JP2003320454A - ホットワイヤ溶接方法および装置 - Google Patents
ホットワイヤ溶接方法および装置Info
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Abstract
度をより少なくして適正なワイヤ溶融状態に保つよう
に、ワイヤ加熱電流の自動調整を行う溶接方法および装
置の提供。 【解決手段】 母材3と添加ワイヤ6との間にそれぞれ
電源から電圧を供給し、ワイヤ6の抵抗測定値によりワ
イヤ6の加熱電力を制御しながら溶接を行うホットワイ
ヤ溶接方法。ワイヤ抵抗値の目標値の設定方法として
は、溶接スタート時に加熱電力を上げて溶断現象を発生
させ、溶断現象をタッチ検出手段17にて検出し、ワイ
ヤ抵抗測定手段18により測定した溶断直前のワイヤ6
の抵抗値を目標値として設定する。溶接中に溶接条件を
変更した場合に、加熱電力を上げて溶断現象を発生さ
せ、溶断現象をタッチ検出手段17にて検出し、ワイヤ
抵抗測定手段18により測定した溶断直前のワイヤ6の
抵抗値を新たな目標値として登録してワイヤ抵抗値の目
標値を変更することもできる。
Description
り、特にホットワイヤの加熱溶融状態を最適にし、高能
率溶接を行うのに好適なホットワイヤ溶接方法および装
置に関する。
sten Inert Gas Arc)溶接法とし
て、従来から一般的に用いられている溶接装置の構成を
示す。TIG溶接トーチ1に取り付けられたタングステ
ン電極2と母材3に直流溶接用のアーク電源4を接続
し、アルゴン・シールドガス中でタングステン電極2を
負極としてアーク5を形成する。溶接用の添加ワイヤ6
はワイヤ送給装置7からコンジット8、およびそれと連
結されたワイヤトーチ15を通ってアーク形成部に導か
れて母材3と接触させる。TIG溶接トーチ1とワイヤ
トーチ15は、図には示していないが、連結部材によっ
て機械的に結合されていて一体になって動く。
とセラミックガイド11が配置されていて、コンタクト
チップ9と母材3間にワイヤ加熱電源10を接続し、直
流または交流電流をワイヤ6に流してジュール発熱さ
せ、それによりワイヤ6の溶融速度を高めている。な
お、ワイヤ6に通電加熱しないコールドワイヤTIG溶
接の場合には、図4でワイヤ加熱電源10を除外した構
成になる。
ワイヤ6の通電電流を大きくすると、アーク電流との間
に電磁力を生じ、いわゆる磁気吹きによるアーク5の乱
れを起こして溶接が困難になることが知られている。そ
こで図5に示すようなパルス波形の電流をワイヤ6に通
電する方法(特許第2610819号)が提案されてい
る。図5(A)はアーク電流を一定とし、ワイヤ電流の
みをパルス波形の電流にした方法、図5(B)はアーク
電流とワイヤ電流を共にパルス波形の電流にし、ワイヤ
電流を流すときにアーク電流を極力小さくする方法であ
る。このようにワイヤ加熱電流をパルス電流として、ア
ーク5が連続して磁気的に吹かれる期間を極力短くする
と、アーク5は瞬間的に吹かれるがすぐにタングステン
電極2の直下に戻るので、実質的にアーク5の硬直性は
維持され、磁気吹きによる作業性の低下は見られなくな
る。これにより、ホットワイヤTIG溶接の作業性が著
しく改善され、実用化が進展するようになった。
材3間のエクステンションe部で通電加熱されるが、そ
こへ印加される電力とワイヤ溶融量とをバランス良くす
るように制御する必要がある。ホットワイヤTIG溶接
における添加ワイヤ6の最適な溶融状態は、添加ワイヤ
6の先端を溶融池12に接触させるが、その接触界面の
ごく近くでワイヤ6はすでに完全に溶融していることで
ある。さらに、最も望ましいのは、添加ワイヤ6が溶融
池12に入る直前に完全に溶融していて、溶融した金属
が切れることなく連続的に溶け落ちる状態を保つことが
