JP2003308874A - 非水電解質電池 - Google Patents
非水電解質電池Info
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- JP2003308874A JP2003308874A JP2002114047A JP2002114047A JP2003308874A JP 2003308874 A JP2003308874 A JP 2003308874A JP 2002114047 A JP2002114047 A JP 2002114047A JP 2002114047 A JP2002114047 A JP 2002114047A JP 2003308874 A JP2003308874 A JP 2003308874A
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Abstract
有する非水電解質電池を容易に提供する。 【解決手段】 ベンゾ[1,4]ジオキシン(化学式
1)、ベンゾ[1,3]ジオキソール(化学式2)、ま
たはその誘導体を含有している非水電解質を用いる。前
記ベンゾ[1,4]ジオキシン、ベンゾ[1,3]ジオ
キソール、またはその誘導体はフッ化物であるとより好
ましい。前記非水電解質はエチレンカーボネート、プロ
ピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等のπ結合
を有さない環状カーボネートを含有していることが好ま
しい。負極にグラファイトを用いるとさらに効果的であ
る。 (X1〜X8はH,F,アルキル基,フルオロアルキル
基等である)
Description
するもので、特に、非水電解質電池に用いる非水電解質
の改良に関するものである。
次電池は、携帯電話,PHS(簡易携帯電話),小型コ
ンピューター等の携帯機器類用電源、電力貯蔵用電源、
電気自動車用電源として注目されている。
を主要構成成分とする正極と、負極活物質を主要構成成
分とする負極と、非水電解質とから構成される。
しては、リチウム含有遷移金属酸化物が、負極活物質と
しては、グラファイトに代表される炭素質材料が、非水
電解質としては、六フッ化リン酸リチウム(LiP
F6)等の電解質塩がエチレンカーボネートを主構成成
分とする非水溶媒に溶解されたもの等が広く知られてい
る。
チウム二次電池は、過充電を行うと、過充電状態が深く
なるに伴い、正極ではリチウムの過剰な引き抜きが生じ
ると共に負極ではリチウムの過剰な挿入が生じ、正・負
極の両極が熱力学的に不安定化する。このように、正・
負極の両極が熱力学的に不安定になると、やがては非水
電解質を構成する有機溶媒等を分解する方向に作用し、
急激な発熱反応により電池が発熱するという問題があっ
た。このような状況は、リチウム二次電池のエネルギー
密度が増加するほど重大な問題となる。
て、特開平7−302614号公報、特開平9−508
22号公報等には、満充電時の正極電位よりも貴な電位
に可逆性酸化還元電位を有し、π電子軌道をもつ分子量
500以下のアニソール誘導体等の芳香族化合物を電解
液に添加する技術が開示されている。すなわち、このよ
うな芳香族化合物が過充電時に酸化されることにより、
正・負極の熱力学的な不安定化を防止できるため、過充
電時においても電池の安定性が確保できるとされてい
る。
過充電時には有効に作用するものの、サイクル性能や保
存性能といった電池性能に対して悪影響を及ぼすという
問題があった。また、前記芳香族化合物はリチウム電位
に対して4.5V程度の電位で酸化分解されガスを発生
するとともに、重合物を形成することにより電池を保護
するものであるが、非水電解質の組成によっては前記重
合物が溶解するため、過充電に対して有効に作用しない
場合も生じる。このように、π電子軌道をもつアニソー
ル誘導体等の芳香族化合物は必ずしも過充電状態を抑制
する効果を発揮するものではなかった。
は、電池の最大動作電圧以上の電極電位で重合するよう
なビフェニル等の化合物を電解液に添加する技術が開示
されている。さらに、特開平2000−58117号公
報等には、電池が過充電状態に達すると、分解反応を開
始してガスを発生するとともに重合反応を開始して重合
物が生成されるような、エーテル誘導体を電解液に添加
する技術が開示されている。すなわち、過充電状態の電
池電圧に達したときにこれらの化合物から生成する重合
物は、電解液中で再溶解が起こりにくい物質であるた
め、重合物が電極活物質表面を覆うことによって電池の
内部抵抗を高くし、過充電時にも電池の安定性を確保で
きるとされている。
ような問題があった。すなわち、ビフェニルは、極性が
低く、かつ電解液に対する溶解性が低いため、低温作動
時に前記添加剤が一部析出して電池性能の低下を引き起
こすという問題があった。また、3−クロロ−チオフェ
ンは酸化分解されやすいうえ、刺激性、強い異臭を有す
る点で問題があった。フランは酸化分解されやすいとい
う問題があった。このように、いずれの化合物も電池性
能に悪影響を及ぼすという問題があった。
のであり、その目的は、性能が安定で、且つ、高いエネ
ルギー密度を有する非水電解質電池を容易に提供するこ
とである。
め、本発明者らは、鋭意検討の結果、非水電解質に特定
の物質を添加することにより、驚くべきことに、安定性
に優れ、且つ、高いエネルギー密度を有する非水電解質
電池が得られることを見出し、本発明に至った。すなわ
ち、本発明の技術的構成及びその作用効果は以下の通り
である。ただし、作用機構については推定を含んでお
り、その正否は、本発明を制限するものではない。
非水電解質とから、少なくとも構成される非水電解質電
池において、前記非水電解質は、(化学式1)で表され
るベンゾ[1,4]ジオキシンまたはその誘導体を含有
していることを特徴とする非水電解質電池である。
〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル
基、フェニル基、アリール基、アルキルフェニル基、ま
たはその誘導体である。)
中に前記ベンゾ[1,4]ジオキシンまたはその誘導体
を含有することにより、過充電時に、前記ベンゾ[1,
4]ジオキシンまたはその誘導体が正極上でラジカルカ
チオンとなり、また負極上で前記ラジカルカチオンが還
元されるため、電池電圧を6V以上に上げることを抑制
する。
4]ジオキシンの誘導体は、フッ化物であることを特徴
としている。
[1,4]ジオキシンまたはその誘導体のフッ化物は、
非水電解質を構成する有機溶媒との親和性が高いため、
低温性能や保存性能といった電池性能に悪影響を及ぼす
