JP2003321950A - 祭壇付き複合墓碑及びその製造方法 - Google Patents

祭壇付き複合墓碑及びその製造方法

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JP2003321950A JP2002128036A JP2002128036A JP2003321950A JP 2003321950 A JP2003321950 A JP 2003321950A JP 2002128036 A JP2002128036 A JP 2002128036A JP 2002128036 A JP2002128036 A JP 2002128036A JP 2003321950 A JP2003321950 A JP 2003321950A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 墓碑自体の構造を改良し、墓地に埋葬されて
いる故人への充分な供養を行えるようにする。 【解決手段】 前面が開口された石材からなる箱状の墓
碑本体5を形成すると共に、墓碑本体5と略同形状の金
属製の墓碑副本体6を形成し、つぎに、墓碑副本体6の
下側において、祭壇8の左右の両側面、底面、背面を、
装飾の施された磁器製の壁材8a〜8cで形成すると共
に、格子状の骨組み9にガラス板を貼着して祭壇の天井
板9を形成し、さらに、観音開きの格子戸10a〜10
dにガラス板10,…を貼着して祭壇の開き戸10を形
成し、続いて、墓碑副本体6の上部及び祭壇8に照明装
置12a,12bを設置すると共に、音声発生装置13
を設置した後、墓碑副本体6の前面開口部の上側にガラ
ス板の墓碑銘板7を取り付け、最後に、墓碑本体5に墓
碑副本体6を内装する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家名や家紋など墓
碑銘の記された墓碑本体に改良を加え、故人への思いや
りの気持ちと、墓参者に対する慰めの気持ちとを付与し
た祭壇付き複合墓碑及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の墓碑は、例えば、図8に示すよう
に、墓地に載置される墓碑台90と、該墓碑台90に立
設された墓碑本体91とから構成されている。
【0003】また、昨今では、例えば、特許第2707
219号に示すように、屋内に安置された仏壇に納骨台
及び墓碑が組み込まれ、さらに、仏壇と墓碑とがスライ
ド機構によって参拝者の正面に位置するように構成され
ているものが公知になっている。そして、墓碑の建立費
用を安価にし、故人を身近に安置して、自宅でいつでも
仏壇の参拝と墓参りとができるようになっている。
【0004】さらに、特開2001−49903号に示
すように、既存の墓碑の近傍に、発光ダイオードを有す
る照明装置と、読経を発生させる音声発生装置と、照明
装置及び音声発生装置の制御装置とが設置されているも
のも公知になっている。そして、墓碑を発光ダイオード
によって照射し、発光ダイオードの発光色を参拝する人
の気分によって変化させてみたり、読経を連動させたり
して、墓碑を照明や音声によって装飾して故人を慰めよ
うとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の墓碑の場合、建立する費用が高価であることに加
え、墓碑に故人の名前や没年月日を表記しているだけで
は、故人を慰めるには不十分であるという問題がある。
【0006】また、前記特許第2707219号は、仏
壇を参拝する場合と、お墓参りする場合とに応じて、仏
壇と墓碑をスライドさせて参拝者の正面に適宜位置させ
る必要があり、その作業が煩雑で、構造が複雑になる。
しかも、大きな重量を有する墓碑を支持する強度が必要
になると共に、墓碑をスライドさせるのが困難である。
そして、墓碑自体の構造には、何ら工夫はされておら
ず、故人を慰めるには不十分であるという問題がある。
【0007】さらに、前記特開2001−49903号
の場合、墓碑を発光ダイオードによって照射したり、読
経を連動させたりしているが、前記と同様に、墓碑自体
の構造に工夫がないため、照明や音声によって墓碑を装
飾しても、埋葬されている故人への慰めになるとは言い
がたい。
【0008】そこで、本発明は上記問題点に鑑み、墓碑
自体の構造を改良し、墓地に埋葬されている故人への充
分な供養を行うことができる祭壇付き複合墓碑及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の祭壇付き複合墓碑は、請求項1に示す如
く、墓地に載置される墓碑台の上に、墓碑銘が記された
柱状の墓碑本体と、祭壇とが組み合わされて立設されて
なるものである。
【0010】例えば、既存の石材からなる墓碑本体に、
種々の宗教や宗派に応じた祭壇を組み合わせれば、故人
の信仰する宗教や宗派が判別できると共に、故人への供
養にもなりうる。
【0011】さらに、請求項2に示す如く、墓碑本体、
又は、祭壇の少なくともいずれか一つに照明装置を設置
してもよい。
【0012】そうすれば、墓碑本体又は祭壇を照射する
ことで、光で装飾できる。
【0013】また、本発明の祭壇付き複合墓碑は、請求
項3示す如く、墓地に載置される墓碑台の上に、前面の
開口された縦長の箱状の墓碑本体が立設され、しかも、
墓碑本体の前面開口部の上側には、墓碑銘の記された墓
碑銘板が取り付けられ、さらに、墓碑本体の前面開口部
の下側には、祭壇が設けられてなるものである。
【0014】例えば、金属板によって墓碑本体を形成す
れば、石材からなる柱状の墓碑本体に比して軽量化でき
