔が形成されその内周縁から放射状に延びる複数のスリ
ット27cが形成されている。スリット27cの半径方
向外側端すなわちレバー部27bの根元部分には、スリ
ット27cより円周方向幅の広い小判孔27dが形成さ
れている。ダイヤフラムスプリング27の弾性部27a
の外周縁はプレッシャープレート22に形成された突起
22cに当接している。弾性部27aの内周縁は、一対
のワイヤリング25によって軸方向両側を支持されてい
る。一対のワイヤリング25は、クラッチカバー21に
固定されダイヤフラムスプリング27の小判孔27dを
通過するスタッドピン29に支持されている。このよう
にして、ダイヤフラムスプリング27は、クラッチカバ
ー21に支持されて、プレッシャープレート22に対し
て軸方向エンジン側にセット荷重を与えている。
【0021】さらに、ダイヤフラムスプリング27の小
判孔27d内には、クラッチカバー21に固定されたス
タッドピン29が挿入されており、この係合によって、
ダイヤフラムスプリング27はクラッチカバー21と一
体回転するようになっている。図示しないレリーズ装置
は、ダイヤフラムスプリング27によるプレッシャープ
レート22への押圧力を解除してクラッチのレリーズを
行うための装置である。レリーズ装置は、たとえば、ダ
イヤフラムスプリング27のレバー部27bに対して軸
方向トランスミッション側から当接するレリーズベアリ
ング(図示せず)を有している。
判孔27d内には、クラッチカバー21に固定されたス
タッドピン29が挿入されており、この係合によって、
ダイヤフラムスプリング27はクラッチカバー21と一
体回転するようになっている。図示しないレリーズ装置
は、ダイヤフラムスプリング27によるプレッシャープ
レート22への押圧力を解除してクラッチのレリーズを
行うための装置である。レリーズ装置は、たとえば、ダ
イヤフラムスプリング27のレバー部27bに対して軸
方向トランスミッション側から当接するレリーズベアリ
ング(図示せず)を有している。
【0022】(2)動作
クラッチ連結状態では、ダイヤフラムスプリング27が
プレッシャープレート22をエンジン側に付勢してい
る。これにより、プレッシャープレート22はフライホ
イール9との間にクラッチディスク組立体3のクラッチ
ディスク4を挟持している。
プレッシャープレート22をエンジン側に付勢してい
る。これにより、プレッシャープレート22はフライホ
イール9との間にクラッチディスク組立体3のクラッチ
ディスク4を挟持している。
【0023】クラッチレリーズ時には、レリーズ装置が
ダイヤフラムスプリング27のレバー部27bの先端を
軸方向エンジン側に押し込み、弾性部27aからプレッ
シャープレート22への押圧力が解除される。すると、
ストラッププレートの反力により、プレッシャープレー
ト22が軸方向トランスミッション側に移動する。この
結果、プレッシャープレート22からクラッチディスク
組立体3のクラッチディスク4に対する押圧力が解除さ
れる。
ダイヤフラムスプリング27のレバー部27bの先端を
軸方向エンジン側に押し込み、弾性部27aからプレッ
シャープレート22への押圧力が解除される。すると、
ストラッププレートの反力により、プレッシャープレー
ト22が軸方向トランスミッション側に移動する。この
結果、プレッシャープレート22からクラッチディスク
組立体3のクラッチディスク4に対する押圧力が解除さ
れる。
【0024】(3)クラッチディスクの詳細構造
図2を用いて、クラッチディスク4について詳細に説明
する。クラッチディスク4の一対の摩擦フェーシング1
1は、円環状のプレートであって、各々、第1層71
と、その軸方向内側に一体に形成された第2層72とか
ら構成されている。
する。クラッチディスク4の一対の摩擦フェーシング1
1は、円環状のプレートであって、各々、第1層71
と、その軸方向内側に一体に形成された第2層72とか
ら構成されている。
【0025】第1層71は通常の摩擦フェーシングを構
成する材料から構成されている。また、第1層71の板
厚(軸方向長さ)は、このクラッチディスク4の摩耗限
界として設定されている。第2層72は、その材料内
に、通常発進時の摩擦面温度レベル(約200℃)で臭
いを発生するイオウ化合物を含んでいる。つまり、第1
層71が摩耗によって無くなり第2層72が表面に露出
すると、第2層72の表皮は、プレッシャープレート2
2の摩擦面22a又はフライホイール9の摩擦面9aと
の接触(より具体的には摺動)によって臭いを発生させ
る。この臭いによって、運転者は磨耗限界を確実に知る
ことができる。
