JP2003311903A - 二軸配向積層ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向積層ポリエステルフィルム

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JP2003311903A
JP2003311903A JP2002120500A JP2002120500A JP2003311903A JP 2003311903 A JP2003311903 A JP 2003311903A JP 2002120500 A JP2002120500 A JP 2002120500A JP 2002120500 A JP2002120500 A JP 2002120500A JP 2003311903 A JP2003311903 A JP 2003311903A
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polyester film
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Takeshi Asada
毅 浅田
Tetsuo Ichihashi
哲夫 市橋
Kei Mizutani
圭 水谷
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Teijin DuPont Films Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属缶貼り合わせ用ポリエステルフィルムに
用いた際に、グラビア印刷特性に優れ、意匠性に優れた
缶を提供できる二軸配向積層ポリエステルフィルムを提
供する。 【解決手段】 ポリエチレンフタレートを主たる成分と
する少なくとも2層以上の多層フィルムであって、少な
くとも一方の表層外表面の突起個数が500〜1000
(個/mm2 )、内部ヘーズが0.01〜0.08(%
/μm)であり、表面ヘーズが2.0〜4.0(%)で
あり、且つフィルム中の50μm以上の粗大異物個数が
0〜10(個/m2 )であることを特徴とする二軸配向
積層ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二軸配向積層ポリ
エステルフィルムに関し、更に詳しくは、内部ヘーズを
極力押さえる一方で、表面は極力粗面化させることで金
属缶貼り合わせ用に用いた際に、グラビア印刷性が良好
で意匠性に優れた缶を提供できる二軸配向積層ポリエス
テルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】飲料を入れるための金属容器としては通
常、鋼板、アルミニウム板などから形成される金属缶が
用いられている。このような飲料缶には2ピース缶およ
び3ピース缶がある。
【0003】従来、3ピース缶は内外面とも鋼板に塗装
を行うことで製造されてきた。外面は缶の装飾及び腐食
防止用、内面は腐食及び金属と直接接触することによる
内容物の味、香りの変化の防止用である。
【0004】近年、缶胴の内外面にポリエステルフィル
ムを貼り合せることによって、塗装を省略する方法が開
発された。貼りあわせ方法として、ポリエステルフィル
ムを接着剤を介して製缶用鋼板に加熱圧着する方法など
が実用化されている。このようなポリエステルフィルム
を貼り合わせた鋼板を用いると塗装する方法に比べて、
加工コストの低減、かつ溶剤による公害を防止できると
いうメリットがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く、ポリエス
テルフィルムを貼り合わせた金属缶は、金属との貼りあ
わせ前にポリエステルフィルムにグラビア印刷を施すこ
とができるため、製罐後に缶表面にフレキソ印刷を行う
方式の2ピース缶に比べ意匠性に優れた印刷が可能であ
り、缶の意匠性に関する要求が増した近年では、8色〜
10色もの多重グラビア印刷を施すものも出現してい
る。また、上記の如き優れた意匠性から、最近では成形
後の2ピース缶に上記の如き印刷フィルムを貼り合せて
衣裳性を得ることも行われ初めている。本発明者らは上
記多重グラビア印刷時の欠点であるグラビアの抜けや、
版からフィルムへのインク移りの改善のために鋭意研究
の結果、フィルム表面の突起数を増やすこと、内部ヘー
ズは小さく、表面ヘーズは大きくすること、フィルム中
の異物を低減すること、で従来よりも格段に意匠性の優
れた缶が製造できることを見出し、本発明に到達したも
のである。
【0006】従って本発明の目的は金属缶外面の貼りあ
わせに用い、製缶後の衣裳性に優れた二軸配向積層ポリ
エステルフィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、本発明
によれば、(1)ポリエチレンフタレートを主たる成分
とする少なくとも2層以上の多層フィルムであって、少
なくとも一方の表層外表面の突起個数が500〜100
0(個/mm2 )、内部ヘーズが0.01〜0.08
(%/μm)であり、表面ヘーズが2.0〜4.0
(%)であり、且つフィルム中の50μm以上の粗大異
物個数が0〜10(個/m2 )であることを特徴とする
二軸配向積層ポリエステルフィルムにより達成される。
【0008】また、本発明の好ましい実施形態として、
(2)表層外表面のSRzが900〜1400nm、S
Raが30〜40nmである(1)に記載の二軸配向積
