JP2003312670A - 炭素膜コーティング飲料用ボトル - Google Patents

炭素膜コーティング飲料用ボトル

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JP2003312670A
JP2003312670A JP2003102179A JP2003102179A JP2003312670A JP 2003312670 A JP2003312670 A JP 2003312670A JP 2003102179 A JP2003102179 A JP 2003102179A JP 2003102179 A JP2003102179 A JP 2003102179A JP 2003312670 A JP2003312670 A JP 2003312670A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチック容器の特質を維持したままでプ
ラスチックの有するガスバリア性および収着の問題を解
消し、リターナブルな使用を可能にしてプラスチック容
器の使用範囲と使用形態の拡大を図ることが出来るとと
もに、安価で連続生産することができ、しかも取扱いに
おいて損傷の虞のない炭素膜コーティング飲料用ボトル
を提供する。 【解決手段】 一体的に成形されたプラスチックボトル
20の内壁面に硬質炭素膜20Bが形成されている。低
分子化合物である香気成分の収着が実質的に0であるこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、プラスチック製の飲
料用ボトルに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、プラスチック容器は、その成形
の容易性や軽量性、さらには低コストである点等の種々
の特性から、食品分野や医薬品分野等の様々な分野にお
いて、包装容器として広く使用されている。
【0003】しかしながら、プラスチックは、よく知ら
れているように、酸素や二酸化炭素のような低分子ガス
を透過する性質を有し、さらに低分子有機化合物が内部
に収着してしまうという性質を有しているため、プラス
チック容器はガラス等の他の容器に比べて、その使用対
象や使用形態が様々な制約を受ける。
【0004】ここで、収着とは、プラスチックの組成中
に低分子有機化合物が浸透し拡散してプラスチック中に
吸収されている現象をいう。
【0005】例えば、ビール等の炭酸飲料をプラスチッ
ク容器に充填した場合、プラスチックを透過して容器の
内部に浸透する酸素によって、内容物である飲料が経時
的に酸化を起こし劣化してしまったり、また炭酸飲料の
炭酸ガスがプラスチックを透過し容器の外部に放出され
てしまうため、炭酸飲料が気の抜けた飲料になってしま
う。
【0006】また、オレンジジュース等の香気成分を有
する飲料をプラスチック容器に充填した場合、飲料に含
まれる低分子有機化合物である香気成分(例えばオレン
ジジュースのリモネン等)がプラスチックに収着される
ため、飲料の香気成分の組成がバランスを崩して、飲料
の品質が劣化してしまう虞が有る。
【0007】また、プラスチック容器については、その
組成中に含まれる低分子化合物の溶出が問題になる場合
が有る。すなわち、プラスチック容器に純度を要求され
る内容物(特に液体)を充填した場合、プラスチック組
成中に含まれている可塑剤や残留モノマ、その他の添加
剤が内容物中に溶出し、内容物の純度を損なったりする
可能性が有る。
【0008】一方、使用済み容器の回収が、現在、社会
問題化しており、資源のリサイクル化が進められている
が、プラスチック容器を再充填容器として使用しようと
しても、ガラス容器の場合と異なり、使用後回収までの
間、環境中に放置されていると、その間にカビ臭など種
々の低分子有機化合物がプラスチック容器に収着する。
この収着した低分子有機化合物は、洗浄後もプラスチッ
ク内に残存するため、プラスチック容器を再充填容器と
