JP2003311867A - 分離膜積層材および分離膜積層材を用いた部品 - Google Patents

分離膜積層材および分離膜積層材を用いた部品

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JP2003311867A JP2002121541A JP2002121541A JP2003311867A JP 2003311867 A JP2003311867 A JP 2003311867A JP 2002121541 A JP2002121541 A JP 2002121541A JP 2002121541 A JP2002121541 A JP 2002121541A JP 2003311867 A JP2003311867 A JP 2003311867A
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謹二 西條
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一雄 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】分離膜積層材の接合面での合金層形成などの悪
影響を排除もしくは軽減しうるような、支持材と中間材
と分離膜と透過層とを積層してなる分離膜積層材および
分離膜積層材を用いた部品の提供。 【解決手段】支持材26と中間材24と分離膜と透過層
とを積層してなる分離膜積層材12であって、分離膜積
層材少なくとも1つの接合面が、接合されるそれぞれの
面を活性化処理した後、活性化処理面同士が対向するよ
うに当接して重ね合わせて積層接合して分離膜積層材1
2を製造する。分離膜積層材12の積層部材部分に複数
段のエッチング加工を施して開口接合材を製造して分離
膜部品とし、またはメッシュ板34や基台36を積層し
て分離膜ユニット32として、水素分離装置などに適用
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、支持材と中間材と
分離層と透過層とを積層してなる分離膜積層材、および
分離膜積層材を用いてなる部品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、燃料電池システムの開発が進むに
つれて、高純度水素を得るための改質器用途に水素分離
膜を用いた水素分離装置が注目されてきており、これに
適用される各種の水素分離部品が提案されている。例え
ば、特開平7−124453号公報では、金属支持体に
電気メッキ法を用いて水素分離膜を積層させて、エッチ
ング法を用いて前記金属支持体に多数の細孔を設けるこ
とにより水素分離部品を形成している。しかしながら水
素分離膜を形成させる際に高温での熱処理を必要として
いるため、金属支持体と水素分離膜との間に合金層を形
成する恐れがあり、エッチング加工による開口部の加工
精度の低下などの問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の技術的
問題に鑑みて、分離膜積層材の接合面での合金層形成な
どの悪影響を排除もしくは軽減しうるような、支持材と
中間材と分離層と透過層とを積層してなる分離膜積層
材、および分離膜積層材を用いてなる部品を提供するこ
とを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題に対する第1の
解決手段として本発明の分離膜積層材は、支持材と中間
材と分離層と透過層とを積層してなる分離膜積層材であ
って、分離膜積層材の少なくとも1つの接合面を、接合
されるそれぞれの面を活性化処理した後、活性化処理面
同士が対向するように当接して重ね合わせて積層接合し
てなる構成とした。また好ましくは前記活性化処理が、
不活性ガス雰囲気中でグロー放電を行わせて、前記接合
されるそれぞれの面をスパッタエッチング処理する構成
とした。
【0005】前記課題に対する第2の解決手段として本
発明の部品は、支持材と中間材と分離層と透過層とを積
層してなる分離膜積層材を用いてなる構成とした。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を説明
する。図3は、本発明の分離膜積層材12の一実施形態
を示す概略断面図であり、例えば、図1に示す分離膜材
10と図2に示す積層部材11を積層してなる形態であ
