JP2003321556A - 芳香族ポリサルホン樹脂フィルム及びその製造方法 - Google Patents

芳香族ポリサルホン樹脂フィルム及びその製造方法

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JP2003321556A
JP2003321556A JP2003053570A JP2003053570A JP2003321556A JP 2003321556 A JP2003321556 A JP 2003321556A JP 2003053570 A JP2003053570 A JP 2003053570A JP 2003053570 A JP2003053570 A JP 2003053570A JP 2003321556 A JP2003321556 A JP 2003321556A
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aromatic polysulfone
polysulfone resin
formula
repeating structural
film
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Inventor
Yoshiki Matsuoka
祥樹 松岡
Kunihisa Sato
邦久 佐藤
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】透明性及び誘電特性に優れ、しかも機械的性能
にも優れた芳香族ポリサルホン樹脂フィルムを提供す
る。 【解決手段】下記式(I)で示される繰り返し構造単位
を含み、還元粘度が50〜100cm3/gである芳香
族ポリサルホン樹脂(A)および溶媒(B)を含有する
溶液組成物を流延して得られることを特徴とする芳香族
ポリサルホン樹脂フィルム。 (式(I)中、R1は水素原子を表わすか、メチル基ま
たはエチル基を表す。式(I)中、R1は互いに異なっ
ていてもよい。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族ポリサルホ
ン樹脂フィルム及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリサルホン樹脂フィルムは、耐
薬品性、難燃性などに優れたフィルムである。しかしな
がら、ガラス転移温度(Tg)は230℃程度であるた
め、半田リフロー時にフィルムの透明性が低下するとと
もに変形が起こるなどの問題があった。また、誘電率
(ε)が3.5以上であり、回路基板用途に用いた場合
など信号伝達速度が低下するため、エレクトロニクス分
野への適用が制限されるという問題があった。このよう
な問題を解決するために、特開昭63−120732号
公報の実施例1、2には、ビスフェノールフルオレン類
を含有した芳香族ポリサルホン樹脂(実施例1ではTg
=280℃の樹脂、実施例2ではTg=251℃の樹
脂)を用いた流延フィルムが開示されている。しかしな
がら、これらのフィルムは透明性及び誘電特性は優れて
いるものの、機械的性能に劣るため、取り扱いが困難で
あるという問題があった。よって、透明性及び誘電特性
に優れ、しかも機械的性能にも優れた芳香族ポリサルホ
ン樹脂フィルムの開発が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、透明
性及び誘電特性に優れ、しかも機械的性能にも優れた芳
香族ポリサルホン樹脂フィルムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
ような問題がない芳香族ポリサルホン樹脂フィルムを見
出すべく鋭意検討を重ねた結果、還元粘度が50〜10
0cm3/gで、ビスフェノールフルオレン構造を含有
する芳香族ポリサルホン樹脂溶液を流延して得た芳香族
ポリサルホン樹脂フィルムが、透明性及び誘電特性に優
れ、しかも機械的性能にも優れていることを見出し、本
発明を完成させるに至った。
【0005】即ち、本発明は、還元粘度が50〜100
cm3/gであり、下記式(I)で示される繰り返し構
造単位を含む芳香族ポリサルホン樹脂(A)および溶媒
(B)を含有する溶液組成物を流延して得られる芳香族
ポリサルホン樹脂フィルムを提供するものである。 (式(I)中、R1は水素原子を表わすか、メチル基ま
たはエチル基を表す。)
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明における芳香族ポリサルホン樹脂(A)は、