成する材料から構成されている。また、第1層71の板
厚(軸方向長さ)は、このクラッチディスク4の摩耗限
界として設定されている。第2層72は、その材料内
に、通常発進時の摩擦面温度レベル(約200℃)で臭
いを発生するイオウ化合物を含んでいる。つまり、第1
層71が摩耗によって無くなり第2層72が表面に露出
すると、第2層72の表皮は、プレッシャープレート2
2の摩擦面22a又はフライホイール9の摩擦面9aと
の接触(より具体的には摺動)によって臭いを発生させ
る。この臭いによって、運転者は磨耗限界を確実に知る
ことができる。
【0026】(4)変形例
通常発進レベルの摩擦面温度でも臭いを発生させるた
めの材料の種類や含有方法は、前記実施形態に限定され
ない。 摩擦フェーシングを一つの層として構成し、摩擦面側
から反対側に向かってイオウ化合物が連続的又は段階的
に増加するようにしてもよい。この場合は、摩耗限界に
達する以前からドライバーは摩耗の進行を意識すること
になり、さらにその状態で摩擦材が摩耗限界付近に達し
たことを知ることができるので、確実に摩耗限界を知る
ことができる。
めの材料の種類や含有方法は、前記実施形態に限定され
ない。 摩擦フェーシングを一つの層として構成し、摩擦面側
から反対側に向かってイオウ化合物が連続的又は段階的
に増加するようにしてもよい。この場合は、摩耗限界に
達する以前からドライバーは摩耗の進行を意識すること
になり、さらにその状態で摩擦材が摩耗限界付近に達し
たことを知ることができるので、確実に摩耗限界を知る
ことができる。
【0027】摩耗限界を知らせる警報は、臭いには限
定されず、音や振動であってもよい。具体的には、第2
層に、プレッシャープレートやフライホイールの摩擦面
と接触・摺動すると音や振動を発生する硬度の高い部材
を配置することが考えられる。また、第2層に、プレッ
シャープレートやフライホイールの摩擦面と接触・摺動
すると音や振動を発生する成分を前記実施形態と同様に
配合してもよい。
定されず、音や振動であってもよい。具体的には、第2
層に、プレッシャープレートやフライホイールの摩擦面
と接触・摺動すると音や振動を発生する硬度の高い部材
を配置することが考えられる。また、第2層に、プレッ
シャープレートやフライホイールの摩擦面と接触・摺動
すると音や振動を発生する成分を前記実施形態と同様に
配合してもよい。
【0028】さらに、摩擦材とは別の部材である摩擦
材側回転部材がフライホイール又はプレッシャープレー
トの摩擦面と接触して警報を発生するようにしてもよ
い。摩擦材側回転部材としては、一対の摩擦フェーシン
グを互いに固定するリベットやクッショニングプレート
であってもよいし、又はこれら部材に特別に装着された
臭い又は音を発生するための部材でもよい。
材側回転部材がフライホイール又はプレッシャープレー
トの摩擦面と接触して警報を発生するようにしてもよ
い。摩擦材側回転部材としては、一対の摩擦フェーシン
グを互いに固定するリベットやクッショニングプレート
であってもよいし、又はこれら部材に特別に装着された
臭い又は音を発生するための部材でもよい。
【0029】(5)他の実施形態
さらに、本発明は、前記実施形態で示したクラッチディ
スクの具体的な構造に限定されない。例えば、前記実施
形態では一対の摩擦フェーシングの間にクッショニング
プレートを配置したクラッチディスクを説明したが、ク
ッショニングプレートを有さないクラッチディスクにも
本発明を適用できる。また、クラッチカバー組立体に
は、摩耗補償機構を有するものであってもよい。
スクの具体的な構造に限定されない。例えば、前記実施
形態では一対の摩擦フェーシングの間にクッショニング
プレートを配置したクラッチディスクを説明したが、ク
ッショニングプレートを有さないクラッチディスクにも
本発明を適用できる。また、クラッチカバー組立体に
は、摩耗補償機構を有するものであってもよい。
【0030】
【発明の効果】本発明に係るクラッチディスクでは、警
報装置が、摩擦材が摩耗限界付近に達したことを検出
し、臭い又は音/振動によってドライバーに警報を発す
るため、ドライバーは摩擦材が摩耗限界付近に達したこ
とを確実に知ることができる。
報装置が、摩擦材が摩耗限界付近に達したことを検出
し、臭い又は音/振動によってドライバーに警報を発す
るため、ドライバーは摩擦材が摩耗限界付近に達したこ
とを確実に知ることができる。
【図1】本発明の第1実施形態が採用されたクラッチ装
置の縦断面概略図。
置の縦断面概略図。
【図2】本発明に係るクラッチディスクの縦断面図。
1 クラッチ装置
