JP2003097817A - 空気調和機 - Google Patents

空気調和機

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドレンパン上の雑菌の繁殖を長期にわたって
良好に抑えることができ、雑菌によるドレンパイプのつ
まりを防止できる空気調和機を提供する。 【解決手段】 空気調和機の室内機20において、結露
水が熱交換器3、4のフィン3a、4aからドレンパン
7、8に至る経路にフィン3a、4aよりもイオン化傾
向の大きい金属より構成される金属材11、12を配置
し、前記金属材11、12と熱交換器3、4とを電気的
に導通させた。これにより、結露水中に混入した、マイ
ナスの電荷を帯びている菌が、プラス金属イオンを放出
して低電位となる金属材11、12側に電気泳動して次
々と集められ、菌の自由な活動が抑制されて不活化さ
れ、やがて死滅してしまう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空気調和機、特に空
気調和機の室内機の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】空気調和機の室内機では、冷房運転時や
除湿運転時に、室内空気中に含まれる水分が、室内機の
熱交換器に結露した後、ドレンパンを経てドレン水とし
て室外へと排出されている。この室内機においては、特
に夏場に、室内空間に雑菌が浮遊しており、この菌が運
転時に熱交換器の金属(アルミニウム合金)製のフィン
に捕らえられてドレンパンに至り、ドレンパン上に溜ま
った結露水が梅雨時の多湿雰囲気のために、なかなか乾
燥せずにそこで次第に腐敗して繁殖する場合がある。こ
の場合には、繁殖した雑菌のためにドレンパンの箇所か
ら悪臭を発生し、ひどい時にはドレンパイプ内につまり
を引き起こす場合もあった。
【0003】このような問題の対策として、抗菌剤を添
加した塗料をドレンパン上に塗布したり、ドレンパンの
表面の樹脂に抗菌剤を練り込んで製造したり、ドレンパ
ンに棒状の抗菌剤を配置したりすることが従来から行わ
れてきた。例えば、特開昭62−288427号公報に
おいてはドレンパンの表面に抗菌剤入り塗料を塗布する
ことが提案されており、特開平8−233303号公報
においては抗菌剤混入の樹脂でドレンパンの表面層を構
成することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、抗菌剤
を用いる上記従来の手法は、何れもドレンパンの表面樹
脂材料へ抗菌剤を含ませる方式であるため、抗菌剤が有
効に作用するのは表面近傍の限られた部分でしかなく、
また長期的な寿命を保証できないため高価な抗菌剤もか
なり無駄にしていた。
【0005】本発明はこのような従来の課題を解決する
もので、空気調和機の室内機に取り込まれた空中浮遊菌
によってドレンパン上で菌が繁殖することを長期にわた
って良好に抑えることができ、雑菌によるドレンパイプ
のつまりを防止することができる空気調和機を提供する
ことを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1記載の発明は、少なくとも吸込み口から吹出
し口に至る通風路内に金属製のフィンを有する熱交換器
と、前記熱交換器により温度調節された風を室内へ吹出
す室内送風ファンと、前記熱交換器から滴下した結露水
を受けるドレンパンとを具備した室内機を有する空気調
和機において、結露水が前記熱交換器のフィンからドレ
ンパンに至る経路に前記フィンよりもイオン化傾向の大
きい金属より構成される金属材を配置し、前記金属材と
前記熱交換器とを電気的に導通させたことを特徴とす
る。
【0007】上記構成において、空気中に浮遊している
菌は熱交換器のフィンに結露水と一緒に捕らえられ、フ
ィンを経てドレンパン上に滴下する。金属材はフィンと
電気的に導通されているため、ドレンパンに結露水が溜
まって結露水中に金属材とフィンの下部とが浸かった状
態では、フィンよりもイオン化傾向の大きい金属からな
る金属材の一部がプラス金属イオンとして結露水中に溶
出しようとする。この際に、結露水中に混入した菌は菌
自体がある程度マイナスの電荷を帯びているため、金属
材のプラス金属イオンに引き付けられる。すなわち、熱
交換器のフィンと金属材とのイオン化傾向の差により、
マイナスの電荷を帯びた菌が、プラス金属イオンを放出
して低電位となる金属材側に電気泳動して次々と集めら
れ、この結果、菌の自由な活動が抑制される。このよう
にして新陳代謝機能を不活化された菌は弱り、やがて死
滅してしまう。さらに、金属材の金属種によっては、溶
出する金属イオン自体に抗菌作用があるため、溶出する
金属イオンにより結露水中に混入した菌の繁殖を抑制す
ることもできる。したがって、ドレンパン上の雑菌の繁
殖を長期にわたって良好に抑えることができて、雑菌に
よるドレンパイプのつまりを防止することができる。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の空
気調和機において、金属材と熱交換器とを、結線あるい
は物理的に結合して導通させたことを特徴とする。請求
項3記載の発明は、請求項2記載の空気調和機におい
て、結線あるいは結合した位置が、ドレンパンに滞留し
た結露水の水面よりも上位置となるように配置されてい
ることを特徴とする。
【0009】結線あるいは結合した位置が、ドレンパン
に滞留した結露水の水面よりも下の位置であれば、この
結線部や結合部の接点が腐食しやすくなり、接点腐食に
よる導通不良に至ることがあるが、上記構成によれば、
結線あるいは結合した位置が、ドレンパンに滞留した結
露水の水面よりも上位置であるので、この結線部や結合
部の接点が腐食して導通不良に至ることを防止できる。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何