ことがないだけでなく、フッ素化されているため酸化電
位が高く、通常の充放電によっては正極上での酸化分解
がほとんど起こらないため、過剰に添加しても電池性能
を低下させることはない。よって、充放電効率が高く、
高いエネルギー密度を有する非水電解質電池とすること
ができる。さらに、前記ベンゾ[1,4]ジオキシンま
たはその誘導体のフッ化物は、フッ素化されているため
引火点が高い。
非水電解質とから、少なくとも構成される非水電解質電
池において、前記非水電解質は、(化学式2)で表され
るベンゾ[1,3]ジオキソールまたはその誘導体を含
有していることを特徴とする非水電解質電池である。
〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル
基、フェニル基、アリール基、アルキルフェニル基、ま
たはその誘導体である)
中に前記ベンゾ[1,3]ジオキソールまたはその誘導
体を含有することにより、過充電時に、前記ベンゾ
[1,3]ジオキソールまたはその誘導体が正極上でラ
ジカルカチオンとなり、また負極上で前記ラジカルカチ
オンが還元されるため、電池電圧を6V以上に上げるこ
とを抑制する。
3]ジオキソールの誘導体は、フッ化物であることを特
徴としている。
[1,3]ジオキソールまたはその誘導体のフッ化物
は、非水電解質を構成する有機溶媒との親和性が高いた
め、低温性能や保存性能といった電池性能に悪影響を及
ぼすことがないだけでなく、フッ素化されているため酸
化電位が高く、通常の充放電によっては正極上での酸化
分解がほとんど起こらないため、過剰に添加しても電池
性能を低下させることはない。よって、充放電効率が高
く、高いエネルギー密度を有する非水電解質電池とする
ことができる。さらに、前記ベンゾ[1,3]ジオキソ
ールまたはその誘導体のフッ化物は、フッ素化されてい
るため引火点が高い。
は、π結合を有さない環状カーボネートを含有している
ことを特徴とする非水電解質電池である。
中にπ結合を有さない環状カーボネートを含有すること
により、非水電解質の沸点及び引火点を高く保つことが
できる上に、高誘電率を有するため、リチウムイオン伝
導度を向上でき、さらに耐酸化性に優れることから、上
記効果が顕著に得られる。よって、より安定性に優れ、
充放電効率が高く、高いエネルギー密度を有する非水電
解質電池とすることができる。
ない環状カーボネートは、エチレンカーボネート、プロ
ピレンカーボネート及びブチレンカーボネートからなる
群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする
非水電解質電池である。
中に含有するπ結合を有さない環状カーボネートを、エ
チレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びブチ
レンカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1
種とすることにより、高誘電率を有し、耐酸化性に優れ
たこれらの有機溶媒の特性を生かすことができるため、
上記効果がより顕著に得られる。
ファイトからなる負極活物質を有することを特徴とする
非水電解質電池である。
トは、金属リチウムの電位(水溶液系においては−3.
045V vs. NHE)に極めて近い作動電位を有
し、かつ充放電における不可逆容量を小さくできること
から、作動電圧が高く、エネルギー密度の高い非水電解
質電池とすることができる。
複合材料を用いたことを特徴とする非水電解質電池であ
る。
合材料は、金属よりも軽く、また、薄形形状に容易に成
形できるので、非水電解質電池の小形軽量化が容易に達
成できる。
示するが、本発明は、これらの記述に限定されるもので
はない。
質を主要構成成分とする正極と、負極活物質を主要構成
成分とする負極と、電解質塩を非水溶媒に溶解したベン
ゾ[1,4]ジオキシン、ベンゾ[1,3]ジオキソー
ル、またはその誘導体を含有する非水電解質とから構成
され、一般的には、正極と負極との間に、非水電解質電
池用セパレータが設けられる。
またはその誘導体は、(化学式1)に示される構造を有
するものである。
子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオ
ロアルキル基、フェニル基、アリール基、アルキルフェ
ニル基、またはその誘導体である。
その誘導体のフッ化物として例えば、6−フルオロ−
2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン、5,
6,7,8−テトラフルオロ−2,3−ジヒドロ−ベン
ゾ[1,4]ジオキシン等の単独またはそれら2種以上
の混合物等を挙げることができるが、これらに限定され
るものではない。
キソールまたはその誘導体は、(化学式2)に示される
構造を有するものである。
子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオ
ロアルキル基、フェニル基、アリール基、アルキルフェ
ニル基、およびその誘導体のいずれかである。
はその誘導体のフッ化物として例えば、5−フルオロ−
ベンゾ[1,3]ジオキソール、4,5,6,7−テト
ラフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール等の単独ま
たはそれら2種以上の混合物等を挙げることができる
が、これらに限定されるものではない。
[1,3]ジオキソール、またはその誘導体の含有量
は、非水電解質の全重量に対して0.01重量%〜20
重量%であることが好ましく、より好ましくは0.10
重量%〜15重量%である。ベンゾ[1,4]ジオキシ
ン、ベンゾ[1,3]ジオキソール、またはその誘導体
の含有量を、非水電解質の全重量に対して0.01重量
%以上とすることにより、過充電時における非水電解質
を構成するその他の有機溶媒の分解をほぼ完全に抑制
し、安定性をより確実に確保することができる。また、
20重量%以下とすることにより、非水電解質の粘度が
高くなりすぎないので、高率充放電時や低温下において
も、充分な電池性能を発揮することができる。
非水電解質電池用非水電解質に使用される有機溶媒が使
用できる。例えば、プロピレンカーボネート、エチレン
カーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレン
カーボネート、ビニレンカーボネート、ビニルエチレン
カーボネート等の環状カーボネート;γ−ブチロラクト
ン、γ−バレロラクトン、プロピオラクトン等の環状エ
