JP2003317312A - 光記録媒体、記録装置及び再生装置、並びに記録方法及び再生方法 - Google Patents

光記録媒体、記録装置及び再生装置、並びに記録方法及び再生方法

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JP2003317312A
JP2003317312A JP2002123037A JP2002123037A JP2003317312A JP 2003317312 A JP2003317312 A JP 2003317312A JP 2002123037 A JP2002123037 A JP 2002123037A JP 2002123037 A JP2002123037 A JP 2002123037A JP 2003317312 A JP2003317312 A JP 2003317312A
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JP2002123037A
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English (en)
Inventor
Tetsujiro Kondo
哲二郎 近藤
Hideo Nakaya
秀雄 中屋
Tsutomu Ichikawa
勉 市川
Naoki Kobayashi
小林  直樹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録容量を向上させる。 【解決手段】 一方主面に案内溝6が形成された基板2
と、基板2の案内溝を覆うように成膜された色素膜3
と、色素膜3を覆うように成膜された反射透過膜4とを
備え、基板2側から記録ビームが照射されると、色素膜
3が反応して基板2にピット部9が形成されると共に、
記録ビームにより反射透過膜4に透過部10が形成され
ることで情報が記録されることから、ピット部に伴う情
報に加え、透過部10に伴う情報を記録及び/又は再生
が可能となり、記録容量が向上される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報の記録及び/
又は再生を好適に行える光記録媒体、記録装置及び再生
装置、並びに記録方法及び再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、情報を一度だけ記録可能な光
記録媒体として、例えば色素材料等からなる色素膜や反
射膜を有するCD−R(Compact Disk-Recordable)や
DVD−R(Digital Versatile Disk-Recordable)等
が知られている。そして、これらのCD−RやDVD−
Rでは、情報を記録する際の記録容量を向上させるた
め、様々な提案がされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような記録容量を向上させた光記録媒体においては、
新規な構造や構成、記録方法、再生方法等を用いたCD
−Rや、DVD−R等を提案したものが多く、例えば従
来からあるCD(Compact Disk)、CD−R、DVD
(Digital Versatile Disk)、DVD−R等を記録及び
/又は再生する記録再生装置では再生できない、いわゆ
る互換性が無いとった問題がある。
【0004】そこで、本発明は、このような従来の実情
に鑑みて提案されたものであり、従来の光記録媒体に対
して互換性が有ると共に、情報に対する記録容量を向上
させることが可能な光記録媒体、記録装置及び再生装
置、並びに記録方法及び再生方法を提供することを目的
としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
本発明に係る光記録媒体は、記録光や再生光が照射され
ることで情報の記録及び/又は再生が行われる光記録媒
体である。そして、この光記録媒体は、光透過性を有
し、一方主面に案内溝が形成された基板と、基板の案内
溝を覆うように成膜された色素材料からなる色素膜と、
色素膜を覆うように成膜され、金属材料と誘電材料とか
らなる反射透過膜とを備え、色素膜に記録光が照射され
ると、色素膜が反応し、反応した色素膜と相対する位置
にピット部が形成され、又、反射透過膜に記録光が照射
されると、反射透過膜の金属材料と誘電材料とが反応
し、反応した反射透過膜の位置に透過部が形成され、基
板側から再生光が照射されると、再生光が反射透過膜で
反射し、反射した反射光の光強度がピット部の有無や透
過部の透過率に応じて変化し、これら光強度の変化に基
づいて情報が再生されることを特徴としている。
【0006】この光記録媒体では、記録光により形成さ
れたピット部が再生光を反射透過膜で反射させた反射光
の光強度を変化させることで得られる情報に加えて、反
射透過膜に形成された透過部が再生光を透過して再生光
の光強度を変化させることで得られる情報を付加するこ
とができる。
【0007】上述した目的を達成する本発明に係る記録
装置は、再生光を反射させるか、再生光の光強度を変化
させて反射させるか、再生光を透過させることで再生光
の光強度を変化させて反射させるか、再生光を透過させ
る光記録媒体に対し、記録光を照射させることで情報の
記録を行う記録装置であって、光記録媒体に再生光を透
過させる領域の形成が可能か否かを判別する判別手段
と、光記録媒体に記録光を照射する照射手段とを備えて
いる。そして、この記録装置は、判別手段で再生光を透
過させる領域が形成可能な光記録媒体と判別されると、
照射手段により光記録媒体の記録光が照射された位置
に、再生光の光強度を変化させるピット部と、再生光を
透過させる透過部とを形成させ、判別手段で照射光を透
過させる領域が形成不可な光記録媒体と判別されると、
照射手段により光記録媒体の記録光が照射された位置に
ピット部だけを形成させる。
【0008】この記録装置では、再生光を透過させる領
域が形成可能な光記録媒体に対し、照射手段が記録光を
照射することでピット部と透過部とを形成させることか
ら、光記録媒体に、ピット部により再生光を光記録媒体
で反射させた反射光の光強度を変化させることで得られ
る情報に加え、透過部により再生光を透過して再生光の
光強度を変化させることで得られる付加的な情報も記録
することができる。また、この記録装置では、照射光を
透過させる領域が形成不可な従来の光記録媒体にも照射
手段が記録光を照射することでピット部を形成させるこ
とから、従来の光記録媒体にもピット部により得られる
情報を記録することができる。
【0009】上述した目的を達成する本発明に係る再生
装置は、再生光を反射させるか、再生光の光強度を変化
させて反射させるか、再生光を透過させることで再生光
の光強度を変化させて反射させるか、再生光を透過させ
る光記録媒体に記録された情報の再生を行う再生装置で
ある。そして、この再生装置は、光記録媒体に対し、再
生光を透過させる透過部の有無を判別する判別手段と、
光記録媒体に再生光を照射する照射手段と、照射手段に
より照射された再生光を光記録媒体が反射した際の反射
光、光記録媒体が光強度を変化させた反射光、光記録媒
体が再生光を透過して光強度を変化させた上記反射光、
光記録媒体が再生光を透過した透過光のうち何れかを受
光する受光手段と、受光手段が受光した光の光強度を情
報として情報信号に変換させる情報処理手段とを備えて
いる。
【0010】この再生装置では、受光手段により受光さ
れた反射光の光強度を情報として光記録媒体から得るこ
とに加え、受光手段により受光された光記録媒体が再生
光を透過した際の反射光又は透過光の光強度を付加的な
情報として光記録媒体から得ることが可能である。
【0011】また、この再生装置は、判別手段で透過部
を有する光記録媒体と判別されると、受光手段が、反射
光、光強度を変化させた反射光、再生光の透過により光
強度を変化させた反射光、透過光のうち何れかを受光
し、判別手段で透過部の無い光記録媒体と判別される
と、受光手段が、反射光、光強度を変化させた反射光の
うちの何れかを受光する。
【0012】これにより、この再生装置では、透過部を
有する光記録媒体から再生光が反射した際の反射光の光
強度から得られる情報に加え、光記録媒体が再生光を透
過した際の反射光又は透過光の光強度から得られる付加
的な情報も再生することができる。また、この再生装置
では、透過部の無い従来の光記録媒体からも反射光又は
光強度が変化した反射光を受光することから、従来の光
記録媒体に記録された情報も再生することができる。
【0013】上述した目的を達成する本発明に係る記録
方法は、再生光を反射させるか、再生光の光強度を変化
させて反射させるか、再生光を透過させることで再生光
の光強度を変化させて反射させるか、再生光を透過させ
る光記録媒体に対し、記録光を照射させることで情報の
記録を行う記録方法であって、光記録媒体に再生光を透
過させる領域の形成が可能か否かを判別する判別工程
と、光記録媒体に記録光を照射する照射工程とを有して
いる。そして、この記録方法は、照射工程において、判
別工程で再生光を透過させる領域が形成可能な光記録媒
体と判別されると、光記録媒体の記録光が照射された位
置に、再生光の光強度を変化させるピット部と、再生光
を透過させる透過部とを形成させ、判別工程で照射光を
透過させる領域が形成不可な光記録媒体と判別される
と、光記録媒体にピット部だけを形成させる。
【0014】この記録方法では、照射工程において、再
生光を透過させる領域が形成可能な光記録媒体に対し、
記録光を照射することでピット部と透過部とを形成させ
ることから、光記録媒体に、ピット部により再生光を光
記録媒体で反射させた反射光の光強度を変化させること
で得られる情報に加え、透過部により再生光を透過して
再生光の光強度を変化させることで得られる付加的な情
報も記録することができる。また、この記録方法では、
照射工程において、照射光を透過させる領域が形成不可
な従来の光記録媒体にも記録光を照射することでピット
部を形成させることから、従来の光記録媒体にもピット
部により得られる情報を記録することができる。
【0015】上述した目的を達成する本発明に係る再生
方法は、再生光を反射させるか、再生光の光強度を変化
させて反射させるか、再生光を透過させることで再生光
の光強度を変化させて反射させるか、再生光を透過させ
る光記録媒体に記録された情報の再生を行う再生方法で
ある。そして、この再生方法は、光記録媒体に対し、再
生光を透過させる透過部の有無を判別する判別工程と、
光記録媒体に再生光を照射する照射工程と、照射工程で
照射された再生光を光記録媒体が反射した際の反射光、
光記録媒体が光強度を変化させた反射光、光記録媒体が
再生光を透過して光強度を変化させた上記反射光、光記
録媒体が再生光を透過した透過光のうち何れかを受光す
る受光工程と、受光工程で受光した光の光強度を情報と
して情報信号に変換させる情報処理工程とを有してい
る。
【0016】この再生方法では、受光工程で受光された
反射光の光強度を情報として光記録媒体より得られるこ
とに加え、受光工程で受光された光記録媒体が再生光を
透過した際の反射光又は透過光の光強度を付加的な情報
とする情報信号も光記録媒体から得ることができる。
【0017】この再生方法は、受光工程において、判別
工程で透過部を有する光記録媒体と判別されると、上記
反射光、光強度を変化させた反射光、再生光の透過によ
