JP2003313063A - セメント・エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

セメント・エポキシ樹脂組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材との接着性が良好であり、高
い機械的強度を有し、表面に白化現象が生じにくく、か
つ流動性が良好でコテによる塗工が可能なセメント・エ
ポキシ樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 ポリオキシアルキレンアミンで変
性されたビスフェノールF型エポキシ樹脂の水性分散
体、非水溶性または非水分散性のエポキシ樹脂硬化剤、
およびセメントからなる組成物であって、その中の水/
セメント比が0.3〜0.7である。硬化剤としては、
それを水と混合した場合に濁りを発生する時の水の濃度
が10重量%未満であることが望ましく、具体例として
イソホロンジアミンのエポキシ変性体を挙げることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セメントとエポキ
シ樹脂とから構成された組成物に関し、より詳細にはセ
メントコンクリート基材等の被覆材として好適なセメン
ト・エポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】セメントモルタルにポリマーディスパー
ジョンや乳化型樹脂粉末を加えて、セメントモルタルの
物性改良を図る技術は広く知られており、そのような組
成物はポリマーセメントペースト、ポリマーセメントモ
ルタルあるいはポリマーコンクリートの名称で呼ばれて
いる。ここで使用されるポリマーとしては、アクリル系
樹脂、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹
脂が一般的であって、これまでは硬化反応を終えたポリ
マーが多く使われてきた。エポキシ系樹脂の場合、硬化
前のプレポリマーと硬化剤とをセメントに添加し、セメ
ントの水和反応とプレポリマーの硬化反応とを同時進行
させる方法も行われており、速硬化性で優れた物性を持
ったセメント硬化体が得られることが知られている。
【0003】硬化前のエポキシプレポリマーは一般に水
に溶けず、また水中にも分散しないことから、プレポリ
マーを界面活性剤によってエマルジョン化してから使用
してきた。しかし、界面活性剤を用いると、そのエポキ
シプレポリマーとセメントとから構成された組成物の基
材への接着性が低下する傾向にあって、特に基材がセメ
ントコンクリート硬化体の場合にはその傾向が顕著であ
った。
【0004】そこで、界面活性剤を用いることなく、エ
ポキシプレポリマーを水溶性ないしは水分散性へと変え
る方法が開発されてきた。そのような水溶性ないしは水
分散性のプレポリマーを用いると、基材への接着性は改
良されるが、セメント硬化体の強度不足が生じてくる。
特開平8−198654号公報では、ビスフェノール型
エポキシ樹脂を同時に配合することによって、セメント
硬化体の強度不足を補っている。また、特開平10−1
76424号公報には、乳化タイプのエポキシ樹脂基材
と自己乳化タイプの硬化剤とから構成された水可溶性エ
ポキシ樹脂を用いることによって、接着性が良好で強度
の高いセメント硬化体が得られると記載されている。
【0005】水溶性ないしは水分散性のプレポリマーを
用いた場合であっても、得られたセメント硬化体の表面
状態は必ずしも良好でないことがある。特開平8−30
1975号公報では、表面に残ったタックや光沢不足を
指摘しており、その改良のために、ビスフェノール型エ
ポキシ樹脂をポリオキシアルキレンアミンで変性したプ
レポリマーの使用を提案し、表面外観が良好になると記
載されている。
【0006】このようなセメント・エポキシ樹脂組成物
は、セメントコンクリート等の基材の被覆材として多く
使われており、最近は床材としての用途へと広がってい
る。そのような応用分野では、床材として施工した後そ
の表面は頻繁に水や熱水で洗浄されるので、一旦は外観
が美麗に施工された表面にも白化現象が現れて著しく美
観を損ねることがあって、技術上の一層の改良が求めら
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、基材
との接着性が良好であり、高い機械的強度を有し、表面
に白化現象が生じにくく、かつ流動性が良好でコテによ
る塗工が可能な被覆材として好適なセメント・エポキシ
樹脂組成物の提供を目的にする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ポリ
オキシアルキレンアミンで変性されたビスフェノールF
型エポキシ樹脂の水性分散体、非水溶性または非水分散
性のエポキシ樹脂硬化剤、およびセメントからなる組成
物であって、その中の水/セメント比が0.3〜0.7
であるセメント・エポキシ樹脂組成物に関する。
【0009】前記の硬化剤は、それを水と混合した場合
に濁りを発生する時の水の濃度が、10重量%未満であ