ステル;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、エチルメチルカーボネート、ジフェニルカーボネー
ト等の鎖状カーボネート;酢酸メチル、酪酸メチル等の
鎖状エステル;テトラヒドロフラン又はその誘導体、
1,3−ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエトキシエ
タン、メトキシエトキシエタン、メチルジグライム等の
エーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニト
リル類;ジオキサラン又はその誘導体;スルホラン、ス
ルトン又はその誘導体等の単独又はそれら2種以上の混
合物等を挙げることができるが、これらに限定されるも
のではない。
高誘電率を有するπ結合を有さない環状カーボネートを
含有することにより、本発明の効果が充分に発揮できる
ため好ましく、なかでも、エチレンカーボネート、プロ
ピレンカーボネート、ブチレンカーボネートから選ばれ
る少なくとも1種を含有することが、特に好ましい。
O4,LiBF4,LiAsF6,LiPF6,LiSC
N,LiBr,LiI,Li2SO4,Li2B10C
l10,NaClO4,NaI,NaSCN,NaBr,
KClO4,KSCN等のリチウム(Li)、ナトリウ
ム(Na)又はカリウム(K)の1種を含む無機イオン
塩、LiCF3SO3,LiN(CF3SO2)2,LiN
(C2F5SO2)2,(CH3)4NBF4,(CH3)4N
Br,(C2H5)4NClO4,(C2H5)4NI,(C3
H7) 4NBr,(n−C4H9)4NClO4,(n−C4
H9)4NI,(C2H5)4N−maleate,(C2H
5)4N−benzoate,(C2H5)4N−phta
late等の四級アンモニウム塩、ステアリルスルホン
酸リチウム、オクチルスルホン酸リチウム、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸リチウム等の有機イオン塩が挙げら
れ、これらのイオン性化合物を単独、あるいは2種類以
上混合して用いることが可能である。
優れ、優れた伝導度が得られる点で好ましい。
解離度や伝導度は低いものの、非水電解質中に存在する
水分との反応性が低いので、非水電解質の水分管理を簡
素化することが可能であり製造コストを低減することが
可能である点で好ましい。さらに、電極や外装材の腐食
を引き起こすフッ酸発生の程度が少なく、外装材として
金属樹脂複合フィルム等の200μm以下の薄い材料を
採用した場合であっても、高い耐久性を有する非水電解
質電池が得られる点で好ましい。
N(C2F5SO2)2のようなパーフルオロアルキル基を
有するリチウム塩とを混合して用いると、非水電解質の
粘度をさらに下げることができる点、保存性を向上させ
る効果がある点で好ましい。
は、高い電池性能を有する非水電解質電池を確実に得る
ために、0.1mol/l〜5mol/lが好ましく、
さらに好ましくは、1mol/l〜2.5mol/lで
ある。
ては、リチウム含有遷移金属酸化物、リチウム含有リン
酸塩、リチウム含有硫酸塩等を単独あるいは混合して用
いることが望ましい。リチウム含有遷移金属酸化物とし
ては、一般式LiyCo1-xM xO2、LiyMn2-xMXO4
(Mは、IからVIII族の金属(例えば、Li,C
a,Cr,Ni,Mn,Fe,Coの1種類以上の元
素)であり、異種元素置換量を示すx値については置換
できる最大量まで有効であるが、好ましくは放電容量の
点から0≦x≦1である。また、リチウム量を示すy値
についてはリチウムを可逆的に利用しうる最大量が有効
であり、好ましくは放電容量の点から0≦y≦2であ
る。)が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
活物質を混合して用いてもよく、他の正極活物質として
は、CuO,Cu2O,Ag2O,CuS,CuSO4等
のI族金属化合物、TiS2,SiO2,SnO等のIV
族金属化合物、V2O5,V6O12,VOx,Nb2O5,B
i2O3,Sb2O3等のV族金属化合物、CrO3,Cr2
O3,MoO3,MoS2,WO3,SeO2等のVI族金
属化合物、MnO2,Mn2O3等のVII族金属化合
物、Fe2O3,FeO,Fe3O4,Ni2O3,NiO,
CoO3,CoO等のVIII族金属化合物、又は、一
般式LixMX2,LixMNyX2(M、NはIからVI
II族の金属、Xは酸素、硫黄等のカルコゲン化合物を
示す。)等で表される、例えばリチウム−コバルト系複
合酸化物やリチウム−マンガン系複合酸化物等の金属化
合物、さらに、ジスルフィド,ポリピロール,ポリアニ
リン,ポリパラフェニレン,ポリアセチレン,ポリアセ
ン系材料等の導電性高分子化合物、擬グラファイト構造
炭素質材料等が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。
ては、炭素質材料、スズ酸化物,珪素酸化物等の金属酸
化物、さらにこれらの物質に負極特性を向上させる目的
でリンやホウ素を添加し改質を行った材料等が挙げられ
る。炭素質材料の中でもグラファイトは、金属リチウム
に極めて近い作動電位を有するので電解質塩としてリチ
ウム塩を採用した場合に自己放電を少なくでき、かつ充
放電における不可逆容量を少なくできるので、負極活物
質として好ましい。さらに本発明においては、環状カー
ボネート又は鎖状カーボネートのフッ化物を含有する非
水電解質が使用されるので、充電時にグラファイトを主
成分とする負極上で非水電解質を構成するその他の有機
溶媒の分解を確実に抑制でき、グラファイトの上記有利
な特性を確実に発現させることができる。
ァイトのエックス線回折等による分析結果を示す; 格子面間隔(d002) 0.333〜0.350nm a軸方向の結晶子の大きさLa 20nm以上 c軸方向の結晶子の大きさLc 20nm以上 真密度 2.00〜2.25g/cm3
素酸化物等の金属酸化物、リン、ホウ素、アモルファス
カーボン等を添加して改質を行うことも可能である。特
に、グラファイトの表面を上記の方法によって改質する
ことで、非水電解質の分解を抑制し電池性能を高めるこ
とが可能であり望ましい。さらに、グラファイトに対し
て、リチウム金属、リチウム−アルミニウム,リチウム
−鉛,リチウム−スズ,リチウム−アルミニウム−ス
ズ,リチウム−ガリウム,及びウッド合金等のリチウム
金属含有合金等を併用することや、あらかじめ電気化学
的に還元することによってリチウムが挿入されたグラフ