れかに記載の空気調和機において、金属材と熱交換器の
フィンとの間に発生する内部起電力が、0.3〜1.0
Vであることを特徴とする。
【0011】この構成によれば、菌を金属材に良好に引
き付けることができて、十分な集菌、死滅化性能を得る
ことができる。また、内部起電力が大きすぎると、結露
水中で電流が流れ過ぎて金属材の溶出が過大となって、
金属材が早期に腐食することがあるが、このようなこと
を防止できる。
【0012】請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何
れかに記載の空気調和機において、金属材と熱交換器の
フィンとの間の一部あるいは全域に絶縁体が配設されて
いることを特徴とする。
【0013】この構成によれば、ドレンパンに滞留した
結露水に浸かる箇所で金属材と熱交換器のフィンとが直
接接触することを防止できて、金属材と熱交換器のフィ
ンとの間の内部起電力による電位差を良好に維持するこ
とができる。
【0014】請求項6記載の発明は、請求項5に記載の
空気調和機において、絶縁体が、発泡EPDM、発泡P
E、発泡PS、発泡PP、発泡PVAあるいは発泡ウレ
タンであることを特徴とする。
【0015】請求項7記載の発明は、請求項5に記載の
空気調和機において、絶縁体が、PP、PE、PSの高
分子粒子を焼結させた多孔質体であることを特徴とす
る。請求項8記載の発明は、請求項5に記載の空気調和
機において、絶縁体が、樹脂繊維、木綿繊維、またはそ
れらの混合繊維の不織布あるいはメッシュ形状物である
ことを特徴とする。
【0016】請求項9記載の発明は、請求項8記載の空
気調和機において、絶縁体が樹脂繊維である樹脂が、P
P、PET、PEN、PE、ナイロンあるいはレーヨン
であることを特徴とする。
【0017】請求項10記載の発明は、請求項1〜9の
何れかに記載の空気調和機において、金属材と熱交換器
のフィン先端との間の間隔が5mm以下であることを特
徴とする。
【0018】この構成によれば、金属材と熱交換器のフ
ィン先端との間に十分な電界強度を維持することができ
る。請求項11記載の発明は、請求項1〜10の何れか
に記載の空気調和機において、熱交換器のフィンと金属
材とが臨む箇所における、熱交換器のフィンが設けられ
ている底面部の面積よりも、金属材の面積が大きいこと
を特徴とする。
【0019】この構成により、熱交換器のフィンからド
レンパン上に結露水が流れる際の通り道にほぼ金属材が
あることとなるので、金属材により良好に集菌すること
ができる。
【0020】請求項12記載の発明は、請求項1〜11
の何れかに記載の空気調和機において、熱交換器のフィ
ンがアルミニウム合金であることを特徴とする。請求項
13記載の発明は、請求項12に記載の空気調和機にお
いて、金属材が、亜鉛板、亜鉛メッキ鋼鈑、亜鉛合金、
亜鉛合金メッキ鋼鈑またはマグネシウム合金であること
を特徴とする。
【0021】この構成において、金属材として亜鉛を含
むものが用いられた場合には、亜鉛イオンにより黄色ブ
ドウ球菌等を制菌することができる。請求項14記載の
発明は、請求項13に記載の空気調和機において、金属
材として亜鉛合金が用いられる場合に、この亜鉛合金
が、Cu 0.2〜0.6wt%、Ti 0.03〜
0.1wt%、Al 0.03〜0.1wt%、残部が
Znであることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。 (実施の形態1)図1は本発明の第1の実施の形態に係
る空気調和機における室内機の概略的な側面断面図、図
2は同室内機の概略的な正面図である。
【0023】図1、図2に示すように、空気調和機の室
内機20には、室内機20の上面側と前面側とに配設さ
れて室内空気を吸い込む吸い込みグリル1、2と、冷
却、除湿運転時に、吸い込みグリル1、2から吸い込ん
だ空気をそれぞれに設けられたアルミニウム合金製のフ
ィン3a、4aにより冷却、除湿する背面熱交換器3お
よび前面熱交換器4と、これらの背面熱交換器3および
前面熱交換器4にて冷却、除湿された空気を最終の吹き
出し口6に送るクロスフローファン5と、背面熱交換器
3から流下する結露水を受ける樹脂製のドレンパン7
と、前面熱交換器4から流下する結露水を受ける樹脂製
のドレンパン8と、樹脂製の室内機台枠9と、吹き出し
口6を形成している吹き出しグリル10とが備えられて
いる。
【0024】なお、背面側のドレンパン7は室内機台枠
9と一体的に形成され、前面側のドレンパン8は吹き出
しグリル10の天面部と一体的に形成されている。ま
た、図示しないが、室内機20の両側部内面箇所には、
背面側のドレンパン7に溜まった結露水を前面側のドレ
ンパン8へ流す連通流路が設けられている。また、図2
に示すように、ドレンパン8の底面両側部にはそれぞれ
ドレン口8aが設けられており、一方のドレン口8aに
は、結露水を外部へ排出するドレンパイプ16が接続さ
れ、他方のドレン口8aには、ドレンパイプ16が接続
されずに、ドレンキャップ(図示せず)にて栓が配置さ
れている。
【0025】ここで特に、この室内機20においては、
背面熱交換器3の下端面とドレンパン7との間と、前面
熱交換器4の下端面とドレンパン8との間とのそれぞれ
に、すなわち、結露水が各熱交換器3、4のフィン3
a、4aからドレンパン7、8に至るそれぞれの経路
に、金属材としての亜鉛板11、12が配設されてい
る。また、各亜鉛板11、12の上面側には、この亜鉛
板11、12が背面熱交換器3および前面熱交換器4の
フィン3a、4aと短絡しないように絶縁する厚み3m
mの発泡EPDM(エチレンプロピレンラバー)からな
る絶縁体13、14が複数設けられている。
【0026】背面熱交換器3および前面熱交換器4のフ
ィン3a、4aは、Fe 0.29wt%、Mn 0.