して使用する場合、収着された低分子有機化合物が異成
分として充填された内容物中に徐々に溶け出してしま
い、内容物の品質低下や衛生上の問題が生じる。このた
め、プラスチック容器は、リターナブル容器として使用
されている例はほとんどない。
【0009】上記のようなプラスチック容器の低分子ガ
スを透過する性質や低分子有機化合物が内部に収着して
しまうという性質を抑制するために、プラスチックを配
向させ結晶化度を向上させたり、より収着性の低いプラ
スチックやアルミの薄膜等を積層する方法も使用されて
いるが、何れもプラスチック容器の特質を維持したまま
で、ガスバリア性や収着の問題を完全に解決することは
出来ていない。
【0010】ここで、近年、DLC(Diamond Like Car
bon )膜の薄膜形成技術が知られてきており、従来、ビ
ーカやフラスコ等の実験器具をDLC膜によりコーティ
ングしたものが知られている。このDLC膜は、炭素間
のSP3 結合を主体としたアモルファスな炭素で、非常
に硬く、絶縁性に優れ、高屈折率で非常に滑らかなモル
フォロジを有する硬質炭素膜である。
【0011】従来、このようなDLC膜の形成技術をビ
ーカやフラスコ等の実験器具のコーティングに使用した
ものとしては、特開平2−70059号公報に記載され
たものがある。
【0012】この特開平2−70059号公報に記載さ
れたDLC膜の形成装置は、次のようなものである。す
なわち、図16に示すように、炭素源ガスの導入口1A
と排気孔1Bを有する反応室1内に陰極2が配置され、
この陰極2に形成された空所2A内にビーカ等の実験器
具3が収容される。そして、この実験器具3の内側にア
ースされた陽極4が挿入された後、反応室1内が排気孔
1Bからの排気によって減圧される。そして、導入口1
Aから炭素源ガスが導入された後、陰極3に高周波電源
5から高周波が印加され、炭素源ガスが励起されて発生
するプラズマにより、実験器具3の表面にDLC膜が形
成される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たDLC膜の形成装置は、反応室1内に陰極2および陽
極4が収容され、反応室1の容積がコーティング対象で
ある実験器具3の大きさに比べて非常に大きいため、真
空操作にかかる時間とエネルギの無駄が多く、さらに、
このDLC膜の形成装置は形成速度が10〜1000Å
/分であり、その生成速度が遅いため、安価に連続生産
することは困難であるという問題を有している。
【0014】この従来のDLC膜の形成装置は、ビーカ
やフラスコ等の実験器具を対象としこれに付加価値をつ
けることを目的にしているため、製造コストや製造時間
をあまり問題にしていないが、ビールやオレンジジュー
ス等の飲料用の充填容器は、安価なものが大量に必要と
されるため、このDLC膜形成装置を飲料用容器の製造
に使用することは出来ない。
【0015】また、上記したDLC膜の形成装置によれ
ば、炭素源ガスが陰極2とコーティング対象である実験
器具3との間の隙間にも回り込むため、器具3の内面に
限定してコーティングを行うことが出来ない。
【0016】飲料用の充填容器は、ビーカやフラスコ等
の実験器具の場合と違って、工場内の製造工程において
また販売ルートにおいて、充填容器同士がぶつかったり
擦れあったりする機会が多い。このため、飲料用の充填
容器の外面にDLC膜を形成した場合、このDLC膜は
薄く硬いものであるので、DLC膜自体が損傷して、充
填容器の商品価値を損なうことが考えられる。したがっ
て、飲料用の充填容器については、容器の内壁面にのみ
DLC膜を形成するようにすることが要求される。
【0017】この発明は、上記従来の問題点を解決する
ためになされたものである。すなわち、この発明は、プ
ラスチック容器の特質を維持したままでプラスチックの
有するガスバリア性および収着の問題を解消し、リター
ナブルな使用を可能にしてプラスチック容器の使用範囲
と使用形態の拡大を図ることが出来るとともに、安価で
