JP2003314992A - 熱交換器とこれを備えた電気機器 - Google Patents

熱交換器とこれを備えた電気機器

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JP2003314992A
JP2003314992A JP2002118883A JP2002118883A JP2003314992A JP 2003314992 A JP2003314992 A JP 2003314992A JP 2002118883 A JP2002118883 A JP 2002118883A JP 2002118883 A JP2002118883 A JP 2002118883A JP 2003314992 A JP2003314992 A JP 2003314992A
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vibration
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Toshiichi Tomioka
冨岡  敏一
Hiroshi Onishi
宏 大西
Yukiyoshi Ono
之良 小野
Yoshinobu Nakamura
喜信 中村
Hironao Numamoto
浩直 沼本
Narihiro Sato
成広 佐藤
Ikuo Akamine
育雄 赤嶺
Shiho Furuya
志保 古谷
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Devices For Blowing Cold Air, Devices For Blowing Warm Air, And Means For Preventing Water Condensation In Air Conditioning Units (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エアコン等は、熱交換器表面および結露水受
け皿表面の湿潤などの生息環境により微生物が繁殖し、
室内吹き出しなどで再汚染する可能性があるため、熱交
換器表面の清潔性が要求される。 【解決手段】 表面で熱交換し、空気中からの結露水に
接液する位置に設置された対向部材を有し、対向部材と
間隙を空けて設置された熱交換器であって、結露水受け
部材中に設置され、熱交換器と対向部材間に存在する微
生物を対向部材方向へ移動可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エアコン、冷蔵庫
のように熱交換器とこれを備えた電気機器に関し、熱交
換器から流出される結露水に含まれる微生物の除菌に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、エアコン等の電気機器に
おいて、室内に吹き出す空気中に含まれる微生物につい
て検討が多くなされてきた。
【0003】空調機の空気流路にフィルターを設け、空
気中に含まれる微生物を捕集し、さらにフィルター表面
に抗菌剤を配置し、捕集した微生物の活動を抑止するな
どの考案が提出かつ実施されている。
【0004】しかし、空気中には、微生物と共に生物か
ら蒸散する無機、有機成分及び浮遊する有機成分があ
り、これが微生物の栄養源となる可能性がある。すなわ
ち、空気中の汗、炭酸ガス、アンモニア成分を初めとす
る窒素化合物が空調機内部に入ると、結露した熱交換器
表面で結露水に取り込まれる。一方、浮遊微生物も同様
の方法経路で熱交換器表面に付着する。熱交換器は、周
囲環境の温度で作動停止を繰り返すように制御されてい
るため、湿潤と乾燥を繰り返す。さらに空調機は、一日
のサイクルで運転と停止を繰り返すうちに、上記付着し
た微生物は、取り込まれた栄養源で増殖する可能性があ
る。さらに増殖した微生物は、熱交換器の乾燥状態が続
けば、熱交換器表面への馴染み性が少なくなり、再び空
気中に飛散する可能性がある。
【0005】さらに、冷蔵庫においてもエアコンと同
様、庫内に熱交換器を有し、庫内に持ち込まれた食品か
ら飛散した微生物が熱交換器表面に付着し、熱交換器表
面の解凍サイクル時の温度等により微生物が繁殖し、庫
内に再汚染する可能性があるため、熱交換器表面の清潔
性が要求される。
【0006】そこで、熱交換器表面の微生物を低減する
方法が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、簡素な構成で、表面の微生物濃度を低下させること
