JP2638044B2 - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品の製造方法

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JP2638044B2 JP63052835A JP5283588A JP2638044B2 JP 2638044 B2 JP2638044 B2 JP 2638044B2 JP 63052835 A JP63052835 A JP 63052835A JP 5283588 A JP5283588 A JP 5283588A JP 2638044 B2 JP2638044 B2 JP 2638044B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ビデオテープレコーダ、液晶テレビ、OA機
器等の電気製品に広く用いられている積層セラミックコ
ンデンサ等の積層セラミック電子部品の製造方法に関す
るものであり、他にも、広く多層セラミック基板、積層
バリスタ、積層圧電素子等の積層セラミック電子部品を
製造する際においても、利用可能なものである。
従来の技術 近年、電子部品の分野においても、回路部品の高密度
化にともない、積層セラミックコンデンサ等のますます
の微小化及び高性能化が望まれている。ここでは、積層
セラミックコンデンサを例に採り説明する。
第7図は、積層セラミックコンデンサの一部を断面に
て示す図である。第7図において、1はセラミック誘電
体層、2は内部電極、3は外部電極である。前記内部電
極2は、2ケの外部電極3に交互に接続されている。
最近、電子部品のチップ化は著しく、前述した通りこ
のような積層セラミックコンデンサにおいても微小化が
望まれている。この積層セラミックコンデンサにおい
て、単なる面積の小型化はそのまま電気的容量の減少に
つながってしまう。このため積層セラミックコンデンサ
の小型化と同時に高容量化が行われなくてはならない。
そして、積層セラミックコンデンサの高容量化の方法
として、誘電体の高誘電率化の他に、誘電体層の薄層
化、誘電体層及び内部電極の多層化が考えられている。
まず、誘電体層の薄層化について説明する。この誘電
体の薄層化は、非常に難しい。まず、積層セラミックコ
ンデンサの製造方法について簡単に説明する。ここで、
初めにセラミック生シートの製造方法について説明す
る。この積層セラミックコンデンサを製造する際に使わ
れるセラミック生シートは、誘電体となる金属酸化物粉
末を、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、
ポリアクリロイド等の樹脂をキシレン等の溶剤中に溶解
して作ったビヒクル中に均一に分散され、これをスラリ
ーとした後、連続的に高速でキャスチング法(溶液流
延)を用いて、十数ミクロンから数十ミクロンの厚さの
セラミック生シートとして成膜する。ここで用いられて
いるキャスチング法とは、金属またはポリエチレンテレ
フタレートフィルム(以下、PETフィルムと呼ぶ)等の
有機フィルムを支持体とし、この支持体の上にスラリー
をドクターブレード等を用いて、均一な膜厚に塗布し、
スラリー中の溶剤を温風乾燥もしくは自然乾燥により蒸
発させ、セラミック生シートとするものである。
そして、積層セラミックコンデンサを製造する場合
は、次にこのセラミック生シートを特定の大きさに切断
した後、電極をセラミック生シート上に印刷し、この印
刷したセラミック生シートを含む複数枚のセラミック生
シートを積層圧着、切断、焼成の工程を経て作製される
こととなる。
ここで、誘電体層を薄層化するためには、セラミック
生シートの薄層化が必要になるが、セラミック生シート
を薄層化するほど、セラミック生シートにピンホール等
が発生しやすくなる。このためにセラミック生シートの
薄層化により、急激に積層セラミックコンデンサの歩留
りを落としてしまう。また、電極インキもセラミック生
シートも同じように樹脂を溶剤中に溶解したものがビヒ
