JP2003315643A - 光ファイバケーブル及びその敷設方法 - Google Patents

光ファイバケーブル及びその敷設方法

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JP2003315643A
JP2003315643A JP2002124183A JP2002124183A JP2003315643A JP 2003315643 A JP2003315643 A JP 2003315643A JP 2002124183 A JP2002124183 A JP 2002124183A JP 2002124183 A JP2002124183 A JP 2002124183A JP 2003315643 A JP2003315643 A JP 2003315643A
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fiber cable
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cable
cord
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Satoshi Takahashi
聡 高橋
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバケーブル単独でも十分な剛性を有
すると共に、端末やその近傍の配索、端末加工を容易に
行うことが可能な光ファイバケーブルを提供する。 【解決手段】 本発明の光ファイバケーブル10は、プ
ラスチック光ファイバ21を第1の被覆材22により被
覆してなる少なくとも1本の光ファイバコード20を具
備し、該光ファイバコード20を第2の被覆材23によ
り被覆して構成されたものである。また、光ファイバケ
ーブル10において、第1の被覆材22の曲げ弾性率が
1×104kg/cm2未満であると共に、第2の被覆材
23の曲げ弾性率が1×104kg/cm2以上である。
また、光ファイバコード20の曲げ剛性が7.5N/m
m未満であると共に、光ファイバケーブル10の曲げ剛
性が7.5N/mm以上であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋内又は構内配線
用として好適な光ファイバケーブル及びその敷設方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチック光ファイバは、口径を大き
くすることができる、柔軟であることから取り扱いやす
い、軽量で安価である等の利点を有し、光通信分野等に
広く利用されている。以下、本明細書において、単に
「光ファイバ」と記載している箇所があるが、すべて
「プラスチック光ファイバ」を意味しているものとす
る。上述の用途においては、外部からの機械的衝撃等に
より光ファイバが損傷して光伝送機能が低下することを
防止するために、光ファイバの外周を被覆材により被覆
した光ファイバケーブルが好適に用いられている。
【0003】また、これまで光ファイバケーブルの布設
があまり行われていなかった屋内や構内についても、今
後、光ファイバケーブルの布設が普及していくと思われ
る。屋内や構内に光ファイバケーブルを布設するに際し
ては、電線等と同様に、壁内や天井裏等に設置されたC
D管等の配管内を挿通させて、光ファイバケーブルを布
設する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、市販の
光ファイバケーブルでは、ポリエチレン樹脂やポリ塩化
ビニル樹脂等の柔軟性の高い樹脂により被覆材を構成し
ているため、光ファイバケーブルの剛性が十分でなく、
光ファイバケーブルをメッセンジャワイヤに取り付ける
などしてCD管等の配管内に挿通させる必要があり、光
ファイバケーブルの布設作業が複雑化するという問題が
ある。かかる問題を解決するために、被覆材を柔軟性の
低い材料により構成することが考えられるが、かかる構
成とした場合には、光ファイバケーブルが曲げにくくな
るため、配管外において各種機器に接続される光ファイ
