JP2003313162A - チオ尿素誘導体及び医薬 - Google Patents

チオ尿素誘導体及び医薬

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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 脱共役蛋白質−3のmRNAの発現を増
加させる作用を有し、医薬として有用な新規化合物を提
供すること。 【解決手段】 一般式〔1〕 【化1】 [式中、Rは低級アルキル基、フェニル基または低級
アルコキシ基で置換されることのある低級アルコキシ基
を、Rはハロゲン原子を、Rはハロゲン置換低級ア
ルキル基または置換基として低級アルコキシ基およびハ
ロゲン原子から選ばれる基を有することのあるベンゾイ
ル基をそれぞれ示す。]で表されるチオ尿素誘導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医薬用途を有する新
規なチオ尿素誘導体に関する。さらに詳しくは、本発明
は、余剰エネルギーを消費し、熱産生することによっ
て、肥満を防ぐ働きを持つ脱共役蛋白質−3(UCP
3)のmRNAの発現を増加させる作用を有する、チオ
尿素誘導体を有効成分とする脱共役蛋白質−3発現促進
剤および医薬に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、我が国においても肥満患者が増大
し、大きな社会問題になりつつある。食物摂取の増大
(過食)、運動の減少(運動不足)、体熱発生の変動な
どの要因によって肥満になると、体脂肪が多く蓄積する
ことによって動脈硬化、高血圧症、糖尿病、心臓病を引
き起こし、血管障害、神経障害、抵抗力低下などの合併
症を併発することがある。成人病の予防などの観点か
ら、肥満を解消する手段について多方面から研究が行わ
れている。
【0003】一方、脱共役とは、生体内の酸化的リン酸
化において、電子伝達で得られたエネルギーがATP合
成反応に共役することを阻害することをいい、ATP合
成に共役される化学エネルギーを熱エネルギーに変換す
る点で重要な生体機能の一つである。かかる脱共役機能
の重要性から、多くの脱共役剤が見出されており、生体
内に存在する脱共役蛋白質として、例えばミトコンドリ
アに存在する脱共役蛋白質が知られている。脱共役蛋白
質には、褐色脂肪組織に存在する脱共役蛋白質−1(U
CP1)、白色脂肪組織など多くの組織に広く分布する
脱共役蛋白質−2(UCP2)、主として骨格筋に存在
する脱共役蛋白質−3(UCP3)がある。
【0004】かかる脱共役蛋白質の発現を誘導すること
ができれば、ATP合成に共役される化学エネルギーの
熱エネルギーへの変換効率が向上すると考えられるが、
これまで脱共役蛋白質発現促進剤についてはほとんど知
られておらず、その開発が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は医薬品特に、
余剰エネルギーを消費し、熱産生することによって、肥
満を防ぐ働きを持つ脱共役蛋白質−3のmRNAの発現
を増加させる作用を有し、医薬として有用な新規化合物
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、脱共役蛋
白質の発現誘導効果について鋭意検討を行った結果、一
連の新規なチオ尿素誘導体の合成に成功すると共に、こ
れらの新規な誘導体が優れた脱共役蛋白質−3のmRN
Aの発現を増加させる作用を有することを見出し、さら
に検討を重ねて本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、(1)一般式〔1〕
【化2】 [式中、Rは低級アルキル基、フェニル基または低級
アルコキシ基で置換されることのある低級アルコキシ基
を、Rはハロゲン原子を、Rはハロゲン置換低級ア
ルキル基または置換基として低級アルコキシ基およびハ
ロゲン原子から選ばれる基を有することのあるベンゾイ
ル基をそれぞれ示す。]で表されるチオ尿素誘導体、
(2) Rの置換位置が4位である前記(1)に記載
のチオ尿素誘導体、(3) Rの置換位置が3位であ
る前記(2)に記載のチオ尿素誘導体、(4) R
低級アルキル基または低級アルコキシ基で置換されるこ
とのある低級アルコキシ基で、Rが置換基として低級
アルコキシ基およびハロゲン原子から選ばれる基を有す
ることのあるベンゾイル基である前記(3)に記載のチ
オ尿素誘導体、(5) N−エトキシカルボニル−N’
−(3−ベンゾイル−4−ブロモフェニル)チオ尿素、
N−エトキシカルボニル−N’−(3−ベンゾイル−4
−クロロフェニル)チオ尿素、N−エトキシカルボニル
−N’−[4−クロロ−3−(4−メトキシベンゾイ
ル)フェニル)]チオ尿素、N−(2−メトキシエトキ
シカルボニル)−N’−(3−ベンゾイル−4−ブロモ
フェニル)チオ尿素、N−(2−メトキシエトキシカル
ボニル)−N’−(3−ベンゾイル−4−クロロフェニ
ル)チオ尿素およびN−(2−メトキシエトキシカルボ