クルとなっている。このため、セラミック生シート上に
電極インキを印刷すると、電極インキ中の溶剤がセラミ
ック生シートの樹脂を溶解してしまう。このため、セラ
ミック生シート上に印刷した電極インキがセラミック生
シートを侵食し、膨潤を起こしてしまい、ショートを起
こしやすくなる。これを、以下に第8図を用いて説明す
る。
第8図は、セラミック生シート上に電極インキをスク
リーン印刷方法により印刷している様子を示す図であ
る。第8図において、4はスクリーン枠、5はスクリー
ン、6は電極インキ、7はスキージ、8は台、9はベー
スフィルム、10はセラミック生シート、11は前記セラミ
ック生シート10上に印刷された電極インキである。第8
図において、スクリーン枠4に張られたスクリーン5を
通して、電極インキ6がスキージ7によって、台8の上
に固定されたベースフィルム9表面のセラミック生シー
ト10上に印刷される。この時、印刷された電極インキ11
がセラミック生シート10に染み込み、ショートを起こし
やすくなる。
これに対してセラミック生シート中の樹脂の種類、量
等を変えて、侵食、膨潤の少ない組合せが検討されてい
るが、セラミック生シートの厚みが例えば30ミクロン以
下のように薄くなると、侵食、膨潤の起こらない組合せ
はほとんどない。また、侵食、膨潤の起こりにくいセラ
ミック生シートの組合せも、電極インキを印刷する時に
インキの乾燥が早すぎて印刷時での作業性が悪かった
り、電極インキが印刷後の乾燥工程中にクラックを生じ
たり、あるいは圧着した積層体を焼結した時にクラック
が発生する等の現象を生じ、実用になる組合せを得るこ
とは難しい状態にある。
このために実用的には、誘電体層及び内部電極の多層
化が行われている。しかし、従来の積層方法では、多層
化した時に内部電極における部分的な積層数の違いによ
る部分的な厚みムラあるいは段差が発生してしまう。こ
の厚みムラによる凹凸により、積層セラミックコンデン
サとしての均一な厚みの積層ができず、デラミネーショ
ン(層間剥離)やクラック(割れ)等の問題を発生して
しまう問題がある。
第9図は、多様層化した時の積層セラミックコンデン
サの断面図である。ここで、積層セラミックコンデンサ
の中心部(内部電極2の積層数が多い)の厚みAに比
べ、周辺部(内部電極2の積層数が少ない)の厚みBが
小さいことが解る。
第10図は、積層数に対する中心部と周辺部の厚みの差
を示す図である。ここで、用いたセラミック生シートの
厚みは20ミクロン、内部電極の厚みは4ミクロンであ
る。第10図より、積層数が10層を超えると中心部と周辺
部の厚みの差が20ミクロン、つまり用いたセラミック生
シートの厚みを超えてしまうことが解る。
従来より、この問題に対して、いくつかのアプローチ
が採られていた。まず、特開昭52−135050号公報、特開
昭52−133553号公報では、段差部つまり周辺部に新しく
内部電極の分だけ取り除いたセラミック生シートを介挿
し、これを積層後、焼成する方法が提案されている。し
かし、この方法によるとセラミック生シートを精度よ
く、例えば3.5×1.0ミリメートルの大きさに数百個以上
取り除く必要がある。特に、セラミック生シート単体で
は、その薄さ、やわらかさ等により、機械的に取り扱う
ことはほとんどできない。たとえば、取り扱えたとして
も、精度良くパンチング等で切抜き加工することは難し
い。
同様に、特開昭61−102719号公報のように、セラミッ
ク生シート及び電極シートの両方をパンチングで打ち抜
き、順次積層するという積層セラミックコンデンサの製
造方法もあるが、これも量産性に問題がある。例えば、
一度に多数パンチングすることは、印刷するより、コス
ト的にも精度的にも不利である。さらに、電極シートの
厚さを5ミクロン以下にした場合、電極シートの物理的
な強度がパンチングやハンドリングに耐えられないこと
にもなる。
また、特開昭52−135051号公報では、セラミック生シ
ート上にまず内部電極インキを塗布し、さらに内部電極