り光強度を変化させた反射光、透過光のうち何れかを受
光し、判別工程で透過部の無い光記録媒体と判別される
と、反射光、光強度を変化させた反射光のうち何れかを
受光する。
【0018】これにより、この再生方法では、透過部を
有する光記録媒体から再生光が反射した際の反射光の光
強度から得られる情報に加え、光記録媒体が再生光を透
過した際の反射光又は透過光の光強度から得られる付加
的な情報も再生することができる。また、この再生方法
では、透過部の無い従来の光記録媒体からも、反射光又
は光強度を変化させた反射光とを受光することから、従
来の光記録媒体に記録された情報も再生することができ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照にして説明する。本発明を適用した光記
録媒体としては、図1に示すように、光ディスク1を例
に挙げて具体的に説明する。光ディスク1は、光透過性
を有する基板2と、基板2の一方主面を覆うように成膜
された色素膜3と、色素膜3を覆うように成膜された反
射透過膜4と、反射透過膜4を覆うことで反射透過膜4
を保護する保護層5とを有している。
【0020】基板2は、その厚みが0.3mm〜1.2
mm程度であり、例えば一方主面に、渦巻状又は同心円
状の記録トラックに沿って案内溝6が形成されている。
この案内溝6は、いわゆるグルーブであって、このグル
ーブの深さが0.05μm〜100μm程度にされてい
る。なお、グルーブとグルーブの間を一般的にランド6
aという。基板2には、例えば透明樹脂基板やガラス基
板等といった、いわゆるリジットな基板を用いることが
でき、射出形成する際に案内溝6を同時形成することが
可能なポリカーボネート基板等も用いられる。なお、基
板2においては、透明樹脂基板を形成する材料として例
えばセルキャストポリメチルメタクリレート、射出形成
ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化
ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エ
ポキシ樹脂、アモルファスポリオレフィン、ポリエステ
ル等が挙げられる。
【0021】色素膜3は、例えばスピンコート法等によ
り基板2の一方主面に形成された案内溝6を覆うように
塗布されることで設けられている。この色素膜3は、基
板2上に塗布される色素材料として例えばシアニン系色
素、フタロシアニン系色素、ピリリウム系・チオピリリ
ウム系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色
素、NiやCr等を用いた金属錯塩系色素、ナフトキノ
ン系・アントラキノン系色素、インドフェノール系色
素、インドアニリン系色素、トリフェニルメタン系色
素、トリアニルメタン系色素、アミニウム系・ジインモ
ニウム系色素、ニトロン化合物等が挙げられ、これらの
うちの何れか一種又は複数種を混合した混合物として用
いる。この色素膜3において、以上に挙げた色素材料と
しては、後述する記録装置が光ディスク1に記録ビーム
を照射する際の光源として赤外光を発振する半導体レー
ザ等が実用化されていることから、700nm〜900
nm程度の範囲の波長を有する赤外領域の光に対し、高
い吸収率を持つものを用いる。例えば、色素材料にシア
ニン系色素を用いる場合、金属錯塩系色素又はアミニウ
ム系・ジインモニウム系色素をクエンチャーとしてシア
ニン系色素に添加させる。クエンチャーは、主となる色
素材料1モルに対し、0.001モル〜0.1モルの範
囲になるように添加させる。
【0022】この色素膜3は、上述して色素材料に溶剤
と結合剤とを加えた塗布液にして基板2上に塗布される
ことで成膜されることになる。塗布液に用いられる溶剤
としては、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブ
アアセテート等のエステル類、メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン
類、ジクロルメタン、1,2−シクロルエタン、クロロ
ホルム等のハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン、
エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類、エタノー
ル、n−プロパノール、イソポロパノール、n−ブタノ
ール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド等のアミ
ド類、2,2,3,3−テトラフロロプロパノール等の
フッ素系溶剤等を挙げることができ、これらのうちの何
れか一種又は複数種を混合して用いる。なお、塗布液に
用いられる溶剤には、例えば脂肪族炭化水素溶剤、脂環
族炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤等の炭化水素系溶
剤を含有していても良い。更に、塗布液には、例えば酸
化防止剤、紫外光吸収剤、可塑剤、滑剤等の各種添加剤
を目的に応じて添加されていても良い。
【0023】塗布液に用いられる結合剤としては、例え
ばゼラチン、ニトロセルロース、酢酸セルロース等のセ
ルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴム等の天然
有機高分子物質、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポ
リ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル
酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、
ポリビニルアルコール、電素化ポリオレフィン、エポキ
シ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホ
ルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂における初期縮合
物等といった合成有機高分子物質等が挙げられ、これら
のうちの一種又は複数種を用いる。
【0024】そして、色素膜3において、塗布液を塗布
する際は、上述したスピンコート法の他に、例えばスプ
レー法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート
法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等の塗工技術
を用いて行われ、特に色素材料を良好な配向状態した塗
膜にさせることが可能なスピンコート法を用いる。
【0025】反射透過膜4は、色素膜3を覆うように成
膜され、色素膜3上に成膜された金属膜7と、金属膜上
に成膜された誘電体膜8とによって構成されている。こ
れらの金属膜7及び誘電体膜8は、例えばスパッタリン
グ法、イオンプレーティング法等といった薄膜形成技術
によって色素膜3上に順次成膜されている。この反射透
過膜4は、金属膜7及び誘電体膜8に用いられる材料
や、それぞれの膜厚等を制御することで、後述する記録
装置又は再生装置から照射される記録ビーム又は再生ビ
ームに対する光吸収率、光透過率、反射率、屈折率等が
調整されることになる。
【0026】反射透過膜4において、色素膜3上に成膜
される金属膜7の金属材料としては、例えばLi、B
e、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、
V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、G
a、Ge、Se、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、
Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、S
b、Te、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、P
m、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、T
m、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、
Pt、Au等の金属等が挙げられ、これらのうちの一種
又は複数種からなる合金等を用いる。金属膜7は、上述
した金属材料等が色素膜3上に100Å〜3000Åの
範囲で成膜されている。特に、金属膜7においては、そ
の厚みを500Å〜2000Åの範囲にすることによ
り、記録装置又は再生装置から照射された記録ビーム又
は再生ビームに対する反射率の向上、光ディスク1に記
録された情報を再生させる際のS/Nの向上、光ディス
ク1に対して情報を記録させる際の感度の向上が得られ
る。
【0027】反射透過膜4において、金属膜7上に成膜
される誘電体膜8の誘電材料としては、例えばLi、B
e、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、
V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、G
a、Ge、Se、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、
Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、S
b、Te、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、P
m、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、T
m、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、
Pt、Au等の金属のうち、何れか一種又は複数種を含
む酸化物、窒化物、フッ化物、硫化物、塩化物、臭化
物、ヨウ化物等が挙げられ、これらのうちの一種又は複
数種を混合して用いる。
【0028】保護層5は、その下層の反射透過膜4、色
素膜3、基板2を物理的、化学的に保護するように作用
する。この保護層5は、例えば光ディスク1の耐傷性、
耐湿性等を高めるために、基板2の色素膜3が成膜され
ている一方主面とは反対側の他方主面上に設けられても
良い。この保護層5は、例えば真空蒸着法、スパッタリ
ング法、色素膜3を成膜する際の方法として挙げられた
様々な塗布法等により、その厚みが0.1μm〜100
μm程度の範囲に設けられる。これにより、保護層5
は、以上のような範囲の厚みに形成されることにより、
反射透過膜4等を保護する作用が高められることにな
る。
【0029】この保護層5に用いられる材料としては、
例えばSiO、SiO、SiN、MgF、SnO
等の無機材料、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線
硬化性樹脂等の有機材料等を用いる。特に、保護層5と
しては、成形性が良く、反射透過膜4、色素膜3、基板
2等に対する熱的な影響を抑えることが可能な紫外線硬
化性樹脂を用いる。この紫外線硬化樹脂としては、例え
ばウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)ア
クリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の
(メタ)アクリレートのオリゴマー類、(メタ)アクリ
ル酸エステル等のモノマー類、光重合開始剤等が挙げら
れる。
【0030】以上のように構成される光ディスク1は、
例えば後述する記録装置等により基板2側から半導体レ
ーザ等を光源とする記録ビーム等が情報信号に応じて照
射されると、この記録ビームにより色素膜3が熱分解さ
れて縮爆を起こし、縮爆が起こった位置と相対する基板
2の表面を色素膜3側に膨張変形させてピット部9が形
成されることになる。色素膜3において、図1中3aで
示す縮爆が生じた位置は、例えば光透過率等が適切に変
化されることになる。なお、このようにして形成される
ピット部9は、例えば従来の情報を一度だけ記録可能な
CD−R(Compact Disk-Recordable)やDVD−R(D
igital Versatile Disk-Recordable)等といった光記録
媒体にも形成され、情報信号を提供する部位として作用
する。
【0031】また、この光ディスク1は、基板2側から
照射された記録ビーム等が情報信号に応じて選択的にピ
ット部9と相対する位置の反射透過膜4に照射される
と、金属膜7と誘電体膜8とが反応することから、反射
透過膜4の記録ビーム等が照射された位置にピット部9
と重畳するように透過部10が形成されることになる。
この透過部10は、例えば酸化物、窒化物、硫化物、フ
ッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物等からなり、反射透
過膜4に比べ大幅に光透過率が高められている。
【0032】これらのことにより、この光ディスク1で
は、例えば記録装置等により情報信号に応じて記録ビー
ム等が照射されると、情報信号に応じたピット部9と透
過部10とが形成されることから、従来の光記録媒体も
有しているピット部9に応じたメイン情報に加えて、透
過部10に応じた付加的な情報も記録させることが可能
となる。
【0033】なお、ピット部9は、図1において、案内
溝6におけるグルーブの反射透過膜4と対向する面、す
なわち案内溝6の底部に形成されているが、このことに
限定されず、例えばランド6aの反射透過膜4と対向す
る面に形成されても光ディスク1に情報信号を提供する
部位として作用することになる。なお、透過部10は、
図1において、光ディスク1の厚み方向でピット部9に
相対して形成されているが、このことに限定されること
はなく、例えばピット部9に相対していない状態であっ
ても光ディスク1に情報信号を提供する部位として作用
することになる。
【0034】この光ディスク1は、例えば再生装置等に
より基板2側から半導体レーザ等を光源とする再生ビー
ム等が照射されると、ピット部9が再生ビームを散乱さ
せることから、再生ビームが金属膜7で反射された反射
光の光強度を変化させることになる。また、この光ディ
スク1は、基板2側から照射された再生ビーム等を透過
部10が透過させることから、再生ビームが透過部10
で反射された反射光の光強度や、再生ビームが透過部1
0で透過された透過光の光強度を変化させることにな
る。
【0035】これらのことにより、この光ディスク1で
は、ピット部9の有無によって再生ビームが照射されて
金属膜7で反射した反射光の光強度を変化させ、透過部
10の有無によって再生ビームが照射されて透過部10
で反射した反射光の光強度を変化させると共に、再生ビ
ームが照射されて透過部10で透過した透過光の光強度
を変化させることから、これら光強度が変化された再生
ビームの反射光や透過光を3値化された情報信号として
情報の再生が行われる。
【0036】したがって、この光ディスク1では、記録
ビームにより形成されたピット部9が再生ビームを金属
膜7で反射させた反射光の光強度を変化させることで得
られるメイン情報に加えて、反射透過膜4に形成された
透過部10が再生ビームを透過して再生ビームの光強度
を変化させることで得られる情報も付加することがで
き、情報の記録容量を向上させることが可能となる。
【0037】この光ディスク1では、例えば情報信号に
応じてピット部だけを形成し、ピット部による光強度の
変化で得られる情報だけを再生させる従来の記録装置で
情報を記録させた場合、層内には情報信号に応じたピッ
ト部9だけが形成されることから、ピット部9に応じた
情報が記録される。また、この光ディスク1では、従来
の再生装置で情報を再生させた場合、透過部10による
光強度の変化を情報信号とする情報の再生が行われるこ
となく、ピット部9による光強度の変化を情報信号とす
る情報だけが再生される。
【0038】したがって、この光ディスク1では、従来
の記録装置や再生装置で情報の記録や再生を行っても、
情報信号に応じてピット部9だけが形成されてピット部
9に応じた情報だけが記録され、ピット部9に応じた情
報信号だけが読み出されてピット部9に応じた情報だけ
が再生されることから、従来の情報信号を提供する部位
としてピット部だけが形成された光記録媒体に対して互
換性を有することになる。
【0039】以上の説明において、付加的な情報とは、
例えば画像データに対する音声データ、音声データに対
するテキストデータ、画像データに対するその高品質化
の信号処理を行うために特化する特殊データ、複数の音
声データのうちの一種又は複数種に対する別アレンジ等
を施すために特化する特殊データ等であり、これらのデ
ータに限定されることはなく、例えばピット部9に基づ
くメインデータに対して付加される様々なデータのこと
である。
【0040】この光ディスク1においては、例えば基板
2と色素膜3との間に、図示しない中間層を介在させる
ことによって、基板2における一方主面の平滑性の向
上、基板2と色素膜3との接着性の向上、基板2の耐溶
剤性の向上、色素膜3及び反射透過膜4の変質の防止が
図られる。
【0041】中間層を形成する材料としては、例えばポ
リメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共
重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニ
ルアルコール、N−マチロールアクリルアミド、スチレ
ン・スルホン酸共重合体、スチレン・ビニルトルエン共
重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニロトセルロ
ース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエ
ステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合
体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質、シラ
ンカップリング剤等の有機物質、無機酸化物(Si
、Al等)、無機フッ化物(MgF 等)等
の無機物質等が挙げられ、これらのうちの一種又は複数
種を混合して用いる。
【0042】この中間層は、以上のような高分子物質、
有機物質、無機物質等を適当な溶剤等に溶解及び/又は
分散した塗布液にして基板2上に塗布されることで成膜
されることになる。また、この中間層においては、その
厚みを0.005μm〜20μm程度の範囲にさせるこ
とにより、上述した基板2と色素膜3との接着性の向上
等といった作用効果を適切に得ることができ、その厚み
を0.01μm〜10μm程度の範囲することにより上
述した作用効果が更に好適に得られる。
【0043】次に、上述した光ディスク1に対して情報
の記録を行う図2に示す記録装置20を参照にして詳細
に説明する。この記録装置20は、光ディスク1に記録
ビームを照射する光ピックアップ21と、光ピックアッ
プ21等が有する例えばアクチュエータ等のサーボ機構
を制御するサーボ部22と、光ディスク1を所定の線速
度で回転させるスピンドルモータ23と、光ディスク1
に記録する情報を情報信号として処理する情報処理部2
4と、使用者が各種の命令を入力する操作部25と、光
ピックアップ21、スピンドルモータ23、情報処理部
24等を制御する制御部26とを有している。
【0044】光ピックアップ21は、光ディスク1に対
して所定の波長を有するレーザ光等を記録ビームとして
出射可能な半導体レーザ等からなるビーム出射部や、光
ディスク1に対する情報の記録が適切にされているかを
確認するための光ビームを受光すると共に、受光した光
を電気信号に光電変換させる受光部や、ビーム出射部か
ら出射された記録ビームの光強度を変換させるビームド
ライバ部等を備えている。
【0045】この光ピックアップ21において、光ディ
スク1に情報を記録する際は、ビームドライバ部で光強
度を調整させた記録ビームを光ディスク1に照射してピ
ット部9や透過部10を形成させる。そして、これらピ
ット部9や透過部10が適切な位置に形成されているか
をビームドライバ部で光強度を記録ビームよりも弱く調
整させた光ビームを光ディスク1に照射して反射された
反射光を受光部が受光することで確認する。このように
して光ディスク1に情報を記録させる。
【0046】サーボ部22は、光ディスク1における色
素膜3や反射透過膜4に記録ビームを集光させるように
ビーム出射部が有するサーボ機構をフォーカス方向に制
御し、光ディスク1の記録トラック上に記録ビームが集
光されるようにビーム出射部のサーボ機構をトラッキン
グ方向に制御する。このサーボ部22は、光ディスク1
の一方主面とビーム出射部とを対向させた状態の光ピッ
クアップ21が有するサーボ機構を光ディスク1の径方
向に変位駆動させるように制御する。このサーボ部22
は、光ピックアップ21等から得られたサーボエラー信
号に基づいて各種サーボ機構の制御を行い、光ピックア
ップ21に対してシーク動作等の制御を行えるようにさ
れている。このサーボ部22は、光ディスク1が所定の
線速度で回転するようにスピンドルモータ23の回転速
度を制御する。
【0047】スピンドルモータ23は、光ディスク1が
装着されて制御部26からの制御信号に基づいて光ディ
スク1を所定の線速度で回転させるようにされている。
【0048】情報処理部24は、光ピックアップ21か
らの情報信号、電気信号等により、光ディスク1に対し
て反射透過膜4や透過部10の有無を判別すると共に、
判別した情報を信号化するSC(system controller)
等を備え、このSCによる情報信号を光ピックアップ2
1や制御部26等に出力する。この情報処理部24は、
例えば光ピックアップ21から得られた情報信号、電気
信号等を音声データや画像データ等のデジタル信号に変
換する等の信号処理を行うDSP(Digital Signal Pro
cessor)等を備え、電気信号のレベルに応じたデジタル
信号を制御部26や外部等に出力する。この情報処理部
24は、光ピックアップ21からの情報信号、電気信号
等で得られる各種サーボ機構のエラー情報をDSP等で
デジタル信号化されたサーボエラー信号にして制御部2
6等に出力する。この情報処理部24は、外部より入力
された音声データや画像データ等の情報信号がDSP等
で処理されて電気信号等として光ピックアップ21や制
御部26等に出力させる。
【0049】操作部25は、使用者が記録装置20の各
種動作を行うことができるようになっている。
【0050】制御部26は、例えばCPU(Central Pr