バケーブルの端末やその近傍の配索や加工が困難にな
る。
【0005】また、市販の光ファイバケーブルでは抗張
力性が不十分であるため、配管内を挿通させる際に、光
ファイバケーブルを強く引張ると、光ファイバが伸びて
しまったり破断する恐れがある。かかる問題を解決する
ために、アラミド繊維等からなる抗張力体を光ファイバ
ケーブルに内蔵させることが考えられるが、かかる構成
とした場合には、光ファイバケーブルの製造コストが高
くなることに加えて、光ファイバケーブルにプラグ等を
取り付ける際に、端末の抗張力体を除去する作業が加わ
り、光ファイバケーブルの端末処理が複雑化するという
問題がある。
【0006】そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされ
たものであり、光ファイバケーブル単独でも十分な剛性
を有すると共に、端末やその近傍の配索、端末加工を容
易に行うことが可能な光ファイバケーブルを提供するこ
とを第1の目的とする。また、上記特性を有することに
加えて、十分な抗張力性を有する光ファイバケーブルを
提供することを第2の目的とする。また、本発明は、屋
内または構内に光ファイバケーブルを容易に敷設する方
法を提供することを第3の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の光ファイバケー
ブルは、プラスチック光ファイバを第1の被覆材により
被覆してなる少なくとも1本の光ファイバコードを具備
し、該光ファイバコードを第2の被覆材により被覆して
なる光ファイバケーブルであって、前記第1の被覆材の
曲げ弾性率が1×104kg/cm2未満であると共に、
前記第2の被覆材の曲げ弾性率が1×104kg/cm2
以上であることを特徴とする。ここで、曲げ弾性率は柔
軟性の指標であり、曲げ弾性率が低い程、柔軟性が高い
ことを意味している。したがって、本発明の光ファイバ
ケーブルにおいては、柔軟性の異なる2種類の被覆材を
用いることを最大の特徴としている。
【0008】本発明の光ファイバケーブルでは、光ファ
イバケーブルの最表面に位置する第2の被覆材の曲げ弾
性率を1×104kg/cm2以上と柔軟性を低く設定し
たので、本発明の光ファイバケーブル単独でも十分な剛
性を得ることができ、メッセンジャワイヤ等を用いるこ
となく、配管内に簡易に挿通することができ、通線作業
を簡略化することができる。
【0009】また、第2の被覆材を除去すると、最表面
に第1の被覆材を具備する光ファイバコードが露出する
が、本発明の光ファイバケーブルにおいては、第1の被
覆材の曲げ弾性率を1×104kg/cm2未満と柔軟性
を高く設定している。したがって、端末やその近傍につ
いては、第2の被覆材を除去し、柔軟性の高い光ファイ
バコードを露出させることによって、端末やその近傍の
配索、端末加工を容易に行うことができる。
【0010】したがって、本発明によれば、光ファイバ
ケーブル単独でも十分な剛性を有すると共に、端末やそ
の近傍の配索、端末加工を容易に行うことが可能な光フ
ァイバケーブルを提供することができる。
【0011】また、本発明の光ファイバケーブルにおい
て、前記光ファイバコードの曲げ剛性が7.5N/mm
未満であると共に、前記光ファイバケーブルの曲げ剛性
が7.5N/mm以上であることが好ましく、かかる構
成とすることにより、上述の効果を安定して得ることが
できる。
【0012】さらに、本発明の光ファイバケーブルにお
いて、前記第2の被覆材の引張り降伏点強度が2×10
7N/m2以上であると共に、前記光ファイバケーブルの
引張り強度が200N以上であることが好ましく、かか
る構成とすることにより、上記特性を有することに加え
て、抗張力性に優れた光ファイバケーブルを提供するこ
とができ、配管内を挿通させる際に、光ファイバケーブ
ルを強く引張ったとしても、光ファイバが伸びたり破断
する恐れがないので、通線作業を一層簡略化することが
できる。
【0013】また、本発明の光ファイバケーブルにおい
て、前記光ファイバコードと前記第2の被覆材との間の
剥離強度が30N以下であることが好ましい。かかる構
成とすることにより、光ファイバコードを露出させたい
