JP2003311881A - 軟質樹脂が接着した金属構造部材 - Google Patents

軟質樹脂が接着した金属構造部材

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属基材を被覆する樹脂皮膜の除去や接着プ
ライマー塗布なしに軟質樹脂パッキンやガスケットなど
を接着した金属構造部材、あるいは、潤滑樹脂皮膜を被
覆した金属基材を無塗油プレス成形後に、潤滑皮膜除去
や接着プライマー塗布なしに軟質樹脂パッキンやガスケ
ットなどを接着した金属構造部材の提供。 【解決手段】 樹脂被覆金属構造部材の金属を被覆する
樹脂皮膜上に、粘性液状樹脂あるいはその前駆体を主成
分とする組成物を塗布し、該組成物の反応や溶媒の乾燥
などにより、軟質樹脂層を前記樹脂皮膜上に密着形成さ
せた金属構造部材において、(1)金属を被覆する樹脂
皮膜の濡れ張力γと軟質樹脂層の濡れ張力γの関係
が−3.0≦γ―γ≦15.0であり、(2)軟質
樹脂層の樹脂皮膜に対する引張接着強さが20N/cm
以上であることを特徴とする軟質樹脂が接着した金属
構造部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属を被覆する樹
脂皮膜上に、接着剤やプライマーを塗布せずに軟質樹脂
パッキン、ガスケットや断熱樹脂フォーム、樹脂クッシ
ョンなどを表面に接着した金属構造部材に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】家庭、オフィス、工場などで用いられる
ボイラー、給湯装置、洗浄装置、洗濯機、キッチン、貯
液槽など各種の水回り設備、化学反応塔、廃液処理設
備、輸送管など種々の液体を取り扱う各種の工業設備、
また、海洋構造物、自動車、鉄道車両、船舶などでは、
液漏れ、水漏れや外部からの浸水などを防止するため、
金属製の構造部材、例えばケーシング、カバー、開閉
孔、出入り口などの合わせ部にゴム状あるいはスポンジ
状の樹脂製パッキンやガスケットが設けられ、シール材
として使用されている。また、気密、隙間充填、断熱、
防音、防振の目的にも、同様な樹脂製パッキンやガスケ
ットが金属製の合わせ部に設けられている。
【0003】これらのパッキンやガスケットの形成方法
としては、(a)ゴムシートやスポンジシートを所望の形
状に打ち抜いて金属構造部材の合わせ部に貼付する方
法、(b)細長いゴム線材やスポンジ線材を合わせ部形状
に沿って貼付する方法、(c)反応性液状樹脂を合わせ部
形状に沿って塗布後に反応させる方法、(d)加熱溶融し
た熱可塑性エラストマーを合わせ部形状に沿って塗布す
る方法などがある。これらの中では、(a)、(b)の貼付法
より、(c)、(d)のように粘性液状の樹脂を塗布する方
が、金属構造部材の種々の大きさや形状の合わせ部に対
応し易いため、施工事例が増えている。多くの場合、金
属基材を所望の形状にプレス成形してから、それらの合
わせ部に粘性液状樹脂を塗布することによりパッキンや
ガスケットが形成される。
【0004】ところで、プレス成形時に潤滑性が不足す
ると、割れ、しわ、型かじりなどによる表面傷などの問
題が発生するため、成形前に、潤滑油基油や潤滑油基油
に添加剤を配合した潤滑油塗布が行われている。例え
ば、特開平3−106993号公報には、潤滑油基油に
アルカリ土類金属の炭酸塩やスルホン酸塩を配合したも
のが提案されている。
【0005】プレス成形後、金属構造部材にパッキンや
ガスケットを設けるためには、各種有機溶剤やアルカリ
脱脂液などによる潤滑油除去、洗浄が必要であるが、こ
れらの溶剤や脱脂液は、作業者の健康や環境に大きな負
荷を与えるため好ましくない。また、パッキンやガスケ
ット形成後の金属部材の加工、他材への組付け工程、梱
包、運搬などで剥がれないように、金属面にパッキンや
ガスケットを十分な接着強さになるように接着するため
には、多くの場合、潤滑油除去後にプライマー塗布が必
要で、製造工程を煩雑にするという欠点もあった。
【0006】有機溶剤やアルカリ脱脂液を使用せずに所
望の形状にプレス成形できる潤滑表面処理鋼板は、種々
検討されている。例えば、特開平6−126885号公
報では、鋼板表面に、熱可塑性アクリル変性ポリエステ
ル系樹脂にメラミン樹脂を加えることにより架橋構造を
導入した樹脂に、シリカ、フッ素系ワックスを含有した
樹脂皮膜を被覆したものが提案されている。特開平7−
195029号公報では、クロメート処理を施した鋼板
表面にポリエステル、ポリウレタン、アクリル系樹脂の
少なくとも1種類の樹脂で、ガラス転移温度が40〜6
0℃の樹脂と65℃以上の樹脂を混合し、シリカ、ポリ
オレフィンワックスを含有した樹脂皮膜を被覆したもの
が提案されている。特開平7−185455号公報で
は、特定の弾性率と伸びを有する熱硬化性樹脂に潤滑剤
等を混合した皮膜による加工性改善を試みている。
【0007】しかしこれらの方法も、表面が滑りやすい
樹脂皮膜にパッキンやガスケットを十分な接着強さにな
るように接着させるためプライマー塗布が必要な場合が
多く、好適なプライマーがなければ、パッキンやガスケ
ットを形成する部位の樹脂皮膜の除去などが必要で、製
造工程を煩雑にするという欠点があった。
【0008】プレス成形後のアルカリ脱脂工程において
溶解、除去できる脱膜型潤滑皮膜の例として、特開平8
−156177号公報、特開平8−252887号公
報、特開平10−114014号公報、特開平10−8
8364号公報などに、アクリル系樹脂を用いたアルカ
リ脱膜型潤滑皮膜の発明が開示されている。
【0009】しかし、これらの場合も、脱膜型皮膜溶解
後の裸金属面にパッキンやガスケットを十分な接着強さ
になるように接着させるためプライマー塗布が必要な場
合が多く、製造工程が煩雑になっていた。
【0010】このように、金属基材をプレス成形するた