層ポリエステルフィルム、(3)グラビア印刷用に用い
る(1)または(2)に記載の二軸配向積層ポリエステ
ルフィルム、(4)3ピース金属缶の貼り合せ用に用い
られる(1)乃至(3)の何れかに記載の二軸配向積層
ポリエステルフィルム、(5)成形後の2ピース金属缶
の外面貼り合せ用に用いられる(1)乃至(3)の何れ
かに記載の二軸配向積層ポリエステルフィルムを挙げる
ことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】[ポリエステル]本発明の二軸配向積層ポ
リエステルフィルムは、ポリエチレンフタレートを主成
分とする少なくとも2層以上の多層ポリエステルフィル
ムであるが、各層を構成するポリエステルは、実質的に
ポリエチレンテレフタレートの単独重合体であることが
好ましく、ポリエチレンテレフタレートを主要繰返し単
位とする共重合体であっても良い。
【0011】ポリエステルがポリエチレンテレフタレー
ト共重合体の場合、共重合成分としては、酸成分として
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカル
ボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、イソフタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカル
ボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェノキ
シエタンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフ
ェニルエーテルジカルボン酸、アンスラセンジカルボン
酸等の芳香族ジカルボン酸などを好ましく挙げることが
できる。またグリコール成分としてジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、
ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール
等の脂肪族ジオール、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等
のポリアルキレングリコールを好ましく挙げることがで
きる。これらの共重合成分は、単独あるいは2種以上を
使用することができる。
【0012】ポリエチレンテレフタレートの製造はジメ
チルテレフタレートとエチレングリコールを原料とする
エステル交換法、またはテレフタル酸とエチレングリコ
ールを原料とする直接重合法(直重法)のいずれであっ
ても良い。エステル交換法の場合のエステル交換触媒と
しては、Ca、Mg、Li、Mn等の酢酸塩、もしくは
テトラブチルチタネート等のTi化合物を好ましい例と
して挙げることができる。また、エステル交換法または
直重法の場合の重合触媒としては3酸化アンチモン等の
Ab化合物、非晶質ゲルマニウム等のGe化合物、テト
ラブチルチタネート等のTi化合物を好ましい例として
挙げることができる。エステル交換触媒や重合触媒は上
記化合物に特に限定されるものではなく、既知の触媒系
を用いて本発明のポリエステルフィルムを得ることがで
きる。
【0013】[ポリエステルフィルム]本発明の二軸配
向積層ポリエステルフィルムは、少なくとも2層以上の
多層フィルムであるが、例えば全てのフィルム層が押出
機のダイから溶融状態で押出しされる、所謂、共押出し
法により得られた未延伸フィルムを二軸方向に延伸し、
必要に応じて熱処理したものを挙げることができる。二
軸配向積層ポリエステルフィルムは、共押出しによる2
層フィルムに限定されず、3層または、それ以上の多層
フィルムであってもよい。
【0014】二軸配向積層ポリエステルフィルムが2層
フィルムの場合、2層の厚みが同じものであっても良い
が、一方の層よりも厚みの厚い層(以下『芯層』という
場合がある)と、一方の層よりも厚みの薄い層(以下
『表層』という場合がある)により構成されていること
が好ましい。
【0015】本発明の二軸配向積層ポリエステルフィル
ムは、3層フィルムであることが特に好ましい。3層フ
ィルムの場合、その層構成によりA/B/A及びA/B
/Cタイプを選択できるが、押出機を3台用いる必要が
あるA/B/Cの構成よりも押出機を2台用いれば良い
A/B/Aの構成が好ましい(以下A層を『表層』、B
層を『芯層』ということがある)。また3層共押出フィ
ルムの場合、表層の厚みは全厚の10〜30%が好まし
い。
【0016】[フィルム表面の突起数]本発明におい
て、二軸配向積層ポリエステルフィルムの少なくとも一
方の表層外表面の突起数は1mm2 あたり500〜10
00個/mm2 、であることが必要である。この突起数
は550〜950個/mm2 であることが好ましく、特
に600〜900個/mm2 であることが好ましい。突
起数を多くしてやることにより表面積を増やし、版から
フィルムへインクが移行しやすくすることで印刷の発色
が鮮やかとなる。上記理由から突起数が500個以下で
は発色が悪くなる。また突起数が多すぎると添加粒子の
脱落により版の目詰まりが生じた結果、印刷に抜けが生
じる懸念がある。上記の如き突起数を達成するために
は、通常用いられるように表層にフィラーを添加する手
法が好ましい。フィラー(以下『滑剤』ということがあ
る)の平均粒径は0.1〜2.5μmであることが好ま
しく、0.3〜2.3であることが更に好ましく、1.