箇所の第2の被覆材を容易に除去することができるの
で、好適である。
【0014】なお、本発明の光ファイバケーブルにおい
て、第1の被覆材、第2の被覆材を異なる材料により構
成することにより、これらの柔軟性を制御することがで
きる。具体的には、前記第1の被覆材をポリエチレン樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂等の柔軟性の高い樹脂により構
成し、前記第2の被覆材をポリアミド樹脂、ポリプロピ
レン樹脂等の柔軟性の低い樹脂により構成すれば良い。
【0015】また、本発明において、複数の光ファイバ
コードを備えた光ファイバケーブルとする場合、複数の
光ファイバコードを互いに隣接するように配置し、これ
らの光ファイバコードを共通の第2の被覆材により被覆
した構造とすると、第2の被覆材をより容易に剥離する
ことができるので好適である。また、第2の被覆材の外
周部であって、互いに隣接する光ファイバコードの接点
を通過する共通の接線上に凹部を設けると、第2の被覆
材の剥離を一層簡略化することができ、好適である。
【0016】また、本発明の光ファイバケーブルは、屋
内又は構内配線用として特に好適である。この場合、光
ファイバケーブルを配管内に挿通し、配管外の光ファイ
バケーブルの端末において第2の被覆材を剥離して内部
の光ファイバコードを機器に接続して光ファイバケーブ
ルを敷設すると敷設作業を容易に行うことができるため
好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る実施形態につ
いて説明する。図1に基づき、2本の光ファイバコード
を具備する光ファイバケーブルを取り上げて、本発明に
係る実施形態の光ファイバケーブルの構造について説明
する。なお、図1は、本実施形態の光ファイバケーブル
をその延在方向に対して垂直方向に切断した時の概略断
面図である。
【0018】本実施形態の光ファイバケーブル10は、
プラスチック光ファイバ21を第1の被覆材22により
被覆してなり、互いに隣接して配置された2本の光ファ
イバコード20を具備し、これら2本の光ファイバコー
ド20をさらに共通の第2の被覆材23により被覆して
概略構成されたものである。このように、本実施形態で
は、2種類の被覆材を具備することが最大の特徴となっ
ている。また、第2の被覆材23の外表面には、2本の
光ファイバコード20の境界線に沿って断面V字状の凹
部24が形成されている。即ち、凹部24は、2本の光
ファイバコード20の接点を通る共通の接線上に形成さ
れている。
【0019】本実施形態の光ファイバケーブル10を構
成する光ファイバ21としては、公知のプラスチック光
ファイバを用いることができ、例えば、ポリメタクリル
酸メチル等の透光性に優れた樹脂を芯材とし、この芯材
を、芯材よりも屈折率の低い鞘材により被覆した構造の
ものを例示することができる。
【0020】また、光ファイバコード20の最表面に位
置し、光ファイバ21を被覆する第1の被覆材22は、
曲げ弾性率が1×104kg/cm2未満の柔軟性の高い
樹脂により構成されている。ここで、第1の被覆材22
を構成する樹脂としては、ポリエチレン樹脂やポリ塩化
ビニル樹脂等が好適である。これに対して、本実施形態
の光ファイバケーブル10の最表面に位置し、2本の光
ファイバコード20を被覆する第2の被覆材23は、曲
げ弾性率が1×10 4kg/cm2以上の柔軟性の低い樹
脂により構成されている。ここで、第2の被覆材23を
構成する樹脂としては、ポリアミド12等のポリアミド
樹脂やポリプロピレン樹脂等が好適である。
【0021】本実施形態の光ファイバケーブル10は以
上のように構成され、本実施形態の光ファイバケーブル
10では、光ファイバケーブル10の最表面に位置する
第2の被覆材23を柔軟性の低い材料により構成したの
で、本実施形態の光ファイバケーブル10単独でも十分
な剛性を得ることができ、メッセンジャワイヤ等を用い
ることなく、CD管等の配管内に簡易に挿通することが
でき、通線作業を簡略化することができる。また、光フ
ァイバケーブル10の曲げ剛性が7.5N/mm以上と
なるように、第2の被覆材23の材料や厚み等を設計す