連続生産することができ、しかも取扱いにおいて損傷の
虞のない炭素膜コーティング飲料用ボトルを提供するこ
とを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による炭素膜コーティング飲料用ボトルは、
一体的に成形されたプラスチックボトルの内壁面に硬質
炭素膜が形成され、低分子化合物である香気成分の収着
が実質的に0であることを特徴とする。
【0019】
【作用】上記の炭素膜コーティング飲料用ボトルによれ
ば、プラスチック容器の内壁面にコーティングされた硬
質炭素膜によって、酸素や二酸化炭素のような低分子無
機ガスの透過度を著しく減少させることが出来るだけで
なく、臭いを有する各種の低分子有機化合物の収着を、
完全に抑制することが出来る。また、この硬質炭素膜の
形成によって、プラスチック容器の有する透明性が損な
われることもない。なお、硬質炭素膜としては、ダイヤ
モンド状炭素膜が好ましい。このダイヤモンド状炭素膜
とは、iカーボン膜または水素化アモルファスカーボン
膜とも呼ばれる硬質炭素膜のことで、SP3 結合を主体
にしたアモルファスな炭素膜のことである。
【0020】また、上記炭素膜コーティング飲料用ボト
ルは、従来の飲料用ガラス容器の代りに、リターナブル
容器として使用することが出来る。
【0021】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。
【0022】図1は、この発明による炭素膜コーティン
グ飲料用ボトルを製造するための製造装置を示してい
る。この製造装置は、基台10上にセラミック製の絶縁
板11が取り付けられ、この絶縁板11上に外部電極1
2が取り付けられている。この外部電極12は、DLC
膜形成のための真空チャンバを兼ねているものであり、
その内部にコーティング対象の容器20を収容するため
の空間が形成されている。この外部電極12内の空間は
そこに収容される容器20の外形よりも僅かに大きくな
るように形成されている。この容器20は、飲料用ボト
ルであるが、他の用途に使用される容器であってもよ
い。
【0023】外部電極12は、本体部12Aと、この本
体部12Aの上部に着脱自在に取り付けられて本体部1
2Aの内部を密閉するようになっている蓋体12Bとか
ら構成されている。この外部電極12には、整合器13
を介して高周波電源14が接続されている。また、外部
電極12内の空間には、排気管15が連通されており、
図示しない真空ポンプによって空間内の空気が排気され
るようになっている。
【0024】外部電極12の空間内には、内部電極16
が挿入され、空間の中心部に位置するように配置されて
いる。この内部電極16は、その外形が容器20の口部
20Aから挿入可能でかつ容器20の内部形状とほぼ相
似形になるように形成されている。外部電極12と内部
電極16との間隔は、あらゆる位置において、10〜1
50mmの範囲でほぼ均一に保たれるようにするのが好
ましい。
【0025】この内部電極16には、原料ガス供給管1
7が接続されていて、図示しないガス流量制御器を介し
てこの原料ガス供給管17に原料ガスが流入され、内部
電極16に形成された吹出し孔16Aから吹き出される
ようになっている。この吹出し孔16Aは、吹き出した
原料ガスを均一に拡散させるために、図示のように内部
電極16の側部に複数個形成されることが好ましいが、
原料ガスが直ぐに均一に拡散されるような場合は、内部
電極16の頂部に1個形成するようにしても良い。内部
電極16は、原料ガス供給管17を介してアースされて
いる。
【0026】絶縁板11には、図2および3に拡大して
示すように、複数個(この実施例では4個)の溝11A
が形成されており、図2から分かるように、外部電極1
2内に容器20が収容され容器20の口部20Aが絶縁
板11に当接された状態で、外部電極12の内壁面と容
器20の外壁面との間に形成される容器の外部空間21
Aと排気管15とが、溝11Aを介して連通されるよう
になっている。