る。さらに、墓碑本体に刻印される墓碑銘を墓碑銘板に
印刷すれば、石工のような専門職の高度の技術は必要な
く、誰にでも容易に墓碑銘を墓碑本体に記すことができ
ると共に、手掘りの墓碑銘に比して大幅にコストを低減
できる。加えて、箱状の墓碑本体に祭壇を設けるだけで
よく、墓碑本体と祭壇とが容易に一体化できる。
【0015】さらに、請求項4に示す如く、墓碑本体、
祭壇、墓碑銘板のうち少なくともいずれか一つに照明装
置を設置するようにしてもよい。
【0016】例えば、墓碑本体の全体を照射してもよい
し、祭壇の内部を照射してもよいし、墓碑銘板を外部か
ら照射してもよい。しかも、墓碑本体、祭壇、墓碑銘板
のうち少なくともいずれか一つでも照射することで、墓
石だけが設置されている墓地の暗いイメージが一掃され
て明るく温かみのある墓地になり、故人への供養、墓参
する人の心の慰めになる。
【0017】また、本発明の祭壇付き複合墓碑は、請求
項5に示す如く、墓碑本体に石材が使用されると共に、
墓碑銘板にガラス板が使用され、さらに、祭壇の左右の
両側面、底面、背面にそれぞれ磁器製の壁材が使用さ
れ、しかも、墓碑本体には、墓碑本体と略同形状の金属
製の箱状の墓碑副本体が内装され、さらに、祭壇の左右
の両側壁、底壁、背壁が、墓碑副本体の左右の両側板、
底板、背板にそれぞれ貼着され、祭壇の天井部が、祭壇
の上面を覆った格子状の骨組みと、該骨組みに貼着され
たガラス製の天井板とで構成されると共に、祭壇の前面
開口部を開閉する開き戸が、観音開きに構成された左右
の格子戸と、該両格子戸の骨組みにそれぞれ貼着された
ガラス板とで構成され、加えて、照明装置が墓碑副本体
の上部及び祭壇に設置されてなるものである。
【0018】したがって、墓碑本体に石材を使用するこ
とで、日本古来の石の墓碑を表現できる。また、墓碑銘
板にガラス板を使用することで、太陽光や照明の光を墓
碑銘板に透過させたり、反射させたりして、従来になか
った墓石の装飾を醸し出すことができる。さらに、祭壇
の左右の両側面、底面、背面にそれぞれ装飾された磁器
製の壁材を使用することで、耐久性及び耐候性に優れ、
従来の祭壇と同様の装飾も各壁材に施せる。
【0019】また、墓碑本体を石材とした場合、墓碑本
体の内面を加工するのが困難になるため、墓碑本体と略
同形状の金属性の墓碑副本体を墓碑本体に内装すること
で、墓碑副本体に墓碑銘板や祭壇を一体化すれば、墓碑
本体との組み合わせが容易になる。上述したように、墓
碑を二層構造にすることで、祭壇を外部へ設置するため
の耐久性及び耐候性の性能を容易に付加できると共に、
短時間で組立が可能となる。
【0020】さらに、祭壇の天井部を、祭壇の上面を覆
った格子状の骨組みと、該骨組みに貼着されたガラス製
の天井板とで構成すると共に、祭壇の前面開口部を開閉
する開き戸を、観音開きに構成された左右の格子戸と、
該両格子戸の骨組みにそれぞれ貼着されたガラス板とで
構成すれば、墓碑副本体の上部に設置された照明装置の
光が、天井部のガラス板から透過し、祭壇内部を照射す
る一方、祭壇に設置された照明装置の光と融和し、本願
特有の光の装飾が表現される。また、墓碑副本体の上部
及び祭壇に設置された照明装置の融和した光が、祭壇の
各壁材の装飾をより一層引き立たせることになる。その
上、各格子戸のガラス板からは融和した照明装置の光が
外部に透過することになり、墓参する人を魅了する。
【0021】さらに、請求項6に示す如く、墓碑副本体
の左右の両側板及び底板に、墓碑本体の左右の両側壁及
び底壁に当接して、墓碑本体と墓碑副本体との間隔を調
整する調整ボルトを配設するのがよい。
【0022】よって、墓碑副本体の左右の両側板及び底
板と、墓碑本体の左右の両側壁及び底壁との隙間が略均
一になり、墓碑本体に墓碑副本体がバランスよく内装さ
れる。
【0023】加えて、請求項7に示す如く、墓碑本体の
前面開口端部と、墓碑副本体の前面開口端部との隙間
に、コーキング剤を充填するのが好ましい。
【0024】そうすれば、墓碑本体の前面開口端部と、
墓碑副本体の前面開口端部との隙間をコーキング剤によ
って覆うことができ、雨水などによって腐食しやすい墓
碑副本体を保護できる。さらに、全体の構成として、前
方からの雨水の浸水や潮風による塩害を防止でき、錆、
黴に対して耐久性があり、長寿命化が図かれる。
【0025】そして、請求項8に示す如く、墓碑本体の
前面開口端部と、祭壇の前面開口端部との間に、祭壇の
雨よけ兼日よけの領域を形成するのが望ましい。
【0026】したがって、雨よけ兼日よけの領域を形成
することによって、祭壇の前面開口部の位置が墓碑本体
の前面開口部の位置よりも後方に位置することになり、
雨水が祭壇に直接浸水するのを防止できると共に、日射
による紫外線から祭壇を保護でき、祭壇の構成部材の劣
化を阻止できる。
【0027】また、請求項9に示す如く、墓碑本体の左
右の両側壁及び天井壁と、墓碑副本体の左右の両側板及
び天板との隙間を枠体によって覆蔽し、さらに、墓碑本
体の底壁と墓碑副本体の底板との隙間、及び、祭壇の雨
よけ兼日よけの領域を、祭壇の底壁に連設されたエプロ
ンによって覆蔽するのがよい。
【0028】この場合、枠体によって、墓碑本体の左右
の両側壁及び天井壁と、墓碑副本体の左右の両側板及び
天板との隙間からの浸水が防止される。さらに、エプロ
ンによって、墓碑本体の底壁と墓碑副本体の底板との隙
間からの浸水を防止する一方、祭壇の雨よけ兼日よけの
領域を雨水や日射から保護できる。加えて、枠体及びエ
プロンによって、外部からの見栄えがよくなる。
【0029】さらに、請求項10に示す如く、祭壇のエ
プロンに、祭壇の開き戸の開放状態を保持する保持部材
