JP2003318072A - セラミック電子部品製造用剥離フィルムおよびセラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

セラミック電子部品製造用剥離フィルムおよびセラミック電子部品の製造方法

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JP2003318072A JP2002122696A JP2002122696A JP2003318072A JP 2003318072 A JP2003318072 A JP 2003318072A JP 2002122696 A JP2002122696 A JP 2002122696A JP 2002122696 A JP2002122696 A JP 2002122696A JP 2003318072 A JP2003318072 A JP 2003318072A
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Shuji Iida
修治 飯田
Kaoru Kawasaki
薫 川崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い剥離性および低いハジキ性の要請を同時
に実現することができ、剥離時や塗布形成時等における
グリーンシートの欠陥等の問題を生ずることがなく、最
終製品としてのセラミック電子部品の歩留良い製造を可
能にする、セラミック電子部品製造用剥離フィルムおよ
びセラミック電子部品の製造方法を提供する。 【解決手段】 基材フィルム1の少なくとも片面に剥離
層2が設けられてなり、剥離層2上に、ハジキ緩衝層3
を有するセラミック電子部品製造用剥離フィルムであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層セラミックコ
ンデンサ等のセラミック電子部品の製造のために用いら
れる剥離フィルムおよびセラミック電子部品の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】コンデンサ、圧電部品、正特性サーミス
タ、負特性サーミスタまたはバリスタ等のセラミック電
子部品を製造する場合には、一般に、可撓性支持体上
に、例えば、ドクターブレード法でセラミック粉、有機
バインダー、可塑剤、溶剤等を含むセラミックスラリー
(塗料)を塗布してグリーンシート(誘電体層)を成形
し、その上にパラジウム、銀、ニッケル等の電極をスク
リーン印刷により形成する工程を用いる。この製造工程
において、積層構造を得る場合は、得られたグリーンシ
ートを、所望の積層構造になるように一枚ずつ積層し、
プレス切断工程を経てセラミックグリーンチップを得
る。このようにして得られたセラミックグリーンチップ
中のバインダーをバーンアウトし、1000℃〜140
0℃で焼成し、得られた焼成体に銀、銀−パラジウム、
ニッケル、銅等の端子電極を形成し、セラミック電子部
品を得る。
【0003】セラミック電子部品を製造する技術として
は、他に、グリーンシートを可撓性支持体が上になるよ
うに熱転写する方法(特開昭63−188926号公報
等)や、可撓性支持体上で、グリーンシートを形成する
工程と、グリーンシート上に電極を印刷する工程とを、
必要な積層数だけ繰り返すことにより積層体を得る方法
等が提案されている。
【0004】上述のセラミック電子部品の製造方法のい
ずれにおいても、成形されたグリーンシートを可撓性支
持体から剥離する工程が必須となるが、この剥離工程に
おいては、可撓性支持体からの剥離の際にグリーンシー
トに損傷等が生じやすいという問題がある。グリーンシ
ートが損傷すると最終製品においてショート等の特性不
良が多発し、製造歩留が悪くなることから、かかるグリ
ーンシート等の製造においては、可撓性支持体とグリー
ンシートとの間のスムーズな剥離性を得るために、一般
に、可撓性支持体上に剥離層を形成した剥離フィルムを
用いることが行われている。剥離の際には、剥離層とグ
リーンシートとの間で剥離が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
セラミック電子部品製造用剥離フィルムにおいては、剥
離性が高いために表面のハジキ性が強くなり、剥離層に
よりセラミックスラリーや電極ペーストがはじかれて、
塗布液等の均一な層形成が困難になるという問題があっ
た。これは、セラミック電子部品の小型化および大容量
化の要請のために1層あたりの誘電体層の厚みを小さく
