JP2003313562A - アルキルシクロヘキサン系溶剤の製造方法 - Google Patents

アルキルシクロヘキサン系溶剤の製造方法

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JP2003313562A
JP2003313562A JP2002117690A JP2002117690A JP2003313562A JP 2003313562 A JP2003313562 A JP 2003313562A JP 2002117690 A JP2002117690 A JP 2002117690A JP 2002117690 A JP2002117690 A JP 2002117690A JP 2003313562 A JP2003313562 A JP 2003313562A
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oil
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JP2002117690A
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Shuji Kawai
修司 河合
Hiroshi Masami
博司 真見
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New Japan Chemical Co Ltd
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New Japan Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 【課題】 塗料、インク、接着剤、洗浄剤、ゴム、離型
剤等の溶剤に適した物性を有する低臭気で、人体に対す
る安全性が高く、環境破壊のないアルキシクロヘキサン
系溶剤の製造方法を提供する。 【解決手段】 原油の蒸留留分、その水素化精製処理
油、重油の直接脱硫で副生する低沸留分、重油又は重質
軽油の水素化分解で得られる分解系低留分、及びナフサ
の接触改質反応で副生する改質系留分からなる群から選
ばれる少なくとも1種でで、沸点が100〜200℃、
炭素数8〜9の芳香族成分が90容量%以上の留分を水
素化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無公害型のアルキル
シクロヘキサン系溶剤の製造方法に関する。より詳しく
は、炭素数8〜9の石油系芳香族炭化水素を水素化する
ことにより得られる、残存する芳香族成分の含有量が1
容量%以下に制御してなるアルキルシクロヘキサン系溶
剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶剤にベンゼン、トルエン、キシレンの
芳香族成分が多量(通常20〜30%)に含まれると、
人体へ悪影響がある。塗料、インク、接着剤等の溶剤、
電気/電子、自動車部品、精密機器等の分野で洗浄剤と
して用いられている石油系溶剤のうち、芳香族系溶剤
は、安全性の観点から、安全性の高い、ナフテン系溶
剤、パラフィン系溶剤、アルコール系、エステル等の含
酸素系溶剤等の非芳香族系溶剤に転換されつつある。
【0003】非芳香族系溶剤の一種としてハロゲン系溶
剤もあるが、塩素系溶剤は毒性が高く、使用に制限があ
る。フロン系溶剤の溶解力は優れているが、環境破壊な
どの原因となるため、使用することができない。
【0004】芳香族系溶剤を使用するに際し安全性の観
点から、労働省の特定化学物質等障害予防規制で、ベン
ゼン1容量%を越えるもの、労働省の有機溶剤中毒予防
規制では、トルエンとキシレンの合計量が5重量%を越
えるものについては、使用制限、化合物存在の表示義務
がある。
【0005】n−ヘプタン、エチルシクロヘキサン等の
単一組成の溶剤は、一般的に安全性が高く、さらに使用
後の溶剤を回収、蒸留しリサイクル使用という面では使
いやすい。しかし、1)価格的に高くなる、2)単独の組成
のみを蒸留等でカットする必要がある、3)沸点範囲が非
常に狭い、4)溶解性の幅が狭い等の欠点がある。このよ
