JP2003320242A - エキシマuvフォトリアクター - Google Patents

エキシマuvフォトリアクター

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JP2003320242A
JP2003320242A JP2002130073A JP2002130073A JP2003320242A JP 2003320242 A JP2003320242 A JP 2003320242A JP 2002130073 A JP2002130073 A JP 2002130073A JP 2002130073 A JP2002130073 A JP 2002130073A JP 2003320242 A JP2003320242 A JP 2003320242A
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gas
lamp
lamps
irradiated
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JP2002130073A
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Tadayoshi Onoda
忠与 大野田
Ikuo Sakai
郁夫 坂井
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Shin Etsu Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エキシマUVランプの電極を保護しながら保
護管の腐食など化学反応を防止して透明度を維持する。 【解決手段】 各エキシマUVランプBの外周を保護管
B3で囲むことにより、エキシマUVランプBの電極B
2と被照射体Aとが隔離されると共に、保護管B3のガ
ラス表面に被覆された保護膜B4により、反応性ガスC
から保護管B3のガラス表面が遮断されて、エキシマU
Vの照射による光化学反応で例えばフッ化水素やフッ酸
などの腐食性ガスが生成する反応性ガスCを使用した場
合でも、この腐食性ガスによりガラス表面の腐食が防止
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば被照射体の
表面を撥水処理するためのエキシマUVフォトリアクタ
ー(photo reactor:光反応装置)に関し、特に液晶ディ
スプレイなどのガラス基板やシリコン半導体ウェーハな
どの表面に付着した有機化合物の汚れを除去するための
エキシマUV・オゾン洗浄装置(ドライ洗浄装置)や、
オゾンガスとの光化学反応により半導体製造工程におい
てシリコンウェーハ上の不要になったフォトレジストを
除去するためのアッシング(ashing:灰化)装置、又は
水素ガスとの光化学反応によってシリコンウェーハ表面
の結晶完全性を高めるための水素アニール装置、或いは
有機金属化合物の気化ガスとの光化学反応によってシリ
コンウェーハ上に金属膜を形成すための有機金属(M
O)CVD装置等としても共用可能なエキシマUVフォ
トリアクターに関する。詳しくは、複数本のエキシマ
(excimer)UV(紫外線)ランプを被照射体と対向し
て並列状に配置し、これらエキシマUVランプから被照
射体に向けエキシマUVを反応性ガスの雰囲気中で照射
することにより、被照射体表面で光化学反応させるエキ
シマUVフォトリアクターに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のエキシマUVフォトリア
クターとして、例えば特許第2705023号公報に開
示される如く、合成石英ガラスからなる光取り出し窓を
有するランプ装置の容器内に、複数本のエキシマUVラ
ンプ(誘導体バリア放電ランプ)が並列状に配置される
と共に窒素ガスを流し、これらエキシマUVランプから
放射したエキシマUV(真空紫外光)が光取り出し窓を
通して、被照射体(被処理物)の表面へ向け照射され、