を取り付けるのが好ましい。
【0030】例えば、祭壇の開き戸にフックを設け、エ
プロンに引掛け具を取り付け、フックを引掛け具に引掛
けて祭壇の開き戸を開放状態に保持すれば、風のきつい
日でも、祭壇の開き戸を開放した状態で、祭壇の内部の
清掃、墓参が行える。
【0031】加えて、請求項11に示す如く、祭壇の底
壁に、祭壇の前面開口部に向かって下降傾斜する水勾配
を形成し、祭壇の底壁に、祭壇の底壁から外部に連通す
る水抜き兼空気流路を形成するのが望ましい。
【0032】したがって、祭壇の底壁から外部に連通す
る水抜き兼空気流路によって、雨季の場合でも、祭壇内
部に雨水が溜まることがなく、その上、通気性も確保さ
れるため、湿気による祭壇内部の防黴対策になる。
【0033】また、請求項12に示す如く、ろうそくや
線香などの備品を載置するための載置板に磁器又は石材
を使用し、該載置板を祭壇の壇部に敷設するのがよい。
【0034】例えば、ろうそくや線香を載置板に載せて
も、ろうそくの蝋や線香の灰が載置板に落ちることによ
って、載置板が損傷することがなく、劣化防止にもな
る。さらに、載置板を洗剤で洗浄しても傷めることはな
い。
【0035】さらに、請求項13に示す如く、祭壇に芳
香剤、又は、芳香剤の混合された溶液の収容容器を設け
るのが好ましい。
【0036】よって、祭壇内部に芳香剤が充満し、祭壇
の開き戸を開放した際、祭壇内部から香りが自然に洩れ
出るようになり、墓参する人に安堵感を与える。
【0037】そして、請求項14に示す如く、祭壇の開
き戸の開放動作にレバーを連動させて、芳香剤の溶液の
収容容器の芳香剤をノズルから噴霧させる。
【0038】例えば、祭壇の開き戸に収容容器のレバー
を連結し、祭壇の開き戸の開放動作にレバーを連動さ
せ、収容容器のノズルから所定量の抹香の芳香剤を外部
に噴霧するようにすれば、墓参する人の心が安らぐこと
になる。また、故人の好みの香りの芳香剤を噴霧すれ
ば、墓参する人が故人の在りし日をしのぶことにもな
る。
【0039】加えて、請求項15に示す如く、故人の
声、宗教や宗派の読経、回向、訓示、音楽のうちいずれ
か一つ、又は、これらの組み合わせが収録された記録媒
体を再生する音声発生装置を付設するのが望ましい。
【0040】例えば、故人の声で録音された遺言、伝
言、訓示、を墓参する際に聴くことができる。また、宗
教や宗派の教えを聞くことで、墓参する人の励ましにも
なる。さらに、故人の好みの音楽をながすことで、故人
への慰めになる。
【0041】また、本発明の祭壇付き複合墓碑の製造方
法は、請求項16に示す如く、前面が開口された石材か
らなる箱状の墓碑本体を形成すると共に、墓碑本体と略
同形状の金属製の墓碑副本体を形成し、つぎに、墓碑副
本体の下側に祭壇を設け、さらに、墓碑副本体の上部及
び祭壇に照明装置を設置し、その後、墓碑副本体の前面
開口部の上側に、ガラス板の墓碑銘板を取り付け、最後
に、墓碑本体に墓碑副本体を内装するようにしたもので
ある。
【0042】石材からなる墓碑本体に祭壇や照明装置を
直接設置するのではなく、設置しやすい金属製の墓碑副
本体に、祭壇及び照明装置を一体化させた後、墓碑本体
に墓碑副本体を内装することで、従来にはなかった二層
構造の墓碑が効率よく、且つ、安価に製造可能になる。
【0043】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態について説明
する。本発明の祭壇付き複合墓碑は、墓碑銘が記された
柱状の墓碑本体と、祭壇とが組み合わされて、墓地に載
置される墓碑台の上に立設され、さらに、墓碑本体、又
は、祭壇の少なくともいずれか一つに照明装置が設置さ
れている。
【0044】そして、墓碑本体と組み合わされた祭壇に
よって故人を供養すると共に、照明装置によって故人の
墓、及び、墓参する人の心を慰める。
【0045】
【実施例】つぎに一実施例について図1〜図7を参照し
て説明する。本発明の祭壇付き複合墓碑は、墓地に載置
される墓碑台1と、該墓碑台1に立設された墓碑本体5
と、該墓碑本体5に内装された墓碑副本体6と、該墓碑
副本体6の上側に取り付けられた墓碑銘板7と、墓碑副
本体6の下側に設けられた祭壇8と、墓碑副本体6の上
部及び祭壇8にそれぞれ配設された照明装置12と、祭
壇8に付設された音声発生装置13と、照明装置12及
び音声発生装置13の制御装置14と、照明装置12、
音声発生装置13、制御装置14の供給電源部15とか
ら構成されている。
【0046】墓碑台1は、墓碑台本体2と、平板状の蓋
板3及び枠状の敷板4とから構成され、墓地に埋設され
た納骨部を覆うべく設置されている。さらに、墓碑台本
体2は、横長の直方体形状の箱体を呈し、その上面及び
底面が開口され、墓碑台本体2の上面開口部及び底面開
口部が蓋板3及び敷板4によって閉塞されている。
【0047】墓碑本体5は、前面が開口された縦長の直
方体形状の箱体を呈している。墓碑本体5を構成する左
右の両側の側壁5a,5a、背壁5b、底壁5c、天井
壁5dは、石材からなる四角柱体を刳り貫いて形成され
ている。この墓碑本体5は、支持台5eを介して墓碑台
1の蓋板3の上に立設されている。
【0048】墓碑副本体6は、墓碑本体5と略同形状の
ステンレス製の箱状を呈し、墓碑本体5よりもやや小さ
く形成されている。しかも、墓碑副本体6は、左右の両
側板6a,6a、底板6c、には、墓碑本体5の左右の
両側壁5a,5a及び底壁5cに当接して、墓碑本体5
と墓碑副本体6との間隔を調整する調整ボルト50,…
が配設されている。そして、各調整ボルト50,…によ
って、墓碑本体5の底壁5cと、墓碑副本体6の底板6