うなことから、安価な安全性の高い混合系の非芳香族炭
化水素溶剤が好まれる傾向がある。
【0006】この混合系の非芳香族炭化水素溶剤では、
脂肪族のパラフィンと脂環族のシクロヘキサン系やナフ
テン系が存在する。パラフィン系の場合、毒性はない
が、低温特性が悪く、また樹脂の溶解力が低い。脂環族
溶剤の場合も毒性はなく、その中でエチルシクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサンのような溶剤の使用も考えら
れるが、単一組成では樹脂等の溶解性、あるいはインキ
に使用した場合の溶解性や貯蔵安定性において満足する
ものではない。
【0007】安全性が高いといわれる脂環族系溶剤やパ
ラフィン系溶剤で、沸点範囲を調整したもの、あるいは
特定範囲の沸点留分をカットして得たもの、例えば、1
種類のものを精密蒸留して得た場合等では、残りの留分
が多量に残存することになり、コスト面で問題がある。
【0008】従って、トルエンやキシレンと類似の各種
物性を有し、しかも人体への安全性が高く、環境破壊の
少ない安価な代替溶剤の開発が切望されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低臭気で、
人体に対して安全性が高く、かつ芳香族成分の含有量が
1容量%以下であり、並びに塗料、インク、接着剤、洗
浄剤、ゴム、離型剤等の溶剤に適した物性を有する混合
系の非芳香族炭化水素溶剤であるアルキシクロヘキサン
系溶剤の新規で有用な製造方法を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を達成するために鋭意検討した結果、原油の蒸留留
分、その水素化精製処理油、重油の直接脱硫で副生する
低沸留分、重油又は重質軽油の水素化分解で得られる分
解系低留分、及びナフサの接触改質反応で副生する改質
系留分からなる群から選ばれる少なくとも1種で、沸点
が100〜200℃、炭素数8〜9の芳香族成分が90
容量%以上の留分を水素化することにより、上記の課題
が達成されることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0011】即ち、本発明は以下の発明を提供するもの
である。 項1 原油の蒸留留分、その水素化精製処理油、重油の
直接脱硫で副生する低沸留分、重油又は重質軽油の水素
化分解で得られる分解系低留分、及びナフサの接触改質
反応で副生する改質系留分からなる群から選ばれる少な
くとも1種で、沸点が100〜200℃、炭素数8〜9
の芳香族成分が90容量%以上の留分を水素化すること
を特徴とする、残存する芳香族成分の含有量が1容量%
以下であるアルキルシクロヘキサン系溶剤の製造方法。
【0012】項2 水素化圧が0.5〜10MPaの範
囲である上記項1に記載のアルキルシクロヘキサン系溶
剤の製造方法。
【0013】項3 前記アルキルシクロヘキサン系溶剤
の分留試験における5%留出温度と95%留出温度との
幅が30℃以内である上記項1又は2に記載のアルキル
シクロヘキサン系溶剤の製造方法。
【0014】項4 アルキルシクロヘキサン類を90〜
100容量%含有し、且つアニリン点が45〜65℃で
ある上記項1〜3のいずれか1項に記載のアルキルシク
ロヘキサン系溶剤の製造方法。
【0015】項5 上記項1〜4のいずれかに1項に記
載の製造方法より得られるアルキルシクロヘキサン系溶
剤を塗料、インク、接着剤、洗浄剤、ゴム、離型剤等の
溶剤として使用する方法。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に係るアルキルシクロヘキ
サン系溶剤の原料としては、原油の蒸留留分、その水素
化精製処理油、重油の直接脱硫で副生する低沸留分、重
油又は重質軽油の水素化分解で得られる分解系低留分、
及びナフサの接触改質反応で副生する改質系留分からな
る群から選ばれる少なくとも1種で、沸点範囲が100
〜200℃で、炭素数8〜9の芳香族成分が90容量%
以上の芳香族留分であればいずれも使用できる。
【0017】ここで炭素数8〜9の芳香族留分とは、具
体的にはエチルベンゼン、キシレン、トリメチルベンゼ
ン、エチルメチルベンゼン、プロピルベンゼン等のモノ