ができる熱交換器とこれを備えた電気機器を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】表面で熱交換し、空気中
からの結露水に接液する位置に設置された対向部材を有
し、前記対向部材と間隙を空けて設置された熱交換器で
あって、結露水受け部材中に設置され、熱交換器と対向
部材間に存在する微生物を対向部材方向へ移動可能とし
た熱交換器の対向部材に振動を加える機構を備えた電気
機器の提供を目的とする。
【0009】上記振動は上記間隙に対し、電気機器の稼
働に伴う振動を実質的に利用する構造で、上記振動は上
記間隙に対し実質的に垂直方向に加わることを特徴とす
る。
【0010】あるいは、上記振動機構は、回転駆動源か
らの振動を利用することを特徴とする。
【0011】もしくは、上記振動機構は、冷却された結
露水が、バイメタルなどの熱膨張による歪み部材に加わ
ることで発生する機械力を、前記対向部材に伝達し発生
する摺動運動を利用することを特徴とする。
【0012】対向部材との間の間隙に、熱交換器又は対
向部材に対し相対的位置関係が変位可能な構造を有し、
かつ表面湿潤性かつ電気絶縁性を有する間隙部材が充填
され、間隙部材は対向部材の摺動に対し、熱交換器部材
と密着し、対向部材と間隙部材の間で位置づれ動作を生
じることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の目的は、熱交換器に対向
して部材を設け、結露水に含まれる微生物を部材表面に
集めることで達成される。集める方法としては特に限定
するものではないが、例えば、微生物は表面に電荷を有
しており、電場に応じた移動をするため、以下の方法を
利用することができる。
【0014】(1)同種もしくは異種の金属を対向して
間隙を設けて設置し、金属間に電圧を印加することで、
間隙中の微生物が一方向へ移動する現象を利用する。こ
の場合、多くの微生物はその表面が負に帯電しているた
め、正の電圧を有する金属方向へ移動する。
【0015】(2)酸化還元電位の異なる2種類の金属
を対向して間隙を設けて設置し、2種類の金属のそれぞ
れの一端を、2種のそれぞれの金属が共に浸漬される電
解質液に浸らない箇所で電気的に短絡する構造で、間隙
中の微生物が一方向へ移動する現象を利用する。この場
合、多くの微生物は酸化還元電位の低い金属方向へ移動
する。
【0016】本発明実施の形態としては上記した原理に
より、熱交換器表面から対向する金属体部材表面に微生
物を移動させ、金属体表面で微生物を保持し、同時に殺
菌あるいは増殖抑止させる構成を有するものである。
【0017】ここでいう微生物とは、細菌、真菌、酵母
などのいわゆる病原性を有するものを含む微生物全般を
指す。それぞれ大きさと帯電する電荷の大きさが異なる
ため、誘引あるいは不活化させるための条件は異なる
が、代表的な微生物による誘引あるいは不活化する現象
を確認した。
【0018】かかる構成に於いて、酸化還元電位の低い
金属すなわち対向部材表面に、移動してきた微生物ある
いはその死骸、酸化還元電位の低い金属から溶出したイ
オンの酸化物などの金属塩、あるいは熱交換器表面の結
露水に含まれる埃などの夾雑物が堆積する。
【0019】この堆積物は上記発生した結露水の流出を
滞らせ、さらなる堆積を助長する可能性がある。これを
排除するため、対向部材あるいは間隙部材に振動を与
え、堆積物に対して結露水を利用した洗い流し効果を向
上させるものである。
【0020】具体的には、対向部材電極材料の一端に振
動発生源を設置し、その振動を対向部材電極に伝え、対
向部材電極材料表面の堆積物を除去させる。
【0021】この振動発生源は、回転運動を振動に変換
させたバイブレーター、結露水と周囲雰囲気の温度差を
利用したバイメタルの伸縮、空調機の振動を利用した共
振型などを利用することが出来る。
【0022】さらに、この振動を対向部材電極に伝える
のではなく、間隙部材に伝えることも可能である。
【0023】以下、具体的な構成部材の諸元について説
明する。
【0024】(実施の形態1)本発明の実施の形態1を
(図1)と共に説明する。
【0025】図1は空調機内部の本発明実施の形態1の
熱交換器部分断面図である。
【0026】1は熱交換器で、結露水が流下するフィン
部分はアルミニウム合金で構成されている。アルミニウ
ム合金はアルミニウムに銅0.01%、マンガン0.2
6%、ケイ素0.07%等を添加した合金である。2は
対向部材で、2mm厚みの亜鉛合金板から成り、結露水