下記式(I)で示される繰り返し構造単位を含有してな
ることが必要であり、式(I)で示される繰り返し構造
単位を30〜50mol%含有してなることが好まし
い。式(I)で示される繰り返し構造単位を含有しない
芳香族ポリサルホン樹脂を用いると、得られるフィルム
のTgが260℃未満で、誘電率が3.0以上となる。
【0007】 式(I)中、R1は水素原子を表わすか、メチル基また
はエチル基を表す。
【0008】また、該芳香族ポリサルホン樹脂(A)
は、下記式(I)で示される繰返し構造単位および式
(II)で示される繰返し構造単位を含むランダム共重
合体、交互共重合体またはブロック共重合体であっても
よい。
【0009】 式中、R1は前記と同じ意味を表す。R2はハロゲン原子
を表わすか、フェニル基、炭素数1〜6のアルキル基、
または炭素数2〜10のアルケニル基を表し、同一また
は異なる核上のR2は互いに異なっていてもよい。pは
0〜4の整数を表し、各pは互いに異なっていてもよ
い。該芳香族ポリサルホン樹脂(A)中の式(I)で示
される繰返し構造単位の数をkとし、式(II)で示さ
れる繰返し構造単位の数をlとすると、k:lの比は、
(0.1:100)〜(100:0.1)であることが
好ましい。
【0010】また、該芳香族ポリサルホン樹脂(A)
は、下記式(I)で示される繰返し構造単位、式(I
I)で示される繰返し構造単位および式(III)で示
される繰返し構造単位を含むランダム共重合体、交互共
重合体またはブロック共重合体であってもよい。 式中、R1、R2、pは前記と同じ意味を表す。qは0〜
4の整数を表し、各qは互いに異なっていてもよい。R
3はハロゲン原子を表わすか、フェニル基、炭素数1〜
6のアルキル基、または炭素数2〜10のアルケニル基
を表し、同一または異なる核上のR3は互いに異なって
いてもよい。Xは、単結合、−S―、―O−、カルボニ
ル基、炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基または
炭素数5〜20の2価の脂環式炭化水素基を表す。ここ
で該脂肪族炭化水素基または該脂環式炭化水素基の水素
原子は、フッ素原子または1価の芳香族基で置換されて
いてもよい。該芳香族ポリサルホン樹脂(A)中の式
(I)で示される繰返し構造単位の数をkとし、式(I
I)で示される繰返し構造単位の数をlとし、式(II
I)で示される繰返し構造単位の数をmとすると、k:
lの比は、(0.1:100)〜(100:0.1)で
あり、l:mの比は、(0.1:100)〜(100:
0.1)であり、m:kの比は、(0.1:100)〜
(100:0.1)であることが好ましい。
【0011】また、該芳香族ポリサルホン樹脂(A)
は、下記式(I)で示される繰返し構造単位、式(I
I)で示される繰返し構造単位および式(IV)で示さ
れる繰返し構造単位を含むランダム共重合体、交互共重
合体またはブロック共重合体であってもよい。 式中、R1、R2、p、qは前記と同じ意味を表す。R4
はハロゲン原子を表わすか、フェニル基、炭素数1〜6
のアルキル基、または炭素数2〜10のアルケニル基を
表し、同一または異なる核上のR4は互いに異なってい
てもよい。rは0〜4の整数を表し、各Rは互いに異
なっていてもよい。該芳香族ポリサルホン樹脂(A)中
の式(I)で示される繰返し構造単位の数をkとし、式
(II)で示される繰返し構造単位の数をlとし、式
(IV)で示される繰返し構造単位の数をnとすると、
k:lの比は、(0.1:100)〜(100:0.
1)であり、l:nの比は、(0.1:100)〜(1
00:0.1)であり、n:kの比は、(0.1:10
0)〜(100:0.1)であることが好ましい。
【0012】また、該芳香族ポリサルホン樹脂(A)
は、下記式(I)で示される繰返し構造単位、式(I
I)で示される繰返し構造単位および式(V)で示され
る繰返し構造単位を含むランダム共重合体、交互共重合
体またはブロック共重合体であってもよい。 式中、R1、R2、pは前記と同じ意味を表す。Arは縮
合多環式炭化水素基(ただし、−O−Ar−が式(I)
で示される構造単位となるものを除く。)を表し、該縮
合多環式炭化水素基の水素原子は、炭素数1〜6のアル
キル基で置換されていてもよい。該芳香族ポリサルホン
樹脂(A)中の式(I)で示される繰返し構造単位の数
をkとし、式(II)で示される繰返し構造単位の数を
