JP2003314599A - 車両の制動装置 - Google Patents

車両の制動装置

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JP2003314599A
JP2003314599A JP2002116171A JP2002116171A JP2003314599A JP 2003314599 A JP2003314599 A JP 2003314599A JP 2002116171 A JP2002116171 A JP 2002116171A JP 2002116171 A JP2002116171 A JP 2002116171A JP 2003314599 A JP2003314599 A JP 2003314599A
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Hajime Fukumori
肇 福森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実際の車輪周速度を大きく変動させないで、
スリップ率を一定の範囲に保持して、高い路面μを維持
して車両を制動するというアンチロック制御の思想を、
ブレーキ・バイ・ワイヤシステムにおいて達成可能な車
両の制動装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 ブレーキパッド3に対するブレーキピス
トン11の変位に基づく押圧力を制御することで、車両
の制動制御及びアンチロック制御を行う車両の制動装置
であって、ブレーキピストン11を、モータ12の回転
によりその軸方向に変位可能に構成した第1のブレーキ
ピストン11−1と、磁歪材料13の膨張・収縮により
その軸方向に変位可能に構成した第2のブレーキピスト
ン11−2と、から構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレーキパッドに
対するブレーキピストンの変位に基づく押圧力を制御す
ることで、車両の制動制御及びアンチロック制御(以下
「ABS」ともいう)を行う車両の制動装置に関し、特
に、ブレーキピストンの構造を改良して制動性能及びア
ンチスキッド性能を向上させる車両の制動装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】車両の制動制御及びアンチロック制御を
行う車両の制動装置において、ABSの性能を高め、短
い制動距離、制動時間で車両を停止させるためには、制
動中、タイヤと路面間で発生する摩擦係数(以下、「路
面μ」という)を高い状態に維持して、ブレーキの制御
を行うことが効果的である。このため、ABSを具える
制動装置は、一般的に、以下に示すように制御されてい
る。
【0003】図2は、縦軸に路面μを横軸にスリップ率
をとって、スリップ率と路面μとの関係を示す概念図で
ある。ここで、スリップ率ρは、車体速度(m/s)を
V、車輪角速度(rad/s)をω、車輪有効半径
(m)をrとしたとき、式(1)で定義されるものであ
る。 ρ=(V−ω・r)/V (1)
【0004】ABSは、スリップ率を、図2に示す第1
のスリップ率S1と第2のスリップ率S2との間に維持
してブレーキ装置を制御するものであり、このことによ
り、路面μをμ1以上に保って、制動装置を作動させる
ことができる。この制御を従来どのように行っているか
を以下に示す。
【0005】図3は、このようなABS制御装置を具え
た一般的な制動装置の、油圧回路を示すブロック線図で
ある。このブレーキ装置100は、車輪101を制動す
るブレーキ本体102と、運転者がブレーキ操作をする
ためのブレーキペダル103と、ブレーキ本体102に
油圧を加えて、これを作動させる油圧回路104と、車
輪の角速度を検知する車輪速センサ106を含むセンサ
からの信号を取りこみ、これらの信号に基づいて、油圧
回路104を制御するABS制御装置105とを具えて
構成されている。
【0006】油圧回路104は、ブレーキペダル103
の操作により、元圧を上下するマスタシリンダ111
と、マスタシリンダ111の油圧に応じて、複数の車輪
101のブレーキ本体102に油圧を加えるそれぞれの
ホイールシリンダ112と、ABS制御装置105から
の信号に基づいて、マスタシリンダ111とホイールシ
リンダ112との間の油圧の連通を断接する流入側切替
弁113と、ホイールシリンダ112の油圧を排出して
圧力を低下させる流出側切替弁114と、排出された油
