JP2003320750A - インクジェット記録用シート - Google Patents

インクジェット記録用シート

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JP2003320750A
JP2003320750A JP2002133496A JP2002133496A JP2003320750A JP 2003320750 A JP2003320750 A JP 2003320750A JP 2002133496 A JP2002133496 A JP 2002133496A JP 2002133496 A JP2002133496 A JP 2002133496A JP 2003320750 A JP2003320750 A JP 2003320750A
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JP2002133496A
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English (en)
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Hiroyuki Kawasaki
博行 川▲崎▼
Takao Oya
隆男 大屋
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐光性に優れたインクジェット記録用シートを
提供すること。 【解決手段】支持体上に色材受容層を有するインクジェ
ット記録用シートにおいて、該色材受容層の温度23℃
相対湿度45%における平衡含水分が1mg/gから4
0mg/gの範囲内にあることを特徴とするインクジェ
ット記録用シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性インク(色材
として染料又は顔料を用いたもの)及び油性インク等の
液状インクや、常温では固体であり、溶融液状化させて
印画に供する固体状インク等を用いたインクジェット記
録に供給される被記録材に関し、詳しくは、耐光性に優
れたインクジェット記録用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報技術産業の急速な発展に伴
い、種々の情報処理システムが開発され、その情報処理
システムに適した記録方法および記録装置も開発され、
各々実用化されている。これらの記録方法の中でも、イ
ンクジェット記録方法は、多種の被記録材料に記録可能
なこと、ハード(装置)が比較的安価でコンパクトであ
ること、静粛性に優れること等の利点から、オフィスは
勿論、いわゆるホームユースにおいても広く用いられて
きている。
【0003】また、近年のインクジェットプリンターの
高解像度化に伴い、いわゆる写真ライクな高画質記録物
を得ることも可能になってきており、このようなハード
(装置)の進歩に伴って、インクジェット記録用の記録
シートも各種開発されてきている。このインクジェット
記録用の記録シートに要求される特性としては、一般的
に、(1)速乾性があること(インクの吸収速度が大き
いこと)、(2)インクドットの径が適正で均一である
こと(ニジミのないこと)、(3)粒状性が良好である
こと、(4)ドットの真円性が高いこと、(5)色濃度
が高いこと、(6)彩度が高いこと(くすみのないこ
と)、(7)印画部の耐水性や耐光性、耐オゾン性が良
好なこと、(8)記録シートの白色度が高いこと、
(9)記録シートの保存性が良好なこと(長期保存でも
黄変着色を起こさないこと、長期保存で画像がにじまな
いこと(経時ニシ゛ミが良好な事))、(10)変形しにく
く寸法安定性が良好であること(カールが十分小さいこ
と)、(11)ハード走行性が良好であること等が挙げ
られる。更に、いわゆる写真ライクな高画質記録物を得
る目的で用いられるフォト光沢紙の用途においては、上
記諸特性に加えて、光沢性、表面平滑性、銀塩写真に類
似した印画紙状の風合い等も要求される。
【0004】上記した諸特性のうち、耐光性の向上を目
的として、記録用紙中に紫外線吸収剤を添加したものが
あるが(特開昭57−74192号、特開昭57−74
193号、特開昭57−87988号)、これらは、記
録用紙が黄変したり、印字したインクの色相が変化した
り、インクにより耐光性向上効果が少なかったりするも
ので、必ずしも満足の行くものではなかった。また、ヒ
ンダートフェノール系、ヒンダートアミン系の酸化防止
剤を添加する方法も報告されているが(特開昭61−1
46591号、特開昭64−36480号、特開平3−
13376号),同様の問題点を有していた。更に、特
開昭57−87987号には、リンタングステン酸、リ
ンモリブデン酸、塩化第二クロム等の金属酸化物、金属
塩化物を添加することが報告がされており、特開200
0−190622号には酢酸マグネシウムを添加するこ
とが報告がされており、特開2000−301830号
にはプロピオン酸カルシウム添加する旨が報告がされて
いるが、いずれも耐光性改良に十分な結果は得られてい
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、耐光性に優れたインクジェット記録用シートを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】斯かる実情に鑑み、本発
明者は鋭意研究を行ったところ、色材受容層の平衡含水
分が一定範囲内にあるインクジェット記録用シートが、
耐光性に優れるものであることを見出し本発明を完成し
た。すなわち、本発明は次のものを提供するものであ
る。
【0007】<1>支持体上に色材受容層を有するイン
クジェット記録用シートにおいて、該色材受容層の温度
23℃相対湿度45%における平衡含水分が1mg/g
から40mg/gの範囲内にあることを特徴とするイン
クジェット記録用シート。 <2>色材受容層の温度23℃相対湿度45%における
平衡含水分が1mg/gから20mg/gの範囲内にあ
ることを特徴とする<1>記載のインクジェット記録用
シート。 <3>色材受容層が、無機微粒子、水溶性樹脂、架橋
剤、媒染剤及びI/O値が0.8以上2以下のポリエチ
レンオキサイド基を有する分散剤を含有することを特徴
とする<1>又は<2>記載のインクジェット記録用シ
ート。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録用シ
ートは、色材受容層が、微粒子、水溶性樹脂、架橋剤お
よび媒染剤を含有するものが、速乾性があり、色濃度が
高く、銀塩写真に似た光沢感が得られ、好ましい。以
下、これらについて詳細に説明する。
【0009】(微粒子)本発明のインクジェット記録用
シートでは、その色材受容層が、水溶性樹脂及び微粒子
を含有するものが好ましい。インクジェット記録用シー
トの色材受容層は、微粒子を含有することにより多孔質
構造が得られ、これによりインクの吸収性能が向上す
る。特に、該微粒子の色材受容層における固形分含有量
が50質量%以上、より好ましくは60質量%を超えて
いると、更に良好な多孔質構造を形成することが可能と
なり、十分なインク吸収性を備えたインクジェット記録
用シートが得られるので好ましい。ここで、微粒子の色
材受容層における固形分含有量とは、色材受容層を構成
する組成物中の水以外の成分に基づき算出される含有量
である。本発明に用いる微粒子としては、有機微粒子、
無機微粒子のいずれでもよいが、インク吸収性及び画像
安定性の点から、無機微粒子が好ましい。
【0010】上記有機微粒子として好ましいものとして
は、例えば乳化重合、マイクロエマルジョン系重合、ソ
ープフリー重合、シード重合、分散重合、懸濁重合など
により得られるポリマー微粒子が挙げられ、具体的に
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リアクリレート、ポリアミド、シリコン樹脂、フェノー
ル樹脂、天然高分子等の粉末、ラテックス又はエマルジ
ョン状のポリマー微粒子等が挙げられる。
【0011】上記無機微粒子としては、例えば、シリカ
微粒子、コロイダルシリカ、二酸化チタン、硫酸バリウ
ム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロ
イサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、硫酸カルシウム、擬ベーマイト、酸化亜鉛、水
酸化亜鉛、アルミナ、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウ
ム、珪酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジル
コニウム、酸化セリウム、酸化ランタン、酸化イットリ
ウム等が挙げられる。これらの中でも良好な多孔質構造
を形成する観点より、シリカ微粒子、コロイダルシリ
カ、アルミナ微粒子又は擬ベーマイトが好ましい。
【0012】このうち、シリカ微粒子は、通常その製造
法により湿式法粒子と乾式法(気相法)粒子とに大別さ
れる。上記湿式法では、ケイ酸塩の酸分解により活性シ
リカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含
水シリカを得る方法が主流である。一方、気相法は、ハ
ロゲン化珪素の高温気相加水分解による方法(火炎加水
分解法)、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによ
って加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アー
ク法)によって無水シリカを得る方法が主流であり、
「気相法シリカ」とは該気相法によって得られた無水シ
リカ微粒子を意味する。本発明に用いるシリカ微粒子と
しては、特に気相法シリカ微粒子が好ましい。
【0013】上記気相法シリカは、含水シリカと表面の
シラノール基の密度、空孔の有無等に相違があり、異な
った性質を示すが、空隙率が高い三次元構造を形成する
のに適している。この理由は明らかではないが、含水シ
リカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密
度が5〜8個/nm2で多く、シリカ微粒子が密に凝集
(アグリゲート)し易く、一方、気相法シリカの場合に
は、微粒子表面におけるシラノール基の密度が2〜3個
/nm2であり少ないことから疎な軟凝集(フロキュレ
ート)となり、その結果、空隙率が高い構造になるもの
と推定される。
【0014】上記気相法シリカは、比表面積が特に大き
いので、インクの吸収性、保持の効率が高く、また、屈
折率が低いので、適切な粒子径まで分散をおこなえば受
容層に透明性を付与でき、高い色濃度と良好な発色性が
得られるという特徴がある。受容層が透明であること
は、OHP等透明性が必要とされる用途のみならず、フ
ォト光沢紙等の記録用シートに適用する場合でも、高い
色濃度と良好な発色性光沢を得る観点で重要である。
【0015】上記気相法シリカの平均一次粒子径として
は50nm以下が好ましく、20nm以下が更に好まし
く、10nm以下が特に好ましく、3〜10nmが最も
好ましい。上記気相法シリカは、シラノール基による水
素結合によって粒子同士が付着しやすいため、平均一次
粒子径が50nm以下の場合に空隙率の大きい構造を形
成することができ、インク吸収特性を効果的に向上させ
ることができる。
【0016】また、シリカ微粒子は、前述の他の微粒子
と併用してもよい。該他の微粒子と上記気相法シリカと
を併用する場合、全微粒子中の気相法シリカの含有量
は、30質量%以上が好ましく、50質量%以上が更に
好ましい。
【0017】本発明に用いる無機微粒子としては、アル
ミナ微粒子、アルミナ水和物、これらの混合物又は複合
物も好ましい。この内、アルミナ水和物は、インクを良
く吸収し定着することなどから好ましく、特に、擬ベー
マイト(Al23・nH2O)が好ましい。アルミナ水
和物は、種々の形態のものを用いることができるが、容
易に平滑な層が得られることからゾル状のベーマイトを
原料として用いることが好ましい。
【0018】擬ベーマイトの細孔構造については、その
平均細孔半径は1〜25nmが好ましく、2〜10nm
がより好ましい。また、その細孔容積は0.3〜2.0
cc/gが好ましく、0.5〜1.5cc/gがより好
ましい。ここで、上記細孔半径及び細孔容積の測定は、
窒素吸脱着法により測定されるもので、例えば、ガス吸
脱着アナライザー(例えば、コールター社製の商品名
「オムニソープ369」)により測定できる。また、ア
ルミナ微粒子の中では気相法アルミナ微粒子が比表面積
が大きく好ましい。該気相法アルミナの平均一次粒子径
は50nm以下であり、20nm以下が更に好ましい。
更に、平均一次粒径が50nm以下のコロイダルシリカ
も好ましいものとして挙げられる。本発明に用いる無機
微粒子としては、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、擬ベ
ーマイトが好ましい。
【0019】上述の微粒子をインクジェット記録用シー
トに用いる場合は、例えば、特開平10−81064
号、同10−119423号、同10−157277