ocessing Unit)等であり、操作部25からの入力信号
に応じて外部より情報処理部24に入力された記録情報
を光ピックアップ21が光ディスク1に記録すること
や、サーボ部22が各種サーボ機構の制御を適切に行え
るようにさせること等、光ピックアップ21、サーボ部
22、情報処理部24等を制御する。
【0051】以上のような構成の記録装置20におい
て、図3に示すフローチャートを参照にして光ディスク
1に情報を記録させる場合について説明する。ステップ
S1−1でスピンドルモータ23に光ディスク1が装着
されると、光ピックアップ21は、ステップS1−2で
光ディスク1に対して光ビームを照射した反射光を受光
部で受光する等して光ディスク1のディスク・アイデン
ティフィケーション・メソッド、いわゆる予め記録媒体
に記録されているその記録媒体の素性を確認する。ここ
では、ディスク・アイデンティフィケーション・メソッ
ドとして光ディスク1に透過部10の形成が可能な反射
透過膜4の有無に関する記録情報を確認する。ステップ
S1−1では、スピンドルモータ23に光ディスク1が
装着されていないと判定された場合、ステップS1−3
でスピンドルモータ23に光ディスク1を装着させる。
【0052】そして、ステップS1−3では、光ピック
アップ21により得られた光ディスク1の素性の情報が
受光部で光電変換されて情報信号として情報処理部24
に出力される。情報処理部24に入力された情報信号
は、SC等により光ディスク1の素性の判別を行い、そ
の判別した情報信号を情報処理部24が制御部26に出
力する。また、情報処理部24には、外部等より光ディ
スク1に記録させるための情報信号が入力される。そし
て、この外部より入力された情報信号は、情報処理部2
4のDSP等で電気信号やデジタル信号等に変換されて
光ピックアップ21や制御部26等に出力される。
【0053】そして、ステップS1−4では、光ディス
ク1に情報を記録するか、従来の光記録媒体に情報を記
録するか決定する。ここでは、反射透過膜4を有する光
ディスク1に情報を記録すると決定された場合について
説明する。
【0054】ステップS1−5では、制御部26が情報
処理部24からの光ディスク1の素性を判別した情報信
号や光ディスク1に記録させるための情報信号に基づ
き、光ディスク1の素性に合わせた記録ビームの光強
度、記録ビームを光ディスク1に照射する際の焦点距
離、光ディスク1の回転速度等、各種パラメータの設定
を行い、これら設定した情報を制御信号として光ピック
アップ21、サーボ部22、情報処理部24等に出力す
る。ステップS1−6では、外部等より入力された光デ
ィスク1に記録させるための情報信号の確認を情報処理
部24で行うと共に、この光ディスク1に記録させる情
報信号が情報処理部24から光ピックアップ21に出力
される。また、ステップS1−6では、制御部26から
の制御信号や、情報処理部24からの情報信号を光ピッ
クアップ21やサーボ部22に出力し、光ピックアップ
21のビームドライバを制御させると共に、情報信号に
応じてサーボ部22が光ピックアップ21のサーボ機構
や、スピンドルモータ23を制御させることで、光ピッ
クアップ21が記録ビームを光ディスク1に照射させる
位置の確認も行われる。
【0055】そして、ステップS1−6おいては、記録
させる情報の確認や記録ビームの照射位置などの確認が
なされた後に、光ピックアップ21が光ディスク1に記
録ビームを照射させることで光ディスク1に情報を記録
する。具体的に、光ピックアップ21は、制御部26か
らの制御信号や情報処理部24からの情報信号に応じて
ビーム照射部が光強度を調整した記録ビームを出射し、
この記録ビームを基板2側から光ディスク1に照射させ
る。そして、サーボ部22は、制御部26から送られた
制御信号に応じて、光ピックアップ21のサーボ機構を
フォーカス方向及びトラッキング方向に制御させる。こ
れにより、光ディスク1に照射された記録ビームは、色
素膜3や反射透過膜4に集光されると共に、光ディスク
1の記録トラック上に集光されることになる。また、サ
ーボ部22は、制御部26から送られた制御信号に応じ
て、光ピックアップ21を光ディスク1の径方向に変位
駆動させると共に、スピンドルモータ23を回転させ
る。これにより、光ピックアップ21は、記録ビームを
光ディスク1の記録トラックに沿って適切に照射させて
いくことになる。
【0056】このようにして記録ビームを光ディスク1
に照射させる光ピックアップ21では、制御部26から
の制御信号や情報処理部24からの記録情報に応じて記
録ビームを光ディスク1の色素膜3に照射させること
で、記録ビームにより色素膜3に縮爆を起させ、基板2
の表面の縮爆が起こった位置に、基板2を色素膜3側に
膨張変形させたピット部9を形成させる。また、記録装
置20では、情報処理部24から送られた記録情報に応
じて記録ビームを光ディスク1の反射透過膜4に照射さ
せることで、反射透過膜4の記録ビーム等が照射された
位置に、光透過率が高められた透過部10を形成させ
る。
【0057】そして、ステップS1−7では、ピット部
9や透過部10が適切な位置に形成されているか確認す
るために、光ピックアップ21が光ディスク1に記録さ
れた情報を読み出す。具体的に、光ピックアップ21
は、ビーム出射部からビームドライバ部で記録ビームよ
りも光強度が弱く調整された光ビームを出射し、光ディ
スク1の基板2側から記録トラックに沿って照射した際
の反射光を受光部で受光することでピット部9や透過部
10の形成位置を確認し、電気信号として情報処理部2
4に出力する。
【0058】ステップS1−8では、ステップS1−7
で得られたピット部9や透過部10の形成位置の情報に
基づいて情報処理部24がピット部9や透過部10が適
切な位置に形成されて光ディスク1に情報が正確に記録
されているか否かをDSP等で判定する。そして、ステ
ップS1−10で判定された情報を制御部26に出力す
る。
【0059】ステップS1−8で光ディスク1に情報が
正確に記録されていると判断された場合、ステップ1−
9で使用者が光ディスク1を記録装置20から取り出す
か否か判断する。一方、ステップS1−8で光ディスク
1に情報が正確に記録されていないと判断された場合、
制御部26はステップS1−6〜ステップS1−8を繰
り返させる。
【0060】そして、ステップS1−9で使用者が光デ
ィスク1を記録装置20から取り出すと判断した場合、
S1−10で使用者が操作部25を操作して光ディスク
1を記録装置20から取り出して終了する。一方、ステ
ップS1−9で使用者が光ディスク1を記録装置20か
ら取り出さないと判断した場合、光ディスク1は記録装
置20に保持される。
【0061】このようにして記録装置20では、記録情
報に応じて記録ビームが色素膜3や反射透過膜4に照射
されてピット部9や、ピット部9に重畳するように透過
部10を光ディスク1に形成させることから、光ディス
ク1にピット部9に応じたメイン情報に加えて、透過部
10に応じた付加的な情報も記録させることができる。
したがって、この記録装置20では、従来のピット部9
に応じた情報に加え、ピット部9に重畳するように形成
された透過部10に応じた情報を付加的に記録させるこ
とから、光ディスク1に透過部10の分だけ記録容量を
向上させて情報を記録することができる。
【0062】以上では、記録装置20が透過部10を形
成できる光ディスク1に情報を記録させる場合を例に挙
げて説明している。しかしながら、記録装置20は、光
ディスク1に対して情報を記録させることに限定される
ことはなく、例えば従来の情報を一度だけ記録可能なC
D−R(Compact Disk-Recordable)やDVD−R(Dig
ital Versatile Disk-Recordable)等といった光記録媒
体に情報を記録させることにも適用可能である。
【0063】ここで、従来のCD−Rに情報を記録させ
る場合について、図3を参照にして説明する。従来のC
D−Rに情報を記録させる場合も、ステップS1−1〜
ステップS1−4までは、上述した光ディスク1に情報
を記録させる場合と同様の動作が行われる。
【0064】そして、ステップS1−4では、光ディス
ク1に情報を記録するか、従来の光記録媒体に情報を記
録するを決定する。ここでは、S1−2で装着された記
録媒体が光ディスク1ではなく従来のCD−Rと判別さ
れたことで、反射透過膜4がないCD−Rに情報を記録
する場合について説明する。
【0065】ステップS1−5では、光ディスク1に記
録を行う場合と同様に、制御部26が情報処理部24か
らのCD−Rの素性を判別した情報信号やCD−Rに記
録させるための情報信号に基づき、CD−Rの素性に合
わせた記録ビームの光強度、記録ビームをCD−Rに照
射する際の焦点距離、CD−Rの回転速度等、各種パラ
メータの設定を行い、これら設定した情報を制御信号と
して光ピックアップ21、サーボ部22、情報処理部2
4等に出力する。
【0066】ステップS1−6では、記録させる情報の
確認や記録ビームの照射位置などの確認がなされた後
に、光ピックアップ21がCD−Rに記録ビームを照射
させることでCD−Rに情報を記録する。具体的に、光
ピックアップ21では、制御部26からの制御信号や情
報処理部24からの情報信号に応じてビーム照射部が光
強度を調整した記録ビームを出射し、この記録ビームを
基板側からCD−Rに照射させる。そして、サーボ部2
2は、制御部26から送られた制御信号に応じて、光ピ
ックアップ21のサーボ機構をフォーカス方向及びトラ
ッキング方向に制御させる。これにより、CD−Rに照
射された記録ビームは、色素膜に集光されると共に、C
D−Rの記録トラック上に集光されることになる。ま
た、サーボ部22は、制御部26から送られた制御信号
に応じて、光ピックアップ21をCD−Rの径方向に変
位駆動させると共に、スピンドルモータ23を回転させ
る。これにより、光ピックアップ21は、記録ビームを
CD−Rの記録トラックにそって適切に照射させていく
ことになる。
【0067】このようにして光ピックアップ21では、
制御部26からの制御信号や情報処理部24からの情報
情報に応じて記録ビームをCD−Rの色素膜に照射させ
ることで、記録ビームにより色素膜に縮爆を起させ、基
板の表面の縮爆が起こった位置に、基板を色素膜側に膨
張変形させたピット部だけを形成させる。
【0068】そして、ステップS1−7では、光ディス
ク1に記録させる場合と同様に、ピット部が適切な位置
に形成されているか確認するために、光ピックアップ2
1がCD−Rに記録された情報を読み出す。具体的に、
光ピックアップ21は、ビーム出射部からビームドライ
バ部で記録ビームよりも光強度が弱く調整された光ビー
ムを出射し、CD−Rの基板側から記録トラックに沿っ
て照射した際の反射光を受光部で受光することでピット
部の形成位置を確認し、電気信号として情報処理部24
に出力する。
【0069】ステップS1−8では、ステップS1−7
で得られたピット部の形成位置の情報に基づいて情報処
理部24が適切な位置にピット部が形成されてCD−R
に情報が正確に記録されているか否かをDSP等で判定
する。そして、ステップS1−8で判定された情報を制
御部26に出力する。
【0070】ステップS1−8でCD−Rに情報が正確
に記録されていると判断された場合、上述した光ディス
ク1に情報を記録する場合と同様に、ステップ1−9で