ニル)−N’−[4−クロロ−3−(4−クロロベンゾ
イル)フェニル]チオ尿素からなる化合物群より選ばれ
る前記(4)に記載のチオ尿素誘導体、(6) N−エ
トキシカルボニル−N’−(3−ベンゾイル−4−ブロ
モフェニル)チオ尿素またはN−エトキシカルボニル−
N’−(3−ベンゾイル−4−クロロフェニル)チオ尿
素である前記(5)に記載のチオ尿素誘導体、(7)
前記(1)から(6)のいずれかに記載のチオ尿素誘導
体から選ばれる化合物および製剤学的に許容される担体
を含有する医薬組成物、(8) 前記(1)から(6)
のいずれかに記載のチオ尿素誘導体から選ばれる化合物
を有効成分として含有する脱共役蛋白質−3発現促進
剤、(9) 前記(1)から(6)のいずれかに記載の
チオ尿素誘導体から選ばれる化合物を有効成分として含
有する抗肥満剤、(10) 前記(1)から(6)のい
ずれかに記載のチオ尿素誘導体から選ばれる化合物を有
効成分として含有する糖尿病の予防・治療剤、に関す
る。
【0008】
【発明の実施の形態】〔置換基の定義〕低級アルキル基
としては、炭素数1〜6のものが好ましく、具体的には
例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチ
ル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル基などの直
鎖又は分枝鎖状アルキル基が好ましい。
【0009】低級アルコキシ基としては、炭素数1〜6
のものが好ましく、具体的には例えば、メトキシ、エト
キシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシ
ルオキシ基などが挙げられる。
【0010】低級アルコキシ基で置換されることのある
低級アルコキシ基としては、炭素数1〜6のものが好ま
しく、具体的には例えば、メトキシ、エトキシ、プロポ
キシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基な
どの低級アルコキシ基に加え、メトキシメチル、エトキ
シメチル、プロポキシメチル、ブトキシメチル、ペンチ
ルオキシメチル、ヘキシルオキシメチル、1−メトキシ
エチル、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、
4−メトキシブチル、5−メトキシペンチル、6−メト
キシヘキシル、2−エトキシエチル、6−ヘキシルオキ
シヘキシル基などが挙げられる。
【0011】ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭
素及びヨウ素原子などが挙げられる。
【0012】ハロゲン置換低級アルキル基としては、炭
素数1〜6のものが好ましく、具体的には例えば、トリ
フルオロメチル、テトラフルオロエチル、ヘプタフルオ
ロプロピル、ノナフルオロブチル、ウンデカフルオロペ
ンチル、トリデカフルオロヘキシル基などの、フッ素で
置換されている低級アルキル基が好ましい。
【0013】本発明に係わる前記一般式〔1〕で表され
るチオ尿素誘導体は、脱共役蛋白質−3のmRNAの発
現を増加させる作用を有しており、脱共役蛋白質−3発
現促進剤として、特に抗肥満剤、糖尿病の予防・治療剤
として有用である。本発明化合物は、自体公知の方法を
含む種々の方法により製造することができる。その例を
以下に反応工程式を挙げて説明する。
【0014】
【化3】 [式中、R、R及びRは前記に同じ。] 本発明化合物〔1〕は、上記反応工程式において、アニ
リン誘導体〔2〕とイソチオシアナート誘導体〔3〕と
を反応させることにより製造することができる。なお、
原料化合物であるアニリン誘導体〔2〕とイソチオシア
ナート誘導体〔3〕は、公知方法または自体公知の方法
によって容易に製造できる。
【0015】すなわち、上記反応は、例えばベンゼン、
トルエン、キシレン、石油エーテルなどの芳香族ないし
脂肪族炭化水素類、ジエチルエーテル、1,2−ジメト
キシエタン、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−
ジオキサンなどの鎖状ないし環状エーテル類、アセト
ン、エチルメチルケトン、アセトフェノンなどのケトン
類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,
2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類などの
不活性溶媒中、約0℃〜室温の温度条件にて、約10分
〜約2時間程度処理することにより行うことができる。
アニリン誘導体〔2〕とイソチオシアナート誘導体
〔3〕との使用割合は、前者に対し後者を少過剰〜約5
倍モル量程度とするのが好ましい。
【0016】上記反応工程に示した目的化合物は、通常
の分離手段により容易に単離精製できる。該手段として
は、例えば吸着クロマトグラフィー、プレパラィブ薄層
クロマトグラフィー、再結晶、溶媒抽出などが挙げられ
る。
【0017】本発明化合物〔1〕は、これを適当な無毒
