JP2003318331A - 電子実装用基板 - Google Patents

電子実装用基板

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JP2003318331A
JP2003318331A JP2002119078A JP2002119078A JP2003318331A JP 2003318331 A JP2003318331 A JP 2003318331A JP 2002119078 A JP2002119078 A JP 2002119078A JP 2002119078 A JP2002119078 A JP 2002119078A JP 2003318331 A JP2003318331 A JP 2003318331A
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JP
Japan
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substrate
polyarylate
bis
hydroxyphenyl
carbon atoms
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JP2002119078A
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English (en)
Inventor
Kiyoshige Hashizume
清成 橋爪
Jirou Sadanobu
治朗 定延
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低誘電率、薄型等の特徴を満足し得る電子実
装用基板を提供する。 【解決手段】 ガラス転移点が260℃以上の非晶性ポ
リアリレートから主としてなる多孔性フィルムを絶縁材
料として用いた電子実装用基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子実装用基板に
関する。さらに詳しくは誘電特性に優れ、また、耐熱
性、靭性にも優れた樹脂組成物を用いた電子実装用基板
に関する。
【0002】
【従来の技術】情報通信機器における情報処理速度、通
信速度の高速化、小型化に代表されるような電子機器の
高性能化にともない、機器に使用されるプリント配線板
には非常に高度な特性が要求されるようになってきた。
例えば、2001年日本実装技術ロードマップ(社団法
人 電子情報技術産業協会)にはプリント配線板や半導
体搭載用基板等の電子実装用基板の特性として将来的に
低誘電率、低誘電正接、厚みの薄型化等数多くの要求特
性を同時に満足するような材料の必要性が述べられてい
る。現在、電子実装用基板に使用される絶縁材料として
はガラス基布に樹脂を含浸させた材料あるいは無機フィ
ラーを樹脂に配合させた複合材料等が使用されている。
しかしながらガラス基布を使用する場合には厚みを大き
くせざるを得ず、将来的な基板の薄型化には対応できな
い。また、無機フィラーを配合させる場合にはフィラー
の凝集が起こりやすく、その結果、成形性、機械特性の
低下を招いていた。さらに、上記のような無機材料を使
用するために、誘電率を下げるには限界がある。また、
材料として、ポリイミド、ポリアミド、液晶ポリマー
等、自己支持性があり、ガラス基布を必要としない樹脂
からなるフィルムも知られている。これらのフィルムに
関しては薄膜化が可能であり、好ましい。しかしなが
ら、ポリアミド、ポリイミドフィルムについては誘電率
が高く、さらなる誘電率低減が望まれていた。また、液
晶ポリマーについても液晶ポリマーの特徴である配向を
故意に消失させてしまった結果、靭性が極めて低くなり
特殊な用途しか使用できなかった。以上のように、従来
技術では、将来的に使用される低誘電率、薄型といった
特徴を満足する材料はなく、その開発が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は低誘電
率、薄型等の特徴を満足し得る電子実装用基板を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するにあたり、鋭意研究した結果、耐熱性の極め
て高いポリアリレートからなる多孔体であれば低誘電率
を満足し、さらに薄膜化が可能であり、プリント配線板
材料をはじめとする電子実装用基板の絶縁材料として好
適に使用できることを見出し、本発明を完成させるに到
った。
【0005】すなわち本発明は、ガラス転移点が260
℃以上の非晶性ポリアリレートから主としてなる多孔性
フィルムを絶縁材料として用いた電子実装用基板であ
る。
【0006】また、該ポリアリレートが、その加水分解
された成分として芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオール
からなり、芳香族ジオールが下記式(I)
【0007】
【化2】
【0008】(式(I)中、R1は分岐を有してもよい
炭素数5〜16の環状炭化水素基、R2〜R9は同一また
は異なり、水素または炭素数1〜6の炭化水素基からな
る群から選ばれる1種である)で表されることが好まし
い。