反応性ガス(酸素を含む流体)との光化学反応によって
被照射体との間に存在するオゾン及び活性酸化性分解物
を生成せしめ、このオゾン及び活性酸化性分解物を被照
射体に接触させて酸化したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし乍ら、このよう
な従来のエキシマUVフォトリアクターでは、ランプ装
置の容器内に配置した複数本のエキシマUVランプから
放射したエキシマUVが光取り出し窓を通して被照射体
の表面へ向け照射させることにより、エキシマUVラン
プの電極を保護していたが、近年の被照射体の大型化に
伴って光取り出し窓の合成石英ガラスも大型化が必要で
あるため、製造コストが著しく高価になるという問題が
ある。また反応性ガスとして例えばフッ素系有機化合物
などのように、エキシマUVの照射による光化学反応で
例えばフッ化水素やフッ酸(フッ化水素酸)などのガラ
スを腐食する腐食性ガスが生成するものを使用した場合
には、この腐食性ガスにより光取り出し窓の合成石英ガ
ラスの表面が腐食して透明度が著しく低下し、それによ
りエキシマUVランプから被照射体への光エネルギーが
減衰して、所要な光化学反応が得られないという問題が
ある。
【0004】本発明のうち請求項1記載の発明は、エキ
シマUVランプの電極を保護しながら保護管の腐食など
化学反応を防止して透明度を維持することを目的とした
ものである。請求項2記載の発明は、請求項1に記載の
発明の目的に加えて、エキシマUVランプから被照射体
への光エネルギーの減衰と、エキシマUVランプの電極
の酸化を同時に防止することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明のうち請求項1記載の発明は、エキシマ
UVランプの外側にそれが囲まれるように透明なガラス
製の保護管を夫々設け、これら保護管の表面を、エキシ
マUV(真空紫外光)の透過性に優れた保護膜で夫々被
覆したことを特徴とするものである。請求項2記載の発
明は、請求項1記載の発明の構成に、前記エキシマUV
ランプと保護管との間に窒素ガスを供給した構成を加え
たことを特徴とする。
【0006】
【作用】請求項1の発明は、各エキシマUVランプの外
周を保護管で囲むことにより、エキシマUVランプの電
極と被照射体とが隔離されると共に、保護管のガラス表
面に被覆された保護膜により、反応性ガスから保護管の
ガラス表面が遮断されて、エキシマUVの照射による光
化学反応で例えばフッ化水素やフッ酸などの腐食性ガス
が生成する反応性ガスを使用した場合でも、この腐食性
ガスによりガラス表面の腐食が防止されるものである。
請求項2の発明は、請求項1記載の構成に対して、前記
エキシマUVランプと保護管との間に窒素ガスを供給し
た構成を追加したので、保護管内に供給した窒素ガスに
より、エキシマUVランプの管壁から保護管外までのエ
キシマUV吸収をなくして光強度の劣化が防げられると
共に、エキシマUVランプの電極が直接活性化した酸素
に触れて酸化物を生成するのが防げられる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。この実施例は、図1に示す如く、エキ
シマUVフォトリアクターRの内部に形成された空間S
内に、被照射体Aと対向して複数本のエキシマUVラン
プB…を並列状に配置し、これらの各エキシマUVラン
プBが、網状の円筒形に形成された内部電極B1と、そ
の外側に配置された網状円筒形の外部電極B2とを同軸
状に配置することによって、172nmのエキシマUV
を放射状に照射する二重円筒型構造である場合を示した
ものである。
【0008】各エキシマUVランプBの外部電極B2の
外側には、それを囲むように保護管B3が設けられる。
上記保護管B3は、エキシマUVの透過性に優れた例え
ば合成石英ガラスなどで中空な円筒状に形成され、各エ
キシマUVランプBの外部電極B2の外側に該保護管B
3を同軸状に配置することにより、各エキシマUVラン
プBの外部電極B2と被照射体Aとが隔離される。