lとし、式(V)で示される繰返し構造単位の数をrと
すると、k:lの比は、(0.1:100)〜(10
0:0.1)であり、l:rの比は、(0.1:10
0)〜(100:0.1)であり、r:kの比は、
(0.1:100)〜(100:0.1)であることが
好ましい。
【0013】また、該芳香族ポリサルホン樹脂(A)
は、下記式(I)で示される繰返し構造単位、式(I
I)で示される繰返し構造単位、式(III)で示され
る繰返し構造単位、式(IV)で示される繰返し構造単
位、および式(V)で示される繰返し構造単位を含むラ
ンダム共重合体、交互共重合体またはブロック共重合体
であってもよい。 式中、R1、R2、R3、R4は前記と同じ意味を表す。該
芳香族ポリサルホン樹脂(A)中の式(I)で示される
繰返し構造単位の数をkとし、式(II)で示される繰
返し構造単位の数をlとし、式(III)で示される繰
返し構造単位の数をmとし、式(IV)で示される繰返
し構造単位の数をnとし、式(V)で示される繰返し構
造単位の数をrとすると、k:lの比は、(0.1:1
00)〜(100:0.1)であり、l:mの比は、
(0.1:100)〜(100:0.1)であり、m:
nの比は、(0.1:100)〜(100:0.1)で
あり、n:rの比は、(0.1:100)〜(100:
0.1)であり、r:kの比は、(0.1:100)〜
(100:0.1)であることが好ましい。
【0014】ここで、ハロゲン原子としては、例えば、
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げら
れる。炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メ
チル基、エチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基な
どが挙げられる。炭素数2〜10のアルケニル基として
は、例えば、エチニル基、iso−プロペニル基などが
挙げられる。炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基
としては、例えば、イソプロピリデン基、エチリデン
基、メチレン基などのアルキレン基、ヘキサフルオロイ
ソプロピリデン基などのパーフルオロアルキリデン基、
エチニレン基などのアルキニリデン基、フェニルメチレ
ン基などのアリールアルキレン基などが挙げられる。縮
合多環式炭化水素基としては、ペンタレン、インデン、
ナフタレン、アズレン、ヘプタレン、as−インダセ
ン、s−インダセン、アセナフチレン、フルオランセ
ン、アセフェナンスリレン、アセアンスリレン、トリフ
ェニレン、ピレン、クライゼン、ナフタセン、ピセン、
ペンタフェンなどに由来する二価基が挙げられる。
【0015】本発明で用いられる芳香族ポリサルホン樹
脂が、式(I)で示される繰返し構造単位および式(I
I)で示される繰返し構造単位を含む場合は、(k/k
+l)は、0.3以上0.5以下であることが好まし
く、さらに0.4以上0.5以下であることがより好ま
しい。本発明で用いられる芳香族ポリサルホン樹脂が、
式(I)で示される繰返し構造単位、式(II)で示さ
れる繰返し構造単位および式(III)で示される繰返
し構造単位を含む場合は(k/(k+l+m))は、
0.3以上0.5以下であることが好ましく、さらに
0.4以上0.5以下であることがより好ましい。本発
明で用いられる芳香族ポリサルホン樹脂が、式(I)で
示される繰返し構造単位、式(II)で示される繰返し
構造単位および式(IV)で示される繰返し構造単位を
含む場合は、(k/(k+l+n))は、0.3以上
0.5以下であることが好ましく、さらに0.4以上
0.5以下であることがより好ましい。また、式(I
V)の構造中のqは1または2であることが好ましく、
2であることがより好ましい。本発明で用いられる芳香
族ポリサルホン樹脂が、式(I)で示される繰返し構造
単位、式(II)で示される繰返し構造単位および式
(V)で示される繰返し構造単位を含む場合は、(k/
(k+l+r))は、0.3以上0.5以下であること
が好ましく、さらに0.4以上0.5以下であることが
より好ましい。本発明で用いられる芳香族ポリサルホン
樹脂が、式(I)で示される繰返し構造単位、式(I
I)で示される繰返し構造単位、式(III)で示され
る繰返し構造単位、式(IV)で示される繰返し構造単
位および式(V)で示される繰返し構造単位を含む場合
は、(k/(k+l+m+n+r))は0.3以上0.