性製剤担体と共に用いて、一般的な医薬製剤の形態とし
て使用できる。上記製剤担体としては、製剤の使用形態
に応じて通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、付湿
剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤などの希釈剤あるいは
賦形剤などが挙げられ、これは得られる製剤の投与単位
形態に応じて適宜選択される。本発明化合物〔1〕が使
用される医薬製剤の投与単位形態としては、各種の形態
が利用目的に応じて選択でき、その代表的なものとして
は、錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、
カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤)、軟膏剤な
どが挙げられる。また、これらの各種製剤は自体公知の
手段に従って徐放性製剤としてもよい。
【0018】錠剤の形態に成形するに際しては、上記製
剤担体として例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ぶど
う糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結
晶セルロース、ケイ酸、燐酸カリウムなどの賦形剤;
水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ぶどう糖
液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロ
ース、ポリビニルピロリドン糖などの結合剤;カルボキ
シメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセル
ロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロ
ース、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン
末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウ
ムなどの崩壊剤;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モ
ノグリセリドなどの界面活性剤;白糖、ステアリン、カ
カオバター、水素添加油などの崩壊抑制剤;第4級アン
モニウム塩基;ラウリル硫酸ナトリウムなどの吸収促進
剤;グリセリン、デンプンなどの保湿剤;デンプン、乳
糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸などの
吸着剤;精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリ
エチレングリコールなどの滑沢剤などが使用可能であ
る。さらに錠剤は必要に応じて通常の剤皮を施した錠
剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包剤、腸溶被錠、フィル
ムコーティング錠剤あるいは二重錠、二重錠とすること
ができる。
【0019】丸剤の形態に成形するに際しては、製剤担
体として例えばぶどう糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、
硬化植物油、カオリン、タルクなどの賦形剤;アラビア
ゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノールなどの結
合剤;ラミナラン、カンテンなどの崩壊剤などが使用可
能である。
【0020】坐剤の形態に成形するに際しては、製剤担
体として例えばポリエチレングリコール、カカオ脂、高
級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチ
ン、半合成グリセライドなどが使用可能である。カプセ
ル剤は常法に従って、通常、本発明化合物〔1〕を上記
で例示した各種の製剤担体と混合して硬質ゼラチンカプ
セル、軟質カプセルなどに充填して調整することができ
る。
【0021】液剤、乳剤、懸濁剤などの注射剤として調
整する場合、これらは殺菌されかつ血液と等張であるの
が好ましい。注射剤の調整に際しては、希釈剤として例
えば水、エチルアルコール、マクロゴール、プロピレン
グリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポ
リオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル類などが使用可能であ
る。なお、この場合、等張性の溶液を調整するのに十分
な量の食塩、ぶどう糖、グリセリンなどを含有させても
よく、また通常の溶解補助剤、緩衝材、無痛化剤などを
添加してもよい。
【0022】さらに、上記医薬製剤中には、必要に応じ
て着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤などや他の医
薬品を含有させることができる。ペースト、クリーム、
ゲルなどの軟膏剤の形態に調整するに際しては、希釈剤
として例えば白色ワセリン、パラフィン、グリセリン、
セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコ
ン、ベントナイトなどが使用可能である。上記医薬製剤
中に含有されるべき本発明化合物〔1〕の量は、特に制
限されず、広範囲より適宜選択されるが、通常、医薬製
剤中に約1〜約85重量%程度含有させるのがよい。
【0023】上記医薬製剤の投与方法は特に制限がな
く、製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の
程度などに応じて適宜決定される。例えば錠剤、丸剤、
液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤は経口投与さ
れ、注射は単独またはぶどう糖、アミノ酸などの通常の
補液と混合して静脈内投与され、さらに必要に応じて単
独で筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内投与され、坐剤
は直腸内投与される。
【0024】上記医薬製剤の投与量は、その用法、患者
の年齢、性別その他の条件、疾患の程度などに応じて適
宜決定されるが、通常、本発明化合物〔1〕の1日当た
りの投与量が体重1kgあたり約0.5〜約20mg、
好ましくは約1〜約10mg程度とするのがよい。ま
た、上記医薬製剤は1日1〜4回に分けて投与すること
ができる。なお、本発明化合物〔1〕は所望により他の
医薬成分、例えば他の抗肥満剤、糖尿病の予防・治療剤
と併用することもできる。
【0025】
【実施例】以下に本発明化合物の製造例を実施例として
挙げる。また、本発明化合物を用いた脱共役蛋白質−3
のmRNAの発現増加量の測定及び製剤例を挙げる。各
実施例で得られた化合物は、その構造、融点及びH−
NMRスペクトルデータを下記表として記載する。さら
に、下記実施例におけるH−NMRスペクトルは、内
部基準としてTMS(テトラメチルシラン)を用いて測
定し、測定溶媒は、CDClを用いた。
【0026】〔実施例1〕 N−エトキシカルボニル−
N’−(3−ベンゾイル−4−ブロモフェニル)チオ尿
素の合成 1.0g(3.6mmol)の2−ブロモ−5−アミノ
ベンゾフェノンをアセトン5mlに溶かし、室温下、こ
の溶液に0.62g(4.7mmol)のエトキシカル
ボニルイソチオシアナートを滴下した。さらに室温で3
0分間撹拌した後、析出した結晶を濾取し、水およびメ
タノールで順次洗浄して、目的物の結晶1.40gを得
た(収率95%)。得られた化合物の融点及びH−N
MRデータを下記表に示す。
【0027】〔実施例2〜19〕適当な出発原料を用
い、実施例1と同様にして目的化合物を合成した。
【0028】実施例2〜19で得られた化合物の融点及
H−NMRデータを下記表に示す。
【化4】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【0029】〔試験例〕 脱共役蛋白質−3のmRNA
の発現増加量の測定 ATCC(American Type Culture Collection)から購
入したマウス骨格筋細胞であるC2C12細胞を、24ウェ
ルプレート(Falcon社製)に1〜2×10個/ウェル
の割合で細胞播種し、2日毎に培地を換えた。細胞がコ
ンフルエント状態になってから分化培地に切り替え、さ
らに2日毎に培地を換えた。培地を分化培地に切り替え
てから4日目に、本発明化合物の溶解液(濃度10−5
M又は3×10−6M;0.1%ジメチルスルホキシド
−分化培地)を加え、24時間薬物暴露を行った。次
に、被検細胞より、RNeasy96 kit (QIAGEN社製) もし
くはMFX-9600 (東洋紡社製)を用いて全RNAを単離
精製した。得られた全RNAより、TaqMan One-Step RT
-PCR Master Mix Reagents Kit(Applied Biosystems社
製)を用い、PCR装置としてPRISM7700(Applied Bio
systems社製)を用いてTaqMan RT-PCRを行って、脱共役
蛋白質−3mRNAの定量を行った。尚、本発明化合物
の溶解液の代わりに0.1%ジメチルスルホキシドのみ
を加えたものをコントロールとし、コントロール細胞に
おける脱共役蛋白質−3のmRNAの発現量を1とし
て、被検細胞における発現量の比率を求めた。結果を下
記表に示す。
【0030】下記表より、本発明化合物は、脱共役蛋白
質−3のmRNAの発現量を大きく増加させた。
【表8】
【0031】〔製剤例1〕 錠剤の製造 有効成分として実施例1で得た化合物を、1錠当たり3
00mg含有する錠剤(2000錠)を、次の処方によ