ることが望ましく、好ましい具体例としてイソホロンジ
アミンのエポキシ変性体を挙げることができる。
【0010】また、前記のセメントは、ポルトランドセ
メントまたはそれとアルミナセメントとの混合物が好ま
しい。
【0011】
【発明の具体的説明】エ ポ キ シ 樹 脂 ビスフェノールF型エポキシ樹脂は、ビスフェノールF
またはその誘導体とエピクロルヒドリンのようなエピハ
ロヒドリンとの縮合反応によって得られるジグリシジル
エーテルであって、その縮合反応は公知の方法で進める
ことができる。
【0012】ここでビスフェノールFは、次式(1)で
表される化合物である。
【化1】
【0013】式(1)において、OH基は通常p−位に
結合しており、Xは水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、またはハロゲン化アルキル基で、中でも水素原子が
好ましい。そのビスフェノールFは市販されており、例
えば三井化学株式会社の商品名エポミックR110等を
挙げることができる。
【0014】好ましいビスフェノールF型エポキシ樹脂
は、エポキシ当量が160〜190、分子量が320〜
380の範囲にあって、それを用いた変性体は、硬化後
に高い機械的強度を示す。
【0015】本発明で用いる変性ビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂は、前記したビスフェノールF型エポキシ樹
脂のエポキシ基に対してポリオキシアルキレンアミンを
部分的に付加反応させた変性体である。
【0016】ポリオキシアルキレンアミンは、ポリオキ
シアルキレン分子鎖の一方または両方の末端部にアミノ
基が結合し、モノアミンまたはジアミンの分子構造を有
している。その構造を一般式で表すと、次式(2)また
は(3)で表される。 HN−(R)−O−(R−O)−(R)−NH ・・・・・・・・・(2) R−O−(R)−O−(R−O)−(R)−NH ・・・・・・・・・(3)
【0017】式(2)および(3)において、R、R
、Rは、炭素原子数1〜10の直鎖状または分岐鎖
状のアルキレン基であって、互いに同じであってもよい
し異なっていてもよく、例えばメチレン基、エチレン
基、プロピレン基、ブチレン基をあげることができる。
は、炭素原子数1〜10の直鎖状または分岐鎖状の
アルキル基であって、例えばメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基を挙げることができる。nは、1以上
の整数で、好ましくは5〜160の整数、より好ましく
は6〜65の整数である。
【0018】また、式(2)または(3)で表されたポ
リオキシアルキレンアミン分子の中心部を構成するポリ
オキシアルキレン鎖は、1種類のアルキレンオキシドま
たはアルキレングリコールの重合鎖であってもよいし、
2種類以上のアルキレンオキシドまたはアルキレングリ
コールがランダム共重合またはブロック共重合した重合
鎖であってもよい。その例として、式(4)および
(5)で表されるエチレンオキシドとプロピレンオキシ
ドとのブロック共重合鎖を挙げることができる。
【0019】 HN−{CH(CH)CH}−O−{CH(CH)CHO}− (CHCHO)−(CHCH)−NH ・・・・・・・(4) CH−O−{CH(CH)CH}−O−{CH(CH)CHO} −(CHCHO)−(CHCH)−NH ・・・・・・・(5) ここで、pおよびqは、1以上の整数である。
【0020】その数平均分子量は、900〜5000、
好ましくは1000〜2000である。このようなポリ
オキシアルキレンアミンは、サンテクノケミカル株式会
社よりジェファミンED、ジェファミンMの商品名で市
販されている。
【0021】ビスフェノールF型エポキシ樹脂の持つエ
ポキシ基へのポリオキシアルキレンアミンの部分的な付
加反応は、公知の方法によって進めることができる。反
応の際、1個のエポキシ基に対するポリオキシアルキレ
ンアミンの持つ窒素原子に結合した反応性水素原子の反
応割合は、好ましくは0.015〜0.07、より好ま
しくは0.025〜0.55個の範囲になるように、反
応条件を調整することが望ましい。
【0022】本発明においては、セメント組成物中のエ
ポキシ樹脂として前述した変性ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂を用いていることから、コテ作業性に適した低
い粘度を持った組成物が得られる。同時に、コテ作業性
を低下させることなく水/セメント比を小さくできるこ
とから、通常の作業温度、例えば10〜30℃で速硬化
性を示し、またセメント硬化体は高い機械的強度を発現
する。特開平8−198654号公報に記載されている
ポリオールポリグルシジルエーテル型(非ビスフェノー
ル型)エポキシ樹脂変性体や、特開平8−301975
号公報で実際に使用されているビスフェノールAあるい
はビスフェノールADエポキシ樹脂の変性体を用いた場
合よりも、機械的強度の高いセメント硬化体が得られ
る。