5以下であることが好ましく、0.4以上0.5以下で
あることがより好ましい。また、式(VI)の構造中の
qは1または2であることが好ましく、2であることが
より好ましい。
【0016】本発明においては、下記構造を含む樹脂が
好ましく使用される。中でも、R1が水素原子であるも
の、即ち、下式で示される繰り返し構造単位からなる構
造を含む樹脂がより好ましく、(k/(k+l))、
(k/(k+l+n))、(k/(k+l+r))が
0.4以上0.5以下である樹脂が特に好ましく使用さ
れる。
【0017】 および の繰返し構造単位を有する樹脂。
【0018】 および および の繰返し構造単位を有する樹脂。
【0019】 および および の繰返し構造単位を有する樹脂。
【0020】芳香族ポリサルホン樹脂(A)の還元粘度
は、50〜100cm3/gであることが必要であり、
好ましくは50〜80cm3/g、より好ましくは50
〜65cm3/gである。還元粘度が50cm3/g未満
の該樹脂を用いると、流延に適した芳香族ポリサルホン
樹脂溶液組成物を得ることが難しいとともに、得られる
フィルムの機械的強度が劣るため、取り扱い性が極めて
劣る。また、100cm3/gを越えると均一な溶液を
調製することが困難である上に、濾過や脱泡が困難とな
り、フィルムの外観に問題が生じる。ここで、還元粘度
は、100cm3のN,N−ジメチルホルムアミド中に
芳香族ポリサルホンを1g溶解させた後、この溶液の粘
度をオストワルド粘度管を使用して25℃で測定したも
のを意味する。
【0021】本発明で使用する芳香族ポリサルホン樹脂
の製造方法は、特に限定されないが、例えば、ビスフェ
ノール類のアルカリ金属塩とベンズスルホンジハライド
とを適当な溶媒中で加熱する方法などを挙げることがで
きる。また、該樹脂の末端構造は製法に従って決まるも
のであり、特に限定されないが、例えば、−F、−C
l、−OH、−OR(Rはアルキル基)などを挙げるこ
とができる。
【0022】本発明の芳香族ポリサルホン樹脂フィルム
は、前記式(I)で示される繰り返し構造単位を含む芳
香族ポリサルホン樹脂(A)および溶媒(B)を含有す
る溶液組成物を流延し、溶媒を除去することにより得る
ことができる。ここで、溶媒(B)は、芳香族ポリサル
ホン樹脂(A)を溶解することができれば特に限定され
ないが、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶
媒、スルホキシド系溶媒、アセタール系溶媒またはこれ
らの混合物を含有するものが好ましい。溶媒(B)の具
体例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン
などのアミド系溶媒;シクロヘキサノン、シクロペンタ
ノンなどのケトン系溶媒;γ−ブチロラクトンなどのエ
ステル系溶媒;スルジメチルスルホキシド、スルホラン
などのスルホキシド系溶媒;1,3−ジオキソランなど
のアセタール系溶媒が挙げられる。これらの中で、N,
N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリド
ン、シクロヘキサノンが好ましく使用される。
【0023】溶液組成物中の芳香族ポリサルホン樹脂
(A)の含有量は、10〜50重量%であることが好ま
しい。含有量が10重量%未満では、実効濃度が低く、
溶液組成物の粘度が低いため、製膜中にオレンジピール
やワキなどの欠陥がフィルムに生じる傾向がある。ま
た、含有量が50重量%を超えると、溶液組成物の粘度
が高くなり、濾過性が低下する。なお、溶液組成物は、
流延する前に濾過することにより、フィルム中のブツの
発生を防止する傾向があるので、当該濾過をすることは
好ましい。
【0024】なお、該溶液組成物の調製方法は特に限定
されず、芳香族ポリサルホン樹脂(A)に溶媒(B)を
添加しても、溶媒(B)に芳香族ポリサルホン樹脂
(A)を添加してもよい。また、溶解速度を上げるた
め、芳香族ポリサルホン樹脂(A)の粉末を用いたり、
加熱してもよい。
【0025】また、該溶液組成物には、必要に応じて、
レベリング剤、可塑剤、離型剤などの各種添加剤を配合
してもよい。レベリング剤としては、例えば、アクリル
系、シリコーン系、フッ素系のポリマーもしくはオリゴ
マーが挙げられる。可塑剤としては、芳香族ポリサルホ
ン樹脂との相溶性が良く、相分離やブリードアウトを生
じないもので、かつ着色を生じないものが好ましく、例
えば、フタル酸系、リン酸系、アジピン酸系、クエン酸
系、グリコール酸系などの可塑剤が挙げられ、フタル酸
ブチルベンジル、リン酸トリクレジル、メチルフタリル
エチルグリコレートなどが好ましく用いられる。離型剤
としては、フッ素系やシリコーン系などの市販の離型剤
が使用できるが、可塑剤と同様、芳香族ポリサルホン樹
脂との相溶性が良く、相分離やブリードアウトを生じな