り製造した。 実施例1で得た本発明化合物 600g 乳糖(日本薬局方品) 67g コーンスターチ(日本薬局方品) 33g カルボキシメチルセルロースカルシウム(日本薬局方品) 25g メチルセルロース(日本薬局方品) 12g ステアリン酸マグネシウム(日本薬局方品) 3g 即ち、上記処方に従い、実施例1で得た本発明化合物、
乳糖、コーンスターチ及びカルボキシメチルセルロース
カルシウムを充分に混合し、メチルセルロース水溶液を
用いて混合物を顆粒化し、24メッシュの篩を通し、こ
れをステアリン酸マグネシウムと混合して、錠剤にプレ
ス成型した。
【0032】〔製剤例2〕 カプセル剤の製造 有効成分として実施例4で得た化合物を、1カプセル当
たり200mg含有する硬質ゼラチンカプセル(200
0カプセル)を、次の処方により調整した。 実施例4で得た本発明化合物 400g 結晶セルロース(日本薬局方品) 60g コーンスターチ(日本薬局方品) 34g タルク(日本薬局方品) 4g ステアリン酸マグネシウム(日本薬局方品) 2g 即ち、上記処方に従い、各成分を細かく粉末にし、均一
な混合物となるように混合した後、所望の寸法を有する
経口投与用ゼラチンカプセルに充填した。
【0033】
【発明の効果】本発明が提供する上記一般式〔1〕で示
されるチオ尿素誘導体は、余剰エネルギーを消費し、熱
産生することによって、肥満を防ぐ働きを持つ脱共役蛋
白質−3のmRNAの発現を増加させる作用を有し、脱
共役蛋白質−3の発現促進により、肥満の予防・治療剤
及び糖尿病の予防・治療剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 111 A61P 43/00 111 C07C 335/28 C07C 335/28 Fターム(参考) 4C206 AA01 AA02 AA03 HA22 JA74 MA01 MA04 NA14 ZA70 ZC02 ZC35 4H006 AA01 AA03 AB20 AB27 TN30 TN40 TN50

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔1〕 【化1】 [式中、Rは低級アルキル基、フェニル基または低級
    アルコキシ基で置換されることのある低級アルコキシ基
    を、Rはハロゲン原子を、Rはハロゲン置換低級ア
    ルキル基または置換基として低級アルコキシ基およびハ
    ロゲン原子から選ばれる基を有することのあるベンゾイ
    ル基をそれぞれ示す。]で表されるチオ尿素誘導体。
  2. 【請求項2】 Rの置換位置が4位である請求項1に
    記載のチオ尿素誘導体。
  3. 【請求項3】 Rの置換位置が3位である請求項2に
    記載のチオ尿素誘導体。
  4. 【請求項4】 Rが低級アルキル基または低級アルコ
    キシ基で置換されることのある低級アルコキシ基で、R
    が置換基として低級アルコキシ基およびハロゲン原子
    から選ばれる基を有することのあるベンゾイル基である
    請求項3に記載のチオ尿素誘導体。
  5. 【請求項5】 N−エトキシカルボニル−N’−(3−
    ベンゾイル−4−ブロモフェニル)チオ尿素、N−エト
    キシカルボニル−N’−(3−ベンゾイル−4−クロロ
    フェニル)チオ尿素、N−エトキシカルボニル−N’−
    [4−クロロ−3−(4−メトキシベンゾイル)フェニ
    ル)]チオ尿素、N−(2−メトキシエトキシカルボニ
    ル)−N’−(3−ベンゾイル−4−ブロモフェニル)
    チオ尿素、N−(2−メトキシエトキシカルボニル)−
    N’−(3−ベンゾイル−4−クロロフェニル)チオ尿
    素およびN−(2−メトキシエトキシカルボニル)−
    N’−[4−クロロ−3−(4−クロロベンゾイル)フ
    ェニル]チオ尿素からなる化合物群より選ばれる請求項
    4に記載のチオ尿素誘導体。
  6. 【請求項6】 N−エトキシカルボニル−N’−(3−
    ベンゾイル−4−ブロモフェニル)チオ尿素またはN−
    エトキシカルボニル−N’−(3−ベンゾイル−4−ク
    ロロフェニル)チオ尿素である請求項5に記載のチオ尿
    素誘導体。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれかに記載のチオ
    尿素誘導体から選ばれる化合物および製剤学的に許容さ
    れる担体を含有する医薬組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1から6のいずれかに記載のチオ
    尿素誘導体から選ばれる化合物を有効成分として含有す
    る脱共役蛋白質−3発現促進剤。
  9. 【請求項9】 請求項1から6のいずれかに記載のチオ
    尿素誘導体から選ばれる化合物を有効成分として含有す
    る抗肥満剤。
  10. 【請求項10】 請求項1から6のいずれかに記載のチ
    オ尿素誘導体から選ばれる化合物を有効成分として含有
    する糖尿病の予防・治療剤。
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