【0023】本発明では、変性ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂は水性分散体の形態で使用される。変性ビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂は、それ自身自己乳化性を有
していることから、あえて界面活性剤や有機溶剤を使用
しなくても、水と変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂
とを撹拌混合条件下におくことによって容易に水性分散
体へと変えることができる。
【0024】また、この変性ビスフェノールF型エポキ
シ樹脂の水性分散体は、実質的に界面活性剤を含まない
ので、セメントコンクリート等の基材に対して強固な接
着力で付着する。従って、塗り床材のように表面に高荷
重や衝撃力が加わる被覆材用途に使用しても、被覆面が
破壊されたり、剥がれる事故を最小限にくいとめること
ができる。
【0025】なお、ビスフェノールF型エポキシ樹脂へ
のポリオキシアルキレンアミンの付加反応に際して、本
発明の目的から逸脱しない範囲内で、原料のビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂中にビスフェノールA、ビスフェ
ノールAD、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグ
リコール、ポリエチレングリコール等のポリオールにエ
ピクロルヒドリンを縮合反応させたグリシジルエーテル
類が含有されていてもよい。また、それらのグリシジル
エーテル類は硬化前の変性ビスフェノールF型エポキシ
樹脂中に含有されていてもよい。それによって被覆材と
しての機械的物性等を改良することができる。
【0026】硬 化 剤 本発明に使用可能な硬化剤は、非水溶性または非水分散
性のエポキシ樹脂用硬化剤である。その非水溶性または
非水分散性の程度は、硬化剤を水と混合した場合に濁り
を発生する時の水の濃度が、好ましくは10重量%未
満、より好ましくは0.01〜8重量%である。この範
囲内にある硬化剤を使用すると、その硬化剤は非水溶性
または非水分散性を示し、組成物を硬化した後のセメン
ト硬化体は白化現象を起こしにくく、また硬化体表面に
べたつきが生じにくい。
【0027】前記の性状を満たす硬化剤の例として、メ
タキシレンジアミン、メタフェニレンジアミン等の芳香
族アミンや、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノ
メチルシクロヘキサン、ノルボルネンジアミン等の脂環
族アミンを、エポキシ変性、マンニッヒ変性あるいはマ
イケル付加変性等の方法によって変性反応を施した変性
アミンを挙げることができる。これらの変性アミンの中
でも、特にイソホロンジアミンのエポキシ変性体が好ま
しい。
【0028】このような硬化剤の添加量は、変性ビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂の持つエポキシ基1個に対し
て、硬化剤の持つ反応性NH基1個を反応理論量とする
が、実施に当り反応理論当量の10〜20%程過剰に添
加することが望ましい。
【0029】本発明では、水分散性の変性エポキシ樹脂
と非水溶性または非水分散性の硬化剤とを組み合わせて
いることから、組成物を硬化した後の硬化体の表面を水
や熱水で頻繁に洗浄しても、硬化体表面にはほとんど白
化現象が発生しないので、長期間に亘って美麗な表面を
保っている。本発明者はその理由として、組成物中のエ
ポキシ樹脂相に水が取り込まれないので、樹脂相中で非
水溶性または非水分散性の硬化剤による安定した硬化反
応が進行し、それが白化現象防止に寄与しているものと
考えている。後述する比較例に示したように、水溶性の
硬化剤を用いるとセメント硬化体の表面には白化現象が
発生してくる。
【0030】組 成 物 本発明に係わるセメント・エポキシ樹脂組成物は、変性
ビスフェノールF型エポキシ樹脂、硬化剤およびセメン
トとを主体に構成されている。ここで用いるセメントと
しては特に制限されず、ポルトランドセメント、アルミ
ナセメント、カルシウムアルミネート、フライアッシュ
セメント、スラグセメント等の名称で市販されているセ
メント類およびそれらの混合物を使用することができ
る。特にポルトランドセメントまたはそれとアルミナセ
メントとの混合物は、硬化速度を速めるので好ましく、
短時間で高い強度を発現する。ポルトランドセメントと
アルミナセメントとの混合物を用いる場合、その前者の
後者に対する混合割合(重量比)は、好ましくは30/
70〜100/0、より好ましくは40/60〜100
/0の範囲にある。
【0031】この組成物において、変性ビスフェノール
F型エポキシ樹脂の含有量は、セメント100重量部に
対して、好ましくは5〜60重量部、より好ましくは2
0〜50重量部が望ましい。この範囲内にあると、エポ
キシ樹脂によるセメント補強効果が高く、機械的強度の
高い硬化体を形成する。
【0032】また、組成物中の水/セメント比は、0.