いもので、かつ着色の生じないものが好ましい。
【0026】本発明の芳香族ポリサルホン樹脂フィルム
は、前記式(I)で示される繰り返し構造単位を含む芳
香族ポリサルホン樹脂(A)および溶媒(B)を含有す
る溶液組成物を支持体上に流延して溶媒を含む流延フィ
ルムを形成させ(以下、流延工程ということがある)、
次いで該流延フィルムから溶媒を除去する(以下、溶媒
除去工程ということがある)ことにより得ることができ
る。
【0027】流延工程は、溶媒(B)を含む流延フィル
ムを支持体上に形成させる工程である。この工程では、
溶液組成物をコンマコーター、リップコーター、ドクタ
ーブレードコーター、バーコーター、ロールコーター等
を用いて、エンドレスバンドまたはドラムなどの支持体
上に流延するのが一般的である。また、溶液の安定性が
向上するとともに粘度が低下し、より固形分の高い溶液
組成物を塗工することが可能となるため、流延時に溶液
組成物を50℃以上に保温することが好ましい。支持体
は、特に限定されないが、鏡面処理を施したステンレス
などの金属、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂フ
ィルム、ガラスなどを用いることが好ましい。
【0028】溶媒除去工程は、該流延フィルムより溶媒
を除去してフィルムを形成させる工程である。溶媒除去
の方法としては、例えば、溶媒を蒸発させて乾燥させる
方法などが挙げられる。溶媒の蒸発は、蒸発の効率を向
上させるため、加熱により行うことが好ましい。加熱は
一定温度で行ってもよいが、加熱温度を数段以上にわた
って変化させることが経済性やフィルムの表面の平滑性
の観点からより好ましい。残存溶媒量をさらに減らすた
めに、減圧下で加熱することがさらに好ましい。
【0029】溶媒除去後のフィルム中の残存溶媒量は、
好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以
下、さらに好ましくは0.5重量%以下である。残存溶
媒量が5重量%を超えると、芳香族ポリサルホン樹脂フ
ィルムのガラス転移温度が低下し、後述する後加工で熱
が加わった場合に寸法変化やカールを引き起こしたり、
吸湿を引き起こしたりする傾向があり、さらに、残留溶
媒が揮発して実用段階でのフィルムの周辺部品に悪影響
を与える傾向もある。
【0030】また、原料の芳香族ポリサルホン樹脂のガ
ラス転移温度と実質的に同等のガラス転移温度を有する
芳香族ポリサルホン樹脂フィルムを効率よく製造するた
めには、溶媒除去工程の後に、芳香族ポリサルホン樹脂
のガラス転移温度以上の温度で熱処理、延伸、圧延など
の後加工を行うことが好ましい。特に熱処理を施す場合
は、280℃以上500℃以下の温度で加熱することが
好ましい。
【0031】形成された芳香族ポリサルホン樹脂フィル
ムは、通常、支持体から剥離して使用される。剥離の方
法は、特に限定されないが、長尺の芳香族ポリサルホン
樹脂フィルムを得るために支持体から連続的に剥離する
方法、短尺の芳香族ポリサルホン樹脂フィルムを得るた
めにシート状の支持体を用いてバッチ法で剥離する方法
などが挙げられる。
【0032】得られた複数枚のフィルムは貼合して用い
てもよい。貼合の方法としては、例えば、種々の方法に
よる接着などを挙げることができる。接着方法として
は、該フィルムの良溶媒を用いて接着する方法、粘着剤
または接着剤を用いて接着する方法などが挙げられる
が、透明性や光学的な等方性が確保されており、接着さ
れていれば特に限定されるものではない。
【0033】このようにして製造された芳香族ポリサル
ホン樹脂フィルムは、例えば、電気絶縁分野では、H種
クラスの電気機器、モータや発電機のスロットライナ、
相間絶縁などの絶縁材料、接着剤や粘着剤を塗工しテー
プ状に加工した変圧器や電線向けのラッピング材、コン
デンサーなどの誘電体用フィルム、チューブ状絶縁材料
などに、エレクトロニクス関連分野では、フレキシブル
プリント回路基板やその補強板、耐熱スペーサー、PC
Bラミネートなどに、音響関連分野では、スピーカーの
振動板や振動補強板などに、情報関連分野では、寸法安
定性が要求される記録用テープ、ディスク、液晶ディス
プレイやELディスプレイなど表示装置用パネルのガラ
ス基板代替フィルム、延伸加工を施すことで位相差フィ
ルム、光ファイバーの接続部などに、食品・医療分野で
は、医療用殺菌機器、電子レンジ・オーブンレンジ用の
加熱パックなどに好適に使用することができる。
【0034】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明が実施例により限定されるものではないこと
は言うまでもない。なお、実施例で用いた芳香族ポリサ
ルホン樹脂は、実質的に以下の繰り返し構造単位からな
るものである。 および の繰返し構造単位を有する樹脂。
【0035】 および および の繰返し構造単位を有する樹脂。