めの表面潤滑方法については種々検討、開発されている
が、プレス成形により得られる金属構造部材の合わせ部
に、後工程でも剥がれないように十分な接着強さを持つ
パッキンやガスケットを設けるには、接着部位の洗浄や
潤滑皮膜除去、さらに接着プライマー塗布などの工程が
必要で、これらの工程をなくし作業の簡易化や製造コス
トダウンに寄与する技術的指針は、これまでに見当たら
なかった。
【0011】また、金属基材をプレス成形せずに金属構
造部材として用いる場合、前記のような表面潤滑性を金
属基材に付与する必要はないが、金属構造部材の耐食性
や意匠性などを高めるため樹脂皮膜を被覆することが少
なくない。このような樹脂被覆部材の場合、後工程でも
剥がれない十分な接着強さを持つパッキンやガスケット
を合わせ部に設けるには、前記と同様に接着部位の洗浄
や樹脂皮膜除去、さらに接着プライマー塗布などの工程
が必要で、これらの工程省略のための技術的指針は見当
たらなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のよう
な従来技術の問題点を解決するためになされたものであ
り、金属基材に樹脂皮膜を被覆し、皮膜の除去やプライ
マーの塗布なしに、粘性液状樹脂あるいはその前駆体を
該皮膜に直接塗布してパッキンやガスケットを接着形成
するか、あるいは、潤滑樹脂皮膜を被覆し、プレス成形
後、潤滑皮膜の除去やプライマーの塗布なしに、粘性液
状樹脂あるいはその前駆体を潤滑皮膜に直接塗布してパ
ッキンやガスケットを接着形成することにより得られ
る、液シール、気密、隙間充填、断熱、防音、防振など
の使用目的に適する金属構造部材を提供することを目的
としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために種々の検討を行った結果、金属基材に
樹脂皮膜を被覆後、あるいは、潤滑樹脂皮膜を被覆した
金属基材をプレス成形後、該樹脂皮膜あるいは潤滑樹脂
皮膜に対し特定範囲の濡れ張力と引張接着強度を持つ軟
質樹脂層を該樹脂皮膜あるいは潤滑樹脂皮膜上に密着形
成させることで、樹脂皮膜、潤滑皮膜除去やプライマー
塗布などの煩雑な工程なしに、パッキンやガスケット
(軟質樹脂)を有する金属構造部材が得られることを見
出した。
【0014】本発明は、このような知見をもとにして完
成されたものであり、その要旨とするところは、 「[1]樹脂被覆金属構造部材の金属を被覆する樹脂皮
膜上に、粘性液状樹脂あるいはその前駆体を主成分とす
る組成物を塗布し、該組成物の反応や溶媒の乾燥などに
より、軟質樹脂層を前記樹脂皮膜上に密着形成させた金
属構造部材において、(1)金属を被覆する樹脂皮膜の濡
れ張力γと軟質樹脂層の濡れ張力γの関係が−3.
0≦γ―γ≦15.0であり、(2)軟質樹脂層の樹
脂皮膜に対する引張接着強さが20N/cm以上であ
ることを特徴とする軟質樹脂が接着した金属構造部材。 [2]潤滑樹脂皮膜を被覆した金属基材をプレス成形
後、粘性液状樹脂あるいはその前駆体を主成分とする組
成物を該潤滑樹脂皮膜の表面に塗布し、該組成物の反応
や溶媒の乾燥などにより軟質樹脂層を該潤滑樹脂皮膜上
に密着形成させた金属構造部材において、(1)金属基材
を被覆する潤滑樹脂皮膜の濡れ張力γと軟質樹脂層の
濡れ張力γ の関係が−3.0≦γ―γ≦15.0
であり、(2)軟質樹脂層の潤滑樹脂皮膜に対する引張接
着強さが20N/cm以上であることを特徴とする軟
質樹脂が接着した金属構造部材。 [3]金属基材がオーステナイト系ステンレス鋼板、フ
ェライト系ステンレス鋼板、マルテンサイト系ステンレ
ス鋼板、二相系ステンレス鋼板のいずれかであることを
特徴とする[1]及び[2]に記載の軟質樹脂が接着し
た金属構造部材。 [4]樹脂または潤滑樹脂皮膜が、ウレタン樹脂塗料、
アクリル樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、オレフィン樹脂
塗料、ポリエステル樹脂塗料の1種または2種以上の混
合物の塗布によるか、あるいは純シリコーン樹脂塗料ま
たは変性シリコーン樹脂塗料の1種または2種以上の混
合物の塗布により形成され、上層の軟質樹脂が純シリコ
ーン樹脂フォーム(発泡体)または変性シリコーン樹脂
フォームの1種または2種以上の混合物から成るか、あ
るいは純シリコーンゴムまたは変性シリコーンゴムの1
種または2種以上の混合物から成ることを特徴とする
[1]及び[2]に記載の軟質樹脂が接着した金属構造
部材。 [5]樹脂または潤滑樹脂皮膜がウレタン樹脂塗料、ア
クリル樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、オレフィン樹脂塗
料、ポリエステル樹脂塗料の1種または2種以上の混合
物の塗布により形成され、上層の軟質樹脂がウレタン系
フォーム、エポキシ変性ウレタン系フォーム、オレフィ
ン系フォーム、ポリエステル系フォーム、またはウレタ
ン系ゴム、エポキシ変性ウレタン系ゴム、アクリル系ゴ
ム、エポキシ変性アクリル系ゴム、オレフィン系ゴムの
1種または2種以上の混合物から成るか、あるいはウレ
タン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エ
ラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマーの1
種または2種以上の混合物から成ることを特徴とする、
[1]及び[2]に記載の軟質樹脂が接着した金属構造
部材。 [6]樹脂または潤滑樹脂皮膜がアクリル変性ウレタン
樹脂塗料の塗布により形成され、上層の軟質樹脂が純シ
リコーン樹脂フォームまたは変性シリコーン樹脂フォー
ムの1種または2種以上の混合物から成ることを特徴と
する、[1]及び[2]に記載の軟質樹脂が接着した金