【0009】この保護管B3の外周表面は、エキシマU
V(真空紫外光)の透過性に優れた保護膜B4で被覆さ
れ、この保護膜B4により反応性ガスCから保護管B3
のガラス表面が遮断されて、これら反応性ガスCとガラ
ス表面との化学反応が抑制される。本実施例の場合に
は、この保護膜B4が例えばフッ化カルシウムやフッ化
マグネシウム、フッ化リチウムなどであり、例えばイオ
ンプレーティングやそれ以外の蒸着法やスパッタリング
などによって厚さが数μ〜数十μ程度の薄膜を形成して
いる。
【0010】また、各エキシマUVランプBの外部電極
B2と保護管B3との空間には、窒素ガスを供給するこ
とにより、この外部電極B2から保護管B3外までのエ
キシマUV吸収をなくして光強度の劣化が防げられると
共に、外部電極B2及び内部電極B1が直接活性化した
酸素に触れて酸化物を生成するのが防げられる。なお、
必要に応じて上記空間に、図示例に示す如く、各エキシ
マUVランプBの背面側へ発光したエキシマ光が被照射
体Aへ反射されるように反射体B5を配設しても良い。
【0011】そして、上記被照射体Aの表面において、
並列なエキシマUVランプB…の直下に位置する該エキ
シマUVランプB…に沿った細長い領域A1…は、その
他の領域A2…に比べてエキシマUV照射量が多くて活
性に優れるため、本実施例の場合には、これら活性領域
A1…へ向けて、反応性ガスCを強制的に供給するため
の反応ガス供給手段1…が、被照射体Aの表面近くに設
けられる。
【0012】これら反応ガス供給手段1…は、各エキシ
マUVランプB…と略平行な複数のガス導入管1a…
を、各エキシマUVランプB…から活性領域A1…へ照
射されるエキシマUVと干渉しないように配設し、これ
らガス導入管1a…の外周面に、被照射体A上の活性領
域A1…へ向けノズル孔1b…を、夫々の軸方向へ適宜
間隔毎に多数開穿することにより構成される。図示例の
場合には、並列なエキシマUVランプB…の間及びそれ
らの両端に夫々一本ずつガス導入管1aを配設し、特に
エキシマUVランプB…の間に配置されたガス導入管1
a…は、各エキシマUVランプB…直下の隣り合う活性
領域A1,A1へ向けノズル孔1b…を断面ハの字形に
開穿して、各ガス導入管1a…の反応性ガスCを分岐さ
せて供給している。
【0013】更に、これらガス導入管1a…の上流端に
は、反応性ガスCの供給源(図示せず)に配管接続さ
れ、この反応ガス供給源から導入される反応性ガスCを
夫々のノズル孔1b…から被照射体A上の活性領域A1
…へ夫々吹き付ける。
【0014】この反応性ガスCは、前記エキシマUVフ
ォトリアクターRの使用目的に応じて異なるものが使用
される。即ち、このエキシマUVフォトリアクターR
を、被照射体Aの表面を撥水処理するための撥水処理装
置として使用する場合には、上記反応性ガスCが例えば
フッ素系有機ガスと適量の酸素などであり、これらを必
要に応じ混合させて被照射体Aへ向け供給する。
【0015】また、このエキシマUVフォトリアクター
Rを、例えばシリコンウェーハ上の不要になったフォト
レジストを除去するためのアッシング装置や、液晶ディ
スプレイのガラス基板の表面に付着した有機化合物の汚
れを除去するためのエキシマUV・オゾン洗浄装置(ド
ライ洗浄装置)として共用する場合には、上記反応性ガ
スCがオゾンであり、反応ガス供給源はオゾン発生機と
なる。それ以外に例えば水素との光化学反応によりシリ
コンウェーハ表面の結晶完全性を高めるための水素アニ
ール装置として共用する場合には、上記反応性ガスCが
水素であり、反応ガス供給源は水素ボンベとなる。
【0016】更に、前記反応ガス供給手段1…より被照
射体Aと離れた位置には、反応用補助ガス(キャリヤー
ガス)Dを被照射体Aへ向けて強制的に供給するための
反応用補助供給手段2…が設けられる。
【0017】この反応用補助ガス供給手段2は、本実施
例の場合、並列なエキシマUVランプB…の上方にそれ
らと交互に複数の導入室2a…を適宜間隔毎に区画形成
し、これら導入室2aの下端に、隣り合う保護管B3…
の間に区画形成した通路S1…と、それらの両端に形成
