JP2003316010A - ポジ型感光性組成物、ポジ型感光性画像形成材及びそれを用いたポジ画像形成方法 - Google Patents

ポジ型感光性組成物、ポジ型感光性画像形成材及びそれを用いたポジ画像形成方法

Info

Publication number
JP2003316010A
JP2003316010A JP2002122978A JP2002122978A JP2003316010A JP 2003316010 A JP2003316010 A JP 2003316010A JP 2002122978 A JP2002122978 A JP 2002122978A JP 2002122978 A JP2002122978 A JP 2002122978A JP 2003316010 A JP2003316010 A JP 2003316010A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
positive
substituent
photosensitive composition
type photosensitive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002122978A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyoshi Urano
年由 浦野
Takuya Uematsu
卓也 植松
Yuuji Mizuho
右二 瑞穂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2002122978A priority Critical patent/JP2003316010A/ja
Publication of JP2003316010A publication Critical patent/JP2003316010A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光熱変換物質及びアルカリ可溶性樹脂からな
るポジ型感光性組成物において、支持体上の微細な凹凸
等による欠陥によっても画像の剥離が抑制され、支持体
表面に所望の画像を形成できるポジ型感光性組成物、ポ
ジ型感光性画像形成材、及びそれを用いたポジ画像形成
方法を提供する。 【構成】 下記の(A)成分、(B)成分、及び(C)
成分を含有してなるポジ型感光性組成物、及び、支持体
表面に該ポジ型感光性組成物の層が形成されてなるポジ
型感光性画像形成材、並びに、該ポジ型感光性画像形成
材を、波長域650〜1,300nmのレーザー光によ
り走査露光した後、アルカリ現像液により現像処理する
ポジ画像形成方法。 (A)画像露光光源の光を吸収して熱に変換する光熱変
換物質 (B)アリカリ可溶性樹脂 (C)下記一般式(VII) で表されるシラン化合物 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版の製
版、或いは、プリント配線板、液晶表示素子、プラズマ
ディスプレイ、カラーフィルター、有機エレクトロルミ
ネッセンス、薄型トランジスタ等における導体回路や電
極基板等の形成に使用される、主として赤外領域の光に
対して高感度なポジ型感光性組成物であって、特に、半
導体レーザーやYAGレーザー等により直接画像を形成
するに好適なポジ型感光性組成物、ポジ型感光性画像形
成材及びそれを用いたポジ画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ画像処理技術の進歩に伴
い、デジタル画像情報から、銀塩マスクフィルムへの出
力を行わずに、レーザー光により直接画像を形成するC
TP(Computer to Plate)システム
が注目されている。特に、高出力の半導体レーザーやY
AGレーザー等を用いるCTPシステムは、製造工程の
短縮化、作業時の環境光、及び製造コスト等の面から、
その実用化が急速に進みつつある。
【0003】これに伴い、CTPシステム用の平版印刷
版として、近年、赤外レーザー光を用い、主として化学
変化以外の変化により露光部の現像液に対する溶解性を
増大させることによってポジ画像を形成する感光性組成
物の層を支持体表面に有する感光性平版印刷版が提案さ
れている(例えば、特開平10−268512号、特開
平11−84657号、特開平11−174681号、
特開平11−194504号、特開平11−22393
6号等各公報、WO97/39894号、WO98/4
2507号等各明細書等参照。)。
【0004】これらのポジ型感光性平版印刷版は、従来
のポジ型感光性平版印刷版が、典型的にはo−キノンジ
アジド化合物の光分解という化学的変化により露光部の
現像液に対する溶解性を増大させることによってポジ画
像を形成していたのに対して、赤外吸収色素等の赤外光
を吸収して熱に変換する物質とノボラック樹脂等のアル
カリ可溶性樹脂とを主な感光性成分とし、赤外レーザー
光の露光で発生する熱による樹脂の構造転移等の物理的
変化により露光部の現像液に対する溶解性を増大させる
ものであり、o−キノンジアジド化合物のような白色光
に感光する物質を含有させる必要がないことから、感光
性平版印刷版を白色灯下でも取り扱えるという利点を有
することが知られている。しかしながら、本発明者等の
検討によると、これらのポジ型感光性組成物は、支持体
上の粉塵や錆等の微細な凹凸等による欠陥によって、形
成されるべき画像が剥離し易く、所望の画像が得られな
くなるという弱点を有していることが判明した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来
技術に鑑みてなされたもので、従って、本発明は、光熱
変換物質及びアルカリ可溶性樹脂からなるポジ型感光性
組成物において、支持体上の微細な凹凸等による欠陥に
よっても画像の剥離が抑制され、支持体表面に所望の画
像を形成できるポジ型感光性組成物、ポジ型感光性画像
形成材、及びそれを用いたポジ画像形成方法を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、ポジ型感光性組成物中
に特定のシラン化合物を含有させることにより、前記目
的が達成できることを見い出し本発明を完成したもの
で、即ち、本発明は、下記の(A)成分、(B)成分、
及び(C)成分を含有してなるポジ型感光性組成物、及
び、支持体表面に該ポジ型感光性組成物の層が形成され
てなるポジ型感光性画像形成材、並びに、該ポジ型感光
性画像形成材を、波長域650〜1,300nmのレー
ザー光により走査露光した後、アルカリ現像液により現
像処理するポジ画像形成方法、を要旨とする。
【0007】(A)画像露光光源の光を吸収して熱に変
換する光熱変換物質 (B)アリカリ可溶性樹脂 (C)下記一般式(VII) で表されるシラン化合物
【0008】
【化2】
【0009】〔式(VII) 中、Raは、置換基を有してい
てもよいビニル基、置換基を有していてもよい(メタ)
アクリロイル基、置換基を有していてもよい(メタ)ア
クリロイルオキシ基、置換基を有していてもよいグリシ
ジル基、置換基を有していてもよいグリシジルオキシ
基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有し
ていてもよいメルカプト基、又はハロゲン原子を示し、
Rbは、直接結合、又はアルキレン基を示し、Rcは、
置換基を有していてもよいアルコキシ基、又はハロゲン
原子を示し、Rdは、置換基を有していてもよいアルキ
ル基を示し、nは1〜3の整数である。〕
【0010】尚、ポジ型感光性組成物において本発明の
如きシラン化合物を含有させることについては、特開2
001−242616号公報で、平坦性、高解像性、現
像性、耐熱性、耐薬品性、基板との密着性、透明性、絶
縁性等の諸特性の優れたパターン状薄膜を容易に形成す
ることを目的として、スチレンとマレイン酸アミドの2
成分を少なくとも含有する共重合体、1,2−ナフトキ
ノンジアジド基含有化合物、架橋剤、及びシランカップ
リング剤を少なくとも含むポジ型感光性樹脂組成物が、
又、特開2001−281861号公報で、同上を目的
として、不飽和エチレン基を有するアルカリ可溶性アク
リル系樹脂、1,2−ナフトキノンジアジド基含有化合
物、架橋剤、及びシランカップリング剤を少なくとも含
むポジ型感光性樹脂組成物が、それぞれ知られている。
【0011】
【発明の実施の形態】
【0012】本発明のポジ型感光性組成物を構成する
(A)成分の光熱変換物質としては、画像露光光源の光
を吸収して熱に変換し得る化合物であれば特に限定され
ないが、波長域650〜1,300nmに吸収極大を有
する有機又は無機の染顔料、有機色素、金属、金属酸化
物、金属炭化物、金属硼化物等が挙げられる中で、光吸
収色素が特に有効である。これらの光吸収色素は、前記
波長域の光を効率よく吸収する一方、紫外線領域の光は
殆ど吸収しないか、吸収しても実質的に感応せず、白色
灯に含まれるような弱い紫外線によっては感光性組成物
を変性させる作用のない化合物である。
【0013】これらの光吸収色素としては、窒素原子、
酸素原子、又は硫黄原子等の複素原子がポリメチン(−
CH=)n 鎖で結合された構造のものであり、代表的に
は、その複素原子が複素環を形成し、ポリメチン鎖を介
して複素環が結合された構造の所謂、広義のシアニン系
色素、具体的には、例えば、キノリン系(所謂、狭義の
シアニン系)、インドール系(所謂、インドシアニン
系)、ベンゾチアゾール系(所謂、チオシアニン系)、
ピリリウム系、チオピリリウム系、スクアリリウム系、
クロコニウム系、アズレニウム系等、及び、ポリメチン
