JP2003308635A - 光ディスクの製造方法、光ディスク、光ディスク再生装置 - Google Patents

光ディスクの製造方法、光ディスク、光ディスク再生装置

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JP2003308635A
JP2003308635A JP2002110459A JP2002110459A JP2003308635A JP 2003308635 A JP2003308635 A JP 2003308635A JP 2002110459 A JP2002110459 A JP 2002110459A JP 2002110459 A JP2002110459 A JP 2002110459A JP 2003308635 A JP2003308635 A JP 2003308635A
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optical disc
signal
optical
transparent adhesive
disk
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JP2002110459A
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Akira Nishizawa
昭 西澤
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスク基板に収録した情報が本物であるこ
とを示すための透かし模様を透明接着材層内に形成す
る。 【解決手段】 信号面を形成した第1ディスク基板11
と、第2ディスク基板14とを透明接着材を用いて貼り
合わせる際に、紫外線を照射して透明接着材を硬化させ
て透明接着材層13を第1,第2ディスク基板11,1
4間に形成する光ディスク10の製造方法において、紫
外線を一部遮光するために特定のマスクパターン2aを
形成した遮光マスク2を用い、この遮光マスク2を介し
て紫外線を照射することで、遮光マスク2の特定のマス
クパターン2aに対応して光透過率が低下した透かし模
様部13aを透明接着材層13内に形成することを特徴
とする光ディスクの製造方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円盤状のディスク
基板に収録した情報が違法コピーされたものでなく、本
物であることを示すための透かし模様(ウォータマー
ク)を目視でき、また、透かし模様を光ピックアップで
検出できる光ディスクを製造する方法、光ディスク、光
ディスク再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、音楽情報を収録したCD(Com
pact Disc)とか、映像情報を収録したビデオCDとか、
音楽情報及び/又は映像情報を収録したDVD(Digital
Versatile Disc)とか、コンピュータデータを収録した
CD−ROM(CD-Read Only Memory) ,DVD−ROM
(DVD-Read Only Memory)などの再生専用型の光ディスク
は、円盤状の透明なディスク基板上で螺旋状又は同心円
状に形成したトラックに上記した各種の情報信号を高密
度に記録でき、しかも再生時に所望のトラックを高速に
アクセスできると共に、大量生産に適し且つ安価に入手
できることから多用されている。
【0003】上記した再生専用型の光ディスクは、情報
信号を凹状のピットと凸状のランドとでディジタル的な
ピット列に変換して、このピット列を螺旋状又は同心円
状の記録トラックとして刻んで信号面が記録されたスタ
ンパ盤を射出成型機内に取り付けた後に、スタンパ盤の
信号面を透明な樹脂材を用いて外径120mm又は80
mm,中心孔の孔径15mm,基板厚み1.2mmであ
る円盤状の透明なディスク基板に転写させており、更
に、転写させた信号面上に反射膜,保護膜を順に成膜し
て、再生専用型に形成されている。
【0004】更に、最近では、0.6mm厚さの再生専
用型の光ディスクを2枚貼り合わせて1.2mm厚さに
形成した再生専用型の光ディスクとか、0.6mm厚さ
の再生専用型の光ディスクと0.6mm厚さの記録再生
可能型の光ディスクとを貼り合わせて1.2mm厚さに
形成した再生専用/記録再生型の光ディスクも開発され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した再
生専用型の光ディスクに収録されている音楽情報,映像
情報,コンピュータデータは、一般的に著作権法により
著作権を保護されているものの、ディジタル的な情報で
あるために信号の劣化がなく、ユーザーは著作権者の許
諾を得ずに再生専用型の光ディスクに収録されている各
種の情報をそのまま1回だけ書き込み可能なCD−R(C
D-Recordable) ,DVD−R(DVD-Recordable)とか、複
数回書き込み可能なCD−RW(CD-ReWritable) ,DV
D−RW(DVD-Re recordable) ,DVD−RAM(DVD-R
andom Access Memory 又はDVD-Writable) などの記録再
生型(追記型)の光ディスクに違法コピーすることが可
能となっている。
【0006】この際、各種の情報を違法コピーした記録
再生型(追記型)の光ディスクは、外観形状が再生専用
型の光ディスクと略同じであり、しかも、違法コピーし
た各種の情報は再生専用型の光ディスクと同じ光ディス
クドライブで再生可能であるため、各種の情報を違法コ
ピーした追記型の光ディスクが世の中に大量に出回って
しまい、本物と偽物の両者が世の中に混在しているため
に著作権の侵害に対して大問題になっている。
【0007】上記した問題を避けるために、各種のコピ
ー防止対策が検討されて提案されているものの、簡単な
方法で本物と偽物の両者を判別できる光ディスクの製造
方法、光ディスク、光ディスク再生装置が望まれてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
てなされたものであり、第1の発明は、第1信号面を形
成した第1ディスク基板と、第2信号面を必要に応じて
形成した第2ディスク基板とを前記第1信号面側又は第
1,第2信号面側が接着面側となるように透明接着材を
用いて貼り合わせる際に、前記第1,第2ディスク基板
のうちで少なくともレーザービームの照射側を透明樹脂
材を用いて透明に形成し、且つ、紫外線を照射して前記
透明接着材を硬化させて透明接着材層を形成する光ディ
スクの製造方法において、前記紫外線を一部遮光するた
めに特定のマスクパターンを形成した遮光マスクを用
い、この遮光マスクを介して前記紫外線を照射すること
で、前記遮光マスクの特定のマスクパターンに対応して
光透過率が低下した透かし模様部を前記透明接着材層内
に形成することを特徴とする光ディスクの製造方法であ
る。
【0009】また、第2の発明は、ディスク基板の信号
面上に透明樹脂層をレーザービームの照射側に形成する
際に、紫外線を照射して前記透明樹脂層を硬化させて形
