JP3949005B2 - 空気調和機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は空気調和機、特に空気調和機の室内機の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
空気調和機の室内機では、冷房運転時や除湿運転時に、室内空気中に含まれる水分が、室内機の熱交換器に結露した後、ドレンパンを経てドレン水として室外へと排出されている。この室内機においては、特に夏場に、室内空間に雑菌が浮遊しており、この菌が運転時に熱交換器の金属(アルミニウム合金)製のフィンに捕らえられてドレンパンに至り、ドレンパン上に溜まった結露水が梅雨時の多湿雰囲気のために、なかなか乾燥せずにそこで次第に腐敗して繁殖する場合がある。この場合には、繁殖した雑菌のためにドレンパンの箇所から悪臭を発生し、ひどい時にはドレンパイプ内につまりを引き起こす場合もあった。
【0003】
このような問題の対策として、抗菌剤を添加した塗料をドレンパン上に塗布したり、ドレンパンの表面の樹脂に抗菌剤を練り込んで製造したり、ドレンパンに棒状の抗菌剤を配置したりすることが従来から行われてきた。例えば、特開昭62−288427号公報においてはドレンパンの表面に抗菌剤入り塗料を塗布することが提案されており、特開平8−233303号公報においては抗菌剤混入の樹脂でドレンパンの表面層を構成することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、抗菌剤を用いる上記従来の手法は、何れもドレンパンの表面樹脂材料へ抗菌剤を含ませる方式であるため、抗菌剤が有効に作用するのは表面近傍の限られた部分でしかなく、また長期的な寿命を保証できないため高価な抗菌剤もかなり無駄にしていた。
【0005】
本発明はこのような従来の課題を解決するもので、空気調和機の室内機に取り込まれた空中浮遊菌によってドレンパン上で菌が繁殖することを長期にわたって良好に抑えることができ、雑菌によるドレンパイプのつまりを防止することができる空気調和機を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1記載の発明は、少なくとも吸込み口から吹出し口に至る通風路内に金属製のフィンを有する熱交換器と、前記熱交換器により温度調節された風を室内へ吹出す室内送風ファンと、前記熱交換器から滴下した結露水を受けるドレンパンとを具備した室内機を有する空気調和機において、結露水が前記熱交換器のフィンからドレンパンに至る経路に前記フィンよりもイオン化傾向の大きい金属より構成される金属材を配置し、前記金属材と前記熱交換器とを前記ドレンパンに滞留した結露水に浸かる箇所で直接接触することなく他の箇所で電気的に導通させたことを特徴とする。
【0007】
上記構成において、空気中に浮遊している菌は熱交換器のフィンに結露水と一緒に捕らえられ、フィンを経てドレンパン上に滴下する。金属材はフィンと電気的に導通されているため、ドレンパンに結露水が溜まって結露水中に金属材とフィンの下部とが浸かった状態では、フィンよりもイオン化傾向の大きい金属からなる金属材の一部がプラス金属イオンとして結露水中に溶出しようとする。この際に、結露水中に混入した菌は菌自体がある程度マイナスの電荷を帯びているため、金属材のプラス金属イオンに引き付けられる。すなわち、熱交換器のフィンと金属材とのイオン化傾向の差により、マイナスの電荷を帯びた菌が、プラス金属イオンを放出して低電位となる金属材側に電気泳動して次々と集められ、この結果、菌の自由な活動が抑制される。このようにして新陳代謝機能を不活化された菌は弱り、やがて死滅してしまう。さらに、金属材の金属種によっては、溶出する金属イオン自体に抗菌作用があるため、溶出する金属イオンにより結露水中に混入した菌の繁殖を抑制することもできる。したがって、ドレンパン上の雑菌の繁殖を長期にわたって良好に抑えることができて、雑菌によるドレンパイプのつまりを防止することができる。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の空気調和機において、金属材と熱交換器とを、結線あるいは結露水に浸かることのない箇所で直接固定して導通させたことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の空気調和機において、結線あるいは固定した位置が、ドレンパンに滞留した結露水の水面よりも上位置となるように配置されていることを特徴とする。
【0009】