cとが平行になるように調整され、墓碑本体5の底壁5
c及び墓碑副本体6の底板6cが設置面に対して略水平
になるように調整される。さらに、墓碑本体5の左右の
両側壁5a,5aと、墓碑副本体6の左右の両側板6
a,6aとが平行になるように調整され、墓碑本体5の
両側壁5a,5a及び墓碑副本体6の両側板6a,6a
が設置面に対して略垂直になるように調整される。
【0049】墓碑銘板7は、矩形状のガラス板からな
る。該ガラス板には、故人の家名や家紋、戒名、事績、
梵字、宗教名や宗派名などのうちいずれか一つ、又は、
これらの組み合わせがエッチングにより刻印される。さ
らに、墓碑銘板7の周縁部に飾り枠がエッチングにより
刻印される(図示せず)。加えて、墓碑銘板7の上縁部
が墓碑副本体6の天井板6dに回動自在に支持され、墓
碑副本体6の前面開口部の上側を開閉可能に閉塞し、墓
碑銘板7の下端部に錠前7aが取り付けられている。こ
の錠前7aは、故人の親族のみが有する鍵以外では開放
できないようになっている。
【0050】祭壇8は、仏壇から構成され、該仏壇は、
壁部としての左右の両側壁8a,8a、背壁8bと、底
壁8c、両側壁8a,8a及び背壁8bで囲繞された上
面開口部を覆う天井部9と、両側壁8a,8a、底壁8
c、天井部9で囲繞された前面開口部を開閉する開き戸
10と、仏像、位牌、備品が安置される祭壇8の内装部
20とを備えている。
【0051】各壁部8a〜8cは、装飾の施された磁器
製の壁材が使用され、墓碑副本体6の前面開口部の下側
において、墓碑副本体6の左右の両側板6a,6a、背
板6b、底板6cに、切断加工された各壁材が貼着さ
れ、祭壇8の左右の両側壁8a,8a、背壁8b、底壁
8cが形成されている。
【0052】祭壇8の天井部9は、祭壇8の上面開口部
に架設された格子状の骨組み9aと、該骨組み9aに貼
着されたガラス製の天井板9bと、該天井板9bに貼着
されたフィルム9cとを具備している。このフィルム9
cは、仏教的絵画が描かれており、照明装置12の光が
透過するようになっている。祭壇8の上面開口部は、祭
壇8の各壁部8a〜8cで囲繞された平面視矩形状を呈
している。
【0053】祭壇8の開き戸10は、祭壇8の前面開口
部を覆うべく並設された四つの格子戸10a,…を備え
ている。各格子戸10a,…は、矩形状の枠体10b
と、該枠体10bに設けられた格子状の骨組み10c
と、枠体10b及び骨組み10cに装着された強化ガラ
ス板10dとを有している。さらに、格子戸10a,1
0aが二つ一組で構成されるべく、隣接する格子戸10
a,10aの枠体10b,10bが蝶番(図示せず)に
よって連結されて折畳み可能に構成されている。加え
て、枠体10b及び骨組み10cにフッ素焼付け塗装が
施された後、メッキ処理が施されている。そして、各格
子戸10a,…を閉じた際、祭壇8の前面開口部の中央
部において隣接する両格子戸10a,10aには、錠前
11が取り付けられており、故人の親族のみが有する鍵
以外では開放できないようになっている。また、枠体1
0bには、各格子戸10a,…の開いた状態を検知する
リミットスイッチ(図示せず)が設けられている。
【0054】祭壇8の内装部20には、左右に引出し2
1a,21aが設けられた壇部としての基壇21と、該
基壇21の後部に設けられた階段22と、該階段22の
最上段に所定の間隔をおいて立設された複数本の支柱2
3,…と、基壇21の前部の両側にそれぞれ設置された
照明装置12としてのろうそく灯12bと、芳香剤の混
合された溶液を収容した収容容器24と、ろうそく灯1
2b及び音声発生装置13の制御装置14とを備えてい
る。
【0055】基壇21及び各引出し21a,21aは、
フッ素焼付け塗装が施されている。さらに、各引出し2
1a,21aには、数珠、経文、家系図、日記などが収
納される。基壇21の後板と各引出し21a,21aの
後板との空間には、音声発生装置13が付設されると共
に、太陽発電によって得られた電気エネルギーを蓄電す
る蓄電装置18も付設されている。
【0056】また、基壇21には、磁器又は石材を使用
した祭壇の備品を載置するための平面視矩形状の載置板
21bが敷設されている。この載置板21bは、膨張率
及び熱伝導率が小さいため、例えば、ろうそくの蝋の落
下による熱の損傷を防止できる。さらに、載置板21b
は、汚れ、洗浄による劣化、経年劣化にも対処できる。
【0057】祭壇8の階段22は、フッ素焼付け塗装が
施された後、装飾具が取り付けられている(図示せ
ず)。さらに、階段22の左右の両側には、装飾の施さ
れた手すり22a,22aが配置されている。
【0058】祭壇の各支柱23,…は、磁器製、又は、
ステンレス鋼の柱体にフッ素焼付け塗装が施された後、
各支柱23,…の中央部、上端部、下端部にそれぞれ装
飾具23a,…が取り付けられている。さらに、各支柱
23,…の上端部間には、装飾具としての欄間23bが
取り付けられている。
【0059】芳香剤の収容容器24は、祭壇8の基壇2
1の一側に付設されている。さらに、収容容器24に
は、閉塞された状態の祭壇8の格子戸10aに押圧され
たレバー25を有すると共に、レバー25の作動によっ
て芳香剤を噴霧するノズル26が設けられている。この
ノズル26の噴出口は、祭壇8の前面開口部の近傍に向
くように設けられている。さらに、祭壇8の開き戸10
の開放動作にレバー25が連動して、芳香剤がノズル2
6から噴霧されることになる。
【0060】祭壇8の底壁8cには、祭壇8の前面開口
部に向かって下降傾斜する水勾配が形成されると共に、
長穴46と流路47とによって、水抜き兼空気流路45