鎖を介して非環式複素原子が結合された構造の所謂、ポ
リメチン系色素等が挙げられ、中で、キノリン系、イン
ドール系、ベンゾチアゾール系、ピリリウム系、チオピ
リリウム系等のシアニン系色素、及びポリメチン系色素
が好ましい。
【0014】又、その他の光吸収色素として、ジイミニ
ウム系色素、フタロシアニン系色素等も代表的なものと
して挙げられ、中で、ジイミニウム系色素が好ましい。
【0015】本発明においては、前記シアニン系色素の
中で、キノリン系色素としては、特に、下記一般式(I
a) 、(Ib)、又は(Ic)で表されるものが好ましい。
【0016】
【化3】
【0017】〔式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中、R1 及びR
2 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル
基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を
有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有してい
てもよいフェニル基を示し、L1 は置換基を有していて
もよいトリ、ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチ
ン基を示し、該ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメ
チン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7
のシクロアルケン環を形成していてもよく、キノリン環
は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つ
の置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成してい
てもよい。X- は対アニオンを示す。〕
【0018】ここで、式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中のR1
及びR2 がアルキル基であるときの炭素数は通常1〜1
5、好ましくは1〜10、アルケニル基、アルキニル基
であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜1
0であり、フェニル基も含めたそれらの置換基として
は、炭素数が通常1〜15、好ましくは1〜10のアル
コキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル
基等が挙げられ、L1 における置換基としては、同上炭
素数のアルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙
げられ、キノリン環における置換基としては、同上炭素
数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ニトロ
基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0019】又、インドール系、及びベンゾチアゾール
系色素としては、特に、下記一般式(II)で表されるもの
が好ましい。
【0020】
【化4】
【0021】〔式(II)中、Y1 及びY2 は各々独立し
て、ジアルキルメチレン基又は硫黄原子を示し、R3
びR4 は各々独立して、置換基を有していてもよいアル
キル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換
基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有し
ていてもよいフェニル基を示し、L2 は置換基を有して
いてもよいトリ、ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカ
メチン基を示し、該ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデ
カメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5
〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、縮合ベ
ンゼン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接
する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形
成していてもよい。X- は対アニオンを示す。〕
【0022】ここで、式(II)中のR3 及びR4 がアルキ
ル基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1
〜10、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素
数は通常2〜15、好ましくは2〜10であり、フェニ
ル基も含めたそれらの置換基としては、炭素数が通常1
〜15、好ましくは1〜10のアルコキシ基、フェノキ
シ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L
2 における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、
アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、縮合ベンゼ
ン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル
基、同上炭素数のアルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲ
ン原子等が挙げられる。
【0023】又、ピリリウム系、及びチオピリリウム系
色素としては、特に、下記一般式(IIIa)、(IIIb)、又は
(IIIc)で表されるものが好ましい。
【0024】
【化5】
【0025】〔式(IIIa)、(IIIb)、及び(IIIc)中、Z1
及びZ2 は各々独立して、酸素原子又は硫黄原子を示
し、R5 、R6 、R7 、及びR8 は各々独立して、水素
原子又はアルキル基、又は、R5 とR7 、及びR6 とR
8 が互いに連結して炭素数5又は6のシクロアルケン環
を形成していてもよく、L3 は置換基を有していてもよ
いモノ、トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示し、該
トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基上の2つの置換基が
互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成
していてもよく、ピリリウム環及びチアピリリウム環は
置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの
置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していて
もよい。X- は対アニオンを示す。〕
【0026】ここで、式(IIIa)、(IIIb)、及び(IIIc)中
のR5 、R6 、R7 、及びR8 がアルキル基であるとき
の炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10であり、
3における置換基としては、同上炭素数のアルキル
基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、ピリリ
ウム環及びチアピリリウム環における置換基としては、
フェニル基、ナフチル基等のアリール基等が挙げられ
る。
【0027】又、ポリメチン系色素としては、特に、下
記一般式(IV)で表されるものが好ましい。
【0028】
【化6】
【0029】〔式(IV)中、R9 、R10、R11、及びR12
は各々独立して、アルキル基を示し、R13及びR14は各
々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、フ
リル基、又はチエニル基を示し、L4 は置換基を有して
いてもよいモノ、トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を
示し、該トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基上の2つの
置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン
環を形成していてもよく、キノン環及びベンゼン環は置
換基を有していてもよい。X- は対アニオンを示す。〕
【0030】ここで、式(IV)中のR9 、R10、R11、及
びR12のアルキル基の炭素数は通常1〜15、好ましく
は1〜10、R13及びR14がアリール基であるときの炭
素数は通常6〜20、好ましくは6〜15であり、R13
及びR14として具体的には、フェニル基、1−ナフチル
基、2−ナフチル基、2−フリル基、3−フリル基、2
−チエニル基、3−チエニル基等が挙げられ、それらの
置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数
のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、
又はハロゲン原子等が挙げられ、L4 における置換基と
しては、同上炭素数のアルキル基、アミノ基、又はハロ