された通路S2,S2に夫々向けてノズル2b…を開設
している。
【0018】この反応用補助ガス供給手段2は、本実施
例の場合、並列なエキシマUVランプB…の上方にそれ
らと交互に複数の導入室2a…を適宜間隔毎に区画形成
し、これら導入室2aの下端に、隣り合う保護管B3…
の間に区画形成した通路S1…と、それらの両端に形成
された通路S2,S2に夫々向けてノズル2b…を開設
している。上記導入室2a…には、反応用補助ガスDと
して、例えば窒素ガスや不活性ガス(アルゴン、ヘリウ
ム、その他)が導入され、これがキャリヤーガスとして
ノズル2b…から上記通路S1…,S2,S2を介して
前記反応ガス供給手段1…へ向けて下向きに供給され
る。
【0019】そして、前記被照射体Aは、並列なエキシ
マUVランプB…との間隔が所定距離となるように支持
され、これらエキシマUVランプB…と被照射体Aのど
ちらか一方を他方に対して両者間の距離を保ちながら移
動させる移送手段3が設けられる。図示例の場合には、
この移送手段3が例えば回転テーブルなどの回転搬送機
構3aであり、その上面に被照射体Aを移動不能に載置
した状態で、エキシマUVランプB…の照射時間と連動
して適宜速度で円弧状に回転移動させている。
【0020】次に、斯かるエキシマUVフォトリアクタ
ーRの作動について説明する。先ず、並列なエキシマU
VランプB…からエキシマUVが保護管B3…を介して
被照射体Aへ向け夫々放射状に照射されると同時に、反
応ガス供給手段1のノズル孔1b…から反応性ガスCが
被照射体Aへ向け強制的に供給される。このエキシマU
VフォトリアクターRを撥水処理装置として使用する場
合には、反応ガス供給手段1…のノズル孔1b…から反
応性ガスCとしてフッ素系有機ガスと適量の酸素が被照
射体A上の活性領域A1…へ向け強制的に供給される。
【0021】その際、各エキシマUVランプBの外周を
保護管B3で囲むことにより、エキシマUVランプBの
外部電極B2と被照射体Aとが隔離されると同時に、保
護管B3のガラス表面に被覆された保護膜B4により、
反応性ガスCから保護管B3のガラス表面が遮断され
て、エキシマUVの照射による光化学反応で反応性ガス
Cのフッ素系有機ガスから例えばフッ化水素やフッ酸
(フッ化水素酸)などの腐食性ガスが生成されたとして
も、この腐食性ガスにより保護管B3のガラス表面が腐
食しない。その結果、エキシマUVランプBの外部電極
B2を保護しながら保護管B3の腐食など化学反応を防
止して透明度を維持できる。
【0022】更に、各エキシマUVランプBと保護管B
3との間に窒素ガスを供給すれば、保護管B3内に供給
した窒素ガスにより、エキシマUVランプBの外部電極
B2から保護管B3外までのエキシマUV吸収をなくし
て光強度の劣化が防げられると共に、エキシマUVラン
プBの外部電極B2及び内部電極B1が直接活性化した
酸素に触れて酸化物を生成するのが防げられる。その結
果、エキシマUVランプBから被照射体Aへの光エネル
ギーの減衰と、エキシマUVランプBの外部電極B2及
び内部電極B1の酸化を同時に防止できる。
【0023】また、エキシマUVの照射量は被照射体A
の表面全体に亘って均等にならず、各エキシマUVラン
プB…直下の細長い領域A1…が、その他の領域A2…
に比べ格段に強い。本実施例では、この状態で図1に示
す如く、反応ガス供給手段1…の反応ガス供給源(図示
せず)からガス導入管1a…へ反応性ガスCを夫々導入
したので、各ガス導入管1a…のノズル孔1b…から、
被照射体A上のエキシマUV照射量が多い活性領域A1
…のみに集中して供給される。実験によって、これら活
性領域A1…における反応性ガスCの濃度を計測したと
ころ、安定した光化学反応に必要な例えば約1,000ppm
以上まで上げることができた。
【0024】それにより、エキシマUVと反応性ガスC
の光化学反応が、従来技術での温度より低い低温雰囲気
で促進されると共に、この光化学反応が活発に発生しな
い領域A2…には反応性ガスCが供給されず、無駄に消