して積層数を増やそうとする場合に特に顕著であり、例
えば、形成するセラミックグリーンシートの厚みが3μ
m以下であったり、電極ペーストを乾燥後の膜厚が2μ
m以下となるよう直接剥離フィルム上に印刷する場合な
どには、グリーンシートにピンホールが発生したり、印
刷後の電極形状が変形するなどの問題が生ずる場合があ
った。これを剥離積層して作製したセラミック電子部品
においては、剥離時の損傷の場合と同様にショートや耐
圧不良が発生する確率が高くなってしまう。
【0006】一方、ハジキ性の低い剥離層が設けられた
剥離フィルムを用いれば、セラミックスラリーまたは電
極ペーストを塗布または印刷した場合のハジキや形状変
形を小さくすることは可能であるが、その後にグリーン
シートを剥離することが困難となる。従って、良好な剥
離性能を保持しつつ、表面のハジキによる問題を生じな
い剥離フィルム、ひいては剥離やハジキの問題を生ずる
ことなく歩留の良い製造が可能なセラミック電子部品の
製造方法が求められていた。
【0007】そこで本発明の目的は、高い剥離性および
低いハジキ性の要請を同時に実現することができ、剥離
時や塗布形成時等におけるグリーンシートの欠陥等の問
題を生ずることがなく、最終製品としてのセラミック電
子部品の歩留良い製造を可能にする、セラミック電子部
品製造用の剥離フィルムおよびセラミック電子部品の製
造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のセラミック電子部品製造用剥離フィルム
は、基材フィルムの少なくとも片面に剥離層が設けられ
てなり、該剥離層上に、ハジキ緩衝層を有することを特
徴とするものである。
【0009】本発明の剥離フィルムにおいては、前記ハ
ジキ緩衝層が、合成樹脂または合成樹脂を主成分とする
ことが好ましく、前記基材フィルムがポリエステルフィ
ルムであることが好ましい。
【0010】また、本発明のセラミック電子部品の製造
方法は、前記剥離フィルムのハジキ緩衝層上に、グリー
ンシート形成用のセラミックスラリーまたは電極を塗布
または印刷することを特徴とするものである。
【0011】本発明の剥離フィルムおよびセラミック電
子部品の製造方法によれば、塗布液等のハジキの発生が
なく、かつ、剥離工程をスムースに行うことができるた
め、製品欠陥を生ずることなしに、歩留まり良くセラミ
ック電子部品を製造することが可能である。即ち、本発
明においては、グリーンシート等と基材フィルムとの間
の剥離性を剥離層により確保しつつ、セラミックスラリ
ーまたは電極の塗布面または印刷面のハジキ性をハジキ
緩衝層によって抑えることにより、高剥離性と低ハジキ
性とを両立させて、ハジキがなく、かつ剥離が可能で、
歩留まりの良いセラミック電子部品の製造を実現したも
のである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について図面を参照しつつ説明する。図1に、本発明
の好適例の剥離フィルムの模式的断面図を示す。図示す
る基材フィルム1は片面に剥離層2が設けられており、
この剥離層2上に、ハジキ緩衝層3を有する。
【0013】本発明において使用可能な基材フィルム1
には特に制限はないが、好適にはポリエステルフィルム
を用いる。特に、透明性が要求される用途には透明性の
良好なポリエステルフィルムを用いることが好ましく、
二軸延伸ポリエステルフィルムがより好ましい。また、
遮光性が要求される用途には無機顔料を配合したポリエ
ステルフィルムを用いることが好ましく、TiO2、S
iO2等のような顔料を配合した二軸延伸ポリエステル
フィルムが、より好ましい。
【0014】かかるポリエステルフィルムを構成するポ
リエステルは、芳香族二塩基酸成分とジオール成分とか
らなる結晶性の線状飽和ポリエステルであることが好ま
しく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロ
ピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリエチレン−2,6−ナフタレート等を例示すること
ができる。
【0015】本発明における基材フィルム1は、従来か
ら知られている方法で製造することができる。例えば、
二軸延伸ポリエステルフィルムは、ポリエステルを乾燥
後、押出機にて溶融し、ダイ(例えば、T−ダイ、I−
ダイ等)から回転冷却ドラム上に押出し、急冷して未延
伸フィルムとし、次いでこの未延伸フィルムを二軸方向
に延伸し、必要に応じて熱固定することにより製造する