が形成されている。閉塞された開き戸10の後部近傍の
位置に、祭壇8の底壁8cの前端部に沿って長穴46が
形成されている。この長穴46は、祭壇8の底壁8cと
墓碑本体5の底壁5cとの隙間に形成された断面L字形
状の流路47に連通しており、祭壇8の内部の水抜き、
及び、祭壇8の内部の空気の流通を図るべく、また、墓
碑本体5の前面開口部と、墓碑副本体6の前面開口部と
の間に充填されたシリコーンシーラなどの樹脂製のコー
キング剤30によって、水抜き兼空気流路45を通って
祭壇8の底壁8cの内側に浸水するのが防止されてい
る。さらに、水抜き兼空気流路45によって、雨季の場
合でも、祭壇8の内部に雨水が溜まることがない。その
上、祭壇8の内部の通気性も確保されるため、祭壇8の
内部、墓碑副本体6の錆や黴の発生、錆や黴による腐食
を防止できる。
【0061】そして、墓碑本体5の前面開口端部と、墓
碑副本体6の前面開口端部との隙間に充填されたコーキ
ング剤30は、防虫及び防水にも対処できる。さらに、
墓碑本体5の前面開口端部と、祭壇8の前面開口端部と
の間には、雨よけ兼日よけの領域Aが形成されており、
祭壇8の内部に雨水が直接浸水するのを防止している。
【0062】しかも、墓碑本体5の左右の両側壁5a,
5a、底壁5c、天井壁5dと、墓碑副本体6の左右の
両側板6a,6a、底板6c、天井板6dとの隙間が、
フッ素焼付け塗装の施された磁器製の枠体55によって
覆蔽され、墓碑本体5の底壁5cと墓碑副本体6の底板
6cとの隙間、及び、祭壇8の雨よけ兼日よけの領域A
が、祭壇8の底壁8cに連設された断面L字形状のエプ
ロン35によって覆蔽されている。該エプロン35も枠
体55と同様に、フッ素焼付け塗装が施されている。し
かも、エプロン35は、横覆蔽部35aと、該横覆蔽部
35aの前端部から垂下された縦覆蔽部35bとを有し
ている。さらに、エプロン35は、墓碑本体5の底壁5
cの適当な箇所に接着剤が塗布され、この接着層の厚み
を利用してエプロン35の横覆蔽部35aと、墓碑本体
5の底壁5cとが平行になるように調整されている。加
えて、エプロン35の横覆蔽部35aと祭壇8の底壁8
cとの間には、コーキング剤30が充填されている。ま
た、エプロン35には、祭壇8の開き戸10の開放状態
を保持する保持部材40が設けられている。さらに、エ
プロン35の縦覆蔽部35bの裏面には、正面視矩形状
の遮蔽板36が取り付けられている。
【0063】保持部材40は、エプロン35の縦覆蔽部
35bの両側にそれぞれ円板形状の引掛け具42,42
が取り付けられ、該引掛け具42,42には、祭壇8の
開き戸10に設けられたフック(図示せず)が引掛けら
れ、祭壇8の開き戸10の開放状態が保持される。な
お、保持部材40の他の例として、エプロン35の縦覆
蔽部35bの両側に、引掛け紐(図示せず)を巻取るリ
ールを設け、引掛け紐の先端に取り付けられたフック
を、祭壇8の開き戸10に引っ掛けて開き戸10の開放
状態を保持するようにしてもよい。
【0064】墓碑銘板7の照明装置12は、直管型の蛍
光ランプ12aを有し、蛍光ランプ12aが墓碑本体5
の上側の背壁5dに上下方向に取り付けられている。こ
の蛍光ランプ12aは、制御装置14のタイマーによっ
て点灯時間が制御されており、例えば、午後5時〜9時
までの間点灯する。さらに、蛍光ランプ12aは、点灯
照度が調節できるようにも構成されている。上述した祭
壇8の照明装置12は、ろうそく灯12b,12bを有
している。このろうそく灯12b,12bは、スイッチ
(図示せず)を操作することで、点灯、消灯する。
【0065】音声発生装置13は、筐体に収納されてお
り、該筐体内には、スピーカが内臓されると共に、故人
の声による遺言、宗教や宗派の回向や訓示、読経、音楽
が収録された記録媒体の再生装置が装備されている(図
示せず)。例えば、祭壇8の開き戸10を開放した場合
に読経をながし、墓碑台1に複数配設されたスイッチ
(図示せず)を適宜選択して遺言、回向、訓示を聞くよ
うにしてもよい。
【0066】照明装置12及び音声発生装置13の供給
電源部15は、祭壇付き複合墓碑の両側に設置された細
長い電柱16,16から供給されている。該電柱16,
16の前面には、太陽電池パネル17,17が装着され
ている。なお、照明装置12、音声発生装置13、供給
電源部15、蓄電装置18は、墓碑台1に内装された接
続ターミナル60まで配線されて電気的に接続されてい
る。
【0067】つぎに祭壇付き複合墓碑の製造方法につい
て説明する。直方体形状の石材からなる四角柱体の前面
を刳り貫いて箱状の墓碑本体5を形成する一方、墓碑本
体5よりもやや小さい金属製の墓碑副本体6を墓碑本体
5と略同形状に形成し、つぎに、墓碑副本体6の下側
に、仏壇を構成した祭壇8を設ける。この際、墓碑本体
5の前面開口端部と、祭壇8の前面開口端部との間に所
定幅の雨よけ兼日よけの領域Aを形成すべく、墓碑本体
5の前面開口部よりも奥側に祭壇8の前面開口部を位置
させる。祭壇8は、まず、左右の両側壁8a,8a、背
壁8b、底壁8cの各壁部から形成され、続いて、天井
部9を形成すると共に、祭壇8の内装部20を構成し、
最後に、開き戸10を取り付ける。
【0068】つぎに、墓碑副本体6の上部に直管型の蛍
光ランプ12aを有する照明装置12を設置すると共
に、祭壇8にろうそく灯12b,12bを有する照明装
置12を設置し、加えて、墓碑副本体6の前面開口部の
上側に、家名や家紋などが印刷された墓碑銘板7を開閉
可能に取り付け、続いて、墓碑本体5に墓碑副本体6を
内装する。この際、墓碑副本体6に配設された調整ボル
ト50,…によって、墓碑本体5と墓碑副本体6との隙