ゲン原子等が挙げられ、キノン環及びベンゼン環におけ
る置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素
数のアルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙
げられる。
【0031】更に、ジイミニウム系色素としては、特
に、N,N−ジアリールイミニウム塩骨格を少なくとも
1個有する下記一般式(Va)、又は(Vb)で表されるものが
好ましい。
【0032】
【化7】
【0033】〔式(Va)、及び(Vb)中、R15、R16
17、及びR18は各々独立して、水素原子、ハロゲン原
子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有
していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよ
いアルキニル基、又は置換基を有していてもよいアルコ
キシ基を示し、R19、及びR20は各々独立して、置換基
を有していてもよいアルキル基、置換基を有していても
よいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニ
ル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基
を有していてもよいアシルオキシ基、又は置換基を有し
ていてもよいフェニル基を示し、ベンゼン環及びイミノ
キノン環は置換基を有していてもよい。X-は対アニオ
ンを示す。尚、式(Vb)中の電子結合(点線)は他の電子
結合との共鳴状態を示す。〕
【0034】ここで、式(Va)、及び(Vb)中のR15
16、R17、R18、R19、及びR20がアルキル基、アル
コキシ基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましく
は1〜10、アルケニル基、アルキニル基であるときの
炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜10であり、そ
れらにおける置換基としては、同上炭素数のアルキル
基、同上炭素数のアルコキシ基、カルボキシ基、アシル
オキシ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、ア
ミノ基、アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキル基、又
はハロゲン原子等が挙げられ、ベンゼン環及びイミノキ
ノン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル
基、同上炭素数のアルコキシ基、アシル基、ニトロ基、
又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0035】これらのジイミニウム系色素の中では、前
記一般式(Va)、及び(Vb)中のR15、R16、R17、及びR
18がアルキル基で、R19、及びR20もアルキル基である
か、R19、及びR20がジアルキルアミノ基を置換基とし
て有するフェニル基であるものが、特に好ましい。
【0036】尚、前記一般式(Ia 〜c)、(II)、(IIIa 〜
c)、(IV)、及び(Va 〜b)における対アニオンX- として
は、例えば、Cl- 、Br- 、I- 、ClO4 - 、PF
6 -、SbF6 - 、AsF6 - 、及び、BF4 - 、BC
4 - 等の無機硼酸等の無機酸アニオン、並びに、ベン
ゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスル
ホン酸、酢酸、及び、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、フェニル、メトキシフェニル、ナフチル、フルオロ
フェニル、ジフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニ
ル、チエニル、ピロリル等の有機基を有する有機硼酸等
の有機酸アニオンを挙げることができる。
【0037】又、前記一般式(Ia 〜c)、(II)、(IIIa 〜
c)、及び(IV)においては、L1 、L 2 、L3 、及びL4
のポリメチン鎖上に、下記一般式(VIa) で表されるバル
ビツル酸アニオン基又はチオバルビツル酸アニオン基を
置換基として有することにより、又は、L1 、L2 、L
3 、及びL4 のポリメチン鎖中に、下記一般式(VIb)で
表されるスクエア酸アニオン基又はチオスクエア酸アニ
オン基、或いは、下記一般式(VIc) で表されるクロコン
酸アニオン基又はチオクロコン酸アニオン基を形成する
ことにより、分子内塩を形成していてもよい。
【0038】
【化8】
【0039】〔式(VIa) 、(VIb) 、及び(VIc) 中、
3 、Z4 、Z5 、Z6 、Z7 、及びZ 8 は各々独立し
て、酸素原子又は硫黄原子を示し、R21及びR22は各々
独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキ
ル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基
を有していてもよいアルコキシ基、又は置換基を有して
いてもよいフェニル基を示す。〕
【0040】ここで、式(VIa) 中のR21及びR22がアル
キル基、アルコキシ基であるときの炭素数は通常1〜1
5、好ましくは1〜5、アルケニル基であるときの炭素
数は通常2〜15、好ましくは2〜5であるが、アルキ
ル基であるのが好ましく、そのアルキル基として具体的
には、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基
等が挙げられる。
【0041】以上の前記一般式(Ia 〜c)で表されるキノ
リン系、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベ
ンゾチアゾール系、前記一般式(IIIa 〜c)で表されるピ
リリウム系又はチオピリリウム系等のシアニン系色素、
前記一般式(IV)で表されるポリメチン系色素、及び前記
一般式(Va 〜b)で表されるジイミニウム系色素の中で、
本発明においては、前記一般式(II)で表されるインドー
ル系又はベンゾチアゾール系のシアニン色素が特に好ま
しい。
【0042】本発明において、ポジ型感光性組成物にお
ける前記(A)成分の光熱変換物質の含有割合は、0.
5〜30重量%であるのが好ましく、1〜20重量%で
あるのが更に好ましく、2〜10重量%であるのが特に
好ましい。
【0043】又、本発明のポジ型感光性組成物を構成す
る(B)成分のアルカリ可溶性樹脂としては、フェノー
ル性水酸基を有する樹脂、具体的には、例えば、ノボラ
ック樹脂、レゾール樹脂等のフェノール樹脂、ポリビニ
ルフェノール樹脂、フェノール性水酸基を有するアクリ
ル酸誘導体の共重合体、ポリビニルアセタール樹脂等が
好ましく、中で、ノボラック樹脂、レゾール樹脂等のフ
ェノール樹脂、又はポリビニルフェノール樹脂が好まし
く、フェノール樹脂が更に好ましく、ノボラック樹脂が
特に好ましい。
【0044】ノボラック樹脂は、例えば、フェノール、
o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、
2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、o−エ
チルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフ
ェノール、プロピルフェノール、n−ブチルフェノー
ル、t−ブチルフェノール、1−ナフトール、2−ナフ
トール、4,4’−ビフェニルジオール、ビスフェノー
ル−A、ピロカテコール、レゾルシノール、ハイドロキ
ノン、ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオー
ル、フロログルシノール等のフェノール類の少なくとも
1種を、酸触媒下、例えば、ホルムアルデヒド、アセト
アルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒ
ド、フルフラール等のアルデヒド類(尚、ホルムアルデ
ヒドに代えてパラホルムアルデヒドを、アセトアルデヒ
ドに代えてパラアルデヒドを、用いてもよい。)、又
は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン類、の少なくとも1種と重縮合させた
樹脂であって、中で、本発明においては、フェノール類
としてのフェノール、o−クレゾール、m−クレゾー
ル、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−
キシレノール、レゾルシノールと、アルデヒド類又はケ
トン類としてのホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、
プロピオンアルデヒドとの重縮合体が好ましい。
【0045】特に、m−クレゾール:p−クレゾール:
2,5−キシレノール:3,5−キシレノール:レゾル
シノールの混合割合がモル比で40〜100:0〜5
0:0〜20:0〜20:0〜20の混合フェノール
類、又は、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾー
ルの混合割合がモル比で1〜100:0〜70:0〜6
0の混合フェノール類と、ホルムアルデヒドとの重縮合
体が好ましく、又、後述する如く本発明における感光性
組成物は溶解抑止剤を含有していてもよく、その場合、