受け皿(図示せず)内側底部に設置されている。上記対
向部材2は、熱交換器とほぼ同じ幅を有し、熱交換器長
さ方向にわたり熱交換器底部と約2mmの間隙を有し、
かつ熱交換器長さ方向終端部で熱交換器と電気的に短絡
されている。
【0027】上記亜鉛合金は、亜鉛に銅0.35%、チ
タン0.07%、アルミニウム0.003%等を添加し
た合金である。酸化還元電位は純亜鉛とほぼ同じで、純
亜鉛に較べて耐食性が向上している。長期の水浸漬環境
下での使用に対し、機械的強度の持続性向上が望める材
料である。
【0028】具体的には、前記熱交換器から前記対向部
材間に流れる結露水の実質的流路域以外で、両部材間を
電気的に短絡させるため、対向部材の一端を結露水受け
皿3の水面より上方に立ち上げた場所に接続端子4を設
け、電気的に接続している。
【0029】5は間隙部材で、半径2mmの半円柱状の
ナイロン製部材である。上面を前記熱交換器底部に接
し、間隙部材5の底部は対向部材に接している。熱交換
器表面を流下した結露水は、間隙部材表面を伝い対向部
材に到達する。
【0030】この間、熱交換器から対向部材までの結露
水の薄膜を形成することから、その水中で微生物の泳
動、誘引を生じさせる。
【0031】微生物はその表面が負に帯電するため、正
極方向に誘引され、正極表面に緻密に堆積され、結果と
して不活化されることを見出した。一方アルミニウム合
金は純アルミニウムより酸化還元電位は高く、亜鉛合金
電極と電気的に短絡させて電解質中である結露水中に2
種の電極を適当な間隙を設け相対するように浸漬する事
で、約0.35V程度の起電圧を発生する。この場合亜
鉛合金が正に帯電するため、電解質中の微生物は亜鉛合
金電極表面に堆積し、かつ不活化する。
【0032】また、対向部材電極に亜鉛合金を用いるこ
とで結露水中に極微量ではあるが亜鉛がイオン化して溶
出する。亜鉛イオンは、最小発育阻止濃度約1000p
pmの抗菌性能を有する事が知られているが、電極近傍
では局部的には高濃度に溶出しており、上記亜鉛イオン
の溶出により、結露水受け皿中に亜鉛イオンが拡散し、
結露水受け皿中の雑菌の増殖を抑止する。
【0033】ここで、対向部材電極には亜鉛合金金属を
用いたが、対向部材電極に用いるための材料に要求され
る特性には、溶出してカチオンになる材料、その材料は
水の酸化還元電位に比較して低い酸化還元電位を有する
事いわゆる溶けやすい材料であること、電気的に良導体
あるいは半導体であること、熱交換器を構成する材料よ
り酸化還元電位の低い材料である必要がある。本実施例
では加工の容易さ、コストの面から亜鉛合金を選定し
た。他に利用できる材料として錫、マグネシウムおよび
それらの合金が挙げられる。
【0034】まず、電極間の間隙について具体的に説明
する。
【0035】電極間距離と液中の微生物移動速度の関係
を(図3)に示す。
【0036】この図からも明らかなように、電極間距離
が6mmを超えると微生物の誘引が生じ難くなり、本発
明構成に於いて熱交換器と対向部材の間隙は6mm以内
に設定する必要がある。
【0037】第二に、熱交換器の材料について説明す
る。
【0038】アルミニウムへの添加不純物が電極材料の
酸化還元電位に与える影響については、軽金属学会研究
委員会 表面処理部会腐食防食分科会編”電気化学的分
極測定”p2(1985)等に掲載され、不純物の種類
により酸化還元電位が大きく変化することが知られてい
る。これら不純物の中で酸化還元電位を0.3V以上高
める効果のある添加不純物として銅、マンガン、亜鉛、
ケイ素が挙げられる。
【0039】実施の形態1で使用したアルミニウム合金
は、電気精錬で得られた純度の高いアルミニウムいわゆ
る純アルミニウムに銅0.01%、マンガン0.26
%、ケイ素0.07%等を添加した合金である。
【0040】この合金を熱交換器の材料に使用し、対向
部材電極材料に亜鉛合金を使用することで、0.35V
の起電圧を測定し、この系で微生物の誘引現象を観測し
た。
【0041】第3には対向部材電極材料のカチオン溶解
性について説明する。
【0042】対向部材電極に誘引されるのは負に帯電し
た微生物で、対向部材電極すなわち正極上でその電荷を
放出し堆積する。その際電荷の補償をとるため電極から
正に帯電した電極材料イオンの溶出が生じる必要があ
る。従って対向部材電極材料は部材構成原料がカチオン
として溶出することが必要となる。ここでいうカチオン
とは、部材構成原料が正電荷を得て、溶液中に溶出する
イオンを指し、金属種により1価、2価等種類によって
