JP2003311757A - 複合レンズの成形方法 - Google Patents
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Abstract
えるようにした複合レンズの成形方法を得る。 【解決手段】 ガラスレンズの一面に成形型を用いて光
硬化性樹脂からなる複合層を転写することにより成形す
る複合レンズの成形方法において、成形型4と複合層3
との鏡面をなす第1の転写面4aの外周部に、成形型4
の引き剥がし方向に対して当該成形型4と複合層3との
離型のきっかけとなる直交する第3の転写面4cをもつ
ようにした。
Description
った複合レンズの成形方法に関し、詳しくは、成形型と
複合層との転写面の外周部に離型方向に対して略直交す
る面をもつことによって、成形型と複合層との離型を小
さな力で容易に行えるようにしたものである。
光硬化性樹脂からなる非球面複合層を形成した、いわゆ
る複合レンズは比較的安価に非球面レンズを成形する手
段として実用化されている。この複合レンズは光学ガラ
ス製の単レンズのレンズ面に紫外線硬化性樹脂等からな
る複合層を形成することによって製作される。
形段階においては、成形型の転写面形状を確実に転写さ
せるために転写面が鏡面状に仕上げられており、このた
め、成形型と複合層との密着度が非常に高く成形型から
どのように剥離し離型するかが問題となっていた。
る複合層と成形型との線膨張係数の差を用いたり、複合
層と成形型とが密着しないように転写面の一部に鏡面状
にしない部分を配置する方法をとっていた。
加熱や冷却する手段が特別に必要となったり、樹脂とガ
ラスとの間の密着性との兼ね合いよりガラスとの間にお
いて剥離が発生することもあり、確実な方法とは言えず
量産性に不向きであった。
ためにあえて荒れた面とするため、複合層と成形型との
接する面積が増加し、このため、逆に接する部分の密着
性が上がってしまったり、同じ面粗さをもった成形型が
作りがたく、よって剥離時の条件が成形型によって異な
ることから剥離するための設備に負担をしいることとな
り、この場合も量産性に不向きであった。
ためになされたもので、成形型と複合層との離型を確実
かつ容易に行えるようにした複合レンズの成形方法を得
ることを目的とする。
め本発明による複合レンズの成形方法は、単レンズの少
なくとも一面に成形型を用いて光硬化性樹脂からなる複
合層を転写することにより成形する複合レンズの成形方
法において、成形型と複合層との鏡面をなす転写面の外
周部の一部又は全域であって、成形型の離型方向に対し
て当該成形型と複合層との離型のきっかけとなる略直交
する面をもつようにしたものである。
成形型と複合層との転写面の外周部に成形型の離型方向
に対して略直交する面をもつようにしたことによって、
成形型を複合層から離型したときの剥がす力に対して直
交する面には摩擦力が発生することもなく、従って、成
形型を複合層から剥がす力は成形型と複合層との密着力
と同等の力でよく、この略直交する面が離型のきっかけ
となり、略直交な面が剥離したときの外周部から空気が
入り込むことによって曲率をもつ成形型と複合層との転
写面の密着力が低下し成形型の剥離が可能となる。
成形方法の実施の形態を図面を参照して説明する。
法の一例を示す。符号1がレンズ支持台であり、このレ
ンズ支持台1上に単レンズからなるガラスレンズ(以
下、レンズ2という)が載置される。符号3がレンズ2
上に塗布等により形成される紫外線硬化樹脂からなる複
合層であり、この複合層3を成形型4により転写し、こ
の後、レンズ2側から紫外線Uを照射することにより複
合層3が硬化され、成形型4を離型することでレンズ2
と複合層3とが一体化された複合レンズが製作できる。
いては、複合層3と接する成形型4の転写面は鏡面加工
されていることから、複合層3と成形型4とに密着力が
生じ複合レンズの形成後に複合層3から成形型4を剥離
(離型)する方法については従来の技術で説明した方法
以外にも種々提案されている。
かつ容易に行えるようにした複合レンズ成形方法の第の
実施形態の要部の拡大図を図2に示す。
面を鏡面加工するための第1の転写面4aを有し、この
第1の転写面4aの外周部には成形型4の離型方向Wに
対して平行する鏡面加工された垂直な第2の転写面4b
が形成され、この第2の転写面4bの外周部には成形型
4の離型方向Wに対して直交する向きで鏡面加工され
た、いわゆる水平な第3の転写面4cが形成されてい
る。この第3の転写面4cは第1の転写面4aの延長線
上より凸状部5にされている。
ら成形型4の剥離が低減できる原理を図3に示した成形
型が曲面状にされた場合と、図4に示した本発明の成形
型とを比較して説明する。
の間で離型に有効である外周部の点で、成形型4と複合
層3との密着力をF1 としたとき、離型に働く力を密着
力であるF1 と同等にするためには、成形型4の外周部
では曲率をもつために、成形型4を垂直に動かす力F2
は、離型に働く力F1 と摩擦力F3 との合力となる。こ
のため、成形型4を離型するためには離型に働く力F1
よりも大きな力F2 が必要となることが判る。
に成形型4の外周部に水平な第3の転写面4cを形成し
た場合では、離型外周部の水平な第3の転写面4cで