0〜2.0であることが特に好ましい。平均粒径が0.
1μm以下のフィラーではフィルムの巻取り性が低下す
ることがある。また平均粒径が2.5μmを超えると、
粒子脱落による版の目詰まりの懸念があり好ましくな
い。
【0017】上記フィラーの添加量は表層に対し0.0
5〜0.2wt%好ましくは0.08〜0.18、さら
に好ましくは0.1〜0.15wt%である。0.05
wt%以下の添加ではフィルムの滑り性が悪化する。ま
た0.2wt%以上添加すると粒子が脱落しグラビアの
目が抜ける現象が起きるため好ましくない。
【0018】上記フィラーは公知のものから選択可能で
あり、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、リン酸カル
シウム、タルク、ゼオライト、カオリン等の無機粒子、
架橋高分子、シリコーン等の有機粒子が挙げられる。か
かる粒子の中でも、特に高度の透明性と滑り性を得るた
めには、多孔質シリカ粒子が好ましい。なお、粒子は単
成分、あるいはサイズ、粒径、もしくは組成等のことな
る2種以上の粒子を組み合わせてもちいることも可能で
ある。
【0019】尚、本発明における芯層へは、フィラーを
添加しなくても良いが、表層中のフラー配合割合よりも
少ない量で添加することもできる。この配合割合は、表
層中のフィラー配合割合の1/2以下であることが好ま
しく、1/3以下であることが特に好ましい。フィラー
の種類や平均粒径は、表層に添加するものと異なるもの
でも良いが、同一であることが積層フィルムの回収品を
再使用することができるので好ましい。
【0020】[ヘーズ]本発明の二軸配向積層ポリエス
テルフィルムは、内部ヘーズが0.01〜0.08(%
/μm)であることが必要であり、好ましくは0.02
〜0.07(%/μm)である。内部ヘーズが0.08
以上では、フィルムの透明度が低下し外観が悪くなる。
一方、内部ヘーズが0.01以下のフィルムにするため
には自分自身の回収ポリマーを芯層に使用できないため
不経済である。
【0021】また、本発明の二軸配向積層ポリエステル
フィルムは、表面ヘーズが2.0〜4.0であることが
必要であり、好ましくは2.2〜3.8、さらに好まし
くは2.4〜3.6の範囲である。この表面ヘーズが
4.0を超えると、トップコートしても表面ヘーズをキ
ャンセル困難である。一方、表面ヘーズが2.0以下で
は、十分な突起数とフィルムの滑り等の特性がバランス
できない。
【0022】本発明における内部ヘーズ及び表面ヘーズ
は、以下の通り定義されるものである。即ち、JIS
K7105の測定法Aに準じて、フィルムサンプル1
枚、2枚重ね、3枚重ねにて各ヘーズを測定する。サン
プルを重ねる際はセダ−油をサンプル間に少量垂らし、
ローラーを用いてフィルム同士を密着させる。1枚、2
枚重ね、3枚重ねにて測定したヘーズ値を、横軸に枚数
(厚み)、縦軸にヘーズ値をプロットすると直線y=a
x+bが得られる。ここで、表面ヘーズ(b%)及び内
部ヘーズ(a%/μm)を下記式により算出する。な
お、測定値は上記3点の相関係数が0.995以上で直
線が引けるものを採用する。
【0023】
【数1】表面ヘーズ=b (%) 内部ヘーズ=a (%/μm) 一般に金属缶貼りあわせ用ポリエステルフィルムは缶の
表層に当たる部分に、汚れ、傷防止のためのトップコー
トが施され、印刷はトップコートの反対側の面に裏印刷
として施されるため、製缶後はポリエステルフィルムを
通して印刷層を見るのが一般的な構成である。そのため
この分野ではフィルムの透明性が従来から追求されてい
る。ここで上述の如く印刷適正をよくするためには表面
突起数を増やす必要があるため表面粗度は上昇し、表面
ヘーズは高くならざるを得ない。