インキを塗布したセラミック生シートの残りの部分に誘
電体インキを塗布し、これを内部電極インキの取り出し
位置を異ならせて、積み重ね、加圧、焼成する方法が提
案されている。しかし、この場合には、新しく印刷した
誘電体インキに含まれる溶剤により、下の積層体が侵さ
れる問題が残る。このために、セラミック生シートが薄
いほど、ショートや耐電圧特性を劣化させやすいという
問題がある。
また、電極インキに溶剤を用いない方法として、特開
昭53−51458号公報等の電極形成方法がある。また、特
開昭57−102166号公報のように活性化ペーストを用いた
無電解メッキ法による方法もあるが、電極形成を無電解
メッキ技術を用いて行うために、セラミック生シートを
メッキ液に浸す必要があることから、新たな問題が発生
する。
他にも、特開昭53−42353号公報のようにセラミック
生シートを部分的に打ち抜くか、凹状に加工することも
考えられているが、実用的ではない。
また、特開昭56−94719号公報も同様なものであり、
積層体上に生じた段差の箇所にセラミック生シートを形
成しようとするもので、量産性が良いとは考えにくい。
その他にも電極インキ中の溶剤のセラミック生シート
への悪影響を防止するために、いくつかの方法が提案さ
れている。
例えば、特開昭56−106244号公報のように、ベースフ
ィルム上に電極のみをまず印刷形成しておき、次にこの
上にキャスチング法でセラミック生シートを形成する方
法がある。また、特公昭40−19975号公報のように、電
極ペイントを塗布、乾燥後、連続的に誘電体スラリーを
塗布し、これを支持体から剥離することにより、電極付
きセラミック未焼成薄膜を得る方法がある。しかし、こ
れらの方法により作った電極埋め込みセラミック生シー
トは、膜厚が5〜20ミクロン程度まで薄くなると、機械
的強度が極端に減少するために、もはやそれ自体で取り
扱いできなくなる。このために、20ミクロン以下の薄層
化は行えなかった。また、単にアプリケータ、バーコー
タ、ドクターブレード等で電極埋め込みセラミック生シ
ートを作製しても、表面に電極の凹凸をなくすこと(以
下、これを簡単にフラットにすると呼ぶ)はできない。
以下、第11図、第12図、第13図を用いて説明する。
第11図は、電極をセラミック生シートの中に埋め込む
方法の一例を示したものである。第11図において、9は
ベースフィルム、12は電極、13はアプリケータであり、
数ミクロン〜数十ミクロンの塗布膜厚が得られる。14は
誘電体スラリーであり、アプリケータ13の中に入れられ
ている。15はセラミック生シート、16は埋め込まれた電
極である。矢印は、電極12の形成されたベースフィルム
9の動く方向を示す。そして、電極12の形成されたベー
スフィルム9はアプリケータ13により表面に誘電体スラ
リー14が塗布され、セラミック生シート15となり、ベー
スフィルム9との間に埋め込まれた電極16を形成する。
ここで、ベースフィルム9を固定しておいて、アプリケ
ータ13を動かしても良い。
第12図は、電極を埋め込んでセラミック生シートが乾
燥する様子を説明するための図である。第12図(A)
は、台8a上に固定されたベースフィルム9上に形成され
た電極12を示す。次に、第12図(B)のように、誘電体
スラリー14を均一な膜圧で塗布する。第12図(C)は、
誘電体スラリー14が乾燥して、セラミック生シート15と
なる様子を示す。第12図(C)において、埋め込まれた
電極16によってセラミック生シート15の表面に、凹凸が
発生することが解る。このように、単に電極12を埋め込
むだけでは、セラミック生シート15の表面をフラットに
することは非常に難しい。
発明が解決しようとする課題 したがって、前記のような積層セラミックコンデンサ
の構成では、セラミック生シート上に電極を印刷する積
層セラミックコンデンサの製造方法においては、電極イ
ンキ中に含まれる溶剤によりセラミック生シートが侵
食、膨潤を起こしてしまい、セラミック生シートが薄く