は、離型に働く力F1 は複合層3との密着力F1 と同等
であるため、成形型4を垂直に動かす力はF1 と同じで
よい。従って、成形型4の外周部に水平な第3の転写面
4cを形成することにより、離型に必要な力を図3の場
合のF2 からF1 へ軽減された力により成形型の離型が
可能になることが理解できる。
転写面4cが離型のきっかけとなり、このあと、第3の
転写面4cが剥離されることで、ここから空気が第1の
転写面4aに入り込むことにより確実かつ容易に剥離す
ることができる。ここで、離型に必要なトルクを図3と
図4とで比較すると、成形型4を引き上げる力をそれぞ
れW0 、W1 とすると、W1 ≒1/3W1 の関係とな
り、離型に必要な力が低減されたことが実験値から確認
された。
の実施の形態を図5に示す。これによれば、第3の転写
面4cの外周縁部に仰角方向に僅かに緩く傾斜する鏡面
加工した第4の転写面4dを設けたものである。このよ
うにすることであっても、第4の転写面4dは形成型4
の離型方向と略直交する面となり、この場合、僅かに緩
く傾斜する第4の転写面4dは離型に働く力に対して摩
擦力は無視できる小さなものとなり、従って、上述した
図2に示した場合と同様に離型に必要な力を軽減するこ
とができ、成形型を引き上げたとき水平な第3の転写面
4cと共に第4の転写面4dが剥離のきっかけとなり確
実かつ容易に剥離することができる。
す。これによれば、第3の転写面4cに相当する転写面
が全体に仰角方向に僅かに緩く傾斜する(余弦分の負荷
増加は見込まれるが僅かである)鏡面加工した第3の転
写面4eを設けたものである。この場合も第3の転写面
4eは、形成型4の離型方向と略直交する面となり、こ
の場合、僅かに緩く傾斜する第3の転写面4eは離型に
働く力に対して摩擦力は無視できる小さなものとなり、
従って、上述した図2に示した場合と同様に離型に必要
な力を軽減することができ、成形型を引き上げたとき第
3の転写面4eが剥離のきっかけとなり確実かつ容易に
剥離することができる。
す。これによれば、第2の転写面4bはなく第1の転写
面4aの外周部から成形型の離型方向と直交する水平な
鏡面加工した第3の転写面4fを設け、この第3の転写
面4fの外周縁部に仰角方向に僅かに緩く傾斜する鏡面
加工した第4の転写面4gを設けたものである。このよ
うにすることであっても、第4の転写面4gは形成型4
の離型方向と略直交する面となり、この場合、僅かに緩
く傾斜する第4の転写面4gは離型に働く力に対して摩
擦力は無視できる小さなものとなり、従って、離型に必
要な力を軽減することができ、成形型を引き上げたとき
水平な第3の転写面4fと共に第4の転写面4gが剥離
のきっかけとなり確実かつ容易に剥離することができ
る。
施の形態において、第1の転写面4aの外周部を延長線
上より凸状部5にすることによって、レンズ2に塗布し
た樹脂量のバラツキを吸収し成形型4外へのはみ出しを
防止することができる。
られる剥離のきっかけとなる略直交する面を有する凸状
部5は、第1の転写面4aの外周部の全域あるいは外周
部の一部に形成されることであってもよい。
形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範
囲内で種々の変形実施が可能である。
の一面に複合層を成形する方法について説明したが、ガ
ラスレンズの両面に複合層を成形する場合についても本
発明の成形方法が広く適用可能である。
ンズの成形方法は、成形型と複合層との鏡面をなす転写
面の外周部の一部又は全域に、成形型の離型方向に対し
て当該成形型と複合層との離型のきっかけとなる略直交
する面をもつようにしたことで、複合層から成形型が小
さな引き剥がし力で容易にかつ確実に分離することがで
きるといった効果がある。
の概要図である。
の説明図である。
の原理図である。
力の原理図である。
ある。
ある。
ある。
ームレバー、12…支点軸、13…ロックアーム、13
a…水平受け面、14…リターン片、15…レバー、1
6…ボス、17…回転支点部、18…抑え板、22…プ
ランジャー、23…ソケット、26…プランジャーホル
ダー、44…ポップアップ板金、46…コイルばね、4
9…ワイヤー、53…傾斜面板、54…リリースばね
Claims (3)
- 【請求項1】 単レンズの少なくとも一面に成形型を用
いて光硬化性樹脂からなる複合層を転写することにより
成形する複合レンズの成形方法において、 上記成形型と上記複合層との鏡面をなす転写面の外周部
の一部又は全域であって、上記成形型の離型方向に対し
て当該成形型と複合層との離型のきっかけとなる略直交
する面をもつことを特徴とする複合レンズの成形方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の複合レンズの成形方法に
おいて、 略直交する面が上記転写面の延長線上より凸状をなして
いることを特徴とする複合レンズの成形方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の複合レンズの成形方法に
おいて、 略直交する面が上記転写面と同様な鏡面をなしているこ
とを特徴とする複合レンズの成形方法。
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