号、同10−217601号、同11−348409
号、特開2001−138621号、同2000−43
401号、同2000−211235号、同2000−
309157号、同2001−96897号、同200
1−138627号、特開平11−91242号、同8
−2087号、同8−2090号、同8−2091号、
同8−2093号、同8−174992号、同11−1
92777号、特開2001−301314号等公報に
開示された態様でも、好ましく用いることができる。
【0020】(水溶性樹脂)本発明に用いられる水溶性
樹脂としては、例えば、親水性構造単位としてヒドロキ
シ基を有する樹脂であるポリビニルアルコール系樹脂
〔ポリビニルアルコール(PVA)、アセトアセチル変
性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアル
コール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノー
ル変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール
等〕、セルロース系樹脂〔メチルセルロース(MC)、
エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロー
ス(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CM
C)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒド
ロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース等〕、キチン類、キトサン類、デンプ
ン、エーテル結合を有する樹脂〔ポリエチレンオキサイ
ド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、
ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテ
ル(PVE)等〕、カルバモイル基を有する樹脂〔ポリ
アクリルアミド(PAAM)、ポリビニルピロリドン
(PVP)、ポリアクリル酸ヒドラジド等〕等が挙げら
れる。また、解離性基としてカルボキシル基を有するポ
リアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ゼラ
チン類等も挙げることができる。
【0021】以上の中でも、特にポリビニルアルコール
系樹脂が好ましい。該ポリビニルアルコールの例として
は、特公平4−52786号、特公平5−67432
号、特公平7−29479号、特許第2537827
号、特公平7−57553号、特許第2502998
号、特許第3053231号、特開昭63−17617
3号、特許第2604367号、特開平7−27678
7号、特開平9−207425号、特開平11−589
41号、特開2000−135858号、特開2001
−205924号、特開2001−287444号、特
開昭62−278080号、特開平9−39373号、
特許第2750433号、特開2000−158801
号、特開2001−213045号、特開2001−3
28345号、特開平8−324105号、特開平11
−348417号等に記載されたものなどが挙げられ
る。また、ポリビニルアルコール系樹脂以外の水溶性樹
脂の例としては、特開平11-165461号公報の
「0011」〜「0014」に記載の化合物なども挙げ
られる。これら水溶性樹脂はそれぞれ単独で用いても良
く、2種以上を併用して用いてもよい。
【0022】本発明の水溶性樹脂の含有量としては、色
材受容層の全固形分質量に対して、9〜40質量%が好
ましく、12〜33質量%がより好ましい。
【0023】本発明の色材受容層を主として構成する、
前記微粒子と水溶性樹脂とは、それぞれ単一素材であっ
てもよいし、複数の素材の混合系を使用してもよい。
尚、透明性を保持する観点からは、微粒子特にシリカ微
粒子に組み合わされる水溶性樹脂の種類が重要となる。
前記気相法シリカを用いる場合には、該水溶性樹脂とし
ては、ポリビニルアルコール系樹脂が好ましく、その中
でも、鹸化度70〜100%のポリビニルアルコール系
樹脂がより好ましく、鹸化度80〜99.5%のポリビ
ニルアルコール系樹脂が特に好ましい。
【0024】前記ポリビニルアルコール系樹脂は、その
構造単位に水酸基を有するが、この水酸基と前記シリカ
微粒子の表面シラノール基とが水素結合を形成するた
め、シリカ微粒子の二次粒子を網目鎖単位とした三次元
網目構造を形成し易くなる。この三次元網目構造の形成
によって、空隙率が高く十分な強度のある多孔質構造の
色材受容層が形成されると考えられる。インクジェット
記録において、上述のようにして得られた多孔質の色材
受容層は、毛細管現象によって急速にインクを吸収し、
インク滲みの発生しない真円性の良好なドットを形成す
ることができる。
【0025】また、ポリビニルアルコール系樹脂は、前
記その他の水溶性樹脂を併用してもよい。該他の水溶性
樹脂と上記ポリビニルアルコール系樹脂とを併用する場
合、全水溶性樹脂中、ポリビニルアルコール系樹脂の含
有量は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上が
更に好ましい。
【0026】<微粒子と水溶性樹脂との含有比>微粒子
(x)と水溶性樹脂(y)との質量含有比〔PB比(x
/y)〕は、色材受容層の膜構造及び膜強度にも大きな
影響を与える。即ち、質量含有比〔PB比〕が大きくな
ると、空隙率、細孔容積、表面積(単位質量当り)が大
きくなるが、密度や強度は低下する傾向にある。
【0027】本発明の色材受容層は、上記質量含有比
〔PB比(x/y)〕としては、該PB比が大き過ぎる
ことに起因する、膜強度の低下や乾燥時のひび割れを防
止し、且つ該PB比が小さ過ぎることによって、該空隙
が樹脂によって塞がれ易くなり、空隙率が減少すること
でインク吸収性が低下するのを防止する観点から、1.
5〜10が好ましい。
【0028】インクジェットプリンターの搬送系を通過
する場合、記録用シートに応力が加わることがあるの
で、色材受容層は十分な膜強度を有していることが必要
である。またシート状に裁断加工する場合、色材受容層
の割れや剥がれ等を防止する上でも、色材受容層には十
分な膜強度を有していることが必要である。これらの場
合を考慮すると、前記質量比(x/y)としては5以下
がより好ましく、一方インクジェットプリンターで、高
速インク吸収性を確保する観点からは、2以上であるこ
とがより好ましい。
【0029】例えば、平均一次粒子径が20nm以下の
気相法シリカ微粒子と水溶性樹脂とを、質量比(x/
y)2〜5で水溶液中に完全に分散した塗布液を支持体
上に塗布し、該塗布層を乾燥した場合、シリカ微粒子の
二次粒子を網目鎖とする三次元網目構造が形成され、そ
の平均細孔径が25nm以下、空隙率が50〜80%、
細孔比容積が0.5ml/g以上、比表面積が100m
2/g以上の、透光性の多孔質膜を容易に形成すること
ができる。
【0030】(架橋剤)本発明のインクジェット記録用
シートの色材受容層は、微粒子および水溶性樹脂を含む
塗布層が、更に該水溶性樹脂を架橋し得る架橋剤を含
み、該架橋剤と水溶性樹脂との架橋反応によって硬化さ
れた多孔質層である態様が好ましい。
【0031】上記の水溶性樹脂、特にポリビニルアルコ
ールの架橋には、ホウ素化合物が好ましい。該ホウ素化
合物としては、例えば、硼砂、硼酸、硼酸塩(例えば、
オルト硼酸塩、InBO3、ScBO3、YBO3、La
BO3、Mg3(BO3)2、Co3(BO3)2、二硼酸塩(例
えば、Mg225、Co225)、メタ硼酸塩(例え
ば、LiBO2、Ca(BO2)2、NaBO2、KB
2)、四硼酸塩(例えば、Na247・10H
2O)、五硼酸塩(例えば、KB58・4H2O、Ca2
61 1・7H2O、CsB55)等を挙げることができ
る。中でも、速やかに架橋反応を起こすことができる点
で、硼砂、硼酸、硼酸塩が好ましく、特に硼酸が好まし
い。
【0032】上記水溶性樹脂の架橋剤として、ホウ素化
合物以外の下記化合物を使用することもできる。例え
ば、ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタールア
ルデヒド等のアルデヒド系化合物;ジアセチル、シクロ
ペンタンジオン等のケトン系化合物;ビス(2−クロロ
エチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−
1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−S−
トリアジン・ナトリウム塩等の活性ハロゲン化合物;ジ
ビニルスルホン酸、1,3−ビニルスルホニル−2−プ
ロパノール、N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニ
ルアセタミド)、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキ
サヒドロ−S−トリアジン等の活性ビニル化合物;ジメ
チロ−ル尿素、メチロールジメチルヒダントイン等のN
−メチロール化合物;メラミン樹脂(例えば、メチロー
ルメラミン、アルキル化メチロールメラミン);エポキ
シ樹脂;
【0033】1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート
等のイソシアネート系化合物;米国特許明細書第301
7280号、同第2983611号に記載のアジリジン
系化合物;米国特許明細書第3100704号に記載の
カルボキシイミド系化合物;グリセロールトリグリシジ
ルエーテル等のエポキシ系化合物;1,6−ヘキサメチ
レン−N,N’−ビスエチレン尿素等のエチレンイミノ
系化合物;ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸等の
ハロゲン化カルボキシアルデヒド系化合物;2,3−ジ
ヒドロキシジオキサン等のジオキサン系化合物;乳酸チ
タン、硫酸アルミ、クロム明ばん、カリ明ばん、酢酸ジ
ルコニル、酢酸クロム等の金属含有化合物、テトラエチ
レンペンタミン等のポリアミン化合物、アジピン酸ジヒ
ドラジド等のヒドラジド化合物、オキサゾリン基を2個
以上含有する低分子又はポリマー等である。上記の架橋
剤は、一種単独でも、2種以上を組合わせて用いてもよ
い。
【0034】架橋硬化は、微粒子、水溶性樹脂等を含有
する塗布液(以下、「塗布液A」ということがある)お
よび/または下記塩基性溶液に架橋剤を添加し、かつ、
(1)前記塗布液を塗布して塗布層を形成すると同時、
または(2)前記塗布液を塗布して形成される塗布層の
乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥を示す前のいずれ
かのときに、pH8以上の塩基性溶液(以下、「塗布液
B」ということがある)を前記塗布層に付与することに
より行うことが好ましい。 上記架橋剤の付与は、ホウ
素化合物を例にすると下記のように行われることが好ま
しい。すなわち、色材受容層が、微粒子、ポリビニルア
ルコールを含む水溶性樹脂を含有する塗布液(塗布液
A)を塗布した塗布層を架橋硬化させた層である場合、
架橋硬化は、(1)前記塗布液を塗布すると同時、
(2)前記塗布液を塗布して形成される塗布層の乾燥塗
中であって該塗布層が減率乾燥を示す前のいずれかのと
きに、pH8以上の塩基性溶液(塗布液B)を前記塗布
層に付与することにより行われる。架橋剤たるホウ素化
合物は、塗布液A、または塗布液Bの何れかに含有すれ
ば良く、塗布液A及び塗布液Bの両方に含有させておい
ても良い。架橋剤の使用量は、水溶性樹脂に対して、1
〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好まし
い。
【0035】(媒染剤)本発明においては、形成画像の
耐水性及び耐経時ニジミの向上を図るために、色材受容
層に媒染剤が含有されるのが好ましい。上記媒染剤とし
ては有機媒染剤としてカチオン性のポリマー(カチオン
性媒染剤)、又は無機媒染剤が好ましく、該媒染剤を色
材受容層中に存在させることにより、アニオン性染料を
色材として有する液状インクとの間で相互作用し色材を
安定化し、耐水性や耐経時ニジミを向上させることがで
きる。有機媒染剤および無機媒染剤はそれぞれ単独種で
使用しても良いし、有機媒染剤および無機媒染剤を併用
してもよい。
【0036】媒染剤は、微粒子と水溶性樹脂を含む塗布
液(塗布液A)に添加するか、又は微粒子との間で凝集
を生ずる懸念がある場合は、塗布液Bに含有させ塗布す
る。
【0037】上記カチオン性媒染剤としては、カチオン
性基として、第1級〜第3級アミノ基、又は第4級アン
モニウム塩基を有するポリマー媒染剤が好適に用いられ
るが、カチオン性の非ポリマー媒染剤も使用することが
できる。上記ポリマー媒染剤としては、第1級〜第3級
アミノ基およびその塩、又は第4級アンモニウム塩基を
有する単量体(媒染モノマー)の単独重合体や、該媒染
モノマーと他のモノマー(以下、「非媒染モノマー」と
いう。)との共重合体又は縮重合体として得られるもの
が好ましい。また、これらのポリマー媒染剤は、水溶性