26wt%、Si 0.07wt%、Tl 0.07w
t%、Cu 0.01wt%、残部Alである材料から
形成されたアルミニウム合金で構成されており、この材
料のイオン化傾向は、純粋なアルミニウムおよび純粋な
亜鉛よりも小さく、かつ純粋な鉄よりも大きい。また、
このような材質で構成されてなる金属板に対してリン酸
クロメート処理をCr付着量 23mgで行った後、親
水性皮膜処理されて形成されている。なお、図示しない
が、各フィン3a、4aは、熱交換性能の高効率化を図
るために縦スリットが設けられて結露水を保持しやすい
構造を有している。
【0027】また、各フィン3a、4aの下方に配設さ
れている亜鉛板11、12は、フィン3a、4aよりも
イオン化傾向の大きい材料で構成され、この実施の形態
においては、純度99.9%以上のほぼ純粋な亜鉛によ
り構成されている。なお、この実施の形態においては、
各亜鉛板11、12は厚み0.3mmのものが用いられ
ている。また、前面熱交換器4の下端面に臨む亜鉛板1
2は、前面熱交換器4から滴下する結露水の通り道が全
域にわたってカバーできるように設けられている。した
がって、例えば、亜鉛板12の全長は640mmで、前
面熱交換器4の全長630mmよりも10mm長く、亜
鉛板12の幅は28mmで、前面熱交換器4のフィンの
奥行き25mmよりも3mm長く形成されている。
【0028】また、亜鉛板12の向かって右側端部には
多段の折り曲げ加工をして、亜鉛板12をドレンパン8
に取り付けるとともに、亜鉛板12と前面熱交換器4の
フィン4aと結線をするための端子取り出し部12a
が、ドレンパン8に溜まった結露水中に漬からない高さ
に設けられている。また亜鉛板12と前面熱交換器4の
フィン4aとを絶縁する絶縁材14もほぼ全域に設けら
れている。前面熱交換器4と亜鉛板12とは、塩化ビニ
ル樹脂で絶縁保護カバーされた銅線からなる導通線15
にて結線されており、この導通線15の一端は前面熱交
換器4の端板にビス止めして固定され、導通線15の他
端は亜鉛板12の端部にビス止めされて固定されてい
る。なお、図面においては示していないが、同様に背面
熱交換器3と亜鉛板11とも、導通線15にて同様な構
成で結線され、背面熱交換器3のフィン3aと亜鉛板1
1との間には絶縁体13が介装されている。
【0029】上記構成において、冷房運転時において室
内機20が駆動されると、吸い込みグリル1、2を通じ
て室内空気が吸い込まれ、吸い込んだ空気が背面熱交換
器3および前面熱交換器4のフィン3a、4aによって
冷却、除湿され、クロスフローファン5によって吸い込
まれて送風されながら、吹出し口6から室内空間に冷風
が排出される。この時、背面熱交換器3、前面熱交換器
4によって除湿される際に生じた結露水はドレンパン
7、8によって受けられ、最終的にはドレン口8aから
ドレンパイプ16を経て外部へ排出される。
【0030】ここで、結露水は、背面熱交換器3、前面
熱交換器4のフィン3a、4aからドレンパン7、8上
に滴下する際に、亜鉛板11、12の配置箇所を通るこ
ととなる。また、ドレンパン7、8に結露水が溜まっ
て、結露水中にフィン3a、4aの下端部と亜鉛板1
1、12とが浸かった状態では、導通線で接続されたフ
ィン3a、4aの下端部と亜鉛板11、12との間に
は、そのイオン化傾向の差により、内部電力が0.4V
生じる。つまり、フィン3a、4aよりもイオン化傾向
の大きな亜鉛板11、12からZn2+イオンが放出さ
れ、これにより、亜鉛板11、12が低電位となり、フ
ィン3a、4a側が高電位となる。空気中に漂っていた
雑菌、例えば黄色ブドウ球菌などが結露水に混入してい
る場合、このような菌は菌自体がある程度マイナスの電
荷を帯びているため、フィン3a、4aから滴下する際
に、Zn2+イオンが放出される亜鉛板11、12に引き
付けられて電気泳動しながら次々と集められ、この結
果、菌の自由な活動が抑制され、新陳代謝機能を不活化
された菌は弱り、やがて死滅してしまう。さらに、亜鉛
板11、12から溶出されるZn2+イオン自体にも抗菌
作用がある(特に黄色ブドウ球菌に対する抗菌作用があ
る)ため、これによっても、制菌、殺菌される。この結
果、ドレンパン7、8上の雑菌の繁殖を長期にわたって
良好に抑えることができるとともに、雑菌によるドレン
パイプ16のつまりも防止することができる。
【0031】また、上記構成によれば、導通線15で亜
鉛板11、12に結線した位置が、ドレンパン7、8に
滞留した結露水の水面よりも必ず上位置となるので、こ
の結線部の接点が腐食して導通不良に至ることを防止で
きる。つまり、導通線15を亜鉛板11、12に単純に
結線し、この結線部の位置が、ドレンパン7、8に滞留
した結露水の水面よりも下方であれば、この結線部の接
点が腐食しやすくなり、接点腐食による導通不良に至る
ことがあるが、上記構成によればこのようなことがな
い。
【0032】また、フィン3a、4aの下端部と亜鉛板
11、12との間に何も設けない場合には、物流輸送中
での衝撃や室内機設置、移設等での衝撃などによって、
フィン3a、4aの下端部と亜鉛板11、12とが短絡