なるほどショートしやすくなる。一方、電極をセラミッ
ク生シートに埋め込み、この電極埋め込みセラミック生
シートを用いる積層セラミックコンデンサの製造方法で
は、前記電極埋め込みセラミック生シートを支持体上よ
り剥離して用いることにより、薄層化に限度があった。
また、特に誘電体層及び内部電極の多層化を行う場合に
おいては、積層セラミックコンデンサの中心部と周辺部
とでの、内部電極により発生する段差を取り除くことは
できないという問題点を有していた。
本発明は、前記問題点に鑑み、電極が乾燥されている
ことにより、ショートを起こしにくく、電極をセラミッ
ク生シート中に埋め込むことにより、誘電体層及び内部
電極の多層化された積層セラミックコンデンサを製造す
る際に用いても、積層セラミックコンデンサの中心部と
周辺部とでの、内部電極により発生する段差に対して
は、電極をセラミック生シートに埋め込む際にセラミッ
クスのスラリーを塗布した後に複数個のノズルより前記
セラミックスのスラリー表面に風を当てフラットにして
おくことで、よりいっそう低減し、20ミクロン程度以下
の薄いセラミック生シートにおいても機械的強度を保ち
ながら取り扱いでき、転写することができる積層セラミ
ック電子部品の製造方法を提供するものである。
課題を解決するための手段 前記問題点を解決するために本発明の積層セラミック
電子部品の製造方法は、乾燥された電極が形成されてな
る支持体上に、乾燥後に熱可塑性樹脂が10重量%以上40
重量%以下になるように配合したセラミックスのスラリ
ーを塗布した後、前記セラミックススラリーの表面に複
数個のノズルより風を当て、前記電極の凹凸が前記セラ
ミックスのスラリー表面に残らないように乾燥させて、
前記支持体上に電極埋め込みセラミック生シートを作
り、次に前記電極埋め込みセラミック生シートを前記支
持体より剥離することなく、他のセラミック生シートも
しくは他の電極の上に熱圧着させた後、支持体のみを剥
離し、前記電極埋め込みセラミック生シートを前記他の
セラミック生シートもしくは他の電極上に転写するとい
う構成を備えたものである。
作用 本発明は前記した構成によって、電極が乾燥されてい
ることにより、電極インキ中に含まれる溶剤によってセ
ラミック生シートが侵食、膨潤を起こし、ショートする
といったことが低減され、多層化された積層セラミック
コンデンサを製造する際に用いても、電極をセラミック
生シートに埋め込むことにより、電極により発生する段
差を低減することができることになる。また、電極の埋
め込まれたセラミック生シートを、支持体より剥離する
ことなく、他のセラミック生シートもしくは他の電極の
上に熱圧着させた後、支持体のみを剥離し、前記電極埋
め込みセラミック生シートを転写することになる。ま
た、電極をセラミック生シートに埋め込む際に、セラミ
ックのスラリーを塗布後前記セラミックスのスラリーの
表面に複数個のノズルより風を当てることにより、電極
及びセラミック生シートの表面を傷付けることなく、前
記電極の凹凸がセラミックスのスラリーの表面に残らな
いようにできる。
実施例 以下、本発明の一実施例の積層セラミック電子部品の
製造方法及び積層方法について、図面を参照しながら説
明する。
第1図及び第2図は、本発明の第1の実施例における
電極埋め込みセラミック生シートを積層する様子を説明
するための図である。第1図、第2図において、21、21
aはベースフィルム、24はセラミック生シート、25,25a
は埋め込まれた電極、26は台、28はセラミック生積層
体、29はヒータ、30は熱盤であり、ヒータ29によって一
定の温度に設定されている。31は転写されたセラミック
生シート、32は転写された電極である。また、矢印は熱
盤の動く方向を示す。
まず、第1図を用いて説明する。まず、ベースフィル
ム21の埋め込まれた電極25及びセラミック生シート24の
形成されていない側に、ヒータ29により加熱された熱盤
30に置く。一方、ベースフィルム21の埋め込まれた電極
25及びセラミック生シート24の形成された側に、台26上