結線あるいは固定した位置が、ドレンパンに滞留した結露水の水面よりも下の位置であれば、この結線部や結合部の接点が腐食しやすくなり、接点腐食による導通不良に至ることがあるが、上記構成によれば、結線あるいは固定した位置が、ドレンパンに滞留した結露水の水面よりも上位置であるので、この結線部や固定部の接点が腐食して導通不良に至ることを防止できる。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の空気調和機において、金属材と熱交換器のフィンとの間に発生する内部起電力が、0.3〜1.0Vであることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、菌を金属材に良好に引き付けることができて、十分な集菌、死滅化性能を得ることができる。また、内部起電力が大きすぎると、結露水中で電流が流れ過ぎて金属材の溶出が過大となって、金属材が早期に腐食することがあるが、このようなことを防止できる。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の空気調和機において、金属材と熱交換器のフィンとの間の一部あるいは全域に絶縁体が配設されていることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、ドレンパンに滞留した結露水に浸かる箇所で金属材と熱交換器のフィンとが直接接触することを防止できて、金属材と熱交換器のフィンとの間の内部起電力による電位差を良好に維持することができる。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項5に記載の空気調和機において、絶縁体が、発泡EPDM、発泡PE、発泡PS、発泡PP、発泡PVAあるいは発泡ウレタンであることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項5に記載の空気調和機において、絶縁体が、PP、PE、PSの高分子粒子を焼結させた多孔質体であることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項5に記載の空気調和機において、絶縁体が、樹脂繊維、木綿繊維、またはそれらの混合繊維の不織布あるいはメッシュ形状物であることを特徴とする。
【0016】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の空気調和機において、絶縁体が樹脂繊維である樹脂が、PP、PET、PEN、PE、ナイロンあるいはレーヨンであることを特徴とする。
【0017】
請求項10記載の発明は、請求項1〜9の何れかに記載の空気調和機において、金属材と熱交換器のフィン先端との間の間隔が5mm以下であり、かつ前記金属材と前記熱交換器に対して絶縁状態を確保することを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、金属材と熱交換器のフィン先端との間に十分な電界強度を維持することができる。
請求項11記載の発明は、請求項1〜10の何れかに記載の空気調和機において、熱交換器のフィンと金属材とが臨む箇所における、熱交換器のフィンが設けられている底面部の面積よりも、金属材の面積が大きいことを特徴とする。
【0019】
この構成により、熱交換器のフィンからドレンパン上に結露水が流れる際の通り道にほぼ金属材があることとなるので、金属材により良好に集菌することができる。
【0020】
請求項12記載の発明は、請求項1〜11の何れかに記載の空気調和機において、熱交換器のフィンがアルミニウム合金であることを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項12に記載の空気調和機において、金属材が、亜鉛板、亜鉛メッキ鋼鈑、亜鉛合金、亜鉛合金メッキ鋼鈑またはマグネシウム合金であることを特徴とする。
【0021】
この構成において、金属材として亜鉛を含むものが用いられた場合には、亜鉛イオンにより黄色ブドウ球菌等を制菌することができる。
請求項14記載の発明は、請求項13に記載の空気調和機において、金属材として亜鉛合金が用いられる場合に、この亜鉛合金が、Cu 0.2〜0.6wt%、Ti 0.03〜0.1wt%、Al 0.03〜0.1wt%、残部がZnであることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る空気調和機における室内機の概略的な側面断面図、図2は同室内機の概略的な正面図である。
【0023】
図1、図2に示すように、空気調和機の室内機20には、室内機20の上面側と前面側とに配設されて室内空気を吸い込む吸い込みグリル1、2と、冷却、除湿運転時に、吸い込みグリル1、2から吸い込んだ空気をそれぞれに設けられたアルミニウム合金製のフィン3a、4aにより冷却、除湿する背面熱交換器3および前面熱交換器4と、これらの背面熱交換器3および前面熱交換器4にて冷却、除湿された空気を最終の吹き出し口6に送るクロスフローファン5と、背面熱交換器3から流下する結露水を受ける樹脂製のドレンパン7と、前面熱交換器4から流下する結露水を受ける樹脂製のドレンパン8と、樹脂製の室内機台枠9と、吹き出し口6を形成している吹き出しグリル10とが備えられている。
【0024】