して、十分な電位差を生じない場合があるが、上記構成
によれば、絶縁体13、14を介在させることでそのよ
うな短絡を防止することができた。
【0033】次に、このような集菌、死滅化機能を有す
る空気調和機の実証的な評価として下記のようなモデル
試験を行った。まず、第1の実証評価試験として、NB
培地組成(ペプトン 10g、塩化ナトリウム 5g、
肉エキス 3g、純水 1L)を1000倍に希釈し、
グラム陰性の大腸菌を濃度30個/L程度で含んだ調製
水を用意した。この調製水を、前面熱交換器4の10c
m幅に対して均一に1ml/minの速度でマイクロポ
ンプにより送液し、ドレン口8aから排出された水を時
間経過とともに0.2mlずつ採取し、平板混釈法に準
じて寒天培地にて24時間培養してドレン水中の菌数を
調べて、亜鉛板11、12による集菌の効果を評価し
た。その結果、亜鉛板11、12を有しない従来のもの
と比較して、大腸菌数が約1/100に減少しており、
明らかに集菌、死滅化できていることを確認できた。
【0034】次に、第2の実証評価試験として、室内機
20を3台準備し、ドレンパン7、8のドレン口8aを
両方とも塞いでNB培地組成(ペプトン 10g、塩化
ナトリウム 5g、肉エキス 3g、純水 1L)を1
000倍に希釈し、グラム陰性の大腸菌を濃度30個/
L程度で含んだ調製水200mlをドレンパン7、8内
に投入して12、24、48時間経過後の状態を確認し
た。投入した調製水を再度滅菌したビーカーに戻してそ
の中から0.2mlの調製水をサンプリングして平板混
釈法に準じて寒天培地にて24時間培養し、ブランクサ
ンプルとの比較で集菌の効果を調べた。その結果、時間
が経過するほど大腸菌が減少しており、大腸菌が明らか
に集菌、死滅化できている傾向を確認できた。
【0035】(実施の形態2)図3は第2の実施の形態
に係る空気調和機の室内機の概略的な正面図で、特に、
前面熱交換器と亜鉛板との結線構成を示して(ドレンパ
ン8については断面形状を示して)いる。なお、上記第
1の実施の形態に係る空気調和機の室内機構成と説明が
重複する部分は省略する。
【0036】図3に示すように、本実施の形態でも上記
第1の実施の形態と同様に、亜鉛板12は前面熱交換器
4から滴下する結露水の全域にわたってカバーできるよ
うに設けられ、その全長は前面熱交換器4よりも長く、
幅はフィンの奥行きよりも長くしている。この実施の形
態では、亜鉛板12から導通線17への端子取り出し方
法が上記第1の実施の形態と異なっている。すなわち、
この第2の実施の形態においては、亜鉛板12は平板形
状としてドレンパン8上に配置し、亜鉛板12と前面熱
交換器4のフィン4aとを導通させる導通線17の亜鉛
板12への接続部分がドレン水(結露水)中に漬かって
いる。しかしながら、この導通線17におけるドレン水
(結露水)中に漬かっている部分は銅線に亜鉛メッキを
施しており、樹脂ネジによってビス止めを行っている。
【0037】この構成によっても、前面熱交換器4のフ
ィン4aと亜鉛板12との間には内部起電力が約0.4
V生じるようになり、空気中に漂っていた雑菌はまず前
面熱交換器4のフィン4aによって捕らえられ、その
後、結露水とともにドレンパン8側へ移動しようとす
る。この際に、マイナスの電荷を帯びた菌は亜鉛板12
に集菌され、やがては死滅する。また、亜鉛板12から
徐々に溶出されるZn2+イオンの効果によっても制菌、
殺菌される。また特にこの実施の形態においては、導通
線17の亜鉛板12への接続部分がドレン水(結露水)
中に漬かっているけれども、導通線17におけるドレン
水(結露水)に漬かっている部分は亜鉛メッキ処理を施
すことで、導通線17における銅線部分と亜鉛メッキ部
分とが強く結合しているので、水中での異種金属の接合
による局部腐食が防止されている。なお、背面熱交換器
3のフィン3aと亜鉛板11とを導通させる導通線17
の亜鉛板11に対する結合構造も同様な構成を採用して
もよい。
【0038】(実施の形態3)図4は、本発明の第3の
実施の形態に係る空気調和機の室内機の概略的な正面図
であり、室内機の前面熱交換器と亜鉛板との結合構成を
示す。
【0039】図4に示すように、この第3の実施の形態
では、亜鉛板12の両端部の一部が上方に延長されて接
続取付部12bが形成され、この接続取付部12bによ
り亜鉛板12が、前面熱交換器4におけるドレン水(結
露水)に漬かることのない箇所に、直接ネジなどで固定
されている。
【0040】この構成によっても、前面熱交換器4のフ
ィン4aと亜鉛板12との間には内部起電力が約0.4
V生じるようになり、空気中に漂っていた雑菌はまず前
面熱交換器4のフィン4aによって捕らえられ、マイナ
スの電荷を帯びた菌は亜鉛板12に集菌され、やがては
死滅する。また、亜鉛板12から徐々に溶出されるZn
2+イオンの効果によっても制菌、殺菌される。
【0041】(実施の形態4)図5は第4の実施の形態
に係る空気調和機の室内機の概略的な側面断面図であ
る。なお、上記第1の実施の形態に係る空気調和機の室
内機の構成と説明が重複する部分は省略する。
【0042】この実施の形態に係る空気調和機の室内機