2 クラッチカバー組立体
3 クラッチディスク組立体
4 クラッチディスク
11 摩擦フェーシング
21 クラッチカバー
22 プレッシャープレート
23 フルクラムリング
27 ダイヤフラムスプリング
71 第1層
72 第2層
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 3J056 AA58 BA02 BD24 BD33 BE17
CA04 CA15 EA03 EA13 EA21
GA02
3J058 AA48 AA53 AA57 BA60 CA44
CB20 DB12 DB14 DB16 FA01
GA22 GA93
Claims (9)
- 【請求項1】フライホイールとプレッシャープレートと
の間に挟まれてトルク伝達を行うためのクラッチディス
クであって、 円板状の摩擦材と、 前記摩擦材が摩耗限界付近に達したことを検出し、臭い
又は音/振動によってドライバーに警報を発する警報装
置と、を備えたクラッチディスク。 - 【請求項2】前記警報装置は、前記摩擦材の摩耗限界付
近の表皮と前記フライホイール又は前記プレッシャープ
レートの摩擦面との接触を警報する、請求項1に記載の
クラッチディスク。 - 【請求項3】摩擦材側回転部材をさらに備え、 前記警報装置は、前記摩擦材側回転部材と前記フライホ
イール又は前記プレッシャープレートの摩擦面との接触
を警報する、請求項1に記載のクラッチディスク。 - 【請求項4】前記警報装置は、前記摩擦材の摩耗限界付
近の表皮と前記フライホイール又は前記プレッシャープ
レートの摩擦面との摺動を警報する、請求項1又は2に
記載のクラッチディスク。 - 【請求項5】前記警報は摺動音/振動である、請求項4
に記載のクラッチディスク。 - 【請求項6】前記警報は摺動臭である、請求項4に記載
のクラッチディスク。 - 【請求項7】前記警報は化学変化によって発生する、請
求項5又は6に記載のクラッチディスク。 - 【請求項8】前記摩擦材は第1層と第2層とを有し、 前記第1層は、前記フライホイール又は前記プレッシャ
ープレートの摩擦面側の第1面と、摩耗限界である第2
面とを有し、 前記第2層は、前記第1層の第2面に固定されており、
化学変化によって発生する臭い又は音/振動が発生する
成分が配合されている、請求項1に記載のクラッチディ
スク。 - 【請求項9】前記摩擦材には、前記フライホイール又は
前記プレッシャープレートの摩擦面側から反対側に向か
って、化学変化によって臭い又は音が発生する成分が連
続的又は段階的に増加するように配合されている、請求
項1に記載のクラッチディスク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002134394A JP2003322175A (ja) | 2002-05-09 | 2002-05-09 | クラッチディスク |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002134394A JP2003322175A (ja) | 2002-05-09 | 2002-05-09 | クラッチディスク |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003322175A true JP2003322175A (ja) | 2003-11-14 |
Family
ID=29544850
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002134394A Pending JP2003322175A (ja) | 2002-05-09 | 2002-05-09 | クラッチディスク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003322175A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2002-05-09 JP JP2002134394A patent/JP2003322175A/ja active Pending
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060926 |
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A02 | Decision of refusal |
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