3〜0.7、好ましくは0.3〜0.5である。水/セ
メント比が前記のように小さい範囲内にあると、基材へ
の塗工作業時における流動性が良好であって、骨材成分
と液体成分との分離が起こりにくく、また低温時におい
ても速硬化性を示す。
【0033】このような組成物には、本発明の目的から
はずれない範囲内で、さらに各種の添加剤や配合剤を加
えることができる。例えば、エポキシ樹脂またはセメン
トの硬化促進剤、減水剤、AE剤、AE減水剤、高性能
減水剤、高性能AE減水剤、凝結遅延剤、急結剤、防錆
剤、起泡・発泡剤、収縮低減剤、防水剤、抗菌剤、炭化
水素系オイル、鉱物油、可塑剤、消泡剤、紫外線吸収
剤、流動化剤、顔料や染料等の着色剤、天然砂、砂利、
砕石、珪砂、シリカ、アルミナ、ガラスビーズ、タル
ク、マイカ、あるいはセラミックス粒のような骨材、繊
維やパルプ等の補強材を挙げることができる。
【0034】施工に際してその直前に少なくとも前記の
3成分を十分に混合し、均一混合状態を確認してからそ
の組成物を基材表面上にコテ塗り等の方法で被覆する。
基材としては、セメントコンクリート、自然石、人工
石、合成樹脂、木材、金属、アスファルト等を対象とす
ることができ、施工に当ってその表面を清浄にしておく
ことが、硬化体との高い接着強度を得る上で重要であ
る。また、本発明に係わる組成物は、その硬化温度領域
は広いものではあるが、気温が10〜30℃の時に特に
施工性が良好であって、また高い機械的強度を発現する
硬化体を得ることができる。
【0035】
【実施例】次に本発明を実施例を通してより詳細に説明
するが、本発明はそれらの実施例によって何ら限定され
るものではない。
【0036】まず実施例および比較例で用いた原材料に
ついて説明する。 (1)エポキシ樹脂エマルジョン(1):ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂(三井化学株式会社製品、商品名エ
ポミックR110)と、ポリオキシアルキレンアミン
(サンテクノケミカル株式会社製品、商品名ジェファー
ミンM−1000)とを常法によって反応させ、変性エ
ポキシ樹脂を製造した。得られた変性エポキシ樹脂10
0重量部を撹拌しながらそこへ水100重量部を滴下
し、エポキシ樹脂エマルジョン(1)を調製した。
【0037】(2)エポキシ樹脂エマルジョン(2):
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三井化学株式会社製
品、商品名エポミックR140)と、ポリオキシアルキ
レンアミン(サンテクノケミカル株式会社製品、商品名
ジェファーミンM−1000)とを常法によって反応さ
せ、変性エポキシ樹脂を製造した。得られた変性エポキ
シ樹脂100重量部を撹拌しながらそこへ水100重量
部を滴下し、エポキシ樹脂エマルジョン(2)を調製し
た。
【0038】(3)硬化剤(1):イソホロンジアミン
系エポキシ変性体 水と混合した場合に、濁りを発生する時の水の濃度は7
重量%であった。 (4)硬化剤(2):ノルボルネンジアミン系エポキシ
変性体 水と混合した場合に、濁りを発生する時の水の濃度は7
0重量%であった。
【0039】(5)普通ポルトランドセメント:JIS
R5210の規格品 (6)アルミナセメント:電気化学工業株式会社製品
商品名アルミナセメント1号 (7)セラミック骨材:美州興産株式会社製品 商品名
セラサンド A粒
【0040】(実施例1〜2)(比較例1〜2) エポキシ樹脂、硬化剤、セメント等の各種成分を表1に
記載した割合で混合して、そのデュロメーター硬さが5
0に達するまでの時間、表面仕上げ性、流動性の各々に
ついて評価した。良好な結果が得られた配合処方につい
ては、さらに接着強度、曲げ強度および圧縮強度を測定
した。その結果を表1に併せて示した。
【0041】物性測定ないし評価は、次に記す試験方法
で行なった。 (1)デュロメーター硬さ: JIS K7215に準
拠し、測定間隔を30分として、D硬さが50に到達す