成する光ディスクの製造方法において、前記紫外線を一
部遮光するために特定のマスクパターンを形成した遮光
マスクを用い、この遮光マスクを介して前記紫外線を照
射することで、前記遮光マスクの特定のマスクパターン
に対応して光透過率が低下した透かし模様部を前記透明
樹脂層内に形成することを特徴とする光ディスクの製造
方法である。
【0010】また、第3の発明は、上記した第1の発明
の光ディスクの製造方法で製造された光ディスクであっ
て、前記透明接着材層内に形成した前記透かし模様部
を、前記レーザービームを照射する面に臨ませことを特
徴とする光ディスクである。
【0011】また、第4の発明は、上記した第2の発明
の光ディスクの製造方法で製造された光ディスクであっ
て、前記透明樹脂層内に形成した前記透かし模様部を、
前記レーザービームを照射する面に臨ませことを特徴と
する光ディスクである。
【0012】また、第5の発明は、上記した第3の発明
の光ディスクを再生する光ディスク再生装置であって、
前記透明接着材層内に形成した前記透かし模様部の光透
過率の変化を、前記光ディスクの再生面側から検出する
光ピックアップと、前記光ピックアップの検出信号に基
づいてRF信号を生成するRF信号生成回路と、前記R
F信号生成回路で生成した前記RF信号から前記透明接
着材層内に形成した前記透かし模様部の光透過率の変化
信号を抽出するローパスフィルタとを備えたことを特徴
とする光ディスク再生装置である。
【0013】また、第6の発明は、上記した第4の発明
の光ディスクを再生する光ディスク再生装置であって、
前記透明樹脂層内に形成した前記透かし模様部の光透過
率の変化を、前記光ディスクの再生面側から検出する光
ピックアップと、前記光ピックアップの検出信号に基づ
いてRF信号を生成するRF信号生成回路と、前記RF
信号生成回路で生成した前記RF信号から前記透明樹脂
層内に形成した前記透かし模様部の光透過率の変化信号
を抽出するローパスフィルタとを備えたことを特徴とす
る光ディスク再生装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る光ディスクの
製造方法、光ディスク、光ディスク再生装置の一実施例
を図1乃至図11を参照して、<第1〜第5実施例の光
ディスクの製造方法、光ディスク>,<光ディスク再生
装置>の順に詳細に説明する。
【0015】<第1実施例の光ディスクの製造方法、光
ディスク>図1は本発明に係る第1実施例の光ディスク
の製造方法、光ディスクを説明するために模式的に示し
た図であり、(a)は第1実施例の光ディスクの製造方
法を示し、(b)は第1実施例の光ディスクを示し、
(c)は第1実施例の光ディスクのレーベル面側に表示
された透かし模様(ウォータマーク)を示した図、図2
は図1(a)に示した遮光フィルタのマスクパターンの
分光特性を示した図である。
【0016】図1(a)に示した如く、本発明に係る第
1実施例の光ディスクの製造方法では、紫外線ランプを
備えた紫外線照射装置1の下方に文字,図形などを印刷
したマスクパターン2aを有する遮光フィルタ2が配置
され、更に、遮光フィルタ2の下方に第1実施例の光デ
ィスク10を構成する2枚の第1,第2ディスク基板1
1,14が透明接着材を用いて貼り合わせする寸前の状
態で配置されている。
【0017】上記した遮光フィルタ2は、第1,第2デ
ィスク基板11,14を透明接着材を用いて貼り合わせ
る際、遮光フィルタ2上に黒色インクや青インクを用い
て文字,図形などによるマスクパターン2aを予め定め
た位置に印刷し、このマスクパターン2aで紫外線照射
装置1から照射された紫外線を一部遮光することで透明
接着材の硬化速度に分布を付けることができるようにな
っている。この際、遮光フィルタ2のマスクパターン2
aの文字,図形は、透かし模様(ウォータマーク)とし
て目視可能なサイズに印刷されており、例えば図1
(c)に示した文字「ABC」のように印刷されてい
る。また、遮光フィルタ2のマスクパターン2aの分光
特性は、図2に示すように、例えば、黒色インクを用い
た場合には450nm以下の波長の光透過率が10%程
度になるので、コントラストの大きい透かし模様を形成
することができ、一方、青インクを用いた場合には45
0nm以下の波長の光透過率が50%程度になるので、
コントラストの小さい透かし模様を形成することができ
る。
【0018】また、上記した第1実施例の光ディスク1
0は、信号面が1層でDVD方式の再生専用型に形成さ
れている。即ち、光ディスク10では、第1ディスク基
板11が透明樹脂材を用いて外径120mm又は80m
m,中心孔の孔径15mm,基板厚み0.6mmに円盤
状に形成され、且つ、この第1ディスク基板11上に情
報信号が凹凸状のピット列11aに変換されて螺旋状又
は同心円状の記録トラックとして射出成形により形成さ
れている。更に、第1ディスク基板11は、射出成形後
にピット列11a上にアルミニュウムなどの全反射膜1
2が成膜されて、ピット列11aと全反射膜12とによ
る信号面が再生専用型に形成されている。この際、図1
(b)に示したように、第1ディスク基板11は、ピッ
ト列11aと対向する面11bがレーザービームLを照
射する再生面側となるために、透明樹脂材を用いて透明
に形成しなければならないものである。
【0019】図1(a)に戻り、第2ディスク基板14
も透明樹脂材を用いて第1ディスク基板11と略同じ寸
法形状で形成されており、この第2ディスク基板14の
一方の面14a及び他方の面14bには信号面が形成さ
れてなく、補強用のダミー基板として機能している。
尚、第2ディスク基板14は単に補強用だけであれば透
明である必要がないものの、ここでは後述するようにこ
の光ディスク10が違法コピーしたものでなく第1ディ
スク基板11の信号面が本物であることを示す「透かし
模様(ウォータマーク)」を第2ディスク基板14側か
ら目視可能とするために必ず透明樹脂材を用いて透明に
形成している。
【0020】そして、第1ディスク基板11を下側に配
置し、且つ、第1ディスク基板11の信号面側が接着面
側となるように全反射膜12を上方に向けて、第1ディ
スク基板11の全反射膜12上に透明接着材を介して第
2ディスク基板14の一方の面14aを搭載し、更に、
第2ディスク基板14側を紫外線照射装置1の下方に配
置した遮光フィルタ2に接近させることで、紫外線照射
装置1から出射させた紫外線が遮光フィルタ2,透明な
第2明ディスク基板14を透過して透明接着材に到達す
ることができる。尚、全反射膜12を成膜した第1ディ
スク基板11側を遮光フィルタ2に接近させる方法もあ
るが、この場合には紫外線が全反射膜12で遮られるた
めに透明接着材の硬化速度が遅くなる。
【0021】ここで、第1ディスク基板11の全反射膜
12上に透明接着材を用いて第2ディスク基板14を貼
り合せる際には、「スピン貼り合わせ法」を用いてい
る。
【0022】この第1実施例におけるスピン貼り合わせ
法では、第1ディスク基板11の全反射膜12側が必ず
接着面側となるにように準備した状態で、第1ディスク
基板11をスピナーのスピンテーブル上に載せ、スピン