に固定したベースフィルム21a及びセラミック生積層体2
8を置く。この時、セラミック生積層体28の表面に転
写、印刷等の適宜の方法により電極25aを形成してお
く。ここで、セラミック生積層体28の表面には必ずしも
埋め込まれた電極25aが形成されている必要はない。次
に、この第1図に示す状態から、熱盤30によりセラミッ
ク生積層体28の表面に、ベースフィルム21の表面に形成
された埋め込まれた電極25及びセラミック生シート24を
加熱圧着させる。
次に、第2図を用いて説明する。この第2図は、第1
図に示す埋め込まれた電極25及びセラミック生シート24
を転写した後の図である。すなわち、第2図のように、
熱盤30によってベースフィルム21上の埋め込まれた電極
25及びセラミック生シート24は、セラミック生積層体28
の表面に転写され、これにより転写されたセラミック生
シート31及び転写された電極32を形成する。
また、第3図及び第4図は、前記第1の実施例の変形
例を示し、埋め込まれた電極25aの形成されたセラミッ
ク生積層体28の表面に、ベースフィルム21の上に形成さ
れたセラミック生シート24aを加熱圧着させ、転写され
たセラミック生シート31aを形成した後、埋め込まれた
電極25及びセラミック生シート24を加熱圧着する様子を
示す。ここで、第1図、第2図の工程や、第3図、第4
図の工程を工程を繰り返すことで多層にわたり積層する
ことも可能である。
また、第5図は電極を埋め込んでセラミック生シート
を乾燥する様子を説明するための図である。第5図にお
いて、22は電極、23は誘電体スラリー、26aは台、27は
ノズルであり、風の直接当たる面積を限定する。33はバ
ルブであり、ノズル27を流れる風の量を調整する。ま
た、矢印は、風の流れる方向を示す。第5図(A)は、
台26a上に固定されたベースフィルム21に形成された電
極22を示す。次に、第5図(B)のように、誘電体スラ
リー23がアプリケータあるいはドクターブレードによっ
て塗布される。第5図(C)は、誘電体スラリー23の表
面にノズル27を用いて風の直接当たる面積を限定する様
子を説明するものである。このように、埋め込まれた電
極25の上の凸になっている誘電体スラリー23の表面だけ
にノズル27から直接風が当たるようにすることで、風の
力によって誘電体スラリー23の表面を平坦にならすこと
ができる。第5図(D)は、このようにしてできた表面
のフラットなセラミック生シート24を示す。
次に、さらに詳しく説明する。まず、電極を形成する
ための電極インキとしては、パラジウム粉末を用いた電
極インキを作成した。これは、粒径0.3ミクロンのパラ
ジウム粉末50重量部、樹脂としてのエチルセルロール5
重量部、分散剤0.1重量部に対して、適当な粘度になる
ように溶剤としてブチルカルビトールを加えた後、3本
ロールミルを用いて充分分散させ、もう一度3本ロール
ミル上でブチルカルビトールを加え、粘度が100ポイズ
になるまで分散させながら希釈した。
次に、ベースフィルム21として、フィルム幅200ミリ
メートル、フィルム膜厚75ミクロン、中心コア径3イン
チ、長さ約100メートルのロール状のポリエチレンテレ
フタレートフィルム(以下、PETフィルムと呼ぶ)を用
いて、この上に乳剤厚10ミクロン、400メッシュのステ
ンレススクリーンを用いたスクリーン印刷法により、前
記の電極インキを一定間隔を空けながら連続的に印刷し
た。ここで、電極の形状は3.5×1.0ミリメートルのもの
を用いた。そして、印刷後の電極インキの乾燥は、印刷
機の次に約125℃に加熱した遠赤外のベルト炉を接続
し、電極インキ中の溶剤を蒸発させ、これを電極22とし
た。
次に、誘電体スラリーの作り方について説明する。ま
ず、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学株式会社製,B
L−2ブチラール樹脂)6.0重量部を、フタル酸ジブチル
0.6重量部、エチルアルコール25.0重量部、トルエン36.