m−クレゾール:p−クレゾール:2,5−キシレノー
ル:3,5−キシレノール:レゾルシノールの混合割合
がモル比で70〜100:0〜30:0〜20:0〜2
0:0〜20の混合フェノール類、又は、フェノール:
m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で
10〜100:0〜60:0〜40の混合フェノール類
と、ホルムアルデヒドとの重縮合体が好ましい。
【0046】前記ノボラック樹脂は、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー測定によるポリスチレン換算の
重量平均分子量(MW )が、1,000〜15,000
のものが好ましく、1,500〜10,000のものが
更に好ましい。
【0047】又、レゾール樹脂は、ノボラック樹脂の重
縮合における酸触媒に代えてアルカリ触媒を用いる以外
は同様にして重縮合させた樹脂であって、本発明におい
ては、前記ノボラック樹脂におけると同様の、フェノー
ル類及びその混合組成、及び、アルデヒド類又はケトン
類が好ましく、又、同様の重量平均分子量(MW )のも
のが好ましい。
【0048】又、ポリビニルフェノール樹脂は、例え
ば、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレ
ン、p−ヒドロキシスチレン、ジヒドロキシスチレン、
トリヒドロキシスチレン、テトラヒドロキシスチレン、
ペンタヒドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェ
ニル)プロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プ
ロピレン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレン
等のヒドロキシスチレン類(尚、これらは、ベンゼン環
に塩素、臭素、沃素、弗素等のハロゲン原子、或いは炭
素数1〜4のアルキル基を置換基として有していてもよ
い。)の単独又は2種以上を、ラジカル重合開始剤又は
カチオン重合開始剤の存在下で重合させた樹脂であっ
て、中で、本発明においては、ベンゼン環に炭素数1〜
4のアルキル基を置換基として有していてもよいヒドロ
キシスチレン類の重合体が好ましく、特に、無置換のベ
ンゼン環のヒドロキシスチレン類の重合体が好ましい。
又、重量平均分子量(MW )が、1,000〜100,
000のものが好ましく、1,500〜50,000の
ものが更に好ましい。
【0049】本発明において、ポジ型感光性組成物にお
ける前記(B)成分のアルカリ可溶性樹脂の含有割合
は、50〜99重量%であるのが好ましく、60〜98
重量%であるのが更に好ましく、70〜97重量%であ
るのが特に好ましい。
【0050】そして、本発明のポジ型感光性組成物は、
前記(A)成分の光熱変換物質と前記(B)成分のアル
カリ可溶性樹脂に加えて、(C)成分として、下記一般
式(VII) で表されるシラン化合物を含有することを必須
とする。
【0051】
【化9】
【0052】〔式(VII) 中、Raは、置換基を有してい
てもよいビニル基、置換基を有していてもよい(メタ)
アクリロイル基、置換基を有していてもよい(メタ)ア
クリロイルオキシ基、置換基を有していてもよいグリシ
ジル基、置換基を有していてもよいグリシジルオキシ
基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有し
ていてもよいメルカプト基、又はハロゲン原子を示し、
Rbは、直接結合、又はアルキレン基を示し、Rcは、
置換基を有していてもよいアルコキシ基、又はハロゲン
原子を示し、Rdは、置換基を有していてもよいアルキ
ル基を示し、nは1〜3の整数である。〕
【0053】ここで、式(V11) 中のRa のビニル基、
(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ
基、グリシジル基、グリシジルオキシ基、アミノ基、及
びメルカプト基における置換基としては、例えば、アル
キル基、アリル基、グリシジル基、及びフェニル基等が
挙げられ、Raと置換基としてのアルキル基が環状構造
を形成していてもよく、又、Rbのアルキレン基の炭素
数は通常1〜6、好ましくは1〜3である。又、Rcの
アルコキシ基の炭素数は通常1〜4、好ましくは1〜
2、Rdのアルキル基の炭素数は通常1〜4、好ましく
は1〜2であり、それらのアルコキシ基、アルキル基の
置換基としては、例えば、アルコキシ基等が挙げられ
る。又、nは2又は3であるのが好ましく、3であるの
が特に好ましい。
【0054】又、Raがアミノ基であるとき、置換基と
しての前記アルキル基、アリル基、グリシジル基、又は
フェニル基等と、前記一般式(VII) のRaを除くRb、
Si、Rc、及びRdからなる構造部分を置換基として
有していてもよい。尚、本発明において、「(メタ)ア
クリロイル」とは、「アクリロイル」又は/及び「メタ
クリロイル」を意味するものとする。
【0055】本発明において、以上の(C)成分のシラ
ン化合物を具体的に示すと、例えば、ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス
(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリクロロシ
ラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシ
シラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキ
シシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシ
シラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシ
シラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキ
シシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、3−〔N−(2−アミノエチル)アミ
ノ〕プロピルトリメトキシシラン、3−〔N−(2−ア
ミノエチル)アミノ〕プロピルトリエトキシシラン、3
−〔N−(2−アミノエチル)アミノ〕プロピルメチル
ジメトキシシラン、3−〔N−(2−アミノエチル)ア
ミノ〕プロピルメチルジエトキシシラン、3−(N−ア
リル−N−グリシジルアミノ)プロピルトリメトキシシ
ラン、3−(N−アリル−N−グリシジルアミノ)プロ
ピルトリエトキシシラン、3−(N,N−ジグリシジル
アミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(N,N−
ジグリシジルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3
−(N−フェニルアミノ)プロピルトリメトキシシラ
ン、3−(N−フェニルアミノ)プロピルトリエトキシ
シラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、
3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−クロ
ロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルト
リエトキシシラン等、及び、N−グリシジル−N,N−
ビス〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アミン、
N−グリシジル−N,N−ビス〔3−(トリエトキシシ
リル)プロピル〕アミン、N−グリシジル−N,N−ビ
ス〔3−(メチルジメトキシシリル)プロピル〕アミ
ン、N−グリシジル−N,N−ビス〔3−(メチルジエ
トキシシリル)プロピル〕アミン等が挙げられる。
【0056】これらの中で、本発明においては、ポジ型
感光性組成物としての支持体との密着性、及び保存安定
性等の点から、3−メタクリロイルオキシプロピルトリ
メトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルト
リエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリ
メトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエ
トキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジ
メトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチル
ジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等が好
ましく、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキ
シシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエト
キシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキ
シシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシ
シラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジエト
キシシラン等が特に好ましい。
【0057】本発明において、ポジ型感光性組成物にお
ける前記(C)成分のシラン化合物の含有割合は、0.