テーブルと一体に第1ディスク基板11を回転させなが
ら第1ディスク基板11の全反射膜12上に紫外線硬化
樹脂のような紫外線で硬化する液体状の透明接着材を滴
下し、この後、第2ディスク基板14の一方の面14a
をその紫外線硬化樹脂の上に載せ、紫外線硬化樹脂が第
1,第2ディスク基板11,14の間で、適度に広がる
のを待ち、スピンテーブルを高速に回転させ、第1,第
2ディスク基板11,14の間の紫外線硬化樹脂を接着
面(貼り合わせ面)内に広げた後、紫外線照射装置1か
ら紫外線を遮光フィルタ2を介して照射して、紫外線硬
化樹脂を硬化させ、第1,第2ディスク基板11,14
同士を接着している。
【0023】この貼り合せにより、第1ディスク基板1
1の全反射膜12と、第2ディスク基板14の一方の面
14aとの間に透明接着材層13が形成されるが、透明
接着材層13が形成される過程で透明接着材層13内に
気泡を発生させたり、又は、透明接着材層13内の樹脂
成分比率を変化させて透明接着材層13内を白濁させる
ことによって、この透明接着材層13の光透過率を部分
的に変化させ、透明接着材層13内に遮光フィルタ2の
マスクパターン2aと対応した文字とか図形による透か
し模様部13aを形成して、この透かし模様部13aの
光透過率を周辺より低下させることを特徴とするもので
あり、透かし模様部13a以外は透明接着材による透明
部13bが形成されているものである。
【0024】ここで、透明接着材層13内に形成した透
かし模様部13aを周辺に対して光透過率を変化させる
方法は下記に示す第1及び/又は第2の方法が有効であ
る。
【0025】まず、第1の方法は、透明接着材となる紫
外線硬化樹脂の硬化時に、紫外線硬化樹脂の収縮によっ
てこの紫外線硬化樹脂の流動が妨げられるようにするこ
とである。
【0026】この第1の方法を達成させるための要点
は、紫外線硬化樹脂による透明接着材層13の厚さが薄
いことが必要であり、透明接着材層13の厚さを1μm
〜20μm程度にコントロールすることが好ましく、透
明接着材層13の厚さが薄くなれば、作成した透かし模
様の文字,図形などのコントラストが得られにくくなる
ものの、透明接着材層13の厚さが1μmの場合に光デ
ィスクは反射型なので実質的な光路長さは2μmとなり
透かし模様の濃淡を視認でき、一方、透明接着材層13
の厚さが20μmより厚すぎると紫外線が遮光フィルタ
2のマスクパターン2aの中に干渉光として入り込み、
外観上、作成した文字,図形などの境界線が不鮮明とな
り輪郭のはっきりした形状の「透かし模様(ウォータマ
ーク)」が得られなくなる欠点が生じる。
【0027】また、透明接着材層13の厚さは、照射す
る紫外線の強度と関係し、紫外線の強度が強く、且つ、
その照射強度が透明接着材層13内で大きな程、透明接
着材層13の厚さは厚くても所望の効果を発揮すること
ができる。一方、照射する紫外線の強度が弱い場合は透
明接着材層13の厚さを薄くすればよい。
【0028】従って、透明接着材層13の厚さが1μm
〜20μm程度になるように予備実験で紫外線硬化樹脂
の滴下量を予め設定すれば良い。尚、透明接着材層13
の厚さを厚くしたい場合には、透明接着材のスピンコー
トの回数を上記した1μm〜20μm程度の厚さで複数
繰り返して行い、紫外線をその都度照射して透明接着材
層13を多層化すれば、厚みが厚い透かし模様部13a
を作製することが可能である。
【0029】従って、紫外線硬化樹脂が硬化するときの
硬化速度が、第1,第2ディスク基板11,14同士の
接着面内で異なるように、第1,第2ディスク基板1
1,14間に形成した透明接着材層13内にマスクパタ
ーン2aと対応した透かし模様部13aと透かし模様部
13a以外の透明部13bとで紫外線の照射強度が異な
るようにすれば良い。
【0030】このように紫外線を照射すると、第1,第
2ディスク基板11,14間に形成した透明接着材層1
3は、紫外線の照射強度が強いところは先に硬化して硬
化時に生じる硬化収縮により、回りの未硬化の紫外線硬
化樹脂が流動する。最後に硬化する紫外線の照射強度の
弱いところは、照射時に十分な紫外線硬化樹脂が存在し
なく、且つ、この紫外線硬化樹脂の上下は剛性を持った
第1,第2ディスク基板11,14で保持されているた
めに、透明接着材層13内でマスクパターン2aと対応
した透かし模様部13aに真空気泡が生じる。この気泡
の大きさは0.1μmから、塗布された透明接着材の厚
さに対応して大きくても10μm程度の小さな気泡の集
合体となるために、気泡のある透かし模様部13aで屈
折率の変化により屈折や反射が生じ、気泡のない透明部
13bと比べて、光透過率が低下することになり、透明
接着材層13内で透かし模様部13aの文字,図形が目
視可能な「透かし模様(ウォータマーク)」となる。
【0031】更に、透明接着材層13の透かし模様部1
3a内に良好な気泡を発生させる補助手段として紫外線
硬化樹脂を覆っている上下の第1,第2ディスク基板1
1,14との濡れ性が悪い場合や、硬化後に適度な剥離
強度を有する場合といった性質を付加することで、更に
良好な気泡を発生させることができる。
【0032】次に、第2の方法は、透明接着材となる紫
外線硬化樹脂中に、スチロール樹脂,メタクリル樹脂,
塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂などのポリマーを溶解
分散させたものを使用することである。
【0033】上記した紫外線硬化樹脂は重合反応に寄与
する官能基を有しており、モノマーまたはオリゴマーな
どとも呼ばれ、重合前の重合度は1から5程度と小さ
い。一方、スチロール樹脂,メタクリル樹脂,塩化ビニ
ル酢酸ビニル共重合樹脂などはポリマーと呼ばれ重合度
は100から1000程度と大きい。従って、紫外線硬
化樹脂は室温で液体であるが、スチロール樹脂,メタク
リル樹脂,塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂などは固体
である。であるからして、液体中であるモノマー中に固
体であるポリマーを溶解させることができる。溶解しず
らい場合は液体を加熱することにより、固体の溶解度を
増加させることができる。このようにして、紫外線硬化
樹脂内に溶解されたポリマーを存在させると、紫外線の
照射により、紫外線硬化樹脂が硬化する時にこの紫外線
硬化樹脂とポリマーとの相溶比率が変化する。
【0034】当初の相溶比率に対し、紫外線強度が強く
照射された部分は、紫外線硬化樹脂の硬化収縮により、
周囲の未硬化の紫外線硬化樹脂が流動してきて硬化す
る。そのために、硬化前の紫外線硬化樹脂とポリマーと
の溶解比率に比べ、硬化後はやや紫外線硬化樹脂の比率
が大きくなる性質を有することとなる。
【0035】これとは逆に、紫外線強度が弱く照射され
た部分は、強く照射された部分に紫外線硬化樹脂が流動
しているため、硬化前の紫外線硬化樹脂とポリマーとの
溶解比率に比べ、硬化後はやや紫外線硬化樹脂の比率が
小さくなる性質を有することとなる。
【0036】紫外線硬化樹脂と、上記ポリマーとの分散
溶解系では、紫外線硬化樹脂が100%からある溶解比