ァイト等も負極活物質として使用可能である。
粉体の少なくとも表面層部分を電子伝導性やイオン伝導
性の良いもの、あるいは疎水基を有する化合物で修飾す
ることも可能である。例えば、金,銀,カーボン,ニッ
ケル,銅等の電子伝導性のよい物質や、炭酸リチウム,
ホウ素ガラス,固体電解質等のイオン伝導性のよい物
質、あるいはシリコーンオイル等の疎水基を有する物質
をメッキ,焼結,メカノフュージョン,蒸着,焼き付け
等の技術を応用して被覆することが挙げられる。
は、平均粒子サイズ100μm以下であることが望まし
い。特に、正極活物質の粉体は、非水電解質電池の高出
力特性を向上する目的で10μm以下であることが望ま
しい。粉体を所定の形状で得るためには粉砕機や分級機
が用いられる。例えば乳鉢、ボールミル、サンドミル、
振動ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル、カウ
ンタージェトミル、旋回気流型ジェットミルや篩等が用
いられる。粉砕時には水、あるいはヘキサン等の有機溶
剤を共存させた湿式粉砕を用いることもできる。分級方
法としては、特に限定はなく、篩や風力分級機等が、乾
式、湿式ともに必要に応じて用いられる。
詳述したが、正極及び負極には、主要構成成分である前
記活物質の他に、導電剤、結着剤及びフィラーが、他の
構成成分として含有されてもよい。
さない電子伝導性材料であれば限定されないが、通常、
天然黒鉛(鱗状黒鉛,鱗片状黒鉛,土状黒鉛等)、人造
黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチ
ェンブラック、カーボンウイスカー、炭素繊維、金属
(銅,ニッケル,アルミニウム,銀,金等)粉、金属繊
維、導電性セラミックス材料等の導電性材料を1種又は
それらの混合物として含ませることができる。
び塗工性の観点よりアセチレンブラックが望ましい。導
電剤の添加量は、正極又は負極の総重量に対して1重量
%〜50重量%が好ましく、特に2重量%〜30重量%
が好ましい。これらの混合方法は、物理的な混合であ
り、その理想とするところは均一混合である。そのた
め、V型混合機、S型混合機、擂かい機、ボールミル、
遊星ボールミルといったような粉体混合機を乾式、ある
いは湿式で混合することが可能である。
ロエチレン,ポリフッ化ビニリデン,ポリエチレン,ポ
リプロピレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン
ジエンターポリマー(EPDM),スルホン化EPD
M,スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等
のゴム弾性を有するポリマー、カルボキシメチルセルロ
ース等の多糖類等を1種又は2種以上の混合物として用
いることができる。また、多糖類の様にリチウムと反応
する官能基を有する結着剤は、例えばメチル化する等し
てその官能基を失活させておくことが望ましい。結着剤
の添加量は、正極又は負極の総重量に対して1〜50重
量%が好ましく、特に2〜30重量%が好ましい。
ぼさない材料であれば何でも良い。通常、ポリプロピレ
ン,ポリエチレン等のオレフィン系ポリマー、酸化ケイ
素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウ
ム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の金属酸化
物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の金属炭酸
塩、ガラス、炭素等が用いられる。フィラーの添加量
は、正極又は負極の総重量に対して添加量は30重量%
以下が好ましい。
結着剤をN−メチルピロリドン,トルエン等の有機溶媒
に混合させた後、得られた混合液を下記に詳述する集電
体の上に塗布し、乾燥することによって、好適に作製さ
れる。前記塗布方法については、例えば、アプリケータ
ーロール等のローラーコーティング、スクリーンコーテ
ィング、ドクターブレード方式、スピンコーティング、
バーコーダー等の手段を用いて任意の厚み及び任意の形
状に塗布することが望ましいが、これらに限定されるも
のではない。
悪影響を及ぼさない電子伝導体であれば何でもよい。例
えば、正極用集電体としては、アルミニウム、チタン、
ステンレス鋼、ニッケル、焼成炭素、導電性高分子、導
電性ガラス等の他に、接着性、導電性及び耐酸化性向上
の目的で、アルミニウムや銅等の表面をカーボン、ニッ
ケル、チタンや銀等で処理した物を用いることができ
る。負極用集電体としては、銅、ニッケル、鉄、ステン
レス鋼、チタン、アルミニウム、焼成炭素、導電性高分
子、導電性ガラス、Al−Cd合金等の他に、接着性、
導電性、耐酸化性向上の目的で、銅等の表面をカーボ
ン、ニッケル、チタンや銀等で処理した物を用いること
ができる。これらの材料については表面を酸化処理する
ことも可能である。
他、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキ
スパンドされた物、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群
の形成体等が用いられる。厚みの限定は特にないが、1
〜500μmのものが用いられる。これらの集電体の中
で、正極としては、耐酸化性に優れているアルミニウム
箔が、負極としては、還元場において安定であり、且つ
電導性に優れ、安価な銅箔、ニッケル箔、鉄箔、及びそ
れらの一部を含む合金箔を使用することが好ましい。さ
らに、粗面表面粗さが0.2μmRa以上の箔であるこ
とが好ましく、これにより正極活物質又は負極活物質と
集電体との密着性は優れたものとなる。よって、このよ
うな粗面を有することから、電解箔を使用するのが好ま
しい。特に、ハナ付き処理を施した電解箔は最も好まし
い。
れたレート性能を示す微多孔膜や不織布等を、単独ある
いは併用することが好ましい。非水電解質電池用セパレ
ータを構成する材料としては、例えばポリエチレン,ポ
リプロピレン等に代表されるポリオレフィン系樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレー
ト等に代表されるポリエステル系樹脂、ポリフッ化ビニ
リデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン
共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロビニルエー
テル共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチ
レン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレ
ン共重合体、フッ化ビニリデン−フルオロエチレン共重
合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロアセトン共重
合体、フッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビ
ニリデン−プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−ト
リフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テ
トラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重
合体、フッ化ビニリデン−エチレン−テトラフルオロエ
チレン共重合体等を挙げることができる。
度の観点から98体積%以下が好ましい。また、充放電
性能の観点から空孔率は20体積%以上が好ましい。
えばアクリロニトリル、エチレンオキシド、プロピレン
オキシド、メチルメタアクリレート、ビニルアセテー
ト、ビニルピロリドン、ポリフッ化ビニリデン等のポリ
マーと電解液とで構成されるポリマーゲルを用いてもよ
い。
上述したような多孔膜や不織布等とポリマーゲルを併用
して用いると、電解液の保液性が向上するため望まし
い。即ち、ポリエチレン微孔膜の表面及び微孔壁面に厚
さ数μm以下の親溶媒性ポリマーを被覆したフィルムを
形成し、該フィルムの微孔内に電解液を保持させること
で、前記親溶媒性ポリマーがゲル化する。
ビニリデンの他、エチレンオキシド基やエステル基等を
有するアクリレートモノマー、エポキシモノマー、イソ
シアナート基を有するモノマー等が架橋したポリマー等
が挙げられる。架橋にあたっては、熱、紫外線(UV)
や電子線(EB)等の活性光線等を用いることができ
る。
の目的で、架橋体の形成を妨害しない範囲の物性調整剤
を配合して使用することができる。該物性調整剤の例と
しては、無機フィラー類{酸化ケイ素、酸化チタン、酸
化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウ
ム、酸化亜鉛、酸化鉄等の金属酸化物、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム等の金属炭酸塩}、ポリマー類
{ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン/ヘキサフ
ルオロプロピレン共重合体、ポリアクリロニトリル、ポ
リメチルメタクリレート等}等が挙げられる。該物性調
整剤の添加量は、架橋性モノマーに対して通常50重量
%以下、好ましくは20重量%以下である。
ると、二官能以上の不飽和モノマーが好適に挙げられ、
より具体例には、2官能(メタ)アクリレート{エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、アジピン酸・ジネオペ
ンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、重
合度2以上のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、重合度2以上のポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン/ポリオキ
シプロピレン共重合体のジ(メタ)アクリレート、ブタ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレング
リコールジ(メタ)アクリレート等}、3官能(メタ)
アクリレート{トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グ
リセリンのエチレンオキシド付加物のトリ(メタ)アク
リレート、グリセリンのプロピレンオキシド付加物のト
リ(メタ)アクリレート、グリセリンのエチレンオキシ
ド、プロピレンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレ
ート等}、4官能以上の多官能(メタ)アクリレート
{ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、
ジグリセリンヘキサ(メタ)アクリレート等}が挙げら
れる。これらのモノマーを単独もしくは、併用して用い
ることができる。
等の目的で1官能モノマーを添加することもできる。該
一官能モノマーの例としては、不飽和カルボン酸{アク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸、ビニル
安息香酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シト
ラコン酸、メサコン酸、メチレンマロン酸、アコニット
酸等}、不飽和スルホン酸{スチレンスルホン酸、アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等}又はそ
れらの塩(Li塩、Na塩、K塩、アンモニウム塩、テ
トラアルキルアンモニウム塩等)、またこれらの不飽和
カルボン酸をC1〜C18の脂肪族又は脂環式アルコー
ル、アルキレン(C2〜C4)グリコール、ポリアルキ
レン(C2〜C4)グリコール等で部分的にエステル化
したもの(メチルマレート、モノヒドロキシエチルマレ
ート、等)、及びアンモニア、1級又は2級アミンで部
分的にアミド化したもの(マレイン酸モノアミド、N−
メチルマレイン酸モノアミド、N,N−ジエチルマレイ
ン酸モノアミド等)、(メタ)アクリル酸エステル[C
1〜C18の脂肪族(メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、2−エチルヘキシル、ステアリル等)アルコールと
(メタ)アクリル酸とのエステル、又はアルキレン(C
2〜C4)グリコール(エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール等)及びポリア
ルキレン(C2〜C4)グリコール(ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール)と(メタ)アクリ
ル酸とのエステル];(メタ)アクリルアミド又はN−