属構造部材。」である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳述
する。
【0016】本発明においては、使用する金属を特に限
定せず、例えば、アルミニウム、チタン、亜鉛、銅、ニ
ッケル及びこれらの金属を含む合金、そして鋼等を適用
できる。鋼を使用する場合には成分を特に限定せず、普
通鋼であっても、ステンレス鋼等のクロム含有鋼であっ
ても良く、ステンレス鋼を使用する場合は、微細組織の
種類を限定せず、オーステナイト系ステンレス鋼板、フ
ェライト系ステンレス鋼板、マルテンサイト系ステンレ
ス鋼板、二相系ステンレス鋼板のいずれでもよい。
【0017】本発明では金属基材の製造方法を限定せ
ず、例えば、冷延、熱延などの圧延、鋳造、鍛造、押出
し、引き抜きなどの製造方法が挙げられる。金属基材の
形状も特に限定せず、板、管、線材、そのほか目的に応
じ、種々の基材形状が使用可能である。
【0018】本発明においては、使用する鋼の表面に被
覆めっき層があってもよいが、その種類を特に限定せ
ず、適用可能なめっき層としては、例えば、亜鉛めっ
き、亜鉛−ニッケルめっき、亜鉛−鉄めっき、亜鉛−ク
ロムめっき、亜鉛−アルミニウムめっき、亜鉛−チタン
めっき、亜鉛−マグネシウムめっき、亜鉛−マンガンめ
っき等の亜鉛系めっき、及び、アルミニウムまたはアル
ミニウム合金めっき、鉛または鉛合金めっき、錫または
錫合金めっき、更には、これらのめっき層に少量の異種
元素としてコバルト、モリブデン、タングステン、ニッ
ケル、チタン、クロム、アルミニウム、マンガン、鉄、
マグネシウム、鉛、アンチモン、錫、銅、カドミウム、
ヒ素等の1種または2種以上を含有したもの、シリカ、
アルミナ、チタニア等の無機物を分散させたものが含ま
れる。本発明は、前記のめっきと他の種類のめっき、例
えば鉄めっき、鉄−りんめっき等と組み合わせた複層め
っきにも適用可能である。めっきの方法も特に限定せ
ず、電気めっき、溶融めっき、蒸着めっき等が適用でき
る。鋼板の場合、めっき後の処理として、溶融めっき後
の外観均一処理であるゼロスパングル処理、めっき層の
改質処理である焼鈍処理、表面状態や材質調整のための
調質圧延等があるが、本発明においては特にこれらを限
定せず、いずれを適用することも可能である。
【0019】本発明の金属基材に被覆する樹脂皮膜は、
皮膜を金属面に形成する溶剤性または水性樹脂組成物を
塗布し、加熱により反応及び/または乾燥させたもので
あり、該樹脂皮膜上に軟質樹脂層を密着形成できるもの
であれば、その種類を特に限定しない。また、本発明の
金属基材に被覆する潤滑樹脂皮膜は、金属基材のプレス
成形に対し潤滑性を有する皮膜を金属面に形成する溶剤
性または水性樹脂組成物を塗布し、加熱により反応及び
/または乾燥させたものであり、プレス成形後、該潤滑
樹脂皮膜上に軟質樹脂層を密着形成できるものであれ
ば、その種類を特に限定しない。適用可能な樹脂あるい
は潤滑樹脂としては、例えば、シリコーン系、アクリル
変性シリコーン系、エポキシ変性シリコーン系、ポリエ
ステル変性シリコーン系、ウレタン変性シリコーン系、
アルキド変性シリコーン系、または、アクリル系、エポ
キシ系、ポリエステル系、ウレタン系及びこれらの共重
合系、及び、これらの2種以上の混合物などが挙げられ
る。
【0020】本発明の金属基材に被覆する樹脂皮膜の厚
さは0.1μm以上の範囲である。厚さが0.1μm未
満の時、耐食性や意匠性など、樹脂皮膜に求められる機
能を十分に発揮できない。また、本発明の金属基材に被
覆する潤滑樹脂皮膜の厚さは0.5〜20μm、好まし
くは0.5〜10μmの範囲である。厚さが0.5μm
未満の場合、成形時の押圧により金属表面に達する損傷
を防止できず、かつ摺動が加わるために要求される成形
性を得ることができない。20μmを超える場合、成形
時に皮膜剥離粉が著しく増加し、金型の手入れを頻繁に
行う必要があり生産性を低下させる。
【0021】本発明の潤滑樹脂皮膜を金属面に形成する
溶剤性または水性樹脂組成物には、必要に応じ、潤滑機
能付与剤を添加してもよい。また、本発明の樹脂皮膜あ
るいは潤滑樹脂皮膜を金属面に形成する溶剤性または水
性樹脂組成物には、必要に応じて金属面との密着性向上
剤、皮膜強度向上剤、造膜助剤、レベリング剤、消泡
剤、増粘剤、分散剤などを添加してもよい。さらにこれ
ら以外に、意匠性を付与するための顔料や、導電性を付
与する導電性添加剤、乾燥剤、安定剤、皮張り防止剤、
防錆剤、かび防止剤、防腐剤、凍結防止剤などを、目的
に応じ、皮膜の物性を低下させない範囲内で添加するこ
とができる。
【0022】これらの添加剤のうち、潤滑機能付与剤
は、皮膜表面の摩擦係数を低減することによりさらに潤
滑性を付与し、型かじり等を防止してプレス加工性、し
ごき加工性を向上する作用を有しており、(A)長鎖脂
肪族炭化水素からなり極性基を持たない固体潤滑剤また
はワックス、(B)1分子中に長鎖脂肪族炭化水素基
(長鎖アルキル基)と極性基を持つ固体潤滑剤またはワ
ックス、あるいは(C)フッ素含有樹脂からなる固体潤
滑剤またはワックスを主成分とする粒子であって、樹脂
組成物を含む処理液中に安定に均一分散できるものであ
れば特に限定しないが、好ましくは、(A)としては炭
化水素基の炭素数が125〜700のポリエチレン、ポ
リプロピレン等のポリオレフィン系ワックスや炭化水素
基の炭素数が32〜72のパラフィン(マイクロワック
ス)、(B)としてはステアリン酸系などの固体潤滑
剤、(C)としてはポリテトラフルオロエチレン、ポリ
クロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、
ポリフッ化ビニル等、更にこれら(A)(B)(C)の固
体潤滑剤またはワックスの1種または2種以上を混合も
しくは変性したものが挙げられる。