01〜50重量%であるのが好ましく、0.05〜40
重量%であるのが更に好ましく、0.1〜30重量%で
あるのが特に好ましい。(C)成分の含有割合が前記範
囲未満では、ポジ型感光性組成物として、支持体上の微
細な凹凸等による欠陥によっても画像の剥離が発生し易
くなり、一方、前記範囲超過では、均質な組成物を得る
ことが困難となる。
【0058】尚、本発明において、前記(A)成分の光
熱変換物質と前記(B)成分のアルカリ可溶性樹脂、及
び、前記(C)成分のシラン化合物を含有するポジ型感
光性組成物には、露光部と非露光部のアルカリ現像液に
対する溶解性の差を増大させる目的で、赤外領域の光で
分解されない溶解抑止剤(D)成分が含有されているの
が好ましく、その溶解抑止剤としては、例えば、特開平
10−268512号及び特開平11−288089号
各公報に詳細に記載されているスルホン酸エステル類、
燐酸エステル類、芳香族カルボン酸エステル類、芳香族
ジスルホン類、カルボン酸無水物類、芳香族ケトン類、
芳香族アルデヒド類、芳香族アミン類、芳香族エーテル
類、トリアリールメタン骨格を有する化合物類等、特開
平11−190903号公報に詳細に記載されている、
ラクトン骨格、N,N−ジアリールアミド骨格、ジアリ
ールメチルイミノ骨格を有する酸発色性色素類、特開平
11−143076号公報に詳細に記載されている、ラ
クトン骨格、チオラクトン骨格、スルホラクトン骨格を
有する塩基発色性色素類等が挙げられる。
【0059】本発明において、ポジ型感光性組成物にお
ける前記(D)成分の溶解抑止剤の含有割合は、50重
量%以下であるのが好ましく、0.01〜30重量%で
あるのが更に好ましく、0.1〜20重量%であるのが
特に好ましい。
【0060】又、本発明のポジ型感光性組成物には、ア
ンダー現像性の付与等の現像性の改良を目的として、好
ましくはpKaが2以上の有機酸或いはその無水物
(E)成分が含有されているのが好ましく、その有機酸
或いはその無水物としては、例えば、特開昭60−88
942号、特開昭63−276048号、特開平2−9
6754号各公報等に記載されたもの、具体的には、グ
リセリン酸、メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、プロ
ピルマロン酸、コハク酸、リンゴ酸、メソ酒石酸、グル
タル酸、β−メチルグルタル酸、β,β−ジメチルグル
タル酸、β−エチルグルタル酸、β,β−ジエチルグル
タル酸、β−プロピルグルタル酸、β,β−メチルプロ
ピルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸
等の脂肪族飽和カルボン酸、マレイン酸、フマル酸、グ
ルタコン酸等の脂肪族不飽和カルボン酸、1,1−シク
ロブタンジカルボン酸、1,3−シクロブタンジカルボ
ン酸、1,1−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−
シクロペンタンジカルボン酸、1,1−シクロヘキサン
ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、
1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸等の炭素環式飽和カルボン酸、
1,2−シクロヘキセンジカルボン酸、2,3−ジヒド
ロキシ安息香酸、3,4−ジメチル安息香酸、3,4−
ジメトキシ安息香酸、3,5−ジメトキシ安息香酸、p
−トルイル酸、2−ヒドロキシ−p−トルイル酸、2−
ヒドロキシ−m−トルイル酸、2−ヒドロキシ−o−ト
ルイル酸、マンデル酸、没食子酸、フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸等の炭素環式不飽和カルボン酸、及
び、メルドラム酸、アスコルビン酸、無水コハク酸、無
水グルタル酸、無水マレイン酸、シクロヘキセンジカル
ボン酸無水物、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、無
水フタル酸等の無水物が挙げられる。中で、本発明にお
いては、シクロヘキサンジカルボン酸或いはその無水物
が特に好ましい。
【0061】本発明において、ポジ型感光性組成物にお
ける前記(E)成分の有機酸或いはその無水物の含有割
合は、0.1〜30重量%であるのが好ましく、0.5
〜20重量%であるのが更に好ましく、1〜10重量%
であるのが特に好ましい。
【0062】又、本発明のポジ型感光性組成物には、感
度の向上や現像性の改良等を目的として、ノニオン性、
アニオン性、カチオン性、両性、或いは弗素系等の界面
活性剤(F)成分が含有されているのが好ましい。
【0063】そのノニオン性界面活性剤としては、例え
ば、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール
ポリプロピレングリコールブロックコポリマー等のポリ
エチレングリコール類、ポリエチレングリコールセチル
エーテル、ポリエチレングリコールステアリルエーテ
ル、ポリエチレングリコールオレイルエーテル、ポリエ
チレングリコールベヘニルエーテル等のポリエチレング
リコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコール
ポリプロピレングリコールセチルエーテル、ポリエチレ
ングリコールポリプロピレングリコールデシルテトラデ
シルエーテル等のポリエチレングリコールポリプロピレ
ングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコ
ールオクチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコー
ルノニルフェニルエーテル等のポリエチレングリコール
アルキルフェニルエーテル類、モノステアリン酸エチレ
ングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ス
テアリン酸ジエチレングリコール、ジステアリン酸ポリ
エチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリ
コール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モ
ノオレイン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレン
グリコール脂肪酸エステル類、モノミリスチン酸グリセ
リル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリ
ン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、モノオレ
イン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル等のグリセ
リン脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイ
ド付加物類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、モノス
テアリン酸ペンタエリスリット、トリステアリン酸ペン
タエリスリット、モノオレイン酸ペンタエリスリット、
トリオレイン酸ペンタエリスリット等のペンタエリスリ
ット脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイ
ド付加物類、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステア
リン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノ
オレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等の
ソルビタン脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオ
キサイド付加物類、モノラウリン酸ソルビット、テトラ
ステアリン酸ソルビット、ヘキサステアリン酸ソルビッ
ト、テトラオレイン酸ソルビット等のソルビット脂肪酸
エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加物
類、ポリエチレングリコールアルキルアミン類、ポリエ
チレングリコールアルキルアミノエーテル類、ヒマシ油
のポリエチレンオキサイド付加物類、ラノリンのポリエ
チレンオキサイド付加物類等が挙げられる。
【0064】又、そのアニオン性界面活性剤としては、
例えば、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウ
ム、オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩類、ラウリ
ルスルホン酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸塩類、
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベ
ンゼンスルホン酸塩類、イソプロピルナフタレンスルホ
ン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩
類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウ
ム等のアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、
ポリオキシエチレンラウリルエーテルスルホン酸ナトリ
ウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン
酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナト
リウム等のアルキル硫酸エステル塩類、オクチルアルコ
ール硫酸エステルナトリウム、ラウリルアルコール硫酸
エステルナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステル
アンモニウム等の高級アルコール硫酸エステル塩類、ア
セチルアルコール硫酸エステルナトリウム等の脂肪族ア
ルコール硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウ
リルエーテル硫酸トリエタノールアミン等のポリオキシ
エチレンアルキルエーテル硫酸塩類、ポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩類、ラウリ
ル燐酸ナトリウム、ステアリル燐酸ナトリウム等のアル
キル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル燐酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリル
エーテル燐酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル燐酸塩類、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル燐酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル燐酸塩類、スルホコハク酸類、不
飽和脂肪酸硫酸化油類、タウリン塩類、ヒマシ油硫酸エ
ステル塩類等が挙げられる。
【0065】又、そのカチオン性界面活性剤としては、
例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、
セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリル
トリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアン
モニウムクロライド等の第4級アンモニウムクロライド
類、同様の第4級アンモニウムサルフェート類、同様の
第4級アンモニウムナイトレート類、2−オクタデシル
−ヒドロキシエチル−2−イミダゾリン等のイミダゾリ
ン誘導体類、N,N−ジエチル−ステアロアミド−メチ
ルアミン塩酸塩、ポリオキシエチレンステアリルアミン
等のアミン塩類等が挙げられる。
【0066】又、その両性界面活性剤としては、例え
ば、N−ラウリル−N,N−ジメチル−N−カルボキシ
メチルアンモニウム、N−ステアリル−N,N−ジメチ
ル−N−カルボキシメチルアンモニウム、N−ラウリル
−N,N−ジヒドロキシエチル−N−カルボキシメチル
アンモニウム、N−ラウリル−N,N,N−トリス(カ
ルボキシメチル)アンモニウム等のベタイン型化合物
類、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロ
キシエチルイミダゾリウム等のイミダゾリウム塩類、イ
ミダゾリン−N−ナトリウムエチルスルホネート、イミ
ダゾリン−N−ナトリウムエチルスルフェート等のイミ
ダゾリン類、アミノカルボン酸類、アミノ硫酸エステル
類等が挙げられる。
【0067】本発明において、ポジ型感光性組成物にお
ける前記(F)成分の界面活性剤の含有割合は、0.0
01〜20重量%であるのが好ましく、0.002〜1
0重量%であるのが更に好ましく、0.005〜5重量
%であるのが特に好ましい。
【0068】又、本発明のポジ型感光性組成物には、例
えば、ビクトリアピュアブルー(42595)、クリス
タルバイオレット(42555)、オーラミンO(41
000)、カチロンブリリアントフラビン(ベーシック
13)、ローダミン6GCP(45160)、ローダミ
ンB(45170)、サフラニンOK70:100(5
0240)、エリオグラウシンX(42080)、ファ
ーストブラックHB(26150)、No.120/リ
オノールイエロー(21090)、リオノールイエロー
GRO(21090)、シムラーファーストイエロー8
GF(21105)、ベンジジンイエロー4T−564
D(21095)、シムラーファーストレッド4015
(12355)、リオノールレッドB4401(158
50)、ファーストゲンブルーTGR−L(7416
0)、リオノールブルーSM(26150)等の染顔料
等の着色剤(G)成分が含有されていてもよい。尚、こ
こで、括弧内の数字はカラーインデックス(C.I.)