費されないから、ガス供給能力が大きな反応ガス供給源
でなくても足りる。その結果、光化学反応を簡単な構造
でしかもより低温雰囲気で安定して行うことができた。
【0025】具体的には、このエキシマUVフォトリア
クターRを撥水処理装置として使用するために、反応性
ガスCとして例えばフッ素系有機ガスと適量の酸素を供
給すると共に、反応用補助ガスDとして窒素ガスを供給
した場合には、被照射体Aの表面に所要の撥水処理層を
積層できた。また、上記エキシマUVフォトリアクター
Rをアッシング装置として共用するために、反応性ガス
Cとしてオゾンを供給した場合には、被照射体Aとして
シリコンウェーハ上の不要になったフォトレジストを完
全に除去できた。エキシマUV・オゾン洗浄装置(ドラ
イ洗浄装置)として共用するために、反応性ガスCとし
てオゾンを供給した場合には、被照射体Aの表面に付着
した有機化合物の汚れを完全に除去できた。水素アニー
ル装置として共用するために、反応性ガスCとして水素
を供給した場合には、被照射体Aとしてシリコンウェー
ハ表面の結晶完全性を高めることが確認できた。
【0026】特に、従来発表されている半導体製造装置
でのUV光によるレジストアッシャー装置は、オゾン層
が厚く、UV光による光エネルギーは、オゾン層の通過
により吸収が大きくなって反応効率が著しく低下してし
まうが、本発明の装置は、オゾン吹き出しノズル(ノズ
ル孔)1b…を設け、またその流量をコントロールする
ことにより、反応効率が格段に優れたフォトリアクター
が実現した。
【0027】これに加えて、被照射体Aの載置面に面状
ヒーター(図示せず)を付設したり、被照射体Aに向け
て加熱光(図示せず)を照射するなどして、被照射体A
を加熱させれば、上述した光化学反応の速度を更に高速
化することもできる。
【0028】更に、前記反応用補助ガス供給手段2のノ
ズル2b…から通路S1…,S2,S2を経て被照射体
Aへ向け、反応用補助ガスDがキャリヤーガスとして窒
素ガスや不活性ガス(アルゴン、ヘリウム、その他)が
下向きに供給されるため、反応性ガスCが供給される活
性領域A1…以外の領域A2…及びこれら以外の閉鎖空
間S内は、反応用補助ガスDで満たされると共に、既反
応の不要ガスを反応領域より速やかに排出する。その結
果、反応性ガスCを速やかに活性領域(反応領域)A1
…に導入して置換できる。しかも、反応性ガスCが大量
に充満するのを防止でき、反応性ガスCが例えばオゾン
や水素などように危険性の高い気体であっても安全性が
確保できる。
【0029】また、移送手段3の作動によって、エキシ
マUVランプB…と被照射体Aの相対移動で被照射体A
の全面がエキシマUVランプB…の直下位置を通過す
る。それにより、エキシマUVの照射量のバラツキが改
善されると同時に、被照射体Aの表面全体に亘るエキシ
マUVの照射時間が短縮化される。その結果、光化学反
応のムラをなくしながら反応時間を短縮化できる。
【0030】特に図示例の場合には、回転搬送機構3a
の作動によりエキシマUVランプB…に対して被照射体
Aを相対的に回転移動させるため、被照射体Aの大きさ
が、隣り合う複数のエキシマUVランプB…に亘って広
がるものであっても、その表面全体に亘ってエキシマU
Vが均等に照射されるので、被照射体Aを全体的にむら
なく光化学反応できるという利点がある。
【0031】そして、図2に示すものは、夫々が本発明
の変形例である。図2に示すものは、前記反応ガス供給
手段1…のガス導入管1a′…を、各エキシマUVラン
プB…毎に一対ずつ配設し、各エキシマUVランプB…
直下の各活性領域A1…へ向けノズル孔1b′…を一方
向のみに開穿して、各ガス導入管1a′…の反応性ガス
Cを分岐させずに総て供給した構成が、前記図1に示し
た実施例とは異なり、それ以外の構成は図1に示した実
施例と同じものである。
【0032】その結果、図2に示すものは、各活性領域
A1…に対して前記図1に示した実施例よりも多量の反
応性ガスCを供給でき、その分だけ反応性ガスCの濃度
を上げることができるという利点がある。