【0036】 および および の繰返し構造単位を有する樹脂。
【0037】〔芳香族ポリサルホン樹脂のガラス転移温
度の測定〕セイコー電子工業製熱分析システムSSC/
5200を用いて、芳香族ポリサルホン樹脂を100℃
/分で25℃から330℃まで昇温して同温度で30分
間放置した。室温まで冷却した後、10℃/分で25℃
から350℃まで昇温することにより測定した。 〔芳香族ポリサルホン樹脂の溶解性試験〕芳香族ポリサ
ルホン樹脂を0.5g秤取り、4.5gの溶媒に溶解さ
せて10重量%溶液を調整した。ここで検討した溶媒
は、塩化メチレン、1,3−ジオキソラン、テトラヒド
ロフラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、γ
−ブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリド
ン、ジメチルスルホキシド、スルホランの6種類であ
る。これらの溶液を室温で一晩放置した後、目視で白濁
やゲル化の有無を評価した。〔フィルムの乾燥条件〕 芳香族ポリサルホン樹脂溶液をアプリケータを用いてガ
ラス板に塗工した後、下記条件で乾燥を行った。尚、予
備乾燥はガラス板に塗工した状態で、本乾燥はガラス板
から剥離した状態で行った。 ・予備乾燥(ホットプレート上) 80℃×30分+100℃×30分+130℃×30分 ・本乾燥(熱風オーブン中) 150℃×1.5時間+190℃×1.5時間+230
℃×2時間+250℃×2時間+270℃×2時間
【0038】〔フイルムのガラス転移温度の測定〕セイ
コー電子工業製熱分析装置EXTRA TMA6100
を用いて、芳香族ポリサルホン樹脂フィルムに5gfの
荷重をかけながら、5℃/分で25℃から300℃まで
昇温し、該フィルムの伸びを測定した。得られたチャー
トの変極点をTgとした。尚、測定は窒素気流下で行っ
た。 〔フィルムの誘電率の測定〕安藤電機(株)製誘電体損
TR−10Cを用いて、フィルムの誘電率を測定した。
測定はASTM D150に準拠して行った。尚、試験
環境は23℃±2℃・50±5%RHである。 〔フィルムの引張り強度・弾性率の測定〕ASTM D
882に準拠してフィルムの引張り強度と弾性率を測定
した。
【0039】製造例1 25.43gのビス(4−フルオロフェニル)スルホン
と35.04gの9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレンを354.5gのジフェニルスルホンと
ともに、窒素入口、パドル型ステンレス攪拌翼及びコン
デンサーを装着した500mlのSUS316L製重合
槽に仕込んだ後、乾燥窒素にて30分パージした。この
混合物を油浴中で180℃にて溶融した後、14.37
gの炭酸カリウムを添加した。続いて、この混合物を窒
素でパージしながら180℃で1時間反応させた後、約
1.7時間かけて230℃まで昇温し、そのまま12時
間ホールドし、粘調な重合混合物を得た。この後、重合
混合物を金属トレイに注ぎ、室温で冷却、固化させた。
この重合混合物を粉砕して1.4mmの篩に通した後、
熱脱イオン水、アセトン、メタノールを用いて洗浄し
た。洗浄後、得られた芳香族ポリサルホン樹脂組成物を
150℃にて一晩乾燥した。得られたポリマーの還元粘
度は、59cm3/gであり、ガラス転移温度は285
℃であった。また、溶解性試験を行ったところ、該ポリ
マーはN,N−ジメチルアセトアミドに溶解した。
【0040】製造例2 25.43gのビス(4−フルオロフェニル)スルホン
と28.03gの9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレン、5.01gのビスフェノールSを34
0.00gのジフェニルスルホンとともに、窒素入口、
パドル型ステンレス攪拌翼及びコンデンサーを装着した
500mlのSUS316L製重合槽に仕込んだ後、乾
燥窒素にて30分パージした。この混合物を油浴中で1
80℃にて溶融した後、14.37gの炭酸カリウムを
添加した。続いて、この混合物を窒素でパージしながら
180℃で1時間反応させた後、約1.7時間かけて2
30℃まで昇温し、そのまま12時間ホールドし、粘調
な重合混合物を得た。この後、重合混合物を金属トレイ
に注ぎ、室温で冷却、固化させた。この重合混合物を粉
砕して1.4mmの篩に通した後、熱脱イオン水、アセ
トン、メタノールを用いて洗浄した。洗浄後、得られた
芳香族ポリサルホン樹脂組成物を150℃にて一晩乾燥
した。得られたポリマーの還元粘度は、56cm3/g
であり、ガラス転移温度は274℃であった。また、溶
解性試験を行ったところ、該ポリマーはN,N−ジメチ
ルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、シクロ
ヘキサノンに溶解した。