使用者が記録媒体を記録装置20から取り出すか否か判
断する。一方、ステップS1−8でCD−Rに情報が正
確に記録されていないと判断された場合、制御部26は
ステップS1−6〜ステップS1−8を繰り返させる。
そして、従来のCD−Rに情報を記録させる場合、ステ
ップS1−9以降は上述した光ディスク1に情報を記録
する場合と同様の動作が行われて終了する。
【0071】以上のように、この記録装置20では、例
えば光記録媒体が反射透過膜4の無いCD−Rと判別さ
れても、記録情報に応じて記録ビームが色素膜に照射さ
れてピット部をCD−Rに形成させることから、従来の
光記録媒体とするCD−Rにもピット部に応じた情報を
適切に、しかも容易に記録させることができる。
【0072】次に、上述した光ディスク1から情報の再
生を行う図4に示す再生装置30を参照にして詳細に説
明する。この再生装置30は、光ディスク1に再生ビー
ムを照射する光ピックアップ31と、光ピックアップ3
1等が有する例えばアクチュエータ等のサーボ機構を制
御するサーボ部32と、光ディスク1を所定の線速度で
回転させるスピンドルモータ33と、光ディスク1から
再生される情報を情報信号として処理する情報処理部3
4と、使用者が各種の命令を入力する操作部35と、光
ピックアップ31、スピンドルモータ33、情報処理部
34等を制御する制御部36とを有している。
【0073】光ピックアップ31は、光ディスク1に対
して所定の波長を有するレーザ光等を再生ビームとして
出射可能な半導体レーザ等からなるビーム出射部や、ビ
ーム出射部から出射された再生ビームの光強度を調整さ
せるビームドライバ部や、光ディスク1に照射された再
生ビームが反射された際の反射光を受光すると共に、受
光した反射光を電気信号に光電変換する受光部等を備え
ている。なお、ビームドライバ部は、一般的に、再生ビ
ームを上述した記録装置20における記録ビームよりも
光強度を弱くするように調整する。この光ピックアップ
31において、光ディスク1から情報を読み出す際は、
ビームドライバ部によって光強度が調整された再生ビー
ムを光ディスク1に照射し、この再生ビームを光ディス
ク1に照射した際の反射光を受光部が受光することにな
る。
【0074】サーボ部32は、光ディスク1における反
射透過膜4や透過部10に再生ビームを集光させるよう
にビーム出射部が有するサーボ機構をフォーカス方向に
制御し、光ディスク1の記録トラック上に再生ビームが
集光されるようにビーム出射部のサーボ機構をトラッキ
ング方向に制御する。このサーボ部32は、再生ビーム
が光ディスク1で反射された反射光を光ピックアップ3
1の受光部が適切に受光できるように、光ピックアップ
31の受光部が有するサーボ機構を光ディスク1に対す
るフォーカス方向及びトラッキング方向に制御する。
【0075】また、このサーボ部32は、光ディスク1
の一方主面とビーム出射部とを対向させた状態の光ピッ
クアップ31が有するサーボ機構を光ディスク1の径方
向に変位駆動させるように制御する。このサーボ部32
は、光ピックアップ31等から得られたサーボエラー信
号に基づいて各種サーボ機構の制御を行い、光ピックア
ップ31に対してシーク動作等の制御を行えるようにさ
れている。このサーボ部32は、光ディスク1が所定の
線速度で回転するようにスピンドルモータ33の回転速
度を制御する。
【0076】スピンドルモータ33は、光ディスク1が
装着されて制御部36からの制御信号に基づいて光ディ
スク1を所定の線速度で回転させるようにされている。
【0077】情報処理部34は、光ピックアップ31か
らの情報信号、電気信号等により、光ディスク1に対し
て透過部10の有無を判別すると共に、判別した情報を
信号化するSC等を備え、このSCによる情報信号を光
ピックアップ31や制御部36等に出力する。この情報
処理部34は、例えば光ピックアップ31から得られた
情報信号、電気信号等を音声データや画像データ等のデ
ジタル信号に変換する等の信号処理を行うDSP等を備
え、電気信号のレベルに応じたデジタル信号を制御部3
6等に出力する。この情報処理部34は、光ピックアッ
プ31からの情報信号、電気信号等で得られる各種サー
ボ機構のエラーをDSP等でデジタル信号化されたサー
ボエラー信号にして制御部36等に出力する。この情報
処理部34は、DSP等で変換した音声データや画像デ
ーが等のデジタル信号を外部機器等に出力させる。
【0078】操作部35は、使用者が再生装置30の各
種動作を行うことができるようになっている。
【0079】制御部36は、例えばCPU等であり、操
作部35からの入力信号に応じて光ディスク1に記録さ
れた情報を光ピックアップ31が読み出させて情報処理
部34を介して外部に出力させることや、サーボ部32
が各種サーボ機構の制御を適切に行えるようにさせるこ
と等、光ピックアップ31、サーボ部32、情報処理部
34等を制御する。
【0080】次に、この再生装置30において、図5に
示すフローチャートを参照にして光ディスク1から情報
を再生させる場合について説明する。ステップS2−1
でスピンドルモータ33に光ディスク1が装着される
と、光ピックアップ31は、ステップS2−2で光ディ
スク1に対して光ビームを照射した反射光を受光部で受
光する等して光ディスク1のディスク・アイデンティフ
ィケーション・メソッドを確認する。ここでは、ディス
ク・アイデンティフィケーション・メソッドとして光デ
ィスク1にピット部9に重畳されるように形成された透
過部10の有無の記録情報を確認する。ステップS2−
1では、スピンドルモータ33に光ディスク1が装着さ
れていないと判定された場合、ステップS2−3でスピ
ンドルモータ33に光ディスク1を装着させる。ここで
は、透過部10を有する光ディスク1から情報を再生す
る場合について説明する。
【0081】そして、ステップS2−3では、光ピック
アップ31より得られた光ディスク1の素性の情報が受
光部で光電変換されて情報信号として情報処理部34に
出力される。情報処理部34に入力された情報信号は、
SC等により光ディスク1の素性の判別を行い、その判
別した情報信号を情報処理部34が制御部36に出力す
る。
【0082】ステップS2−4では、制御部36が情報
処理部34からの光ディスク1の素性を判別した情報信
号に基づき、光ディスク1の素性に合わせた再生ビーム
の光強度、再生ビームを光ディスク1に照射する際の焦
点距離、光ディスク1の回転速度等、各種パラメータの
設定を行い、これら設定した情報を制御信号として光ピ
ックアップ31、サーボ部32、情報処理部34等に出
力する。
【0083】そして、ステップS2−5では、光ディス
ク1から情報を再生するか、再生しないかを判断する。
ステップS2−5で光ディスク1から情報を再生すると
判断した場合、ステップS2−6では、光ピックアップ
31が制御部36からの制御信号に応じて、光ディスク
1に再生ビームを照射させ、再生ビームを光ディスク1
に照射させた際の反射光を受光部が受光することで光デ
ィスク1から情報を読み出し、読み出した情報を情報処
理部34等に出力することになる。一方、ステップS2
−5で光ディスク1から情報を再生しないと判断した場
合、後述するS2−9の光ディスク1を再生装置30か
ら取り出すか否かを判断する動作に進むことになる。
【0084】このステップS2−6における光ピックア
ップ31の動作は、制御部36から送られた制御信号に
応じてサーボ部32が、光ピックアップ31を光ディス
ク1の径方向に変位駆動させると共に、スピンドルモー
タ33を回転させるように制御される。これにより、光
ピックアップ31は、ビーム出射部が再生ビームを光デ
ィスク1の記録トラックに沿って適切に照射させると共
に、光ディスク1で反射された再生ビームの反射光を受
光部で適切に受光させることになる。
【0085】具体的に、ステップS2−6では、光ピッ
クアップ31が制御部36からの制御信号によりビーム
照射部から再生ビームを出射させ、この再生ビームを基
板2側から光ディスク1の記録トラックに沿って照射さ
せる。この光ディスク1に照射された再生ビームは、透
過反射膜4で反射されて反射光となる。また、再生ビー
ムは、ピット部9で散乱されると共に透過反射膜4で反
射されて反射光となる。また、再生ビームは、ピット部
9に重畳されるように形成された透過部10で透過され
ると共に反射されて反射光となる。そして、光ピックア
ップ31は、これら3種類の反射光を受光部で受光し、
受光した反射光を光電変換させて光ディスク1から読み
出した情報として情報処理部34に出力することにな
る。
【0086】そして、ステップS2−7では、情報処理
部34が光ピックアップ31からの受光部で受光した反
射光の情報に基づいてDSPで光ディスク1に記録され
た情報の確認が行われると共に、デジタル化されて外部
に出力される。ステップS2−7においては、光ディス
ク1に記録されている情報の確認を行う際は、例えば光
ピックアップ31が受光部で受光した反射光の光強度に
関する情報等によって行われる。
【0087】具体的に、ステップS2−7では、受光部
で受光した反射光の光強度について予め二つのしきい値
Rth1,Rth2(Rth1<Rth2)等を設定す
ることにより確認する。反射光の光強度がしきい値Rt
h2以上の場合は、再生ビームが単に透過反射膜4で反
射された場合であり、反射光の光強度が最も強く、この
反射光はピット部9が無い位置で得られたと確認され
る。反射光の光強度がしきい値Rth2より小さく、し
きい値Rth1以上の場合は、再生ビームがピット部9
で散乱された後に反射透過膜4で反射された場合であ
り、反射光の光強度が上述したしきい値間の強さにな
り、この反射光はピット部9の有る位置で得られたと確
認される。反射光の光強度がしきい値Rth1よりも小
さい場合は、再生ビームが透過部10で透過されると共
に反射された場合であり、反射光の光強度が最も弱く、
この反射光はピット部9に重畳されるように形成された
透過部10の有る位置で得られたと確認される。
【0088】このようにして、ステップS2−7では、
情報処理部34が光ピックアップ31からの受光部で受
光した反射光の光強度によるピット部9位置及び透過部
10位置の情報により光ディスク1に記録されている情
報が3値であることが確認されると共に、DSP等でデ
ジタル信号化された3値の記録情報を外部に出力する。
特に、これら3値の情報のうち、透過部10で反射した
反射光に基づく情報は、例えば従来の光記録媒体の構成
にはない透過部10での反射光による情報信号であるこ
とから、付加的な情報として確認される。
【0089】そして、ステップS2−8では、3値化さ
れたデジタル信号を、以下に説明する再生機構等により
例えば音声、画像等として再生させる。具体的に、ステ
ップS2−8では、外部に出力された3値のデジタル信
号が例えば再生用クロック等を有する外部機器に送られ
ることで、高密度音声又は画像データ用の復号が施され
て3値のデジタル化された音声信号又は画像信号とな
る。
【0090】そして、ステップS2−8では、この3値
化されたデジタル音声又はデジタル画像信号は、例えば
D/A(Digital-to-Analog)変換機構等を有する機器
等に送られ、再び3値のアナログ音声又はアナログ画像
信号に変換される。これらのうち、3値のアナログ音声
信号は、例えばスピーカ等に出力されることで付加的な
情報を有する音声データとして再生され、3値のアナロ