においては、図5に示すように、亜鉛板11、12と背
面熱交換器3および前面熱交換器4のフィン3a、4a
とが短絡しないように厚さ1mmのPE(ポリエチレ
ン)の多孔質シートからなる絶縁体18、19を亜鉛板
12の上面におけるほぼ全域に設けている。この絶縁体
18、19をなすPE多孔質シートは、平均粒子径10
0μmのPE高分子を120℃で焼結させて作製した
後、親水化処理を行ったものであり、平均細孔径は約3
0μmである。PE多孔質シートはドレン水分を継続し
て保持する能力が優れているため、亜鉛板11、12と
3a、フィン4aとの間に形成された電位差を長時間に
わたって維持でき、これにより、ドレンパン7、8上に
が水分で湿っている間は十分な集菌、死滅化機能を持続
できる。
【0043】具体的には、第1の実施の形態で述べた構
造を用いた第1の実証評価試験の場合においては、熱交
換器3、4から滴下する水量が減ってくると、ある時点
から集菌機能が急激に減衰するが、本実施の形態では滴
下水量および熱交換器3、4が保持している水量がかな
り少なくなっても、PEの多孔質シートの保水能力によ
って熱交換器3、4と亜鉛板11、12との間が保水状
態となるため、集菌効果を持続できた。
【0044】(実施の形態5)本実施の形態では熱交換
器3、4のフィン3a、4aと亜鉛板11、12との間
に絶縁体18、19として、厚さ1mmのPP(ポリプ
ロピレン)不織布をほぼ全域に配置し、その他の構造は
実施の形態5と同様にした。PP不織布は繊維径約3μ
mのPP長繊維で作製した後、親水化処理を行ったもの
である。PP不織布はドレン水分を継続保持する能力が
PE多孔質シートよりもさらに優れているため、亜鉛板
11、12と熱交換器3、4のフィン3a、4aとの間
に形成された電位差を長時間にわたって良好に維持で
き、これにより、ドレンパン7、8上を水分で湿すこと
ができる時間が長くなり、この間は十分な集菌、死滅化
機能を持続できる。具体的には、第1の実施の形態で述
べた第1の実証評価試験の場合と同様にして、上記実施
の形態4と比較しても、絶縁体18、19としてのPP
不織布の保水能力によってさらに長時間にわたって、亜
鉛板11、12と熱交換器3、4のフィン3a、4aと
の間に形成された電位差を良好に維持でき、集菌効果を
良好にかつ長時間にわたって持続することができた。
【0045】(実施の形態6)本実施の形態ではドレン
パン7、8と熱交換器3、4のフィン3a、4aとの間
に金属材として亜鉛鉄板を配置し、亜鉛鉄板の構造は第
1の実施の形態と同様にした。この場合に、金属材とし
ての亜鉛鉄板の切断端面はエポキシ系の樹脂によってコ
ーティングして腐食への対策を行った。この構成によっ
ても熱交換器3、4のフィン3a、4aと亜鉛鉄板との
間には内部起電力が約0.4V生じるようになり、亜鉛
鉄板でも十分な集菌、死滅化機能を発揮できた。
【0046】(実施の形態7)本実施の形態ではドレン
パン7、8と熱交換器3、4のフィン3a、4aとの間
に金属材として亜鉛合金板(具体的にはCu 0.35
wt%、Ti 0.07wt%、Al 0.03wt
%、残部Zn)を配置し、亜鉛合金板の構造は第1の実
施の形態と同様にした(第2、第3の実施の形態と同様
にしてもよい)。
【0047】この構成では、熱交換器3、4のフィン3
a、4aと亜鉛合金板との間には内部起電力が約0.3
V生じるようになった。これによって内部起電力による
電位差は小さくなったが、金属材として亜鉛合金板を用
いたことにより、金属材の耐食性が向上し、集菌、死滅
化機能をより長期間にわたって発揮させることができ
た。具体的には10年間金属材の交換を不要とすること
が可能となった。
【0048】(実施の形態8)本実施の形態ではドレン
パン7、8と熱交換器3、4のフィン3a、4aとの間
に金属材としてマグネシウム合金(AZ91)板を配置
した。なお、マグネシウム合金板の構造は第1の実施の
形態や第3の実施の形態と同様にした。これによって熱
交換器3、4のフィン3a、4aとマグネシウム合金板
との間には内部起電力が約0.8V生じるようになり、
金属材としてマグネシウム合金(AZ91)板を採用す
ることによって内部起電力による電位差が大きくするこ
とができ、内部起電力による集菌能力は向上し、充分な
死滅化機能を発揮させることができた。
【0049】なお、上記第1の実施の形態では、絶縁体
13、14として発泡EPDMを使用した場合を述べた
が、本実施の形態で使用できるものはこの限りではな
い。絶縁体としては、絶縁性に優れたものであればよ
く、この絶縁体を熱交換器3、4のフィン3a、4aと
金属材との間のスぺーサーとしても使用できる。また、
絶縁体は、弾性を有するものであればさらに都合がよ
く、その他に発泡PE、発泡PS(ポリスチレン)、発
泡PP、発泡PVA(ポリビニルアルコール)、ウレタ
ンフォームなどが使用できる。また発泡の状態が独立気
泡ではなく連続発泡のもののほうが好ましい。
【0050】また、上記実施の形態4では、絶縁体とし
てPE粒子を焼結させた多孔質シートを使用した場合を
述べたが、本実施の形態で使用できるものはこの限りで