【0041】製造例3 25.43gのビス(4−フルオロフェニル)スルホン
と28.03gの9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレン、3.72gの(1,1’−ビフェニ
ル)−4,4−ジオールを354.5gのジフェニルス
ルホンとともに、窒素入口、パドル型ステンレス攪拌翼
及びコンデンサーを装着した500mlのSUS316
L製重合槽に仕込んだ後、乾燥窒素にて30分パージし
た。この混合物を油浴中で180℃にて溶融した後、1
4.37gの炭酸カリウムを添加した。続いて、この混
合物を窒素でパージしながら180℃で1時間反応させ
た後、約1.7時間かけて230℃まで昇温し、そのま
ま12時間ホールドし、粘調な重合混合物を得た。この
後、重合混合物を金属トレイに注ぎ、室温で冷却、固化
させた。この重合混合物を粉砕して1.4mmの篩に通
した後、熱脱イオン水、アセトン、メタノールを用いて
洗浄した。洗浄後、得られた芳香族ポリサルホン樹脂組
成物を150℃にて一晩乾燥した。得られたポリマーの
還元粘度は、61cm3/gであり、ガラス転移温度は
278℃であった。また、溶解性試験を行ったところ、
該ポリマーはN,N−ジメチルアセトアミド、N−メチ
ル−2−ピロリドン、シクロヘキサノンに溶解した。
【0042】製造例4 25.43gのビス(4−フルオロフェニル)スルホン
と28.03gの9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレン、3.20gの2,6−ジヒドロキシナ
フタレンを354.5gのジフェニルスルホンととも
に、窒素入口、パドル型ステンレス攪拌翼及びコンデン
サーを装着した500mlのSUS316L製重合槽に
仕込んだ後、乾燥窒素にて30分パージした。この混合
物を油浴中で180℃にて溶融した後、14.37gの
炭酸カリウムを添加した。続いて、この混合物を窒素で
パージしながら180℃で1時間反応させた後、約1.
7時間かけて230℃まで昇温し、そのまま12時間ホ
ールドし、粘調な重合混合物を得た。この後、重合混合
物を金属トレイに注ぎ、室温で冷却、固化させた。この
重合混合物を粉砕して1.4mmの篩に通した後、熱脱
イオン水、アセトン、メタノールを用いて洗浄した。洗
浄後、得られた芳香族ポリサルホン樹脂組成物を150
℃にて一晩乾燥した。得られたポリマーの還元粘度は、
51cm3/gであり、ガラス転移温度は277℃であ
った。また、溶解性試験を行ったところ、該ポリマーは
N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロ
リドン、シクロヘキサノンに溶解した。
【0043】製造例5 25.43gのビス(4−フルオロフェニル)スルホン
と35.04gの9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレンを354.5gのジフェニルスルホンと
ともに、窒素入口、パドル型ステンレス攪拌翼及びコン
デンサーを装着した500mlのSUS316L製重合
槽に仕込んだ後、乾燥窒素にて30分パージした。この
混合物を油浴中で180℃にて溶融した後、14.37
gの炭酸カリウムを添加した。続いて、この混合物を窒
素でパージしながら180℃で1時間反応させた後、約
1.7時間かけて230℃まで昇温し、そのまま6時間
ホールドし、粘調な重合混合物を得た。この後、重合混
合物を金属トレイに注ぎ、室温で冷却、固化させた。こ
の重合混合物を粉砕して1.4mmの篩に通した後、熱
脱イオン水、アセトン、メタノールを用いて洗浄した。
洗浄後、得られた芳香族ポリサルホン樹脂組成物を15
0℃にて一晩乾燥した。得られたポリマーの還元粘度
は、41cm3/gであり、ガラス転移温度は285℃
であった。また、溶解性試験を行ったところ、製造例1
と同様に該ポリマーはN,N−ジメチルアセトアミドに
溶解した。
【0044】実施例1 製造例1で得られた還元粘度が59cm3/gの芳香族
ポリサルホン樹脂の20重量%N,N−ジメチルホルム
アミド溶液を調整した。この溶液を180μmのクリア
ランスのアプリケータ(塗工幅150mm)を用いてガ
ラス板上に塗工し、所定の条件で乾燥した。その結果、
引張り強度が74MPa、弾性率2300MPaの取り
扱い性に優れた透明な19μmのフィルムが得られた。
また、このフィルムのガラス転移温度は275℃、誘電
率(@1kHz)は2.48であり、優れた耐熱性と誘
電特性を有していた。さらに、このフィルムは、予備乾
燥から本乾燥に移行する段階でガラス板から剥離した
が、この過程でフィルムは破損することなく、機械的性
能も優れていた。
【0045】実施例2 製造例2で得られた還元粘度が56cm3/gの芳香族
ポリサルホン樹脂の20重量%N,N−ジメチルホルム
アミド溶液を調整した。この溶液を180μmのクリア