【0024】しかしトップコートによりフィルム表面は
最終的に平坦化し表面ヘーズの影響がキャンセルされる
ことを考慮すると、最終的に外観に影響しているのは内
部ヘーズのみであるから、フィルムの内部ヘーズは極力
小さく、表面ヘーズは大きくするという従来のフィルム
と異なる表面、内部ヘーズのバランスを持つ設計が求め
られる。そのためには突起数、内部ヘーズを0.01〜
0.08(%/μm)の範囲に保ちつつ、表面ヘーズが
2.0〜4.0の範囲になるように表層滑剤の種類、粒
系、添加量を調節する。
【0025】[粗大異物個数]本発明の二軸配向積層ポ
リエステルフィルム中の50μm以上の粗大異物個数は
0〜10(個/m2 )であることが必要であり、好まし
くは0〜7(個/m2)、更に好ましくは0〜5(個/
2 )である。粗大異物が10(個/m2 )を超える
と、グラビアの目が抜ける現象が発生し、意匠性を著し
く損なう。
【0026】粗大異物の個数を0〜10にする為には、
製膜時のフィルターとして、線径15μm以下のステン
レス鋼細線よりなる、平均目開き60〜40μm、好ま
しくは50〜30μmの不織布型フィルターで濾過する
ことが好ましくフィルターを2段にするとさらに効果が
大きい。使用するフィルターの目開きが25μmを超え
ると溶融ポリマー中の粗大粒子を減少させる効果がな
く、一方目開きが5μm未満の場合は濾過時の圧力及び
圧力上昇が大となり、フィルターとして工業上実用化す
ることは困難である。また線径が15μmを超えると、
平均目開き60〜40μmでは粗大粒子を捕集できな
い。
【0027】[表層外表面]本発明の二軸配向積層ポリ
エステルフィルムの少なくとも一方の表層外表面のSR
zは900〜1400nmであることが好ましく、10
00〜1350nmであることが特に好ましい。また、
本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムの少なくと
も一方の表層外表面のSRaは30〜45nmであるこ
とが好ましく、33〜40nmであることが特に好まし
い。SRzが900nm、SRaが30nm以下ではイ
ンク層がのることで平滑度が著しく低下し、走行性、巻
取り性に支障がでることがある。一方SRzが1400
nmを超え、SRaが45nmを超えると突起が脱落
し、版が目詰まりして印刷に抜けが生じる懸念がある。
【0028】[製膜方法]本発明の二軸配向積層ポリエ
ステルフィルムは、例えば前記のポリエステルを用いた
芯層用材料と表層用材料を複数の押出機により夫々溶融
し、マルチマニホールドダイで合流させた後、ダイより
多層フィルム状に吐出し、冷却ドラムにてキャスティン
グして未延伸多層フィルムに成形し、更に通常の方法で
縦方向および横方向に同時に或いは逐次に2軸延伸した
後、熱固定を行うことにより得ることができる。
【0029】[金属板との貼り合わせ]本発明の二軸配
向積層ポリエステルフィルムは、3ピース金属缶や2ピ
ース金属缶の貼り合せ用に有利に用いることができる。
二軸配向積層ポリエステルフィルムを貼り合わせる製缶
用金属板としては、亜鉛鍍金鋼板、錫鍍金鋼板、ニッケ
ル鍍金鋼板などの表面処理鋼板や脱脂処理鋼板などを用
いることができる。金属板へのポリエステルフィルム貼
り合わせは、ポリエステルフィルムに予め接着剤を塗布
乾燥し金属板へ熱圧着する方法を採れば良い。その際、
接着剤とポリエステルフィルムの接着性を向上させるた
めに、製膜途中にフィルム表面にアンカー処理をおこな
うことが好ましく、また、製膜後にコロナ処理などの接
着性向上処理を行うのも好ましい。
【0030】尚、本発明の二軸配向積層ポリエステルフ
ィルムは200℃×10分間熱処理した時の加熱収縮率