を集めるパン116およびこの油を油圧ラインに回収す
る油圧ポンプ115とを具えている。
【0007】ブレーキをかけずに走行しているとき、ブ
レーキペダル103は操作されていないのでマスタシリ
ンダの圧力はゼロであり、また、流入側切替弁113は
開放し、流出側切替弁114は閉止している。したがっ
て、ホイールシリンダ112の圧力はゼロであり、ブレ
ーキ本体102を作動させないので、車輪101はスリ
ップせずに転動していて、式(1)のスリップ率μは、
ほぼゼロである。
【0008】運転者がブレーキペダル103を踏んで、
ブレーキをかけると、マスタシリンダ111の圧力が上
昇する。このとき、流入側切替弁113は開放し、流出
側切替弁114は閉止したまま保持されているので、マ
スタシリンダ111連通するホイールシリンダ112の
圧力も上昇し、その結果ブレーキ本体102を作動させ
る。ブレーキ本体102が作動すると、車輪101が滑
り始めスリップ率が上昇してゆく。
【0009】図2において、このスリップ率がS2に達
すると、ABS制御装置105は、流入側切替弁113
を閉止すると同時に、流出側切替弁114を開放し、ホ
イールシリンダ112の油圧を下げ、ブレーキ本体10
2の作動を停止する。このとき、油圧ポンプ115は、
流出側切替弁114に連動して、パン116からの油を
油圧ラインに回収する。
【0010】ブレーキ本体102の作動の停止に伴っ
て、スリップ率は低下し、これが図2のS1に戻ると、
再び、流入側切替弁113を開放するとともに流出側切
替弁114を閉止して、ホイールシリンダ112を昇圧
し、ブレーキ本体102を再作動させる。このように、
ABS制御装置105を具える従来の制動装置100
は、一旦、ABS制御装置105が機能し始めると、ス
リップ率をS1とS2の間の値を往復させて、路面μを
μ1以上に維持して、制動距離の短いブレーキ作動を行
わせことを狙って設計されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このブ
レーキ装置100を詳細に調査したところ、以下に述べ
る問題があることが判明した。図4は、実際に1800
ccクラスの車両を80km/hのスピードで走行さ
せ、駆動を停止し、ブレーキをかける実験を行った際
の、車体速度V、車輪周速度Z、流入側切替弁の一次側
圧力P1およびホイールシリンダの圧力P2を、制動後
の経過時間tを横軸にとって示したグラフである。な
お、車輪周速度Zは車輪角速度ωと車輪有効半径rとを
掛け合わせたものである。また、圧力P1とP2はそれ
ぞれ、図3の点、X1、X2で検出した圧力である。
【0012】図4に示すように、車体速度Vは一定の割
合で低下しているものの、車輪周速度Zは大きく変動し
ながら低下している。高い路面μを保持させながら車両
を制動するためには、スリップ率を一定の範囲に保つ必
要があることは前述した通りであるが、この一定のスリ
ップ率を達成させる理想の車輪周速度を、本実験の場合
に当てはめて計算した。それを図4に直線Z0で示し
た。図4から明らかなように、実際の車輪周速度Zはこ
の理想直線Z0と時々交わりながら大きく上下しながら
低下していることが分かる。車輪周速度Zが理想直線Z
0から大きく外れる部分では、低い路面μで制動を働か
せていることを意味し、この部分で無駄に制動時間を費
やしていることが分かった。
【0013】また、上述した油圧により制動制御及びア
ンチロック制御を行う従来の車両の制動装置では、油が
連通する経路を造る必要上構成が大掛かりとなり高価と
なる問題があった。これらの油圧を使用することで発生
する問題を解消する技術として、近年になって、油圧で
はなくブレーキペダルの踏力に応じた電気信号により、
ブレーキキャリバーのアクチュエータを駆動することで
制動制御を行うブレーキ・バイ・ワイヤシステムが考え
られている。このブレーキ・バイ・ワイヤシステムでも
ABSを備えることが油圧の場合よりも簡単にできる
が、やはりその場合でも、上述したABSの問題が発生
していた。また、ブレーキ・バイ・ワイヤシステムにお
いて最適なABSの構造も未だ提案されていなかった。
【0014】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、実際の車輪周速度を大きく変動させな
いで、スリップ率を一定の範囲に保持して、高い路面μ
を維持して車両を制動するというアンチロック制御の思
想を、ブレーキ・バイ・ワイヤシステムにおいて達成可
能な車両の制動装置を提供することを目的とするもので