る。図1は、分離膜積層材12に用いる分離膜材10の
一実施例を示す概略断面図であり、透過層22の片面に
分離層28を積層してなる形態である。図2は、分離膜
積層材12に用いる積層部材11の一実施例を示す概略
断面図であり、支持材26の片面に中間材24を積層し
てなる形態である。なお分離膜材10は、透過層22に
蒸着などの積層方法により分離層28を形成することな
どで製造することができる。また積層部材11は、支持
材26にメッキなどの積層方法により中間材24を積層
することなどで製造することができる。
【0007】支持材26の材質としては、分離膜積層材
12を製造可能であり、分離膜積層材を用いた部品を充
分に支持しうる強度などを有する素材で、開口加工が可
能であれば特にその種類は限定されず、分離膜積層材1
2の用途により適宜選択して用いることができる。例え
ば、ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル基合金、銅合
金、鉄・ニッケル合金などを適用することができる。分
離膜積層材12の用途が水素分離装置などであれば、支
持材26としてはステンレス鋼などを適用することがで
きる。また支持材26の厚みは、10〜500μmが好
ましい。10μm未満では充分な強度を維持することが
難しく、500μmを超えるとエッチング加工に向かな
くなるとともに重くなり過ぎる。
【0008】中間材24の材質としては、分離膜積層材
12を製造可能であり、支持材26に開口加工を施す際
に分離膜材10に悪影響が及ぶことを抑止しうる素材で
あれば特にその種類は限定されず分離膜積層材12の用
途により適宜選択して用いることができる。例えば、分
離膜積層材12の用途が水素分離装置などであれば、中
間材24としては、銀や銀合金などを適用することがで
きる。中間材24は、板材でもよいし、メッキや蒸着な
どによる膜材であってもよい。また中間材24の厚み
は、0.1〜200μmが好ましい。0.1μ未満では
分離膜材に及ぶ可能性のある悪影響を充分に抑止するこ
とが難しく、200μmを超えるとエッチング加工に向
かなくなるとともに重くなり過ぎる。より好ましくは、
1〜100μmである。
【0009】積層部材11は、例えば、支持材26に適
切な積層手段により中間材24を積層することなどで製
造することができる。積層手段には、分離膜積層材の用
途などにより、CVD(Chemical Vapor
Deposition)、スパッタリング、真空蒸
着、イオンプレーティングなどの乾式製膜手段や、電気
めっき、無電解めっきなどの湿式製膜手段から適宜選択
して用いることができる。また後述する活性化接合法を
用いることによっても製造することが可能である。なお
支持材は中間材の機械的な補強材として利用してもよ
い。
【0010】分離層28の材質としては、分離膜積層材
12を製造可能であり、目的とするガスや液体などの分
離物質を充分に分離しうる素材であれば特にその種類は
限定されず分離膜積層材12の用途により適宜選択して
用いることができる。分離膜積層材12の用途が水素分
離装置などであれば、分離層28としては、パラジウ
ム、パラジウムを含む合金(例えばパラジウム・銀合
金、パラジウム・ホルミウム合金、パラジウム・ガドリ
ニウム合金など)、ジルコニウム・ニッケル合金などを
適用することができる。分離層28は、板材でもよい
し、メッキや蒸着などによる膜材であってもよいし、ア
モルファスであってもよいし、複数層の分離層からなる
積層体であってもよい。また分離層28の厚みは、0.
1〜100μmが好ましい。0.1μ未満ではピンホー
ルを生じやすくなり、100μmを超えると分離効率が
低下したり重くなり過ぎる。より好ましくは、1〜20
μmである。
【0011】透過層22の材質としては、分離膜積層材
12を製造可能であり、目的とするガスや液体などの透
過物質を充分に透過しうる素材であれば特にその種類は
限定されず分離膜積層材12の用途により適宜選択して
用いることができる。分離膜積層材12の用途が水素分
離装置などであれば、透過層22としては、タンタル、
ニオブ、バナジウムやこれらを少なくとも1種類含む合
金などを適用することができる。透過層22は、板材で
もよいし、メッキや蒸着などによる膜材であってもよい
し、アモルファスであってもよいし、複数層の透過層か
らなる積層体であってもよい。また透過層22の厚み
は、5〜500μmが好ましい。5μ未満では充分な強