を4%以下、好ましくは3%以下にすることにより鋼板
との貼り合せにおけるフィルムの寸法変化を防ぐことが
できる。
【0031】
【実施例】以下に、実施例を掲げて本発明をさらに説明
する。なお、各特性の測定は下記の方法に従った。
【0032】(1) フィルム厚み 打点式厚み計(Anritsu K402B)を用い、
測定した。測定値は50箇所の平均である。
【0033】(2) 表層外表面の突起数、SRz JISB0601に準じた。(株)小坂製作所製の高精
度粗さ計SE−3FATを使用して、針の半径2μm、
荷重30mgで拡大倍率20000倍、カットオフ0.
08mmの条件下で測定し、1mm2あたりの突起数、
SRzを得た。
【0034】(3) フィルムヘーズ JIS K7105の測定法Aに準じて測定する。測定
はサンプル1枚、2枚重ね、3枚重ねにて測定する。サ
ンプルを重ねる際はセダ−油をサンプル間に少量垂ら
し、ローラーを用いてフィルム同士を密着させる。1
枚、2枚重ね、3枚重ねにて測定したヘーズ値を、横軸
に枚数(厚み:xμm)、縦軸にヘーズ値(y)をプロ
ットすると直線y=ax+bが得られる。ここで、表面
ヘーズ(b:Hs)及び内部ヘーズ(a:Hi)は下記
式により求める。なお、測定値は上記3点が相関係数
0.995以上で直線が引けるものを採用する。
【0035】
【数2】表面ヘーズ=b (%) 内部ヘーズ=a (%/μm)
【0036】(4) 粗大異物量 万能投影機を用いて透過照明にてフィルムを観察し、5
0μm以上の大きさを持つ異物をピックアップした。測
定は1m2 をN=3回行い平均値を用いた。
【0037】(5) 多孔質シリカの平均粒径 日本電子製スパッタリング装置(JPC−1000型イ
オンスパッタリング装置)を用いてフィルム表面に下記
条件でイオンエッチング処理を施す。条件はベルジャー
内に試料を設置し、約10-3Torrまで真空度を上
げ、電圧0.25kv、電流12.5mAにて約10分
間イオンエッチング処理を施す。更に同装置にてフィル
ム表面に金スパッターを施し、走査型電子顕微鏡にて1
万〜3万倍の倍率で観察し、日本レギュレータ製ルーゼ
ックス500にて少なくとも100個の粒子の長径Dl
i、短径Dsi及び面積円相当径を求める。
【0038】(6) 熱収縮率 フィルムを測定方向に長さ30cmの短冊状とし、25
cm間隔の標点をつけエアオーブン中にて200℃の温
度で10分間加熱したのちの標点間距離Lを測定し以下
の式で算出した。測定はN=5の平均値とした。
【0039】
【数3】収縮率(%)=100×(25−L)/25
【0040】(7) 印刷性評価 倉敷紡績(株)製のグラビア印刷試験機GP−2を用い
て本発明のフィルムに印刷を行った。版は54L−50
μを用い、マゼンダインクを用いた。一方、印刷と反対
側の面に厚み1.0μmのポリエステル系ハードコート
層を設けてインク層/フィルム/コート層の3層からな
る構成体として評価した。 ○ 発色が鮮やか △ やや発色が劣る × 発色が悪い 同時にグラビアの目が抜けていないかのチェックを1m
2 にて行った。 ○:0〜10個 △:10〜20個 ×:21個以上
【0041】(8) 印刷後の巻取り 4色グラビア印刷後のロール(巾1000mm×300
0m)の巻取り状態を目視で判断した。 ○:しわ発生なし △:しわが時々発生 ×:常にしわ発生
【0042】[実施例1] 表層用ポリエステル:テレフタル酸とエチレングリコー
ルを原料として、テトラブチルチタネートをエステル交
換触媒、非晶質ゲルマニウムを重合触媒、亜リン酸を安
定剤として用い、常法によりポリエチレンテレフタレー
トを得た。その際、表1に示す滑剤粒子をエチレングリ
コールに分散させて添加しポリマー中に所定量含有させ