【0009】また、多孔性フィルムの空隙率が20〜9
0%であることが好ましい。
【0010】また、本発明の電子実装用基板は、プリン
ト配線用基板、ボールグリッドアレイ(BGA)用基
板、チップサイズパッケージ(CSP)用基板、テープ
オートメイテッドボンディング(TAB)用基板、マル
チチップモジュール(MCM)用基板等として用いられ
る。以下、本発明について詳述する。
【0011】(ポリアリレート)本発明におけるポリア
リレートは、芳香族カルボン酸誘導体由来の成分と芳香
族ジヒドロキシ誘導体由来の成分が縮合した構造から主
としてなる重合体であり、そのガラス転移点は260℃
以上である。ガラス転移点が260℃より低いとプリン
ト配線板作成時に使用する半田によって配線板が変形し
てしまうため好ましくない。ガラス転移点は好ましくは
280℃以上、より好ましくは300℃以上、さらに好
ましくは320℃以上である。本発明におけるガラス転
移点は、示差走査型熱量計(DSC)によって求めら
れ、ガラス転移点付近に現れる曲線の変極点における接
線と、その曲線の低温側開始点付近における接線との交
点で表される温度である。
【0012】本発明におけるポリアリレートは非晶性で
あることが好ましい。ポリアリレートが非晶性であるこ
とにより、本発明における多孔フィルムをはじめとする
種々の成形が容易になるため好ましい。結晶性の場合
は、溶融成形する場合には成形時に結晶融点以上に加熱
する必要があるが、本発明のような耐熱性が極めて高い
ポリマーについては結晶融点とポリマーの分解温度が近
接しており、成形時に分解が起こるため、好ましくな
い。また、別な方法として結晶性ポリマーを溶媒などに
溶解させて成形する方法があるが、一般に結晶性ポリマ
ーを溶解させる溶媒は限定されるため、好ましくない。
また、液晶性の場合には、溶融成形でフィルム成形は可
能であるものの、靭性が極めて低くなり好ましくない。
また、溶液成形についても、結晶性ポリマーと同様に液
晶性ポリマーを溶解させる溶媒は極めて限られており、
好ましくない。
【0013】本発明におけるポリアリレートは難燃性を
有することが好ましい。本発明における難燃性とはUL
94規格での規格値として94V−2、94V−1、9
4V−0、94VTM−2、94VTM−1、94VT
M−0のいずれかの規格に分類されることを意味する。
難燃性を付与するために従来用いられている難燃剤をポ
リアリレートに対して10重量%以下の範囲で添加して
もよいが、難燃剤を添加せずにポリアリレート単独で難
燃性を示すことが好ましい。
【0014】本発明におけるポリアリレートはガラス転
移点が260℃以上であれば特に限定されないが、ポリ
アリレートの加水分解された状態の成分として、好まし
くは以下の芳香族カルボン酸、芳香族ジオールからなる
ことが好ましい。
【0015】芳香族カルボン酸としてはテレフタル酸、
イソフタル酸、オルトフタル酸、t−ブチルイソフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタ
レンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、
アントラセンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、
4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4、4’
−ジカルボキシジフェニルスルホン、4、4’−ジカル
ボキシジフェニルケトン、4、4’−ジカルボキシジフ
ェニルメタン、(4、4’−ジカルボキシジフェニル)
ジメチルメタンが挙げられる。これらは単独で用いても
よいし、2種類以上併用してもよい。これらのうち好適
なものとして、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
【0016】芳香族ジオールとしては下記式(I)
【0017】
【化3】
【0018】(式(I)中、R1は分岐を有してもよい
炭素数5〜16の環状炭化水素基、R2〜R9は同一また
は異なり、水素または炭素数1〜6の炭化水素基からな
る群から選ばれる1種である)で表されることが好まし
い。
【0019】具体的にR1としては、シクロペンチリデ
ン、シクロヘキシリデン、シクロヘプチリデン、シクロ
オクチリデン、トリメチルシクロヘキシリデン、ノルボ
ルニリデン、ジシクロペンタジエニリデン、ジヒドロジ
シクロペンタジエニリデン、テトラヒドロジシクロペン
タジエニリデン、インデにリデン、フルオレニリデン等
を挙げることができる。これらは単独で用いてもよい
し、2種類以上組み合わせて用いてもよい。また、R2
〜R9としては水素、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、フェニル等を挙げることがで
きる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上組み
合わせて用いてもよい。
【0020】より具体的に式(I)で表される誘導体と
して、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ペンタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(3、5−ジ
メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3、5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘプタン、1,
1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘプタン、1,1−ビス(3、5−ジメチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)シクロオクタン、1,1−ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロオクタ
ン、1,1−ビス(3、5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)シクロオクタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1
−ビス(3、5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ノルボルナン、2,2−
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ノルボル
ナン、2,2−ビス(3、5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)ノルボルナン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)テトラヒドロジシクロペンタジエン、
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニルテ
トラヒドロジシクロペンタジエン、2,2−ビス(3、
5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロ
ジシクロペンタジエン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス
(3、5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオ
レン等をあげることができる。
【0021】これらのうち、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル−
4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)テトラヒドロジシクロペンタジエン、9,9−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが
好ましく、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロジシク
ロペンタジエン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)フルオレンが特に好ましい。
【0022】本発明におけるポリアリレートは従来公知
の方法、すなわち芳香族カルボン酸ハライドと芳香族ジ
ヒドロキシ誘導体との反応、芳香族カルボン酸と芳香族
ジヒドロキシアセテートとの反応、芳香族カルボン酸エ
ステルと芳香族ジヒドロキシ誘導体との反応等により合
成することができる。重合方法としても溶液重合、溶融
重合、固相重合、可塑化重合等従来公知の方法を適用す
ることができる。
【0023】(多孔性フィルム)本発明における電子実
装用基板は該ポリアリレートから主としてなる多孔性フ
ィルムを絶縁材料として用いる。多孔性フィルムは該ポ
リアリレートから主としてなるものであれば特に限定さ
れないが、空隙率が20〜90%であることが好まし
い。空隙率は、(空隙の体積)/(空隙とポリアリレー
ト全体としての多孔性フィルムの体積)で表される値で
あり、(多孔性フィルムの密度)/(緻密ポリアリレー
トの密度)で算出できる。空隙率が20%より低いと誘
電率を低減させる効果が小さいため好ましくなく、ま
た、90%より大きいと誘電率低減効果が大きいが、フ
ィルムの機械特性が著しく低下するため好ましくない。
空隙率はより好ましくは25〜85%、さらに好ましく
は30〜80%の範囲である。
【0024】また、本発明における多孔性フィルムは上
記ポリアリレートから主としてなるが、上記ポリアリレ
ートに、難燃剤、酸化防止剤をはじめとする各種添加剤
を、該ポリアリレートに対し10重量%以下の範囲で添
加してもよい。
【0025】多孔性フィルムの厚さとしては特に限定さ
れないが、5μm以上1mm以下が好ましく、6μm以
上500μm以下がさらに好ましく、7μm以上300
μm以下がさらに好ましい。
【0026】本発明における多孔質フィルムの好適な製
造方法としては、該ポリアリレートと、該ポリアリレー
トが相溶する媒体とからなる組成物から媒体を除去する
方法をあげることができる。
【0027】該ポリアリレートが相溶する媒体は特に限
定されないが、相溶性が高いことから、イミド誘導体お
よび環状アミド誘導体からなる群から選ばれる少なくと
も1種であることが好ましい。以下、イミド誘導体およ
び環状アミド誘導体について詳述する。