【0027】次に、上記製造装置によるDLC膜の形成
の方法について説明する。
【0028】外部電極12内には、蓋体12Bを外した
状態で、本体部12Aの上部開口部からプラスチック製
の容器20が差し込まれて、収容される。このとき、内
部電極16は、容器20の口部20Aから容器20内に
挿入される。そして、口部20Aが絶縁板11上に当接
されて容器20が外部電極12内に位置決めされた後、
蓋体12Bが閉められて、外部電極12内が密閉され
る。このとき、外部電極12の内壁面と容器20の外壁
面との間の間隔は、ほぼ均一に保たれており、かつ容器
20の内壁面と内部電極16の外壁面との間の間隔も、
ほぼ均一に保たれている。
【0029】この後、外部電極12内の空気を真空ポン
プにより排気して、外部電極12内を真空にする。この
とき、絶縁板11に形成された溝11Aによって、容器
20の内部空間21Bのみならず容器20の外壁面と外
部電極12の内壁面との間の外部空間21Aも排気され
て、真空にされる。これは、外部空間21Aも真空にし
ておかないと、後述するプラズマ発生の際に、この外部
空間21A内が高温になり、容器20のプラスチック材
質に悪影響を与えるためである。
【0030】この時の真空度は、10-2〜10-5torrが
望ましい。これは、10-1以上の真空度で良いとすると
容器内に不純物が多くなり過ぎ、10-5未満の真空度に
しようとすると、排気するのに時間とエネルギがかかり
過ぎるためである。
【0031】この後、図示されていないガス流量制御器
から原料ガス供給管17に炭素源の原料ガスが供給さ
れ、内部電極16に形成された吹出し孔16Aから真空
状態の内部空間21B内に吹き出される。この原料ガス
の供給量は、1〜100ml/minが好ましく、この原料ガ
スの供給によって、内部空間21B内の圧力が0.5〜
0.001torr以内に調整される。
【0032】ここで、外部空間21A内は溝11Aを介
して排気されるため、外部空間21A内の圧力は内部空
間21B内の圧力よりも少し遅れて低下する。このた
め、排気直後は外部空間21A内の圧力が内部空間21
Bよりも僅かに高くなっている。したがって、排気直後
に原料ガスを供給するようにすれば、内部空間21B内
に吹き出された原料ガスが外部空間21A内に入り込む
ことはない。
【0033】原料ガスとしては、常温で気体または液体
の脂肪族炭化水素類,芳香族炭化水素類,含酸素炭化水
素類,含窒素炭化水素類などが使用される。そして、特
に、炭素数が6以上のベンゼン,トルエン,o-キシレ
ン,m-キシレン,p-キシレン,シクロヘキサン等が望ま
しい。これらの原料は、単独で用いても良いが、2種以
上の混合ガスとして使用するようにしても良い。さら
に、これらのガスをアルゴンやヘリウムの様な希ガスで
希釈して用いる様にしても良い。
【0034】この原料ガスの供給後、外部電極12に整
合器13を介して高周波電源14から電力が投入され
る。この電力の投入によって、外部電極12と内部電極
16間にプラズマが発生される。このとき、内部電極1
6はアースされているが、外部電極12は絶縁板11に
より絶縁されているため、外部電極12に負の自己バイ
アスが発生し、これによって外部電極12に沿った容器
20の内壁面にDLC膜が均一に形成される。
【0035】すなわち、容器20の内壁面におけるDL
C膜の形成は、改良されたプラズマCVD法により行わ
れる。このプラズマCVD法によれば、低温プラズマを
利用することで、DLC膜の形成時の温度が比較的低い
温度に設定できるため、プラスチックのような耐熱性の
悪い物品を基盤とする場合に好適であり、しかも比較的
安価で広い面積のDLC膜の形成を行うことが出来る。
【0036】ここで、低温プラズマとは、反応器内部が
低圧に維持されている場合、プラズマ中の電子温度が高
く、イオンや中性分子の温度がそれに比べて著しく低い
状態のプラズマ、すなわち、いわゆる非平衡状態のプラ
ズマのことをいう。
【0037】外部電極12と内部電極16の間にプラズ