るまでの時間を測定した。 (2)表面仕上げ性: コンクリート平板上に各処方の
混合物を9mm厚さになるようにコテを用いて施工し、
23℃の空気中に24時間静置した。その後、施工表面
に10分間流水をかけ、表面が白化するか否かを調べ
た。 ◎ :全く白化せず ○ :わずかに白化した × :顕著に白化が認められた
【0042】(3)流動性: コンクリート平板上に各
処方の混合物を9mm厚さになるようにコテを用いて施
工し、その際の作業性を評価した。 ◎ :良好 ○ :普通 × :不良
【0043】(4)接着性試験: 短軸引張試験方法
(建研式)に準拠し、コンクリート舗道板への接着強度
(N/mm)を測定した。 (5)曲げおよび圧縮試験:材齢7日の試験体を用い、
JIS R5201に準拠して曲げ強度(N/mm
および圧縮強度(N/mm)を測定した。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明に係わるセメント・エポキシ樹脂
組成物は、基材、特にセメントコンクリート硬化体への
接着強度が高く、硬化後に高い表面硬度、圧縮強度、曲
げ強度、衝撃強度等の優れた機械的強度を示す。また、
その硬化体の表面は美麗であって、水や熱水で頻繁に洗
浄しても白化現象を起こすことはほとんどないので、長
期にわたってその美麗な表面を保持することができる。
【0046】また、この組成物は、流動性が良好である
ことからコテ作業性に優れ、幅広い作業温度域で施工作
業が可能であり、また施工後の硬化速度も速く、現場施
工に適している。
【0047】施工後のセメント硬化体は、耐薬品性、耐
熱水性、耐水性、耐久性があって、表面が美麗であり、
変色が起こりにくいことから、この組成物をセメントコ
ンクリート、自然石、人工石、合成樹脂、木材、金属、
アスファルト等の防蝕・防水用被覆材として利用するこ
とができる。特に、高荷重や衝撃力の加わり易い、ある
いは度々水や熱水で洗浄を繰り返す食品工場や厨房用の
塗り床材として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 康史 埼玉県久喜市河原井町9番地 三井化学産 資株式会社内 Fターム(参考) 4G012 PB33 PC08 PC11 PE04 4J036 AB01 AB02 AB10 AD08 CD12 DC18 FA05 JA14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオキシアルキレンアミンで変性された
    ビスフェノールF型エポキシ樹脂の水性分散体、非水溶
    性または非水分散性のエポキシ樹脂硬化剤、およびセメ
    ントからなる組成物であって、その中の水/セメント比
    が0.3〜0.7であることを特徴とするセメント・エ
    ポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記の硬化剤は、それを水と混合した場合
    に濁りを発生する時の水の濃度が、10重量%未満であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のセメント・エポキ
    シ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記の硬化剤が、イソホロンジアミンのエ
    ポキシ変性体であることを特徴とする請求項1または2
    に記載のセメント・エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記のセメントが、ポルトランドセメント
    またはそれとアルミナセメントとの混合物であることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセメント・
    エポキシ樹脂組成物。
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