度を維持することが難しく、500μmを超えると重く
なり過ぎる。より好ましくは、10〜150μmであ
る。
【0012】分離膜材10は、例えば、透過層22に適
切な積層手段により分離層28を形成することなどで製
造することができる。積層手段には、分離膜積層材の用
途などにより、CVD(Chemical Vapor
Deposition)、スパッタリング、真空蒸
着、イオンプレーティングなどの乾式製膜手段や、電気
めっき、無電解めっきなどの湿式製膜手段から適宜選択
して用いることができる。また後述する活性化接合法を
用いることによっても製造することが可能である。分離
膜材が分離層1層のみからなる場合には、機械的強度な
どの制約から、分離能力を十分に確保しうる程度以上の
分離層厚みを要するのに対し、分離膜材が分離層と透過
層の2つの異なった機能層からなる場合には、それぞれ
に好適な材料を選択し組み合わせることで、分離膜材の
性能やコストなどを改善することが可能である。例え
ば、分離層材料が高価な場合、分離能力が十分に確保し
うる範囲で分離層の層厚みを薄くして、比較的安価な透
過層と積層することで、分離能力を落とすことなく分離
膜材のコストの抑制を図ることができる。同様に分離層
の透過速度が遅い場合は、分離能力が十分に確保しうる
範囲で分離層厚みを薄くして、比較的透過速度の速い透
過層と積層することにより分離膜材の実効的な透過速度
の向上を図ることができる。また透過層は分離層の機械
的な補強材として利用することができる。なお分離膜材
は、透過層と分離層を複数積層した積層体であってもよ
い。
【0013】分離膜積層材12は、例えば、透過層22
と分離層28を積層してなる分離膜材10と、中間材2
4と支持材26を積層してなる積層部材11とを積層接
合してなるものであって、以下に説明する活性化接合法
を用いることによって製造することができる。図8に示
すように、真空槽52内において、巻き戻しリール62
に分離膜材10を、巻き戻しリール64に積層部材11
をそれぞれ設置する。次に巻き戻しリール62に設置さ
れた分離膜材10を形成する分離層28側の中間材24
との接合予定面側を、活性化処理装置70で活性化処理
する。同様にして巻き戻しリール64に設置された積層
部材11を形成する中間材24側の分離層28との接合
予定面側を、活性化処理装置80で活性化処理する。
【0014】活性化処理は、以下のようにして実施す
る。すなわち、真空槽52内に装填された積層部材11
を形成する支持材26側、分離膜材10を形成する透過
層22側をそれぞれアース接地された一方の電極Aと接
触させ、絶縁支持された他の電極Bとの間に、10〜1
×10−3Paの極低圧不活性ガス雰囲気中で、1〜5
0MHzの交流を印加してグロー放電を行わせ、グロー
放電によって生じたプラズマ中に露出される電極Aと接
触した積層部材11を形成する中間材24側、分離膜材
10を形成する分離層28側のそれぞれの面積が、実効
的に電極Bの面積の1/3以下となるように、中間材2
4側および分離層28側の面をそれぞれスパッタエッチ
ング処理する。不活性ガスとしては、アルゴン、ネオ
ン、キセノン、クリプトンなどや、これらを少なくとも
1種類含む混合体を適用することができる。好ましくは
アルゴンガスである。なお不活性ガス圧力が1×10
−3Pa未満では安定したグロー放電が行いにくく高速
エッチングが困難であり、10Paを超えると活性化処
理効率が低下する。印加する交流は、1MHz未満では
安定したグロー放電を維持するのが難しく連続エッチン
グが困難であり、50MHzを超えると発振し易く電力
の供給系が複雑となり好ましくない。また、効率よくエ
ッチングするためには電極Aと接触した積層部材11を
形成する中間材24側、分離膜材10を形成する分離層
28側のそれぞれの面積を電極Bの面積より小さくする
必要があり、実効的に1/3以下とすることにより充分
な効率でエッチング可能となる。
【0015】その後これら活性化処理された積層部材1
1を形成する中間材24側、分離膜材10を形成する分
離層28側を対向させて積層接合する。積層接合は、積
層部材11を形成する中間材24側、分離膜材10を形
成する分離層28側のそれぞれ活性化処理された面が対
向するようにして両者を当接して重ね合わせ圧接ユニッ
ト60で冷間圧接を施すことによって達成することがで
きる。この際の積層接合は低温度で可能であり、積層部
材11、分離膜材10ならびに接合部に組織変化や合金