0重量部よりなる樹脂溶液中に、粒径1ミクロンのチタ
ン酸バリウム粉末31.0重量部と共に加え、よく撹はんし
た。次に、これをポリエチレン製の瓶に入れ、ジルコニ
アビーズを加え、適当な分散状態になるまで混合分散し
た。次に、これを仮ろ過した後、10ミクロンのメンブレ
ンフィルタを用いて加圧ろ過して、誘電体スラリー23と
した。
次に、この誘電体スラリー23をアプリケータを用い
て、電極22の形成されたベースフィルム21上に連続的に
塗布した。次に、これに複数個のノズル27から風を当て
表面をフラットにしながら乾燥させた。ここで、風は10
00ワットの家庭用ドライヤー(松下電器株式会社製)の
先端に風量調整ができるバルブ33と複数個のノズル27を
取付けて、風量と、ノズル27と誘電体スラリー23との間
の距離を調節しながら平坦化を行った。このようにして
作ったものをセラミック生シート24とし、マイクロメー
タで膜厚を測定したところ、セラミック生シート24の膜
厚は18ミクロンであった。また、電極25を埋め込んだセ
ラミック生シート24の表面の凹凸は、自然乾燥させたも
のが7〜10ミクロンの凹凸を有していたのに比べ、ノズ
ル27から風を当てて乾燥したものは1〜3ミクロン程度
と大きく改善されていた。また、再現性及び乾燥速度も
良かった。これは、誘電体スラリー23の凸の部分のみに
風を当てることで、風の力が凸部にのみ働き、この力で
平坦化できるためと推測された。
次に、このセラミック生シート24を用いた積層セラミ
ックコンデンサの製造方法について説明する。まず、厚
み200ミクロンの電極の形成されていないセラミック生
積層体28を、ベースフィルムごと第1図の台26上に固定
した。この上に第3図及び第4図のように、必要な積層
数だけ埋め込まれた電極25及びセラミック生シート24を
転写した。ここで、転写は温度180℃、圧力15キログラ
ム毎平方センチメートルの条件下で、ベースフィルム21
の側から熱盤30を用いて行い、埋め込まれた電極25及び
セラミック生シート24を転写した後、ベースフィルム21
を剥して行った。これは、第3図のようにセラミック生
シート24aを転写し、次に第4図のようにこの上に電極
(25,25a)を一定のピッチだけずらせた状態で、次の埋
め込まれた電極25及びセラミック生シート24を、熱盤30
を用いてベースフィルム側から加熱することにより転写
した。
以下、これを繰り返し電極が第7図のように交互にず
れるようにし、電極を51層になるようにした。そして最
後に焼成時のリソ対策や機械的強度を上げるために、厚
み200ミクロンの電極が形成されていないセラミック生
シートを転写した。このようにして得た積層体を2.4×
1.6ミリメートルのチップ状に切断した後、1300℃で1
時間焼成した。
比較のために、従来法として前述と同じ組成、厚みか
らなるセラミック生シート上に同じ電極を直接第8図の
ようにスクリーン印刷法により内部電極として形成し、
その上にセラミック生シートを膜厚が同じになるように
転写し、以下これを繰り返した。なお、積層時の圧力、
切断、焼成等の各条件はすべて前述と同じにした。
ここで、試料数は、n=100とした。次に、外部電極
を通常の方法を用いて形成し、ショート発生率を調べ
た。その結果を下記の第1表に示す。
以上のように、本発明による積層セラミックコンデン
サの製造方法を用いれば、ショート発生率、デラミネー
ション発生率とも、従来法に比較して大きく改善されて
いることが解る。ここで、本発明におけるショート発生
の原因を調べると、その多くは、セラミック生シートの
ピンホールによるものとか考えられた。また同時に、本
発明では、電極をセラミック生シート中にフラットに埋
め込んだために、積層セラミックコンデンサの中心部と
周辺部での厚みの差が大幅に改善されており、これがシ
ョートのみならずデラミネーションの発生率をも低下さ
せていると推測された。
なおここで、本発明に用いた電極埋め込みセラミック
生シートのセラミック生シート部は、それ自体に含むポ
リビニルブチラール樹脂の性質により熱による転写性を
有する。また、この熱による転写性は、セラミック生シ