率の時までは、紫外線硬化樹脂が硬化した後に透明とな
るが、第2の方法では紫外線硬化樹脂が規定比率より少
なくなると硬化後に白濁してしまうという性質を利用し
ている。
【0037】代表的な組成は、1,9ナノンジオールジ
アクリレートエステル、プロピレングリコールジアクリ
レートエステル、1,6ヘキサンジオールジアクリレー
ト、などの2官能のアクリル酸エステルモノマーにスチ
ロール樹脂等を溶解させたものがある。また特別な材料
としては重合度2のような低重合物であっても常温で固
体であるフタル酸ジアリルプレポリマー(重合度2)の
ようなポリマーを紫外線硬化樹脂中に溶解させると紫外
線硬化樹脂の重合時に白濁現象が生じ、同様な効果を得
ることができる。
【0038】従って、紫外線照射装置1からの紫外線
を、文字,図形などを印刷したマスクパターン2aを有
する遮光フィルタ2を介して照射すると、紫外線の一部
がマスクパターン2aで遮られるため、第1,第2ディ
スク基板11,14間に形成した透明接着材層13内に
マスクパターン2aと対応した透かし模様部13aが紫
外線硬化樹脂とポリマーとの混合物によって白濁するの
で、透明接着材層13内で透かし模様部13aの文字,
図形が目視可能な「透かし模様(ウォータマーク)」と
なる。
【0039】そして、上記した第1実施例の第1実施例
の光ディスクの製造方法によって製造した光ディスク1
0は、図1(b)に示した如くになる。
【0040】この際、図1(b)に示したように、第1
実施例の光ディスク10では、第1,第2ディスク基板
11,14間に形成した透明接着材層13は、透明な第
1ディスク基板11上に成膜した全反射膜12に遮られ
て第1ディスク基板11の再生面11b側から臨むこと
ができない。一方、図1(b)及び図1(c)に示した
ように、上記した透明接着材層13は、透明な第2ディ
スク基板11の他方の面14bとなるレーベル面側から
臨むことができ、これに伴って第2ディスク基板14の
レーベル面14b側から透明接着材層13内の透かし模
様部13aを見ることができるので、「透かし模様(ウ
ォータマーク)」を目視することができ、この「透かし
模様(ウォータマーク)」により第1実施例の光ディス
ク10の第1ディスク基板11の信号面が違法コピーし
たものでなく本物であることを確認することができる。
【0041】尚、第2ディスク基板14のレーベル面1
4b側から見える透明接着材層13内の透かし模様部1
3aを避けて図示しないレーベルを必要に応じて印刷し
たり、又は、図示しないレーベルを必要に応じて貼り付
ければ良い。
【0042】<第2実施例の光ディスクの製造方法、光
ディスク>図3は本発明に係る第2実施例の光ディスク
の製造方法、光ディスクを説明するために模式的に示し
た図であり、(a)は第2実施例の光ディスクの製造方
法を示し、(b)は第2実施例の光ディスクを示し、
(c),(d)は第2実施例の光ディスクの再生面側に
表示された透かし模様(ウォータマーク)を示した図で
ある。
【0043】尚、第2実施例では、先に説明した第1実
施例に対して光ディスクの構造が異なるだけであるの
で、ここでは説明の便宜上、先に示した第1実施例の部
材と同じ部材に対しては同一の符号を付し、且つ、第1
実施例と異なる構成部材に新たな符号を付して説明す
る。
【0044】図3(a)に示した如く、本発明に係る第
2実施例の光ディスクの製造方法では、紫外線ランプを
備えた紫外線照射装置1の下方にバーコード,文字,図
形などを印刷したマスクパターン2aを有する遮光フィ
ルタ2が配置され、更に、遮光フィルタ2の下方に第2
実施例の光ディスク20を構成する2枚の第1,第2デ
ィスク基板21,25が透明接着材を用いて貼り合わせ
する寸前の状態で配置されている。
【0045】また、上記した第2実施例の光ディスク2
0は、信号面が2層でDVD方式の再生専用型に形成さ
れている。即ち、光ディスク20では、第1ディスク基
板21が透明樹脂材を用いて外径120mm又は80m
m,中心孔の孔径15mm,基板厚み0.6mmに円盤
状に形成され、且つ、この第1ディスク基板21上に情
報信号が凹凸状のピット列21aに変換されて螺旋状又
は同心円状の記録トラックとして射出成形により形成さ
れている。更に、第1ディスク基板21は、射出成形後
にピット列21a上に金,珪素などの半透過反射膜22
が成膜されて、ピット列21aと半透過反射膜22とに
よる信号面が再生専用型に形成されている。この際、図
3(b)に示したように、第1ディスク基板21は、ピ
ット列21aと対向する面21bがレーザービームLを
照射する再生面側となるために、透明樹脂材を用いて透
明に形成しなければならないものである。
【0046】図3(a)に戻り、第2ディスク基板25
は、透明樹脂材又は不透明樹脂材を用いて第1ディスク
基板21と略同じ寸法形状で形成されており、射出成形
後にピット列25a上にアルミニュウムなどの全反射膜
24が成膜されて、ピット列25aと全反射膜24とに
よる信号面が再生専用型に形成されている。
【0047】そして、第2ディスク基板25を下側に配
置し、且つ、第2ディスク基板25の信号面側が接着面
側となるように全反射膜24を上方に向けると共に、第
1ディスク基板21の信号面側が接着面側となるように
半透過反射膜22を下方に向けて、第2ディスク基板2
5の全反射膜24上に透明接着材を介して第1ディスク
基板21の半透過反射膜22側を搭載し、更に、第1デ
ィスク基板21側を紫外線照射装置1の下方に配置した
遮光フィルタ2に接近させることで、紫外線照射装置1
から出射させた紫外線が遮光フィルタ2,透明な第1デ
ィスク基板21,半透過反射膜22を透過して透明接着
材に到達することができる。
【0048】ここでも、第2ディスク基板25の全反射
膜24上に透明接着材を用いて第1ディスク基板21の
半透過反射膜22側を貼り合せる際には、「スピン貼り
合わせ法」を用いている。
【0049】この貼り合せにより、第1ディスク基板2
1の半透過反射膜22と、第2ディスク基板25の全反
射膜24との間に透明接着材層23が形成される。そし
て、透明接着材層23内に遮光フィルタ2のマスクパタ
ーン2aと対応した透かし模様部23aが形成され、透
かし模様部23a以外は透明接着材による透明部23b
が形成される。
【0050】この際、図3(b)に示した第2実施例の
光ディスク20において、第1,第2ディスク基板2
1,25間に形成した透明接着材層23は、透明な第1
ディスク基板21上に成膜した半透過反射膜22を通し
て再生面21bに臨むことができるので、これに伴って
透明接着材層23内の透かし模様部23aも透明な第1
ディスク基板21の再生面21b側に表示され、透かし
模様部23aによる「透かし模様(ウォータマーク)」
で第2実施例の光ディスク20の第1,第2ディスク基
板21,25の各信号面が違法コピーしたものでなく本
物であることを確認することができる。
【0051】尚、第2ディスク基板25のピット列25
aと対向する面25bがレーベル面となるが、このレー
ベル面25b側からでは第2ディスク基板25上に成膜
した全反射膜24に遮られて透明接着材層23内の透か