なお、背面側のドレンパン7は室内機台枠9と一体的に形成され、前面側のドレンパン8は吹き出しグリル10の天面部と一体的に形成されている。また、図示しないが、室内機20の両側部内面箇所には、背面側のドレンパン7に溜まった結露水を前面側のドレンパン8へ流す連通流路が設けられている。また、図2に示すように、ドレンパン8の底面両側部にはそれぞれドレン口8aが設けられており、一方のドレン口8aには、結露水を外部へ排出するドレンパイプ16が接続され、他方のドレン口8aには、ドレンパイプ16が接続されずに、ドレンキャップ(図示せず)にて栓が配置されている。
【0025】
ここで特に、この室内機20においては、背面熱交換器3の下端面とドレンパン7との間と、前面熱交換器4の下端面とドレンパン8との間とのそれぞれに、すなわち、結露水が各熱交換器3、4のフィン3a、4aからドレンパン7、8に至るそれぞれの経路に、金属材としての亜鉛板11、12が配設されている。また、各亜鉛板11、12の上面側には、この亜鉛板11、12が背面熱交換器3および前面熱交換器4のフィン3a、4aと短絡しないように絶縁する厚み3mmの発泡EPDM(エチレンプロピレンラバー)からなる絶縁体13、14が複数設けられている。
【0026】
背面熱交換器3および前面熱交換器4のフィン3a、4aは、Fe 0.29wt%、Mn 0.26wt%、Si 0.07wt%、Tl 0.07wt%、Cu 0.01wt%、残部Alである材料から形成されたアルミニウム合金で構成されており、この材料のイオン化傾向は、純粋なアルミニウムおよび純粋な亜鉛よりも小さく、かつ純粋な鉄よりも大きい。また、このような材質で構成されてなる金属板に対してリン酸クロメート処理をCr付着量 23mgで行った後、親水性皮膜処理されて形成されている。なお、図示しないが、各フィン3a、4aは、熱交換性能の高効率化を図るために縦スリットが設けられて結露水を保持しやすい構造を有している。
【0027】
また、各フィン3a、4aの下方に配設されている亜鉛板11、12は、フィン3a、4aよりもイオン化傾向の大きい材料で構成され、この実施の形態においては、純度99.9%以上のほぼ純粋な亜鉛により構成されている。なお、この実施の形態においては、各亜鉛板11、12は厚み0.3mmのものが用いられている。また、前面熱交換器4の下端面に臨む亜鉛板12は、前面熱交換器4から滴下する結露水の通り道が全域にわたってカバーできるように設けられている。したがって、例えば、亜鉛板12の全長は640mmで、前面熱交換器4の全長630mmよりも10mm長く、亜鉛板12の幅は28mmで、前面熱交換器4のフィンの奥行き25mmよりも3mm長く形成されている。
【0028】
また、亜鉛板12の向かって右側端部には多段の折り曲げ加工をして、亜鉛板12をドレンパン8に取り付けるとともに、亜鉛板12と前面熱交換器4のフィン4aと結線をするための端子取り出し部12aが、ドレンパン8に溜まった結露水中に漬からない高さに設けられている。また亜鉛板12と前面熱交換器4のフィン4aとを絶縁する絶縁材14もほぼ全域に設けられている。前面熱交換器4と亜鉛板12とは、塩化ビニル樹脂で絶縁保護カバーされた銅線からなる導通線15にて結線されており、この導通線15の一端は前面熱交換器4の端板にビス止めして固定され、導通線15の他端は亜鉛板12の端部にビス止めされて固定されている。なお、図面においては示していないが、同様に背面熱交換器3と亜鉛板11とも、導通線15にて同様な構成で結線され、背面熱交換器3のフィン3aと亜鉛板11との間には絶縁体13が介装されている。
【0029】
上記構成において、冷房運転時において室内機20が駆動されると、吸い込みグリル1、2を通じて室内空気が吸い込まれ、吸い込んだ空気が背面熱交換器3および前面熱交換器4のフィン3a、4aによって冷却、除湿され、クロスフローファン5によって吸い込まれて送風されながら、吹出し口6から室内空間に冷風が排出される。この時、背面熱交換器3、前面熱交換器4によって除湿される際に生じた結露水はドレンパン7、8によって受けられ、最終的にはドレン口8aからドレンパイプ16を経て外部へ排出される。
【0030】
ここで、結露水は、背面熱交換器3、前面熱交換器4のフィン3a、4aからドレンパン7、8上に滴下する際に、亜鉛板11、12の配置箇所を通ることとなる。また、ドレンパン7、8に結露水が溜まって、結露水中にフィン3a、4aの下端部と亜鉛板11、12とが浸かった状態では、導通線で接続されたフィン3a、4aの下端部と亜鉛板11、12との間には、そのイオン化傾向の差により、内部電力が0.4V生じる。つまり、フィン3a、4aよりもイオン化傾向の大きな亜鉛板11、12からZn2+イオンが放出され、これにより、亜鉛板11、12が低電位となり、フィン3a、4a側が高電位となる。空気中に漂っていた雑菌、例えば黄色ブドウ球菌などが結露水に混入している場合、このような菌は菌自体がある程度マイナスの電荷を帯びているため、フィン3a、4aから滴下する際に、Zn2+イオンが放出される亜鉛板11、12に引き付けられて電気泳動しながら次々と集められ、この結果、菌の自由な活動が抑制され、新陳代謝機能を不活化された菌は弱り、やがて死滅してしまう。さらに、亜鉛板11、12から溶出されるZn2+イオン自体にも抗菌作用がある(特に黄色ブドウ球菌に対する抗菌作用がある)ため、これによっても、制菌、殺菌される。この結果、ドレンパン7、8上の雑菌の繁殖を長期にわたって良好に抑えることができるとともに、雑菌によるドレンパイプ16のつまりも防止することができる。