を意味する。
【0069】本発明において、ポジ型感光性組成物にお
ける前記(G)成分の着色剤の含有割合は、50重量%
以下であるのが好ましく、0.5〜30重量%であるの
が更に好ましく、2〜20重量%であるのが特に好まし
い。
【0070】又、本発明のポジ型感光性組成物には、
(B)成分のアルカリ可溶性樹脂が前記フェノール樹脂
であるとき、露光及び現像後の後加熱により該樹脂を架
橋させてポジ画像に耐薬品性、耐刷性等を付与すること
を目的として、フェノール樹脂を架橋させる作用を有す
る架橋剤(H)成分が含有されていてもよく、その架橋
剤としては、代表的には、官能基としてメチロール基、
それをアルコール縮合変性したアルコキシメチル基、そ
の他、アセトキシメチル基等を少なくとも2個有するア
ミノ化合物が挙げられ、具体的には、メラミン誘導体、
例えば、メトキシメチル化メラミン〔三井サイテック社
製、サイメル300シリーズ(1)等〕、ベンゾグアナ
ミン誘導体〔メチル/エチル混合アルコキシ化ベンゾグ
アナミン樹脂(三井サイテック社製、サイメル1100
シリーズ(2)等〕、グリコールウリル誘導体〔テトラ
メチロールグリコールウリル樹脂(三井サイテック社
製、サイメル1100シリーズ(3)等〕や、尿素樹脂
誘導体、レゾール樹脂等が挙げられる。
【0071】本発明において、ポジ型感光性組成物にお
ける前記(H)成分の架橋剤の含有割合は、20重量%
以下であるのが好ましく、10重量%以下であるのが更
に好ましく、5重量%以下であるのが特に好ましい。
【0072】又、本発明のポジ型感光性組成物には、前
記成分以外に、例えば、染料、顔料、塗布性改良剤、密
着性改良剤、感度改良剤、感脂化剤、現像性改良剤等の
感光性組成物に通常用いられる各種の添加剤が更に20
重量%以下、好ましくは10重量%以下の範囲で含有さ
れていてもよい。
【0073】又、一般に、ポジ型感光性組成物が紫外線
領域の光に感受性を有する化合物を含まないものである
と、感度、及び画像部と非画像部とのコントラスト等が
劣る傾向にあり、従って、本発明の前記ポジ型感光性組
成物としては、オニウム塩、ジアゾニウム塩、キノンジ
アジド基含有化合物等の、紫外線領域の光に感受性を有
する化合物を含まず、紫外線領域の光に対して実質的に
感受性を有さないものであるとき、その感度、及び画像
部と非画像部とのコントラスト、並びに支持体からの画
像の耐剥離性等の面での本発明の効果をより顕著に発現
することができることから、好ましい。尚、ここで、紫
外線領域の光に対して実質的に感受性を有さないとは、
360〜450nmの波長の光による照射の前後で、ア
ルカリ現像液に対する溶解性に実質的有意差を生じず、
実用的な意味での画像形成能を有さないことを意味す
る。
【0074】本発明のポジ型感光性組成物は、通常、前
記各成分を適当な溶媒に溶解或いは分散させた塗布液と
して支持体表面に塗布した後、加熱、乾燥させることに
より、支持体表面に前記ポジ型感光性組成物の層が形成
されたポジ型感光性画像形成材とされる。
【0075】ここで、その支持体としては、例えば、エ
ポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂
等の熱硬化性樹脂、或いは、飽和ポリエステル樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、アクリル樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニ
ル樹脂、ポリオレフィン樹脂、弗素樹脂等の熱可塑性樹
脂等の樹脂シート、紙、前記樹脂を塗布した紙、ガラス
板、及び、アルミナ、シリカ、硫酸バリウム、炭酸カル
シウム等の無機質板、並びに、ガラス織布基材エポキシ
樹脂、ガラス不織布基材エポキシ樹脂、紙基材エポキシ
樹脂、紙基材フェノール樹脂等に代表される複合材シー
ト等の、厚み0.02〜10mm程度のものを絶縁基板
とし、その基板表面に導電層が形成されたものが好適に
用いられ、その導電層の構成材料としては、例えば、
銅、金、銀、クロム、亜鉛、錫、アルミニウム、鉛、ニ
ッケル、酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウムドー
プ酸化錫(ITO)、半田等の金属が挙げられる。尚、
前記絶縁基板表面への導電層の形成方法としては、例え
ば、前記金属の箔を加熱、圧着ラミネートするか、前記
金属をスパッタリング、蒸着、メッキする等の方法が採
られ、その厚みは、通常、1〜100μm程度である。
【0076】又、本発明における支持体としては、前記
導電層の構成材料として挙げた金属の板、及び、前記導
電層を表面に形成していない、前記絶縁基板として挙げ
た樹脂シート、紙、前記樹脂を塗布した紙、ガラス板、
無機質板、複合材シート等も用いることができる。
【0077】又、その溶媒としては、使用成分に対して
十分な溶解度を持ち、良好な塗膜性を与えるものであれ
ば特に制限はないが、例えば、メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセ
ロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒、プロピレン
グリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール
モノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチル
エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルア
セテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルア
セテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等
のプロピレングリコール系溶媒、酢酸ブチル、酢酸アミ
ル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、
ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレー
ト、エチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチ
ル、3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル系溶
媒、ヘプタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコー
ル、フルフリルアルコール等のアルコール系溶媒、シク
ロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン系溶媒、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メ
チルピロリドン等の高極性溶媒、或いはこれらの混合溶
媒、更にはこれらに芳香族炭化水素を添加したもの等が
挙げられる。溶媒の使用割合は、感光性組成物の総量に
対して、通常、重量比で1〜20倍程度の範囲である。
【0078】又、その塗布方法としては、従来公知の方
法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗
布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布、及
びカーテン塗布等を用いることができる。塗布量は用途
により異なるが、乾燥膜厚として、通常、0.3〜7μ
m、好ましくは0.5〜5μm、特に好ましくは1〜3
μmの範囲とする。尚、その際の乾燥温度としては、例
えば、60〜170℃程度、好ましくは70〜150℃
程度、乾燥時間としては、例えば、5秒〜10分間程
度、好ましくは10秒〜5分間程度が採られる。
【0079】本発明のポジ画像形成方法は、前記ポジ型
感光性組成物の層を支持体表面に有する前記ポジ型感光
性画像形成材を、画像露光した後、アルカリ現像液で現
像処理してポジ画像を形成することよりなる。
【0080】ここで、前記ポジ型感光性組成物層を画像
露光する光源としては、主として、HeNeレーザー、
アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、HeCdレ
ーザー、半導体レーザー、ルビーレーザー等のレーザー