し模様部23aが見えない。
【0052】また、透明接着材層23内の透かし模様部
23aが透明な第1ディスク基板21の再生面21b側
に表示されることから、図3(c)に示したように遮光
フィルタ2のマスクパターン2aを光ディスク20の内
周側のリードイン領域内と対応させてバーコード状のパ
ターンとすると、後述するようにバーコードによる透か
し模様部23aを透明な第1ディスク基板21の再生面
21b側から光ピックアップ66(図7)で検出するこ
とができる。勿論、図3(d)に示したように透かし模
様部23aを信号に影響しないように文字とか図形パタ
ーンで目視可能に表示することも可能である。
【0053】<第3実施例の光ディスクの製造方法、光
ディスク>図4は本発明に係る第3実施例の光ディスク
の製造方法、光ディスクを説明するために模式的に示し
た図であり、(a)は第3実施例の光ディスクの製造方
法を示し、(b)は第3実施例の光ディスクを示し、
(c),(d)は第3実施例の光ディスクの再生面側に
表示された透かし模様(ウォータマーク)を示した図で
ある。
【0054】尚、第3実施例でも、先に説明した第1,
第2実施例に対して光ディスクの構造が異なるだけであ
るので、ここでは説明の便宜上、先に示した第1,第2
実施例の部材と同じ部材に対しては同一の符号を付し、
且つ、第1,第2実施例と異なる構成部材に新たな符号
を付して説明する。
【0055】図4(a)に示した如く、本発明に係る第
3実施例の光ディスクの製造方法では、紫外線ランプを
備えた紫外線照射装置1の下方にバーコード,文字,図
形などを印刷したマスクパターン2aを有する遮光フィ
ルタ2が配置され、更に、遮光フィルタ2の下方に第3
実施例の光ディスク30を構成する2枚の第1,第2デ
ィスク基板31,36が透明接着材を用いて貼り合わせ
する寸前の状態で配置されている。
【0056】また、上記した第3実施例の光ディスク3
0は、信号面が2層でDVD方式の記録再生型及び再生
専用型に形成されている。即ち、光ディスク30では、
第1ディスク基板31が透明樹脂材を用いて外径120
mm又は80mm,中心孔の孔径15mm,基板厚み
0.6mmに円盤状に形成され、且つ、この第1ディス
ク基板31上に凹状のグルーブ31aと凸状のランド3
1bとが螺旋状又は同心円状の記録トラックとして射出
成形により形成されている。更に、第1ディスク基板3
1は、射出成形後にグルーブ31a及びランド31b上
に透明な記録膜32が成膜され、且つ、記録膜32上に
金,珪素などの半透過反射膜33が成膜されて、グルー
ブ31a及びランド31bと記録膜32と半透過反射膜
33とによる信号面が記録再生型に形成されている。こ
の際、図4(b)に示したように、第1ディスク基板3
1は、グルーブ31a及びランド31bと対向する面3
1cがレーザービームLを照射する再生面側となるため
に、透明樹脂材を用いて透明に形成しなければならない
ものである。
【0057】図4(a)に戻り、第2ディスク基板36
は、透明樹脂材又は不透明樹脂材を用いて第1ディスク
基板31と外形寸法形状が略同じに形成され、且つ、こ
の第2ディスク基板36上に情報信号が凹凸状のピット
列36aに変換されて螺旋状又は同心円状の記録トラッ
クとして射出成形により形成されている。更に、射出成
形後にピット列36a上にアルミニュウムなどの全反射
膜35が成膜されて、ピット列36aと全反射膜35と
による信号面が再生専用型に形成されている。
【0058】そして、第2ディスク基板36を下側に配
置し、且つ、第2ディスク基板36の信号面側が接着面
側となるように全反射膜35を上方に向けると共に、第
1ディスク基板31の信号面側が接着面側となるように
半透過反射膜33を下方に向けて、第2ディスク基板3
6の全反射膜35上に透明接着材を介して第1ディスク
基板31の半透過反射膜33側を搭載し、更に、第1デ
ィスク基板31側を紫外線照射装置1の下方に配置した
遮光フィルタ2に接近させることで、紫外線照射装置1
から出射させた紫外線が遮光フィルタ2,透明な第1デ
ィスク基板31,透明な記録膜32,半透過反射膜33
を透過して透明接着材に到達することができる。
【0059】ここでも、第2ディスク基板36の全反射
膜35上に透明接着材を用いて第1ディスク基板31の
半透過反射膜33側を貼り合せる際には、「スピン貼り
合わせ法」を用いている。
【0060】この貼り合せにより、第1ディスク基板3
1の半透過反射膜33と、第2ディスク基板36の全反
射膜35との間に透明接着材層34が形成される。そし
て、透明接着材層34内に遮光フィルタ2のマスクパタ
ーン2aと対応した透かし模様部34aが形成され、透
かし模様部34a以外は透明接着材による透明部34b
が形成される。
【0061】この際、図4(b)に示した第3実施例の
光ディスク30において、第1,第2ディスク基板3
1,36間に形成した透明接着材層34は、透明な第1
ディスク基板31上に成膜した透明な記録膜32,半透
過反射膜33を通して再生面31cに臨むことができる
ので、これに伴って透明接着材層34内の透かし模様部
34aも透明な第1ディスク基板31の再生面31c側
に表示され、透かし模様部34aによる「透かし模様
(ウォータマーク)」で第3実施例の光ディスク30の
第2ディスク基板36の信号面が違法コピーしたもので
なく本物であることを確認することができる。尚、第2
ディスク基板36のピット列36aと対向する面36b
がレーベル面となるが、このレーベル面36b側からで
は第2ディスク基板36上に成膜した全反射膜35に遮
られて透明接着材層34内の透かし模様部34aが見え
ない。
【0062】また、透明接着材層34内の透かし模様部
34aが透明な第1ディスク基板31の再生面31c側
に表示されることから、図4(c)に示したように遮光
フィルタ2のマスクパターン2aを光ディスク30のリ
ードイン領域内と対応させてバーコード状のパターンと
すると、後述するようにバーコードによる透かし模様部
34aを透明な第1ディスク基板31の再生面31c側
から光ピックアップ66(図7)で検出することができ
る。勿論、図4(d)に示したように透かし模様部34
aを信号に影響しないように文字とか図形パターンで目
視可能に表示することも可能である。
【0063】<第4実施例の光ディスクの製造方法、光
ディスク>図5は本発明に係る第4実施例の光ディスク
の製造方法、光ディスクを説明するために模式的に示し
た図であり、(a)は第4実施例の光ディスクの製造方
法を示し、(b)は第4実施例の光ディスクを示し、
(c),(d)は第4実施例の光ディスクの再生面側に
表示された透かし模様(ウォータマーク)を示した図で
ある。
【0064】図5に示した第4実施例の光ディスク40
は、DVDよりも情報信号を更に高密度で記録できる次
世代光ディスクとして商品化が検討されているものであ
る。このような次世代光ディスク40は、波長が略40
0nm程度の青色レーザー光を用いている。この際、光
ピックアップ66は、内部に設けた対物レンズ66dの
開口数(NA)を略0.7〜0.85に設定すること
で、対物レンズ66dのワーキングディスタンスが0.