【0031】
また、上記構成によれば、導通線15で亜鉛板11、12に結線した位置が、ドレンパン7、8に滞留した結露水の水面よりも必ず上位置となるので、この結線部の接点が腐食して導通不良に至ることを防止できる。つまり、導通線15を亜鉛板11、12に単純に結線し、この結線部の位置が、ドレンパン7、8に滞留した結露水の水面よりも下方であれば、この結線部の接点が腐食しやすくなり、接点腐食による導通不良に至ることがあるが、上記構成によればこのようなことがない。
【0032】
また、フィン3a、4aの下端部と亜鉛板11、12との間に何も設けない場合には、物流輸送中での衝撃や室内機設置、移設等での衝撃などによって、フィン3a、4aの下端部と亜鉛板11、12とが短絡して、十分な電位差を生じない場合があるが、上記構成によれば、絶縁体13、14を介在させることでそのような短絡を防止することができた。
【0033】
次に、このような集菌、死滅化機能を有する空気調和機の実証的な評価として下記のようなモデル試験を行った。
まず、第1の実証評価試験として、NB培地組成(ペプトン 10g、塩化ナトリウム 5g、肉エキス 3g、純水 1L)を1000倍に希釈し、グラム陰性の大腸菌を濃度30個/L程度で含んだ調製水を用意した。この調製水を、前面熱交換器4の10cm幅に対して均一に1ml/minの速度でマイクロポンプにより送液し、ドレン口8aから排出された水を時間経過とともに0.2mlずつ採取し、平板混釈法に準じて寒天培地にて24時間培養してドレン水中の菌数を調べて、亜鉛板11、12による集菌の効果を評価した。その結果、亜鉛板11、12を有しない従来のものと比較して、大腸菌数が約1/100に減少しており、明らかに集菌、死滅化できていることを確認できた。
【0034】
次に、第2の実証評価試験として、室内機20を3台準備し、ドレンパン7、8のドレン口8aを両方とも塞いでNB培地組成(ペプトン 10g、塩化ナトリウム 5g、肉エキス 3g、純水 1L)を1000倍に希釈し、グラム陰性の大腸菌を濃度30個/L程度で含んだ調製水200mlをドレンパン7、8内に投入して12、24、48時間経過後の状態を確認した。投入した調製水を再度滅菌したビーカーに戻してその中から0.2mlの調製水をサンプリングして平板混釈法に準じて寒天培地にて24時間培養し、ブランクサンプルとの比較で集菌の効果を調べた。その結果、時間が経過するほど大腸菌が減少しており、大腸菌が明らかに集菌、死滅化できている傾向を確認できた。
【0035】
(実施の形態2)
図3は第2の実施の形態に係る空気調和機の室内機の概略的な正面図で、特に、前面熱交換器と亜鉛板との結線構成を示して(ドレンパン8については断面形状を示して)いる。なお、上記第1の実施の形態に係る空気調和機の室内機構成と説明が重複する部分は省略する。
【0036】
図3に示すように、本実施の形態でも上記第1の実施の形態と同様に、亜鉛板12は前面熱交換器4から滴下する結露水の全域にわたってカバーできるように設けられ、その全長は前面熱交換器4よりも長く、幅はフィンの奥行きよりも長くしている。この実施の形態では、亜鉛板12から導通線17への端子取り出し方法が上記第1の実施の形態と異なっている。すなわち、この第2の実施の形態においては、亜鉛板12は平板形状としてドレンパン8上に配置し、亜鉛板12と前面熱交換器4のフィン4aとを導通させる導通線17の亜鉛板12への接続部分がドレン水(結露水)中に漬かっている。しかしながら、この導通線17におけるドレン水(結露水)中に漬かっている部分は銅線に亜鉛メッキを施しており、樹脂ネジによってビス止めを行っている。
【0037】
この構成によっても、前面熱交換器4のフィン4aと亜鉛板12との間には内部起電力が約0.4V生じるようになり、空気中に漂っていた雑菌はまず前面熱交換器4のフィン4aによって捕らえられ、その後、結露水とともにドレンパン8側へ移動しようとする。この際に、マイナスの電荷を帯びた菌は亜鉛板12に集菌され、やがては死滅する。また、亜鉛板12から徐々に溶出されるZn2+イオンの効果によっても制菌、殺菌される。また特にこの実施の形態においては、導通線17の亜鉛板12への接続部分がドレン水(結露水)中に漬かっているけれども、導通線17におけるドレン水(結露水)に漬かっている部分は亜鉛メッキ処理を施すことで、導通線17における銅線部分と亜鉛メッキ部分とが強く結合しているので、水中での異種金属の接合による局部腐食が防止されている。なお、背面熱交換器3のフィン3aと亜鉛板11とを導通させる導通線17の亜鉛板11に対する結合構造も同様な構成を採用してもよい。
【0038】
(実施の形態3)
図4は、本発明の第3の実施の形態に係る空気調和機の室内機の概略的な正面図であり、室内機の前面熱交換器と亜鉛板との結合構成を示す。
【0039】
