JP2003321775A - 巻取り式真空成膜装置 - Google Patents

巻取り式真空成膜装置

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JP2003321775A
JP2003321775A JP2002125768A JP2002125768A JP2003321775A JP 2003321775 A JP2003321775 A JP 2003321775A JP 2002125768 A JP2002125768 A JP 2002125768A JP 2002125768 A JP2002125768 A JP 2002125768A JP 2003321775 A JP2003321775 A JP 2003321775A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、化学蒸着法(CVD)等により、合
成樹脂等のウェブ状シート表面に薄膜を形成する巻取り
式真空成膜装置において、脱ガスが発生した場合でもウ
ェブ状シートの温度分布を均一にすることであり、また
ウェブ状シートの伸縮を抑え、かつ反応の阻害要因であ
る水分の影響を抑える方法を提供する。 【解決手段】ウェブ状シート9の巻出し・巻取り室22
と成膜する成膜室23と、巻出し・巻取り室22と成膜
室23とを隔てる隔壁21と、隔壁21を跨いで巻出し
・巻取り室22と成膜室23の両室に周面が配置され
て、ウェブ状シート9と密着し、ウェブ状シート9の加
熱・冷却をする温調ロール10とを備え、該ロールの表
面に溝部10aを有しており、且つ溝部10aが規則的
に配置されていることを特徴とする巻取り式真空成膜装
置20である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は真空中にてPET
(ポリエチレンテレフタレート)などの合成樹脂フィルム
等ウェブ状シート表面などに化学蒸着法(CVD)等の
方法により薄膜を形成する巻取り式真空成膜装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、PETなどの合成樹脂フィルム等
ウェブ状シート表面に化学蒸着法(CVD)等の方法に
より薄膜を形成する場合の巻取り式真空成膜装置は、例
えば、図7に示すように、トルクモータ等の一定の張力
にて巻取り可能な巻取り手段を持つ巻取り軸1を有し、
かつパウダークラッチ等のトルク制御手段により一定の
バックテンションをかけつつ合成樹脂フィルム等のウェ
ブ状シート9の巻出しを可能にする巻出し軸2を有す
る。そして、この二軸1、2の間に前記ウェブ状シート
9の走行を規制する複数のアイドルロール3と4および
張力を検知して巻取り軸1又は巻出し軸2に適宜フィー
ドバックを行うための張力検出器5と6を具備したテン
ションロール7と8を備える。そして、前記ウェブ状シ
ート9の温度をコントロールし、ウェブ状シート9表面
に膜を形成するための温調ロール10、複数のプロセス
ガス噴出管17と18及び、電極等からなる成膜手段1
1を配置している。
【0003】そして、巻出し軸2から所定の張力を付与
されつつ巻き出される前記ウェブ状シート9が、温調ド
ラム10上で、前記成膜手段11により前記ウェブ状シ
ート9の表面に膜を形成された後、所定の張力を伴いつ
つ、巻取り軸1にて巻き取られ、表面に薄膜が形成され
たウェブ状成膜シート13を得ることができる仕組みに
なっている。
【0004】しかしながら、上記の図7にもとづいて説
明したような、従来の巻取り式真空成膜装置20では、
以下のような問題を生じている。即ち、金属や合成樹脂
等の物質は、真空中においては脱ガスを発生するという
性質があり、特に合成樹脂フィルム等のウェブ状シート
からの脱ガスは非常に大きい値となる。そのため温調ロ
ールとウェブ状シートの間に脱ガスが溜まってしまい、
ウェブ状シートと温調ロールの密着性が損なわれ、ウェ
ブ状シート表面が均一な温度分布が得られないという問
題がある。
【0005】更に成膜時の温度変化等によりウェブ状シ
ートが幅方向で伸びたり、縮んだりするため薄膜が損傷
するなどの問題もある。
【0006】脱ガス量は温度のみならず、ウェブ状シー
トの含水率に大きく依存するため一定ではなく、成膜室
の圧力が変動するといった問題があり、更に脱ガスの成
分としては水分がほとんどであるが、この水分により成
膜プロセスの条件が安定しない、若しくは反応の弊害に
なるという問題もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の問題点を解決するものであり、その課題とするとこ
ろは、化学蒸着法(CVD)等により、合成樹脂フィル
ム等のウェブ状シート表面に薄膜を形成する巻取り式真
空成膜装置において、脱ガスが発生した場合でもウェブ
状シートの温度分布を均一にすることであり、またウェ
ブ状シートの伸縮を抑え、かつ反応の阻害要因である水
分の影響を抑えることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
課題を解決するためになされたもので、請求項1に係る
発明は、ウェブ状シート9の巻出し・巻取り室22と成
膜する成膜室23と、巻出し・巻取り室22と成膜室2
3とを隔てる隔壁21と、隔壁21を跨いで巻出し・巻
取り室22と成膜室23の両室に周面が配置されて、ウ
ェブ状シート9と密着し、ウェブ状シート9の加熱・冷
却をする温調ロール10とを備え、該ロール10の表面
に溝部10aを有しており、且つ溝部10aが規則的に
配置されていることを特徴とする巻取り式真空成膜装置
20である。
【0009】本発明の請求項2に係る発明は、請求項1
記載の巻取り式真空成膜装置20において、前記溝部1
0aが等間隔に配置された溝であることを特徴とする巻
取り式真空成膜装置20である。
【0010】本発明の請求項3に係る発明は、請求項1
記載の巻取り式真空成膜装置20において、前記溝部1
0aが等間隔の螺旋状の溝であることを特徴とする巻取