ことができる。基材フィルム1の厚みは特に制限される
ものではないが、5〜250μmが好ましい。
【0016】また、剥離層2の形成のために使用する剥
離剤液としては、好適には、シリコーン樹脂、特には硬
化型シリコーン樹脂を、有機溶剤にて希釈した塗料を用
いる。かかる硬化型シリコーン樹脂としては、特に限定
されず、例えば、縮合反応型、付加反応型、紫外線硬化
型、電子線硬化型等種々のものを用いることができる。
また、希釈に用いる有機溶剤についても、種類や単独ま
たは混合系の別等の制限はなく、一般に使用されている
シクロヘキサン、n−ヘキサン、ヘプタン、トルエン等
の各種溶剤を適宜用いることができる。
【0017】剥離層2は、硬化型シリコーン樹脂を含有
する塗料をコーティングした後、乾燥、硬化させること
で形成することができ、コーティングの方法としては、
リバースロールコート法、グラビアロールコート法、エ
アーナイフコート法等、公知の方法を採用することがで
きる。
【0018】塗布した硬化型シリコーン樹脂塗料は、例
えば、熱により乾燥、硬化させることで硬化皮膜を形成
することができる。この場合、50〜180℃、好まし
くは80〜160℃の範囲の温度で、5秒以上、好まし
くは10秒以上の時間で加熱処理することにより、硬化
皮膜を形成することが好ましい。硬化型シリコーン樹脂
の塗布量としては1〜25g/m2、特には2〜20g
/m2の範囲が好ましく、硬化後のシリコーン樹脂塗膜
の厚みは0.05〜1μm、特には0.1〜0.5μm
の範囲が好ましい。硬化後の塗布厚みが0.05μm未
満の場合には、剥離性能が低下する傾向がある。また、
硬化後の塗布厚みが1μmを超える場合には、塗膜の硬
化が不十分となる傾向があり、剥離性能が経時的に変化
する場合がある。
【0019】ハジキ緩衝層3は、セラミックスラリーや
電極ペーストに対するハジキ性の低い材料で形成するも
のであって、剥離層上に均一に塗布形成することができ
ることが重要である。また、その上に電極ペースト等を
塗布したときに電極ペースト中の溶剤で容易に溶解され
て剥離層にまで溶剤が達してしまうとハジキが発生する
ので、その前にペーストの乾燥を行うことが重要とな
る。または、ペースト中の溶剤で容易には溶解されない
材料で形成することも好ましく、更には硬化型の樹脂を
用いることも好ましい。これにより、ピンホールの発生
や電極の形状変形等を引き起こすことなく、グリーンシ
ートや電極を歩留良く製造することができる。
【0020】また、ハジキ緩衝層3は、その上に形成さ
れた電極やセラミックグリーンシート等と共に剥離層2
から剥がされて、積層・焼成されるため、焼成後のセラ
ミック電子部品に対するコンタミとならないように、焼
成の際に焼失する材料で形成することが重要である。ハ
ジキ緩衝層3は、好ましくは合成樹脂を主成分として形
成し、より好ましくは合成樹脂のみで形成する。合成樹
脂以外の添加剤等も適宜含有させることができるが、焼
成の際に焼失しないものは好ましくない。ハジキ緩衝層
3の材料としては、具体的には、アクリル樹脂やポリビ
ニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等が好
適である。また、これら樹脂中に従来公知の帯電防止剤
や粘着剤等の各種添加剤を適宜添加してハジキ緩衝層3
を形成することもできる。
【0021】ハジキ緩衝層3は、塗布液としてコーティ
ングした後、乾燥、硬化させることで形成することがで
き、コーティングの方法としては、リバースロールコー
ト法、グラビアロールコート法、エアーナイフコート法
等、公知の方法を採用することができる。溶剤として
は、メチルエチルケトン、アセトン、ミネラルスピリッ
ト、トルエン等の有機溶剤を使用できる。
【0022】塗布した樹脂塗料は、例えば、熱により乾
燥させることで皮膜を形成することができる。乾燥条件
は塗布液に使用した溶剤により適宜決定すればよいが、
一例を挙げると、15〜180℃、好ましくは20〜1
60℃の範囲の温度で、5秒以上、好ましくは10秒以
上の時間で加熱処理することにより、皮膜を形成するこ
とが好ましい。樹脂の塗布量としては1〜75g/
2、特には2〜60g/m2の範囲が好ましく、樹脂塗
膜の厚みは0.01〜3μm、特には0.05〜1.5
μmの範囲が好ましい。乾燥後の塗布厚みが0.01μ
m未満の場合には、ハジキ防止性能が低下する傾向があ
る。また、乾燥後の塗布厚みが3μmを超える場合に
は、積層後バーンアウトして最終的にセラミック電子部
品にした時に、構造欠陥が発生しやすくなる傾向があ
る。