ポリマー又は水分散性ラテックス粒子のいずれの形態で
も使用できる。
【0038】上記単量体(媒染モノマー)としては、例
えば、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムク
ロライド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウ
ムクロライド、トリエチル−p−ビニルベンジルアンモ
ニウムクロライド、トリエチル−m−ビニルベンジルア
ンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル
−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、
N,N−ジエチル−N−メチル−N−p−ビニルベンジ
ルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n
−プロピル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロ
ライド、N,N−ジメチル−N−n−オクチル−N−p
−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジ
メチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモ
ニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−ベンジル−
N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,
N−ジメチル−N−(4−メチル)ベンジル−N−p−
ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメ
チル−N−フェニル−N−p−ビニルベンジルアンモニ
ウムクロライド;
【0039】トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニ
ウムブロマイド、トリメチル−m−ビニルベンジルアン
モニウムブロマイド、トリメチル−p−ビニルベンジル
アンモニウムスルホネート、トリメチル−m−ビニルベ
ンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−p−ビ
ニルベンジルアンモニウムアセテート、トリメチル−m
−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、N,N,N
−トリエチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチル
アンモニウムクロライド、N,N,N−トリエチル−N
−2−(3−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロ
ライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4
−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、
N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニル
フェニル)エチルアンモニウムアセテート;
【0040】N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)
アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メ
タ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノ
プロピル(メタ)アクリルアミドのメチルクロライド、
エチルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイ
ド、メチルアイオダイド若しくはエチルアイオダイドに
よる4級化物、又はそれらのアニオンを置換したスルホ
ン酸塩、アルキルスルホン酸塩、酢酸塩若しくはアルキ
ルカルボン酸塩等が挙げられる。
【0041】具体的には、例えば、モノメチルジアリル
アンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリ
ロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエ
チル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウ
ムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルオキ
シ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−
(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライ
ド、トリメチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピ
ルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタク
リロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、ト
リメチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモ
ニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイル
アミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−
2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロラ
イド、トリエチル−2−(アクリロイルアミノ)エチル
アンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリ
ロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリ
エチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモ
ニウムクロライド、トリメチル−3−(アクリロイルア
ミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−
3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロ
ライド;
【0042】N,N−ジメチル−N−エチル−2−(メ
タクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、
N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイル
オキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジメ
チル−N−エチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピ
ルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタク
リロイルオキシ)エチルアンモニウムブロマイド、トリ
メチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニ
ウムブロマイド、トリメチル−2−(メタクリロイルオ
キシ)エチルアンモニウムスルホネート、トリメチル−
3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムアセ
テート等を挙げることができる。その他、共重合可能な
モノマーとして、N―ビニルイミダゾール、N―ビニル
−2−メチルイミダゾール等も挙げられる。
【0043】また、アリルアミン、ジアリルアミンやそ
の誘導体、塩なども利用できる。このような化合物の例
としてはアリルアミン、アリルアミン塩酸塩、アリルア
ミン酢酸塩、アリルアミン硫酸塩、ジアリルアミン、ジ
アリルアミン塩酸塩、ジアリルアミン酢酸塩、ジアリル
アミン硫酸塩、ジアリルメチルアミンおよびこの塩(該
塩としては、例えば、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩など)、
ジアリルエチルアミンおよびこの塩(該塩としては、例
えば、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩など)、ジアリルジメチ
ルアンモニウム塩(該塩の対アニオンとしてはクロライ
ド、酢酸イオン硫酸イオンなど)が挙げられる。尚、こ
れらのアリルアミンおよびジアリルアミン誘導体はアミ
ンの形態では重合性が劣るので塩の形で重合し、必要に
応じて脱塩することが一般的である。また、N−ビニル
アセトアミド、N−ビニルホルムアミドなどの単位を用
い、重合後に加水分解によってビニルアミン単位とする
こと、及びこれを塩にしたものも利用できる。
【0044】前記非媒染モノマーとは、第1級〜第3級
アミノ基およびその塩、又は第4級アンモニウム塩基等
の塩基性あるいはカチオン性部分を含まず、インクジェ
ットインク中の染料と相互作用を示さない、あるいは相
互作用が実質的に小さいモノマーをいう。上記非媒染モ
ノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキル
エステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メ
タ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アク
リル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステ
ル;(メタ)アクリル酸ベンジル等のアラルキルエステ
ル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等
の芳香族ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリ
ル等のアリルエステル類;塩化ビニリデン、塩化ビニル
等のハロゲン含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等
のシアン化ビニル;エチレン、プロピレン等のオレフィ
ン類、等が挙げられる。
【0045】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
としては、アルキル部位の炭素数が1〜18の(メタ)
アクリル酸アルキルエステルが好ましく、例えば、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソ
プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)ア
クリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、
(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オク
チル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリ
ル等が挙げられる。中でも、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタ
アクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートが好
ましい。上記非媒染モノマーも、一種単独で又は二種以
上を組合せて使用できる。
【0046】更に、前記ポリマー媒染剤として、ポリジ
アリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリメタクリ
ロイルオキシエチル−β−ヒドロキシエチルジメチルア
ンモニウムクロライド、ポリエチレンイミン、ポリアリ
ルアミン及びその誘導体、ポリアミド−ポリアミン樹
脂、カチオン化でんぷん、ジシアンジアミドホルマリン
縮合物、ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアンモニウ
ム塩重合物、ポリアミジン、ポリビニルアミン、ジシア
ンジアミド−ホルマリン重縮合物に代表されるジシアン
系カオチン樹脂、ジシアンアミド−ジエチレントリアミ
ン重縮合物に代表されるポリアミン系カオチン樹脂、エ
ピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、ジメチ
ルジアリンアンモニウムクロリド−SO2共重合物、ジ
アリルアミン塩−SO2共重合物、第4級アンモニウム塩
基置換アルキル基をエステル部分に有する(メタ)アク
リレート含有ポリマー、第4級アンモニウム塩基置換ア
ルキル基を有するスチリル型ポリマー等も好ましいもの
として挙げることができる。
【0047】前記ポリマー媒染剤として、具体的には、
特開昭48−28325号、同54−74430号、同
54−124726号、同55−22766号、同55
−142339号、同60−23850号、同60−2