り式真空成膜装置20である。
【0011】本発明の請求項4に係る発明は、請求項3
記載の巻取り式真空成膜装置20において、前記螺旋状
の溝が右回りと左回りで交差していることを特徴とする
巻取り式真空成膜装置20である。
【0012】本発明の請求項5に係る発明は、請求項3
記載の巻取り式真空成膜装置20ににおいて、前記螺旋
状の溝がロール長手方向の中央部を境界として対称的に
配置されていることを特徴とする巻取り式真空成膜装置
20である。
【0013】本発明の請求項6に係る発明は、請求項1
乃至5のいずれか1項記載の巻取り式真空成膜装置20
において、前記溝部10aのロール10表面付近のエッ
ジが角丸形状であることを特徴とする巻取り式真空成膜
装置20である。
【0014】本発明の請求項7に係る発明は、請求項1
乃至6のいずれか1項記載の巻取り式真空成膜装置20
において、前記ロール10周面に密着したウェブ状シー
ト9との間に前記溝部10aに沿ってガスを流すことが
可能な機構19を持つことを特徴とする巻取り式真空成
膜装置20である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明を図1から図6に示す実施
の形態にもとづいて詳細に説明する。
【0016】図1に示すように温調ロール10に等間隔
の溝部10aを温調ロール10の長手幅方向に対してつ
けることで、脱ガスの排気用通路が形成され、真空成膜
装置20内が常に10Torrから10-2 Torrの
真空度に排気されているのでウェブ状シート9と温調ロ
ール10間の脱ガスも排気することが可能となり、前記
ウェブ状シート9と温調ロール10の密着性が向上し、
前記ウェブ状シート9の温度分布を均一化することがで
きる。この溝部10aの幅、深さ及び間隔は前記ウェブ
状シート9の熱伝導率とプロセス条件により適宜決定す
る。
【0017】また、図2に示すように溝部10aを螺旋
状に配置した場合、前記ウェブ状シート9の幅方向での
温度分布の均一化を向上させることが可能となる。
【0018】更に、図3に示すように螺旋状の溝形状を
左回り、右回りを重ね合わせることで排気効率を向上さ
せ、前記ウェブ状シート9と温調ロール10の密着性を
更に向上させることで温度分布の均一性をより一層向上
させることが出来る。
【0019】次に、図4、図5に示すように温調ロール
10周面の螺旋状の溝部10aがロール10長手方向の
中央部を境界として左右対称的に配置することで前記ウ
ェブ状シート9に幅方向の伸縮の力を加えることが可能
となり、成膜時の前記ウェブ状シート9の伸縮変化を抑
えることが可能となる。
【0020】更に、図6に示すように、ガス導入機構1
9により、前記溝部10aに沿って前記温調ロール10
周面に密着した前記ウェブ状シート9との間にアルゴン
等の希ガス10bを幅方向に均一に分布するように流す
ことで排ガスの主な成分である水分の分圧を下げること
ができ成膜プロセスを安定化できる。
【0021】
【発明の効果】本発明により、巻取り式真空成膜装置に
おいて、温調ロール表面の溝部から効率よく脱ガスを排
気することで温調ロールと合成樹脂フィルム等のウェブ
状シートの密着性を上げ、前記ウェブ状シートの温度分
布を均一にすることが可能となり、螺旋状の溝形状を左
右対称にすることで前記ウェブ状シートの伸縮を抑える
ことができ、更に前記の溝部にアルゴン等の反応に寄与
しない希ガスを流すことで圧力を一定とし、加えて脱ガ
ス等に起因する水の分圧を下げ反応の阻害要因を排し、
均一で高品質な薄膜を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る巻取式真空成膜装置において、等
間隔の溝付温調ロールの部分拡大図である。
【図2】本発明に係る巻取式真空成膜装置において、螺
旋状の溝付温調ロールの一事例を示す部分拡大図であ
る。
【図3】本発明に係る巻取式真空成膜装置において、螺
旋状の溝付温調ロールの溝を左回りと右回りを交差させ
たときの一事例を示す部分拡大図である。
【図4】本発明に係る巻取式真空成膜装置において、温
調ロールの表面に螺旋状の溝があり、その溝がロールの
長手方向の中央部を境界として対称的に等間隔に配置さ
れているときの前記ウェブ状シートが縮む場合に設置す
る一事例を示す部分拡大図である。
【図5】本発明に係る巻取式真空成膜装置において、温
調ロールの表面に螺旋状の溝があり、その溝がロールの
長手方向の中央部を境界として対称的に等間隔に配置さ
れているときの前記ウェブ状シートが伸びる場合に設置
する一事例を示す部分拡大図である。
【図6】本発明に係る巻取式真空成膜装置において、前
記ロール周面に密着したウェブ状シートとの間に前記溝
部に沿ってガスを流すことが可能なガス導入機構を配置
した場合の部分拡大図である。
【図7】従来技術における巻取り式真空成膜装置の全体
図を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1・・・巻取り軸 2・・・巻出し軸 3、4・・・アイドルロール 5、6・・・張力検出器 7、8・・・テンションロール 9・・・合成樹脂フィルム等のウェブ状シート 10・・・温調ロール 10a…溝部 10b…アルゴン
等の希ガス 11・・・成膜手段(電極、等) 12・・・合成樹脂フィルム等のウェブ状シート原反 13・・・合成樹脂フィルム等のウェブ状成膜済みシート 14、15・・・ニップロール 16・・・ダンサロール 17、18・・・ガス噴出管 19…ガス導入機構 20…真空成膜装置 21…隔壁 22…巻出し・巻取り室 23…成膜室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武田 晃 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 宇山 晴夫 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 Fターム(参考) 4K030 CA07 CA12 EA06 GA14 KA23 KA26