ることが好ましく、かかる構成とすることにより、この
効果を安定して得ることができる。
【0022】また、第2の被覆材23を除去すると、最
表面に第1の被覆材22を具備する光ファイバコード2
0が露出するが、本実施形態の光ファイバケーブル10
においては、第1の被覆材22を柔軟性の高い材料によ
り構成している。したがって、端末やその近傍について
は、第2の被覆材22を除去し、柔軟性の高い光ファイ
バコード20を露出させることによって、端末やその近
傍の配索、光ファイバケーブル10にプラグ等を取り付
ける端末加工を容易に行うことができる。そのため、光
ファイバコード20の端末を各種機器に接続する作業を
容易に行うことができ、光ファイバケーブル10を容易
に敷設できる。また、光ファイバコード20の曲げ剛性
が7.5N/mm未満となるように、第1の被覆材22
の材料や厚み等を設計することが好ましく、かかる構成
とすることにより、この効果を安定して得ることができ
る。
【0023】なお、第2の被覆材23は、市販のワイヤ
ストリッパ等を用いて除去することができる。また、本
実施形態では、第2の被覆材23の外表面に、2本の光
ファイバコード20の境界線に沿って凹部24を形成す
る構成としたので、カッターナイフ等を用いて光ファイ
バケーブル10の凹部24に切り目を入れて第2の被覆
材23を割り裂いて除去することも可能である。なお、
凹部24を形成する箇所やその形状は、本実施形態で説
明したものに限定されるものではなく、適宜設計するこ
とが可能である。また、凹部24を設けない構成として
も良い。
【0024】また、光ファイバケーブル10にプラグ等
を取り付ける端末加工とは、具体的には、光ファイバケ
ーブル10の端末の第2の被覆材23を除去して光ファ
イバコード20を露出させた後、各光ファイバコード2
0の先端部分の第1の被覆材22を除去して光ファイバ
21を露出させ、光ファイバコード20の先端部分をプ
ラグ等に挿通固定することを意味している。
【0025】また、第2の被覆材23の引張り降伏点強
度が2×107N/m2以上、光ファイバケーブル10の
引張り強度が200N以上となるように、第2の被覆材
23の材料等を設計することが好適である。かかる構成
とすることにより、抗張力性に優れた光ファイバケーブ
ル10を提供することができ、配管内を挿通させる際
に、光ファイバケーブル10を強く引張ったとしても、
光ファイバが伸びたり破断する恐れがないので、通線作
業を一層簡略化することができる。
【0026】また、第1の被覆材22と第2の被覆材2
3とを密着性の低い材料により構成し、容易に剥離可能
な構成とすることが好ましい。具体的には、光ファイバ
コード20と第2の被覆材23との間の剥離強度を30
N以下とすることが好ましく、かかる構成とすることに
より、光ファイバコード20を露出させたい箇所の第2
の被覆材23を容易に除去することができるので、好適
である。
【0027】以下、図2に基づいて、本明細書における
剥離強度の測定方法について説明する。第2の被覆材2
3を部分的に剥離した長さ100cmの光ファイバケー
ブル10を用意し、第2の被覆材23が残っている部分
の長さが30mmになるように切断したサンプルについ
て、図2に示す測定装置を用いて剥離強度の測定を行
う。なお、説明の便宜上、第2の被覆材23を剥離した
部分を「剥離部分」、第2の被覆材23が残っている部
分を「被覆部分」と称す。図2に示す測定装置には、光
ファイバケーブル10を保持する治具12と、治具12
の一端部に形成された突起14を把持するチャック8
と、光ファイバケーブル10の剥離部分5を把持するチ
ャック7とが備えられている。また、治具12には、光
ファイバケーブル10の被覆部分4が収容される保持室
13と、光ファイバケーブル10の剥離部分5よりも大
きく被覆部分4よりも狭い貫通孔15が形成されてい
る。そして、かかる構成の測定装置を用いて以下のよう
に剥離強度を測定する。はじめに、治具12に形成され
ている保持室13内に光ファイバケーブル10の被覆部
分4を収容し、光ファイバケーブル10の剥離部分5を
貫通孔15から抜き出す。次に、治具12の一端部に形