グ画像信号は、例えばLCD(liquid crystal displa
y)等に出力されて付加的な情報を有する画像データと
して再生される。なお、ステップS2−8においては、
3値化されたデジタル音声又はデジタル画像信号を例え
ば光記録媒体以外のDRAM(Dynamic Random Access
Memory)やRAM(Random Access Memory)等といった
半導体メモリチップ等の記録媒体に記録させた後に、3
値のアナログ音声又はアナログ画像信号に変換させ、そ
れぞれ音声データや画像データとして再生させることも
可能である。
【0091】ステップS2−9で光ディスク1から情報
の再生が終了、若しくは使用者が操作部35を操作して
強制的に光ディスク1からの情報の再生を終了させる
と、ステップ2−10では、使用者が光ディスク1を再
生装置30から取り出すか否か判断する。
【0092】そして、ステップS2−10で使用者が光
ディスク1を再生装置30から取り出すと判断した場
合、S2−11で使用者が操作部35を操作して光ディ
スク1を再生装置30から取り出して終了する。一方、
ステップS2−10で使用者が光ディスク1を再生装置
30から取り出さないと判断した場合、光ディスク1は
再生装置30に保持される。
【0093】このようにして再生装置30では、ピット
部9や、ピット部9に重畳するように形成された透過部
10に応じた情報を光ディスク1から3値で読み出すこ
とから、再生ビームを反射した反射光の光強度の強弱に
応じたメイン情報に加え、透過部10が再生ビームを反
射した反射光の光強度の変化に応じた付加的な情報を光
ディスク1から再生することができる。
【0094】以上では、再生装置30が透過部10を有
する光ディスク1から情報を再生させる場合を例に挙げ
て説明している。しかしながら、この再生装置30は、
光ディスク1から情報を再生させることに限定されるこ
とはなく、例えば従来の情報を一度だけ記録可能なCD
−RやDVD−R等といった光記録媒体から情報を再生
させることにも適用可能である。
【0095】ここで、従来のCD−Rから情報を再生さ
せる場合について、図5を参照にして説明する。なお、
従来のCD−Rから情報を再生させる場合において、上
述した光ディスク1から情報を再生させる場合と同様の
動作をするステップの説明は省略する。
【0096】従来のCD−Rから情報を再生させる場合
も、ステップS2−1〜ステップS2−4までは、上述
した光ディスク1から情報を再生させる場合と同様の動
作が行われる。
【0097】そして、ステップS2−5では、CD−R
から情報を再生するか否か判断する。ここでは、S2−
2で装着された光記録媒体が光ディスク1ではなく従来
のCD−Rと判別されたことで、透過部10がないCD
−Rから情報を再生する場合について説明する。
【0098】ステップS2−5でCD−Rから情報を再
生すると判断した場合、ステップS2−6では、光ピッ
クアップ31が制御部36からの制御信号に応じて、C
D−Rに再生ビームを照射させ、再生ビームをCD−R
に照射に照射させた際の反射光を受光部が受光すること
でCD−Rから情報を読み出し、読み出した情報を情報
処理部34等に出力することになる。一方、ステップS
2−5でCD−Rから情報を再生しないと判断した場
合、S2−9のCD−Rを再生装置30から取り出すか
否かを判断する動作に進むことになる。
【0099】このステップS2−6における光ピックア
ップ31は、上述した光ディスク1から情報を再生させ
る場合と同じように動作することで、ビーム出射部が再
生ビームをCD−Rの記録トラックに沿って適切に照射
させると共に、CD−Rで反射された再生ビームの反射
光を受光部で適切に受光させることになる。
【0100】具体的に、ステップS2−6では、光ピッ
クアップ31が制御部36からの制御信号によりビーム
照射部から再生ビームを出射させ、この再生ビームを基
板側からCD−Rの記録トラックに沿って照射させる。
このCD−Rに照射された再生ビームは、透過反射膜4
で反射されて反射光となる。また、再生ビームは、ピッ
ト部9で散乱されると共に透過反射膜4で反射されて反
射光となる。そして、光ピックアップ31は、これら2
種類の反射光を受光部で受光し、受光した反射光を光電
変換させてCD−Rから読み出した情報として情報処理
部34に出力することになる。
【0101】そして、ステップS2−7では、情報処理
部34が光ピックアップ31からの受光部で受光した反
射光の情報に基づいてDSPでCD−Rに記録された情
報の確認が行われると共に、デジタル化されて外部に出
力される。ステップS2−7においては、上述した光デ
ィスク1から情報を再生させる場合と同様に、CD−R
に記録されている情報の確認を行う際は、例えば光ピッ
クアップ31が受光部で受光した反射光の光強度に関す
る情報等によって行われる。
【0102】具体的に、ステップS2−7では、受光部
で受光した反射光の光強度について予めしきい値Rth
を設定することにより確認する。反射光の光強度がしき
い値Rth以上の場合は、再生ビームが単に反射膜で反
射された場合であり、反射光の光強度がしきい値Rth
を境にして強く、この反射光はピット部が無い位置で得
られたと確認される。反射光の光強度がしきい値Rth
よりも小さい場合は、再生ビームがピット部で散乱され
た後に反射膜で反射された場合であり、反射光の光強度
がしきい値Rthを境にして弱く、この反射光はピット
部がある位置で得られたと確認される。
【0103】このようにして、ステップS2−7では、
情報処理部34が光ピックアップ31からの受光部で受
光した反射光によるピット部位置の情報によりCD−R
に記録されている情報が2値であることが確認されると
共に、DSP等でデジタル信号化された2値の情報信号
を外部に出力する。
【0104】そして、従来のCD−Rから情報を再生さ
せる場合、ステップS2−8以降は上述した光ディスク
1から情報を再生する場合と同様の動作が行われて終了
する。
【0105】以上のように、この再生装置30では、例
えば光記録媒体をステップS2−2で透過部10の無い
CD−Rと判別しても、従来の光記録媒体とするCD−
Rに記録されているピット部に応じた情報を適切に、し
かも容易に再生させることができる。
【0106】以上で説明した記録装置20及び再生装置
30は、例えば光ピックアップ21,31におけるビー
ム出射部や受光部やビームドライバ部、サーボ部22,
32、スピンドルモータ23,33、情報処理部24,
34、操作部25,35、制御部26,36等を併用さ
せることにより、記録及び/又は再生装置として一体化
させることも可能である。これにより、記録装置20及
び再生装置30を一体化させた記録及び/又は再生装置
では、一つの装置で光ディスク1及び従来の光記録媒体
等に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能
な、多用途な装置となる。
【0107】以上で説明した実施の形態においては、光
ピックアップ31に光ディスク1からの反射光を受光す
る受光部を一つ備える再生装置30を例に挙げて説明し
たが、本発明はこのことに限定されるものではなく、例
えば図6に示す構造の再生装置40であっても、光ディ
スク1から再生装置30と同様の情報の再生を行うこと
ができる。なお、再生装置40おいて、上述した再生装
置30と同等な構成、部位についての説明は省略する。
【0108】この再生装置40は、光ディスク1に再生
ビームを照射する第1の光ピックアップ41と、光ピッ
クアップ41から出射された再生ビームを受光する受光
部が備わる第2の光ピックアップ42と、これら複数の
光ピックアップ41,42等が有する例えばアクチュエ
ータ等のサーボ機構を制御するサーボ部43と、光ディ
スク1を所定の線速度で回転させるスピンドルモータ4
4と、光ディスク1から再生される情報を情報信号とし
て処理する情報処理部45と、使用者が各種の命令を入
力する操作部46と、複数の光ピックアップ41,4
2、スピンドルモータ44、情報処理部45等を制御す
る制御部47とを有している。
【0109】第1の光ピックアップ41は、光ディスク
1に対して所定の波長を有するレーザ光等を再生ビーム
として出射可能な半導体レーザ等からなるビーム出射部
や、ビーム出射部から出射された再生ビームの光強度を
調整させるビームドライバ部や、光ディスク1に照射さ
れた再生ビームが反射された際の反射光を受光すると共
に、受光した反射光を電気信号に光電変換する第1の受
光部等を備えている。なお、ビームドライバ部は、一般
的に、再生ビームを上述した記録装置20における記録
ビームよりも光強度を弱くするように調整する。
【0110】第2の光ピックアップ42は、第1の光ピ
ックアップ41から出射された再生ビームが光ディスク
1に照射されて透過された際の透過光を受光すると共
に、受光した透過光を電気信号に光電変換する第2の受
光部等を備えている。この第2の光ピックアップ42
は、透過光を第2の受光部が適切に受光できるように、
第1の光ピックアップ41と相対する位置に光ディスク
1を間に介して配置されている。
【0111】これら複数の光ピックアップ41,42に
おいて、光ディスク1から情報を読み出す際は、第1の
光ピックアップ41がビームドライバ部によって光強度
が調整された再生ビームを光ディスク1に照射し、この
再生ビームを光ディスク1に照射した際の反射光を第1
の受光部で受光すると共に、第2の光ピックアップが再
生ビームを光ディスク1に照射した際の透過光を第2の
受光部で受光することになる。
【0112】サーボ部43は、光ディスク1における反
射透過膜4や透過部10に再生ビームを集光させるよう
に第1の光ピックアップ41のビーム出射部が有するサ
ーボ機構をフォーカス方向に制御し、光ディスク1の記
録トラック上に再生ビームが集光されるようにビーム出
射部のサーボ機構をトラッキング方向に制御する。この
サーボ部43は、再生ビームが光ディスク1で反射され
た反射光を第1の光ピックアップ41の第1の受光部が
適切に受光できるように、第1の光ピックアップ41の
第1の受光部が有するサーボ機構を光ディスク1に対す
るフォーカス方向及びトラッキング方向に制御する。こ
のサーボ部43は、再生ビームが光ディスク1で透過さ
れた透過光を第2の光ピックアップ42の第2の受光部
が適切に受光できるように、第2の光ピックアップ42
の第2の受光部が有するサーボ機構を光ディスク1に対
するフォーカス方向及びトラッキング方向に制御する。
【0113】また、このサーボ部43は、光ディスク1
の一方主面とビーム出射部とを対向させた状態の第1の
光ピックアップ41が有するサーボ機構を光ディスク1
の径方向に変位駆動させるように制御すると共に、第2
の光ピックアップ42が第1の光ピックアップに連動し
て光ディスク1の径方向に変位駆動させるように第2の
光ピックアップ42が有するサーボ機構を制御する。こ
のサーボ部43は、複数の光ピックアップ41,42そ
れぞれから得られたサーボエラー信号に基づいて各種サ
ーボ機構の制御を行い、複数の光ピックアップ41,4
2に対し、それぞれシーク動作等の制御を行えるように
されている。このサーボ部43は、光ディスク1が所定
の線速度で回転するようにスピンドルモータ44の回転
速度を制御する。
【0114】スピンドルモータ44は、光ディスク1が