間を調整してバランスよく内装する。
【0069】つぎに、墓碑本体5の前面開口端部と、墓
碑副本体6の前面開口端部との隙間に、コーキング剤3
0を充填し、このコーキング箇所を枠体55によって覆
蔽する。祭壇8の底壁8cにエプロン35を連設し、墓
碑本体5の底壁5cと墓碑副本体6の底板6cとの隙
間、及び、祭壇8の雨よけ兼日よけの領域Aを覆蔽す
る。
【0070】このように製造された祭壇付き複合墓碑
は、設置場所の環境に充分に耐え得る構造になってい
る。例えば、海岸からの潮風による塩害、雨水、日射、
雪害、低温、高温、紫外線に対応できるものである。
【0071】つぎに使用態様について説明する。通常、
祭壇8の開き戸10は、施錠されて閉じられた状態にな
っており、墓参の際に、故人の関係者の鍵によって開か
れる。この際、開き戸10が開いたことで、リミットス
イッチがオンし、音声発生装置13のスピーカから読経
が流れる。一方、開き戸10の開放動作によって、芳香
剤の収容容器24から所定量の溶液が噴霧される。この
際、この溶液が故人の好きな香りであれば、故人の在り
し日を回想することにもなる。
【0072】そして、参拝者が所望するスイッチを選択
してオンにすれば、音声発生装置13の記録媒体が再生
されて故人の声や宗教の回向を聞くこともできる。
【0073】また、制御装置14によって、照明装置1
2の蛍光ランプ12a及びろうそく灯12bは、毎日、
設定された時間に点灯するようになっており、故人に対
して、日常生活しているのと同様に、午後5時から9時
までの間は点灯し、10時以降は、就寝するとして消灯
させる。故人が、あたかも厳正で生活しているような思
いで照明装置12を制御する。また、墓参の際に、墓碑
銘板7が蛍光ランプ12aによって内側から照射され、
墓参する故人の墓であることを明るく表示される。さら
に、墓碑銘板7の照明装置12aの光が祭壇8の天井部
9を透過することに加え、祭壇8のろうそく灯12bの
光と融和し、融和された光が祭壇8の開き戸10から外
部へ洩れ出ることになり、本願特有の幻想的な光の装飾
によって墓碑本体5を彩ることになる。
【0074】さらに、風の強い日における墓参に際して
は、祭壇8の開き戸10に取り付けられたフックを、祭
壇8のエプロン35の引掛け具42,42に引掛けて、
開き戸10を開放状態に保持し、強風による開き戸10
への弊害を防止できる。
【0075】このように、本発明の祭壇付き複合墓碑に
よれば、墓碑に対する既成概念を打破し、祭壇8を墓碑
本体5に組み込むと共に、光や音によって故人への思い
やりの気持ちを表現し、故人への供養ばかりではなく、
墓参者への精神的な安堵感をも与えることができる。
【0076】なお、前記実施例の場合、墓碑銘板7にガ
ラス板を用いたが、合成樹脂製の平板を用いてもよい。
要するに、墓碑銘板7は、墓碑本体5に表記すべき事項
が標示可能な材料であればよい。
【0077】また、前記実施例の場合、祭壇8として仏
壇を設けたが、日蓮宗の祭壇、キリスト教の祭壇であっ
てもよい。要するに、祭壇8としては、故人の信仰する
宗教や宗派に応じた祭壇を設ければよい。例えば、キリ
スト教の場合、墓碑銘板7のガラス板、祭壇8の開き戸
10の強化ガラス板、天井部9のガラス製の天井板9b
をステンドガラスに代えて、各ステンドガラスにそれぞ
れ宗教画を描いた磁器製のタイルを貼着し、祭壇8の階
段22の最上段にマリア像、キリスト像、十字架を安置
するようにしてもよい。
【0078】また、墓碑銘板7の取付箇所としては、墓
碑本体5の前面開口部ではなく、墓碑本体5の側壁5
a,5a、背壁5bであってもよい。
【0079】さらに、墓碑銘板7の蛍光ランプ12aと
したが、発光ダイオード、ネオン管、ハロゲン電球、白
熱電球などであってもよい。照明装置12の取付箇所は
図示に限定されるものではなく、照明装置12によって
墓碑銘板7を内側又は外側から照射できればよく、点灯
色や点灯時間も適宜変更可能である。
【0080】加えて、音声発生装置13動条件として、
祭壇8の開き戸10を開放することとしたが、墓碑本体
5の前方に参拝者が立った場合、あるいは、祭壇8に花
を供えた場合をセンサで検知して音声発生装置13を駆
動するようにしてもよい。また、音声発生装置13の記
録媒体としては、録音テープ、CD、MD、メモリカー
ドのいずれであってもよい。さらに、スピーカを電柱1
6,16に内蔵してもよい。
【0081】また、墓碑本体5の墓碑銘板7及び祭壇8
の取付位置も適宜変更可能であり、墓碑銘板7及び祭壇
8の構成、装飾も、適宜設計変更可能である。
【0082】さらに、本発明の祭壇付き複合墓碑は、ア
パート式墓石にも適用できることはいうまでもない。
【0083】加えて、前記実施例の場合、墓碑本体5や
墓碑副本体6に、石材やステンレス鋼を用いたが、アル
ミ、ガラス、樹脂、レジンであってもよく、装飾部材と
して、メッキ、金箔、ガラス繊維を用いてもよい。
【0084】また、前記実施例の場合、祭壇8の各壁部
8a〜8c、天井部9は、宗教画や装飾画を施したも
の、黒色、金色、無地のいずれであってもよい。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の祭壇付き
複合墓碑は、墓地に載置される墓碑台の上に、墓碑銘が
記された柱状の墓碑本体と、故人の信仰する種々の宗教
や宗派に応じた祭壇を組み合わせることができ、故人へ
の供養が有効に行える。
【0086】さらに、墓碑本体、又は、祭壇の少なくと
もいずれか一つに照明装置を設置することで、墓碑本
体、又は、祭壇を光の演出効果で装飾できる。
【0087】また、本発明の祭壇付き複合墓碑は、墓地