【0028】(イミド誘導体)本発明におけるイミド誘
導体の構造は特に限定されないが、好適なものとして下
記式(II)
【0029】
【化4】
【0030】(式(II)中、R10は炭素数4〜15の脂
環族炭化水素、R11は、炭素数1〜12の該ポリアリレ
ートと非反応性の有機基)で表される構造を挙げること
ができる。より具体的にR10としては
【0031】
【化5】
【0032】を例示することができる。
【0033】また、R11としては、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−
ブチル、tert−ブチル、ペンチル、2−ペンチル、
3−ペンチル、ネオペンチル、アミル、シクロペンチ
ル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、シクロヘ
キシル、ヘプチル、シクロヘプチル、オクチル、シクロ
オクチル、ノニル等の飽和炭化水素基、フェニル、トリ
ル、キシリル、ナフチル等の芳香族炭化水素基、メトキ
シメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、メトキ
シブチル、メトキシフェニル、ジメトキシフェニル、エ
トキシメチル、エトキシエチル、エトキシプロピル、エ
トキシブチル、メトキシフェニル、ジメトキシフェニ
ル、フルフリル等のエーテル系置換基等を挙げることが
できる。これらのうち、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t
ert−ブチル、メトキシメチル、メトキシエチル、メ
トキシプロピル、メトキシブチルが好ましく、ブチル、
メトキシプロピルが特に好ましい。これらは単独で用い
てもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0034】式(II)で表される特に好適な化合物とし
ては下記構造を挙げることができる。
【0035】
【化6】
【0036】これらは単独で用いてもよいし、2種類以
上を併用してもよい。
【0037】(環状アミド誘導体)本発明における環状
アミド誘導体は、環状構造を有するアミド誘導体であれ
ば特に限定されないが、好適には、下記式(III)
【0038】
【化7】
【0039】(式(III)中、R12は炭素数2〜10の
炭化水素基、R13は炭素数1〜20の該ポリアリレート
に対し非反応性である有機基)で表されることが好まし
い。より具体的に、R12としては
【0040】
【化8】
【0041】(ここで、R14〜R21は水素原子、または
炭素数1〜10の炭化水素基である)を例示することが
できる。これらのうち、R14〜R21が水素原子であるこ
とが好ましく、ピロリドン系誘導体であることがさらに
好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上
併用してもよい。
【0042】また、R13としてはメチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブ
チル、tert−ブチル、ペンチル、2−ペンチル、3
−ペンチル、ネオペンチル、アミル、シクロペンチル、
ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、シクロヘキシ
ル、ヘプチル、シクロヘプチル、オクチル、シクロオク
チル、ノニル等の飽和炭化水素基、フェニル、トリル、
キシリル、ナフチル等の芳香族炭化水素基、メトキシメ
チル、メトキシエチル、メトキシプロピル、メトキシブ
チル、メトキシフェニル、ジメトキシフェニル、エトキ
シメチル、エトキシエチル、エトキシプロピル、エトキ
シブチル、メトキシフェニル、ジメトキシフェニル、フ
ルフリル等のエーテル系置換基等を挙げることができ
る。これらのうち、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ter
t−ブチル、ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、
ネオペンチル、アミル、シクロペンチル、ヘキシル、2
−ヘキシル、3−ヘキシル、シクロヘキシル、メトキシ
メチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、メトキシ
ブチルが好ましく、シクロへキシルが特に好ましい。こ
れらは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用しても
よい。
【0043】式(III)で表される特に好適なものとし
て下記構造を挙げることができる。
【0044】
【化9】
【0045】これらは単独で用いてもよいし、2種類以
上を併用してもよい。
【0046】(媒体の除去方法)本発明においては上記
の媒体とアリレートからなる組成物から媒体を除去し多
孔質フィルムを製造することが好ましい。媒体を除去す
る方法としては、特に限定されないが、好適な例とし
て、該ポリアリレートは溶解せず、該媒体が溶解する溶
媒に該アリレート組成物を接触させる方法を挙げること
ができる。かかる条件を満足する溶媒は、ポリアリレー
トの種類、媒体の種類に応じて適宜変更すればよいが、