又はジ又はトリアルキル置換芳香族炭化水素類が90容
量%以上含有する留分である。
【0018】上記の水素化原料は、それぞれ単独で又は
2種以上を適宜組み合わせて使用できる。
【0019】ただし、芳香族成分の水素化の際に使用す
る触媒を被毒するような硫黄成分の混入した原料は好ま
しくない。原料中の硫黄含有量は50ppm以下、好ま
しくは10ppm以下、さらに好ましくは1ppm以下
である。硫黄分はJIS K2541の方法により測定
される。
【0020】上記の芳香族成分の水素化触媒としては、
特に限定されるものではなく、従来公知の芳香族化合物
の水素化触媒であれば、いずれのものも用いることがで
きる。
【0021】具体的には、活性金属としては、周期律表
第VIII族金属や貴金属等が例示され、具体的には、
ニッケル、酸化ニッケル、ニッケル−銅、白金、酸化白
金、白金−ロジウム、白金−アルミナ、パラジウム、ル
テニウム、コバルト、コバルト−モリブデン等が例示さ
れる。特に、価格と性能の面からニッケル系を中心とし
た触媒が推奨される。また、ラネー系の触媒も使用する
こともできる。これらの金属は担体上に金属状、酸化物
又はそれらの混合物の形で用いられる。
【0022】触媒担体としては、アルミナ、シリカ、シ
リカ−アルミナ、珪藻土、酸性白土、活性炭等を用いる
ことができる。金属成分の担持量については、特に制限
はないが、少ないと触媒の効果が小さくなり、逆に多い
とコスト的に不利になることから、好ましくは1〜10
重量%、更に好ましくは2〜8重量%の範囲である。
【0023】なお、担体に金属成分等を担持する際の調
製方法としては、従来公知の方法を採用でき、その触媒
の形状は、粉末状、粒状、錠剤状、円柱形等のいずれも
使用できる。
【0024】水素化反応に使用する触媒量は、水素化反
応原料100重量部に対して、0.05〜100重量
部、好ましくは1〜50重量部であるが、反応温度又は
反応圧力等の諸条件に応じ、実用的な反応速度が得られ
る範囲で適宜選択できる。
【0025】反応方式としては、液相懸濁反応又は固定
相反応のいずれも採用できる。
【0026】上記触媒存在下、反応圧力としては、通
常、0.5〜10MPa、好ましくは0.5〜5MP
a、さらに好ましくは0.5〜1MPaの範囲が推奨さ
れる。0.5MPa未満では水素化が十分に進行せず、
10MPaを越えると分解や異性化等の副反応が起こり
易くなる傾向が見られる。また、1MPa以下の場合、
反応容器の耐圧が緩和され、経済的な観点からむしろ好
ましい。
【0027】反応温度としては、通常、100〜300
℃、好ましくは150〜200℃の範囲が推奨される。
100℃未満では、水素化が十分に進行せず、300℃
を越えると副反応が起こり、残存芳香族成分の含有量が
増加する傾向が見られる。
【0028】本発明の方法に従って水素化反応を行った
後、触媒を濾別し、必要に応じて蒸留することにより、
目的とするアルキルシクロヘキサン系溶剤を得ることが
できる。
【0029】本発明に係るアルキルシクロヘキサン系溶
剤の主成分は、炭素数8〜9のアルキルシクロヘキサン
類であり、具体的には、炭素数8の場合は、エチルシク
ロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、炭素数9の場合
は、トリメチルシクロヘキサン、エチルメチルシクロヘ
キサン、プロピルシクロヘキサン等である。尚、数容量
%以下の少量の非芳香族低沸点留分(具体的にはメチル
シクロヘキサン)、高沸点留分(具体的には、テトラメ
チルシクロヘキサン、ブチルシクロヘキサン、エチルプ
ロピルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン等)を
含有していてもよく、本発明の効果が損なわれない限り
そのまま使用できる。尚、炭素数8〜9のアルキルシク
ロヘキサン類のアルキル基(炭素数1〜3)の置換基数
及びその置換位置は特に限定されない。
【0030】さらに本発明に係るアルキルシクロヘキサ
ン系溶剤は、種々の用途に適合させるために、蒸留(精
密蒸留)により種々の沸点範囲を有するものとすること
もできる。
【0031】本発明に係る非芳香族溶剤の該アルキルシ