マが発生すると、絶縁されている外部電極12の内壁面
に電子が蓄積するため、この外部電極12が負電位に自
己バイアスされる。外部電極12側には、この蓄積電子
のために500〜1000V程度の電位降下が生じる。
このとき、プラズマ中に炭素源となる炭酸ガスが存在す
ることによって、プラスにイオン化された炭素源が外部
電極12に沿うように位置されている容器20の内壁面
に選択的に衝突し、ついで近接する炭素同士が結合する
ことによって、容器20の内壁面に極めて緻密なDLC
膜からなる硬質炭素膜が形成される。
【0038】なお、DLC膜からなる硬質炭素膜とは、
iカーボン膜または水素化アモルファスカーボン膜(a
−C:H)とも呼ばれる硬質炭素膜のことで、SP3
合を主体にしたアモルファスな炭素膜のことである。
【0039】DLC膜の膜厚は、高周波の出力,容器2
0内の原料ガスの圧力,供給ガス流量,プラズマ発生時
間,自己バイアスおよび原料の種類等に依存するが、低
分子有機化合物の収着抑制効果およびガスバリア性の向
上効果と、プラスチックとの密着性,耐久性および透明
性等との両立を図るため、0.05〜5μmとなるよう
にするのが好ましい。
【0040】また、DLC膜の膜質も、同様に、高周波
の出力,容器20内の原料ガスの圧力,供給ガス流量,
プラズマ発生時間,自己バイアスおよび原料の種類等に
依存する。高周波出力の増加,容器20内の原料ガスの
圧力減少,供給ガスの流量減少,自己バイアスの増加お
よび原料の炭素数の低下等は、何れもDLC膜の硬化,
緻密さの向上,圧縮応力の増大および脆さの増大の原因
になる。このため、プラスチックとの密着性および膜の
耐久性を維持しつつ低分子有機化合物の収着抑制効果や
ガスバリア効果を最大限に発揮させるには、高周波出力
が50〜1000W,容器20内の原料ガス圧が0.2
〜0.01torr,供給ガスの流量が10〜50ml/min,
自己バイアスが−200〜−1000V,原料ガスの炭
素数が1〜8個程度になるように設定されるのが好まし
い。
【0041】なお、DLC膜とプラスチックとの密着性
をさらに向上させるために、DLC膜を形成する前に、
アルゴンや酸素などの無機ガスによってプラズマ処理を
行い、容器20の内壁面を活性化させる様にしても良
い。
【0042】図4は、以上のようにしてDLC膜が形成
されたプラスチック容器の側断面を示している。図中、
20Aはプラスチック材を、20Bはプラスチック材2
0Aの内壁面に形成されたDLC膜をそれぞれ示してい
る。このように、内壁面をDLC膜20Bによってコー
ティングされたプラスチック容器は、酸素や二酸化炭素
のような低分子無機ガスの透過度を著しく減少させるこ
とが出来るだけでなく、臭いを有する各種の低分子有機
化合物の収着を、完全に抑制することが出来る。また、
このDLC膜の形成によって、プラスチック容器の有す
る透明性を損なうこともない。
【0043】なお、容器20を形成するプラスチック材
としては、ポリエチレン樹脂,ポリプロピレン樹脂,ポ
リスチレン樹脂,シクロオレフィンコポリマ樹脂,ポリ
エチレンテレフタレート樹脂,ポリエチレンナフタレー
ト樹脂,エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂,ポリ
−4−メチルペンテン−1樹脂,ポリメタクリル酸メチ
ル樹脂,アクリロニトリル樹脂,ポリ塩化ビニル樹脂,
ポリ塩化ビニリデン樹脂,アクリロニトリル・スチレン
樹脂,アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂,
ポリアミド樹脂,ポリアミドイミド樹脂,ポリアセター
ル樹脂,ポリカーボネート樹脂,ポリブチレンテレフタ
レート樹脂,アイオノマ樹脂,ポリスルホン樹脂および
4フッ化エチレン樹脂などが挙げられる。
【0044】上記製造装置および製造方法によって製造
された炭素膜コーティングプラスチック容器について行
った(1) DLCの膜厚、(2) DLCの密度、(3) 密着性