は複数の電荷を持つ場合もある。
【0043】電極材料として、正極負極共に亜鉛、アル
ミニウム、金を用い、1/1000に希釈した菌培養の
一般的培地(NB培地)を用い、約105cfu/ml
の大腸菌を分散させた菌液を調製し電極間に配置した。
それぞれの電極間に0.7Vを印加した際の時間経過と
共に減少する液中の生菌数を測定した。
【0044】(図4)に各種金属を電極材料に用いた場
合の液中の生菌数の時間的減少を示す。
【0045】亜鉛合金は、正極側に菌体が誘引され菌体
の有する負電荷が電極に放出されることが、顕微鏡によ
り観察でき、それと共に電極から正電荷を持った電極構
成元素がイオン化されることが原子吸光分析法により確
認される。
【0046】アルミニウムについて上記同様の試験を行
った結果、電圧印加を行っても電流が亜鉛に比較し1/
10以下しか流れない。これは、アルミニウム表面にア
ルミニウム水酸化物/酸化物からなる絶縁層が形成さ
れ、電極材料の溶出を抑えるとともに、電極間の電流を
流れにくくした結果と考えられる。
【0047】金については上記同様の試験を行った結
果、電圧印加を行っても電流が亜鉛に比較し、1/10
以下しか流れない。これは、金がイオン化傾向が低く菌
液中にカチオンとなって溶出しにくい為と考えられる。
【0048】従ってこれらの結果より、対向部材電極材
料としては、電極材料表面に絶縁膜を作りにくい材料、
イオン化傾向の高い材料が望ましい。すなわちカチオン
となり液中に溶出しやすい材料が電極材料として好まし
いと考えられる。
【0049】この図からも明らかなように、カチオンと
なり液中に溶出しやすい材料すなわち溶け出しやすい金
属に於いて生菌数の顕著な減少が認められる。
【0050】第4に対向部材電極材料の抗菌性能につい
て説明する。
【0051】誘引された微生物は対向部材電極上に堆積
するが、堆積された底部の微生物は酸素・栄養の摂取が
できないため生存できなくなる。しかし堆積層最上部の
微生物は電化の放出で不活化方向になるものの、不活化
確率は低い。
【0052】溶出イオンが微生物に対し抗菌作用を発揮
できれば、その不活化率をさらに高めることができる。
【0053】結露水受け皿中に溶解する溶出イオンの濃
度は、全結露水中の濃度は低いが、電極の極近傍で約2
000ppm程度になると考えられる。そこで結露水中
に各種抗菌成分を上記濃度溶解し、微生物を接種して運
転状況と同じ量の結露水を補充した際の微生物の不活化
状況を(表1)に示す。ここで使用した試験供試抗菌成
分は、公表MIC値がそれぞれの値を示す成分を用い、
結露水受け皿に必要量の抗菌成分を配置し、常温で実験
に供した。
【0054】その結果、MIC値3200ppm以下の
材料で、結露水中の微生物の増殖を抑止できる。
【0055】
【表1】
【0056】第5に対向部材電極材料と熱交換器材料の
酸化還元電位の差について説明する。
【0057】(図5)に酸化還元電位の異なる2種類の
金属を一方で短絡させた場合の両電極間に発生する電位
差と電極間の菌液中での菌移動速度の関係を図示する。
【0058】金、亜鉛、アルミニウム等の金属を組み合
わせた異種金属電極対を作成し、その実際発生起電圧と
液中で移動する菌の移動速度を示した。その結果、異種
金属の酸化還元電位の差は0.2V以上で菌の移動が観
測された。また、電気分解以上の電圧が印加されると電
極近傍でガス発生が見られると同時に乱流が発生し、菌
の安定した誘引が起こりにくいことを確認した。
【0059】さらに、1.2V以上の水の電気分解を超
える電圧では電極材料の溶出などによる消耗/腐食が甚
だしく、実用的ではない。
【0060】第6に間隙部材について説明する。
【0061】間隙部材は、その表面の湿潤性が良好で、
熱交換器表面から流下する結露水をその表面を伝って対
向部材電極材料へと流す過程で、間隙部材表面で薄い水
の膜を形成させる。この水の膜中で、熱交換器表面と対
向部材電極材料間で、電位により細菌が誘引される。上
記目的を達成させるために間隙部材に要求される特性
は、良好な表面湿潤性かつ電気絶縁性である。
【0062】また、間隙部材近傍では流下した結露水の
結露水受け皿の中にあり、結露水の排出が行われるた
め、間隙部材の排出流路に直角方向の断面積は、小さい
ことが望ましい。この間隙には、空気中に浮遊する塵埃
も捕集され、結露水と共に排出されることもあるため、
間隙部材はその障害物になってはならない。
【0063】第7に熱交換器部材と対向部材電極材料と
の電気的短絡構造について説明する。