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明はなされたものであり、その要旨構成ならび
に作用を以下に示す。
【0016】請求項1に記載の車両の制動装置は、ブレ
ーキパッドに対するブレーキピストンの変位に基づく押
圧力を制御することで、車両の制動制御及びアンチロッ
ク制御を行う車両の制動装置であって、ブレーキピスト
ンを、モータの回転によりその軸方向に変位可能に構成
した第1のブレーキピストンと、磁歪材料の膨張・収縮
によりその軸方向に変位可能に構成した第2のブレーキ
ピストンと、から構成したことを特徴とするものであ
る。
【0017】この車両の制動装置によれば、従来の油圧
の応答性の遅さに起因して制動時に発生していたブレー
キピストンを駆動するホイールシリンダ圧力の過減圧・
過増圧を、ブレーキピストンの大変位はモータにより行
うとともに、ブレーキピストンの小変位及びアンチロッ
ク制御時のブレーキピストンの変位制御を応答性の良い
磁歪材料により行うことで、アンチロック制御を備えた
制動装置をブレーキ・バイ・ワイヤシステムにおいて好
適に達成することができる。
【0018】請求項2に記載の車両の制動装置は、車両
の制動制御を、第1のブレーキピストンをモータの回転
により軸方向に変位させることで、および/または、第
2のブレーキピストンを磁歪材料の膨張・収縮により軸
方向に変位させることで、ブレーキピストンを変位させ
て行うとともに、アンチロック制御を、第1のブレーキ
ピストンを固定して、第2のブレーキピストンを磁歪材
料の膨張・収縮により軸方向に変位させることで、ブレ
ーキピストンを変位させて行うことを特徴とする。
【0019】モータおよび/または磁歪材料によるブレ
ーキピストンの変位制御において、車両の制動時の初期
はモータの駆動による大変位のみを利用し、その後モー
タの駆動による大変位と磁歪材料の駆動による小変位と
を組み合わせ、最終的には磁歪材料の駆動による小変位
のみを利用する等、車両の状態にあった制動制御を行う
ことができる。また、アンチロック制御を磁歪材料の駆
動による小変位のみで行うことで、モータとボールスク
リュー等のギア装置との組み合わせによる大変位より応
答性の高い磁歪材料の小変位のみを利用でき、アンチロ
ック制御を最も効果的に実行することで、従来の装置に
おける過減圧・過増圧を減少させることができる。
【0020】請求項3に記載の車両の制動装置は、車両
のアンチロック制御を、車輪が所定の第1のすべり率以
上のロック状態となったときは、磁歪材料に与える磁界
の強さを弱めるとともに、車輪が所定の第1のすべり率
よりも小さい第2のすべり率未満のロック解除状態とな
ったときは、磁歪材料に与える磁界の強さを強めること
で、ブレーキピストンを変位させて行うことを特徴とす
る。
【0021】アンチロック制御時の磁歪材料の膨張・収
縮による小変位は、磁歪材料を励磁するコイルの磁界の
強さを変化させることで、簡単に実行することができ
る。また、アンチロック制御は、従来と同様に、すべり
率による車輪のロック状態に基づき行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図1に基づいて説明する。図1は車両のキャリバ内
に組み込んだ本発明の車両の制動装置の一例の構成を示
す図である。図1に示す例において、1は図示しない踏
力センサからの信号に基づき後述するモータ及び磁歪材
料の励磁力を制御する電子制御装置(EUC)、2はブ
レーキキャリバ、3は2個のブレーキパッド、4は2個
のブレーキパッド3間に配置されたロータである。
【0023】本発明の車両の制動装置の特徴は、ブレー
キピストン11を、第1のブレーキピストン11−1と
第2のブレーキピストン11−2とにより構成し、第1
のブレーキピストン11−1をモータ12の回転により
その軸方向に変位可能に構成するとともに、第2のブレ
ーキピストン11−2を磁歪材料13の膨張・収縮によ
りその軸方向に変位可能に構成した点である。以下、モ
ータ12による第1のブレーキピストン11−1の大変
位と磁歪材料13による第2のブレーキピストン11−
2の小変位について説明する。
【0024】モータ12による第1のブレーキピストン
11−1の大変位は以下のようにして達成される。モー
タ12の回転によりギア装置14を介して円筒形状の回
転部材15を回転可能に構成する。回転部材15の内部
には第1のブレーキピストン11−1を配置する。回転
部材15の内周面に雄ねじ部を形成するとともに、第1
のブレーキピストン11−1の外周面に雌ねじ部を形成