ート中に含まれているポリビニルブチラール樹脂(以
下、PVB樹脂と呼ぶ)が少ないほど、転写性が悪くな
り、逆に含まれているPVB樹脂の量が多いほど、転写性
が良くなる。ここで用いたセラミック生シート中に含ま
れるPVB樹脂は、セラミック粉末100グラムに対し、20グ
ラム程度含まれているものが転写性が良かった。しか
し、ここで転写に必要なPVB樹脂量は、スラリー原料の
セラミック粉末の粒径によっても、PVB樹脂の重合度、
種類等によっても、あるいは転写時の温度によっても、
転写に必要な樹脂量は変化すると考えられる。そして、
樹脂量が不足すると、転写温度を上げる必要がある。
次に、実験に用いた粒径のチタン酸バリウム粉末につ
いて、セラミック生シート中に含まれる樹脂量と、この
セラミック生シートの転写性について実験した結果を下
記の第2表に示す。ここで、セラミック生シートは前述
のようにチタン酸バリウム粉末、可塑剤としてのフタル
酸ジブチル、及びPVB樹脂よりできており、ここに含ま
れるPVB樹脂の重量パーセントを変化させた場合の転写
性を調べた。ここで、セラミック生シート中に加えたフ
タル酸ジブチルの量は、PVB樹脂の10重量%と固定し
た。また、セラミック生シートの転写性については、第
1図のように表面に電極が形成されたセラミック生積層
体の上に、電極埋め込みセラミック生シートを転写する
ことで実験した。また、転写はベースフィルム側から、
転写圧力15キログラム毎平方センチメートルの圧力で、
温度180℃に加熱した熱盤を押し当てることで行った。
また、PVB樹脂量は、セラミック生シート中の重量%で
表した。
次に、前記第2表のセラミック生シートを用い、前記
第1表の場合の実施例と同じようにして、積層セラミッ
クコンデンサを製造した。この時のセラミック生シート
中に含まれるPVB樹脂量とデラミネーションの発生率と
の関係を下記の第3表に示す。
この第3表より、PVB樹脂量は10〜40重量%程度のも
のがデラミネーションを起こしにくいことが解る。以上
より、PVB樹脂量はセラミック生シートの10〜40重量
%、特に15重量%前後のものが転写性も良く、デラミネ
ーションの発生も少ないことが解る。
ここで、PVB樹脂のような転写性を有する樹脂として
は、他にもアクリル樹脂、ビニル樹脂、セルロース誘導
体樹脂等の熱可塑性樹脂がある。また、熱可塑性樹脂以
外に、硬化型樹脂、重合型樹脂であっても、その硬化条
件、重合条件を適当にし、例えばゴム状にすることで、
表面に粘着性を持たせることによって転写でき、セラミ
ック生シート用の樹脂として用いることができる。
さらに、第3図及び第4図のような場合に、セラミッ
ク生シート24aに、チタン酸バリウム100重量部に対し
て、樹脂が5重量部程度しか含まれていない転写性のな
いセラミック生シートを用いても、交互に本発明の転写
性の優れた電極埋め込みシートを用いることによって積
層できる。
次に、第6図は本発明の第2の実施例における熱ロー
ラを用いて電極埋め込みセラミック生シートを転写する
方法を説明するための図である。第6図において、34は
熱ローラであり、ヒータ29aにより一定温度に設定され
ている。そして、埋め込まれた電極25a及びセラミック
生シート31が、セラミック生積層体28と熱ローラ34の間
を通る時、セラミック生積層体28表面に転写され、転写
された電極32及び転写されたセラミック生シート31とな
る。この方法によると、電極埋め込みセラミック生シー
トの転写を連続的に行うことができる。
なお、本発明において転写時には、熱の他に、光、電
子線、マイクロウエーブ、X線等を使用し転写を行って
も良い。また、PVB樹脂の種類、可塑剤の種類や添加量
を変えることにより室温での転写も可能である。
さらに、本発明方法は、前記実施例で述べた積層セラ
ミックコンデンサに適用する以外に、多層セラミック基
板、積層バリスタ等のその他の積層セラミック電子部品
においても適用できるものである。
発明の効果 以上のように本発明は、乾燥された電極が形成されて
なる支持体上に、塗布面に規則的な凹凸を有するドクタ
ーブレードもしくはアプリケータを用いて、乾燥後に熱