できることである。但し、ワイヤ6に投入される熱量
は、ワイヤ通電による発熱とアーク5からの熱量になる
ため、添加ワイヤ6のアーク5への挿入位置により、ア
ーク5からの熱量が変化し、添加ワイヤ6の溶融状態が
変化することになる。
は、添加するワイヤ送給速度とワイヤ6のアーク5への
挿入位置に応じて加熱電力を調整することが必要で、加
熱電力が不足気味の時には、ワイヤ6が溶融池12から
押し出てきたり、母材3に突き当たって、ワイヤトーチ
15およびそれと連結されたTIG溶接トーチ1を持ち
上げ、その結果、アーク長を非常に長くしてしまうの
で、溶接が続行できなくなる。また、ワイヤ加熱電力が
過少気味のときは、添加ワイヤ6は溶融池12の中に深
く入りこんでから溶融池12内からの熱伝達を受けてよ
うやく溶融する状態で溶接が進行することになり、これ
はあまり好ましい状態ではない。このような状態で添加
ワイヤ6の加熱不足が激しいときは、図6に示す溶接ビ
ードの断面図に見られるように、未溶融のワイヤ24が
そのまま溶接金属25の中に残留して溶接欠陥を形成し
てしまう。逆に加熱電力が過大の時には、ワイヤ6が頻
繁に加熱溶断し、スパッタを発生してタングステン電極
2に付着したり、ワイヤ6の先端とタングステン電極2
間にアーク5を形成したりして溶接状態を不安定にし、
溶接作業を著しく損なうことになる。
即ちワイヤ6の先端が溶融ないし溶融直前の状態になっ
ていて、かつ常に母材3と接触している状態になるよう
作業者が溶接部を監視しながら加熱電流を手動で調整す
ることによって、結果的に加熱電力を調整している。
512号公報に記載されているように、ワイヤ電圧から
溶断の発生を検知し、溶断発生時には多少ワイヤ加熱電
力を下げ、そこから徐々に加熱電力を増加して再び溶断
を発生させることを繰り返すことにより、適正溶融状態
に近い状態に自動的にワイヤ加熱電力を保つ制御方法が
提案されている。溶断の発生は、なるべく少ないことが
好ましいが、この方法では2〜3秒に1回程度の頻度で
はあるが、溶断を発生させる必要があり、多少のスパッ
タ発生は避けられなかった。
ワイヤ6の加熱が不足している場合においてのワイヤ6
の突っ張りによるトーチ15の持ち上げや、ワイヤ6の
加熱不足により未溶融ワイヤ24がそのまま溶接金属2
5の中に残留する溶接欠陥の発生や、加熱溶断によるス
パッタの発生を防止するために、常時、溶接作業者がワ
イヤ6の溶融状況を監視しながらワイヤ送給速度や加熱
電力を調節しなければならないという難点を有してい
る。また、前述した溶断現象を利用した従来の自動制御
方法では、スパッタの発生頻度が高く、タングステン電
極2にスパッタが蓄積し、長時間連続運転することが難
しいという問題がある。
たものであり、その課題は、ホットワイヤ溶接において
スパッタの発生頻度をより少なくして適正なワイヤ溶融
状態に保つように、ワイヤ加熱電流の自動調整を行うこ
とができるホットワイヤ溶接方法および装置を提供する
ことにある。
母材と添加ワイヤとの間にそれぞれ電源から電圧を供給
し、ワイヤを加熱制御しながら溶接を行うホットワイヤ
溶接方法において、ワイヤの抵抗測定値によりワイヤの
加熱電力を制御することを特徴とするホットワイヤ溶接
方法により達成される。
は、予め目標とするワイヤの抵抗値を登録しておき設定
方法、または、溶接スタート時に加熱電力を上げて溶断
現象を発生させ、溶断現象をタッチ検出手段にて検出
し、ワイヤ抵抗測定手段により測定した溶断直前のワイ
ヤの抵抗値を目標値として設定する方法がある。
ては、次のような方法がある。 (1)溶接中に溶接条件を変更した場合に、加熱電力を
上げて溶断現象を発生させ、溶断現象を例えばタッチ検
出手段にて検出し、ワイヤ抵抗測定手段により測定した
溶断直前のワイヤの抵抗値を新たな目標値として登録し