【0064】熱交換器部材と対向部材電極材料との電気
的短絡は、前記熱交換器から前記対向部材間に流れる結
露水の実質的流路域以外で、上記それぞれの材料を電気
的に短絡しなければならない。上記流路域もしくは結露
水中で短絡を行うと、短絡部分あるいはその近傍部材表
面が腐食を生じ、長期間安定した電気的短絡を維持でき
なくなるおそれが生じる。
【0065】第8に本実施例振動発生部材について説明
する。
【0066】本実施例振動発生部材は、電動機6、その
軸7、偏心カム8と振動部保持具9から成り、電気的に
本実施例振動発生部材が駆動されると本実施例振動発生
部材全体が偏心カムの回転数に応じた振動を発生する。
この振動は振動部保持具9から振動部保持具9が設置さ
れている対向部材2に伝達され、対向部材2表面の堆積
物の洗い流しが促進される。
【0067】すなわち、本実施例振動発生部材の駆動に
より、熱交換器部材1に密接して設置された間隙部材5
と対向部材2との間に摺動運動が発生し、対向部材2と
間隙部材5の間で位置づれ動作を生じさせ、対向部材表
面に析出した堆積物を洗い流す作用を発揮する。
【0068】(実施の形態2)本発明の実施の形態2を
(図2)と共に説明する。
【0069】図2は空調機内部の本発明実施の形態2の
熱交換器部分断面図である。
【0070】1は熱交換器で、結露水が流下するフィン
部分はアルミニウム合金で構成されている。アルミニウ
ム合金はアルミニウムに銅0.01%、マンガン0.2
6%、ケイ素0.07%等を添加した合金である。2は
対向部材で、2mm厚みの亜鉛板から成り、結露水受け
皿3の内側底部に設置されている。上記対向部材2は、
熱交換器とほぼ同じ幅を有し、熱交換器長さ方向にわた
り熱交換器底部と約2mmの間隙を有し、かつ熱交換器
長さ方向終端部に電極接続端子が設けられた亜鉛合金か
らなる。一方熱交換器の一端にも電極接続端子が設けら
れており、それらが、ドレン水の水中でないところで電
気的に短絡されている。
【0071】5は間隙部材で、半径2mmの半円柱状の
発泡ポリエチレン製部材である。上面を前記熱交換器底
部に固定し、間隙部材5の底部は対向部材に接してい
る。熱交換器表面を流下した結露水は、間隙部材表面を
伝い対向部材に到達する。この間隙部材は可とう性があ
り、熱交換器部材と密着し、対向部材と間隙部材の間で
位置づれ動作を生じることが可能である。
【0072】この間、熱交換器から対向部材までの結露
水の薄膜を形成することから、その水中で微生物の泳
動、誘引を生じさせる。
【0073】熱交換器1の作動中は結露水を発生する。
結露水が発生した際、その流下路に設置したバイメタル
10の伸縮作用を対向部材2に伝達し、その表面の堆積
物を熱交換器に付着した間隙部材5との間に生じる摩擦
払拭作用により、結露水と共に対向部材2表面から排出
させるものである。
【0074】上記バイメタル10はその一端を対向部材
2に、他端を熱交換器あるいは空調機筐体に固定し、結
露水に触れた際の周囲空気温度との差による伸縮作用を
伝えるに充分な力を発揮できる様設計されている。さら
に、バイメタルは変化する周囲環境あるいは結露水の水
温に対応し、結露水の有無を伸縮運動に変える材料の例
として説明したもので、同様の働きをする形状記憶合金
などの材料で代用できることは云うまでもない。
【0075】(実施の形態3)本発明の実施の形態3を
(図6)と共に説明する。
【0076】図6は空調機内部の本発明実施の形態3の
熱交換器部分断面図である。
【0077】1は熱交換器で、結露水が流下するフィン
部分は本発明実施の形態2で説明したのと同様のアルミ
ニウム合金で構成されている。2は対向部材で、2mm
厚みの亜鉛板から成り、結露水受け皿3の内側底部に設
置されている。上記対向部材2は、熱交換器とほぼ同じ
幅を有し、熱交換器長さ方向にわたり熱交換器底部と約
2mmの間隙を有し、かつ熱交換器長さ方向終端部に電
極接続端子が設けられている。一方熱交換器の一端にも
電極接続端子が設けられており、それぞれの端子を電気
的に短絡している。
【0078】両金属の酸化還元電位の差により対向部材
電極側と熱交換器側電極間に約0.35Vの電位差が発
生している。
【0079】5は間隙部材で、幅は熱交換器の投影面積
とほぼ同等か少し幅広の帯状のナイロン製部材である。
上面を前記熱交換器底部に接し、間隙部材5の底部は対
向部材に接している。
【0080】この間隙部材5の一端は本発明実施の形態
2で説明した構造と同じバイメタル10に接続されてい
る。間隙部材5の他端は反対側の端を筐体に係留したス