好適な例として、水、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリ
コール、トリエチレングリコール、フェノール等の炭素
数1〜20のヒドロキシ化合物、ジメチルエーテル、ジ
エチルエーテル、ジブチルエーテル、メチル−t−ブチ
ルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジオキソラン等の炭素数2〜20のエ
ーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケ
トン、ジブチルケトン、ジフェニルケトン等の炭素数2
〜20のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、安息香酸メチル等の炭素数2〜20のエステル類、
炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ス
チレン等の炭素数3〜20のカーボネート類、ジメチル
スルホキシド、スルホラン、ジフェニルスルホン等の含
硫黄有機化合物類、ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミド等のアミド類、メタン、エタン、プロパン、
ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、ノナン、デカン、デカリン、ベンゼン、
キシレン、クメン、ナフタレン、テトラリン等の炭化水
素類等の溶媒を挙げることができる。これらの溶媒は単
独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせてもよい。
また、上記ポリアリレート相溶する媒体と上記溶媒を混
合したものを使用してもよい。
【0047】上記溶媒とポリアリレート組成物を接触さ
せる際の条件についても特に限定されず、アリレート、
媒体、溶媒の種類によって適宜決定すればよいが、接触
時間としては好ましくは1秒〜1時間、より好ましくは3
0秒〜50分、さらに好ましくは1分〜40分、接触温
度としては、好ましくは−50℃〜250℃、より好ま
しくは−40℃〜230℃、さらに好ましくは−30℃
〜200℃の範囲である。また、上記溶媒と接触後の組
成物は、溶媒を除去するために乾燥することが好まし
い。
【0048】かくして得られるフィルムは誘電率が低
く、また、耐熱性、靭性にも優れるため、プリント配線
用基板の絶縁体として好適に使用できる。プリント配線
用基板の種類としては電子部品あるいはチップ等を搭載
する基板であれば特に限定されないが、さらに好適なも
のとして、半導体搭載用配線基板等を挙げることができ
る。半導体搭載用基板は、半導体を搭載するための配線
基板であれば特に限定されないが、好適なものとして、
ボールグリッドアレイ(BGA)用基板、チップサイズ
パッケージ(CSP)用基板、テープオートメイテッド
ボンディング(TAB)用基板、マルチチップモジュー
ル(MCM)用基板等を挙げることができる。これらの
基板は単層基板として使用してもよいし、あるいは単層
基板が2層以上積層された多層基板として使用してもよ
い。
【0049】
【実施例】以下に実施例により本発明を詳述する。但
し、本発明はこれら実施例に何ら制限されるものではな
い。イソホロニレンビスフタルイミド(下記式):特開
平9−132544号公報に準じて合成した。
【0050】
【化10】
【0051】ブチル−ヘキサヒドロフタルイミド(下記
式):特開平10−195293号公報に従い合成し
た。
【0052】
【化11】
【0053】1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(下記式):特
開平9−132544号公報に従い合成した。
【0054】
【化12】
【0055】1−シクロヘキシル−2−ピロリドン(下
記式):東京化成工業(株)製のものを購入し、キシレ
ン存在下で蒸留して脱水し用いた。
【0056】
【化13】
【0057】希薄溶液粘度:0.6g/dLのポリマー
溶液(溶媒:フェノール/テトラクロロエタン=60/
40(重量比))の35℃における粘度を測定した。 ガラス転移点:TAインスツルメント製DSC TA−
2920を用いて測定した。10℃/minで350℃
まで昇温し、ドライアイスで急冷後、再度10℃/mi
nで350℃まで昇温させた。2回目の測定結果から、
ガラス転移点を求めた。 空隙率:多孔体の密度とポリアリレートの密度を測定
し、(多孔体の密度)/(ポリアリレートの密度)から
求めた。
【0058】[参考例1]十分に乾燥し、窒素置換した
フラスコにテレフタル酸ジフェニルエステル47.9g
(151mmol)、ナフタレンジカルボン酸ジフェニ
ルエステル23.8g(64.5mmol)、1,1−
(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン)ビスフ
ェノール66.7g(215mmol)、テトラブトキ
シチタン22mg(65μmol)を入れ、さらにイソ
ホロニレンビスフタルイミド100gを可塑剤として加
え、280℃で攪拌した。フラスコ内を徐々に減圧に
し、最終的に0.3mmHgで7時間重合を行った。重