て変更する方法。
を発生させ、溶断現象を例えばタッチ検出手段にて検出
し、ワイヤ抵抗測定手段により測定した溶断直前のワイ
ヤの抵抗値を新たな目標値として登録して変更する方
法。
に、溶断現象を例えばタッチ検出手段にて検出し、ワイ
ヤ抵抗測定手段により測定した溶断直前のワイヤの抵抗
値と以前の目標抵抗値を比較し、抵抗値の低い値を新た
な目標値として登録して変更する。
との間にワイヤ加熱電圧を供給するワイヤ加熱電源と、
ワイヤが母材に接触しているか否かを検出するワイヤタ
ッチ検出手段と、ワイヤの抵抗値を測定するワイヤ抵抗
測定手段と、ワイヤ抵抗値の実測値が設定目標値に偏差
があると、該実測値を前記設定目標値になるように、ワ
イヤの加熱電力を制御するワイヤ加熱電源の加熱電力を
調整するワイヤ加熱制御手段とを備えたホットワイヤ溶
接装置である。
として、溶接スタート時に加熱電力を上げて溶断現象を
発生させ、溶断現象をタッチ検出手段にて検出し、ワイ
ヤ抵抗測定手段により測定した溶断直前のワイヤの抵抗
値を目標値として設定する構成にすることができる。ま
た、前記ワイヤ加熱制御手段は前記第一の発明であるホ
ットワイヤ溶接方法で述べたワイヤ抵抗値の目標値を変
更する方法の(1)〜(3)の方法を実行できる手段で
も良い。
発生させるアーク溶接法に限らず、レーザ溶接法にも適
用できる。
す模式図とその時のワイヤの温度と電気抵抗率のグラフ
を、図3(B)に添加ワイヤの加熱が過多状態を示す模
式図とその時のワイヤの温度と電気抵抗率のグラフを、
図3(C)に添加ワイヤの加熱が不足状態を示す模式図
とその時のワイヤの温度と電気抵抗率のグラフを示す。
添加ワイヤ6を溶融するために投入される熱量QTは、
ワイヤ加熱電源10(図1)よりコンタクトチップ9と
母材3間の添加ワイヤ6に印加されるホットワイヤ電流
による通電加熱量QWとアーク5より加えられる熱量Q
Aである。
例えば軟鋼の場合は1.27J/gになる。QAは添加
ワイヤ6のアーク5と溶融池12への挿入位置により変
わる値で、図3(B)に示すように添加ワイヤ6がタン
グステン電極2に近い位置でアーク5と溶融池12に挿
入された場合はアーク5の端に挿入される場合に比較し
て増加する。つまり、QWはQAの変化に合わせて変更
する必要がある。また、QWは添加ワイヤ6に通電され
る電流Iとエクステンションe部の抵抗値Rにより表さ
れる。
ションe部の長さLと添加ワイヤ6の断面積Sと電気抵
抗率ρで表される。
ョンe部の長さLは自動溶接機の場合、TIG溶接トー
チ1とワイヤトーチ15が一体に固定されているため、
溶接中には多少の変動があるもののほぼ一定である。電
気抵抗率ρは温度に依存して変化し、特に鉄の変化率は
非常に大きく、例えば温度20℃では9.7μΩ・c
m、温度800℃では105.5μΩ・cmに変化す
る。
温度は、図3(A)に示すようにコンタクトチップ9側
では外気温で、溶融池12側では融点近くの1500℃
まで通電加熱されているのが理想的である。そして添加
ワイヤ6の温度分布に合わせて電気抵抗率ρも同様な分
布を示す。電気抵抗率ρをコンタクトチップ9から溶融
池12まで積分した値が抵抗値Rになるので、抵抗値R
は添加ワイヤ6の温度つまり加熱状態を示すと考えてよ
い。図3(C)に示すように、添加ワイヤの加熱が不足
状態の場合は、添加ワイヤ6の温度は溶融池12側で融
点まで上がらず低い値になる。同様に電気抵抗率ρの分
布も図3(A)に比べると下降した状態になり、抵抗値
Rも低い値になる。逆に図3(B)に示すように、添加
ワイヤ6の加熱が過多状態の場合は、アーク5からの入
熱量が多くなる場合で通電加熱量を下げる必要があり、
加熱が過多すぎると添加ワイヤ6の先端で溶断現象を起
こすことになる。図3(B)では添加ワイヤ6の先端が
溶けながら溶融池12に流れ込んでいる状態を示してい