【0023】前記の固体潤滑剤またはワックス(B)の
例としては、炭化水素基の炭素数が12〜22の高級脂
肪族アルコール(セチルアルコール、ステアリルアルコ
ールなど)、炭化水素基の炭素数が13〜17の高級脂
肪酸(ステアリン酸、12-水酸化ステアリン酸な
ど)、炭化水素基の炭素数が12〜30の高級脂肪酸と
2価金属からなる金属石鹸(ステアリン酸鉛、ステアリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなど)、またエステ
ル系として、炭化水素基の炭素数が13〜17の高級脂
肪酸と他の炭化水素とのエステル、炭化水素基の炭素数
が13〜17の高級脂肪族アルコールと脂肪族ジカルボ
ン酸または脂肪酸とのエステル、多価アルコールと高級
脂肪酸とのエステル(グリセリントリステアレート、ト
リメチロールプロパントリステアレートなど)、脂肪酸
アミド系として、炭化水素基の炭素数が15〜17の高
級脂肪酸のモノアミドまたはビスアミド(パルミチン酸
アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エチ
レンビスステアロアミド、メチレンビスステアロアミド
など)、ワックス類として、炭化水素基の炭素数が27
〜34の高級脂肪酸ワックス、炭化水素基の炭素数が2
7〜34の高級脂肪酸と脂肪族ジオールとのエステルか
らなるワックス、炭化水素基の炭素数が125〜700
の極性ポリエチレンワックス(例えば、ポリエチレン鎖
の末端にカルボキシル基、また鎖の所々に水酸基などの
酸基が結合しているもの)などが挙げられる。
【0024】前記の潤滑機能付与剤のうち、粒子状のも
のの平均粒子径は、10μm以下が好ましい。10μm
を越えると、皮膜の連続性、均一性が失われ潤滑樹脂皮
膜の下地鋼板との密着性や塗料密着性の低下、潤滑機能
付与剤の剥離が発生するだけでなく、塗料組成物として
の貯蔵安定性が低下する。潤滑機能付与剤のより好まし
い平均粒子径は0.5〜6μmの範囲内である。なお、
ここでいう平均粒子径とは、粒径と累積体積比率の関係
曲線をプロットし、累積体積比率が50%のところの粒
径を読み取った「d50(50%平均粒径)」のことで
ある。その際の測定方法は、溶媒に粒子を分散させた状
態でレーザー光を照射し、その時生じる干渉縞を解析す
ることによりd50や粒径分布を求めるものであり、好
適な測定装置としては、島津製作所製SALD、CIL
AS社製CILAS、堀場製作所製LAなどが挙げられ
る。
【0025】潤滑機能付与剤の添加量は、潤滑皮膜を金
属面に形成する溶剤性または水性樹脂組成物の固形分に
対し1〜30質量%であり、5〜20質量%が好まし
い。1質量%未満では要求される潤滑効果が得られな
い。30質量%を越えると皮膜強度が低下したり、潤滑
機能付与剤が脱離するなどの問題が生じる。
【0026】金属面と樹脂皮膜あるいは潤滑樹脂皮膜と
の密着性向上剤、皮膜強度向上剤としては、シリカや種
々のカップリング剤、架橋剤などを用いる。これらのう
ちシリカ粒子は、樹脂皮膜あるいは潤滑樹脂皮膜を金属
面に形成する樹脂組成物が溶剤性の場合、粉砕シリカ、
気相法シリカなど溶剤に分散可能ないずれのシリカ粒子
であっても良い。該樹脂組成物が水性の場合も、水に分
散可能な水性コロイダルシリカ、粉砕シリカ、気相法シ
リカなどいずれのシリカ粒子であっても良い。皮膜の成
形性や耐食性発現を考慮すると、1次粒子径は2〜30
nmで、2次凝集粒子径は100nm以下が好ましい。
潤滑樹脂皮膜を金属面に形成する樹脂組成物の場合、シ
リカの添加量としては該潤滑樹脂組成物の固形分に対し
て1〜30質量%が好ましい。1質量%未満では金属面
との十分な密着性改善効果が得られない。30質量%を
越えると皮膜伸びが減少するため成形性が低下し、かじ
りが発生しやすくなる。樹脂皮膜を金属面に形成する樹
脂組成物の場合、シリカの添加量としては該樹脂組成物
の固形分に対して1質量%以上が好ましい。1質量%未
満では金属面との十分な密着性改善効果が得られない。
【0027】本発明の樹脂皮膜あるいは潤滑樹脂皮膜
は、目的に応じて金属基材の表裏両面又は片面に被覆さ
れる。
【0028】本発明の樹脂皮膜あるいは潤滑樹脂皮膜の
形成方法としては、前記皮膜を金属面に形成できる溶剤
性または水性樹脂組成物をロールコーター塗装法、スプ
レー法など従来公知の塗装方法で塗布後、加熱による溶
媒の乾燥や、皮膜の焼付け反応などで形成することがで
きる。
【0029】本発明において、金属面と樹脂皮膜あるい
は潤滑樹脂皮膜のさらなる密着性や耐食性を得るため
に、金属基材に皮膜を被覆する前に、金属面にリン酸塩
処理やクロメート処理などの下地処理を施してもかまわ
ない。この場合のクロメート処理としては、電解型クロ
メート、反応型クロメートおよび塗布型クロメートのい
ずれでもよい。クロメート皮膜は、部分還元したクロム
酸にシリカ、リン酸、親水性樹脂の中から1種あるいは
2種以上を含有したクロメート液を塗布、乾燥したもの
が好ましい。
【0030】前記のリン酸塩処理においてリン酸塩の付
着量としては、リン酸塩として0.5〜3.5g/m
の範囲が好ましい。クロメート処理におけるクロメート
付着量としては、金属クロム換算で5〜150mg/m
が好ましく、10〜50mg/mがより好ましい。
5mg/m未満では優れた耐食性効果が得られず、1
50mg/mを超えると成形時にクロメート皮膜の凝
集破壊が生じ加工性が低下する。さらに、目的に応じ、
下地に酸洗処理、アルカリ処理、電解還元処理、コバル
トめっき処理、ニッケルめっき処理、シランカップリン
グ剤処理、無機シリケート処理などを施してもよい。
【0031】本発明で用いる粘性液状樹脂あるいはその
前駆体を主成分とする組成物は、金属基材に被覆する樹
脂皮膜あるいは潤滑樹脂皮膜に濡れるものであれば、そ