層の形成などといった悪影響を軽減または排除すること
が可能である。Tを積層部材、分離膜材の温度(℃)と
するとき、0℃<T≦300℃で良好な圧接状態が得ら
れる。0℃以下では特別な冷却装置が必要となり、30
0℃を超えると組織変化などの悪影響が生じてくるため
好ましくない。さらにこの際の積層接合は低加圧力での
接合が可能であるため、分離膜積層材の残留応力を低く
抑えることができる。また、圧延率R(%)は、0.1
%≦R≦30%であることが好ましい。0.1%未満で
は、十分な接合強度が得られず、30%を超えると変形
が大きくなり加工精度上好ましくない。
【0016】このように積層接合することにより、所要
の層厚みを有する分離膜積層材12を形成することがで
き、巻き取りロール66に巻き取られる。さらに必要に
より所定の大きさに切り出して、図3に示す分離膜積層
材12を製造することができる。またこのようにして製
造された分離膜積層材12に、接合界面での合金層の形
成などが問題とならない程度に必要により残留応力の除
去または低減などのために熱処理を施してもよい。なお
分離膜材10は、上記の図8の説明において、積層部材
11の代わりに電解箔や圧延箔などの板材の透過層22
を用い、分離膜材10の代わりに電解箔や圧延箔などの
板材の分離層28を用いることによっても製造すること
ができる。また積層部材11も、同様にして、分離膜材
10の代わりに電解箔や圧延箔などの板材の支持材26
を用い、積層部材11の代わりに電解箔や圧延箔などの
板材の中間材24を用いることによっても製造すること
ができる。
【0017】なお分離膜積層材12の製造にはバッチ処
理を用いることができる。すなわち真空槽内に予め所定
の大きさに切り出された積層部材や分離膜材の板材を複
数枚装填して活性化処理装置に搬送して垂直または水平
など適切な位置に処理すべき面を対向または並置した状
態などで設置または把持して固定して活性化処理を行
い、さらに積層部材や分離膜材の板材を保持する装置が
圧接装置を兼ねる場合には活性化処理後に設置または把
持したまま圧接し、積層部材や分離膜材の板材を保持す
る装置が圧接装置を兼ねない場合にはプレス装置などの
圧接装置に搬送して圧接を行うことにより達成される。
なお活性化処理は、積層部材や分離膜材の板材を絶縁支
持された一方の電極Aとし、アース接地された他の電極
Bとの間で行うことが好ましい。
【0018】本発明の部品は、例えば、図4、5に示す
ように分離膜積層材12の積層部材11の部分に1段ま
たは複数段のエッチング加工を施した中間開口材16や
開口接合材30、さらに図6に示すように開口接合材3
0にメッシュ板34や基台36を積層した分離膜ユニッ
ト32などである。さらに分離膜材を積層部材で挟み込
んだ形態の積層部材−分離膜材−積層部材の多層構造な
ども分離膜積層材であり、この場合積層部材は外側が支
持材で内側が中間材となる。また分離膜積層材の少なく
とも一方の積層部材に1段または複数段のエッチング加
工を施した中間開口材や開口接合材、さらにこれらにメ
ッシュ板34や基台36を積層した分離膜ユニット32
なども部品とすることができる。
【0019】図3に示す分離膜積層材12の積層部材1
1の部分に、2段のエッチング加工を施して、所定の開
口率で支持材26や中間材24に少なくとも1つの開口
を設けることができる。この場合、支持材26、中間材
24の材質、エッチング方法、エッチング液などを適切
に選定することにより、この中間材24をエッチングス
トップ層として機能させることができ、分離膜材10に
悪影響を与えることなくエッチング加工を施すことがで
きる。すなわち、分離膜材10の部分がエッチングの影
響を受けないように積層部材11の支持材26の部分を
エッチング加工して図4に示す中間開口材16を製造
し、次いで中間開口材16の中間材24の部分をエッチ
ング加工することにより、積層部材部分に開口を設ける
ことができ、図5に示す開口接合材30を製造すること
ができる。同様にして積層部材−分離膜材−積層部材の
多層構造の分離膜積層材にエッチング加工を施すことに
よって、分離膜材の両側に開口を設けた開口接合材を製
造することができる。
【0020】例えば図3に示す分離膜積層材12におい
て、支持材26にステンレス箔を用い、中間材24に銀
箔を用い、分離膜28にパラジウム合金層を用い、透過
層22にタンタル合金層を用いる。積層部材部分のエッ
チング液として、ステンレス箔26に対しては、塩化第