置換(メタ)アクリルアミド[(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロー
ル(メタ)アクリルアミド等];ビニルエステル又はア
リルエステル[酢酸ビニル、酢酸アリル等];ビニルエ
ーテル又はアリルエーテル[ブチルビニルエーテル、ド
デシルアリルエーテル等];不飽和ニトリル化合物
[(メタ)アクリロニトリル、クロトンニトリル等];
不飽和アルコール[(メタ)アリルアルコール等];不
飽和アミン[(メタ)アリルアミン、ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリルレート、ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート等];複素環含有モノマー[N−
ビニルピロリドン、ビニルピリジン等];オレフィン系
脂肪族炭化水素[エチレン、プロピレン、ブチレン、イ
ソブチレン、ペンテン、(C6〜C50)α−オレフィ
ン等];オレフィン系脂環式炭化水素[シクロペンテ
ン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、ノルボルネン
等];オレフィン系芳香族炭化水素[スチレン、α−メ
チルスチレン、スチルベン等];不飽和イミド[マレイ
ミド等];ハロゲン含有モノマー[塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレ
ン等]等が挙げられる。
と、グリシジルエーテル類{ビスフェノールAジグリシ
ジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテ
ル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、フ
ェノールノボラックグリシジルエーテル、クレゾールノ
ボラックグリシジルエーテル等}、グリシジルエステル
類{ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダイマ
ー酸グリシジルエステル等}、グリシジルアミン類{ト
リグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルジア
ミノフェニルメタン等}、線状脂肪族エポキサイド類
{エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油等}、
脂環族エポキサイド類{3,4エポキシ−6メチルシク
ロヘキシルメチルカルボキシレート、3,4エポキシシ
クロヘキシルメチルカルボキシレート等}等が挙げられ
る。これらのエポキシ樹脂は、単独もしくは硬化剤を添
加して硬化させて使用することができる。
類{ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
3,9−(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−
テトロオキサスピロ[5,5]ウンデカン等}、芳香族
ポリアミン類{メタキシレンジアミン、ジアミノフェニ
ルメタン等}、ポリアミド類{ダイマー酸ポリアミド
等}、酸無水物類{無水フタル酸、テトラヒドロメチル
無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメ
リット酸、無水メチルナジック酸}、フェノール類{フ
ェノールノボラック等}、ポリメルカプタン{ポリサル
ファイド等}、第三アミン類{トリス(ジメチルアミノ
メチル)フェノール、2−エチル−4−メチルイミダゾ
ール等}、ルイス酸錯体{三フッ化ホウ素・エチルアミ
ン錯体等}等が挙げられる。
ついて例示すると、トルエンジイソシアナート、ジフェ
ニルメタンジイソシアナート、1,6−ヘキサメチレン
ジイソシアナート、2,2,4(2,2,4)−トリメ
チル−ヘキサメチレンジイソシアナート、p−フェニレ
ンジイソシアナート、4,4’−ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアナート、3,3’−ジメチルジフェニル
4,4’−ジイソシアナート、ジアニシジンジイソシア
ナート、m−キシレンジイソシアナート、トリメチルキ
シレンジイソシアナート、イソフォロンジイソシアナー
ト、1,5−ナフタレンジイソシアナート、trans
−1,4−シクロヘキシルジイソシアナート、リジンジ
イソシアナート等が挙げられる。
架橋するにあたって、ポリオール類及びポリアミン類
[2官能化合物{水、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリ
コール等}、3官能化合物{グリセリン、トリメチロー
ルプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリエ
タノールアミン等}、4官能化合物{ペンタエリスリト
ール、エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニ
ルメタンジアミン、テトラメチロールシクロヘキサン、
メチルグルコシド等}、5官能化合物{2,2,6,6
−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノー
ル、ジエチレントリアミン等}、6官能化合物{ソルビ
トール、マンニトール、ズルシトール等}、8官能化合
物{スークロース等}]、及びポリエーテルポリオール
類{前記ポリオール又はポリアミンのプロピレンオキサ
イド及び/又はエチレンオキサイド付加物}、ポリエス
テルポリオール[前記ポリオールと多塩基酸{アジピン
酸、o,m,p−フタル酸、コハク酸、アゼライン酸、
セバシン酸、リシノール酸}との縮合物、ポリカプロラ
クトンポリオール{ポリε−カプロラクトン等}、ヒド
ロキシカルボン酸の重縮合物等]等、活性水素を有する
化合物を併用することができる。
とができる。該触媒について例示すると、有機スズ化合
物類、トリアルキルホスフィン類、アミン類[モノアミ
ン類{N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、トリエ
チルアミン等}、環状モノアミン類{ピリジン、N−メ
チルモルホリン等}、ジアミン類{N,N,N’,N’
−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’
−テトラメチル1,3−ブタンジアミン等}、トリアミ
ン類{N,N,N’,N’−ペンタメチルジエチレント
リアミン等}、ヘキサミン類{N,N,N’N’−テト