し、雄ねじ部と雌ねじ部とを噛合させることでボールね
じを構成する。以上の構成で、モータ12の回転により
第1のブレーキピストン11−1をその軸方向に変位さ
せることができる。モータ12は正逆回転できるため、
第1のブレーキピストン11−1も軸方向に前後に変位
させることができる。
【0025】磁歪材料13による第2のブレーキピスト
ン11−2の小変位は以下のようにして達成される。第
1のブレーキピストン11−1の内部に円柱状の磁歪材
料13を配置する。磁歪材料13の膨張・収縮が可能な
ように、磁歪材料13の底部と第1のブレーキピストン
11−1の内部との間に空間16を設ける。磁歪材料1
3は長さに対して径方向は小さく、径方向の膨張・収縮
はそれほどでないため、固定は磁歪材料13の側面を第
1のブレーキピストン11−1の内部に固定することで
行う。磁歪材料13の先端に第2のブレーキピストン1
1−2を被冠させる。第2のブレーキピストン11−2
の開口端部は、第1のブレーキピストン11−1の内部
で摺動自在に構成される。回転部材15の外周のブレー
キキャリバ2にコイルからなる磁気発生部17を円筒形
状に設ける。この磁気発生部17に電流を流すことで磁
界が発生し、磁歪材料13の励磁を行う。以上の構成
で、磁歪材料13の励磁による膨張・収縮により第2の
ブレーキピストン11−2をその軸方向に変位させるこ
とができる。
【0026】磁歪材料13については、磁界の強さに応
じて寸法変化(ジュール効果)が発生する従来から知ら
れているいずれの材料をも使用することができる。例え
ば、ランタノイド元素Rと鉄属元素T(Fe、Ni、C
o‥‥)で構成されるラーベス型の立方晶材料を使用す
ることができ、具体的な一例としてはTb0.3Dy
0.7Feを好適に使用することができる。
【0027】上述した構成の本発明の車両の制動装置に
おける制御動作は、以下の通りである。運転者がブレー
キを踏むと、そのストロークと速度その他路面の状況な
どから目標制動力をEUC1が算出する。ブレーキピス
トン11を変位させて、これに見合った荷重をブレーキ
パッド3に与えるために、実際にブレーキピストン11
がブレーキパッド3を押し付ける圧力を第2のブレーキ
パッド11−2の先端に設けた圧力センサ5により求
め、この求めた押圧力に基づくEUC1の制御のもと、
モータ12への電圧印加と磁歪材料13への励磁を行
う。この際の制動力制御は、目標制動力以下の時はモー
タ12への印加電圧を高くするとともに磁歪材料13へ
の励磁を強くすることで行い、目標制動力を超えている
時はモータ12への印加電圧を低くするとともに磁歪材
料13への励磁を弱くすることで行っている。これによ
りブレーキピストン11は変位してブレーキパッド3に
対し押し付け力を発生し、ブレーキパッド3間にロータ
4を挟み込み制動力を発生させる。
【0028】この制動力によりタイヤがロックしそうに
なると、アンチロック制御を行う。本発明におけるアン
チロック制御は、第1のブレーキピストン11−1はそ
の位置で固定した状態としたまま、第2のブレーキピス
トン11−2の小変位を制御することで行う。すなわ
ち、第2のブレーキピストン11−2の変位を制御する
ことで、タイヤが所定の第1のすべり率以上のロック状
態となったときは、磁気発生部17に供給する電流の強
さを低くすることにより磁歪材料13に与える磁界の強
さを弱めるとともに、タイヤが所定の第1のすべり率よ
りも小さい第2のすべり率未満のロック解除状態となっ
たときは、磁気発生部17に供給する電流の強さを強く
することで磁歪材料13に与える磁界の強さを強める。
これにより、磁歪材料13への励磁力を制御してタイヤ
ロックを防止する。また、磁歪材料13は励磁する磁界
の大きさに対して膨張量が変化するので、その制御はO
N/OFFではなく、リニアに制御可能である。
【0029】上述した制動動作において、制動力を発生
するための荷重の計算に用いるパラメータとしては、車
体速、車輪速、減速度、路面μ、天候(雨滴)、車間距
離、ブレーキトルク、外気温、舵角、ヨーレート、横G
があり、それらを適宜考慮して計算する。また、ブレー
キトルク11の変位を発生するための、第1のブレーキ
ピストン11−1の大変位と第2のブレーキピストン1
1−2の小変位との組み合わせは、目標とする制動動作
に応じて適宜選択することができる。一例として、両者
を同時に常に変位させて制動力を得ることもできる。あ
るいは、場面に応じて、どちらか一方のみ変位させて制
動力を得ることもできる。アンチロック制御について
は、通常、車輪が所定の第1のすべり率以上のロック状