はない。絶縁体としては、絶縁性に優れた樹脂の連通孔
を有する多孔質シートであれば同様な効果が期待でき、
この他にPS、PP等の樹脂も使用できる。しかし使用
に際しては親水化処理を行うことが望ましい。50〜1
00μmの高分子粒子を焼結させた多孔質シートは水の
毛細管現象によって、ドレン水を十分保持できるので、
長時間にわたって熱交換器3、4のフィン3a、4aと
マグネシウム合金からなる金属材とで内部起電力による
電位差を確保でき、その間はマグネシウム合金側への集
菌、死滅化機能を持続できる。
【0051】さらに、上記実施の形態5では、絶縁体と
してPPの不織布を使用した場合を述べたが、本実施の
形態で使用できるものはこの限りではない。絶縁体とし
ては、絶縁性に優れた樹脂繊維の不織布またはメッシュ
であれば同様な効果が期待でき、PET(ポリエチレン
テレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレー
ト)、PE、ナイロン、レーヨン等の樹脂繊維も使用で
きる。また、絶縁体として木綿繊維を使用してもよく、
樹脂繊維と木綿繊維との混合物を使用することもでき
る。不織布は繊維の毛細管現象によって、またはメッシ
ュはその孔に溜まった水の表面張力によって、ドレン水
を十分保持できるので、長時間にわたって熱交換器3、
4のフィン3a、4aとマグネシウム合金からなる金属
材とで内部起電力による電位差を確保でき、その間はマ
グネシウム合金側への集菌、死滅化機能を持続できる。
【0052】また、絶縁体を金属板の全体にわたって配
置するかわりに、絶縁体を部分的に配置することも可能
である。例えば3〜5箇所だけ絶縁体を配設することも
可能である。
【0053】亜鉛板または亜鉛鉄板を使用した上記実施
の形態1〜5では電位差0.4Vを確保でき、マグネシ
ウム合金(AZ91)板を使用した上記実施の形態8で
は電位差0.8Vを確保できた。また亜鉛合金を使用し
た上記実施の形態7では電位差0.3Vを確保できた。
本発明で菌の電気泳動による集菌に必要な電位差は少な
くとも0.3V以上であった。また1.0Vを越える
と、熱交換器3、4からの結露水の電気伝導度にもよる
が、漏れ電流が無視できなくなり、金属材自体の溶解が
徐々に起こり始める場合もあるため、長期的な信頼性を
保証できなくなる。したがって、熱交換器3、4のフィ
ン3a、4aと金属材との望ましい電位差は0.3〜
1.0Vであり、この範囲の電位差を確保できるもので
あればいろいろな金属材が使用できる。しかし、流通的
に入手可能な、汎用性のある板状の金属材となると、亜
鉛板、亜鉛メッキ鋼板、屋根材用の亜鉛合金メッキ鋼
板、屋根材用の亜鉛合金板、マグネシウム合金(AZ9
1)板が推奨できる。特に屋根材用の亜鉛合金メッキ鋼
板および屋根材用の亜鉛合金板はフィンとの電位差は少
し小さくなるが、耐食性において亜鉛板よりも優れてい
るので長期的な信頼性保証の観点から推奨できる材料で
ある。
【0054】また、上記実施の形態では、絶縁体とし
て、厚み3mmの発泡EPDMと厚さ1mmのPP不織
布とを使用した場合について説明したが、熱交換器3、
4のフィン3a、4aと金属材との間隔は狭いほど電解
強度を大きく保てるので望ましい。しかし両者がドレン
水中で短絡してしまっては電位差を設けた意味がないの
である程度安全率を見込んで設定するほうがよい。また
両者を離せる最大の間隔距離としてはドレン水に影響を
与えない電位差の最大値1.0Vにおいても十分な集
菌、死滅化能力を発揮できる距離として、モデル実験に
よる約5mmと判断した。したがって、熱交換器3、4
のフィン3a、4aと金属材との間隔は5mm以下で絶
縁状態が確保できていれば、下限は特に制約されない。
【0055】また、上記実施の形態においては、集菌す
るための金属材を前面熱交換器4と背面熱交換器3との
両方に配設した場合について説明したが、熱交換器から
の結露水がドレンパン上に滞留して雑菌の発生によって
腐敗し易いのは前面熱交換器4のほうであり、本発明に
よる実施の効果も前面熱交換器4側のドレンパン8が重
要となる。したがって、前面熱交換器4だけに金属材を
配設して背面熱交換器3からの結露水は集菌することな
く、ドレン口、ドレンパイプを通じて室外に排出させる
だけの構成に省略することも十分可能である。
【0056】さらに、上記実施の形態においては、何れ
の場合も、熱交換器3、4のフィン3a、4aがアルミ
ニウム合金である場合を述べたが、これに限るものでは
なく、純粋なアルミニウムや、その他の熱伝導率の良好
な材料を用いてもよく、この場合には、このフィン3
a、4aの材料よりもイオン化傾向の大きい金属材を、
熱交換器のフィンからドレンパンに至る経路に配設すれ
ばよい。また、熱交換器3、4の冷媒通路をなす管路の
材質は、通常銅管を用いるが、フィン3a、4aと同一
材料のアルミニウム合金製であってもよく、要するに、
電気を導通させる金属から構成されておればよい。
【0057】
【発明の効果】上記実施の形態から明らかなように、結
露水が熱交換器のフィンからドレンパンに至る経路に、