【0033】更に前記被照射体Aが例えば液晶ディスプ
レイのガラス基板のような面積の大きなものの場合に
は、前記移送手段3として、図1に示した回転搬送機構
3aに代えて例えばローラーコンベヤなどの連続搬送機
構3bを設け、その作動で被照射体AがエキシマUVラ
ンプB…の軸方向と直角に交差する方向へ該エキシマU
VランプB…間のピッチと同じ長さ又はそれより長く連
続搬送されることにより、エキシマUVランプB…の直
下位置を順次通過させることが好ましい。その結果、エ
キシマUVランプB…の直下位置を複数の被照射体A…
が順次通過するので、多数の被照射体A…を連続して光
化学反応させることができるという利点がある。
【0034】また図示せぬが、前記移送手段3として、
図1に示した回転搬送機構3aや図2に示した連続搬送
機構3bに代えて、例えば中心の太陽歯車と、それの周
囲に同軸状に配置された内歯歯車と、これらに噛み合う
遊星キャリヤとからなる遊星運動機構を設け、この遊星
キャリヤ内に例えば半導体ウェーハなどの被照射体Aを
単数又は複数夫々着脱自在に保持して、この遊星キャリ
ヤ及び被照射体Aを太陽歯車の周り沿いに自転しながら
公転させることにより、移動量の差による照射ムラを防
止させても良い。
【0035】一方、図3と図4に示すものは、夫々が本
発明の他の実施例であり、これらのものはエキシマUV
フォトリアクターRを撥水処理装置だけでなく、エキシ
マUV・オゾン洗浄装置(ドライ洗浄装置)として共用
する場合を示している。図3に示す実施例では、エキシ
マUVフォトリアクターRをエキシマUV・オゾン洗浄
装置(ドライ洗浄装置)として使用した例を示してお
り、隣り合う保護管B3…の間に、上下中間部分の間隔
が最も狭い流路S3…を夫々区画形成している。
【0036】これら流路S3…は、被照射体Aから離れ
た上側部分を入口S31…とすると共に、これと逆に被照
射体Aと対向する下側部分を出口S32…とし、入口S31
…には、適正量の反応性ガスCと反応用補助ガスDを強
制的に供給する供給手段2′が設けられ、この反応性ガ
スCとして酸素を供給すると共に、反応用補助ガスDと
して例えば窒素ガスや不活性ガス(アルゴン、ヘリウ
ム、その他)などのキャリヤーガスを供給する。
【0037】この供給手段2′は、反応用補助ガスとフ
レッシュな空気が混合室2cの内部に供給されて所定比
率で混合し、この混合室2cから上記流路S3…の入口
S31…に向けてノズル2d…を夫々適宜間隔毎に突設
し、これらノズル2d…から流路S3…の入口S31…へ
混合された反応用補助ガスと空気を吹き出すことによ
り、適正量の反応用補助ガスと酸素が流路S3…内に供
給される。
【0038】これら各流路S3の入口S31へ適正量の反
応用補助ガスと酸素が供給されることにより、各流路S
3内の気体を出口S32から被照射体Aへ向け強制的に押
し流して、各エキシマUVランプB直下の領域A1から
離れたエキシマUV照射の弱い領域A2近くの雰囲気4
に流し込む。
【0039】更に、前記エキシマUVランプB…と被照
射体Aのどちらか一方を他方に対して両者間の距離を保
ちながら移動させる移送手段3として、エキシマUVラ
ンプB…の軸方向と直角に交差する方向へ該エキシマU
VランプB…間のピッチPと同じ長さ又はそれより長く
移動させる搬送機構3dを設けている。
【0040】図示例の場合には、被照射体Aが水平な基
板5に突設された複数の支柱6…により基板の表面5a
から離して真空吸着され、被照射体Aの搬送手段3dと
して、上記基板5に例えばリニアモータなどの駆動源を
連設し、この駆動源3dの作動により、被照射体Aを基
板5と共に水平方向へ上記ピッチPと同じ長さ分だけ、
前記エキシマUVランプB…の照射時間と連動して適宜
速度で直線移動させている。
【0041】次に、図3に示すエキシマUV・オゾン洗
浄装置の作動について説明すれば、エキシマUVランプ
B…からエキシマUVが保護管B3…を介して夫々の放
射方向へ照射され、これら放射状のエキシマUVのうち
被照射体Aへ向かう一部の照射光によって、被照射体A