5mm以下となり、これに伴って次世代光ディスク40
の再生面から信号面までの距離が略0.1mmとなるよ
うに形成されている。
【0065】即ち、図5(a)に示した如く、本発明に
係る第4実施例の光ディスクの製造方法では、紫外線ラ
ンプを備えた紫外線照射装置1の下方にバーコード,文
字,図形などを印刷したマスクパターン2aを有する遮
光フィルタ2が配置され、更に、遮光フィルタ2の下方
に第4実施例の光ディスク40を構成する2枚の第1,
第2ディスク基板41,44が透明接着材を用いて貼り
合わせする寸前の状態で配置されている。
【0066】また、上記した第4実施例の光ディスク4
0は、信号面が1層で再生専用型に形成されている。即
ち、光ディスク40では、第1ディスク基板41が透明
樹脂材又は不透明樹脂材を用いて外径120mm又は8
0mm,中心孔の孔径15mm,基板厚み略1.1mm
に円盤状に形成され、且つ、この第1ディスク基板41
上に情報信号が凹凸状のピット列41aに変換されて螺
旋状又は同心円状の記録トラックとして射出成形により
形成されている。更に、第1ディスク基板41は、射出
成形後にピット列41a上にアルミニュウムなどの全反
射膜42が成膜されて、ピット列41aと全反射膜42
とによる信号面が再生専用型に形成されている。
【0067】一方、第2ディスク基板44は、基板厚み
が略0.1mmの透明樹脂シートを用いて第1ディスク
基板41と外形寸法形状が略同じに形成されており、こ
の第2ディスク基板44の一方の面44a及び他方の面
44bには信号面は形成されていない。この際、図5
(b)に示したように、厚みが薄い第2ディスク基板4
4の一方の面44aと対向する他方の面44bがレーザ
ービームLを照射する再生面側となるために、透明樹脂
材(透明樹脂シート)を用いて透明に形成しなければな
らないものである。
【0068】そして、第1ディスク基板41を下側に配
置し、且つ、第1ディスク基板41の信号面側が接着面
側となるように全反射膜42を上方に向けて、第1ディ
スク基板41の全反射膜42上に透明接着材を介して第
2ディスク基板(透明樹脂シート)44の一方の面44
aを搭載し、更に、第2ディスク基板44側を紫外線照
射装置1の下方に配置した遮光フィルタ2に接近させる
ことで、紫外線照射装置1から出射させた紫外線が遮光
フィルタ2,透明な第2ディスク基板44を透過して透
明接着材に到達することができる。
【0069】ここでも、第1ディスク基板41の全反射
膜42上に透明接着材を用いて第2ディスク基板(透明
樹脂シート)44の一方の面44a側を貼り合せる際に
は、「スピン貼り合わせ法」を用いている。
【0070】この貼り合せにより、第1ディスク基板4
1の全反射膜42と、第2ディスク基板(透明樹脂シー
ト)44の一方の面44aとの間に透明接着材層43が
形成される。そして、透明接着材層43内に遮光フィル
タ2のマスクパターン2aと対応した透かし模様部43
aが形成され、透かし模様部43a以外は透明接着材に
よる透明部43bが形成される。
【0071】この際、図5(b)に示した第4実施例の
光ディスク40において、第1,第2ディスク基板4
1,44間に形成した透明接着材層43は、透明な第2
ディスク基板(透明樹脂シート)44の他方の面(再生
面)44bに臨むことができるので、これに伴って透明
接着材層43内の透かし模様部43aも第2ディスク基
板44の再生面44c側に表示され、透かし模様部43
aによる「透かし模様(ウォータマーク)」で第4実施
例の光ディスク40の第1ディスク基板41の信号面が
違法コピーしたものでなく本物であることを確認するこ
とができる。尚、第1ディスク基板41のピット列41
aと対向する面41bがレーベル面となるが、このレー
ベル面41b側からでは第1ディスク基板41上に成膜
した全反射膜42に遮られて透明接着材層43内の透か
し模様部43aが見えない。
【0072】また、透明接着材層43内の透かし模様部
43aが透明な第2ディスク基板44の再生面44b側
に表示されることから、図5(c)に示したように遮光
フィルタ2のマスクパターン2aを光ディスク40のリ
ードイン領域内と対応させてバーコード状のパターンと
すると、後述するようにバーコードによる透かし模様部
43aを透明な第2ディスク基板44の再生面44b側
から光ピックアップ66(図7)で検出することができ
る。勿論、図5(d)に示したように透かし模様部43
aを信号に影響しないように文字とか図形パターンで目
視可能に表示することも可能である。
【0073】<第5実施例の光ディスクの製造方法、光
ディスク>図6は本発明に係る第5実施例の光ディスク
の製造方法、光ディスクを説明するために模式的に示し
た図であり、(a)は第5実施例の光ディスクの製造方
法を示し、(b)は第5実施例の光ディスクを示し、
(c),(d)は第5実施例の光ディスクの再生面側に
表示された透かし模様(ウォータマーク)を示した図で
ある。
【0074】図6に示した第5実施例の光ディスク50
も、DVDよりも高密度で記録できる次世代光ディスク
50として商品化が検討されているものであり、ここで
は第4実施例で説明したような厚みが薄い第2ディスク
基板(透明樹脂シート)を貼り合わせることなく、厚み
が略1.1mmのディスク基板51をベースとして、こ
のディスク基板51の信号面上に透明接着材を用いて透
明樹脂層(=透明接着材層)53を略0.1mm程度直
接成膜して合計の厚みが1.2mmとなるよう形成して
いる点が第4実施例と異なるものである。
【0075】即ち、図6(a)に示した如く、本発明に
係る第5実施例の光ディスクの製造方法では、外径12
0mm又は80mm,中心孔の孔径15mm,基板厚み
が略1.1mmのディスク基板51上に情報信号が凹凸
状のピット列51aに変換されて螺旋状又は同心円状の
記録トラックとして射出成形により形成されている。更
に、ディスク基板51は、射出成形後にピット列51a
上にアルミニュウムなどの全反射膜52が成膜されて、
ピット列51aと全反射膜52とによる信号面が再生専
用型に形成されている。
【0076】そして、ディスク基板51の全反射膜52
上に透明接着材を用いて透明樹脂層53を直接成膜して
合計の厚みが1.2mmとなるように形成しているが、
ここでは透明接着材の1回の膜厚が1μm〜20μm程
度にコントロールして点線で示したように複数回繰り返
して透明樹脂層53を多層化することで、遮光フィルタ
2のマスクパターン2aに対応して透明樹脂層53内に
透かし模様部53aが形成され、透かし模様部53a以
外は透明接着材による透明部53bが形成される。
【0077】この際、図6(b)に示したように、第5
実施例の光ディスク50では、透明樹脂層53の面53
cがレーザービームLを照射する再生面となり、この再
生面53c側から透かし模様部53aが見えるので、こ
の透かし模様部53aによる「透かし模様(ウォータマ
ーク)」で第5実施例の光ディスク50のディスク基板
51の信号面が違法コピーしたものでなく本物であるこ
とを確認することができる。尚、ディスク基板51のピ
ット列51aと対向する面51bがレーベル面となる
が、このレーベル面51b側からではディスク基板51
上に成膜した全反射膜52に遮られて透明接着材層53
内の透かし模様部53aが見えない。
【0078】また、透明樹脂層53内の透かし模様部5
3aが再生面53c側に表示されることから、図6
(c)に示したように遮光フィルタ2のマスクパターン
2aを光ディスク50のリードイン領域内と対応させて
バーコード状のパターンとすると、後述するようにバー
コードによる透かし模様部53aを透明樹脂層53の再
生面53c側から光ピックアップ66(図7)で検出す
ることができる。勿論、図6(d)に示したように透か
し模様部53aを信号に影響しないように文字とか図形
パターンで目視可能に表示することも可能である。
【0079】<光ディスク再生装置>図7は本発明に係
る光ディスク再生装置を説明するためのブロック図、図