フィンよりもイオン化傾向の大きい金属より構成される
金属材を配置し、前記金属材と前記熱交換器とを電気的
に導通させたことにより、熱交換器のフィンと金属材と
によって構成された電池作用の内部起電力により、金属
材側に菌が次々と集められて菌の自由な活動を抑制させ
ることができ、菌を集めて死滅化できる。また、この場
合に、金属材が存在する限り、集菌できて死滅化させる
ことができるため、長期的に使用できる。また、金属材
から溶出した微量の金属イオン、たとえばZn2+イオン
によって黄色ブドウ球菌等を制菌する効果をも奏した。
これにより、ドレンパン上の雑菌の繁殖を長期にわたっ
て良好に抑えることができるとともに、雑菌によるドレ
ンパイプのつまりも防止することができ、衛生的にも良
好な状態となるだけではなく、つまり防止による室内機
の信頼性も向上する。また、金属材と熱交換器との電気
的な導通手法としては、金属材と熱交換器とを、結線あ
るいは物理的に結合して導通させるとよい。
【0058】また、結線あるいは結合した位置を、ドレ
ンパンに滞留した結露水の水面よりも上位置となるよう
に配置することで、結線端子部の接点腐食による導通不
良に至ことを防止できるのでさらに長期的な信頼性を得
ることができた。
【0059】また、金属材と熱交換器のフィンとの間に
発生する内部起電力が、0.3V以上であるようにする
ことで、充分な集菌、死滅化性能が得られるとともに、
その起電力が1.0以下のレベルに抑えることで結露水
の電気伝導度がどのような場合にもドレン水中を電流が
流れすぎて集菌される側の金属板が腐食に至るというこ
ともなく、十分な耐久性を保証できた。
【0060】また、フィンの下端部と金属材との間に何
も設けない場合には、物流輸送中での衝撃や室内機設
置、移設等での衝撃などによって、フィンの下端部と金
属材とが短絡して、良好な電位差を生じない場合がある
が、フィンの下端部と金属材との間に絶縁体を介在させ
ることでそのような短絡を防止することができて、室内
機を設置してドレンパン上に溜まり水が存在する時には
たえず金属板と熱交換器フィンとの間に内部起電力によ
る電位差を良好に確保することができ、これにより信頼
性が向上する。
【0061】また、絶縁体として発泡EPDM、発泡P
E、発泡PS、発泡PP、発泡PVAあるいは発泡ウレ
タンを使用することで、優れた弾性を有しながら熱交換
器フィンと金属板との短絡を防止することができた。
【0062】さらに、絶縁体としてPP、PE、PSの
高分子粒子を焼結させた多孔質体を使用することで、熱
交換器フィンと金属材との間に所定の間隔を保ち、確実
に短絡を防止することができると同時に、結露水を絶縁
体自体が長時間にわたって保持できるので、少ない結露
水量の状態でも内部起電力による電位差を持続できて、
集菌効果をさらに良好に発揮することができた。
【0063】また、絶縁体として、樹脂繊維、木綿繊維
またはそれらの混合繊維の不織布あるいはメッシュ形状
物を用いることで、熱交換器フィンと金属材との間を狭
い間隔に対しても絶縁状態を確保できるとともに、結露
水を絶縁体自体が長時間にわたって保持できるので少な
い結露水量の状態でも内部起電力による電位差を持続で
き、集菌効果を発揮することができた。
【0064】また、絶縁体が樹脂繊維である樹脂とし
て、PP、PET、PEN、PE、ナイロンあるいはレ
ーヨンを用いることで十分な保水能力および耐薬品性を
維持させることができた。
【0065】また、金属材と熱交換器フィン先端との間
隔を5mm以下とすることでドレン水に与える電位差を
最大値である1.0Vにおいても十分な電解強度を維持
でき、集菌、死滅化効果を発揮できる。また間隔は狭い
ほど電界強度は強くなるので、下限としては電極間が短
絡しないように絶縁状態を確保できていれば問題ない。
特に電位差が小さい場合には絶縁体を工夫することで十
分な集菌、死滅化効果を得ることができた。
【0066】さらに、熱交換器のフィンと金属材とが臨
む箇所における、熱交換器のフィンが設けられている底
面部の面積よりも、金属材の面積が大きいように構成す
ることで常に水の通り道に金属材があるので、結露水中
に存在する菌は溜まり水状態の場合にも金属板に次々と
集菌されて、やがては死滅化させることができた。
【0067】また、金属材として亜鉛板、亜鉛メッキ鋼
板、亜鉛合金、亜鉛合金メッキ鋼板またはマグネシウム
合金(AZ91)を選択することで汎用性のある低コス
トな金属板を手軽に入手可能となった。
【0068】さらに、金属材として亜鉛合金が用いられ
る場合に、この亜鉛合金が、Cu0.2〜0.6wt
%、Ti 0.03〜0.1wt%、Al 0.03〜
0.1wt%、残部がZnであるものを用いることで長
期間金属板の交換等のメンテナンスを不要とすることが
できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る空気調和機の
室内機の概略的な側面断面図である。
【図2】同室内機の概略的な正面図であり、室内機の前
面熱交換器と亜鉛板との結線構成を示す。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る空気調和機の