合中、混合物は均一な状態だった。反応混合物をジクロ
ロメタンで溶解し、アセトンに注ぐことにより、アリレ
ートのみを再沈させた。アリレートを濾別し、乾燥する
ことにより、イソホロニレンビスフタルイミドを除去
し、ポリアリレートを得た。ポリアリレートは下記繰り
返し単位およびその組成比を有していた。
【0059】
【化14】
【0060】ポリアリレートのガラス転移点は294
℃、希薄溶液粘度は0.83dL/gだった。
【0061】[実施例1]参考例1で作成したポリアリ
レートとブチルテトラヒドロフタルイミドをポリアリレ
ートの濃度が10wt%となるように混合し、200℃
に加熱した。ポリアリレートは直ちに溶解した。該組成
物を室温まで冷却した後、200μm厚のドクターナイ
フを用いてフィルム状に形態を整えた。これをアセトン
浴に30分浸し、さらに、乾燥することにより、ポリア
リレート多孔質フィルムを得た。フィルム厚は130μ
m、空隙率は74%だった。また、該フィルムのガラス
転移点は295℃であった。さらに、誘電率は1MHz
において1.60と十分に低かった。
【0062】[実施例2]参考例1で作成したポリアリ
レートと1−シクロヘキシル−2−ピロリドンをポリア
リレートの濃度が15wt%となるように混合し、20
0℃に加熱した。ポリアリレートは直ちに溶解した。該
組成物を室温まで冷却した後、200μm厚のドクター
ナイフを用いてフィルム状に形態を整えた。これを1−
シクロヘキシル−2−ピロリドンと水の6:4(重量)
混合浴に10分浸し、さらに水で洗浄後、乾燥すること
により、ポリアリレート多孔質フィルムを得た。フィル
ム厚は140μm、空隙率は72%だった。また、該フ
ィルムのガラス転移点は294℃であった。さらに、誘
電率は1MHzにおいて1.65と十分に低かった。
【0063】
【発明の効果】本発明における樹脂組成物およびそれか
らなるフィルムは誘電率が低く、また、耐熱性、靭性に
も優れるため、半導体搭載用基板の絶縁体として好適に
使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 67:03 H01L 23/14 R Fターム(参考) 4F074 AA67 CB16 CB31 DA02 DA23 DA47 4J029 AA04 AB07 AC01 AD01 AD07 AE03 BD09C CB04A CB05A CB05B CB06A CB12A CC04A CC05B CC06A CE04 CF08 DB10 KE05 KE09 KE12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス転移点が260℃以上のポリアリ
    レートから主としてなる多孔性フィルムを絶縁材料とし
    て用いた電子実装用基板。
  2. 【請求項2】 該ポリアリレートが、その加水分解され
    た成分として芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールから
    なり、芳香族ジオールが下記式(I) 【化1】 (式(I)中、R1は分岐を有してもよい炭素数5〜1
    6の環状炭化水素基、R2〜R9は同一または異なり、水
    素または炭素数1〜6の炭化水素基からなる群から選ば
    れる1種である)で表される請求項1記載の電子実装用
    基板。
  3. 【請求項3】 ポリアリレートが非晶性である請求項1
    または2記載の電子実装用基板。
  4. 【請求項4】 多孔性フィルムの空隙率が20〜90%
    である請求項1〜3いずれか1項記載の電子実装用基
    板。
  5. 【請求項5】 電子実装用基板がプリント配線用基板、
    ボールグリッドアレイ(BGA)用基板、チップサイズ
    パッケージ(CSP)用基板、テープオートメイテッド
    ボンディング(TAB)用基板、マルチチップモジュー
    ル(MCM)用基板からなる群から選ばれる少なくとも
    1種である請求項1〜4いずれか1項記載の電子実装用
    基板。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008140123A1 (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Sumitomo Chemical Company, Limited 多孔質フィルムの製造方法
US8313865B2 (en) 2007-03-23 2012-11-20 Sumitomo Chemical Company, Limited Separator
US8323837B2 (en) 2007-03-23 2012-12-04 Sumitomo Chemical Company, Limited Porous film

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US8323837B2 (en) 2007-03-23 2012-12-04 Sumitomo Chemical Company, Limited Porous film
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