ラ(3−ジメチルアミノプロピル)−メタンジアミン
等}、環状ポリアミン類{ジアザビシクロオクタン(D
ABCO)、N,N’−ジメチルピペラジン、1,2−
ジメチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,
4,0)ウンデセン−7(DBU)等}等、及びそれら
の塩類等が挙げられる。
を、例えば、非水電解質電池用セパレータと正極と負極
とを積層する前又は積層した後に注液し、最終的に、外
装材で封止することによって好適に作製される。また、
正極と負極とが非水電解質電池用セパレータを介して積
層された発電要素を巻回してなる非水電解質電池におい
ては、電解液は、前記巻回の前後に発電要素に注液され
るのが好ましい。注液法としては、常圧で注液すること
も可能であるが、真空含浸方法や加圧含浸方法も使用可
能である。
の観点から、薄い材料が好ましく、例えば、金属箔を樹
脂フィルムで挟み込んだ構成の金属樹脂複合材料が好ま
しい。金属箔の具体例としては、アルミニウム、鉄、ニ
ッケル、銅、ステンレス鋼、チタン、金、銀等、ピンホ
ールのない箔であれば限定されないが、好ましくは軽量
且つ安価なアルミニウム箔が好ましい。また、電池外部
側の樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレー
トフィルム,ナイロンフィルム等の突き刺し強度に優れ
た樹脂フィルムを、電池内部側の樹脂フィルムとして
は、ポリエチレンフィルム,ナイロンフィルム等の、熱
融着可能であり、かつ耐溶剤性を有するフィルムが好ま
しい。
明するが、本発明はこれらの記述に限定されるものでは
ない。
質電池の断面図を図1に示す。
1、負極2及びセパレータ3からなる極群4と、非水電
解質と、金属樹脂複合フィルム5とから構成されてい
る。正極1は、正極合剤11が正極集電体12上に塗布
されてなる。また、負極2は、負極合剤21が負極集電
体22上に塗布されてなる。非水電解質は極群4に含浸
されている。金属樹脂複合フィルム5は、極群4を覆
い、その四方を熱溶着により封止されている。
法を説明する。
活物質としてのLiCoO2と、導電剤としてのアセチ
レンブラックとを混合し、さらに結着剤としてポリフッ
化ビニリデンのN−メチル−2−ピロリドン溶液を混合
し、この混合物をアルミ箔からなる正極集電体12の片
面に塗布した後、乾燥し、正極合剤11の厚さが0.1
mmとなるようにプレスした。以上の工程により正極1
を得た。
ず、負極活物質としてのグラファイトに、結着剤として
ポリフッ化ビニリデンのN−メチル−2−ピロリドン溶
液を混合し、この混合物を銅箔からなる負極集電体22
の片面に塗布した後、乾燥し、負極合剤21の厚さが
0.1mmとなるようにプレスした。以上の工程により
負極2を得た。
多孔膜(厚さ25μm、開孔率50%)を用いた。
を対向させ、その間にセパレータ3を配し、正極1、セ
パレータ3、負極2の順に積層することにより、構成し
た。
ジエチルカーボネートを体積比1:1の割合で混合した
混合溶媒1リットルに、1モルのLiPF6を溶解さ
せ、さらに(化学式3)に示されるベンゾ[1,4]ジ
オキシンを前記混合溶媒に対して2重量%混合すること
により得た。
せることにより、極群4に非水電解質を含浸させた。さ
らに、金属樹脂複合フィルム5で極群4を覆い、その四
方を熱溶着により封止した。
を本発明電池1とする。なお、本発明電池1の設計容量
は、10mAhである。
カーボネート及びジエチルカーボネートを体積比1:1
の割合で混合した混合溶媒1リットルに、1モルのLi
PF6を溶解させ、さらに(化学式4)に示される6−
フルオロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキ
シンを前記混合溶媒に対して2重量%混合したものを用
いたことを除いては、実施例1と同一の原料及び製法に
より、容量10mAhの非水電解質電池を作製し、本発
明電池2とした。
カーボネート及びジエチルカーボネートを体積比1:1
の割合で混合した混合溶媒1リットルに、1モルのLi
PF6を溶解させ、さらに(化学式5)に示される5,
6,7,8−テトラフルオロ−2,3−ジヒドロ−ベン
ゾ[1,4]ジオキシンを前記混合溶媒に対して2重量
%混合したものを用いたことを除いては、実施例1と同
一の原料及び製法により、容量10mAhの非水電解質
電池を作製し、本発明電池3とした。
カーボネート及びジエチルカーボネートを体積比1:1
の割合で混合した混合溶媒1リットルに、1モルのLi
PF6を溶解させ、さらに(化学式6)に示されるベン
ゾ[1,3]ジオキソールを前記混合溶媒に対して2重
量%混合したものを用いたことを除いては、実施例1と
同一の原料及び製法により、容量10mAhの非水電解
質電池を作製し、本発明電池4とした。
カーボネート及びジエチルカーボネートを体積比1:1
の割合で混合した混合溶媒1リットルに、1モルのLi
PF6を溶解させ、さらに(化学式7)に示される5−
フルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソールを前記混合溶
媒に対して2重量%混合したものを用いたことを除いて
は、実施例1と同一の原料及び製法により、容量10m
Ahの非水電解質電池を作製し、本発明電池5とした。
カーボネート及びジエチルカーボネートを体積比1:1
の割合で混合した混合溶媒1リットルに、1モルのLi
PF6を溶解させ、さらに(化学式8)に示される4,
5,6,7−テトラフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキ
ソールを前記混合溶媒に対して2重量%混合したものを
用いたことを除いては、実施例1と同一の原料及び製法
により、容量10mAhの非水電解質電池を作製し、本
発明電池6とした。
カーボネート及びジエチルカーボネートを体積比1:1
の割合で混合した混合溶媒1リットルに、1モルのLi
PF6を溶解させたものを用いたことを除いては、実施
例1と同一の原料及び製法により、容量10mAhの非
水電解質電池を作製し、比較電池とした。
池1〜6及び比較電池について、初期放電容量試験、高
温保存試験及び過充電試験を行った。初期放電容量試験
は、20℃において、電流2mA、終止電圧4.2V、
10時間の定電流定電圧充電を行った後、20℃におい
て、電流2mA、終止電圧2.7Vの定電流放電を行
い、このときの放電容量を「初期放電容量」とした。ま
た、高温保存試験は、20℃において、電流2mA、終
止電圧4.2Vの定電流定電圧充電を行った後、60℃