3851号、同60−23852号、同60−2385
3号、同60−57836号、同60−60643号、
同60−118834号、同60−122940号、同
60−122941号、同60−122942号、同6
0−235134号、特開平1−161236号の各公
報、米国特許2484430、同2548564号、同
3148061号、同3309690号、同41151
24号、同4124386号、同4193800号、同
4273853号、同4282305号、同44502
24号、特開平1−161236号、同10−8106
4号、同10−119423号、同10−157277
号、同10−217601号、同11−348409
号、特開2001−138621号、同2000−43
401号、同2000−211235号、同2000−
309157号、同2001−96897号、同200
1−138627号、特開平11−91242号、同8
−2087号、同8−2090号、同8−2091号、
同8−2093号、同8−174992号、同11−1
92777号、特開2001−301314号、特公平
5‐35162号、同5-35163号、同5‐351
64号、同5-88846号、特開平7-118333
号、特開2000-344990号、特許第26488
47号、同2661677号等の各公報に記載のもの等
が挙げられる。中でもポリアリルアミン及びその誘導体
が特に好ましい。
【0048】本発明における有機媒染剤としては、特に
経時滲みの防止の観点から、重量平均分子量が1000
00以下のポリアリルアミン及びその誘導体が好まし
い。
【0049】本発明のポリアリルアミン又はその誘導体
としては、公知の各種アリルアミン重合体及びその誘導
体が使用できる。このような誘導体としては、ポリアリ
ルアミンと酸との塩(酸としては塩酸、硫酸、リン酸、
硝酸などの無機酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホ
ン酸、酢酸、プロピオン酸、桂皮酸、(メタ)アクリル
酸などの有機酸、あるいはこれらの組み合せや、アリル
アミンの一部分のみを塩にしたもの)、ポリアリルアミ
ンの高分子反応による誘導体、ポリアリルアミンと他の
共重合可能なモノマーとの共重合体(該モノマーの具体
例としては(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン
類、(メタ)アクリルアミド類、アクリロニトリル、ビ
ニルエステル類等)が挙げられる。
【0050】ポリアリルアミンおよびその誘導体の具体
例としては、特公昭62‐31722号、特公平2‐1
4364号、特公昭63-43402号、同63-434
03号、同63-45721号、同63-29881号、
特公平1-26362号、同2-56365号、同2-5
7084号、同4-41686号、同6-2780号、同
6-45649号、同6-15592号、同4-6862
2号、特許第3199227号、同3008369号、
特開平10‐330427号、同11‐21321号、
特開2000‐281728号、同2001‐1067
36号、特開昭62-256801号、特開平7‐17
3286号、同7‐213897号、同9-23531
8号、同9-302026号、同11‐21321号、
WO99/21901号、WO99/19372号、特
開平5-140213号、特表平11‐506488号
等の各公報に記載の化合物が挙げられる。
【0051】本発明の媒染剤としては無機媒染剤を用い
ることも可能で、無機媒染剤としては多価の水溶性金属
塩や疎水性金属塩化合物が挙げられる。無機媒染剤の具
体例としては、例えば、マグネシウム、アルミニウム、
カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、マン
ガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウ
ム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、モ
リブデン、インジウム、バリウム、ランタン、セリウ
ム、プラセオジミウム、ネオジミウム、サマリウム、ユ
ーロピウム、ガドリニウム、ジスロプロシウム、エルビ
ウム、イッテルビウム、ハフニウム、タングステン、ビ
スマスから選択される金属の塩又は錯体が挙げられる。
【0052】具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化
カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バ
リウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガ
ン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガ
ンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウ
ム銅(II)二水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシア
ン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、
塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニ
ッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水
和物、硫酸アルミニウム、アルミニウムミョウバン、塩
基性ポリ水酸化アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チ
オ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アル
ミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第
一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二
鉄、フェノールスルホン酸亜鉛、臭化亜鉛、塩化亜鉛、
硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、四塩化チタン、テトライ
ソプロピルチタネート、チタンアセチルアセトネート、
乳酸チタン、ジルコニウムアセチルアセトネート、酢酸
ジルコニル、硫酸ジルコニル、炭酸ジルコニウムアンモ
ニウム、ステアリン酸ジルコニル、オクチル酸ジルコニ
ル、硝酸ジルコニル、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロ
キシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸
マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マ
グネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、
クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストリん
酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モ
リブデン、12モリブドリん酸n水和物、硝酸ガリウ
ム、硝酸ゲルマニウム、硝酸ストロンチウム、酢酸イッ
トリウム、塩化イットリウム、硝酸イットリウム、硝酸
インジウム、硝酸ランタン、塩化ランタン、酢酸ランタ
ン、安息香酸ランタン、塩化セリウム、硫酸セリウム、
オクチル酸セリウム、硝酸プラセオジミウム、硝酸ネオ
ジミウム、硝酸サマリウム、硝酸ユーロピウム、硝酸ガ
ドリニウム、硝酸ジスプロシウム、硝酸エルビウム、硝
酸イッテルビウム、塩化ハフニウム、硝酸ビスマス等が
挙げられる。
【0053】本発明の無機媒染剤としては、アルミニウ
ム含有化合物、チタン含有化合物、ジルコニウム含有化
合物、元素周期律表第IIIB族シリーズの金属化合物
(塩または錯体)が好ましい。本発明で色材受容層に含
まれる上記媒染剤量は、0.01g/m2〜5g/m2
好ましく、0.1g/m2〜3g/m2がより好ましい。
【0054】(その他の成分)本発明のインクジェット
記録用シートは、必要に応じて、更に各種の公知の添加
剤、例えば酸、紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光増白
剤、モノマー、重合開始剤、重合禁止剤、滲み防止剤、
防腐剤、粘度安定剤、消泡剤、界面活性剤、帯電防止
剤、マット剤、カール防止剤、耐水化剤等を含有するこ
とができる。
【0055】本発明において、色材受容層は酸を含有し
ていてもよい。酸を添加することで、色材受容層の表面
pHを3〜8、好ましくは5〜7.5に調整する。これ
により白地部の耐黄変性が向上するので好ましい。表面
pHの測定は、日本紙パルプ技術協会(J.TAPP
I)の定めた表面PHの測定の内A法(塗布法)により
測定を行う。例えば、前記A法に相当する(株)共立理化
学研究所製の紙面用PH測定セット「形式MPC」を使
用して該測定を行うことができる。
【0056】具体的な酸の例としては、ギ酸、酢酸、グ
リコール酸、シュウ酸、プロピオン酸、マロン酸、コハ
ク酸、アジピン酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、ク
エン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、グルタル
酸、グルコン酸、乳酸、アスパラギン酸、グルタミン
酸、サリチル酸、サリチル酸金属塩(Zn,Al,C
a,Mg等の塩)、メタンスルホン酸、イタコン酸、ベ
ンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ
メタンスルホン酸、スチレンスルホン酸、トリフルオロ
酢酸、バルビツール酸、アクリル酸、メタクリル酸、桂
皮酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アミノ安息香酸、ナフ
タレンジスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、
トルエンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸、スルフ
ァニル酸、スルファミン酸、α−レゾルシン酸、β−レ
ゾルシン酸、γ−レゾルシン酸、没食子酸、フロログリ
シン、スルホサリチル酸、アスコルビン酸、エリソルビ
ン酸、ビスフェノール酸、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、
ポリリン酸、ほう酸、ボロン酸等が挙げられる。これら
の酸の添加量は、色材受容層の表面PHが3〜8になる
ように決定すればよい。上記の酸は金属塩(例えばナト
リウム、カリウム、カルシウム、セシウム、亜鉛、銅、
鉄、アルミニウム、ジルコニウム、ランタン、イットリ
ウム、マグネシウム、ストロンチウム、セリウムなどの
塩)、又はアミン塩(例えばアンモニア、トリエチルア
ミン、トリブチルアミン、ピペラジン、2−メチルピペ
ラジン、ポリアリルアミンなど)の形態で使用してもよ
い。
【0057】本発明においては、色材受容層に紫外線吸
剤、酸化防止剤、滲み防止剤などの保存性向上剤を含有
せしめることが好ましい。これら紫外線吸剤、酸化防止
剤、滲み防止剤としては、アルキル化フェノール化合物
(ヒンダードフェノール化合物を含む)、アルキルチオ
メチルフェノール化合物、ヒドロキノン化合物、アルキ
ル化ヒドロキノン化合物、トコフェロール化合物、チオ
ジフェニルエーテル化合物、2個以上のチオエーテル結
合を有する化合物、ビスフェノール化合物、O−,N−
及びS−ベンジル化合物、ヒドロキシベンジル化合物、
トリアジン化合物、ホスホネート化合物、アシルアミノ
フェノール化合物、エステル化合物、アミド化合物、ア
スコルビン酸、アミン系抗酸化剤、2−(2−ヒドロキ
シフェニル)ベンゾトリアゾール化合物、2−ヒドロキ
シベンゾフェノン化合物、アクリレート、水溶性又は疎
水性の金属塩、有機金属化合物、金属錯体、ヒンダード
アミン化合物(TEMPO化合物を含む)、2−(2−
ヒドロキシフェニル)1,3,5,−トリアジン化合
物、金属不活性化剤、ホスフィット化合物、ホスホナイ
ト化合物、ヒドロキシアミン化合物、ニトロン化合物、
過酸化物スカベンジャー、ポリアミド安定剤、ポリエー
テル化合物、塩基性補助安定剤、核剤、ベンゾフラノン
化合物、インドリノン化合物、ホスフィン化合物、ポリ
アミン化合物、チオ尿素化合物、尿素化合物、ヒドラジ
ト化合物、アミジン化合物、糖化合物、ヒドロキシ安息
香酸化合物、ジヒドロキシ安息香酸化合物、トリヒドロ
キシ安息香酸化合物等が挙げられる。
【0058】これらの中でも、アルキル化フェノール化
合物、2個以上のチオエーテル結合を有する化合物、ビ
スフェノール化合物、アスコルビン酸、アミン系抗酸化
剤、水溶性又は疎水性の金属塩、有機金属化合物、金属
錯体、ヒンダードアミン化合物、ヒドロキシアミン化合
物、ポリアミン化合物、チオ尿素化合物、ヒドラジド化
合物、ヒドロキシ安息香酸化合物、ジヒドロキシ安息香