の種類を特に限定しない。ここで、粘性液状樹脂あるい
はその前駆体とは、塑性変形可能であるが塗布後の垂れ
や流れ変形が少ない樹脂あるいはその前駆体のことであ
り、塗布時の粘度が1〜500Pa・sの範囲にあるこ
とが好ましい。なお、ここでいう前駆体とは、重合反
応、架橋反応などの化学反応により分子量が増大し、パ
ッキンやガスケットに適する軟質樹脂となるモノマー、
オリゴマー、プレポリマーなどのことである。粘性液状
樹脂あるいはその前駆体の例としては、(i) 反応性の官
能基を持つ液状樹脂あるいは反応性の官能基を持つ前駆
体であって、共存する触媒、重合開始剤、架橋剤、硬化
剤などによる重合反応や架橋反応などで分子鎖間の滑り
をなくし、あるいはさらに自己発泡によりパッキンやガ
スケットに適する軟質樹脂となるもの、(ii) 軟質樹
脂あるいはその前駆体を溶媒(有機溶剤または水)に溶
解または分散させるかあるいは溶媒で膨潤させたもので
あって、溶媒の乾燥や脱揮により、前駆体の場合にはさ
らに重合反応、架橋反応や発泡反応などを経てパッキン
やガスケットに適する軟質樹脂となるもの、(iii) 熱可
塑性エラストマーあるいは反応性熱可塑性エラストマー
を加熱溶融させたものであって、放冷、あるいはさらに
化学反応によりパッキンやガスケットに適する軟質樹脂
とするものなどが挙げられる。これらの(i)または(i
i)として適用可能な樹脂種類としては、例えば、シリコ
ーン系、アクリル変性シリコーン系、エポキシ変性シリ
コーン系、ポリエステル変性シリコーン系、ウレタン変
性シリコーン系、アルキド変性シリコーン系、または、
ウレタン系、エポキシ変性ウレタン系、アクリル系、エ
ポキシ変性アクリル系、オレフィン系、ポリエステル系
及びこれらの共重合体、及び、これらの2種以上の混合
物などが挙げられる。また、(iii)として適用可能な
樹脂種類としては、例えば、ウレタン系、オレフィン
系、ポリエステル系の熱可塑性エラストマー及びこれら
の共重合体、及び、これらの2種以上の混合物などが挙
げられる。
【0032】本発明において、粘性液状樹脂あるいはそ
の前駆体を主成分とする組成物とは、前記(i)、(ii)、
(iii)、あるいはこれらにさらに、後で述べる発泡剤な
ど種々の添加剤を含むものであって、金属構造部材の合
わせ部に塗布した時の垂れや流れ変形が少なく、該組成
物の重合反応、架橋反応や発泡反応、また、組成物に溶
媒を含む場合はその脱揮乾燥、また、組成物を加熱溶融
して液状にした場合にはその放冷固化などにより、パッ
キンやガスケットとして機能する形状や性質を持つ軟質
樹脂に賦形されるものを指す。
【0033】本発明において、粘性液状樹脂あるいはそ
の前駆体を主成分とする組成物には、必要に応じて前駆
体の反応触媒、重合開始剤、架橋剤、硬化剤、樹脂ある
いは潤滑樹脂皮膜面との密着性向上剤、発泡剤、増粘
剤、分散剤などを添加してもよい。さらにこれら以外
に、意匠性を付与するための顔料や、導電性を付与する
導電性添加剤、安定剤などを、目的に応じ、組成物の物
性を低下させない範囲内で添加することができる。
【0034】これらの添加剤のうち、発泡剤は、樹脂や
ゴムに配合し、加熱により樹脂フォーム(発泡体)を形
成させるもので、蒸発型と化学分解型に分けられる。蒸
発型発泡剤は加熱によりガス化して発泡させる低沸点溶
剤で、本発明においてはペンタン、ネオペンタンなどの
脂肪族炭化水素、二塩化メチレンなどの塩素化炭化水素
を用いることができる。分解型発泡剤は加熱により化学
的に分解してガスを発生し発泡させるもので、本発明に
おいては、無機系では炭酸水素ナトリウム(重曹)や炭
酸水素アンモニウムなど、有機系ではアゾジカーボンア
ミド(ADCA)、アゾビスイソブチロニトリル(AI
BN)などのアゾ化合物、p,p’-オキシビス(ベンゼン
スルホニルヒドラジド)(OBSH)、p-トルエンスル
ホニルヒドラジド(TSH)などのスルホニルヒドラジ
ド化合物、N,N’-ジニトロソペンタメチレンテトラミン
(DPT)などのニトロソ化合物を用いることができ
る。これらはそれぞれ分解温度が異なるため、所望の分
解温度のものを選択したり、または脂肪酸金属塩や金属
酸化物などの発泡分解助剤を併用して分解温度を低温側
にシフトさせて用いることが可能である。なお、ウレタ
ンフォームなどのように、反応の途中で前駆体から発生
するガスを利用して発泡させるものもあり、その際はフ
ォーム形成に発泡剤が不用である。
【0035】本発明においては、発泡剤を添加せず、粘
性樹脂に不活性ガスを機械的に封入して発泡させる方法
も用いることができる。例えば、加熱溶融した熱可塑性
エラストマーに窒素ガスを混入させ、冷却固化後にフォ
ームとすることも可能である。
【0036】本発明の金属構造部材の樹脂皮膜あるいは
潤滑樹脂皮膜上に軟質樹脂層を密着形成させるために
は、金属基材に被覆された樹脂皮膜あるいは潤滑樹脂皮
膜の濡れ張力γと軟質樹脂層の濡れ張力γの関係が
−3.0≦γ―γ≦15.0、好ましくは−1.5
≦(γ/γ)≦12.5であることが必要である。
ここで、γは、平滑な金属面に被覆形成させた樹脂皮
膜あるいは潤滑樹脂皮膜面を被験面としてJIS K
6768に準拠して測定する濡れ張力のことで、対応す
る樹脂皮膜の臨界表面張力にほぼ等しい。また、γ
は、軟質樹脂層を被験面としてJIS K 6768
に準拠して測定する濡れ張力のことで、該軟質樹脂の臨
界表面張力に近い値となる。
【0037】本発明において、パッキンやガスケット形
成後の金属部材の加工、他材への組付け工程、梱包、運
搬などで剥がれないように、樹脂皮膜あるいは潤滑樹脂
皮膜にパッキン、ガスケットや断熱樹脂フォーム、樹脂
クッションなどを十分な接着強さになるように接着する
ためには、軟質樹脂層の前記樹脂皮膜に対する引張接着
強さが20N/cm2以上、好ましくは、30N/cm