【0023】本発明の剥離フィルムを用いてグリーンシ
ートを形成する場合には、例えば、図2に示すように、
剥離フィルムの片面に形成された剥離層2上に設けたハ
ジキ緩衝層3上に、グリーンシート形成用のセラミック
スラリーを塗布することにより誘電体層(グリーンシー
ト)4を形成する。形成されたグリーンシート4は、ハ
ジキ緩衝層3と共に剥離層2上から容易かつスムースに
剥がすことができ、損傷等の欠陥を生ずることがない。
【0024】グリーンシート4を形成するためのセラミ
ックスラリーは、誘電体原料とバインダとを混練したも
のを使用することができる。
【0025】誘電体原料の組成は、製造するセラミック
電子部品の用途を考慮して適宜選択することができる。
例えば、本発明により積層セラミックコンデンサを製造
する場合には、誘電体原料として温度補償用材料や高誘
電率系材料等を使用することができ、その材質として
は、例えば、チタン酸バリウム系、鉛含有ペロブスカイ
ト系等を使用することができる。より具体的には、温度
補償用材料であるチタン酸バリウム系材料としては、B
aO−TiO2−Nd23−Sm23系等を挙げること
ができ、高誘電率系材料である鉛含有ペロブスカイト材
料としては、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3
系等を挙げることができる。このような誘電体原料は、
通常、平均粒径0.1〜5μm程度、好ましくは0.1
〜0.5μm程度の粉体として使用することができる。
また、セラミックスラリー中の誘電体原料の含有量は、
通常、30〜80重量%程度とする。
【0026】セラミックスラリーに使用するバインダは
特に制限はなく、例えば、エチルセルロース、ポリビニ
ルブチラールとメタクリル酸エステルとの共重合体等の
公知の樹脂バインダを使用することができる。溶剤とし
ては、メチルエチルケトン、アセトン、ミネラルスピリ
ット、トルエン等の有機溶剤を使用できる。なお、セラ
ミックスラリー中のバインダや有機溶剤の含有量につい
ては特に制限はなく、通常、バインダは1〜10重量%
程度、有機溶剤は10〜50重量%程度とすることがで
きる。
【0027】また、本発明の剥離フィルムを用いて電極
付きグリーンシートを形成する場合には、例えば、まず
図3(イ)に示すように、剥離フィルムの片面に形成さ
れた剥離層2上に設けたハジキ緩衝層3上に、電極ペー
ストを印刷することにより電極5を形成する。次いで、
図3(ロ)に示すように、電極5上にグリーンシート形
成用のセラミックスラリーを塗布することにより誘電体
層4を形成して、電極付きグリーンシートとする。この
電極付きグリーンシートも、ハジキ緩衝層3と共に剥離
層2上から容易かつスムースに剥がすことができる。
【0028】電極5を形成するための電極ペーストは、
電極材料粉体とバインダ、有機溶剤を混練したものであ
り、従来のセラミック電子部品の製造に使用されている
電極ペーストの中から適宜選択して使用することができ
る。
【0029】電極ペーストに含有させる電極材料は、製
造するセラミック電子部品の用途、用いる誘電体原料等
を考慮して、Ag,Pt,Pd,Au,Ni,Co,F
e,Cu等の金属、または、これらを含有する合金等の
中から適宜選択することができる。また、電極ペースト
中の電極材料の含有量についても、セラミック電子部品
の使用目的等に応じて適宜設定することができる。
【0030】電極ペーストに使用するバインダは特に制
限はなく、例えば、エチルセルロース、ポリビニルブチ
ラールとメタクリル酸エステルとの共重合体等の公知の
樹脂バインダを使用することができる。また、バインダ
を溶解するための溶剤としては、テルピネオール、ブチ
ルカルビトール、アセトン、トルエン等の有機溶剤を使
用することができる。このようなバインダや有機溶剤の
電極ペースト中の含有量については、特に制限はなく、
適宜設定することができる。
【0031】本発明の製造方法においては、本発明の剥
離フィルムを用いてグリーンシートまたは電極を形成す
るものであればよく、セラミック電子部品を形成するた
めのその他の材料や手順等は、慣用に従い適宜選択し、
または行えばよく、特に制限されない。
【0032】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説
明する。実施例1 図1に示す層構成を有する剥離フィルムを、以下の手順
にて作製した。 <剥離層形成用シリコーン樹脂溶液>ビニル基を有する
ポリジメチルシロキサンとハイドロジェンシラン系化合