クロヘキサン系溶剤は、以下の性状を有することが望ま
しい。1)アルキルシクロヘキサン類の含有量が90〜
100容量%、2)アニリン点が45〜60℃、3)未
反応の残存芳香族成分が1容量%以下である、及び4)
分留試験(JIS K−2254)におけるアルキルシ
クロヘキサン系溶剤の5%留出温度と95%留出温度と
の幅が30℃以内である。上記温度幅が30℃を越える
場合は、アニリン点が上昇し、溶解性が低下するため好
ましくない。
【0032】芳香族炭化水素含量の測定は、JIS K
2356 燃料油炭化水素成分試験方法を準用して測定
する。また、アニリン点は、JIS K2256の方法
により測定する。
【0033】また、該アルキルシクロヘキサン系溶剤の
比蒸発速度は50〜80である。洗浄溶剤としては、一
般的に比蒸発速度は30〜80が好ましいことから、該
アルキルシクロヘキサン系溶剤はこの範囲であることか
ら十分洗浄剤としても使用できる。
【0034】比蒸発速度とは、単位時間に単位面積から
気化する溶剤の蒸発速度を言い、比蒸発速度は、酢酸n
−ブチルの蒸発速度に対する試料の蒸発速度の百分率で
表示される。具体的測定方法は、窒素ガスを供給可能に
したフード付き化学天秤2台を用い、両者の天秤皿に濾
紙No.5C(9cmφ)を入れた10cmφのシャー
レーにのせ、一方に酢酸n−ブチル、他方に試料をそれ
ぞれ0.7mLずつとり、窒素ガスを30NL/mlの
流速で同時に供給して、酢酸n−ブチル及び試料の重量
減少率が90%になるまでの時間を計測し、数式1によ
って算出する。比蒸発速度は、速いほど溶解に優れる。
【0035】
【数1】 比蒸発速度(%)=T/T×100 (1) T:酢酸n−ブチル90%減量に要した時間 T:試料90%減量に要した時間
【0036】本発明により得られるシクロヘキサン系溶
剤は、塗料、インキ、接着剤、ゴム、離型剤、粘着剤、
撥水剤剤及び撥油剤、密封剤、精密部品や金属材料など
の脱脂洗浄剤、クリーニング用溶剤用の各種用途に使用
できる。
【0037】該アルキルシクロヘキサン系溶剤は、低毒
性の接着剤溶剤としても使用することができる。接着剤
の重合物は、従来既知のものが使用でき、例えば、スチ
レン−ブタジエン共重合体ゴム、天然ゴム、アクリルニ
トリル−ブタジエンゴム、ポリイソブチレンゴム、イソ
プレン−イソブチレンゴム、クロロプレンゴム、シリコ
ーンゴム、ポリビニルエーテル、塩素化ゴムなどの合成
ゴムなどが例示される。さらにはロジン類、テルペン
類、フェノール樹脂、石油樹脂などの粘着剤、カラヤゴ
ム、メチルセルローズ、ポリビニルアルコールなどの増
粘剤、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タ
ルクなどの充填剤が、本発明のアルキルシクロヘキサン
系溶剤とともに使用できる。
【0038】インキ用溶剤又は接着剤用溶剤として、こ
れまで主に消防法第四類第一石油類のトルエンが使用さ
れてきた。代替溶媒としては、トルエンに近い沸点範囲
を有するエチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサ
ン等の混合物が適している。この場合、沸点が低すぎる
と、印刷紙面の乾燥工程において、インキ中の溶剤の蒸
発が速まり、印刷性が劣る結果となる。逆に高すぎる
と、インクタックが高まり、印刷の紙切れを起こし、印
刷紙面の乾燥性が悪くなる。また、沸点が低すぎると、
引火性のみならず、揮発性等の安全衛生上の面からも好
ましくない。したがって、これまで使用してきた溶剤に
近い沸点の代替溶剤を使用することが必須となる。
【0039】したがって、インキ用溶剤又は接着剤用溶
剤としては、主成分がエチルシクロヘキサン、ジメチル
シクロヘキサン等の炭素数8のシクロアルカン類を90
容量%以上含有し、沸点が130〜135℃の範囲のア
ルキルシクロヘキサン系溶剤が代替溶剤として用いるこ
とができる。
【0040】塗料用溶剤として、これまで主に消防法第
四類第二石油類のキシレンが使用されてきた。代替溶媒
としては、キシレンに近い沸点範囲を有するトリメチル
シクロヘキサン、エチルメチルシクロヘキサン、プロピ
ルシクロヘキサン等を90容量%以上含有するの混合物