成されている突起14をチャック8で把持し、光ファイ
バケーブル10の剥離部分5をチャック7で把持する。
次に、光ファイバケーブル10の中心軸方向(図中矢印
方向)に沿って、一定速度50mm/minでチャック
8を移動させて治具12を引っ張り、光ファイバケーブ
ル10の被覆部分4において剥離部分5よりも厚い部分
を引き抜く。このときの引き抜き応力と、光ファイバケ
ーブル10の被覆部分4において剥離部分5よりも厚い
部分の引き抜き方向へのずれ量との関係を示す曲線か
ら、引き抜く際の応力のピーク値を読みとり測定値とす
る。
【0028】以上の本実施形態の光ファイバケーブル1
0は、屋内又は構内配線用として特に好適なものであ
る。なお、本実施形態では、2本の光ファイバコード2
0を用いた光ファイバケーブル10を取り上げて説明し
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、1本若
しくは3本以上の光ファイバコード20を用いて光ファ
イバケーブルを構成しても、本発明と同様の効果を得る
ことができる。
【0029】
【実施例】次に、本発明に係る実施例及び比較例につい
て説明する。 (実施例)ポリメタクリル酸メチルからなる芯材(芯材
外径:約980μm )を、メタクリル酸−フッ素化ア
ルコールエステル重合体からなる鞘材(厚さ:約10μ
m)により被覆してなるプラスチック光ファイバ(三菱
レイヨン(株)製 GK−40)を、ポリエチレン樹脂
からなる第1の被覆材により被覆した構造の光ファイバ
コード(三菱レイヨン(株)製 GH4001、外径約
2.2mm)2本を用意し、該2本の光ファイバコード
をポリプロピレン樹脂からなる第2の被覆材により被覆
し、図1に示した構造の本発明の光ファイバケーブルを
作製した。そして、得られた光ファイバケーブルについ
て評価を行った。なお、評価項目及び評価方法について
は後述する。
【0030】(比較例1)比較のため、実施例で用いた
のと同じプラスチック光ファイバ(三菱レイヨン(株)
製 GK−40)1本を、ポリエチレン樹脂からなる被
覆材により被覆した構造の光ファイバケーブル(三菱レ
イヨン(株)製 GH4001)を用い、実施例と同様
に評価を行った。
【0031】(比較例2)比較のため、実施例で用いた
のと同じプラスチック光ファイバ(三菱レイヨン(株)
製 GK−40)1本を、ポリアミド樹脂からなる被覆
材により被覆した構造の光ファイバケーブル(三菱レイ
ヨン(株)製 GHN4001)を用い、実施例と同様
に評価を行った。
【0032】(比較例3)比較のため、実施例で用いた
のと同じプラスチック光ファイバ(三菱レイヨン(株)
製 GK−40)2本とアラミド繊維からなる抗張力体
とを、ポリ塩化ビニル樹脂からなる被覆材により被覆し
た構造の光ファイバケーブル(三菱レイヨン(株)製
GHTT4002)を用い、実施例と同様に評価を行っ
た。
【0033】(評価項目及び評価方法) 1.被覆材の曲げ弾性率 被覆材の曲げ弾性率を、JISK7171に従って測定
した。はじめに、図3(a)に示すように、試験サンプ
ル100(光ファイバケーブル若しくは光ファイバコー
ド)を離間配置された一対の保持部材200上に載置し
た後、試験サンプル100の中央部に押圧部材300を
載置した。なお、一対の保持部材200の間隔を15m
mとした。次いで、図3(b)に示すように、押圧部材
300により試験サンプル100を図示下方に押圧し
た。そして、歪みε1、ε2を与える応力σ1、σ2をそれ
ぞれ測定し、曲げ弾性率を(σ2 1)/(ε21
により求めた。
【0034】2.曲げ剛性 曲げ弾性率の測定と同様に試験サンプルを押圧し(図3
参照)、試験サンプルの押圧による変形量が押圧と線形
の関係にある領域での単位変形量あたりの押圧力(N/
mm)を、曲げ剛性として求めた。
【0035】3.引張り強度、引張り降伏点強度 各実施例、比較例の光ファイバケーブルの引張り強度、
及び実施例の光ファイバケーブルを構成する第2の被覆
材の引張り降伏点強度を、テンシロン引張り試験器によ
り測定した。なお、第2の被覆材の引張り降伏点強度
は、JISK7113に記載の2号形試験片のサンプル
形状で測定した。