物との混合物に白金系触媒を加えて付加反応させるタイ
プの硬化型シリコーン樹脂を、下記に示す配合にて、所
定の有機溶剤中に溶解させ、シリコーン樹脂溶液を調製
した。 シリコーン樹脂KS−847H(信越化学工業(株)製) 300g 白金触媒CAT−PL−50T(信越化学工業(株)製) 3.0g トルエン 2700g
【0033】上記のようにして得たシリコーン樹脂溶液
を、38μm厚の2軸延伸ポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルム上に、乾燥後の塗膜厚が0.1μm
となるようにしてバーコーターにて塗布した。その後、
加熱温度110℃40秒で乾燥および硬化反応を行って
剥離層を形成し、ロール状に巻回したシリコーン樹脂形
成フィルムを作製した。
【0034】<ハジキ緩衝層用樹脂溶液>以下に示す樹
脂を、固形分濃度が2.0%の樹脂溶液となるように調
製した。 アクリル樹脂(分子量50万、Tg:65℃) 60g メチルエチルケトン(MEK): 2940g
【0035】上記のようにして得たハジキ緩衝層用樹脂
溶液を、作製したシリコーン樹脂形成フィルム上に、乾
燥後の樹脂層の塗膜厚が0.2μmとなるようにしてバ
ーコーターにて塗布して、ハジキ緩衝層を形成し、剥離
フィルムを作製した。
【0036】実施例2 ハジキ緩衝層用樹脂溶液を以下に示すものに代えた以外
は実施例1と同様にして、ハジキ緩衝層を有する剥離フ
ィルムを作製した。
【0037】<ハジキ緩衝層用樹脂溶液>下記樹脂を、
固形分濃度が2.0%の樹脂溶液となるように調製し
た。 ポリビニルブチラール樹脂(重合度1500、Tg:70℃) 60g エタノール/トルエン(50/50) 2940g
【0038】実施例3 <剥離層形成用シリコーン樹脂溶液>セルロース誘導体
を含むシリコーン樹脂に有機スズ触媒を加えて縮合反応
させるタイプの硬化型シリコーンを、下記に示す配合に
て、所定の有機溶剤中に溶解させ、シリコーン樹脂溶液
を作製した。 シリコーン樹脂KS−723A(信越化学工業(株)製) 110g シリコーン樹脂KS−723B(信越化学工業(株)製) 50g スズ触媒CAT−PS−3(信越化学工業(株)製) 11g トルエン 2800g
【0039】上記のようにして得たシリコーン樹脂溶液
を、38μm厚の2軸延伸ポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルム上に、乾燥後の塗膜厚が0.1μm
となるようにしてバーコーターにて塗布した。その後、
加熱温度110℃40秒で乾燥および硬化反応を行って
剥離層を形成し、ロール状に巻回したシリコーン樹脂形
成フィルムを作製した。
【0040】<ハジキ緩衝層用樹脂溶液>下記樹脂を、
固形分濃度が2.0%の樹脂溶液となるように調製し
た。 アクリル樹脂(分子量50万、Tg:65℃) 60g MEK: 2940g
【0041】上記のようにして得たハジキ緩衝層用樹脂
溶液を、作製したシリコーン樹脂形成フィルム上に、樹
脂層の塗膜厚が0.2μmとなるようにしてバーコータ
ーにて塗布して、ハジキ緩衝層を形成し、剥離フィルム
を作製した。
【0042】実施例4 ハジキ緩衝層用塗布溶液を以下に示すものに変えた以外
は実施例1と同様にして、ハジキ緩衝層を有する剥離フ
ィルムを作製した。
【0043】<ハジキ緩衝層用樹脂溶液>下記樹脂を、
固形分濃度が2.0%の樹脂溶液となるように調製し
た。 ポリビニルブチラール樹脂(分子量10万、Tg:70℃) 60g エタノール/トルエン(50/50) 2940g
【0044】比較例1 ハジキ緩衝層を作製しないこと以外は実施例1と同様に
して、図4に示す層構成の、剥離層のみを形成した剥離
フィルム(シリコーン樹脂形成フィルム)を作製した。
【0045】比較例2 ハジキ緩衝層を作製しないこと以外は実施例3と同様に
して、図4に示す層構成の、剥離層のみを形成した剥離
フィルム(シリコーン樹脂形成フィルム)を作製した。
【0046】以上の実施例および比較例にて得られた各
剥離フィルムにつき、以下の評価を行った。セラミックスラリーのハジキ、塗工ムラ発生の有無 粒径0.1〜1.0μm程度のチタン酸バリウム、酸化
クロム、酸化イットリウム、炭酸マンガン、炭酸バリウ
ム、炭酸カルシウム、酸化硅素等の粉末を焼成した後、
BaTiO3100モル%として、Cr23に換算して
0.3モル%、MnOに換算して0.4モル%、BaO
に換算して2.4モル%、CaOに換算して1.6モル
%、SiO2に換算して4モル%、Y23に換算して
0.1モル%の組成になるように混合し、ボールミルに