8(a),(b)は図7に示したLPF(ローパスフィ
ルタ)回路の具体的構成を示した図、図9は図7に示し
たLPF(ローパスフィルタ)回路の出力特性図、図1
0(a)〜(c)は図7に示したRF信号生成回路,L
PF回路,パルス整形回路の各出力波形を示した図であ
る。
【0080】図7に示した如く、本発明に係る光ディス
ク再生装置60では、先に説明した第2,第3,第4,
第5実施例の光ディスク20,30,40,50に形成
した透かし模様部23a,34a,43a,53aによ
るバーコード状の透かし模様(ウォータマーク)を再生
面側から光ピックアップ66を用いて検出することを特
徴とするものである。
【0081】即ち、本発明に係る光ディスク再生装置6
0は、内部に設けた制御部61によって装置全体が制御
されている。また、スピンドルモータ駆動回路62によ
って回転駆動するスピンドルモータ63の軸にターンテ
ーブル64が固着されており、このターンテーブル64
上に第2〜第5実施例の光ディスク20,30,40,
50のいずれかがターンテーブル64と一体に回転可能
に装着されている。また、各光ディスクの下面側にはレ
ーザー駆動回路65に接続した光ピックアップ66が光
ディスクの径方向に移動自在に設けられている。この
際、透かし模様部13aをレーベル面側に臨ませた第1
実施例の光ディスク10をターンテーブル64上に装着
した時には、光ディスク10の信号面だけを光ピックア
ップ66で再生可能である。
【0082】上記した光ピックアップ66は、レーザー
光を出射する半導体レーザー66aと、半導体レーザー
66aから出射したレーザー光をコリメータレンズ66
b,ビームスプリッタ66cを経た後に絞り込んだレー
ザービームLを各光ディスクの再生面側に照射する対物
レンズ66dと、対物レンズ66dをフォーカス制御す
るフォーカスコイル66eと、対物レンズ66dをトラ
ッキング制御するトラッキングコイル66fと、各光デ
ィスク上に成膜した全反射膜及び/又は半透過反射膜で
反射されたレーザービームLの戻り光を検出する4分割
型ホトセンサ66gとが内部に設けられている。
【0083】そして、各光ディスクを選択的に回転させ
た状態で、光ピックアップ66内の半導体レーザー66
aはレーザー駆動回路65によって読取り用のレーザー
光を出射し、対物レンズ66dで絞り込んだレーザービ
ームLを各光ディスクの信号面に照射して、この信号面
で反射された戻り光を4分割型ホトセンサ66gで検出
している。
【0084】この際、光ピックアップ66内の半導体レ
ーザー66aは、周知のCD用の波長略780nmと、
周知のDVD用の波長略635nmと、次世代光ディス
ク用の波長略400nmとを選択的に出射できるように
複数設けられているものの、図中では1個のみ図示して
おり、動作開始時にはCD用の波長略780nm又はD
VD用の波長略635nmのいずれか一方の波長のレー
ザービームLを用いて後述する光ディスク種類判別回路
70で光ディスクの種類を先に判別している。
【0085】また、光ピックアップ66内の4分割型ホ
トセンサ66gはA領域〜D領域に4分割されており、
ここで検出した検出信号66g1をフォーカスサーボ回
路67,トラッキングサーボ回路68,RF信号生成回
路69にそれぞれ出力している。
【0086】上記したフォーカスサーボ回路67は、検
出信号66g1のA領域〜D領域からのA信号〜D信号
に対して{(A+D)−(B+C)}を演算すること
で、フォーカスエラー信号67aを得て、このフォーカ
スエラー信号67aを光ピックアップ66内のフォーカ
スコイル66eに印加すると共に、光ディスク種類判別
回路70にも送っている。
【0087】また、上記したトラッキングサーボ回路6
8は、検出信号66g1のA領域〜D領域からのA信号
〜D信号に対して{(A+B)−(C+D)}を演算す
ることでトラッキングエラー信号68aを得て、このト
ラッキングエラー信号68aを光ピックアップ66内の
トラッキングコイル66fに印加すると共に、光ディス
ク種類判別回路70にも送っている。
【0088】また、上記したRF信号生成回路69は、
検出信号66g1のA領域〜D領域からのA信号〜D信
号に対して{(A+B)+(C+D)}を演算すること
で、RF信号69aを得て、このRF信号69aをLP
F(ローパスフィルタ)回路71とデータ復号回路73
とに送っている。
【0089】次に、上記したディスク種類判別回路70
では、動作開始時にはCD用の波長略780nm又はD
VD用の波長略635nmのうちいずれか一方の波長の
レーザービームLを光ディスクに照射して、フォーカス
サーボ回路67からのフォーカスエラー信号67aのレ
ベルがCD又はDVDを再生した時には所定レベルより
大となるのでCD又はDVDと判別でき、次世代光ディ
スクを再生した時には所定レベルより小となるの次世代
光ディスクと判別できる。
【0090】また、ディスク種類判別回路70内でCD
又はDVDであると判別した後、トラッキングサーボ回
路68からのトラッキングエラー信号68aのレベルが
CDを再生した時には所定レベルより大となるのでCD
と判別でき、DVDを再生した時には所定レベルより小
となるのDVDと判別できる。従って、ディスク種類判
別回路70は光ディスクの種類を判別した結果の信号7
0aを制御部61に知らせており、これにより制御部6
1は光ディスクの種類に対応してレーザー駆動回路65
に制御信号61bを出力して光ディスクの種類に対応し
た波長の半導体レーザー66aを動作させている。
【0091】次に、上記したLPF(ローパスフィル
タ)回路71は、図8(a)に示したような抵抗R1〜
R4とコンデンサC1〜C3とによるフィルタ回路構
成、又は、図8(b)に示したようなコイルL1〜L4
とコンデンサC1〜C3とによるフィルタ回路構成を用
いてRF信号生成回路69から入力したRF信号69a
に対して低域成分を抽出している。
【0092】ここで、第2,第3,第4,第5実施例の
光ディスク20,30,40,50を光ピックアップ6
6で再生した時に、各光ディスクの再生面側で内周側の
リードイン領域内には透かし模様部23a,34a,4
3a,53aによるバーコード状の透かし模様(ウォー
タマーク)が表示されるので、光ピックアップ66でバ
ーコードによる透かし模様を上記したLPF(ローパス
フィルタ)回路71で検出できる。
【0093】具体的には、光ディスク20,30,4
0,50の内周側のリードイン領域内に形成したバーコ
ードによる透かし模様は、例えば略100μsの周期で
出現するように設定し、且つ、周辺に比べて光透過率が
40%程度減少するようにしておいた場合、再生は各光
ディスクの円周方向に行われるため、RF信号生成回路
69から出力されたRF信号69aの出力電圧が図10
(a)で示すように高い周波数の交番電位が低い周波数
の交番電位で変調されたような波形となる。
【0094】この後、RF信号生成回路69から出力さ
れたRF信号69aをLPF(ローパスフィルタ)回路
71を通す。ここで、RF信号69aは主データとバー
コードによる副データとを含み、主データは一般的に1
μs以下の速さの交番周期であり、バーコードによる副
データは略100μsの周期であるので、図9に示した
ようにLPF(ローパスフィルタ)回路71の出力特性
中でカットオフ周波数を略100kHz程度に設定すれ
ば、1MHzにおいて40dB〜60dB程度の減衰量
が得られるので、略100μSの周期で出現するバーコ
ードによる副データを十分な品質で得ることができる。
【0095】そして、RF信号生成回路69から出力さ
れたRF信号69aをLPF(ローパスフィルタ)回路
71を通すと、図10(b)に示したような4V〜10
Vの出力信号71aが得られ、この出力信号71aに対
して例えば7Vに閾値を設定して、この出力信号71a
をパルス整形回路72で波形整形すれば略100μsの
周期で2値化したバーコード信号72aが得られるの
で、このバーコード信号72aを制御部61に知らせて