【0036】4.CD管内への通線 曲率半径50mmの90°曲げを1m間隔で3箇所設
け、カテゴリー5の撚り対線1本を予め通線させた、C
D管(内径16mm)4mの一端から、各実施例、比較
例の光ファイバケーブルを挿通させ、他端まで通線でき
るかどうかを確認した。
【0037】5.端末加工 各実施例、比較例の光ファイバケーブルの端末にプラグ
を取り付け、端末加工の作業性を評価した。なお、実施
例の光ファイバケーブルについては、「発明の実施の形
態」の項で説明したようにプラグを取り付けたのに対
し、各比較例においては、光ファイバケーブルの先端部
分の被覆材等を除去して光ファイバを露出させ、光ファ
イバケーブルの先端部分をプラグに挿通固定することに
より、プラグを取り付けた。
【0038】(結果)評価結果を表1、表2に示す。表
1に示すように、実施例では、曲げ弾性率が1×104
kg/cm2未満の柔軟性の高い第1の被覆材と、曲げ
弾性率が1×104kg/cm2以上の柔軟性の低い第2
の被覆材を用いることにより、7.5N/mm以上の十
分な曲げ剛性を有する光ファイバケーブルを得ることが
できた。また、第2の被覆材の引張り降伏点強度が2×
107N/m2以上と高く、引張り強度が200N以上の
光ファイバケーブルを得ることができた。得られた光フ
ァイバケーブルをCD管内に挿通したところ、メッセン
ジャワイヤを使用せずに他端まで容易に通線できること
が確認された。また、通線する際に、光ファイバケーブ
ルを強く引張っても、光ファイバが伸びたり破断するこ
とがなかった。また、実施例において得られた光ファイ
バケーブルの端末の第2の被覆材は、市販のカッターナ
イフを用いて容易に除去することができ、曲げ剛性が
7.5N/mm未満の柔軟性の高い光ファイバコードを
簡易に露出させることができることが判明した。露出さ
せた各光ファイバコードの端末にプラグを取り付けたと
ころ、プラグ取付け加工が1分以内に終了し、端末加工
が容易であることが判明した。
【0039】これに対して、曲げ弾性率が1×104
g/cm2未満の柔軟性の高い被覆材のみを用いた比較
例1の光ファイバケーブルの曲げ剛性は3.5N/mm
と低く、CD管内への挿通を試みたが、途中で折れ曲が
り、他端まで通線することができなかった。また、光フ
ァイバケーブルの引張り強度は76Nと低く、光ファイ
バケーブルを強く引張ると、光ファイバが伸びてしまい
元に戻らなかった。
【0040】また、曲げ弾性率が1×104kg/cm2
以上の柔軟性の低い被覆材のみを用いた比較例2の光フ
ァイバケーブルの曲げ剛性は12N/mmと高く、この
光ファイバケーブルをCD管内に挿通したところ、メッ
センジャワイヤを使用せずに他端まで容易に通線できる
ことが確認された。しかしながら、光ファイバケーブル
の曲げ剛性が高いため、端末加工の作業性が悪かった。
【0041】また、曲げ弾性率が1×104kg/cm2
未満の柔軟性の高い被覆材のみを用いても、抗張力体を
内蔵した比較例3の光ファイバケーブルの曲げ剛性は9
N/mmと高く、この光ファイバケーブルをCD内に挿
通したところ、メッセンジャワイヤを使用せずに他端ま
で通線できることが確認された。また、抗張力体が内蔵
されているため、光ファイバケーブルの引張り強度は2
00N以上と高く、光ファイバケーブルを強く引っ張っ
ても、光ファイバの伸びや破断は起こらなかった。しか
しながら、光ファイバケーブルに抗張力体が内蔵されて
いるため、端末加工を行う際に、抗張力体の除去が必要
であり、端末加工の作業性が極めて悪かった。
【0042】以上、説明したように、本発明の光ファイ
バケーブルによれば、光ファイバケーブル単独でも十分
な剛性を有すると共に、十分な抗張力性を有し、端末加
工が容易な光ファイバケーブルを提供することができる
ことが判明した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
最表面に曲げ弾性率が1×104kg/cm2未満の柔軟
性の高い第1の被覆材を具備する少なくとも1本の光フ
ァイバコードを、曲げ弾性率が1×104kg/cm2
上の柔軟性の低い第2の被覆材により被覆する構成とし
たので、光ファイバケーブル単独でも十分な剛性を有す