室内機の概略的な正面図であり、室内機の前面熱交換器
と亜鉛板との結線構成を示す。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る空気調和機の
室内機の概略的な正面図であり、室内機の前面熱交換器
と亜鉛板との結合構成を示す。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係る空気調和機の
室内機の概略的な側面断面図である。
【符号の説明】
1、2 吸い込みグリル 3 背面熱交換器 3a、4a フィン 4 前面熱交換器 5 クロスフローファン 6 吹き出し口 7、8 ドレンパン 8a ドレン口 9 室内機台枠 10 吹き出しグリル 11、12 亜鉛板(金属材) 13、14、18、19 絶縁体 15、17 導通線 20 室内機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古谷 志保 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 赤嶺 育雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 今坂 俊之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3L050 BD05 BF00 3L051 BE05 BE07

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも吸込み口から吹出し口に至る
    通風路内に金属製のフィンを有する熱交換器と、前記熱
    交換器により温度調節された風を室内へ吹出す室内送風
    ファンと、前記熱交換器から滴下した結露水を受けるド
    レンパンとを具備した室内機を有する空気調和機におい
    て、結露水が前記熱交換器のフィンからドレンパンに至
    る経路に前記フィンよりもイオン化傾向の大きい金属よ
    り構成される金属材を配置し、前記金属材と前記熱交換
    器とを電気的に導通させたことを特徴とする空気調和
    機。
  2. 【請求項2】 金属材と熱交換器とを、結線あるいは物
    理的に結合して導通させたことを特徴とする請求項1記
    載の空気調和機。
  3. 【請求項3】 結線あるいは結合した位置が、ドレンパ
    ンに滞留した結露水の水面よりも上位置となるように配
    置されていることを特徴とする請求項2記載の空気調和
    機。
  4. 【請求項4】 金属材と熱交換器のフィンとの間に発生
    する内部起電力が、0.3〜1.0Vであることを特徴
    とする請求項1〜3の何れかに記載の空気調和機。
  5. 【請求項5】 金属材と熱交換器のフィンとの間の一部
    あるいは全域に絶縁体が配設されていることを特徴とす
    る請求項1〜4の何れかに記載の空気調和機。
  6. 【請求項6】 絶縁体が、発泡EPDM、発泡PE、発
    泡PS、発泡PP、発泡PVAあるいは発泡ウレタンで
    あることを特徴とする請求項5に記載の空気調和機。
  7. 【請求項7】 絶縁体が、PP、PE、PSの高分子粒
    子を焼結させた多孔質体であることを特徴とする請求項
    5に記載の空気調和機。
  8. 【請求項8】 絶縁体が、樹脂繊維、木綿繊維、または
    それらの混合繊維の不織布あるいはメッシュ形状物であ
    ることを特徴とする請求項5に記載の空気調和機。
  9. 【請求項9】 絶縁体が樹脂繊維である樹脂が、PP、
    PET、PEN、PE、ナイロンあるいはレーヨンであ
    ることを特徴とする請求項8記載の空気調和機。
  10. 【請求項10】 金属材と熱交換器のフィン先端との間
    の間隔が5mm以下であることを特徴とする請求項1〜
    9の何れかに記載の空気調和機。
  11. 【請求項11】 熱交換器のフィンと金属材とが臨む箇
    所における、熱交換器のフィンが設けられている底面部
    の面積よりも、金属材の面積が大きいことを特徴とする
    請求項1〜10の何れかに記載の空気調和機。
  12. 【請求項12】 熱交換器のフィンがアルミニウム合金
    であることを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載
    の空気調和機。
  13. 【請求項13】 金属材が、亜鉛板、亜鉛メッキ鋼鈑、
    亜鉛合金、亜鉛合金メッキ鋼鈑またはマグネシウム合金
    であることを特徴とする請求項12に記載の空気調和
    機。
  14. 【請求項14】 金属材として亜鉛合金が用いられる場
    合に、この亜鉛合金が、Cu 0.2〜0.6wt%、
    Ti 0.03〜0.1wt%、Al 0.03〜0.
    1wt%、残部がZnであることを特徴とする請求項1
    3に記載の空気調和機。
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