て、この状態においては正常な溶接を続行することがで
きる。このときの添加ワイヤ6の温度分布は、溶融池1
2側で高温範囲が少し多くなり、同様に電気抵抗率ρも
変化する。但し、添加ワイヤ6が溶断せず溶融池12に
つながっている状態ならば、コンタクトチップ9とアー
ク5間の添加ワイヤ6の温度分布は図3(A)の状態に
比べて下がっているので、電気抵抗率ρも図3(A)の
状態に比べて低くなり、抵抗値Rとしては図3(A)の
状態の値に近い値になる。
該ワイヤ6の加熱状態を判定することができ、特に溶断
直前の添加ワイヤ6の抵抗値Rは、該ワイヤ6が溶融池
12に溶融しながら流れ込んでいる状態の値であり、ワ
イヤ6の温度分布が最適になっている状態の値である。
この溶断直前の抵抗値Rを目標値にして、測定した抵抗
値Rが目標値より低い場合は加熱が不足していて、ワイ
ヤ6の温度分布が最適な状態に比べて低いと判定できる
ので、添加ワイヤ6の加熱電力を上げる必要があり、逆
に測定した抵抗値Rが目標値より高い場合は加熱過多気
味になっていると判定できるので、添加ワイヤ6の加熱
電力を下げる必要がある。このように添加ワイヤ6の通
電抵抗値を測定することにより、添加ワイヤ6の加熱状
態を最適な状態に自動制御することが可能になる。
者が溶接状況を判断して最適な加熱状態の時の抵抗値R
を測定して決める方法がある。また、添加ワイヤ6の抵
抗値Rの目標値を自動的に決める方法としては、添加ワ
イヤ6の加熱電力を徐々に上げていき溶断現象を発生さ
せ、前記特公平5−75512号公報に記載したタッチ
検出手段にて溶断現象を検出し、溶断直前の添加ワイヤ
6の抵抗値Rを目標値にする方法がある。
面と共に説明する。図1は本発明の実施の形態に係るホ
ットワイヤ溶接装置の制御回路の回路構成図である。図
2は図1に係る添加ワイヤの抵抗測定手段の回路構成図
である。
グステン電極2を保持し、該タングステン電極2は被溶
接物の母材3との間でアーク5を発生する。添加ワイヤ
6にはワイヤ加熱電源10からの電流がコンタクトチッ
プ9により接触通電され、コンタクトチップ9には加熱
された添加ワイヤ6の溶融池12への挿入位置を正確に
一定にするためのセラミックガイド11が取り付けられ
ている。アーク熱により母材3が溶けて形成した溶融池
12が凝固すると溶接ビード13が形成される。
定され、ワイヤ電圧より添加ワイヤ6が母材3と接触し
ているか分離しているかを判定するタッチ検出手段17
と、ワイヤ電流とワイヤ電圧からワイヤ抵抗値Rを計算
するためのワイヤ抵抗測定手段18、タッチ検出手段1
7とワイヤ抵抗測定手段18からの信号により添加ワイ
ヤ6の加熱状態を判定し、判定結果によりワイヤ加熱電
源10の加熱電力を調整するためのワイヤ加熱制御手段
19、タッチ検出手段17とワイヤ抵抗測定手段18と
ワイヤ加熱制御手段19などから制御装置20が構成さ
れる。
力値Ww)により、ワイヤ加熱電源10が制御される。
は、図2に示すように、電流センサ16からの信号によ
りワイヤ電流値を測定するためのワイヤ電流測定回路2
1とワイヤ電圧値を測定するためのワイヤ電圧測定回路
22が設けられているが、ワイヤ電圧にはタッチ検出手
段17よりタッチ検出を正確に行うためにプルアップ電
圧が掛かっているため、このプルアップ電圧を差し引い
た実質的なワイヤ電圧がワイヤ電圧測定回路22では測
定可能な回路構成になっている。また、ワイヤ電圧測定
回路22で測定したワイヤ電圧Vwをワイヤ電流測定回
路21で測定したワイヤ電流Iwで割り算して抵抗値R
wを計算するための割り算回路(ワイヤ抵抗測定手段)
18が設けられている。
法、溶接手順は従来の方法と同様であるので説明は省略
し、本実施の形態の特徴点であるホットワイヤ溶接制御
方法および装置について図1と図2により説明する。