が好適である。この混合溶剤の沸点はおおむね135〜
160℃である。この場合、沸点が低すぎると、引火性
のみならず、消防法第四類第一石油類となり消防法上、
これまでの装置の使用に支障がでる。逆に高すぎると、
粘度が高くなり、溶解性性、液切れ性、乾燥性等のいず
れの性能面でも劣る。
【0041】したがって、塗料用溶剤としては、主成分
がトリメチルシクロヘキサン、エチルメチルシクロヘキ
サン、プロピルシクロヘキサン等の炭素数9のシクロア
ルカン類を90容量%以上含有し、沸点が135〜16
0℃の範囲のアルキルシクロヘキサン系溶剤が代替溶剤
として用いることができる。
【0042】本発明によって得られたアルキルシクロヘ
キサン系溶剤は、上記のように種々の用途に用いること
ができ、しかも、低臭気で、芳香族成分の含有量が1容
量%以下であることから、人体に対する安全性が高く、
また、環境破壊のない優れた特徴を有するものである。
【0043】以下、本発明を実施例及び比較例によりさ
らに詳細に説明する。
【0044】
【実施例】実施例1 電磁攪拌機を備えた500mLオートクレーブに、原料
として1,2,4-トリメチルベンゼン(35容量%)、1-エ
チル-3-メチルベンゼン(21容量%)、1,3,5-トリメ
チルベンゼン(10容量%)、1-エチル-4-メチルベン
ゼン(8容量%)、1-エチル-2-メチルベンゼン(7容
量%)、1,2,3-トリメチルベンゼン(6容量%)、n-
−プロピルベンゼン(5容量%)を含有する沸点140
〜185℃の炭素数9の芳香族炭化水素成分を90容量
%以上含有する石油留分100g及び、安定化ニッケル
触媒を1g入れて、系内を水素で置換後、攪拌しながら
水素圧1MPa、反応温度150℃で3時間、水素化反
応を行った。反応後、室温まで冷却後、触媒を炉別し、
無色透明なアルキルシクロヘキサン系溶剤を得た。得ら
れたアルキルシクロヘキサン系溶剤の残存芳香族成分の
含有量は0.3容量%、アニリン点は52.6℃であっ
た。得られたアルキルシクロヘキサン系溶剤の分留試験
による沸点範囲は133〜165℃であり、5%留出温
度が146℃、95%留出温度が159℃であった。
【0045】実施例2 原料としてエチルベンゼン(65容量%)、m−キシレ
ン(21容量%)、p−キシレン(7容量%)、o−キ
シレン(6容量%)を含有する沸点130〜145℃の
炭素数8の芳香族炭化水素を90容量%以上含む石油留
分100gを用いた他は実施例1と同様に反応を行い、
無色透明なアルキルシクロヘキサン系溶剤を得た。得ら
れたアルキルシクロヘキサン系溶剤の残存芳香族成分の
含有量は0.3容量%、アニリン点は45.1℃であっ
た。得られたアルキルシクロヘキサン系溶剤の分留試験
による沸点範囲は127〜132℃であり、5%留出温
度が129℃、95%留出温度が131℃であった。
【0046】実施例3 実施例1の炭素数9のアルキルシクロヘキサン系溶剤1
00g、酢酸ブチル60g、アルキッド樹脂200g、
及び酸化チタン20gをボールミルで混合し、アルキッ
ド塗料を作成した。
【0047】実施例4 実施例2の炭素数8のアルキルシクロヘキサン系溶剤1
00g、酢酸エチル40g、アルキッド樹脂200g、
及びカーボンブラック20gをボールミルで混合し、印
刷インクを作成した。
【0048】比較例1 炭素数9のイソノナン100g、酢酸ブチル60g、ア
ルキッド樹脂200g、及び酸化チタン20gをボール
ミルで混合し、アルキッド塗料を作成した。
【0049】比較例2 炭素数8のイソオクタン100g、酢酸エチル40g、
アルキッド樹脂50g、及びカーボンブラック20gを
ボールミルで混合し、印刷インクを作成した。
【0050】比較例3 炭素数8のキシレン100g、酢酸ブチル60g、アル
キッド樹脂200g、及び酸化チタン20gをボールミ
ルで混合し、アルキッド塗料を作成した。
【0051】〔溶剤の臭気評価試験〕実施例1〜2の本
発明の溶剤、比較例1〜3で使用した溶剤、さらにトリ
クロロエタンを、健康状態の良好な男女10名による臭
気評価試験を行い、下記の判定基準に従って5段階表示
で判定した。その結果は平均値として表1に示した。 5:ほとんど無臭 4:やや有臭 3:有臭 2:かなり有臭 1:相当きつい有臭