において20日間保存し、その後、20℃において、電
流2mA、終止電圧2.7Vの定電流放電を行い、この
ときの放電容量を、前記「初期放電容量」に対する百分
率で求め、「高温保存性能値」とした。さらに、過充電
試験は、20℃において、電流2mA、終止電圧4.2
V、10時間の定電流定電圧充電を行った後、さらに電
流10mAでの定電流充電を、正・負極端子間電圧が6
Vに達するか、又は4時間を経過するまで行い、「最高
到達電圧」及び前記最高電圧に達するまでにかかった
「到達時間」を測定した。結果を表1に示す。
容量及び高温保存性能は比較的良好であったが、過充電
を行うと速やかに電池電圧が上昇し、6Vにまで到達し
た。
池と比べ、初期放電容量及び高温保存性能に遜色がな
い。このように、本発明電池1〜6の非水電解質に添加
されたベンゾ[1,4]ジオキシン、ベンゾ[1,3]
ジオキソール、またはその誘導体は、非水電解質を構成
する有機溶媒との親和性が高いため、初期放電容量だけ
でなく高温保存後容量等の電池性能に悪影響を及ぼすこ
とがない。さらに、過充電試験を行っても高い電圧に至
ることがなく、高い安定性と高いエネルギー密度とを兼
ね備える非水電解質電池であることが確認された。
フルオロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキ
シンや本発明電池3に添加されている5,6,7,8−
テトラフルオロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]
ジオキシン、あるいは、本発明電池5に添加されている
5−フルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソールや本発明
電池6に添加されている4,5,6,7,−テトラフル
オロ−ベンゾ[1,3]ジオキソールは、フッ素化され
ているため酸化電位が高く、通常の充放電中には正極上
での酸化分解がほとんど起こらなかったので、過剰に添
加しても電池性能を劣化させないことがわかった。
ば、請求項1,3に記載したように、ベンゾ[1,4]
ジオキシン、ベンゾ[1,3]ジオキソール、またはそ
の誘導体を含有することにより、過充電時に、ベンゾ
[1,4]ジオキシン、ベンゾ[1,3]ジオキソー
ル、またはその誘導体が電極上でカチオンラジカルを生
成し、負極電極上で還元されるため、過充電時に電池の
電圧を6V以上に上げることを抑制し、耐過充電性が向
上する。
載したように、非水電解質中に含有する前記ベンゾ
[1,4]ジオキシンまたはその誘導体のフッ化物や、
ベンゾ[1,3]ジオキソールまたはその誘導体のフッ
化物は、電解液中の有機溶媒との親和性が高いため、低
温特性や保存特性などの電池特性に悪影響を及ぼすこと
がないだけでなく、フッ素化されているため酸化電位が
高く、通常の充放電中には正極上での酸化分解がほとん
ど起こらず、過剰に添加しても電池性能を劣化させるこ
とはない。よって、充放電効率が高く、高いエネルギー
密度を有する非水電解質電池とすることができる。さら
に、ベンゾ[1,4]ジオキシンまたはその誘導体のフ
ッ化物や、ベンゾ[1,3]ジオキソールまたはその誘
導体のフッ化物は、フッ素化されているため引火点が高
い。
たように、非水電解質中にπ結合を有さない環状カーボ
ネートを含有することにより、上記効果が効果的に得ら
れる。よって、充放電効率が高く、高いエネルギー密度
を有し、耐過充電性が向上した非水電解質電池とするこ
とができる。
たように、非水電解質中に含有するπ結合を有さない環
状カーボネートを、エチレンカーボネート、プロピレン
カーボネート、ブチレンカーボネートから選ばれる少な
くとも1種とすることにより、これら高誘電率を有し、
耐酸化性に優れる有機溶媒の特性を生かすことができる
ため、上記効果がより効果的に得られる。
たように、負極活物質が、グラファイトであるので、高
作動電圧を有し、高エネルギー密度である非水電解質電
池非水電解質電池を提供できる。
たように、外装体が金属樹脂複合材料であることによ
り、薄形形状で小形軽量化された非水電解質電池を提供
できる。
Claims (8)
- 【請求項1】 正極と、負極と、非水電解質とから、少
なくとも構成される非水電解質電池において、前記非水
電解質は、(化学式1)で表されるベンゾ[1,4]ジ
オキシンまたはその誘導体を含有していることを特徴と
する非水電解質電池。 【化1】 (但し、X1〜X8は、水素原子、フッ素原子、炭素数1
〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル
基、フェニル基、アリール基、アルキルフェニル基、ま
たはその誘導体である。) - 【請求項2】 前記ベンゾ[1,4]ジオキシンの誘導
体は、フッ化物であることを特徴とする請求項1記載の
非水電解質電池。 - 【請求項3】 正極と、負極と、非水電解質とから、少
なくとも構成される非水電解質電池において、前記非水
電解質は、(化学式2)で表されるベンゾ[1,3]ジ
オキソールまたはその誘導体を含有していることを特徴
とする非水電解質電池。 【化2】 (但し、X1〜X6は、水素原子、フッ素原子、炭素数1
〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル
基、フェニル基、アリール基、アルキルフェニル基、ま
たはその誘導体である) - 【請求項4】 前記ベンゾ[1,3]ジオキソールの誘
導体は、フッ化物であることを特徴とする請求項3記載
の非水電解質電池。 - 【請求項5】 前記非水電解質は、π結合を有さない環
状カーボネートを含有していることを特徴とする請求項
1〜4のいずれかに記載の非水電解質電池。 - 【請求項6】 前記π結合を有さない環状カーボネート
は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及
びブチレンカーボネートからなる群から選ばれる少なく
とも1種であることを特徴とする請求項5記載の非水電
解質電池。 - 【請求項7】 前記負極は、グラファイトからなる負極
活物質を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれ
かに記載の非水電解質電池。 - 【請求項8】 外装体に金属樹脂複合材料を用いたこと
を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の非水電解
質電池。
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