図4に示すように、この第3の実施の形態では、亜鉛板12の両端部の一部が上方に延長されて接続取付部12bが形成され、この接続取付部12bにより亜鉛板12が、前面熱交換器4におけるドレン水(結露水)に漬かることのない箇所に、直接ネジなどで固定されている。
【0040】
この構成によっても、前面熱交換器4のフィン4aと亜鉛板12との間には内部起電力が約0.4V生じるようになり、空気中に漂っていた雑菌はまず前面熱交換器4のフィン4aによって捕らえられ、マイナスの電荷を帯びた菌は亜鉛板12に集菌され、やがては死滅する。また、亜鉛板12から徐々に溶出されるZn2+イオンの効果によっても制菌、殺菌される。
【0041】
(実施の形態4)
図5は第4の実施の形態に係る空気調和機の室内機の概略的な側面断面図である。なお、上記第1の実施の形態に係る空気調和機の室内機の構成と説明が重複する部分は省略する。
【0042】
この実施の形態に係る空気調和機の室内機においては、図5に示すように、亜鉛板11、12と背面熱交換器3および前面熱交換器4のフィン3a、4aとが短絡しないように厚さ1mmのPE(ポリエチレン)の多孔質シートからなる絶縁体18、19を亜鉛板12の上面におけるほぼ全域に設けている。この絶縁体18、19をなすPE多孔質シートは、平均粒子径100μmのPE高分子を120℃で焼結させて作製した後、親水化処理を行ったものであり、平均細孔径は約30μmである。PE多孔質シートはドレン水分を継続して保持する能力が優れているため、亜鉛板11、12と3a、フィン4aとの間に形成された電位差を長時間にわたって維持でき、これにより、ドレンパン7、8上にが水分で湿っている間は十分な集菌、死滅化機能を持続できる。
【0043】
具体的には、第1の実施の形態で述べた構造を用いた第1の実証評価試験の場合においては、熱交換器3、4から滴下する水量が減ってくると、ある時点から集菌機能が急激に減衰するが、本実施の形態では滴下水量および熱交換器3、4が保持している水量がかなり少なくなっても、PEの多孔質シートの保水能力によって熱交換器3、4と亜鉛板11、12との間が保水状態となるため、集菌効果を持続できた。
【0044】
(実施の形態5)
本実施の形態では熱交換器3、4のフィン3a、4aと亜鉛板11、12との間に絶縁体18、19として、厚さ1mmのPP(ポリプロピレン)不織布をほぼ全域に配置し、その他の構造は実施の形態5と同様にした。PP不織布は繊維径約3μmのPP長繊維で作製した後、親水化処理を行ったものである。PP不織布はドレン水分を継続保持する能力がPE多孔質シートよりもさらに優れているため、亜鉛板11、12と熱交換器3、4のフィン3a、4aとの間に形成された電位差を長時間にわたって良好に維持でき、これにより、ドレンパン7、8上を水分で湿すことができる時間が長くなり、この間は十分な集菌、死滅化機能を持続できる。具体的には、第1の実施の形態で述べた第1の実証評価試験の場合と同様にして、上記実施の形態4と比較しても、絶縁体18、19としてのPP不織布の保水能力によってさらに長時間にわたって、亜鉛板11、12と熱交換器3、4のフィン3a、4aとの間に形成された電位差を良好に維持でき、集菌効果を良好にかつ長時間にわたって持続することができた。
【0045】
(実施の形態6)
本実施の形態ではドレンパン7、8と熱交換器3、4のフィン3a、4aとの間に金属材として亜鉛鉄板を配置し、亜鉛鉄板の構造は第1の実施の形態と同様にした。この場合に、金属材としての亜鉛鉄板の切断端面はエポキシ系の樹脂によってコーティングして腐食への対策を行った。この構成によっても熱交換器3、4のフィン3a、4aと亜鉛鉄板との間には内部起電力が約0.4V生じるようになり、亜鉛鉄板でも十分な集菌、死滅化機能を発揮できた。
【0046】
(実施の形態7)
本実施の形態ではドレンパン7、8と熱交換器3、4のフィン3a、4aとの間に金属材として亜鉛合金板(具体的にはCu 0.35wt%、Ti 0.07wt%、Al 0.03wt%、残部Zn)を配置し、亜鉛合金板の構造は第1の実施の形態と同様にした(第2、第3の実施の形態と同様にしてもよい)。
【0047】
この構成では、熱交換器3、4のフィン3a、4aと亜鉛合金板との間には内部起電力が約0.3V生じるようになった。これによって内部起電力による電位差は小さくなったが、金属材として亜鉛合金板を用いたことにより、金属材の耐食性が向上し、集菌、死滅化機能をより長期間にわたって発揮させることができた。具体的には10年間金属材の交換を不要とすることが可能となった。
【0048】
(実施の形態8)
本実施の形態ではドレンパン7、8と熱交換器3、4のフィン3a、4aとの間に金属材としてマグネシウム合金(AZ91)板を配置した。なお、マグネシウム合金板の構造は第1の実施の形態や第3の実施の形態と同様にした。これによって熱交換器3、4のフィン3a、4aとマグネシウム合金板との間には内部起電力が約0.8V生じるようになり、金属材としてマグネシウム合金(AZ91)板を採用することによって内部起電力による電位差が大きくすることができ、内部起電力による集菌能力は向上し、充分な死滅化機能を発揮させることができた。