【0052】
【0053】〔洗浄力試験〕試験片(冷間圧延鋼板 J
IS G−3141、120×70×0.5mm)の一部
(表面積70cm)を水溶性加工油、非水溶性加工油
及びワックスに浸漬した後、実施例1、2のアルキルシ
クロヘキサン系溶剤、n−ヘキサン及び1,1,1−トリ
クロロエタンを用いて超音波洗浄を行い、洗浄度の判定
は目視にて行った。その結果を表2に示す。
【0054】
【0055】〔インキの貯蔵安定性評価試験〕実施例4
及び比較例2で調製したインキを使用して、貯蔵安定性
を評価した。貯蔵安定性評価試験は、このインキを調製
直後と調製後2か月間貯蔵後のインキについてスプレッ
ドメーターを使用して、20℃、1分間後の広がり性を
測定することにより行い、広がりが変化したか、変化し
ないかで評価した。その結果を表3に示した。
【0056】
【0057】〔塗料の貯蔵安定性評価試験〕実施例3、
比較例1,3を使用して、それぞれの調製直後と2か月
間貯蔵後の塗料について、スプレッドメーターを使用し
て、20℃、1分間後の広がり性を測定することにより
行い、広がりが変化したか、変化しないかで評価した。
その結果を表4に示した。
【0058】
【0059】
【発明の効果】本発明の方法によって得られるアルキル
シクロヘキサン系溶剤は、従来の非芳香族系溶剤と比べ
て溶解力、塗料やンキ貯蔵安定性等の点で、同等あるい
はそれ以上であり、安全性や臭気の点でもはるかに改善
されたものである。また、特定の石油留分を原料とし、
これを水素化すれば容易に製造できることから、極めて
経済性が高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10G 65/12 C10G 65/12 67/02 67/02 69/08 69/08 C11D 7/24 C11D 7/24 7/50 7/50 Fターム(参考) 4H003 DA11 DA14 DA15 DC04 ED04 FA01 FA03 FA45 4H029 DA01 DA08 DA09 DA10 DA12 4J038 JA12 KA06 4J039 BC02 4J040 HB02 KA23

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原油の蒸留留分、その水素化精製処理
    油、重油の直接脱硫で副生する低沸留分、重油又は重質
    軽油の水素化分解で得られる分解系低留分、及びナフサ
    の接触改質反応で副生する改質系留分からなる群から選
    ばれる少なくとも1種で、沸点が100〜200℃、炭
    素数8〜9の芳香族成分が90容量%以上の留分を水素
    化することを特徴とする、残存芳香族成分の含有量が1
    容量%以下であるアルキルシクロヘキサン系溶剤の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 水素化圧が0.5〜10MPaの範囲で
    ある請求項1に記載のアルキルシクロヘキサン系溶剤の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記アルキルシクロヘキサン系溶剤の分
    留試験における5%留出温度と95%留出温度との幅が
    30℃以内である請求項1又は2に記載のアルキルシク
    ロヘキサン系溶剤の製造方法。
  4. 【請求項4】 アルキルシクロヘキサン類を90〜10
    0容量%含有し、且つアニリン点が45〜65℃である
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルキルシクロヘ
    キサン系溶剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに1項に記載の
    製造方法より得られるアルキルシクロヘキサン系溶剤を
    塗料、インク、接着剤、洗浄剤、ゴム、離型剤等の溶剤
    として使用する方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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