プリング11に係留されている。
【0081】本発明実施の形態3の動作原理を説明す
る。
【0082】本発明実施の形態2と同様にバイメタルを
結露水の排出路中に設置することで、結露水の発生に合
わせてバイメタルの伸縮運動を発生させることが出来
る。この伸縮を間隙部材5に伝達し、結露水受け皿3の
内側底部に設置されている対向部材2と間隙部材5との
相対位置を、熱交換器の動作状態に合わせてずらせるこ
とが出来る。
【0083】熱交換器1から流下する結露水中から集菌
された微生物、対向部材2表面から析出する亜鉛化合
物、結露水中に含まれる埃などが対向部材2表面あるい
は間隙部材5表面に堆積する。対向部材2表面と間隙部
材3とを摺動させることで対向部材2表面あるいは間隙
部材5表面の堆積物の排出を促進できるものである。
【0084】上記バイメタル10はその一端を間隙部材
に、他端を熱交換器あるいは空調機筐体に固定し、結露
水に触れた際の周囲空気温度との差による伸縮作用を伝
えるに充分な力を発揮できる様設計されている。さら
に、バイメタルは変化する周囲環境あるいは結露水の水
温に対応し、結露水の有無を伸縮運動に変える材料の例
として説明したもので、水の存在により膨張収縮する材
料など同様の働きをする材料で代用できることは云うま
でもない。
【0085】(実施の形態4)本発明の実施の形態4を
(図7)と共に説明する。
【0086】図7は空調機内部の本発明実施の形態4の
熱交換器部分断面図である。
【0087】1は熱交換器で、結露水が流下するフィン
部分は本発明実施の形態2で説明したのと同様のアルミ
ニウム合金で構成されている。2は対向部材で、2mm
厚みの亜鉛板から成り、結露水受け皿3の内側底部に設
置されている。上記対向部材2は、熱交換器とほぼ同じ
幅を有し、熱交換器長さ方向にわたり熱交換器底部と約
2mmの間隙を有し、かつ熱交換器長さ方向終端部に電
極接続端子が設けられている。一方熱交換器の一端にも
電極接続端子が設けられており、それぞれの端子を電気
的に短絡している。
【0088】両金属の酸化還元電位の差により対向部材
電極側と熱交換器側電極間に約0.35Vの電位差が発
生している。
【0089】対向部材2表面および熱交換器下面に密着
しない構造の間隙部材5が対向部材2と熱交換器の間隙
に設置されている。この間隙部材の両端はスプリング1
1により筐体に係留されている。この構造から、間隙部
材は結露水の流下、熱交換器周辺に設置されているファ
ンなどの駆動部品の稼働、あるいはファン稼働による送
風の影響により微妙な振動を発生させる。この振動によ
り、熱交換器1から流下する結露水中から集菌された微
生物、対向部材2表面から析出する亜鉛化合物、結露水
中に含まれる埃などの対向部材2表面に堆積を阻止し、
あるいは対向部材2表面と間隙部材3との間に含まれる
結露水を振動させることで対向部材2表面堆積物の排出
を促進できるものである。
【0090】なお、以上の実施の形態ではエアコン等の
空調機について説明したが、その他、車載用エアコン、
冷蔵庫、製氷器、冷水器、保冷庫、自販機等、熱交換器
とこれを備えた電気機器についても同様である。
【0091】
【発明の効果】本発明の熱交換器とこれを備えた電気機
器によれば、従来除去できなかった微生物を含む熱交換
器表面の清潔性を向上でき、かつ電気化学的反応で発揮
できるため、電気機器停止時の微生物増殖も抑制できる
ため、病院をはじめとする感染防止対策の一環として利
用できるなど、その工業的価値は大である。
【0092】合わせて、その際発生する集菌された堆積
物も効率的かつ衛生的に結露水と共に排出できる効果が
発揮できる。
【0093】すなわち、排出される堆積物には難溶性の
亜鉛化合物が含まれ、排水が途中のドレンホース中など
で滞留することもあるが、上記亜鉛化合物の抗菌性能に
より、少量の水の長期滞留に対し、亜鉛化合物が徐々に
溶解することで抗菌性能を発揮しすることで、排水経路
の清潔性向上を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の熱交換器部分断面図
【図2】本発明の実施の形態2の熱交換器部分断面図
【図3】電極間距離と液中の微生物移動速度の関係を示
す説明図
【図4】各種金属を電極材料に用いた場合の液中の生菌
数の時間的減少を示す説明図
【図5】酸化還元電位の異なる金属電極間を菌液中に浸
漬した際の発生電位と菌液中の菌移動速度を示す説明図
【図6】本発明の実施の形態3の熱交換器部分断面図
【図7】本発明の実施の形態4の熱交換器部分断面図