に載置される墓碑台の上に、前面の開口された縦長の箱
状の墓碑本体を立設し、墓碑本体の前面開口部の上側
に、墓碑銘の記された墓碑銘板を取り付け、墓碑本体の
前面開口部の下側に、祭壇を設けるようにしため、墓碑
本体の軽量化、墓碑銘を安価に表記できる。加えて、組
立作業の時間を短縮できる。
【0088】さらに、墓碑本体、祭壇、墓碑銘板のうち
少なくともいずれか一つに照明装置を設置するようにし
たため、従来の墓地のイメージを変えるのに有効であ
る。
【0089】また、本発明の祭壇付き複合墓碑は、墓碑
本体に石材を使用し、墓碑銘板にガラス板を使用し、祭
壇の左右の両側面、底面、背面にそれぞれ磁器製の壁材
を使用するようにしたため、耐久性及び耐候性に優れて
いる。
【0090】しかも、墓碑本体に内装される金属性の墓
碑副本体の左右の両側板、底板、背板に、装飾の施され
た磁器製の壁材を貼着することで、祭壇の左右の両側
壁、底壁、背壁を形成し、祭壇の天井部を、祭壇の上面
を覆った格子状の骨組みと、該骨組みに貼着されたガラ
ス製の天井板とで構成すると共に、祭壇の前面開口部を
開閉する開き戸を、観音開きに構成された左右の格子戸
と、該両格子戸の骨組みにそれぞれ貼着されたガラス板
とで構成し、墓碑副本体の上部及び祭壇に照明装置を設
置するようにしたため、屋外、屋内を問わず、墓碑本体
に祭壇を装備できる効果がある。
【0091】さらに、墓碑副本体の左右の両側板及び底
板に配設された調整ボルトによって、墓碑本体と墓碑副
本体との間隔を調整するようにしたため、墓碑副本体の
墓碑本体への内装が容易になる。
【0092】加えて、墓碑本体の前面開口端部と、墓碑
副本体の前面開口端部との隙間に、コーキング剤を充填
し、雨水などの浸水を防止するようにしたため、墓碑副
本体に耐水性を持たせることができると共に、黴、錆の
発生を抑制できる。
【0093】そして、墓碑本体の前面開口端部と祭壇の
前面開口端部との間に、祭壇の雨よけ兼日よけの領域を
形成し、祭壇の内部を雨水から守ることができる。
【0094】また、墓碑本体の左右の両側壁及び天井壁
と、墓碑副本体の左右の両側板及び天板との隙間を枠体
によって覆蔽し、さらに、墓碑本体の底壁と墓碑副本体
の底板との隙間、及び、祭壇の雨よけ兼日よけの領域
を、祭壇の底壁に連設されたエプロンによって覆蔽する
ようにしたため、枠体及びエプロンによって、防水効果
に加え、外観も良好になる。
【0095】さらに、祭壇の開き戸の開放状態を保持す
る保持部材を祭壇のエプロンに取り付けるようにしたの
で、祭壇の開き戸を開放状態に保持することで、強風の
ときの墓参に効果がある。
【0096】加えて、祭壇の底壁に、祭壇の前面開口部
に向かって下降傾斜する水勾配を形成し、祭壇の底壁
に、祭壇の底壁から外部に連通する水抜き兼空気流路を
形成するようにしたので、黴や錆の発生、及び、黴や錆
の発生による腐食を有効に防止できる。
【0097】また、ろうそくや線香などの備品を載置す
るための載置板に磁器又は石材を使用し、この載置板を
祭壇の壇部に敷設することで、洗浄や熱による損傷、汚
れ、劣化防止に効果がある。
【0098】さらに、祭壇に芳香剤、又は、芳香剤の混
合された溶液の収容容器を設けたので、祭壇の開き戸を
開放した際、祭壇内部に充満した香りが外部に広がり、
墓参者の心を慰めるのに有効である。
【0099】そして、芳香剤の溶液の収容容器に、祭壇
の開き戸の開放動作に連動するレバーによって、芳香剤
を噴霧するノズルを設ければ、芳香剤を、容易に且つ簡
単に外部へ広げることができる。
【0100】加えて、故人の声、宗教や宗派の読経、回
向、訓示、音楽のうちいずれか一つ、又は、これらの組
み合わせが収録された記録媒体を再生する音声発生装置
を付設することで、故人をしのぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の祭壇付き複合墓碑を示した斜視図であ
る。
【図2】図1の側断面図である。
【図3】図1の切断平面図である。
【図4】祭壇の開き戸を閉じた状態の正面図である。
【図5】一部を除去した状態の正面図である。
【図6】水抜き兼空気流通路の部分を拡大した断面図で
ある。
【図7】祭壇の天井部を拡大した断面図である。
【図8】従来例の墓石の正面図である。
【符号の説明】
1、90 墓碑台 2 墓碑台本体 3 蓋板 4 敷板 5、91 墓碑本体 5a、8a 側壁 5b、8b 背壁 5c、8c 底壁 5d 天井壁 5e 支持台 6 墓碑副本体 6a 側板 6b 背板 6c 底板 6d 天井板 7 墓碑銘板 7a 錠前 8 祭壇 9 天井部 9a 骨組み 9b 天井板 9c フィルム 10 開き戸 10a 格子戸 10b 枠体 10c 骨組み 10d 強化ガラス板 11 錠前 12 照明装置 12a 蛍光ランプ 12b ろうそく灯 13 音声発生装置 14 制御装置 15 供給電源部 16 電柱 17 太陽電池パネル 18 蓄電装置 20 内装部 21 基壇 21a 引出し 21b 載置板 22 階段 22a 手すり 23 支柱 23a 装飾具 23b 欄間 24 収容容器 25 レバー 26 ノズル 30 コーキング剤 35 エプロン 35a 横覆蔽部 35b 縦覆蔽部 36 遮蔽板 40 保持部材 42 引掛け具 45 水抜き兼空気流路 46 長穴 47 流路 50 調整ボルト 55 枠体 60 接続ターミナル A 雨よけ兼日よけの領域

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 墓地に載置される墓碑台の上に、墓碑銘
    が記された柱状の墓碑本体と、祭壇とが組み合わされて