との間にオゾンを生成し、このオゾンが被照射体Aの表
面に接触することにより、被照射体Aの表面に付着した
有機汚染を酸化除去する。
【0042】その際、この被照射体Aにおいて各エキシ
マUVランプBまでの距離が最も短い直下の領域A1で
は、エキシマUVの照射が強くて、その受光エネルギー
が必要量に達するため十分な有機汚染の酸化除去を得ら
れるが、その領域から離れるのに従ってエキシマUVラ
ンプとの距離が徐々に長くなるため、そこに照射される
エキシマUVは酸素に吸収されてオゾン化して弱くな
る。
【0043】その結果、各エキシマUVランプB直下の
領域A1から離れたエキシマUV照射の弱い領域A2で
は、受光エネルギーが必要量まで達せず、有機汚染の酸
化除去が不足するため、各エキシマUVランプB直下の
領域A1における洗浄度に比べて洗浄度が低下すること
になる。換言すれば、各エキシマUVランプB直下の狭
い領域A1から離れるのに従って洗浄度が徐々に低下
し、隣り合うエキシマUVランプB,B間の境目直下に
相当する領域が最も劣ることになる。
【0044】これに対し、上述した各エキシマUVラン
プBから被照射体Aへ向け照射されるエキシマUV以外
で、隣り合うエキシマUVランプB,B間の流路S3へ
向かうエキシマUVは、保護管B3…を透過して各流路
S3内へ夫々入る。
【0045】これら保護管B3…を透過して流路S3内
へ照射されたエキシマUVは、供給手段2′から流路S
3内に供給された窒素などの反応用補助ガスで吸収され
ずに酸素と反応してオゾンを生成し、このオゾン量が流
路S3の出口S32まで移動する間に増えて高濃度とな
る。
【0046】この高濃度のオゾンは、各流路S3の出口
S32から被照射体Aへ向け強制的に押し出され、これら
出口S32の直下に位置したエキシマUVランプB,B間
の境目直下に相当する領域を中心として、エキシマUV
ランプB直下の領域A1から離れたエキシマUV照射の
弱い領域A2近くの雰囲気4がオゾンリッチになる。
【0047】それにより、エキシマUV照射の弱い領域
A2の受光エネルギーが有機汚染の酸化除去に十分な量
に達する。その結果、洗浄に寄与しなかったエキシマU
Vを有効利用して洗浄効率を向上でき、被照射体Aが例
えば液晶ディスプレイのガラス基板のような面積の大き
なものであっても効率良く洗浄できる。
【0048】また、図4に示すものは、前記供給手段
2′が混合室2cからノズル2d3b…に代えて、例え
ばパンチングメタルなどの多孔板2eを介して流路S3
…の入口S31…へ適正量の反応性ガスC(酸素)と反応
用補助ガスDを強制的に供給した構成が、前記1〜図3
に示した実施例とは異なり、それ以外の構成は図1〜図
3に示した実施例と同じものである。従って、図4に示
すものは、供給手段2′の構成が簡素化できて製造コス
トの低減が図れるという利点がある。
【0049】尚、上述した各実施例及び変形例では、各
エキシマUVランプBが、網状筒形の内部電極A1と外
部電極A2とを同軸状に配置した二重円筒型構造である
場合を示したが、これに限定されず、エキシマUVを放
射状に照射するものであれば、他の構造であっても良
く、更にその外側を覆った透明な保護管B3は、円筒形
以外の四角筒形以外の多角形の筒形であっても良い。更
に前記実施例では、エキシマUVフォトリアクターRの
共用例としてアッシング装置やエキシマUV・オゾン洗
浄装置(ドライ洗浄装置)や水素アニール装置として共
用する場合を記載したが、これに限定されず、有機金属
化合物の気化ガスとの光化学反応によってシリコンウェ
ーハ上に金属膜を形成すための有機金属(MO)CVD
装置としても共用できる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1記載の発明は、各エキシマUVランプの外周を保護
管で囲むことにより、エキシマUVランプの電極(外部
電極)と被照射体とが隔離されると共に、保護管のガラ
ス表面に被覆された保護膜により、反応性ガスから保護
管のガラス表面が遮断されて、エキシマUVの照射によ
る光化学反応で例えばフッ化水素やフッ酸などの腐食性