ヤ6の通電抵抗値によりワイヤ6の加熱状態を判定する
ことが可能であり、まずこの通電抵抗値の測定方法を説
明する。通電抵抗Rwはコンタクトチップ9と母材3間
の添加ワイヤ6に印加される電圧Vwと電流Iwで表さ
れる。 Rw = Vw ÷ Iw (4)
るが、電圧Vwにはタッチ検出手段17よりタッチ検出
を正確に行うためにプルアップ電圧が掛かっているた
め、ワイヤ電圧測定回路22は、このプルアップ電圧を
差し引いたワイヤ加熱電源10より印加される実質的な
ワイヤ電圧が測定可能な回路構成になっている。また、
電流Iwはホールセンサなどの電流センサ16からの信
号によりワイヤ電流測定回路21で測定され、電圧Vw
と電流Iwの信号を割り算回路(ワイヤ抵抗測定手段)
18に入力し、抵抗値Rwを求めることができる。
業者が溶接状況を判断して最適な加熱状態のときの抵抗
値Rwをワイヤ抵抗測定手段18で測定し、その値をワ
イヤ加熱制御手段19に登録する方法がある。
ているか否かを検出するタッチ検出機能(前記特公平5
−75512号公報に記載)について説明する。添加ワ
イヤ6が非通電のときのワイヤ電圧Vwは、添加ワイヤ
6が母材3に接触している状態では0Vに近い値にな
り、そして添加ワイヤ6の先端が母材3から離れ、アー
ク・プラズマに接触しているときにはプラズマ柱の電圧
を検出して−1Vより負の電圧になる。この性質を利用
して、添加ワイヤ6の先端が母材3と接触しているかど
うかを検出するタッチ検出手段17を構成した。タッチ
検出手段17からの出力信号Tuは、添加ワイヤ6が母
材3と接触しているときにはハイレベルの信号H、離れ
ているときにはローレベルの信号Lの電圧出力信号とす
る。
決める方法としては、添加ワイヤ6の加熱電力を徐々に
上げていき溶断現象を発生させ、タッチ検出手段17に
て溶断現象を検出し、溶断直前の添加ワイヤ6の抵抗値
をワイヤ抵抗測定手段18で測定し、その値をワイヤ加
熱制御手段19に登録する方法がある。この添加ワイヤ
抵抗目標値の設定は、溶接スタート時に1回行う必要が
あり、溶接電流やワイヤ6の送給などの溶接条件を変更
した場合は再度登録し直す必要がある。また、溶接が進
行していくとアーク長が変動したり、母材3の温度が上
昇したりするのでアーク5と溶融池12の溶接状況が変
化し、添加ワイヤ6の加熱状況も多少変化してくる。そ
こで、例えば数分に1回の割合で定期的に抵抗目標値の
自動再登録を行うと、より正確な加熱制御を行うことが
可能になる。
で設定した抵抗目標値に対して、溶接中にワイヤ抵抗測
定手段18で測定した抵抗値が目標値より低い場合は、
加熱が足りなくワイヤ6の温度分布が最適な状態に比べ
て低いと判定できるので、添加ワイヤ6の加熱電力を上
げる必要があり、ワイヤ加熱電源10に対して加熱電力
を上げる指令を出す。逆に測定した抵抗値が目標値より
高い場合は、加熱過多気味になっていると判定できるの
で、添加ワイヤ6の加熱電力を下げる必要があり、ワイ
ヤ加熱電源10に対して加熱電力を下げる指令を出す。
このように添加ワイヤ6の通電抵抗値を測定することに
より、添加ワイヤ6の加熱状態を最適な状態に自動制御
することが可能になる。
ッチ検出手段17にて溶断現象を検出した場合は、ワイ
ヤ加熱が過多であると判断できるので、ワイヤ抵抗測定
手段18により測定した溶断直前のワイヤ6の抵抗値と
以前の目標抵抗値を比較し、抵抗値の低い値を新たな目
標値として登録し直す必要がある。
パルス電流を使用する場合は、当然ながら上記の制御は
パルス電流に同期させて、ワイヤ電流の通電期間のみ作
動し、ワイヤ電流の非通電期間は非作動にする必要があ
る。
いてワイヤの加熱不足下においてのワイヤの突っ張りに
よるトーチの持ち上げや、ワイヤの加熱不足により未溶
融ワイヤがそのまま溶接金属の中に残留する溶接欠陥の