酸化合物、トリヒドロキシ安息香酸化合物等が好まし
い。
【0059】具体的な化合物例としては、特願2002
-13005号、特開平10−182621号、特開2
001−260519号、特公平4−34953号、特
公平4−34513号、特開平11−170686号、
特公平4−34512号、EP1138509号、特開
昭60−67190号、特開平7−276808号、特
開2001−94829号、特開昭47−10537
号、同58−111942号、同58−212844
号、同59−19945号、同59−46646号、同
59−109055号、同63−53544号、特公昭
36−10466号、同42−26187号、同48−
30492号、同48−31255号、同48−415
72号、同48−54965号、同50−10726
号、米国特許第2,719,086号、同3,707,
375号、同3,754,919号、同4,220,7
11号、
【0060】特公昭45−4699号、同54−532
4号、ヨーロッパ公開特許第223739号、同309
401号、同309402号、同310551号、同第
310552号、同第459416号、ドイツ公開特許
第3435443号、特開昭54−48535号、同6
0−107384号、同60−107383号、同60
−125470号、同60−125471号、同60−
125472号、同60−287485号、同60−2
87486号、同60−287487号、同60−28
7488号、同61−160287号、同61−185
483号、同61−211079号、同62−1466
78号、同62−146680号、同62−14667
9号、同62−282885号、同62−262047
号、同63−051174号、同63−89877号、
同63−88380号、同66−88381号、同63
−113536号、
【0061】同63−163351号、同63−203
372号、同63−224989号、同63−2512
82号、同63−267594号、同63−18248
4号、特開平1−239282号、特開平2−2626
54号、同2−71262号、同3−121449号、
同4−291685号、同4−291684号、同5−
61166号、同5−119449号、同5−1886
87号、同5−188686号、同5−110490
号、同5−1108437号、同5−170361号、
特公昭48−43295号、同48−33212号、米
国特許第4814262号、同第4980275号等の
各公報に記載のものが挙げられる。
【0062】前記その他の成分は、1種単独でも2種以
上を併用してもよい。この前記その他の成分は、水溶性
化、分散化、ポリマー分散、エマルション化、油滴化し
て添加してもよく、マイクロカプセル中に内包すること
もできる。本発明のインクジェット記録用シートでは、
上記その他の成分の添加量としては、0.01〜10g
/m2が好ましい。
【0063】また、無機微粒子の分散性を改善する目的
で、無機微粒子表面をシランカップリング剤で処理して
もよい。該シランカップリング剤としては、カップリン
グ処理を行なう部位の他に、有機官能性基(例えば、ビ
ニル基、アミノ基(1級〜3級アミノ基、第4級アンモ
ニウム塩基)、エポキシ基、メルカプト基、クロロ基、
アルキル基、フェニル基、エステル基等)を有するもの
が好ましい。
【0064】本発明において、色材受容層用塗布液(塗
布液A)は界面活性剤を含有しているものが好ましい。
該界面活性剤としてはカチオン系、アニオン系、ノニオ
ン系、両性、フッ素系、シリコン系界面活性剤のいずれ
も使用可能である。上記ノニオン系界面活性剤として
は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルおよびポリ
オキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類(例え
ば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリーコールジエチルエーテル、ポリオキシエチレ
ンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエ
ーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
等)、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポ
リマー、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビ
タンモノラウレート、ソルビタンモノオレート、ソルビ
タントリオレート等)、ポリオキシエチレンソルビタン
脂肪酸エステル類(例えば、ポリオキシエチレンソルビ
タンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモ
ノオレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレー
ト等)、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステ
ル類(例えば、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソ
ルビット等)、グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、
グリセロールモノオレート等)、ポリオキシエチレング
リセリン脂肪酸エステル類(モノステアリン酸ポリオキ
シエチレングリセリン、モノオレイン酸ポリオキシエチ
レングリセリン等)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ル類(ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエ
チレングリコールモノオレート等)、ポリオキシエチレ
ンアルキルアミン、アセチレングリコール類(例えば、
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−
ジオール、及び該ジオールのエチレンオキサイド付加
物、プロピレンオキサイド付加物等)等が挙げられ、就
中ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類が好まし
い。該ノニオン系界面活性剤は、塗布液Aおよび塗布液
Bにおいて使用することができる。また、上記ノニオン
系界面活性剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併
用してもよい。
【0065】上記両性界面活性剤としては、アミノ酸
型、カルボキシアンモニウムベタイン型、スルホンアン
モニウムベタイン型、アンモニウム硫酸エステルベタイ
ン型、イミダゾリウムベタイン型等が挙げられ、例え
ば、米国特許第3,843,368号明細書、特開昭5
9−49535号公報、同63−236546号公報、
特開平5−303205号公報、同8−262742号
公報、同10−282619号公報等に記載されている
ものを好適に使用できる。該両性界面活性剤としては、
アミノ酸型両性界面活性剤が好ましく、該アミノ酸型両
性界面活性剤としては、特開平5−303205号公報
に記載されているように、例えば、アミノ酸(グリシ
ン、グルタミン酸、ヒスチジン酸等)から誘導体化され
たものが挙げられ、具体的には長鎖のアシル基を導入し
たN−アミノアシル酸およびその塩が挙げられる。上記
両性界面活性剤は1種で使用してもよく、2種以上を併
用してもよい。
【0066】前記アニオン系界面活性剤としては、脂肪
酸塩(例えばステアリン酸ソーダ、オレイン酸カリ)、
アルキル硫酸エステル塩(例えばラウリル硫酸ナトリウ
ム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン)、スルホン酸
塩(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、
アルキルスルホコハク酸塩(例えばジオクチルスルホコ
ハク酸ナトリウム)、アルキルジフェニルエーテルジス
ルホン酸塩、アルキルリン酸塩等が挙げられる。前記カ
チオン系界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第4
級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩
などが挙げられる。
【0067】前記フッ素系界面活性剤としては、電解フ
ッ素化、テロメリゼーション、オリゴメリゼーションな
どの方法を用いてパーフルオロアルキル基を持つ中間体
を経て誘導される化合物が挙げられる。例えば、パーフ
ルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカ
ルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド
付加物、パーフルオロアルキルトリアルキルアンモニウ
ム塩、パーフルオロアルキル基含有オリゴマー、パーフ
ルオロアルキルリン酸エステルなどが挙げられる。
【0068】前記シリコン系界面活性剤としては、有機
基で変性したシリコンオイルが好ましく、これは、シロ
キサン構造の側鎖を有機基で変性した構造、両末端を変
性した構造、片末端を変性した構造をとり得る。有機基
変性としてアミノ変性、ポリエーテル変性、エポキシ変
性、カルボキシル変性、カルビノール変性、アルキル変
性、アラルキル変性、フェノール変性、フッ素変性等が
挙げられる。
【0069】本発明で界面活性剤の含有量としては、色
材受容層用塗布液(塗布液A)に対して0.001〜2.
0%が好ましく、0.01〜1.0%がより好ましい。
また、色材受容層用塗布液として2液以上を用いて塗布
を行なう場合には、それぞれの塗布液に界面活性剤を添
加するのが好ましい。
【0070】本発明において、色材受容層はカール防止
用に高沸点有機溶剤を含有するのが好ましい。上記高沸
点有機溶剤は常圧で沸点が150℃以上の有機化合物
で、水溶性又は疎水性の化合物である。これらは、室温
で液体でも固体でもよく、低分子でも高分子でもよい。
具体的には、芳香族カルボン酸エステル類(例えばフタ
ル酸ジブチル、フタル酸ジフェニル、安息香酸フェニル
など)、脂肪族カルボン酸エステル類(例えばアジピン
酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、ステアリン酸メチ
ル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル、アセチル
クエン酸トリエチルなど)、リン酸エステル類(例えば
リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジルなど)、エポ
キシ類(例えばエポキシ化大豆油、エポキシ化脂肪酸メ
チルなど)、アルコール類(例えば、ステアリルアルコ
ール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセ
リン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DE
GMBE)、トリエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、グリセリンモノメチルエーテル、1,2,3−ブタ
ントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,
2,4−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサント
リオール、チオジグリコール、トリエタノールアミン、
ポリエチレングリコールなど)、植物油(例えば大豆
油、ヒマワリ油など)高級脂肪族カルボン酸(例えばリ
ノール酸、オレイン酸など)等が挙げられる。
【0071】(支持体)本発明の支持体としては、プラ
スチック等の透明材料よりなる透明支持体、紙等の不透
明材料からなる不透明支持体のいずれをも使用できる。
色材受容層の透明性を生かす上では、透明支持体又は高
光沢性の不透明支持体を用いることが好ましい。
【0072】上記透明支持体に使用可能な材料として
は、透明性で、OHPやバックライトディスプレイで使
用される時の輻射熱に耐え得る性質を有する材料が好ま
しい。該材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)等のポリエステル類;ポリスルホン、
ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネ
ート、ポリアミド等を挙げることができる。中でも、ポ
リエステル類が好ましく、特にポリエチレンテレフタレ
ートが好ましい。上記透明支持体の厚みとしては、特に
制限はないが、取り扱い易い点で、50〜200μmが
好ましい。
【0073】高光沢性の不透明支持体としては、色材受
容層の設けられる側の表面が40%以上の光沢度を有す
るものが好ましい。上記光沢度は、JIS P−814
2(紙及び板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記載の
方法に従って求められる値である。具体的には、下記支