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウェブ状シートの巻出し・巻取り室と成膜
    する成膜室と、巻出し・巻取り室と成膜室とを隔てる隔
    壁と、隔壁を跨いで巻出し・巻取り室と成膜室の両室に
    周面が配置されて、ウェブ状シートと密着し、ウェブ状
    シートの加熱・冷却をする温調ロールとを備え、該ロー
    ルの表面に溝部を有しており、且つ溝部が規則的に配置
    されていることを特徴とする巻取り式真空成膜装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の巻取り式真空成膜装置にお
    いて、前記溝部が等間隔に配置された溝であることを特
    徴とする巻取り式真空成膜装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の巻取り式真空成膜装置にお
    いて、前記溝部が等間隔の螺旋状の溝であることを特徴
    とする巻取り式真空成膜装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の巻取り式真空成膜装置にお
    いて、前記螺旋状の溝が右回りと左回りで交差している
    ことを特徴とする巻取り式真空成膜装置。
  5. 【請求項5】請求項3記載の巻取り式真空成膜装置にお
    いて、前記螺旋状の溝がロール長手方向の中央部を境界
    として対称的に配置されていることを特徴とする巻取り
    式真空成膜装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれか1項記載の巻取
    り式真空成膜装置において、前記溝部のロール表面付近
    のエッジが角丸形状であることを特徴とする巻取り式真
    空成膜装置。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6のいずれか1項記載の巻取
    り式真空成膜装置において、前記ロール周面に密着した
    ウェブ状シートとの間に前記溝部に沿ってガスを流すこ
    とが可能な機構を持つことを特徴とする巻取り式真空成
    膜装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102014109872A1 (de) * 2014-07-15 2016-01-21 Von Ardenne Gmbh Transporteinrichtung für den Transport eines bandförmigen Substrates, Vakuumkammer sowie Substratbehandlungsanlage
JP2016069693A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 住友金属鉱山株式会社 長尺フィルムの搬送および冷却用ロール、ならびに該ロールを搭載した長尺フィルムの処理装置
JP2016117938A (ja) * 2014-12-23 2016-06-30 住友金属鉱山株式会社 長尺フィルムの搬送および冷却用ロール、ならびに該ロールを搭載した長尺フィルムの処理装置

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JP2016117938A (ja) * 2014-12-23 2016-06-30 住友金属鉱山株式会社 長尺フィルムの搬送および冷却用ロール、ならびに該ロールを搭載した長尺フィルムの処理装置

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