    立設されてなることを特徴とする祭壇付き複合墓碑。
  2. 【請求項2】 墓碑本体、又は、祭壇の少なくともいず
    れか一つを照射するための照明装置が設置されてなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の祭壇付き複合墓碑。
  3. 【請求項3】 墓地に載置される墓碑台の上に、前面の
    開口された縦長の箱状の墓碑本体が立設され、しかも、
    墓碑本体の前面開口部の上側には、墓碑銘の記された墓
    碑銘板が取り付けられ、さらに、墓碑本体の前面開口部
    の下側には、祭壇が設けられてなることを特徴とする祭
    壇付き複合墓碑。
  4. 【請求項4】 墓碑本体、祭壇、墓碑銘板のうち少なく
    ともいずれか一つを照射するための照明装置が設置され
    てなることを特徴とする請求項3に記載の祭壇付き複合
    墓碑。
  5. 【請求項5】 墓碑本体に石材が使用されると共に、墓
    碑銘板にガラス板が使用され、さらに、祭壇の左右の両
    側面、底面、背面にそれぞれ装飾された磁器製の壁材が
    使用され、しかも、墓碑本体には、墓碑本体と略同形状
    の金属製の箱状の墓碑副本体が内装され、さらに、祭壇
    の左右の両側壁、底壁、背壁が、墓碑副本体の左右の両
    側板、底板、背板にそれぞれ貼着され、祭壇の天井部
    が、祭壇の上面を覆った格子状の骨組みと、該骨組みに
    貼着されたガラス製の天井板とで構成されると共に、祭
    壇の前面開口部を開閉する開き戸が、観音開きに構成さ
    れた左右の格子戸と、該両格子戸の骨組みにそれぞれ貼
    着されたガラス板とで構成され、加えて、照明装置が墓
    碑副本体の上部及び祭壇に設置されてなることを特徴と
    する請求項3に記載の祭壇付き複合墓碑。
  6. 【請求項6】 墓碑副本体の左右の両側板及び底板に
    は、墓碑本体の左右の両側壁及び底壁に当接して、墓碑
    本体と墓碑副本体との間隔を調整する調整ボルトが配設
    されてなることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか
    1項に記載の祭壇付き複合墓碑。
  7. 【請求項7】 墓碑本体の前面開口端部と、墓碑副本体
    の前面開口端部との隙間には、コーキング剤が充填され
    てなることを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項
    に記載の祭壇付き複合墓碑。
  8. 【請求項8】 墓碑本体の前面開口端部と、祭壇の前面
    開口端部との間には、祭壇の雨よけ兼日よけの領域が形
    成されてなることを特徴とする請求項3乃至7のいずれ
    か1項に記載の祭壇付き複合墓碑。
  9. 【請求項9】 墓碑本体の左右の両側壁及び天井壁と、
    墓碑副本体の左右の両側板及び天板との隙間が枠体によ
    って覆蔽され、さらに、墓碑本体の底壁と墓碑副本体の
    底板との隙間、及び、祭壇の雨よけ兼日よけの領域が、
    祭壇の底壁に連設されたエプロンによって覆蔽されてな
    ることを特徴とする請求項3乃至8のいずれか1項に記
    載の祭壇付き複合墓碑。
  10. 【請求項10】 祭壇のエプロンには、祭壇の開き戸の
    開放状態を保持する保持部材が取り付けられてなること
    を特徴とする請求項3乃至9のいずれか1項に記載の祭
    壇付き複合墓碑。
  11. 【請求項11】 祭壇の底壁は、祭壇の前面開口部に向
    かって下降傾斜する水勾配が形成され、さらに、祭壇の
    底壁には、祭壇の底壁から外部に連通する水抜き兼空気
    流路が形成されてなることを特徴とする請求項1乃至1
    0のいずれか1項に記載の祭壇付き複合墓碑。
  12. 【請求項12】 祭壇の壇部には、ろうそくや線香など
    の備品の載置板が敷設され、該載置板には、磁器又は石
    材が使用されてなることを特徴とする請求項1乃至11
    のいずれか1項に記載の祭壇付き複合墓碑。
  13. 【請求項13】 祭壇に芳香剤、又は、芳香剤の混合さ
    れた溶液の収容容器が設けられてなることを特徴とする
    請求項1乃至12のいずれか1項に記載の祭壇付き複合
    墓碑。
  14. 【請求項14】 芳香剤の溶液の収容容器には、祭壇の
    開き戸の開放動作に連動するレバーによって、芳香剤を
    噴霧するノズルが設けられてなることを特徴とする請求
    項13に記載の祭壇付き複合墓碑。
  15. 【請求項15】 故人の声、宗教や宗派の読経、回向、
    訓示、音楽のうちいずれか一つ、又は、これらの組み合
    わせが収録された記録媒体を再生する音声発生装置が付
    設されてなることを特徴とする請求項1乃至14のいず
    れか1項に記載の祭壇付き複合墓碑。
  16. 【請求項16】 前面が開口された石材からなる箱状の
    墓碑本体を形成すると共に、墓碑本体と略同形状の金属
    製の墓碑副本体を形成し、つぎに、墓碑副本体の下側に
    祭壇を設け、さらに、墓碑副本体の上部及び祭壇に照明
    装置を設置し、続いて、墓碑副本体の前面開口部の上側
    に、ガラス板の墓碑銘板を取り付け、最後に、墓碑本体
    に墓碑副本体を内装することを特徴とする祭壇付き複合
    墓碑の製造方法。
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