た。
【0043】芯層用ポリエステル:芯層用ポリエステル
にはフィルムから回収したポリエステルを使用すること
を考慮し、表1に示す表層用ポリエステル中の滑剤粒子
添加量の1/4の濃度の滑剤粒子を添加した。
【0044】得られた上記2種類のポリエチレンテレフ
タレートのペレットをそれぞれ160℃にて5時間乾燥
した後、2台の押出機のホッパーに別々に供給し、それ
ぞれの押出機を用いて290℃で溶融し、線径12μm
のステンレス細線よりなる平均目開き20μmの不織布
型フィルターで濾過し、表層用ポリエステルが両表層に
なり表1に示す厚み構成になるようそれぞれの押出機の
吐出量を調整しながら溶融ポリマーをマルチマニホール
ドダイで合流させた後、回転ドラム上にキャスティング
して、未延伸フィルムを得た。次いでこの未延伸フィル
ムを延伸温度90〜120℃、縦倍率3.5倍、横倍率
3.8倍で2軸延伸し、230℃で熱固定して表1に示
した総膜厚12μm、芯層の厚み9μm、両表層の厚み
が各々1.5μmの二軸配向積層フィルムを得た。得ら
れた二軸配向積層フィルムの評価結果を表2に示す。表
2の結果から明らかなように、実施例1の二軸配向積層
フィルムは良好なグラビア印刷性を持つフィルムであり
製缶後の意匠性に優れている。
【0045】[実施例2〜6]表層用ポリエステル中の
滑剤種類と滑剤平均粒径及び滑剤添加量を表1に示した
ものに変更し、芯層用ポリエステル中の滑剤添加量を各
々表層用ポリエステルの1/4の濃度とした以外は実施
例1と同様に表1に示した厚み構成の二軸配向積層フィ
ルムを得た。得られた二軸配向積層フィルムの評価結果
を表2に示す。表2の結果から明らかなように、実施例
2〜6の二軸配向積層フィルムは、何れも良好なグラビ
ア印刷性を持つフィルムであり製缶後の意匠性に優れた
ものであった。
【0046】[比較例1、2]表層用ポリエステル及び
芯層用ポリエステルの押出の際に不織布型フィルターを
用いない以外は実施例1と同様に、表1に示した厚み構
成の二軸配向積層フィルムを得た。得られた二軸配向積
層フィルムの評価結果を表2に示す。表2の結果から明
らかなように、比較例1、2の二軸配向積層フィルムは
粗大異物の個数が多いため印刷抜けが生じた。
【0047】[比較例3、4]表層用ポリエステル中の
滑剤種類と滑剤平均粒径及び滑剤添加量を表1に示した
ものに変更し、芯層用ポリエステル中の滑剤添加量を各
々表層用ポリエステルの1/4の濃度とし、表1に示す
厚み構成になるようそれぞれの押出機の吐出量を調整し
なが押出した以外は実施例1と同様に表1に示した厚み
構成の二軸配向積層フィルムを得た。得られた二軸配向
積層フィルムの評価結果を表2に示す。表2の結果から
明らかなように、比較例3、4の二軸配向積層フィルム
は表層外表面の突起個数が少ないためインクの載りが悪
く発色が悪いため意匠性に劣る。
【0048】[比較例5]表層用ポリエステル中の滑剤
種類と滑剤平均粒径及び滑剤添加量を表1に示したもの
に変更し、芯層用ポリエステル中の滑剤添加量を表層用
ポリエステルの1/4の濃度とした以外は実施例1と同
様に表1に示した厚み構成の二軸配向積層フィルムを得
た。得られた二軸配向積層フィルムの評価結果を表2に
示す。表2の結果から明らかなように、比較例5の二軸
配向積層フィルムは表層外表面の突起個数が多過ぎ、粒
子脱落によりグラビアの目詰リが発生し印刷抜けが生じ
ている。
【0049】[比較例6]表層用ポリエステル中の滑剤
種類と滑剤平均粒径及び滑剤添加量を表1に示したもの
に変更し、芯層用ポリエステル中の滑剤添加量を表層用
ポリエステルの1/4の濃度とした以外は実施例1と同
様に表1に示した厚み構成の二軸配向積層フィルムを得