ガスが生成する反応性ガスを使用した場合でも、この腐
食性ガスにより保護管のガラス表面が腐食しないので、
エキシマUVランプの電極を保護しながら保護管の腐食
など化学反応を防止して透明度を維持できる。従って、
合成石英ガラス製の光取り出し窓を有するランプ装置の
容器内に、複数本のエキシマUVランプが並列状に配置
される従来のものに比べ、被照射体の大型化に伴って光
取り出し窓の合成石英ガラスを大型化する必要がないか
ら、製造コストを低減できると共に、エキシマUVによ
る光化学反応後にガラスを腐食する腐食性ガスが発生す
る場合でもガラス表面の腐食を防止できるから、エキシ
マUVランプから被照射体への光エネルギーの減衰を防
止して、高効率な光化学反応が可能となり、その結果と
して経済的である。また、保護管のガラス表面に被覆し
た保護膜は、エキシマUVの照射によるオゾンの生成に
悪影響を与えないので、例えばエキシマUV・オゾン洗
浄装置(ドライ洗浄装置)やアッシング装置として共用
できると共に、水素アニール装置や有機金属(MO)C
VD装置等としても共用できる。
【0051】請求項2の発明は、請求項1の発明の効果
に加えて、保護管内に供給した窒素ガスにより、エキシ
マUVランプの管壁から保護管外までのエキシマUV吸
収をなくして光強度の劣化が防げられると共に、エキシ
マUVランプの電極(外部電極及び内部電極)が直接活性
化した酸素に触れて酸化物を生成するのが防げられるの
で、エキシマUVランプから被照射体への光エネルギー
の減衰と、エキシマUVランプの電極(外部電極及び内
部電極)の酸化を同時に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示すエキシマUVフォト
リアクターの部分的な縦断正面図である。
【図2】 本発明の変形例を示すエキシマUVフォトリ
アクターの部分的な縦断正面図である。
【図3】 本発明の他の実施例を示すエキシマUVフォ
トリアクターの部分的な縦断正面図である。
【図4】 本発明の変形例を示すエキシマUVフォトリ
アクターの部分的な縦断正面図である。
【符号の説明】
A 被照射体 B エキシマ
UVランプ B3 保護管 B4 保護膜 C 反応性ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G075 AA24 AA30 AA53 BA04 BC04 BC10 CA33 CA62 CA63 DA02 EB01 EB32 EC01 EC21 ED01 ED11 FA03 FB06 FC09

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被照射体(A)と対向して複数本のエキ
    シマUVランプ(B)を並列状に配置し、これらエキシ
    マUVランプ(B)から被照射体(A)に向けエキシマ
    UVを反応性ガス(C)の雰囲気中で照射することによ
    り、被照射体(A)表面で光化学反応させるエキシマU
    Vフォトリアクターにおいて、 前記エキシマUVランプ(B)の外側にそれが囲まれる
    ように透明なガラス製の保護管(B3)を夫々設け、こ
    れら保護管(B3)の表面を、エキシマUVの透過性に
    優れた保護膜(B4)で夫々被覆したことを特徴とする
    エキシマUVフォトリアクター。
  2. 【請求項2】 前記エキシマUVランプ(B)と保護管
    (B3)との間に窒素ガスを供給した請求項1記載のエ
    キシマUVフォトリアクター。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008043925A (ja) * 2006-08-21 2008-02-28 Ushio Inc エキシマランプ装置
JP2011041886A (ja) * 2009-08-20 2011-03-03 Ushio Inc 紫外線照射装置

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