以上であることが必要である。引張接着強さが20N
/cm未満の場合、軟質樹脂層の前記樹脂皮膜に対す
る引張接着強さが不十分で、後工程でパッキンやガスケ
ットが剥がれる場合が多い。引張接着強さの上限には特
に制限はないが、軟質樹脂自体の引張強度(破壊荷重)
を超える引張接着強さは不要である。ここで、引張接着
強さは、JIS K 6849に準拠して測定する荷重
方向が接着面に垂直な引張接着強さのことで、樹脂皮膜
あるいは潤滑樹脂皮膜を被覆した金属面に付着する軟質
樹脂層について、樹脂あるいは潤滑樹脂皮膜面に垂直な
方向の引張接着強さを測定する。
【0038】本発明において樹脂皮膜あるいは潤滑樹脂
皮膜/軟質樹脂層の推奨される樹脂の組合せは、金属基
材に被覆された前記樹脂皮膜の濡れ張力γと軟質樹脂
層の濡れ張力γの関係が−3.0≦γ―γ≦1
5.0であり、かつ、軟質樹脂層の前記樹脂皮膜に対す
る引張接着強さが20N/cm以上であれば特に制限
しないが、好適な例としては、前記の2条件を満たすも
ののうち、樹脂皮膜あるいは潤滑樹脂皮膜が、ウレタン
樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、オレ
フィン樹脂塗料、ポリエステル樹脂塗料の1種または2
種以上の混合物の塗布によるか、あるいは純シリコーン
樹脂塗料または変性シリコーン樹脂塗料の1種または2
種以上の混合物の塗布により形成され、上層の軟質樹脂
が純シリコーン樹脂フォームまたは変性シリコーン樹脂
フォームの1種または2種以上の混合物から成るか、あ
るいは純シリコーンゴムまたは変性シリコーンゴムの1
種または2種以上の混合物から成る組合せ、あるいは別
の組合せとして、樹脂皮膜あるいは潤滑樹脂皮膜がウレ
タン樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、
オレフィン樹脂塗料、ポリエステル樹脂塗料の1種また
は2種以上の混合物の塗布により形成され、上層の軟質
樹脂がウレタン系フォーム、エポキシ変性ウレタン系フ
ォーム、オレフィン系フォーム、ポリエステル系フォー
ム、またはウレタン系ゴム、エポキシ変性ウレタン系ゴ
ム、アクリル系ゴム、エポキシ変性アクリル系ゴム、オ
レフィン系ゴムの1種または2種以上の混合物から成る
か、あるいはウレタン系熱可塑性エラストマー、オレフ
ィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性
エラストマーの1種または2種以上の混合物から成る組
合せである。
【0039】ここで、変性シリコーン樹脂塗料や変性シ
リコーン樹脂フォームの原料となる変性シリコーン樹脂
としては、例えば、ウレタン変性シリコーン樹脂、アク
リル変性シリコーン樹脂、エポキシ変性シリコーン樹
脂、ポリエステル変性シリコーン樹脂、またはアルキド
変性シリコーン樹脂などの1種または2種以上の混合物
が挙げられ、また、変性シリコーンゴムとしては、例え
ば、ウレタン変性シリコーンゴム、アクリル変性シリコ
ーンゴム、エポキシ変性シリコーンゴム、ポリエステル
変性シリコーンゴム、またはアルキド変性シリコーンゴ
ムなどの1種または2種以上の混合物などが挙げられ
る。シリコーンや変性シリコーンが樹脂タイプとゴムタ
イプのいずれの性状を示すかは、シリコーン骨格構造単
位のシロキサンの官能基数や置換基種類などにより決ま
る。例えば、3官能を主体とする多官能性のシロキサン
を原料とすれば3次元の架橋反応が進んで硬質樹脂とな
り、2官能性のシロキサンを原料とすれば軟質のゴムと
なる。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によって
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限
定されるものではない。 [金属基材] (1)Crを18%含有するフェライト系ステンレス鋼板
(板厚0.5mm) (2)Crを22%、Niを12%含有するオーステナイ
ト系ステンレス鋼板(板厚0.5mm) (3)冷延鋼板(板厚0.8mm) (4)EG(電気亜鉛めっき鋼板,板厚1.0mm,めっ
き厚み 2.5μm) [樹脂皮膜あるいは潤滑樹脂皮膜を形成する樹脂組成物] (1) 組成物1(主成分はアクリル変性シリコーン樹
脂,溶剤系) 主成分は、反応性フェニルシリコーン樹脂(出発原料の
モノマーは3官能)、反応性メチルフェニルシリコーン
樹脂(出発原料のモノマーは2官能)のシラノール基と
メタクリル樹脂(主たる骨格構造単位−CH−C(C
)(COOCH)−)のアルコール性水酸基とを
チタン系触媒の存在下で縮合反応させたもの。メタクリ
ル変性率(樹脂全重量に対するメタクリル樹脂部分の重
量割合)は約21%。 (2) 組成物2(主成分はアクリル変性シリコーン樹
脂,溶剤系) (1)と同様のシリコーン樹脂、メタクリル樹脂を縮合反
応させたもの(メタクリル変性率は約75%)。 (3) 組成物3(主成分はポリエステル変性シリコーン
樹脂,溶剤系) 反応性メチルシリコーン樹脂(出発原料のモノマーは3
官能)と、無水フタル酸とグリセリンを主たる出発原料
とするポリエステル樹脂をアミノ樹脂で架橋したもの。
ポリエステル変性率(樹脂全重量に対するポリエステル
樹脂部分の重量割合)は約24%。 (4) 組成物4(主成分はウレタン樹脂,溶剤系) トリレンジイソシアネート(TDI)とトリメチロール
プロパンを主たる出発原料とする熱硬化型ウレタン樹脂
溶液に、軟化点110℃、平均粒径2.5μmの低密度
ポリエチレンワックスを全固形分の10質量%添加した
もの。潤滑樹脂皮膜を形成する。 (5) 組成物5(主成分はアルキド変性エポキシ樹脂,
溶剤系) ビスフェノールA型エポキシ樹脂をアルキド樹脂で変性
したものに、軟化点110℃、平均粒径2.5μmの低
密度ポリエチレンワックスを全固形分の10質量%添加