ランスのアプリケータ(塗工幅150mm)を用いてガ
ラス板上に塗工し、所定の条件で乾燥した。その結果、
引張り強度が61MPa、弾性率2000MPaの取り
扱い性に優れた透明な22μmのフィルムが得られた。
また、このフィルムのガラス転移温度は277℃、誘電
率(@1kHz)は2.92であり、優れた耐熱性と誘
電特性を有していた。さらに、このフィルムは、予備乾
燥から本乾燥に移行する段階でガラス板から剥離した
が、この過程でフィルムは破損することなく、機械的性
能も優れていた。
【0046】実施例3 製造例3で得られた還元粘度61cm3/gの芳香族ポ
リサルホン樹脂の20重量%N,N−ジメチルホルムア
ミド溶液を調整した。この溶液を200μmのクリアラ
ンスのアプリケータ(塗工幅150mm)を用いてガラ
ス板上に塗工し、所定の条件で乾燥した。その結果、引
張り強度が84MPa、弾性率2150MPaの取り扱
い性に優れた透明な23μmのフィルムが得られた。ま
た、このフィルムのガラス転移温度は276℃であり、
優れた耐熱性を有していた。さらに、このフィルムは、
予備乾燥から本乾燥に移行する段階でガラス板から剥離
したが、この過程でフィルムは破損することなく、機械
的性能も優れていた。
【0047】実施例4 製造例4で得られた還元粘度が51cm3/gの芳香族
ポリサルホン樹脂の23重量%N,N−ジメチルホルム
アミド溶液を調整した。この溶液を200μmのクリア
ランスのアプリケータ(塗工幅150mm)を用いてガ
ラス板上に塗工し、所定の条件で乾燥した。その結果、
引張り強度が61MPa、弾性率2000MPaの取り
扱い性に優れた透明な27μmのフィルムが得られた。
また、このフィルムのガラス転移温度は273℃であ
り、優れた耐熱性を有していた。さらに、このフィルム
は、予備乾燥から本乾燥に移行する段階でガラス板から
剥離したが、この過程でフィルムは破損することなく、
機械的性能も優れていた。
【0048】比較例1 製造例5で得られた還元粘度が41cm3/gの芳香族
ポリサルホン樹脂の20重量%N,N−ジメチルホルム
アミド溶液を調整した。この溶液を180μmのクリア
ランスのアプリケータ(塗工幅150mm)を用いてガ
ラス板上に塗工し、所定の条件での乾燥を行った。しか
しながら、該フィルムは非常に脆弱であり、予備乾燥か
ら本乾燥に移行する段階でガラス板から剥離する際、フ
ィルムが簡単に破損した。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、透明性及び誘電特性に
優れ、しかも機械的性能にも優れた芳香族ポリサルホン
樹脂フィルムを提供することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA64 AA86 AA88 AC06 AC07 AC10 AC12 AC13 AE19 AF30 AF40Y AH12 BA02 BB02 BC01 4J030 BA03 BA10 BA42 BA47 BA48 BA49 BB66 BF03 BF09 BG04 BG23 BG25

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(I)で示される繰り返し構造単位
    を含み、還元粘度が50〜100cm3/gである芳香
    族ポリサルホン樹脂(A)および溶媒(B)を含有する
    溶液組成物を流延して得られることを特徴とする芳香族
    ポリサルホン樹脂フィルム。 (式(I)中、R1は水素原子を表わすか、メチル基ま
    たはエチル基を表す。式(I)中、R1は互いに異なっ
    ていてもよい。)
  2. 【請求項2】ガラス転移温度(Tg)が260℃以上で
    あり、誘電率が3.0未満である請求項1記載の芳香族
    ポリサルホン樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】溶媒(B)が、アミド系溶媒、ケトン系溶
    媒、エステル系溶媒、スルホキシド系溶媒、アセタール
    系溶媒から選ばれる少なくとも1種を含む溶媒である請
    求項1または2記載のフィルム。
  4. 【請求項4】下記式(I)で示される繰り返し構造単位
    を含み、還元粘度が50〜100cm3/gである芳香
    族ポリサルホン樹脂(A)および溶媒(B)を含有する
    溶液組成物を流延し、溶媒を除去することを特徴とする
    芳香族ポリサルホン樹脂フィルムの製造方法。 (式(I)中、R1は水素原子を表わすか、メチル基ま
    たはエチル基を表す。式(I)中、R1は互いに異なっ
    ていてもよい。)
  5. 【請求項5】50℃以上に保温した溶液組成物を用いる
    請求項4記載の製造方法。
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