【0049】
なお、上記第1の実施の形態では、絶縁体13、14として発泡EPDMを使用した場合を述べたが、本実施の形態で使用できるものはこの限りではない。絶縁体としては、絶縁性に優れたものであればよく、この絶縁体を熱交換器3、4のフィン3a、4aと金属材との間のスぺーサーとしても使用できる。また、絶縁体は、弾性を有するものであればさらに都合がよく、その他に発泡PE、発泡PS(ポリスチレン)、発泡PP、発泡PVA(ポリビニルアルコール)、ウレタンフォームなどが使用できる。また発泡の状態が独立気泡ではなく連続発泡のもののほうが好ましい。
【0050】
また、上記実施の形態4では、絶縁体としてPE粒子を焼結させた多孔質シートを使用した場合を述べたが、本実施の形態で使用できるものはこの限りではない。絶縁体としては、絶縁性に優れた樹脂の連通孔を有する多孔質シートであれば同様な効果が期待でき、この他にPS、PP等の樹脂も使用できる。しかし使用に際しては親水化処理を行うことが望ましい。50〜100μmの高分子粒子を焼結させた多孔質シートは水の毛細管現象によって、ドレン水を十分保持できるので、長時間にわたって熱交換器3、4のフィン3a、4aとマグネシウム合金からなる金属材とで内部起電力による電位差を確保でき、その間はマグネシウム合金側への集菌、死滅化機能を持続できる。
【0051】
さらに、上記実施の形態5では、絶縁体としてPPの不織布を使用した場合を述べたが、本実施の形態で使用できるものはこの限りではない。絶縁体としては、絶縁性に優れた樹脂繊維の不織布またはメッシュであれば同様な効果が期待でき、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PE、ナイロン、レーヨン等の樹脂繊維も使用できる。また、絶縁体として木綿繊維を使用してもよく、樹脂繊維と木綿繊維との混合物を使用することもできる。不織布は繊維の毛細管現象によって、またはメッシュはその孔に溜まった水の表面張力によって、ドレン水を十分保持できるので、長時間にわたって熱交換器3、4のフィン3a、4aとマグネシウム合金からなる金属材とで内部起電力による電位差を確保でき、その間はマグネシウム合金側への集菌、死滅化機能を持続できる。
【0052】
また、絶縁体を金属板の全体にわたって配置するかわりに、絶縁体を部分的に配置することも可能である。例えば3〜5箇所だけ絶縁体を配設することも可能である。
【0053】
亜鉛板または亜鉛鉄板を使用した上記実施の形態1〜5では電位差0.4Vを確保でき、マグネシウム合金(AZ91)板を使用した上記実施の形態8では電位差0.8Vを確保できた。また亜鉛合金を使用した上記実施の形態7では電位差0.3Vを確保できた。本発明で菌の電気泳動による集菌に必要な電位差は少なくとも0.3V以上であった。また1.0Vを越えると、熱交換器3、4からの結露水の電気伝導度にもよるが、漏れ電流が無視できなくなり、金属材自体の溶解が徐々に起こり始める場合もあるため、長期的な信頼性を保証できなくなる。したがって、熱交換器3、4のフィン3a、4aと金属材との望ましい電位差は0.3〜1.0Vであり、この範囲の電位差を確保できるものであればいろいろな金属材が使用できる。しかし、流通的に入手可能な、汎用性のある板状の金属材となると、亜鉛板、亜鉛メッキ鋼板、屋根材用の亜鉛合金メッキ鋼板、屋根材用の亜鉛合金板、マグネシウム合金(AZ91)板が推奨できる。特に屋根材用の亜鉛合金メッキ鋼板および屋根材用の亜鉛合金板はフィンとの電位差は少し小さくなるが、耐食性において亜鉛板よりも優れているので長期的な信頼性保証の観点から推奨できる材料である。
【0054】
また、上記実施の形態では、絶縁体として、厚み3mmの発泡EPDMと厚さ1mmのPP不織布とを使用した場合について説明したが、熱交換器3、4のフィン3a、4aと金属材との間隔は狭いほど電解強度を大きく保てるので望ましい。しかし両者がドレン水中で短絡してしまっては電位差を設けた意味がないのである程度安全率を見込んで設定するほうがよい。また両者を離せる最大の間隔距離としてはドレン水に影響を与えない電位差の最大値1.0Vにおいても十分な集菌、死滅化能力を発揮できる距離として、モデル実験による約5mmと判断した。したがって、熱交換器3、4のフィン3a、4aと金属材との間隔は5mm以下で絶縁状態が確保できていれば、下限は特に制約されない。
【0055】
また、上記実施の形態においては、集菌するための金属材を前面熱交換器4と背面熱交換器3との両方に配設した場合について説明したが、熱交換器からの結露水がドレンパン上に滞留して雑菌の発生によって腐敗し易いのは前面熱交換器4のほうであり、本発明による実施の効果も前面熱交換器4側のドレンパン8が重要となる。したがって、前面熱交換器4だけに金属材を配設して背面熱交換器3からの結露水は集菌することなく、ドレン口、ドレンパイプを通じて室外に排出させるだけの構成に省略することも十分可能である。
【0056】