光源が挙げられるが、特に、光を吸収して発生した熱に
より画像形成させる場合には、波長域650〜1,30
0nmの範囲の赤外レーザー光を発生する光源が好まし
く、具体的には、例えば、830nmを発振する半導体
レーザー、1064nmを発振するYAGレーザー等が
挙げられる。又、その走査露光方法も、特に限定される
ものではなく、例えば、平面走査露光方式、外面ドラム
走査露光方式、内面ドラム走査露光方式等が挙げられ
る。
【0081】尚、レーザー光源は、通常、レンズにより
集光された高強度の光線(ビーム)として感光性組成物
層表面を走査するが、それに感応する本発明での感光性
組成物層の感度特性(mJ/cm2 )は受光するレーザ
ービームの光強度(mJ/s・cm2 )に依存すること
がある。ここで、レーザービームの光強度は、光パワー
メーターにより測定したレーザービームの単位時間当た
りのエネルギー量(mJ/s)を感光性組成物層表面に
おけるレーザービームの照射面積(cm2 )で除するこ
とにより求めることができる。レーザービームの照射面
積は、通常、レーザーピーク強度の1/e2 強度を越え
る部分の面積で定義されるが、簡易的には相反則を示す
感光性組成物を感光させて測定することもできる。
【0082】本発明において、光源の光強度としては、
2.0×106 mJ/s・cm2 以上とすることが好ま
しく、1.0×107 mJ/s・cm2 以上とすること
が更に好ましい。光強度が前記範囲であれば、本発明で
のポジ型感光性組成物層の感度特性を向上させ得て、走
査露光時間を短くすることができ実用的に大きな利点と
なる。
【0083】本発明の前記ポジ型感光性画像形成材を画
像露光したポジ型感光体の現像処理に用いる現像液とし
ては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リ
チウム、珪酸アンモニウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ
珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化リチウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、第二燐酸ナトリウム、第三燐酸ナトリウ
ム、第二燐酸アンモニウム、第三燐酸アンモニウム、硼
酸ナトリウム、硼酸カリウム、硼酸アンモニウム等の無
機アルカリ塩、モノメチルアミン、ジメチルアミン、ト
リメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、
トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプ
ロピルアミン、モノブチルアミン、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ
イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン等
の有機アミン化合物、或いは、水酸化テトラメチルアン
モニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム等の水酸化
テトラアルキルアンモニウム化合物等の0.1〜5重量
%程度の水溶液からなるアルカリ現像液を用いる。中
で、無機アルカリ塩である珪酸ナトリウム、珪酸カリウ
ム等のアルカリ金属の珪酸塩が好ましい。尚、現像液に
は、現像条件の幅を安定して広げ得る等の点から、前記
感光性組成物の界面活性剤成分として挙げたと同様のノ
ニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面
活性剤等の界面活性剤や、アルコール等の有機溶媒を加
えることができる。
【0084】又、現像処理は、従来公知の方法、例え
ば、浸漬現像、スプレー現像、スピン現像、ブラシ現
像、超音波現像等により、好ましくは10〜50℃程
度、特に好ましくは15〜45℃程度の温度で、通常5
秒〜3分程度の時間でなされる。現像後は、乾燥し、更
に、その後、必要に応じて、形成された画像の密着性向
上等を目的として、100〜250℃程度の温度範囲で
ポストベーク処理を施すこともできる。又、例えば、特
開平11−10827号公報等に記載されるように、前
述のアルカリ現像液、又は、それに添加される前述の界
面活性剤或いは水溶性有機溶剤等、若しくはそれらの溶
液等、を浸透剤として露光後の感光層に浸透させ、必要
に応じて物理的刺激を加えることにより、露光部を支持
体表面から剥離させ現像する、所謂浸透現像法、又は、
特開平10−333321号公報等に記載されるよう
に、感光層上に印刷インキを供給し、インキの粘着力を
利用して被着体に該インキを露光部と共に転写させるこ
とにより、露光部を支持体表面から剥離させ現像する、
所謂印刷現像法、等の方法を採ることもできる。
【0085】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0086】実施例1 厚さ0.1mmのポリイミド樹脂絶縁基板の表面に厚さ
18μmの電解銅箔の導電層がラミネートされた銅張積
層板(サンハヤト社製)を用い、その銅箔上に蒸留水を
滴下して室温で一昼夜放置することにより斑紋状に錆を
生じさせたものを支持体とし、その銅箔上に、(A)成
分の光熱変換物質として下記(a) のインドール系色素7
重量部、(B)成分のアルカリ可溶性樹脂として、フェ
ノール:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合が
モル比で50:30:20の混合フェノール類とホルム
アルデヒドとの重縮合体からなるノボラック樹脂(MW
9,400)100重量部、(C)成分のシラン化合物
として3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン(東レダウコーニング社製「SH6040」)2.4
重量部、(D)成分の溶解抑止剤としてクリスタルバイ
オレットラクトン10重量部、(E)成分の有機酸或い
はその無水物として1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸3.5重量部、(F)成分の界面活性剤としてテトラ
オレイン酸ソルビットのポリエチレンオキサイド付加物
(日光ケミカルズ社製「NIKKOLGO−4」)4重
量部と弗素系界面活性剤(旭硝子社製「サーフロンS−
381」)0.2重量部を、プロピレングリコールモノ
メチルエーテル930重量部に室温で攪拌することによ
り調液したポジ型感光性組成物塗布液をワイヤーバーを
用いて塗布し、室温にて2分間風乾し、更にコンベクシ
ョンオーブンにて100℃で2分間乾燥させることによ
り、膜厚1.5μmのポジ型感光性組成物層を有するポ
ジ型感光性画像形成材を作製した。
【0087】
【化10】
【0088】得られたポジ型感光性画像形成材につき、
波長830nmの半導体レーザーを光源とする露光装置
(Creo社製「Trend Setter 3244
T」)を用いて、感光性層表面の露光量が150mJ/
cm2 となる露光エネルギーで走査露光し、次いで、ア
ルカリ現像液(三菱化学メディア社製「DR−6」の2
倍希釈液)を25℃で接触させることにより現像処理し
水洗して、細線画像のポジ画像を形成した。その際、良
好な画像が得られる現像時間は60秒から180秒の範
囲であり、その範囲の現像時間において、支持体上の錆
部分においても画像の剥離は認められなかった。
【0089】比較例1 ポジ型感光性組成物として(C)成分のシラン化合物を
用いなかった外は、実施例1と同様にしてポジ型感光性
画像形成材を作製し、ポジ画像を形成した。その際、良
好な画像が得られる現像時間は60秒から180秒の範
囲であったが、その中心時間としての120秒の現像時
間において、支持体上の錆部分において画像の斑紋状の
剥離が認められた。
【0090】
【発明の効果】本発明によれば、光熱変換物質及びアル
カリ可溶性樹脂からなるポジ型感光性組成物において、
支持体上の微細な凹凸等による欠陥によっても画像の剥
離が抑制され、支持体表面に所望の画像を形成できるポ
ジ型感光性組成物、ポジ型感光性画像形成材、及びそれ
を用いたポジ画像形成方法を提供することができる。