た。得られた二軸配向積層フィルムの評価結果を表2に
示す。表2の結果から明らかなように、比較例6の二軸
配向積層フィルムは表面ヘーズが高く、トップコートし
ても発色性に劣っている。また、粒子脱落による目詰ま
りも見られた。
【0050】[比較例7]ポリエステル中の滑剤種類、
滑剤平均粒径及び滑剤添加量が表1に示されるポリエス
テルを表層用の押出機のみに供給し、溶融ポリマーを単
層用のダイから吐出させた以外は実施例1と同様に表1
に示した厚みの二軸配向単層フィルムを得た。得られた
二軸配向単層フィルムの評価結果を表2に示す。表2の
結果から明らかなように、比較例7の単層フィルムで突
起数の多いフィルムは、内部ヘーズが高くなり、仕上が
りは全体的に曇った印象となり発色に劣る。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】本発明のポリエステルフィルムは、従来
品に比し印刷適正が良好で、良好な意匠性をもつ缶を得
ることが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 B29L 7:00 9:00 9:00 (72)発明者 市橋 哲夫 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人デュポンフィルム株式会社相模原研究セ ンター内 (72)発明者 水谷 圭 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人デュポンフィルム株式会社相模原研究セ ンター内 Fターム(参考) 3E061 AA15 AB05 AB06 AB07 BA01 BA02 DA01 3E062 AA04 AC03 JA01 JA08 JB04 JC02 JD10 4F100 AK42A AK42B BA02 BA15 CA05 CA19 EH17 EJ38 GB16 JK15 JL01 JN01 4F210 AA24 AB07 AB17 AF16 AG01 AG03 AH54 QC05 QD13 QG01 QG15 QW07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンフタレートを主たる成分と
    する少なくとも2層以上の多層フィルムであって、少な
    くとも一方の表層外表面の突起個数が500〜1000
    (個/mm2 )、内部ヘーズが0.01〜0.08(%
    /μm)であり、表面ヘーズが2.0〜4.0(%)で
    あり、且つフィルム中の50μm以上の粗大異物個数が
    0〜10(個/m2 )であることを特徴とする二軸配向
    積層ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 少なくとも一方の表層外表面のSRzが
    900〜1400nm、SRaが30〜40nmである
    請求項1に記載の二軸配向積層ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 グラビア印刷用に用いる請求項1または
    2に記載の二軸配向積層ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 3ピース金属缶の貼り合せ用に用いる請
    求項1乃至3の何れか1項に記載の二軸配向積層ポリエ
    ステルフィルム。
  5. 【請求項5】 成形後の2ピース金属缶の外面貼り合せ
    用に用いる請求項1乃至3の何れか1項に記載の二軸配
    向積層ポリエステルフィルム。
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