さらに、上記実施の形態においては、何れの場合も、熱交換器3、4のフィン3a、4aがアルミニウム合金である場合を述べたが、これに限るものではなく、純粋なアルミニウムや、その他の熱伝導率の良好な材料を用いてもよく、この場合には、このフィン3a、4aの材料よりもイオン化傾向の大きい金属材を、熱交換器のフィンからドレンパンに至る経路に配設すればよい。また、熱交換器3、4の冷媒通路をなす管路の材質は、通常銅管を用いるが、フィン3a、4aと同一材料のアルミニウム合金製であってもよく、要するに、電気を導通させる金属から構成されておればよい。
【0057】
【発明の効果】
上記実施の形態から明らかなように、結露水が熱交換器のフィンからドレンパンに至る経路に、フィンよりもイオン化傾向の大きい金属より構成される金属材を配置し、前記金属材と前記熱交換器とを前記ドレンパンに滞留した結露水に浸かる箇所で直接接触することなく他の箇所で電気的に導通させたことにより、熱交換器のフィンと金属材とによって構成された電池作用の内部起電力により、金属材側に菌が次々と集められて菌の自由な活動を抑制させることができ、菌を集めて死滅化できる。また、この場合に、金属材が存在する限り、集菌できて死滅化させることができるため、長期的に使用できる。また、金属材から溶出した微量の金属イオン、たとえばZn2+イオンによって黄色ブドウ球菌等を制菌する効果をも奏した。これにより、ドレンパン上の雑菌の繁殖を長期にわたって良好に抑えることができるとともに、雑菌によるドレンパイプのつまりも防止することができ、衛生的にも良好な状態となるだけではなく、つまり防止による室内機の信頼性も向上する。また、金属材と熱交換器との電気的な導通手法としては、金属材と熱交換器とを、結線あるいは結露水に浸かることのない箇所で直接固定して導通させるとよい。
【0058】
また、結線あるいは固定した位置を、ドレンパンに滞留した結露水の水面よりも上位置となるように配置することで、結線端子部の接点腐食による導通不良に至ることを防止できるのでさらに長期的な信頼性を得ることができた。
【0059】
また、金属材と熱交換器のフィンとの間に発生する内部起電力が、0.3V以上であるようにすることで、充分な集菌、死滅化性能が得られるとともに、その起電力が1.0以下のレベルに抑えることで結露水の電気伝導度がどのような場合にもドレン水中を電流が流れすぎて集菌される側の金属板が腐食に至るということもなく、十分な耐久性を保証できた。
【0060】
また、フィンの下端部と金属材との間に何も設けない場合には、物流輸送中での衝撃や室内機設置、移設等での衝撃などによって、フィンの下端部と金属材とが短絡して、良好な電位差を生じない場合があるが、フィンの下端部と金属材との間に絶縁体を介在させることでそのような短絡を防止することができて、室内機を設置してドレンパン上に溜まり水が存在する時にはたえず金属板と熱交換器フィンとの間に内部起電力による電位差を良好に確保することができ、これにより信頼性が向上する。
【0061】
また、絶縁体として発泡EPDM、発泡PE、発泡PS、発泡PP、発泡PVAあるいは発泡ウレタンを使用することで、優れた弾性を有しながら熱交換器フィンと金属板との短絡を防止することができた。
【0062】
さらに、絶縁体としてPP、PE、PSの高分子粒子を焼結させた多孔質体を使用することで、熱交換器フィンと金属材との間に所定の間隔を保ち、確実に短絡を防止することができると同時に、結露水を絶縁体自体が長時間にわたって保持できるので、少ない結露水量の状態でも内部起電力による電位差を持続できて、集菌効果をさらに良好に発揮することができた。
【0063】
また、絶縁体として、樹脂繊維、木綿繊維またはそれらの混合繊維の不織布あるいはメッシュ形状物を用いることで、熱交換器フィンと金属材との間を狭い間隔に対しても絶縁状態を確保できるとともに、結露水を絶縁体自体が長時間にわたって保持できるので少ない結露水量の状態でも内部起電力による電位差を持続でき、集菌効果を発揮することができた。
【0064】
また、絶縁体が樹脂繊維である樹脂として、PP、PET、PEN、PE、ナイロンあるいはレーヨンを用いることで十分な保水能力および耐薬品性を維持させることができた。
【0065】
また、金属材と熱交換器フィン先端との間隔を5mm以下であり、かつ金属材と熱交換器に対して絶縁状態を確保することでドレン水に与える電位差を最大値である1.0Vにおいても十分な電解強度を維持でき、集菌、死滅化効果を発揮できる。また間隔は狭いほど電界強度は強くなるので、下限としては電極間が短絡しないように絶縁状態を確保できていれば問題ない。特に電位差が小さい場合には絶縁体を工夫することで十分な集菌、死滅化効果を得ることができた。
【0066】
さらに、熱交換器のフィンと金属材とが臨む箇所における、熱交換器のフィンが設けられている底面部の面積よりも、金属材の面積が大きいように構成することで常に水の通り道に金属材があるので、結露水中に存在する菌は溜まり水状態の場合にも金属板に次々と集菌されて、やがては死滅化させることができた。
【0067】