装着されて制御部47からの制御信号に基づいて光ディ
スク1を所定の線速度で回転させるようにされている。
【0115】情報処理部45は、第1の光ピックアップ
41及び/又は第2の光ピックアップ42からの情報信
号、電気信号等により、光ディスク1に対して透過部1
0の有無を判別すると共に、判別した情報を信号化する
SC等を備え、このSCによる情報信号を複数の光ピッ
クアップ41,42や制御部47等に出力する。この情
報処理部45は、例えば複数の光ピックアップ41,4
2から得られた情報信号、電気信号等を音声データや画
像データ等のデジタル信号に変換する等の信号処理を行
うDSP等を備え、電気信号のレベルに応じたデジタル
信号を制御部47や外部等に出力する。この情報処理部
45は、複数の光ピックアップ41,42からの情報信
号、電気信号等で得られる各種サーボ機構のエラーをD
SP等でデジタル信号化されたサーボエラー信号にして
制御部47等に出力する。
【0116】操作部46は、使用者が再生装置40の各
種動作を行うことができるようになっている。
【0117】制御部47は、例えばCPU等であり、操
作部46からの入力信号に応じて光ディスク1に記録さ
れた情報を複数の光ピックアップ41,42が読み出さ
せて情報処理部45を介して外部に出力させることや、
サーボ部43が各種サーボ機構の制御を適切に行えるよ
うにさせること等、複数の光ピックアップ41,42、
サーボ部43、情報処理部45等を制御する。
【0118】次に、この再生装置40において、光ディ
スク1に記録された情報を再生させる場合について、図
5を参照にして説明する。この再生装置40も、基本的
に、上述した再生装置30と同様の動作によって光ディ
スク1に記録された情報を再生させる。なお、再生装置
40で光ディスク1から情報を再生させる場合におい
て、上述した再生装置30で光ディスク1から情報を再
生させる場合と同様の動作をするステップについての説
明は省略する。
【0119】再生装置40で光ディスク1から情報を再
生させる場合、ステップS2−1〜ステップS2−3で
は、上述した再生装置30で光ディスク1から情報を再
生させる場合と同様の動作が行われる。
【0120】ステップS2−4では、制御部47が情報
処理部45からの光ディスク1の素性を判別した情報信
号に基づき、光ディスク1の素性に合わせた再生ビーム
の光強度、再生ビームを光ディスク1に照射する際の焦
点距離、光ディスク1の回転速度等、各種パラメータの
設定を行い、これら設定した情報を制御信号としてそれ
ぞれの光ピックアップ41,42、サーボ部43、情報
処理部45等に出力する。
【0121】そして、ステップS2−5では、光ディス
ク1から情報を再生するか、再生しないかを判断する。
ステップS2−5で光ディスク1から情報を再生すると
判断した場合、ステップS2−6では、第1の光ピック
アップ41が制御部47からの制御信号に応じて、光デ
ィスク1に再生ビームを照射させ、再生ビームを光ディ
スク1に照射させた際の反射光を第1の光ピックアップ
41の受光部が受光するか、再生ビームを光ディスク1
に照射させた際の透過光を第2の光ピックアップ42の
受光部が受光することで光ディスク1から情報を読み出
し、読み出した情報を情報処理部45等に出力すること
になる。一方、ステップS2−5で光ディスク1から情
報を再生しないと判断した場合、S2−9の光ディスク
1を再生装置40から取り出すか否かを判断する動作に
進むことになる。
【0122】このステップS2−6における第1の光ピ
ックアップ41は、上述した再生装置30における光ピ
ックアップ31と同じような動作をすることで、ビーム
出射部が再生ビームを光ディスク1の記録トラックに沿
って適切に照射させると共に、光ディスク1で反射され
た再生ビームの反射光を第1の受光部で適切に受光させ
ることになる。また、ステップS2−6における第2の
光ピックアップ42は、制御部47により送られた制御
信号により、第1の光ピックアップ41より光ディスク
1に再生ビームが照射されて、光ディスク1の透過部1
0で再生ビームが透過した透過光を第2の受光部で適切
に受光することになる。
【0123】具体的に、ステップS2−6では、第1の
光ピックアップ41が制御部47からの制御信号により
ビーム照射部から再生ビームを出射させ、この再生ビー
ムを基板2側から光ディスク1の記録トラックに沿って
照射させる。この光ディスク1に照射された再生ビーム
は、透過反射膜4で反射されて反射光となる。この光デ
ィスク1に照射された再生ビームは、透過反射膜4で反
射されて反射光となる。また、再生ビームは、ピット部
9で散乱されると共に透過反射膜4で反射されて反射光
となる。また、再生ビームは、ピット部9に重畳される
ように形成された透過部10で透過されて透過光とな
る。
【0124】そして、第1の光ピックアップ41は、光
ディスク1で反射された2種類の反射光を第1の受光部
で受光し、受光した反射光を光電変換させて光ディスク
1から読み出した情報として情報処理部45に出力する
ことになる。また、第2の光ピックアップ42は、光デ
ィスク1を透過した透過光を第2の受光部で受光し、受
光した反射光を光電変換させて光ディスク1から読み出
した情報として情報処理部45に出力することになる。
【0125】そして、ステップS2−7では、情報処理
部45が複数の光ピックアップ41,42の受光部がそ
れぞれ受光した反射光及び透過光の情報に基づいてDS
Pで光ディスク1に記録された情報の確認が行われると
共に、デジタル化されて外部に出力される。ステップS
2−7においては、上述した再生装置30で光ディスク
1から情報を再生させる場合と同様に、光ディスク1に
記録されている情報の確認を行う際は、例えば複数の光
ピックアップ41,42がそれぞれの受光部で受光した
反射光及び透過光の光強度に関する情報等によって行わ
れる。
【0126】具体的に、ステップS2−7では、第1の
光ピックアップ41における第1の受光部で受光した反
射光の光強度について予めしきい値Rthを設定するこ
とにより確認する。反射光の光強度がしきい値Rth以
上の場合は、再生ビームが単に反射透過膜4で反射され
た場合であり、反射光の光強度はしきい値Rthを境に
して強く、この反射光はピット部9が無い位置で得られ
たと確認される。反射光の光強度がしきい値Rthより
も小さい場合は、再生ビームがピット部9で散乱された
後に反射透過膜4で反射された場合であり、反射光の光
強度はしきい値Rthを境にして弱く、この反射光はピ
ット部9が有る位置で得られたと確認される。
【0127】また、ステップS2−7では、第2の光ピ
ックアップ42における第2の受光部で受光した透過光
の光強度について予めしきい値Tthを設定することに
より確認する。透過光の光強度がしきい値Tth以上の
場合は、再生ビームが適切に透過部10で透過された場
合であり、透過光の光強度はしきい値Tthを境にして
強く、この透過光はピット部9に重畳されるように形成
された透過部10の有る位置で得られたと確認される。
透過光の光強度がしきい値Tthよりも小さい場合は、
再生ビームが透過部10を透過しなかった場合であり、
透過光の光強度はしきい値Tthを境にして弱く、この
透過光は透過部10の無い位置で得られたと確認され
る。
【0128】このようにして、ステップS2−7では、
情報処理部34が第1の光ピックアップ41の第1の受
光部で受光した反射光によるピット部9位置の情報と、
第2の光ピックアップ42の第2の受光部で受光した透
過光による透過部10位置の情報とにより光ディスク1
に記録されている情報が3値であることが確認されると
共に、DSP等でデジタル信号化された3値の記録情報
を外部に出力する。特に、これら3値の情報のうち、再
生ビームが透過部10を透過した透過光に基づく情報
は、例えば従来の光記録媒体の構成にはない透過部10
の透過光による情報信号であることから、付加的な情報
として確認される。
【0129】そして、再生装置40を用いて光ディスク
1から情報を再生させる場合、ステップS2−8以降は
上述した再生装置30を用いて光ディスク1から情報を
再生する場合と同様の動作が行われて終了する。
【0130】このようにして再生装置40でも、ピット
部9や、ピット部9に重畳するように形成された透過部
10に応じた情報を光ディスク1から3値で読み出すこ
とから、第1の光ピックアップ41が読み出した再生ビ
ームを反射した反射光の光強度の強弱に応じたメイン情
報に加え、第2の光ピックアップ42が読み出した透過
部10の有無に応じた付加的な情報を光ディスク1から
再生することができる。
【0131】以上では、再生装置40が透過部10を有
する光ディスク1から情報を再生させる場合を例に挙げ
て説明している。しかしながら、この再生装置40は、
上述した再生装置30と同様に、光ディスク1から情報
を再生させることに限定されることはなく、例えば従来
の情報を一度だけ記録可能なCD−RやDVD−R等と
いった光記録媒体から情報を再生させることにも適用可
能である。
【0132】したがって、この再生装置40でも、例え
ば光記録媒体を透過部10の無いCD−Rと判別して
も、従来の光記録媒体とするCD−Rに記録されている
ピット部に伴う情報を適切に、しかも容易に再生させる
ことができる。なお、再生装置40が従来の光記録媒体
から情報を再生する際は、光記録媒体からの情報の読み
出しを第1の光ピックアップ41だけで行うことにな
り、再生動作は上述した再生装置30が従来の光記録媒
体から情報を再生する場合と同じとなる。
【0133】以上で説明した再生装置40も、上述した
再生装置30と同様に、記録装置20と一体化させるこ
とができる。この場合は、例えば光ピックアップ21,
41におけるビーム出射部や受光部やビームドライバ
部、サーボ部22,43、スピンドルモータ23,4
4、情報処理部24,45、操作部25,46、制御部
26,47等を併用させることにより、記録装置20と
再生装置40とを記録及び/又は再生装置に一体化させ
ることが可能となる。これにより、記録装置20及び再
生装置40を一体化させた記録及び/又は再生装置で
も、一つの装置で光ディスク1及び従来の光記録媒体等
に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能と
なる。
【0134】また、以上で説明した実施の形態において
は、金属膜7と誘電体膜8とが順次積層された構成の反
射透過膜4を有する光ディスク1を例に挙げて説明した
が、本発明はこのことに限定されるものではなく、図7
に示す光ディスク50のように、反射透過膜51が金属
材料と誘電材料との混合物で構成された構造であっても
光ディスク1と同様の作用効果が得られる。なお、光デ
ィスク50おいて、上述した光ディスク1と同等な構
成、部位についての説明は省略すると共に、図面におい
ては同じ符号を用いる。
【0135】この光ディスク50は、光透過性を有する
基板2と、基板2の一方主面を覆うように成膜された色
素膜3と、色素膜3を覆うように成膜された反射透過膜
51と、反射透過膜51を覆うことで反射透過膜51を
保護する保護層5とを有している。
【0136】反射透過膜51は、例えば上述した金属膜
7に用いられるのと同様の金属材料と、上述した誘電体
層8に用いられるのと同様の誘電材料とを混合させた混
合物に溶剤や結合剤等を加えた塗布液にして基板2上に
塗布されることで成膜されることになる。このとき、金