1、(4) 密着性2、(5) 耐アルカリ性、(6) 炭酸ガスバ
リア性、(7) 酸素ガスバリア性、(8) 低分子有機化合物
(香気成分)の収着性の各評価の結果は、下記の通りで
ある。
【0045】なお、各評価は、以下の方法により行っ
た。
【0046】(1) DLCの膜厚 予め容器の内面にマジックインキ等でマスキングを行っ
て、DLCを被覆した後、ジエチルエーテル等でマスキ
ングを除去し、Vecco社製、表面形状測定器DEC
TACK3によって膜厚を測定した。
【0047】(2) DLCの密度 成膜前と成膜後の重量差を測定し、(1) で求めた膜厚か
ら密度を算出した。
【0048】(3) 密着性1 容器の側壁部について、JISK5400の碁盤目テー
プ法に準じて、以下の条件で行った。
【0049】 切り傷のすきま間隔:1mm ます目の数 :100 (4) 密着性2 容器の側壁部について、新東科学製、連続加重式引掻試
験機HEIDON22を使用して、以下の条件で行っ
た。密着の程度は、膜が剥がれ始めたときの引掻針にか
かる垂直加重で表した。
【0050】 引掻針の素材、形状:ダイヤ、50μR 加重速度 :100g/min テーブル速度 :1000mm/min (5) 耐アルカリ性 水酸化ナトリウムを10wt%となるように添加したア
ルカリ溶液を容器内部に充填し、75℃の湯浴中に24
時間浸漬し、DLCの形状変化、剥離の有無を確認し
た。結果は24時間以上の浸漬で変化のないものを優、
12時間以上の浸漬で変化のないものを良として表し
た。
【0051】(6) 炭酸ガスバリア性 MODERN CONTROL社製PERMATRAN
C−4型を使用して、炭酸ガスの透過量を25℃で測定
した。
【0052】(7) 酸素ガスバリア性 MODERN CONTROL社製OX−TRANTW
INを使用して、酸素の透過量を40℃で測定した。
【0053】(8) 低分子有機化合物(香気成分)の収着
性 環境材の一種として臭いを有する低分子有機化合物(香
気成分)を使用し、松井らの方法(J.Agic.Fo
od.Chem.,1992,40,1902−190
5)を参考にして試験を行った。
【0054】手順は以下の通りである。
【0055】各種香気成分(n−オクタン、n−オク
タナール、n−オクタノール、ヘキサン酸エチル、d−
リモネン)をそれぞれ100ppm添加した0.3%シ
ュガーエステル溶液を作り、モデルフレーバ溶液とす
る。
【0056】モデルフレーバ溶液を容器に700ml
充填し、蓋をした後、20℃で1カ月間保管する。
【0057】1カ月後、モデルフレーバ溶液を廃棄
し、60℃の蒸留水で容器の内部を洗浄した後乾燥させ
る。
【0058】ジエチルエーテルを充填し、容器に収着
した香気成分を抽出する。
【0059】ジエチルエーテルを容器から取りだし、
無水硫酸ナトリウムを添加して脱水する。
【0060】アミルベンゼンを内標準としてガスクロ
マトグラフによって定量分析を行う。結果は、1ppm
の香気成分が存在する水溶液が容器中にある場合、容器
に収着する香気成分の量をμgで表示する。従って、単
位はμg/ppm/bottleとなる。
【0061】[試験1]プラスチック容器として容量7
00mlのポリエチレンテレフタレート樹脂製容器(三
井ペット樹脂(株)製PET樹脂、タイプL125)を
図1の外部電極12内に収納し、固定した。
【0062】次に、真空ポンプを作動させ、外部電極1
2内を10-4torr以下まで真空(背圧)にした後、前処
理としてアルゴンを30ml/minの流速で圧力が
0.04torrとなるようにプラスチック容器内部に導入
し、300WのRf電力を投入して容器内面をプラズマ
処理した。その後、補助ガスにアルゴンを用い、原料ガ
スとしてトルエン,シクロヘキサン,ベンゼンまたはp
−キシレンを容器内部に導入し、図5に示した条件で容
器の内面にDLCを均一に被覆した。
【0063】試験結果 膜厚、成膜速度、密度、密着性1、密着性2、耐アルカ
リ性の各評価の結果は図6に示す通りである。密度はい