したもの。潤滑樹脂皮膜を形成する。 (6) 組成物6(主成分はアクリル変性ウレタン樹脂,
溶剤系) 水酸基を持つアクリル樹脂前駆体をポリイソシアネート
で架橋したもの。 (7) 組成物7(フッ素樹脂固形分60質量%の水系デ
ィスバーション) 一次粒子径0.28μmのポリテトラフルオロエチレン
微粒子を界面活性剤で水分散させたもの。 (8) 組成物8(主成分はアクリル変性シリコーン樹
脂,溶剤系) 反応性ジメチルシリコーン樹脂(出発原料のモノマーは
2官能)とポリ−t−ブチルメタクリレート樹脂(主た
る骨格構造単位−CH−C(CH)(COOC(C
)−)を縮合反応させたもの。メタクリル変性
率(樹脂全重量に対するポリ−t−ブチルメタクリレー
ト樹脂部分の重量割合)は約28%。 [軟質樹脂を形成する組成物] (1) 組成物A(主成分は反応性シリコーンゴム前駆
体) 反応性メチルフェニルシリコーン樹脂(出発原料のモノ
マーは2官能)に、シリカ微粒子を全固形分の10質量
%添加したもの。 (2) 組成物B(主成分はアクリル変性シリコーン樹脂
前駆体) 反応性ジメチルシリコーン樹脂(出発原料のモノマーは
2官能)とアクリル樹脂(主たる骨格構造単位−CH
−CH(COOCHCH)−)を縮合反応させたも
の。アクリル変性率(樹脂全重量に対するアクリル樹脂
部分の重量割合)は約27%。 (3) 組成物C(主成分はウレタンフォーム前駆体) ポリエーテル型のウレタン。出発原料の1つであるジイ
ソシアネートと水の反応により炭酸ガスを発生するた
め、発泡剤を添加せずにフォーム形成。 (4) 組成物D(主成分はアクリル系ゴム) アクリル酸エチルを主成分とし、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸グリシジルなどを共重合したもの。アクリル酸
グリシジルのエポキシ基にて架橋し、ゴム弾性を発現す
る。 (5) 組成物E(オレフィン系熱可塑性エラストマー) ハードセグメントにポリプロピレン、ソフトセグメント
としてエチレン-プロピレン-ジエン共重合体(EPD
M)を用いたもの。ハードセグメント/ソフトセグメン
トの質量比は、凡そ30/70。 [試験方法] (1)樹脂皮膜あるいは潤滑樹脂皮膜の形成 前記の金属鋼板をアルカリ脱脂して表面を清浄にし、樹
脂組成物1〜3及び6についてはこれらを前記鋼板の片
面に、また潤滑樹脂組成物4及び5については鋼板の両
面に塗布後、樹脂の種類に応じ鋼板到達温度180℃〜
240℃で反応、乾燥させ皮膜を形成した。皮膜付着量
は、組成物の種類に応じ2.0〜3.0g/mとし
た。 (2) プレス成形 前記(1)の被覆鋼板のうち、潤滑樹脂組成物4及び5を
被覆したものについては、円筒ポンチの油圧成形試験機
により、最大成形高さの50%まで成形した。成形条件
は以下の通り。 ・ポンチ径:φ70mm ・ブランク径:φ150mm ・押付荷重:49N/cm2 ・成形速度:3.3×10−2m/s ・工具条件:FCD−500 (3)軟質樹脂層の形成 樹脂組成物1〜3及び6を被覆した鋼板については、同
じ樹脂皮膜で被覆された2枚の鋼板面で幅2〜8mm程
度の隙間を作り、隙間に前記の組成物A〜Eを充填し、
軟質樹脂層を樹脂皮膜面の間に密着形成させた。これら
のうち組成物A〜Dについては、必要に応じ硬化剤を少
量添加し、加熱して軟質樹脂とした。組成物Eについて
は、200℃で加熱溶融したものを前記の鋼板隙間に充
填し、放冷して軟質樹脂とした。
【0041】潤滑樹脂組成物4及び5を被覆した鋼板に
ついては、前記(2)の成形円筒の周部を切り出し、展開
して平板とし、潤滑樹脂皮膜に損傷がなく鋼板が一面に
被覆されていることを確認後、同じ潤滑樹脂皮膜で被覆
された2枚の鋼板面で幅2〜8mm程度の隙間を作り、
樹脂組成物1〜3及び6を被覆した鋼板の場合と同様に
して、軟質樹脂層を潤滑樹脂皮膜面の間に密着形成させ
た。 (4)濡れ張力の測定 樹脂皮膜あるいは潤滑樹脂皮膜の濡れ張力γは、前記
(1)で得た皮膜面を被験面としてJIS K 6768
に準拠して測定した。
【0042】また、軟質樹脂層の濡れ張力γは、液状
樹脂あるいはその前駆体を主成分とする粘性組成物を平
滑で清浄なガラス面に薄く塗り広げた状態で重合反応や
発泡反応、溶媒乾燥を行い、得られた皮膜面を被験面と
してJIS K 6768に準拠して測定した。 (5) 樹脂皮膜面あるいは潤滑樹脂皮膜面に対する軟質
樹脂層の引張接着強さの測定 軟質樹脂層を間に充填した前記(3)の鋼板を試験片保持
具を介して引張試験機に取り付け、潤滑樹脂皮膜面と試
験機のクロスヘッドの移動方向が垂直になるようにし
た。JIS K 6849に準拠して、軟質樹脂層の引
張接着強さを測定した。クロスヘッドの移動速度は、2
5mm/分とした。 (6) 他材への組付け、解放後の軟質樹脂層の付着性評
価 前記(1)の鋼板の樹脂あるいは潤滑樹脂皮膜被覆面に約
10mm厚の軟質樹脂層を密着形成させ、さらにその上
にステンレス鋼板を置いて、皮膜被覆鋼板とステンレス
鋼板とで軟質樹脂層を挟み、軟質樹脂層の厚みが当初の
90%〜70%程度に縮まるまで軽くボルト締めした。
皮膜被覆鋼板側を加振台に固定し、皮膜面に沿って周波
数50Hz、振幅10mmで60秒間加振し、固定して
いないステンレス鋼板側との間に激しい剪断力が加わる
ようにした。加振後、ボルトを外し、軟質樹脂層の剥離
の程度を以下の基準で評価した。
【0043】 ◎:樹脂皮膜あるいは潤滑樹脂皮膜からの剥離無し ○:剥離10面積%以下 △:剥離10面積%超25%以下 ×:剥離25%超
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】表に示すように、本発明の構成要件に叶う
金属板は、本発明の要件を満たさないものに比べ加振後
の樹脂皮膜あるいは潤滑樹脂皮膜の剥離がなく、パッキ