二鉄液を用い、銀箔24に対しては硝酸第二鉄液を用い
る。ステンレス箔26に対して塩化第二鉄液を用いるこ
とにより、銀箔24をエッチングストップ層として機能
させることができ、分離膜材10に悪影響を与えること
なく支持材26に開口を設けることができ、中間開口材
16を製造することができる。次に銀箔24に対して硝
酸第二鉄液を用いることにより、分離膜材10に与える
悪影響を抑えて中間材24に開口を設けることができ、
開口接合材30を製造することができる。
【0021】本発明の部品は、分離膜部品や分離膜ユニ
ット32に適用することができる。さらに分離膜部品や
分離膜ユニット32は水素分離装置などへ適用すること
もできる。分離膜部品は、例えば、分離膜積層材の積層
部材部分にエッチング加工を施した中間開口材や開口接
合材、積層部材−分離膜材−積層部材の多層構造の分離
膜積層材の両面にエッチング加工を施した中間開口材や
開口接合材などである。
【0022】分離膜ユニット32は、例えば図6に示す
ように、開口接合材30にメッシュ板34を積層したも
のであり、あるいは基台36をさらに積層したものであ
る。図5に示す開口接合材30は、分離膜積層材12の
積層部材11部分に複数段のエッチング加工を施して製
造したもので、分離膜材10の片面に開口を有し他面が
露出した形態である。この開口接合材30の分離膜材の
露出面側にメッシュ板34を、また必要により基台36
を積層してレーザー溶接などで接合することにより図6
に示す分離膜ユニット32を製造することができる。メ
ッシュ板34は開口接合材の保護や補強などを図るため
のものであり、ステンレス鋼などにエッチング加工など
を施して貫通孔を設けたものである。基台36は、開口
接合材の保持や分離膜材より透過した水素などの目的と
する透過ガスを集めるためのものであり、例えば図7に
示すように基台の表面や内部に透過ガスHのための溝や
トンネルなどの導出路を設けたものである。また必要に
より、基台表面に分離膜部品やメッシュ板を支える支持
台部39を設けることによって分離膜部品やメッシュ板
の変形を抑止することができる。さらに基台の他の面に
も適切な導出路を設けることにより、基台の上下面や側
面にも開口接合材を配置することができ、分離膜ユニッ
ト32の分離能力を高めることができる。例えば、基台
の上下面に導出路を設けて2つの開口接合材を積層した
場合、分離能力はほぼ2倍となる。なお必要により開口
接合材の供給ガスG側にメッシュ板を積層してもよい
し、分離膜材の両面に開口を有する開口接合材を用いる
場合は、開口接合材と基台36の間のメッシュ板34を
省略してもよい。
【0023】本発明の部品を分離膜部品や分離膜ユニッ
ト32に適用する場合、図6に示すように、目的とする
ガスの分離効率を高めるために、供給ガスG側の開口部
は開口の総面積を増して分離膜材と供給ガスGとの接触
面積を大きくすることができる。分離膜積層材の積層部
材部分に丸孔や長孔などの開口を多数設けることでは開
口間に支持材や中間材が残るため開口率は低くなり、そ
のため分離膜積層材自体を大きくしなければらなくなる
が、逆に各開口を大きくして開口間の残部を減らすこと
により開口率を上げて開口の総面積を増すことが可能で
ある。
【0024】本発明の部品では、積層部材部分に複数段
のエッチング加工を施すことにより、各開口の面積を増
しても積層部材部分のエッチング加工による分離膜材へ
のピンホール発生などの悪影響はないため、各開口の大
きさはエッチング加工による制限は受けずに、分離膜材
の強度などにより決定することができる。各開口の大き
さは形状により異なるが、幅または短径で1mm〜10
0mm、あるいは面積で1mm〜10000mm
あることが好ましい。1mm未満では充分な接触面積が
得られず、100mmを超えると強度が不足してくる。
同様に1mm未満では充分な接触面積が得られず、1
0000mmを超えると強度が不足してくる。より好
ましくは、幅または短径で2mm〜10mm、あるいは
面積で4mm〜100mmである。
【0025】開口接合材は、溶接しろなどの固定や保持
のための領域の枠部と分離膜材を露出させるための孔開
け加工を施された領域の開口部からなり、さらに開口部
は分離膜材を露出させる少なくとも1つの開口と開口間
に残された積層部材部分の仕切からなる。開口面積を開
口部における分離膜材の露出した面積とし、仕切面積を
開口部における分離膜材が隠れた非露出面積とすると
き、開口面積の総和と仕切面積の総和の比率である開口