ずれも2.00g/cm3 を越えており、膜は極めて緻
密であった。
【0064】碁盤目試験の結果、ポリエチレンテレフタ
レート樹脂との密着性は良好で、実際の使用に十分耐え
られることが明らかになった。また、耐アルカリ性は問
題なく、DLCの膜がきわめて安定しており、ポリエチ
レンテレフタレート樹脂を完全に保護していることが判
明した。
【0065】酸素透過度、二酸化炭素透過度及び各種香
気成分の収着の程度に関しては、その結果が図7に示さ
れている。緻密なDLCの膜は香気成分の収着を完全に
抑制するだけでなく、酸素及び二酸化炭素の透過を効果
的に抑制した。
【0066】また、DLCを内面に被覆したプラスチッ
ク容器の胴部の紫外可視領域における透過スペクトル
が、図8に示されている。
【0067】約500nm前後から紫外部にかけて透過
率が急激に減少しており、DLC膜のコーティングは、
内容物の紫外線による劣化をも抑制するのに有効である
ことが示唆された。
【0068】図9は、試験1の条件でプラスチック容器
の胴部に被覆された薄膜のラマン・スペクトルである。
【0069】[試験2]プラスチック容器として容量7
00mlのポリアクリロニトリル・スチレンコポリマ樹
脂製容器(三菱モンサント化成製:PAN樹脂、タイプ
L700)が使用される以外は、試験1と同様の方法に
より容器内面にDLC膜を形成した。DLC膜の形成の
条件は図10に示される通りである。また、試験1と同
様にして、膜厚,密度,密着性1,密着性2,耐アルカ
リ性,炭酸ガスバリア性,酸素ガスバリア性および低分
子有機化合物の収着性について各試験を行った。
【0070】試験結果 膜厚,膜形成速度,密度,密着性1,密着性2および耐
アルカリ性についての試験結果は、図11に示される通
りである。膜厚および密度については、試験1の場合と
同様に、良好であった。また、密着性1および密着性2
については、試験1の場合と同様に問題がなく、DLC
とアクリロニトリル・スチレンコポリマ樹脂との密着性
はポリエチレンテレフタレート樹脂と同様で、実用上問
題のないことが判明した。
【0071】酸素透過度、二酸化炭素透過度及び各種香
気成分の収着の程度については、その結果が図12に示
されている。すなわち、アクリロニトリル・スチレンコ
ポリマ樹脂は本来ガスバリア性に優れており、さらに、
DLCを被覆したことで、酸素及び二酸化炭素の透過量
が極めて低いレベルに達することが明らかになった。各
種香気成分の収着量は、試験1と同様に、検出限界以下
であり、官能評価においても問題なかった。
【0072】[試験3]プラスチック容器として容量7
00mlのシクロオレフィンコポリマ樹脂製容器(三井
石油化学製:COC樹脂タイプAPL6015)を使用
した以外は、試験1と同様の方法により、DLCを容器
内部に被覆した。DLC膜の形成の条件は図13に示さ
れている。また、試験1と同様に、膜厚、密度、密着性
1、密着性2、耐アルカリ性、炭酸ガスバリア性、酸素
ガスバリア性及び低分子有機化合物の収着性のそれぞれ
の試験を行った。
【0073】試験結果 膜厚、成膜速度、密度、密着性1、密着性2、耐アルカ
リ性の各試験の結果は図14に示されている。試験1及
び試験2と同様に、いずれの試験項目についても問題は
なく、特にプラスチック容器とDLCとの密着性は極め
て良好であった。
【0074】酸素透過度、二酸化炭素透過度及び各種香
気成分の収着性については、その結果が図15に示され
ている。シクロオレフィンコポリマ樹脂はオレフィン系
樹脂であるため、酸素透過度、二酸化炭素透過度および
香気成分収着量が比較的大きいが、DLCにより被覆す
ることにより、かなりのレベルまで抑制できることが判
明した。
【0075】
【発明の効果】以上のように、本発明による炭素膜コー
ティング飲料用ボトルは、ガスバリア性に優れていると
ともに、臭い成分等の低分子有機化合物の収着を完全に
抑制することが出来、広い分野の包装容器として利用す
ることを可能にし、しかも再充填可能なリターナブル容