フロントページの続き (72)発明者 瑞穂 右二 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA04 AB13 AB15 AB20 AC08 AD03 BG00 CB28 CB42 CC06 CC13 CC20 FA10 FA17 2H048 BA03 BA45 BA48 BB02 BB32 BB42 2H096 AA06 AA23 AA27 BA09 EA04 GA08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)成分、(B)成分、及び
    (C)成分を含有してなることを特徴とするポジ型感光
    性組成物。 (A)画像露光光源の光を吸収して熱に変換する光熱変
    換物質 (B)アリカリ可溶性樹脂 (C)下記一般式(VII) で表されるシラン化合物 【化1】 〔式(VII) 中、Raは、置換基を有していてもよいビニ
    ル基、置換基を有していてもよい(メタ)アクリロイル
    基、置換基を有していてもよい(メタ)アクリロイルオ
    キシ基、置換基を有していてもよいグリシジル基、置換
    基を有していてもよいグリシジルオキシ基、置換基を有
    していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいメ
    ルカプト基、又はハロゲン原子を示し、Rbは、直接結
    合、又はアルキレン基を示し、Rcは、置換基を有して
    いてもよいアルコキシ基、又はハロゲン原子を示し、R
    dは、置換基を有していてもよいアルキル基を示し、n
    は1〜3の整数である。〕
  2. 【請求項2】 (A)成分の光熱変換物質が、波長域6
    50〜1,300nmに吸収極大を有する光吸収色素で
    ある請求項1に記載のポジ型感光性組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分の光熱変換物質としての光吸
    収色素が、ポリメチン鎖を介して複素環が結合された構
    造のシアニン系色素である請求項2に記載のポジ型感光
    性組成物。
  4. 【請求項4】 (B)成分のアルカリ可溶性樹脂が、ノ
    ボラック樹脂である請求項1乃至3のいずれかに記載の
    ポジ型感光性組成物。
  5. 【請求項5】 支持体表面に、請求項1乃至4のいずれ
    かに記載のポジ型感光性組成物の層が形成されてなるこ
    とを特徴とするポジ型感光性画像形成材。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のポジ型感光性画像形成
    材を、波長域650〜1,300nmのレーザー光によ
    り走査露光した後、アルカリ現像液により現像処理する
    ことを特徴とするポジ画像形成方法。
JP2002122978A 2002-04-24 2002-04-24 ポジ型感光性組成物、ポジ型感光性画像形成材及びそれを用いたポジ画像形成方法 Pending JP2003316010A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002122978A JP2003316010A (ja) 2002-04-24 2002-04-24 ポジ型感光性組成物、ポジ型感光性画像形成材及びそれを用いたポジ画像形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002122978A JP2003316010A (ja) 2002-04-24 2002-04-24 ポジ型感光性組成物、ポジ型感光性画像形成材及びそれを用いたポジ画像形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003316010A true JP2003316010A (ja) 2003-11-06

Family

ID=29538439

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002122978A Pending JP2003316010A (ja) 2002-04-24 2002-04-24 ポジ型感光性組成物、ポジ型感光性画像形成材及びそれを用いたポジ画像形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003316010A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006059435A1 (ja) * 2004-11-30 2006-06-08 Think Laboratory Co., Ltd. ポジ型感光性組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006059435A1 (ja) * 2004-11-30 2006-06-08 Think Laboratory Co., Ltd. ポジ型感光性組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002189294A (ja) ポジ型画像形成材料
JP4615673B2 (ja) ポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版
JP4563556B2 (ja) ポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版
JP3836617B2 (ja) ポジ型感光性組成物、ポジ型感光性平版印刷版及びポジ画像形成方法
JP2003316010A (ja) ポジ型感光性組成物、ポジ型感光性画像形成材及びそれを用いたポジ画像形成方法
JP3949884B2 (ja) ポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版
JP2002318452A (ja) ポジ型感光性組成物、ポジ型感光性平版印刷版及びそれを用いたポジ画像形成方法
JPH11327163A (ja) ポジ画像形成方法
JP2004053931A (ja) 感光性組成物、感光性画像形成材及びそれを用いた画像形成方法
JP4006665B2 (ja) ポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版、並びにポジ画像形成方法
JP2004054106A (ja) ポジ型感光性組成物、ポジ型感光性画像形成材及びそれを用いたポジ画像形成方法
JP2003337408A (ja) ポジ型感光性組成物、ポジ型感光性画像形成材及びそれを用いたポジ画像形成方法
JP3802259B2 (ja) ポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版
JP3833840B2 (ja) ポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版
JP3860361B2 (ja) ポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版、並びにポジ画像形成方法
JP4584487B2 (ja) ポジ型画像形成材及びそれを用いたポジ画像形成方法
JP2003337409A (ja) ポジ型感光性組成物、ポジ型感光性画像形成材及びそれを用いたポジ画像形成方法
JP3772542B2 (ja) ポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版
JP4417528B2 (ja) ポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版
JP3802270B2 (ja) ポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版
JP4068320B2 (ja) ポジ型感光性組成物、ポジ型感光性平版印刷版及びそれを用いたポジ画像形成方法
JP3946941B2 (ja) ポジ型感光性平版印刷版及びその製造方法
JP3802230B2 (ja) ポジ型感光体の現像方法及びそれに用いる現像液
JP4550306B2 (ja) ポジ型感光性組成物、ポジ型感光性平版印刷版及びそれを用いたポジ画像形成方法
JP2004054009A (ja) ポジ型感光性組成物、ポジ型感光性画像形成材及びそれを用いたポジ画像形成方法