発生を防ぎ、加熱溶断によるスパッタの発生頻度をより
少なくして、適正なワイヤ溶融状態に保つことができ、
ワイヤ加熱電流の自動調整を行うことが可能になること
により、ホットワイヤ溶接による高能率化を促進し、溶
接欠陥の発生頻度を低下させ、省人化に貢献することが
できる。
装置の制御回路の回路構成図である。
の回路構成図である。
模式図とその時の添加ワイヤの温度と電気抵抗率のグラ
フであり、図3(B)はワイヤの加熱が過多状態を示す
模式図とその時のワイヤの温度と電気抵抗率のグラフで
あり、図3(C)はワイヤの加熱が不足状態を示す模式
図とその時のワイヤの温度と電気抵抗率のグラフであ
る。
器構成を示す図である。
を示し、図5(A)はアーク電流を一定とし、ワイヤ電
流のみをパルス波形の電流にした方法、図5(B)はア
ーク電流とワイヤ電流を共にパルス波形の電流にし、ワ
イヤ電流を流すときにアーク電流を極力小さくする方法
を示す図である。
段(割り算回路) 19 ワイヤ加熱制御手段 20 制御装置 21 ワイヤ電流測定回路 22 ワイヤ電圧測定回
路 24 未溶融ワイヤ 25 溶融金属 e エクステンション部 I(Iw) 電流 L 長さ Tu 出力信号 R 抵抗値 Rw 通電抵抗 Vw 電圧 Ww ワイヤ加熱電源へ
の出力値
Claims (7)
- 【請求項1】 母材と添加ワイヤとの間にそれぞれ電源
から電圧を供給し、ワイヤを加熱制御しながら溶接を行
うホットワイヤ溶接方法において、 ワイヤの抵抗測定値によりワイヤの加熱電力を制御する
ことを特徴とするホットワイヤ溶接方法。 - 【請求項2】 予め目標とするワイヤの抵抗値を登録し
ておき、ワイヤの測定した抵抗値が前記登録した目標抵
抗値になるように、ワイヤの加熱電力を制御することを
特徴とする請求項1記載のホットワイヤ溶接方法。 - 【請求項3】 溶接スタート時に加熱電力を上げて溶断
現象を発生させ、溶断現象を検出すると、溶断直前のワ
イヤの抵抗値を目標値として登録しておき、該目標値に
よりワイヤの加熱電力を制御することを特徴とする請求
項1記載のホットワイヤ溶接方法。 - 【請求項4】 溶接中に溶接条件を変更した場合に、加
熱電力を上げて溶断現象を発生させ、溶断現象を検出す
ると溶断直前のワイヤの抵抗値を目標値として再登録
し、前記登録した目標抵抗値になるように、ワイヤの加
熱電力を制御することを特徴とする請求項2記載のホッ
トワイヤ溶接方法。 - 【請求項5】 定期的に加熱電力を上げて溶断現象を発
生させ、溶断現象を検出すると、ワイヤの抵抗値を測定
し、溶断直前のワイヤの抵抗値を目標値として再登録し
て、前記登録した目標抵抗値になるように、ワイヤの加
熱電力を制御することを特徴とする請求項2記載のホッ
トワイヤ溶接方法。 - 【請求項6】 溶接中に溶断現象が発生した場合に、溶
断現象を検出し、ワイヤ抵抗値の測定した溶断直前のワ
イヤの抵抗値と以前の目標抵抗値を比較し、抵抗値の低
い値を新たな目標値として再登録し、ワイヤの加熱電力
を制御することを特徴とする請求項2記載のホットワイ
ヤ溶接方法。 - 【請求項7】 母材と添加ワイヤとの間にワイヤ加熱電
圧を供給するワイヤ加熱電源と、 ワイヤが母材に接触しているか否かを検出するワイヤタ
ッチ検出手段と、 ワイヤの抵抗値を測定するワイヤ抵抗測定手段と、 該ワイヤ抵抗測定手段によるワイヤ抵抗値の実測値が設
定目標値に偏差があると、該実測値を前記設定目標値に
なるように、ワイヤの加熱電力を制御するワイヤ加熱電
源の加熱電力を調整するワイヤ加熱制御手段とを備えた
ことを特徴とするホットワイヤ溶接装置。
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2002
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