また、金属材として亜鉛板、亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合金、亜鉛合金メッキ鋼板またはマグネシウム合金(AZ91)を選択することで汎用性のある低コストな金属板を手軽に入手可能となった。
【0068】
さらに、金属材として亜鉛合金が用いられる場合に、この亜鉛合金が、Cu 0.2〜0.6wt%、Ti 0.03〜0.1wt%、Al 0.03〜0.1wt%、残部がZnであるものを用いることで長期間金属板の交換等のメンテナンスを不要とすることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る空気調和機の室内機の概略的な側面断面図である。
【図2】同室内機の概略的な正面図であり、室内機の前面熱交換器と亜鉛板との結線構成を示す。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る空気調和機の室内機の概略的な正面図であり、室内機の前面熱交換器と亜鉛板との結線構成を示す。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る空気調和機の室内機の概略的な正面図であり、室内機の前面熱交換器と亜鉛板との結合構成を示す。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係る空気調和機の室内機の概略的な側面断面図である。
【符号の説明】
1、2 吸い込みグリル
3 背面熱交換器
3a、4a フィン
4 前面熱交換器
5 クロスフローファン
6 吹き出し口
7、8 ドレンパン
8a ドレン口
9 室内機台枠
10 吹き出しグリル
11、12 亜鉛板(金属材)
13、14、18、19 絶縁体
15、17 導通線
20 室内機
Claims (14)
- 少なくとも吸込み口から吹出し口に至る通風路内に金属製のフィンを有する熱交換器と、前記熱交換器により温度調節された風を室内へ吹出す室内送風ファンと、前記熱交換器から滴下した結露水を受けるドレンパンとを具備した室内機を有する空気調和機において、結露水が前記熱交換器のフィンからドレンパンに至る経路に前記フィンよりもイオン化傾向の大きい金属より構成される金属材を配置し、前記金属材と前記熱交換器とを前記ドレンパンに滞留した結露水に浸かる箇所で直接接触することなく他の箇所で電気的に導通させたことを特徴とする空気調和機。
- 金属材と熱交換器とを、結線あるいは結露水に浸かることのない箇所で直接固定して導通させたことを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
- 結線あるいは固定した位置が、ドレンパンに滞留した結露水の水面よりも上位置となるように配置されていることを特徴とする請求項2記載の空気調和機。
- 金属材と熱交換器のフィンとの間に発生する内部起電力が、0.3〜1.0Vであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の空気調和機。
- 金属材と熱交換器のフィンとの間の一部あるいは全域に絶縁体が配設されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の空気調和機。
- 絶縁体が、発泡EPDM、発泡PE、発泡PS、発泡PP、発泡PVAあるいは発泡ウレタンであることを特徴とする請求項5に記載の空気調和機。
- 絶縁体が、PP、PE、PSの高分子粒子を焼結させた多孔質体であることを特徴とする請求項5に記載の空気調和機。
- 絶縁体が、樹脂繊維、木綿繊維、またはそれらの混合繊維の不織布あるいはメッシュ形状物であることを特徴とする請求項5に記載の空気調和機。
- 絶縁体が樹脂繊維である樹脂が、PP、PET、PEN、PE、ナイロンあるいはレーヨンであることを特徴とする請求項8記載の空気調和機。
- 金属材と熱交換器のフィン先端との間の間隔が5mm以下であり、かつ前記金属材と前記熱交換器に対して絶縁状態を確保することを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の空気調和機。
- 熱交換器のフィンと金属材とが臨む箇所における、熱交換器のフィンが設けられている底面部の面積よりも、金属材の面積が大きいことを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の空気調和機。
- 熱交換器のフィンがアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の空気調和機。
- 金属材が、亜鉛板、亜鉛メッキ鋼鈑、亜鉛合金、亜鉛合金メッキ鋼鈑またはマグネシウム合金であることを特徴とする請求項12に記載の空気調和機。
- 金属材として亜鉛合金が用いられる場合に、この亜鉛合金が、Cu 0.2〜0.6wt%、Ti 0.03〜0.1wt%、Al 0.03〜0.1wt%、残部がZnであることを特徴とする請求項13に記載の空気調和機。
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