可塑性樹脂が10重量%以上40重量%以下になるように配
合したセラミックスのスラリーを塗布した後、前記セラ
ミックスのスラリーの表面に複数個のノズルより風を当
て、前記電極の凹凸が前記セラミックスのスラリーの表
面に残らないように乾燥させて、前記支持体上に電極埋
め込みセラミック生シートを作り、次に前記電極埋め込
みセラミック生シートを前記支持体より剥離することな
く、他のセラミック生シートもしくは他の電極の上に熱
圧着させた後、支持体のみを剥離し、前記電極埋め込み
セラミック生シートを前記他のセラミック生シートもし
くは他の電極の上に転写することにより、電極が乾燥さ
れていることにより、電極インキ中に含まれる溶剤の悪
影響を極力少なくし、またセラミック生シートを支持体
と共に取扱うために取扱時に破損することなく、電極を
埋め込み内部電極による凹凸の発生を、セラミックスの
スラリーの乾燥時に凸部のみにノズルで風を当てること
により、電極及びセラミックスのスラリーの表面に傷を
付けることなく、セラミックスのスラリーの表面での電
極に起因するセラミック生シートの凹凸の発生を低減し
ながら、歩留り良く積層セラミックコンデンサ等の積層
セラミック電子部品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明の第1の実施例における電極
埋め込みセラミック生シートを積層する様子を説明する
ための図、第3図及び第4図は前記第1の実施例の変形
例を説明するための図、第5図(A)〜(D)は本発明
において電極を埋め込んでセラミック生シートを乾燥す
る様子を説明するための図、第6図は本発明の第2の実
施例における熱ローラを用いて電極埋め込みセラミック
生シートを転写する方法を説明するための図、第7図は
積層セラミックコンデンサの一部を断面にて示す図、第
8図は従来例においてセラミック生シート上に電極イン
キをスクリーン印刷方法により印刷している様子を示す
図、第9図は同じく多積層化した時の積層セラミックコ
ンデンサの断面図、第10図は同じく積層数に対する中心
部と周辺部の厚みの差を示す図、第11図は同じく電極を
セラミック生シートの中に埋め込む方法の一例を示した
ものを示す図、第12図(A)〜(C)は同じく電極を埋
め込んでセラミック生シートが乾燥する様子を説明する
ための図である。 21,21a……ベースフィルム、22……電極、23……誘電体
スラリー、24,24a……セラミック生シート、25,25a……
埋め込まれた電極、26,26a……台、27……ノズル、28…
…セラミック生積層体、29,29a……ヒータ、30……熱
盤、31……転写されたセラミック生シート、32……転写
された電極、33……バルブ、34……熱ローラ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥山 彦治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 沖中 秀行 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乾燥された電極が形成されてなる支持体上
    に、乾燥後に熱可塑性樹脂が10重量%以上40重量%以下
    になるように配合したセラミックスのスラリーを塗布し
    た後、前記セラミックスのスラリーの表面に複数個のノ
    ズルより風を当て、前記電極の凹凸が前記セラミックス
    のスラリーの表面に残らないように乾燥させて、前記支
    持体上に電極埋め込みセラミック生シートを作り、次に
    前記電極埋め込みセラミック生シートを前記支持体より
    剥離することなく、他のセラミック生シートもしくは他
    の電極の上に熱圧着させた後、前記支持体のみを剥離
    し、前記電極埋め込みセラミック生シートを前記他のセ
    ラミック生シートもしくは他の電極上に転写することを
    特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
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