率は、開口率(%)=露出総面積/(露出総面積+仕切
総面積)で表すことができる。なお開口率は50%〜9
9%が好ましい。50%未満では分離効率が悪く99%
を超えると強度が不足する。より好ましくは70%〜9
5%であり、さらに好ましくは80%〜90%である。
【0026】
【実施例】以下に、実施例を図面に基づいて説明する。
積層部材11として厚み100μmのステンレス(JI
S規定のSUS430)箔からなる支持材26に銀から
なる中間材24をメッキにより5μm積層したものを用
い、分離膜材10として20μm厚みのタンタル合金か
らなる透過層22にパラジウム合金からなる分離層28
を蒸着法により1μm積層したものを用いた。分離膜材
10、積層部材11を積層材製造装置50にセットし、
真空槽52内の活性化処理ユニット70および80でス
パッタエッチング法によりそれぞれ活性化処理した。次
に圧接ユニット60を用いて、これら活性化処理された
分離膜材10、積層部材11を、活性化処理面同士を重
ね合わせて圧接して積層接合して分離膜積層材12を製
造した。次に分離膜積層材12の積層部材11部分に2
段エッチング加工を施して開口接合材30を製造した。
さらに開口接合材30にメッシュ板34、基台36を接
合して分離膜ユニット32を製造した。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明の分離膜積層
材は透過層と分離層と中間材と支持材とを積層してなる
ものであり、本発明の部品は分離膜積層材を用いたもの
である。このため分離膜積層材の接合面での合金層形成
などの悪影響を排除もしくは軽減可能であり、分離膜ユ
ニット32などへの適用も好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分離膜積層材に用いる分離膜材の一実
施形態を示す概略断面図である。
【図2】本発明の分離膜積層材に用いる部材の一実施形
態を示す概略断面図である。
【図3】本発明の分離膜積層材の一実施形態を示す概略
断面図である。
【図4】本発明の部品の一実施形態を示す概略断面図で
ある。
【図5】本発明の部品の他の一実施形態を示す概略断面
図である。
【図6】本発明の部品のさらに他の一実施形態を示す概
略断面図である。
【図7】本発明の部品の製造に用いる基台の一実施形態
を示す概略平面図である。
【図8】分離膜積層材の製造に用いる装置の一実施形態
を示す概略断面図である。
【符号の説明】
10 分離膜材 11 積層部材 12 分離膜積層材 16 中間開口材 22 透過層 24 中間材 26 支持材 28 分離層 30 開口接合材 32 分離膜ユニット 34 メッシュ板 36 基台 37 溝 38 トンネル 39 支持台部 50 製造装置 52 真空槽 60 圧接ユニット 62 巻き戻しリール 64 巻き戻しリール 66 巻き取りロール 70 活性化処理装置 72 電極ロール 74 電極 80 活性化処理装置 82 電極ロール 84 電極 A 電極A B 電極B G 供給ガス H 透過ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB04 AB24 AR00C AR00D AT00A AT00B BA04 BA07 BA10A BA10D EH66A EH66B EH66C EH66D EH71 EJ64A EJ64B EJ64C EJ64D GB90 JD01D JD20C

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持材と中間材と分離層と透過層とを積
    層してなる分離膜積層材であって、分離膜積層材の少な
    くとも1つの接合面を、接合されるそれぞれの面を活性
    化処理した後、活性化処理面同士が対向するように当接
    して重ね合わせて積層接合してなることを特徴とする分
    離膜積層材。
  2. 【請求項2】 前記活性化処理が、不活性ガス雰囲気中
    でグロー放電を行わせて、前記接合されるそれぞれの面
    をスパッタエッチング処理することを特徴とする請求項
    1に記載の分離膜積層材。
  3. 【請求項3】 支持材と中間材と分離層と透過層とを積
    層してなる分離膜積層材を用いてなることを特徴とする
    部品。
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