態となったときは、磁歪材料13に与える磁界の強さを
弱めるとともに、車輪が所定の第1のすべり率よりも小
さい第2のすべり率未満のロック解除状態となったとき
は、磁歪材料13に与える磁界の強さを強めることで、
ブレーキピストンを変位させて行う。このアンチロック
制御は、第2のブレーキピストン11−2の小変位のみ
で行う。
【0030】前述の、従来のブレーキ装置を搭載した1
800ccクラスの車両の実験を比較例とし、従来のブ
レーキ装置の代わりに、本発明に係る実施形態の制動装
置を搭載した車両を、比較例と同様の条件80km/h
のスピードで走行させ、駆動を停止し、ブレーキをかけ
る実験を行った。求めた制動距離を指数で比較したとこ
ろ、従来例を100として本発明例では90となり、制
動距離が短くなることがわかった。
【0031】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、ブレーキピストンの大変位はモータにより行
うとともに、ブレーキピストンの小変位及びアンチロッ
ク制御時のブレーキピストンの変位制御を応答性の良い
磁歪材料で行っている。そのため、これらの大変位と小
変位を組み合わせて制動制御を行っているため、制動力
の制御精度が向上し、車両の制動距離を短縮することが
できる。また、4輪各別に本発明の制動装置を設け制動
制御をした場合は、旋回中の車両挙動の安定化を図るこ
とができる。さらに、アンチロック制御のためにABS
モータや油圧系統を使用しないため、ABSモータによ
る異音発生を解消できるとともに、油圧脈動によるブレ
ーキペダルへのキックバックを解消することができる。
さらにまた、ブレーキ・バイ・ワイヤ化に伴い、制御系
統をシンプルに構成できるとともに、制動装置の小型
化、簡素化、安価化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 車両のキャリバ内に組み込んだ本発明の車両
の制動装置の一例の構成を示す図である。
【図2】 スリップ率と路面μとの関係を示す概念図で
ある。
【図3】 従来のブレーキ装置の油圧回路を示すブロッ
ク線図である。
【図4】 従来のブレーキ装置による制動時の、車体速
度と車輪周速度の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 電子制御装置(EUC) 2 ブレーキキャリバ 3 ブレーキパッド 4 ロータ 5 圧力センサ 11 ブレーキピストン 11−1 第1のブレーキピストン 11−2 第2のブレーキピストン 12 モータ 13 磁歪材料 14 ギア装置 15 回転部材 16 空間 17 磁気発生部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキパッドに対するブレーキピスト
    ンの変位に基づく押圧力を制御することで、車両の制動
    制御及びアンチロック制御を行う車両の制動装置であっ
    て、ブレーキピストンを、モータの回転によりその軸方
    向に変位可能に構成した第1のブレーキピストンと、磁
    歪材料の膨張・収縮によりその軸方向に変位可能に構成
    した第2のブレーキピストンと、から構成したことを特
    徴とする車両の制動装置。
  2. 【請求項2】 車両の制動制御を、第1のブレーキピス
    トンをモータの回転により軸方向に変位させることで、
    および/または、第2のブレーキピストンを磁歪材料の
    膨張・収縮により軸方向に変位させることで、ブレーキ
    ピストンを変位させて行うとともに、アンチロック制御
    を、第1のブレーキピストンを固定して、第2のブレー
    キピストンを磁歪材料の膨張・収縮により軸方向に変位
    させることで、ブレーキピストンを変位させて行う請求
    項1記載の車両の制動装置。
  3. 【請求項3】 車両のアンチロック制御を、車輪が所定
    の第1のすべり率以上のロック状態となったときは、磁
    歪材料に与える磁界の強さを弱めるとともに、車輪が所
    定の第1のすべり率よりも小さい第2のすべり率未満の
    ロック解除状態となったときは、磁歪材料に与える磁界
    の強さを強めることで、ブレーキピストンを変位させて
    行う請求項1または2記載の車両の制動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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