器として使用することが出来る。しかも、この炭素膜コ
ーティング飲料用ボトルは、硬質炭素膜が容器の内壁面
に形成されているので、容器の取扱いにおいて、形成さ
れた硬質炭素膜が損傷する虞はない。
【0076】容器の内壁面に形成される硬質炭素膜がダ
イヤモンド状炭素膜の場合には、上記効果が、一層顕著
になる。
【0077】また、この炭素膜コーティング飲料用ボト
ルは、従来の飲料用ガラス容器の代りにリターナブル容
器として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による炭素膜コーティング飲料用ボト
ルの製造に用いる製造装置の一実施例を示す側断面図で
ある。
【図2】同実施例の一部を拡大して示す断面図である。
【図3】同実施例の絶縁板を示す平面図である。
【図4】炭素膜コーティング飲料用リターナブルボトル
の一実施例を示す側断面図である。
【図5】硬質炭素膜の形成条件を示す表である。
【図6】図5の条件により形成された硬質炭素膜の膜厚
等の評価結果を示す表である。
【図7】図5の条件により形成された硬質炭素膜の酸素
透過度等の評価結果を示す表である。
【図8】図5の条件により硬質炭素膜が形成されたプラ
スチック容器の紫外可視領域における透過スペクトルを
示すグラフである。
【図9】図5の条件により形成された硬質炭素膜のラマ
ン・スペクトルを示すグラフである。
【図10】硬質炭素膜の他の形成条件を示す表である。
【図11】図10の条件により形成された硬質炭素膜の
膜厚等の評価結果を示す表である。
【図12】図10の条件により形成された硬質炭素膜の
酸素透過度等の評価結果を示す表である。
【図13】硬質炭素膜のさらに他の形成条件を示す表で
ある。
【図14】図13の条件により形成された硬質炭素膜の
膜厚等の評価結果を示す表である。
【図15】図13の条件により形成された硬質炭素膜の
酸素透過度等の評価結果を示す表である。
【図16】従来技術を示す断面図である。
【符号の説明】
20 容器(プラスチックボトル) 20B DLC膜(硬質炭素膜)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一体的に成形されたプラスチックボトル
    の内壁面に硬質炭素膜が形成され、低分子化合物である
    香気成分の収着が実質的に0であることを特徴とする炭
    素膜コーティング飲料用リターナブルボトル。
  2. 【請求項2】 前記香気成分としてのd−リモネンの収
    着が実質的に0であることを特徴とする請求項1に記載
    の炭素膜コーティング飲料用リターナブルボトル。
  3. 【請求項3】 前記硬質炭素膜の密度が1.54g/c
    3以上であり、前記硬質炭素膜の膜厚が0.05〜5
    μmの範囲にあることを特徴とする請求項1または2に
    記載の炭素膜コーティング飲料用ボトル。
  4. 【請求項4】 一体的に成形されたプラスチックボトル
    の内壁面に硬質炭素膜が形成され、低分子化合物である
    香気成分の収着が実質的に0であることを特徴とする炭
    素膜コーティング飲料用ボトル。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015212167A (ja) * 2014-05-07 2015-11-26 凸版印刷株式会社 匂い残り防止機能を有する包装容器
JP2016106359A (ja) * 2010-07-15 2016-06-16 太陽誘電ケミカルテクノロジー株式会社 プラズマ発生方法及びそのための装置
CN113233169A (zh) * 2021-05-20 2021-08-10 江西牛牛乳业有限责任公司 双腔瓶杀菌保护装置及其杀菌工艺
JP2022012032A (ja) * 2020-06-30 2022-01-17 株式会社吉野工業所 合成樹脂製容器の再使用方法

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