ンやガスケット形成後の他材への組付けや剪断変形、振
動変形などに対し、優れた耐剥離性を示すことがわか
る。
【0047】
【発明の効果】本発明により、金属基材に樹脂皮膜を被
覆し、皮膜除去や接着プライマー塗布なしに、樹脂皮膜
上に軟質樹脂パッキンやガスケットを直接形成するか、
あるいは、金属基材に潤滑樹脂皮膜を被覆し、無塗油プ
レス成形後、潤滑皮膜除去や接着プライマー塗布などの
煩雑な工程なしに、潤滑樹脂皮膜上に軟質樹脂パッキン
やガスケットを直接形成した金属構造部材を提供するこ
とができるため、液シール、気密、隙間充填、断熱、防
音、防振などの用途に対する本発明の産業上の価値は極
めて高いといえる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB01B AB04B AK01A AK01C AK03A AK03C AK25A AK25C AK41A AK41C AK51A AK51C AK52A AK52C AK53A AK53C AK79A AK79C AL05A AL05C AL06A AL06C BA03 BA07 BA10B BA10C BA25 CC00A CC00C DJ01A DJ01C EH46 EH462 EJ20 EJ202 GB07 GB31 GB32 GB51 JA20A JA20C JB04A JB04C JD02 JH01 JH02 JJ02 JK02C JK13C YY00A YY00C

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂被覆金属構造部材の金属を被覆する
    樹脂皮膜上に、粘性液状樹脂あるいはその前駆体を主成
    分とする組成物を塗布し、該組成物の反応や溶媒の乾燥
    などにより、軟質樹脂層を前記樹脂皮膜上に密着形成さ
    せた金属構造部材において、(1)金属を被覆する樹脂
    皮膜の濡れ張力γと軟質樹脂層の濡れ張力γの関係
    が−3.0≦γ―γ≦15.0であり、(2)軟質
    樹脂層の樹脂皮膜に対する引張接着強さが20N/cm
    以上であることを特徴とする軟質樹脂が接着した金属
    構造部材。
  2. 【請求項2】 潤滑樹脂皮膜を被覆した金属基材をプレ
    ス成形後、粘性液状樹脂あるいはその前駆体を主成分と
    する組成物を該潤滑樹脂皮膜の表面に塗布し、該組成物
    の反応や溶媒の乾燥などにより軟質樹脂層を該潤滑樹脂
    皮膜上に密着形成させた金属構造部材において、(1)
    金属基材を被覆する潤滑樹脂皮膜の濡れ張力γと軟質
    樹脂層の濡れ張力γの関係が−3.0≦γ―γ
    15.0であり、(2)軟質樹脂層の潤滑樹脂皮膜に対
    する引張接着強さが20N/cm以上あることを特徴
    とする軟質樹脂が接着した金属構造部材。
  3. 【請求項3】 金属基材がオーステナイト系ステンレス
    鋼板、フェライト系ステンレス鋼板、マルテンサイト系
    ステンレス鋼板、二相系ステンレス鋼板のいずれかであ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の軟質樹脂が
    接着した金属構造部材。
  4. 【請求項4】 樹脂または潤滑樹脂皮膜が、ウレタン樹
    脂塗料、アクリル樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、オレフ
    ィン樹脂塗料、ポリエステル樹脂塗料の1種または2種
    以上の混合物の塗布によるか、あるいは純シリコーン樹
    脂塗料または変性シリコーン樹脂塗料の1種または2種
    以上の混合物の塗布により形成され、上層の軟質樹脂が
    純シリコーン樹脂フォーム(発泡体)または変性シリコ
    ーン樹脂フォームの1種または2種以上の混合物から成
    るか、あるいは純シリコーンゴムまたは変性シリコーン
    ゴムの1種または2種以上の混合物から成ることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の軟質樹脂が接着した金属
    構造部材。
  5. 【請求項5】 樹脂または潤滑樹脂皮膜がウレタン樹脂
    塗料、アクリル樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、オレフィ
    ン樹脂塗料、ポリエステル樹脂塗料の1種または2種以
    上の混合物の塗布により形成され、上層の軟質樹脂がウ
    レタン系フォーム、エポキシ変性ウレタン系フォーム、
    オレフィン系フォーム、ポリエステル系フォーム、また
    はウレタン系ゴム、エポキシ変性ウレタン系ゴム、アク
    リル系ゴム、エポキシ変性アクリル系ゴム、オレフィン
    系ゴムの1種または2種以上の混合物から成るか、ある
    いはウレタン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱
    可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラスト
    マーの1種または2種以上の混合物から成ることを特徴
    とする、請求項1又は2に記載の軟質樹脂が接着した金
    属構造部材。
  6. 【請求項6】 樹脂または潤滑樹脂皮膜がアクリル変性
    ウレタン樹脂塗料の塗布により形成され、上層の軟質樹
    脂が純シリコーン樹脂フォームまたは変性シリコーン樹
    脂フォームの1種または2種以上の混合物から成ること
    を特徴とする、請求項1又は2に記載の軟質樹脂が接着
    した金属構造部材。
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