より24時間混合して、乾燥後に誘電体原料を得た。こ
の誘電体原料100重量部と、アクリル樹脂5重量部
と、メチルエチルケトン40重量部と、アセトン25重
量部と、ミネラルスピリット6重量部とを配合し、市販
のφ10mmジルコニアビーズを用いてポット架台によ
り24時間混合して、誘電体(セラミック)塗料を得
た。
【0047】得られた誘電体塗料を、各剥離フィルム上
に乾燥後の塗膜厚が2.5μmとなるようにしてバーコ
ーターにて塗布し、ハジキ、塗工ムラの発生有無を確認
した。この結果を、下記の基準に基づき評価した。 ○:ハジキ、塗工ムラの発生無し ×:ハジキ、塗工ムラの発生有り(実用上問題となる)
【0048】電極パターンの収縮率 エチルセルロース樹脂8重量部をテルピネオール92重
量部に溶解したもの40重量部に、平均粒径0.8μm
のNi粒子100重量部と、テルピネオール10重量部
とを加え、3本ロールにて混練して、電極ペーストを調
製した。この電極ペーストを、各剥離フィルム上にスク
リーン印刷により所定のパターンで印刷し、80℃で乾
燥して、厚み1.7μmの電極を形成した。
【0049】剥離フィルム上に印刷した電極の大きさ
(縦×横)を測定し、誘電体層上に印刷したパターンの
大きさを基準としてその変形(収縮)率を計算し、収縮
率の大きい方(本発明の実施例の場合短辺)の値で、以
下の基準に基づき評価した。 ◎:収縮率0〜0.5%未満 ○:収縮率0.5〜1.0%未満 △:収縮率1.0〜1.5%未満 ×:収縮率1.5〜2.0%未満(実用上問題となる) ××:収縮率2.0%以上(実用上問題となる)
【0050】グリーンシートの剥離性 剥離フィルム上に作製したセラミックグリーンシートを
剥離フィルムより剥離して、その剥離性につき下記の基
準に基づき評価した。 ◎:グリーンシートがスムーズに剥離できる。 ○:若干剥離が重めだが実用上問題がない。 これらの評価結果を下記の表1中に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、高い剥離性および低いハジキ性の要請を同時に実現
することができ、剥離時や塗布形成時等におけるグリー
ンシートの欠陥等の問題を生ずることがなく、最終製品
としてのセラミック電子部品の歩留良い製造を可能にす
る、セラミック電子部品製造用剥離フィルムおよびセラ
ミック電子部品の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例の剥離フィルムを示す模式的断面
図である。
【図2】本発明の剥離フィルム上に誘電体層を形成した
状態を示す模式的断面図である。
【図3】本発明の剥離フィルム上に電極および誘電体層
を順次形成した状態を示す模式的断面図である。
【図4】比較例の剥離フィルムを示す模式的断面図であ
る。
【符号の説明】
1 基材フィルム 2 剥離層 3 ハジキ緩衝層 4 誘電体層(グリーンシート) 5 電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルムの少なくとも片面に剥離層
    が設けられてなり、該剥離層上に、ハジキ緩衝層を有す
    ることを特徴とするセラミック電子部品製造用剥離フィ
    ルム。
  2. 【請求項2】 前記ハジキ緩衝層が、合成樹脂または合
    成樹脂を主成分とする請求項1記載のセラミック電子部
    品製造用剥離フィルム。
  3. 【請求項3】 前記基材フィルムがポリエステルフィル
    ムである請求項1または2記載のセラミック電子部品製
    造用剥離フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のうちいずれか一項記載の
    セラミック電子部品製造用剥離フィルムのハジキ緩衝層
    上に、グリーンシート形成用のセラミックスラリーまた
    は電極を塗布または印刷することを特徴とするセラミッ
    ク電子部品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006052384A (ja) * 2004-07-12 2006-02-23 Lintec Corp シリコーンゴム粘着シート
JP2009226894A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Lintec Corp 剥離フィルムおよびグリーンシートの製造方法

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