持体が挙げられる。
【0074】例えば、アート紙、コート紙、キャストコ
ート紙、銀塩写真用支持体等に使用されるバライタ紙等
の高光沢性の紙支持体;ポリエチレンテレフタレート
(PET)等のポリエステル類、ニトロセルロース,セ
ルロースアセテート,セルロースアセテートブチレート
等のセルロースエステル類、ポリスルホン、ポリフェニ
レンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリ
アミド等のプラスチックフィルムに白色顔料等を含有さ
せて不透明にした(表面カレンダー処理が施されていて
もよい。)高光沢性のフィルム;或いは、上記各種紙支
持体、上記透明支持体若しくは白色顔料等を含有する高
光沢性のフィルムの表面に、白色顔料を含有若しくは含
有しないポリオレフィンの被覆層が設けられた支持体等
が挙げられる。白色顔料含有発泡ポリエステルフィルム
(例えば、ポリオレフィン微粒子を含有させ、延伸によ
り空隙を形成した発泡PET)も好適に挙げることがで
きる。更に銀塩写真用印画紙に用いられるレジンコート
紙も好適である。
【0075】上記不透明支持体の厚みについても特に制
限はないが、取り扱い性の点で、50〜300μmが好
ましい。
【0076】また、上記支持体の表面には、濡れ特性及
び接着性を改善するために、コロナ放電処理、グロー放
電処理、火炎処理、紫外線照射処理等を施したものを使
用してもよい。
【0077】次に、前記レジンコート紙に用いられる原
紙について詳述する。上記原紙としては、木材パルプを
主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロ
ピレンなどの合成パルプ、あるいはナイロンやポリエス
テルなどの合成繊維を用いて抄紙される。上記木材パル
プとしては、LBKP、LBSP、NBKP、NBS
P、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用
いることができるが、短繊維分の多いLBKP、NBS
P、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが
好ましい。但し、LBSP及び/又はLDPの比率とし
ては、10質量%以上、70質量%以下が好ましい。
【0078】上記パルプは、不純物の少ない化学パルプ
(硫酸塩パルプや亜硫酸パルプ)が好ましく用いられ、
漂白処理をおこなって白色度を向上させたパルプも有用
である。
【0079】原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテン
ダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化
チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白
剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散
剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加する
ことができる。
【0080】抄紙に使用するパルプの濾水度としては、
CSFの規定で200〜500mlが好ましく、また、
叩解後の繊維長が、JIS P−8207に規定される
24メッシュ残分質量%と42メッシュ残分の質量%と
の和が30〜70%が好ましい。尚、4メッシュ残分の
質量%は20質量%以下であることが好ましい。
【0081】原紙の坪量としては、30〜250gが好
ましく、特に50〜200gが好ましい。原紙の厚さと
しては、40〜250μmが好ましい。原紙は、抄紙段
階または抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与える
こともできる。原紙密度は0.7〜1.2g/m2(J
IS P−8118)が一般的である。更に、原紙剛度
としては、JIS P−8143に規定される条件で2
0〜200gが好ましい。
【0082】原紙表面には表面サイズ剤を塗布してもよ
く、表面サイズ剤としては、上記原紙中添加できるサイ
ズと同様のサイズ剤を使用できる。原紙のpHは、JI
S P−8113で規定された熱水抽出法により測定さ
れた場合、5〜9であることが好ましい。
【0083】原紙表面および裏面を被覆するポリエチレ
ンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)およ
び/または高密度のポリエチレン(HDPE)である
が、他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用する
ことができる。
【0084】特に、色材受容層を形成する側のポリエチ
レン層は、写真用印画紙で広くおこなわれているよう
に、ルチルまたはアナターゼ型の酸化チタン、蛍光増白
剤、群青をポリエチレン中に添加し、不透明度、白色度
および色相を改良したものが好ましい。ここで、酸化チ
タン含有量としては、ポリエチレンに対して、概ね3〜
20質量%が好ましく、4〜13質量%がより好まし
い。ポリエチレン層の厚みは特に限定はないが、表裏面
層とも10〜50μmが好適である。さらにポリエチレ
ン層上に色材受容層との密着性を付与するために下塗り
層を設けることもできる。該下塗り層としては、水性ポ
リエステル、ゼラチン、PVAが好ましい。また、該下
塗り層の厚みとしては、0.01〜5μmが好ましい。
【0085】ポリエチレン被覆紙は、光沢紙として用い
ることも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し
出してコーティングする際に、いわゆる型付け処理をお
こなって通常の写真印画紙で得られるようなマット面や
絹目面を形成したものも使用できる。
【0086】支持体にはバックコート層を設けることも
でき、このバックコート層に添加可能な成分としては、
白色顔料や水性バインダー、その他の成分が挙げられ
る。バックコート層に含有される白色顔料としては、例
えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオ
リン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化
チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイ
ト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸
マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、
コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウ
ム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイ
ト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無
機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル
系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカ
プセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げ
られる。
【0087】バックコート層に用いられる水性バインダ
ーとしては、例えば、スチレン/マレイン酸塩共重合
体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアル
コール、シラノール変性ポリビニルアルコール、澱粉、
カチオン化澱粉、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニ
ルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラ
テックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等
が挙げられる。バックコート層に含有されるその他の成
分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐
剤、耐水化剤等が挙げられる。
【0088】(インクジェット記録用シートの作製)本
発明のインクジェット記録用シートの色材受容層は、例
えば、支持体表面に少なくとも微粒子と水溶性樹脂を含
む塗布液Aを塗布し、(1)該塗布と同時、または
(2)該塗布によって形成される塗布層の乾燥途中であ
って該塗布層が減率乾燥速度を示す前のいずれかに、p
Hが8以上の塗布液Bを付与した後、該塗布液Bを付与
した塗布層を架橋硬化させる方法(Wet−on−We
t法)により形成されるのが好ましい。ここで上記水溶
性樹脂を架橋し得る架橋剤は、上記塗布液Aあるいは塗
布液Bの少なくとも一方または両方に含有せしめること
が好ましい。この様にして架橋硬化させた色材受容層を
設けることは、インク吸収性や膜のヒビ割れ防止などの
観点から好ましい。
【0089】媒染剤を塗布液Bに添加すると、媒染剤が
色材受容層の表面近くに多く存在するので、インクジェ
ットの色材が十分に媒染され、印字後の文字や画像の耐
水性が向上するので好ましい。媒染剤の一部は上記塗布
液Aに含有させてもよく、その場合は、塗布液Aと塗布
液Bの媒染剤は同じものでも異なっていてもよい。
【0090】本発明において、少なくとも微粒子(例え
ば、気相法シリカ)と水溶性樹脂(例えば、ポリビニル
アルコール)とを含有する色材受容層用塗布液(塗布液
A)は、例えば、以下のようにして調製することができ
る。即ち、気相法シリカ等の微粒子と分散剤を水中に添
加して(例えば、水中のシリカ微粒子は10〜20質量
%)、高速回転湿式コロイドミル(例えば、エム・テク
ニック(株)製の「クレアミックス」)を用いて、例え
ば10000rpm(好ましくは5000〜20000
rpm)の高速回転の条件で例えば20分間(好ましく
は10〜30分間)かけて分散させた後、架橋剤(ホウ
素化合物等、塗布液Aに加えてもよい。)、ポリビニル
アルコール(PVA)水溶液(例えば、上記気相法シリ
カの1/3程度の質量のPVAとなるように)を加え、
上記と同じ回転条件で分散を行なうことにより調製する
ことができる。得られた塗布液は均一なゾル状態であ
り、これを下記塗布方法で支持体上に塗布し乾燥させる
ことにより、三次元網目構造を有する多孔質性の色材受
容層を形成することができる。
【0091】また、上記微粒子と分散剤とからなる水分
散物の調製は、微粒子水分散液をあらかじめ調製し、該
水分散液を分散剤水溶液に添加してもよいし、分散剤水
溶液を微粒子水分散液に添加してよいし、同時に混合し
てもよい。また、微粒子水分散液ではなく、粉体の微粒
子を用いて上記のように分散剤水溶液に添加してもよ
い。上記の微粒子と分散剤とを混合した後、該混合液を
分散機を用いて細粒化することで、平均粒子径50〜3
00nmの微粒子の水分散液を得ることができる。該水
分散液を得るために用いる分散機としては、高速回転分
散機、媒体撹拌型分散機(ボールミル、サンドミルな
ど)、超音波分散機、コロイドミル分散機、高圧分散機
等従来公知の各種の分散機を使用することができるが、
形成されるダマ状微粒子の分散を効率的におこなうとい
う点から、媒体撹拌型分散機、コロイドミル分散機また
は高圧分散機が好ましい。本発明で用いる微粒子は、微
粒子分散液を分散機を複数回用いて細粒化する方法、例
えばコロイドミル分散機で分散後、高圧分散機又は媒体
攪拌型分散機で再分散する方法等により製造することが
できる。
【0092】また、各工程における溶媒として水、有機
溶媒、又はこれらの混合溶媒を用いることができる。こ
の塗布に用いることができる有機溶媒としては、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノー
ル、メトキシプロパノール等のアルコール類、アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフ
ラン、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン等が挙げ
られる。
【0093】また、上記分散剤としてはカオチン性のポ
リマーを用いることができる。カオチン性のポリマーと
しては、前述の媒染剤の例などが挙げられる。また、分
散剤としてシランカップリング剤を用いることも好まし
い。上記分散剤の微粒子に対する添加量は、0.1%〜
30%が好ましく、1%〜10%が更に好ましい。
【0094】該色材受容層用塗布液の塗布は、例えば、
エクストルージョンダイコーター、エアードクターコー
ター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフコー
ター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バ
ーコーター等の公知の塗布方法によって行うことができ
る。
【0095】色材受容層用塗布液(塗布液A)の塗布と
同時又は塗布した後に、該塗布層に塗布液Bが付与され
るが、該塗布液Bは、塗布後の塗布層が減率乾燥速度を