ると共に、端末やその近傍の配索、端末加工を容易に行
うことが可能な光ファイバケーブルを提供することがで
きる。また、第2の被覆材の引張り降伏点強度を2×1
7N/m2以上とすることが好ましく、かかる構成とす
ることにより、上記特性を有することに加えて、十分な
抗張力性を有する光ファイバケーブルを提供することが
できる。さらに、本発明によれば、光ファイバケーブル
を屋内や構内に容易に敷設することが可能な光ファイバ
ケーブルの敷設方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係る実施形態の光ファイバ
ケーブルの構造を示す概略断面図である。
【図2】 図2は、剥離強度の測定方法を説明するため
の図である。
【図3】 図3(a)、(b)は、曲げ弾性率の測定方
法を説明するための概略断面図である。
【符号の説明】
10 光ファイバケーブル 20 光ファイバコード 21 光ファイバ 22 第1の被覆材 23 第2の被覆材 24 凹部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック光ファイバを第1の被覆材
    により被覆してなる少なくとも1本の光ファイバコード
    を具備し、該光ファイバコードを第2の被覆材により被
    覆してなる光ファイバケーブルであって、 前記第1の被覆材の曲げ弾性率が1×104kg/cm2
    未満であると共に、前記第2の被覆材の曲げ弾性率が1
    ×104kg/cm2以上であることを特徴とする光ファ
    イバケーブル。
  2. 【請求項2】 前記光ファイバコードの曲げ剛性が7.
    5N/mm未満であると共に、前記光ファイバケーブル
    の曲げ剛性が7.5N/mm以上であることを特徴とす
    る請求項1に記載の光ファイバケーブル。
  3. 【請求項3】 前記第2の被覆材の引張り降伏点強度が
    2×107N/m2以上であると共に、前記光ファイバケ
    ーブルの引張り強度が200N以上であることを特徴と
    する請求項1又は請求項2に記載の光ファイバケーブ
    ル。
  4. 【請求項4】 前記光ファイバコードと前記第2の被覆
    材との間の剥離強度が30N以下であることを特徴とす
    る請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光
    ファイバケーブル。
  5. 【請求項5】 前記第1の被覆材がポリエチレン樹脂若
    しくはポリ塩化ビニル樹脂からなり、前記第2の被覆材
    がポリアミド樹脂若しくはポリプロピレン樹脂からなる
    ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか
    1項に記載の光ファイバケーブル。
  6. 【請求項6】 複数の前記光ファイバコードが互いに隣
    接して配置されており、かつ、これらの光ファイバコー
    ドが共通の前記第2の被覆材により被覆されていること
    を特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項
    に記載の光ファイバケーブル。
  7. 【請求項7】 前記第2の被覆材の外周部であって、互
    いに隣接する前記光ファイバコードの接点を通過する共
    通の接線上に凹部が設けられていることを特徴とする請
    求項6に記載の光ファイバケーブル。
  8. 【請求項8】 屋内又は構内配線用であることを特徴と
    する請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の
    光ファイバケーブル。
  9. 【請求項9】 請求項1から請求項8までのいずれか1
    項に記載の光ファイバケーブルを配管内に挿通し、配管
    外の光ファイバケーブルの端末において第2の被覆材を
    剥離して内部の光ファイバコードを機器に接続すること
    を特徴とする光ファイバケーブルの敷設方法。
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