【符号の説明】
1 熱交換器 2 対向部材電極 3 水受け皿 4 接続端子 5 間隙部材 6 電動機 7 軸 8 偏心カム 9 振動部保持具 10 バイメタル 11 スプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野 之良 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 中村 喜信 兵庫県神戸市東灘区住吉台38−19 (72)発明者 沼本 浩直 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 佐藤 成広 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 赤嶺 育雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 古谷 志保 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3L050 AA10 BD05 BE00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面で熱交換し、空気中からの結露水に
    接液する位置に設置された電気的に低い酸化還元電位を
    有する材料からなる対向部材を有し、前記対向部材と間
    隙を空けて設置された熱交換器であって、前記対向部材
    は結露水受け部材中に設置され、かつ対向部材に振動を
    加える機構を有し、前記熱交換器と前記対向部材間に存
    在する微生物を前記対向部材方向へ移動可能とした熱交
    換器。
  2. 【請求項2】 上記振動は上記間隙に対し、電気機器の
    稼働に伴う振動を実質的に利用する構造であることを特
    徴とする請求項1記載の熱交換器。
  3. 【請求項3】 上記振動は上記間隙に対し実質的に垂直
    方向に加わることを特徴とする請求項1記載の熱交換
    器。
  4. 【請求項4】 上記振動機構は、回転駆動源からの振動
    を利用することを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
  5. 【請求項5】 上記振動機構は、冷却された結露水が、
    バイメタルなどの熱膨張による歪み部材に加わることで
    発生する機械力を、前記対向部材に伝達し発生する摺動
    運動を利用することを特徴とする請求項1記載の熱交換
    器。
  6. 【請求項6】 対向部材との間の間隙に、熱交換器又は
    対向部材に対し相対的位置関係が変位可能な構造を有
    し、かつ表面湿潤性かつ電気絶縁性を有する間隙部材が
    充填されている請求項1、2または3記載の熱交換器。
  7. 【請求項7】 間隙部材は対向部材の摺動に対し、熱交
    換器部材と密着し、対向部材と間隙部材の間で位置づれ
    動作を生じることを特徴とする請求項6記載の熱交換
    器。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の熱交換
    器を備えた電気機器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008089276A (ja) * 2006-10-05 2008-04-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd 加湿装置
JP2011141091A (ja) * 2010-01-07 2011-07-21 Mitsubishi Electric Corp 冷凍装置
JP2012243748A (ja) * 2011-05-16 2012-12-10 Kazuhiro Hayashi 空気中、海水に浮遊する放射性物質を陰極へ移動、吸引する制御電極体。

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JP2011141091A (ja) * 2010-01-07 2011-07-21 Mitsubishi Electric Corp 冷凍装置
JP2012243748A (ja) * 2011-05-16 2012-12-10 Kazuhiro Hayashi 空気中、海水に浮遊する放射性物質を陰極へ移動、吸引する制御電極体。

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