示すようになる前に付与してもよい。即ち、色材受容層
用塗布液(塗布液A)の塗布後、この塗布層が恒率乾燥
速度を示す間に媒染剤を導入することで好適に製造され
る。
【0096】ここで、前記「塗布層が減率乾燥速度を示
すようになる前」とは、通常、色材受容層用塗布液の塗
布直後から数分間の過程を指し、この間においては、塗
布された塗布層中の溶剤(分散媒体)の含有量が時間に
比例して減少する「恒率乾燥速度」の現象を示す。この
「恒率乾燥速度」を示す時間については、例えば、化学
工学便覧(頁707〜712、丸善(株)発行、昭和5
5年10月25日)に記載されている。
【0097】上記の通り、塗布液Aの塗布後、該塗布層
が減率乾燥速度を示すようになるまで乾燥されるが、こ
の乾燥は一般に40〜180℃で0.5〜10分間(好
ましくは、0.5〜5分間)行われる。この乾燥時間と
しては、当然塗布量により異なるが、通常は上記範囲が
適当である。
【0098】上記第一の塗布層が減率乾燥速度を示すよ
うになる前に付与する方法としては、塗布液Bを塗布
層上に更に塗布する方法、スプレー等の方法により噴
霧する方法、塗布液B中に、該塗布層が形成された支
持体を浸漬する方法、等が挙げられる。
【0099】前記方法において、塗布液Bを塗布する
塗布方法としては、例えば、カーテンフローコーター、
エクストルージョンダイコーター、エアードクターコー
ター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフコー
ター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バ
ーコーター等の公知の塗布方法を利用することができ
る。しかし、エクストリュージョンダイコーター、カー
テンフローコーター、バーコーター等のように、既に形
成されている第一塗布層にコーターが直接接触しない方
法を利用することが好ましい。
【0100】塗布液Bの付与後は、一般に40〜180
℃で0.5〜30分間加熱され、乾燥および硬化がおこ
なわれる。中でも、40〜150℃で1〜20分間加熱
することが好ましい。
【0101】また、塗布液Bを、色材受容層塗布液(塗
布液A)を塗布すると同時に付与する場合、塗布液Aお
よび塗布液Bを、塗布液Aが支持体と接触するようにし
て支持体上に同時塗布(重層塗布)し、その後乾燥硬化
させることにより色材受容層を形成することができる。
【0102】上記同時塗布(重層塗布)は、例えば、エ
クストルージョンダイコーター、カーテンフローコータ
ーを用いた塗布方法により行なうことができる。同時塗
布の後、形成された塗布層は乾燥されるが、この場合の
乾燥は、一般に塗布層を40〜150℃で0.5〜10
分間加熱することにより行なわれ、好ましくは、40〜
100℃で0.5〜5分間加熱することにより行なわれ
る。
【0103】上記同時塗布(重層塗布)を、例えば、エ
クストルージョンダイコーターによりおこなった場合、
同時に吐出される二種の塗布液は、エクストルージョン
ダイコーターの吐出口附近で、即ち、支持体上に移る前
に重層形成され、その状態で支持体上に重層塗布され
る。塗布前に重層された二層の塗布液は、支持体に移る
際、既に二液の界面で架橋反応を生じ易いことから、エ
クストルージョンダイコーターの吐出口付近では、吐出
される二液が混合して増粘し易くなり、塗布操作に支障
を来す場合がある。従って、上記のように同時塗布する
際は、色材受容層塗布液(塗布液A)および媒染剤溶液
(塗布液B)の塗布と共に、バリアー層液(中間層液)
を上記二液間に介在させて同時三重層塗布することが好
ましい。
【0104】上記バリアー層液は、特に制限なく選択で
きる。例えば、水溶性樹脂を微量含む水溶液や、水等を
挙げることができる。上記水溶性樹脂は、増粘剤等の目
的で、塗布性を考慮して使用されるもので、例えば、セ
ルロース系樹脂(たとえば、ヒドロキシプロピルメチル
セルロ−ス、メチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルメチ
ルセルロ−ス等)、ポリビニルピロリドン、ゼラチン等
のポリマーが挙げられる。尚、バリアー層液には、上記
媒染剤を含有させることもできる。
【0105】支持体上に色材受容層を形成した後、該色
材受容層は、例えば、スーパーカレンダ、グロスカレン
ダ等を用い、加熱加圧下にロールニップ間を通してカレ
ンダー処理を施すことにより、表面平滑性、光沢度、透
明性および塗膜強度を向上させることが可能である。し
かしながら、該カレンダー処理は、空隙率を低下させる
要因となることがあるため(即ち、インク吸収性が低下
することがあるため)、空隙率の低下が少ない条件を設
定しておこなう必要がある。
【0106】カレンダー処理をおこなう場合のロール温
度としては、30〜150℃が好ましく、40〜100
℃がより好ましい。また、カレンダー処理時のロール間
の線圧としては、50〜400kg/cmが好ましく、
100〜200kg/cmがより好ましい。
【0107】上記色材受容層の層厚としては、インクジ
ェット記録の場合では、液滴を全て吸収するだけの吸収
容量をもつ必要があるため、層中の空隙率との関連で決
定する必要がある。例えば、インク量が8nL/mm2
で、空隙率が60%の場合であれば、層厚が約15μm
以上の膜が必要となる。この点を考慮すると、インクジ
ェット記録の場合には、色材受容層の層厚としては、1
0〜50μmが好ましい。
【0108】また、色材受容層の細孔径は、平均細孔径
で0.005〜0.025μmが好ましく、0.01〜
0.025μmがより好ましい。上記空隙率および細孔
メジアン径は、水銀ポロシメーター((株)島津製作所
製の商品名「ボアサイザー9320−PC2」を用いて
測定することができる。
【0109】また、色材受容層は、透明性に優れている
ことが好ましいが、その目安としては、色材受容層を透
明フイルム支持体上に形成したときのヘイズ値が、30
%以下であることが好ましく、20%以下であることが
より好ましい。上記ヘイズ値は、ヘイズメーター(HG
M−2DP:スガ試験機(株))を用いて測定すること
ができる。
【0110】本発明のインクジェット記録用シートの構
成層(例えば、色材受容層あるいはバック層など)に
は、ポリマー微粒子分散物を添加してもよい。このポリ
マー微粒子分散物は、寸度安定化、カール防止、接着防
止、膜のひび割れ防止等のような膜物性改良の目的で使
用される。ポリマー微粒子分散物については、特開昭6
2−245258号、同62−1316648号、同6
2−110066号の各公報に記載がある。尚、ガラス
転移温度が低い(40℃以下の)ポリマー微粒子分散物
を、前記媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れや
カールを防止することができる。また、ガラス転移温度
が高いポリマー微粒子分散物をバック層に添加しても、
カールを防止することができる。
【0111】本発明において、「平衡含水分」とは、上
記の如くして得られるインクジェット記録用シートの色
材受容層を剃刀で削り取った後、温度23℃相対湿度4
5%の環境下に24時間放置し、これを平沼産業(株)
製AQ−5型カールフィッシャー水分計に同社製EV−
5型水分気化装置を取り付けたものを用い、乾燥窒素ガ
スを250ml/分の流量下に150℃で20分間加熱
気化させて測定した値である。また、I/O値とは、エ
チレンオキサイド基の有機性基を30、無機性基を60
として算出された値である(甲田善生、有機概念図、−
基礎と応用−、三共出版、89頁、昭和59年)
【0112】色材受容層の平衡含水分は、1mg/gか
ら40mg/gの範囲内にあることが必要であり、1m
g/gから20mg/gの範囲内にあればより好まし
い。この平衡含水分を達成する方法としては、次の1〜
3の方法が挙げられる。
【0113】1.微粒子の分散剤として、微粒子の吸着
性が高いポリエチレンオキサイド基を有する化合物を用
い、微粒子表面の極性基を隠蔽する方法。 具体的には、I/O値が0.8以上2以下のポリエチレ
ンオキサイド基を有する化合物を用いる方法がある。こ
のような、化合物としては、例えば、モノアルキルポリ
エチレンオキサイドエーテル、ジアルキルポリエチレン
オキサイドエーテル、アルキルポリエチレンオキサイド
アルキルエステル、ソルビタンポリエチレングリコール
エステル、グリセリンポリエチレングリコールエーテル
等の化合物はもちろんのこと、ポリエチレンオキサイド
基含有ポリアクリル酸エステル、ポリエチレンオキサイ
ド基含有ポリメタクリル酸エステル等のポリマーも挙げ
られる。しかしながら、ポリエチレンオキサイド基含有
ビニルモノマーの重合ポリマーのようなポリエチレンオ
キサイドがポリマー全体に存在するようなものでは、無
機微粒子/ポリマー間の架橋的吸着が生じるため、好ま
しくない。従って、末端にポリエチレンオキサイド基を
含むポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステ
ルが好ましい。本発明において、ポリエチレンオキサイ
ド基含有化合物の含有量は、微粒子に対して、0.1〜
30質量%が好ましく、特に1〜20質量%が好まし
い。
【0114】2.微粒子と共有結合し得る基を末端に有
する化合物を用い、微粒子表面を隠蔽する方法。 このような化合物としては、無機微粒子と共有結合しう
る基を末端に有する非イオン性の重合体が挙げられる。
該重合体は、無機微粒子と共有結合し得る基を少なくと
も片末端に有していればよく、また両末端に有してもよ
いが、無機微粒子の分散性および流動性を向上させる観
点からは片末端に有することが好ましい。ここで、「無
機微粒子と共有結合し得る基」とは、無機微粒子と共有
結合しうる基であれば特に限定されないが、例えばアル
コキシシリル基、ハロゲン化シリル基、エポキシ基、チ
イラン基、イソシアネート基、酸ハロゲン化物、酸無水
物、等が挙げられ、安定性、および無機微粒子との反応
性の点からアルコキシシリル基が特に好ましい。
【0115】本発明に用いる重合体としては下記一般式
(1)で示されるものが特に好ましい。
【0116】
【化1】
【0117】[一般式(1)中、X1、X2、及びX
3は、それぞれ独立に、水素原子、飽和あるいは不飽和
環状構造を含んでいてもよい炭素数1から18のアルキ
ル基、あるいは炭素数1から8のアルコキシ基あるいは
アリールオキシ基を表し、X1、X2、X3のうち少なく
とも一つはアルコキシ基あるいはアリールオキシ基であ
り、Yは、ヘテロ原子を介していてもよい総炭素数1か
ら18の2価の連結基を表し、置換基を有していてもよ
い。Aは非イオン性単量体から与えられる少なくとも1
種以上の繰り返し単位である。mは1以上の整数を表
す]
【0118】上記X1、X2、及びX3が表すアルキル基
の炭素数は1〜18であり、好ましくは1〜8である。
該炭素数が1〜18であることにより、無機微粒子との
反応性を十分に確保することができる。上記アルキル基
としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル
基、テトラデシル基、オクタデシル基が挙げられ、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が好ましい。
【0119】上記X1、X2、及びX3が表すアルコキシ
基の炭素数は1〜8であり、好ましくは1〜4である。
該炭素数が1〜8であることにより、無機微粒子との反
応性を十分に確保することができる。上記アルコキシ基
としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキ
シ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ
基が挙げられ、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基
が好ましい。
【0120】一般式(1)中、Yは、ヘテロ原子を介し
ていてもよい総炭素数1〜18の2価の連結基を表し、
置換基を有してもよい。Yの総炭素数としては2〜8が
好ましい。該炭素数が1〜18であることにより、水、
アルコール系溶媒への溶解性が十分であり、十分な性能
を確保することができる。上記置換基としては、ハロゲ
ン原子、水酸基、アミノ基、エステル基、エーテル基、
アミド基等が挙げられる。上記ヘテロ原子としては、酸
素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子等
が挙げられ、酸素原子、窒素原子、硫黄原子が好まし
い。上記2価の連結基の好ましい具体例としては、メチ
レン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン
基、ヘキサメチレン基、キシリレン基等が挙げられる。
【0121】一般式(1)中、Aは非イオン性単量体か
ら与えられる少なくとも1種以上の繰り返し単位であれ
ば特に限定されない。可能な単位としては、例えば、
(メタ)アクリル酸アルキルエステル[例えば、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソ
プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)ア
クリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、
(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オク
チル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリ
ルなどの炭素数1〜18の(メタ)アクリル酸アルキル
エステルなど]、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエ
ステル[(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなど]、
(メタ)アクリル酸アリールエステル[(メタ)アクリ
ル酸フェニルなど]、アラルキルエステル[(メタ)ア
クリル酸ベンジルなど]、置換(メタ)アクリル酸アル
キルエステル[例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロ
キシエチルなど]、(メタ)アクリアミド類[例えば、
(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルア
ミドなど]、芳香族ビニル類[スチレン、ビニルトルエ
ン、α−メチルスチレンなど]、ビニルエステル類[酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル
など]、アリルエステル類[酢酸アリルなど]、ハロゲ
ン含有単量体[塩化ビニリデン、塩化ビニルなど]、シ
アン化ビニル[(メタ)アクリロニトリルなど]、オレ
フィン類[エチレン、プロピレンなど]、などが挙げら
れる。これらの共重合可能な成分は1種でも、又は2種
以上の組合せてもよい。
【0122】一般式(1)中、Aで表される単位とし
て、少なくとも下式(2)で表される単位を含むことが
好ましい。
【0123】
【化2】
【0124】〔一般式(2)中、Rは、水素原子または
メチル基を、Jは2価の連結基であり、−COO−、−
OCO−、−CONH−、−CON(R’)−のいずれ
かを表す。R1はアルキレン基、アリーレン基、あるい
はアラルキレン基を表す。R2は、水素原子、炭素数1
〜6のアルキル基、アラルキル基、及びアリール基のい
ずれかを表す。また、R’は、炭素数1〜10のアルキ
ル基、アラルキル基、及びアリール基のいずれかを表
す。nは1以上の整数を表す。〕
【0125】また、一般式(1)で示される重合体の分
子量は、重量平均分子量として1000〜500000
程度が好ましく、2000〜400000が更に好まし
い。該分子量が1000〜500000であることによ
り、十分な耐水性を得ることができるとともに、ハンド
リング適性が良好となる。
【0126】さらに、一般式(1)で示される重合体は
水、あるいは水との混和性のある有機溶媒に可溶である
方が好ましいが、水分散性のラテックス粒子の形態でも
使用することができる。一般式(1)で示される重合体
のインクジェット記録用シートにおける総含有量として
は、0.1〜10g/m2が好ましく、0.2〜5g/
2がさらに好ましい。該総含有量を0.1〜10g/
2とすることにより、印画後の画像濃度が良好とな
る。
【0127】3.疎水性の高い水溶性樹脂を用いる方
法。 ここで、疎水性基の高い水溶性樹脂としては、鹸化度8
0%以下のポリビニルアルコール、アセトアセチル変性
ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアル
コール、ポリビニルアセタール、メチルセルロース(M
C)、エチルセルロース(EC)等が挙げられる。疎水
性基の高い水溶性樹脂の含有量は、前水溶性樹脂中50
質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好まし
い。
【0128】上記1から3の方法の内、最も使用頻度が
高い無機微粒子の表面極性基を隠蔽する1又は2の方法
が好ましく、中でも、1の方法が、化合物の選択によ
り、含水分を容易に制御することができるので、特に好
ましい。
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。尚、実施例中の「部」及び「%」は、特に断らない
限り「質量部」及び「質量%」を表し、「平均分子量」
及び「重合度」は、「質量平均分子量」及び「質量平均
重合度」を表す。
【0129】実施例1 (支持体の作製)LBKP100部からなる木材パルプ
をダブルディスクリファイナーによりカナディアンフリ
ーネス300mlまで叩解し、エポキシ化ベヘン酸アミ
ド0.5部、アニオンポリアクリルアミド1.0部、ポ
リアミドポリアミンエピクロルヒドリン0.1部、カチ
オンポリアクリルアミド0.5部を、いずれもパルプに
対する絶乾質量比で添加し、長網抄紙機により秤量し1
70g/m2の原紙を抄造した。
【0130】上記原紙の表面サイズを調整するため、ポ
リビニルアルコール4%水溶液に蛍光増白剤(住友化学
工業(株)製の「Whitex BB」)を0.04%
添加し、これを絶乾質量換算で0.5g/m2となるよ
うに上記原紙に含浸させ、乾燥した後、更にキャレンダ
ー処理を施して密度1.05g/ccに調整された基紙
を得た。
【0131】得られた基紙のワイヤー面(裏面)側にコ
ロナ放電処理を行なった後、溶融押出機を用いて高密度
ポリエチレンを厚さ19μmとなるようにコーティング
し、マット面からなる樹脂層を形成した(以下、樹脂層
面を「裏面」と称する。)。この裏面側の樹脂層に更に
コロナ放電処理を施し、その後、帯電防止剤として、酸
化アルミニウム(日産化学工業(株)製の「アルミナゾ
ル100」)と二酸化ケイ素(日産化学工業(株)製の
「スノーテックスO」)とを1:2の質量比で水に分散
した分散液を、乾燥質量が0.2g/m2となるように
塗布した。
【0132】更に、樹脂層の設けられていない側のフェ
ルト面(表面)側にコロナ放電処理を施した後、アナタ
ーゼ型二酸化チタン10%、微量の群青、及び蛍光増白
剤0.01%(対ポリエチレン)を含有し、MFR(メ
ルトフローレート)3.8の低密度ポリエチレンを、溶
融押出機を用いて、厚み29μmとなるように押し出
し、高光沢な熱可塑性樹脂層を基紙の表面側に形成し
(以下、この高光沢面を「オモテ面」と称する。)、支
持体とした。
【0133】(色材受容層用塗布液の調製)下記組成中
の気相法シリカ微粒子とイオン交換水と分散剤
(A)を混合し、KD−P((株)シンマルエンタープ
ライゼス製)を用いて、回転数10000rpmで20
分間かけて分散させた後、下記ポリビニルアルコール
とホウ酸とイオン交換水を含む溶液を加え、更に1
0000rpmで20分間かけて再度分散を行ない、色
材受容層用塗布液を調製した。シリカ微粒子と水溶性樹
脂との質量比(PB比=/)は、4.5であり、色
材受容層用塗布液AのpHは、3.5で酸性を示した。
【0134】 <色材受容層塗布液A1の組成> 気相法シリカ微粒子(無機微粒子) 10.0部 ((株)トクヤマ製の「レオシールQS-30」、平均一次粒子径7nm) イオン交換水 51.7部 分散剤(A) 1.0部 ポリビニルアルコール(水溶性樹脂)8%水溶液 27.8部 ((株)クラレ製の「PVA124」、鹸化度98.5%、重合度2400) ホウ酸(架橋剤) 0.4部 イオン交換水 33.0部
【0135】(インクジェット記録用シートの作製)上
記支持体のオモテ面にコロナ放電処理を行なった後、上
記から得た色材受容層用塗布液を、支持体のオモテ面に
エクストルージョンダイコーターを用いて200ml/
2の塗布量で塗布し(塗布工程)、熱風乾燥機にて8
0℃(風速3〜8m/秒)で塗布層の固形分濃度が20
%になるまで乾燥させた。この塗布層は、この期間は恒
率乾燥速度を示した。その直後、下記組成の媒染剤溶液
に30秒間浸漬して該塗布層上にその20g/m2を付
着させ(媒染剤溶液を付与する工程)、更に80℃下で
10分間乾燥させた(乾燥工程)。これにより、乾燥膜
厚32μmの色材受容層が設けられた本発明のインクジ
ェット記録用シート(1)を作製した。
【0136】 <媒染剤塗布液の組成> 硼酸(架橋剤) 0.65部 ポリアリルアミン「PAA−10C」10%水溶液 25部 (媒染剤、日東紡(株)製) イオン交換水 62.2部 塩化アンモニウム(表面pH調製剤) 0.8部 ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) 10部 (花王(株)製の「エマルゲン109P」、2%水溶液、HLB値13.6) メガファック「F1405」10%水溶液 2.0部 (大日本インキ化学工業(株)製のフッ素系界面活性剤)
【0137】実施例2 分散剤(A)の代わりに分散剤(B)を用いた他は、実
施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作成
した。 実施例3 分散剤(A)の代わりに分散剤(C)を用いた他は、実
施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作成
した。 実施例4 [合成例1]N−ビニルピロリドン17.4部、3−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン2.94部をメタ
ノール61部に溶解させ、窒素気流下65℃に加熱し、
2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩
(和光製薬(株)製、商品名:V-50)0.081部
を加えて更に4時間加熱することで重合体1の25%メ
タノール溶液を得た。分散剤(A)の代わりに重合体1
の25%メタノール溶液を0.4部用いた他は、実施例
1と同様にしてインクジェット記録用シートを作成し
た。
【0138】比較例1 分散剤(A)の代わりに「PAS−M−1」60%水溶
液(日東紡(株)製)を0.83部を用いた他は、実施
例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作成し
た。 比較例2 比較例1の「PAS−M−1」60%水溶液に更に分散
剤(D)を1.0部を用いた他は、比較例1と同様にし
てインクジェット記録用シートを作成した。
【0139】(評価) <耐光性>インクジェットプリンター(セイコーエプソ
ン(株)製の「PM−900C」)を用いて、マゼンタ
のベタ画像を印画した後、東京理化機械(株)製LST
−300型光安定性試験機を用いて、照度10000ル
クス、23℃、45%の環境下で14日間光照射を行っ
た。そのXrite社製の「Xrite938」型反射
濃度測定計を用いて、各色濃度の残存率を算出し、下記
評価基準に従い評価した。 [評価基準] A:残存率が90%以上の場合 B:残存率が80〜90%未満の場合 C:残存率が70〜80%未満の場合 D:残存率が70%未満の場合
【0140】また、平衡含水分は、色材受容層を剃刀で
削った後、温度23℃相対湿度45%の環境下に24時
間放置し、これを平沼産業(株)製AQ−5型カールフ
ィッシャー水分計に同社製EV−5型水分気化装置を取
り付けたものを用い、乾燥窒素ガスを250ml/分の
流量下に150℃で20分間加熱気化させて測定した。

また、I/O値は、エチレンオキサイド基の有機性基
を30、無機性基を60として算出された値である。
【0141】 分散剤(A)C817O−(CH2CH2O)4−H(I/O値=1.21) 分散剤(B)C715O−(CH2CH2O)4−H(I/O値=1.31) 分散剤(C)C613O−(CH2CH2O)5−H(I/O値=1.48) 分散剤(D)HO−(CH2CH2O)4−OH (I/O値=3.17)
【0142】
【表1】
【0143】上記の表1の結果から、本発明のインクジ
ェット記録用シート(実施例1〜3)は、耐光性に優れ
た記録用シートであることが判明した。
【0144】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録用シート
は、耐光性にすぐれたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA13 FC06 2H086 BA15 BA31 BA33 BA35 BA37 BA41

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に色材受容層を有するインクジェ
    ット記録用シートにおいて、該色材受容層の温度23℃
    相対湿度45%における平衡含水分が1mg/gから4
    0mg/gの範囲内にあることを特徴とするインクジェ
    ット記録用シート。
  2. 【請求項2】色材受容層の温度23℃相対湿度45%に
    おける平衡含水分が1mg/gから20mg/gの範囲
    内にあることを特徴とする請求項1記載のインクジェッ
    ト記録用シート。
  3. 【請求項3】色材受容層が、微粒子、水溶性樹脂、架橋
    剤、媒染剤及びI/O値が0.8以上2以下のポリエチ
    レンオキサイド基を有する分散剤を含有することを特徴
    とする請求項1又は2記載のインクジェット記録用シー
    ト。
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