属材料と誘電材料との混合比は、例えば金属材料の濃度
が混合物全体に対し、1分子%以上、80分子%以下の
範囲になるようにする。
【0137】金属材料の濃度が混合物全体に対して1分
子%より少なくなると、光ディスク50に再生装置30
により再生ビーム等が照射された際に、照射された再生
ビームを反射させることが困難になる。一方、金属材料
の濃度が混合物全体に対して80分子%より多くなる
と、光ディスク50に記録装置20により記録ビーム等
が照射されて反射透過膜51に透過部10が形成された
際に、透過部10の透過性が失われてしまい、光ディス
ク50から付加的な情報を再生することが困難になる。
【0138】そして、この反射透過膜51においては、
金属材料と誘電材料との混合比を制御することで、記録
及び/又は再生装置から照射される記録及び/又は再生
ビームに対する光吸収率、光透過率、反射率、屈折率等
を調整させることが可能になる。
【0139】このような反射透過膜51を有する光ディ
スク50でも、上述した光ディスク1と同様に、層内に
ピット部9や透過部10等が形成されることから、ピッ
ト部9が再生ビームを反射透過膜51で反射させた反射
光の光強度を変化させることで得られる情報に加えて、
反射透過膜51に形成された透過部10が再生ビームを
透過して再生ビームの光強度を変化させることで得られ
る情報も付加することができ、情報の記録容量を向上さ
せることが可能となる。
【0140】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、内層に透過部を設けることにより、従来の光
記録媒体に対して互換性を有すると共に、情報に対する
記録容量を向上させた光記録媒体が得られる。
【0141】また、本発明によれば、従来の光記録媒体
にも情報を記録できると共に、透過部が形成可能な光記
録媒体に対して情報信号に応じて光記録媒体の内層にピ
ット部に加え、主に付加的な情報に対応する透過部も形
成できることから、透過部が形成可能な光記録媒体に対
し、従来の光記録媒体よりも記録容量を向上させて情報
を記録することができる。
【0142】さらに、本発明によれば、従来の光記録媒
体からも情報の再生ができると共に、従来の光記録媒体
よりも記録容量が向上された透過部を有する光記録媒体
からピット部に伴う情報に加え、透過部に伴う付加的な
情報も再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ディスクにおける半径方向の断
面構造を拡大して示す要部断面図である。
【図2】同記録装置を模式的に示すブロック図である。
【図3】同記録装置を用いて光記録媒体に情報を記録す
る際のフローチャート図である。
【図4】同再生装置を模式的に示すブロック図である。
【図5】同再生装置を用いて光記録媒体から情報を再生
する際のフローチャート図である。
【図6】同再生装置の他の例を模式的に示すブロック図
である。
【図7】同光ディスクの他の例における半径方向の断面
構造を拡大して示す要部断面図である。
【符号の説明】
1,50 光ディスク、2 基板、3 色素膜、4,5
1 反射透過膜、5保護層、6 案内溝、7 金属膜、
8 誘電体膜、9 ピット部、10 透過部、20 記
録装置、21,31 光ピックアップ、22,32 サ
ーボ部、23,33 スピンドルモータ、24,34
情報処理部、25,35 操作部、26,36 制御
部、30,40 再生装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/005 G11B 7/005 Z (72)発明者 市川 勉 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 小林 直樹 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5D029 HA06 JA04 JB01 MA12 MA14 MA15 MA16 MA17 5D090 AA01 BB03 BB11 CC01 CC04 CC18 DD01 HH01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録光や再生光が照射されることで情報
    の記録及び/又は再生が行われる光記録媒体であって、 光透過性を有し、一方主面に案内溝が形成された基板
    と、 上記基板の上記案内溝を覆うように成膜された色素材料
    からなる色素膜と、 上記色素膜を覆うように成膜され、金属材料と誘電材料
    とからなる反射透過膜とを備え、 上記色素膜に上記記録光が照射されると、上記色素膜が
    反応し、反応した上記色素膜と相対する位置にピット部
    が形成され、又、上記反射透過膜に上記記録光が照射さ
    れると、上記反射透過膜の上記金属材料と上記誘電材料
    とが反応し、反応した反射透過膜の位置に透過部が形成
    され、 上記基板側から上記再生光が照射されると、上記再生光
    が上記反射透過膜で反射し、反射した反射光の光強度が
    上記ピット部の有無や上位透過部の透過率に応じて変化
    し、これら光強度の変化に基づいて上記情報が再生され
    ることを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記反射透過膜が、上記金属材料からな
    る金属膜と、上記誘電材料からなる誘電体膜とが順次成
    膜された構成となっている請求項1記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記反射透過膜が、上記金属材料と上記
    誘電材料とによる混合物によって構成されていることを
    特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 再生光を反射させるか、上記再生光の光
    強度を変化させて反射させるか、上記再生光を透過させ
    ることで上記再生光の光強度を変化させて反射させる
    か、上記再生光を透過させる光記録媒体に対し、記録光
    を照射させることで情報の記録を行う記録装置であっ
    て、 上記光記録媒体に上記再生光を透過させる領域の形成が
    可能か否かを判別する判別手段と、 上記光記録媒体に上記記録光を照射する照射手段とを備
    え、 上記判別手段で上記再生光を透過させる領域が形成可能
    な上記光記録媒体と判別されると、上記照射手段により
    上記光記録媒体の上記記録光が照射された位置に、上記
    再生光の光強度を変化させるピット部と、上記再生光を
    透過させる透過部とを形成させ、 上記判別手段で上記照射光を透過させる領域が形成不可
    な上記光記録媒体と判別されると、上記照射手段により
    上記光記録媒体の上記記録光が照射された位置に上記ピ
    ット部だけを形成させることを特徴とする記録装置。
  5. 【請求項5】 再生光を反射させるか、上記再生光の光
    強度を変化させて反射させるか、上記再生光を透過させ
    ることで上記再生光の光強度を変化させて反射させる
    か、上記再生光を透過させる光記録媒体に記録された情
    報の再生を行う再生装置であって、 上記光記録媒体に対し、上記再生光を透過させる透過部
    の有無を判別する判別手段と、 上記光記録媒体に上記再生光を照射する照射手段と、 上記照射手段により照射された上記再生光を上記光記録
    媒体が反射した際の反射光、上記光記録媒体が光強度を
    変化させた上記反射光、上記光記録媒体が上記再生光を
    透過して光強度を変化させた上記反射光、上記光記録媒
    体が上記再生光を透過した透過光のうち何れかを受光す
    る受光手段と、 上記受光手段が受光した光の光強度を上記情報として情
    報信号に変換させる情報処理手段とを備えることを特徴
    とする再生装置。
  6. 【請求項6】 上記受光手段は、上記判別手段で上記透
    過部を有する上記光記録媒体と判別されると、上記反射
    光、光強度を変化させた上記反射光、上記再生光の透過
    により光強度を変化させた上記反射光、上記透過光のう
    ち何れかを受光し、上記判別手段で上記透過部の無い上
    記光記録媒体と判別されると、上記反射光、光強度を変
    化させた上記反射光のうち何れかを受光することを特徴
    とする請求項5記載の再生装置。
  7. 【請求項7】 上記受光手段は、上記反射光か、光強度
    を変化させた上記反射光かを受光する第1の受光部と、
    上記透過光を受光する第2の受光部とを備えていること
    を特徴とする請求項5記載の再生装置。
  8. 【請求項8】 再生光を反射させるか、上記再生光の光
    強度を変化させて反射させるか、上記再生光を透過させ
    ることで上記再生光の光強度を変化させて反射させる
    か、上記再生光を透過させる光記録媒体に対し、記録光
    を照射させることで情報の記録を行う記録方法であっ
    て、 上記光記録媒体に上記再生光を透過させる領域の形成が
    可能か否かを判別する判別工程と、 上記光記録媒体に上記記録光を照射する照射工程とを有
    し、 上記照射工程において、上記判別工程で上記再生光を透
    過させる領域が形成可能な上記光記録媒体と判別される
    と、上記光記録媒体の上記記録光が照射された位置に、
    上記再生光の光強度を変化させるピット部と、上記再生
    光を透過させる透過部とを形成させ、上記判別工程で上
    記照射光を透過させる領域が形成不可な上記光記録媒体
    と判別されると、上記光記録媒体に上記ピット部だけを
    形成させることを特徴とする記録方法。
  9. 【請求項9】 再生光を反射させるか、上記再生光の光
    強度を変化させて反射させるか、上記再生光を透過させ
    ることで上記再生光の光強度を変化させて反射させる
    か、上記再生光を透過させる光記録媒体に記録された情
    報の再生を行う再生方法であって、 上記光記録媒体に対し、上記再生光を透過させる透過部
    の有無を判別する判別工程と、 上記光記録媒体に上記再生光を照射する照射工程と、 上記照射工程で照射された上記再生光を上記光記録媒体
    が反射した際の反射光、上記光記録媒体が光強度を変化
    させた上記反射光、上記光記録媒体が上記再生光を透過
    して光強度を変化させた上記反射光、上記光記録媒体が
    上記再生光を透過した透過光のうち何れかを受光する受
    光工程と、 上記受光工程で受光した光の光強度を上記情報として情
    報信号に変換させる情報処理工程とを有することを特徴
    とする再生方法。
  10. 【請求項10】 上記受光工程において、上記判別工程
    で上記透過部を有する上記光記録媒体と判別されると、
    上記反射光、光強度を変化させた上記反射光、上記再生
    光の透過により光強度を変化させた上記反射光、上記透
    過光のうち何れかを受光し、上記判別工程で上記透過部
    の無い上記光記録媒体と判別されると、上記反射光、光
    強度を変化させた上記反射光のうち何れかを受光するこ
    とを特徴とする請求項9記載の再生方法。
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