いる。この後、制御部61は、第1〜第3実施例に対応
したDVD用の光ディスク10,20,30に対しては
バーコード信号72aの有無に応じてバーコード有無表
示信号61cを図示しないディスプレイ側に出力するこ
とで、バーコードありが表示された時に第2,第3実施
例の光ディスク20,30の信号面が本物であるとわか
り、バーコードなしが表示された時に第1実施例の光デ
ィスク10か又は既存のCD,既存のDVD,コピーし
た光ディスクであるものと判明できる。
【0096】尚、この場合、既存のCD,既存のDVD
は透かし模様がないので、既存のCD,既存のDVDの
再生を許容しなけばならず、バーコードなしの表示でも
再生可能になっている。
【0097】一方、第4,第5実施例に対応した次世代
光ディスク40,50は、まだ商品化されていないため
に、これに対してはバーコード信号72aがない時に再
生を停止するようにシステムを構築することができるの
で、この場合にはスピンドルモータ駆動回路62に再生
停止の制御信号61aを送れば良い。
【0098】次に、上記したデータ復号回路73は、R
F信号生成回路69から出力されたRF信号69aを基
にして各光ディスクの種類に応じてフォーマットデータ
73aに復号して、このフォーマットデータ73aを制
御部61に知らせている。この後、制御部61は、フォ
ーマットデータ73aに対応したデータ信号61dを外
部に出力している。
【0099】次に、先に説明した第2〜第5実施例の光
ディスク20,30,40,50に形成した透かし模様
(ウォータマーク)を再生面側から光ピックアップ66
を用いて検出する動作について、図7及び図11を併用
して説明する。
【0100】図11は本発明に係る光ディスクを、本発
明に係る光ディスク再生装置により再生する手順を示し
たフロー図である。
【0101】図11に示した如く、本発明に係る第2〜
第5実施例の光ディスク20,30,40,50に形成
した透かし模様部23a,34a,43a,53aによ
るバーコード状の透かし模様(ウォータマーク)を再生
する際、ステップS1では、光ディスク再生装置60内
に選択的に装着した光ディスクを回転させる。
【0102】次に、ステップS2では、光ピックアップ
66を用いて光ディスク種類判別回路70により光ディ
スクの種類を判別する。この際、光ディスクの再生面側
に表示された透かし模様(ウォータマーク)を検出する
場合には、CD又はDVDであるか、次世代光ディスク
であるかを判別すれば良い。
【0103】次に、ステップS3で光ディスクがCD又
はDVDであると判別した時に、ステップS4では光ピ
ックアップ66で内周側のリードイン領域を再生する。
【0104】次に、ステップS5では光ピックアップ6
6でリードイン領域を再生した時に、透かし模様部によ
るバーコードと対応して略100μsの周期で出現する
パルスが得られるか否かを問い、パルスが得られた場合
(YESの場合)にステップS6で不図示のディスプレ
イに透かし模様(ウォーターマーク)ありを表示し、こ
の後、ステップS7で再生を続行する。一方、ステップ
S5でパルスが得られない場合(NOの場合)にステッ
プS8で不図示のディスプレイに透かし模様(ウォータ
ーマーク)なしを表示し、この後、ステップS9で再生
を続行する。
【0105】これにより、第2,第3実施例の光ディス
ク20,30の再生面側から光ピックアップ66で透か
し模様(ウォーターマーク)を検出した場合には、これ
らの光ディスク20,30が本物であることを確認でき
る。また、第1実施例の光ディスク10とか、既存のC
D,既存のDVD,コピーした光りディスクでは透かし
模様(ウォーターマーク)が検出できないが、既存のC
D,既存のDVD20の再生を容認するには再生を続行
する必要がある。
【0106】次に、ステップS10で光ディスクが次世
代光ディスクであると判別した時に、ステップS11で
は光ピックアップ66で内周側のリードイン領域を再生
する。
【0107】次に、ステップS12では光ピックアップ
66でリードイン領域を再生した時に、透かし模様部に
よるバーコードと対応して略100μsの周期で出現す
るパルスが得られるか否かを問い、パルスが得られた場
合(YESの場合)にステップS13で再生を続行す
る。一方、ステップS12でパルスが得られない場合
(NOの場合)にステップS14で再生を停止する。
【0108】これにより、第4,第5実施例の光ディス
ク40,50は前述したように次世代光ディスクである
で現在世の中に出回っていないために、新たにシステム
を構築できるので、光ディスクの再生面側から透かし模
様(ウォーターマーク)が検出できない場合には違法コ
ピーした次世代型の光ディスクであると確認でき、これ
によって再生動作を停止させることができる。
【0109】
【発明の効果】以上詳述した本発明に係る光ディスクの
製造方法、光ディスク、光ディスク再生装置において、
請求項1,3,5記載の光ディスクの製造方法,光ディ
スク,光ディスク再生装置によれば、透明接着材を用い
て第1,第2ディスク基板間に透明接着材層を形成して
2枚のディスク基板を貼り合せる際、紫外線を一部遮光
するために特定のマスクパターンを形成した遮光マスク
を用い、この遮光マスクを介して紫外線を照射すること
で、遮光マスクの特定のマスクパターンに対応して光透
過率が低下した透かし模様部を透明接着材層内に形成し
ているため、透かし模様部による透かし模様(ウォータ
マーク)を簡単な方法で光ディスクに表示でき、且つ、
透かし模様(ウォータマーク)によりディスク基板に収
録した情報が違法コピーされたものでなく、本物である
ことを目視又は光ディスク再生装置内の光ピックアップ
により判別できる。
【0110】また、請求項2,4,6記載の光ディスク
の製造方法,光ディスク,光ディスク再生装置によれ
ば、ディスク基板上に透明接着材を用いて透明樹脂層
(=透明接着材層)を形成する際、紫外線を一部遮光す
るために特定のマスクパターンを形成した遮光マスクを
用い、この遮光マスクを介して紫外線を照射すること
で、遮光マスクの特定のマスクパターンに対応して光透
過率が低下した透かし模様部を透明樹脂層内に形成して
いるため、上記と同様に、透かし模様部による透かし模
様(ウォータマーク)を簡単な方法で光ディスクに表示
でき、且つ、透かし模様(ウォータマーク)によりディ
スク基板に収録した情報が違法コピーされたものでな
く、本物であることを目視又は光ディスク再生装置内の
光ピックアップにより判別できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の光ディスクの製造方
法、光ディスクを説明するために模式的に示した図であ
り、(a)は第1実施例の光ディスクの製造方法を示
し、(b)は第1実施例の光ディスクを示し、(c)は
第1実施例の光ディスクのレーベル面側に表示された透
かし模様(ウォータマーク)を示した図である。
【図2】図1(a)に示した遮光フィルタのマスクパタ
ーンの分光特性を示した図である。
【図3】本発明に係る第2実施例の光ディスクの製造方
法、光ディスクを説明するために模式的に示した図であ
り、(a)は第2実施例の光ディスクの製造方法を示
し、(b)は第2実施例の光ディスクを示し、(c),
(d)は第2実施例の光ディスクの再生面側に表示され
た透かし模様(ウォータマーク)を示した図である。
【図4】本発明に係る第3実施例の光ディスクの製造方
法、光ディスクを説明するために模式的に示した図であ
り、(a)は第3実施例の光ディスクの製造方法を示
し、(b)は第3実施例の光ディスクを示し、(c),
(d)は第3実施例の光ディスクの再生面側に表示され
た透かし模様(ウォータマーク)を示した図である。
【図5】本発明に係る第4実施例の光ディスクの製造方
法、光ディスクを説明するために模式的に示した図であ
り、(a)は第4実施例の光ディスクの製造方法を示
し、(b)は第4実施例の光ディスクを示し、(c),
(d)は第4実施例の光ディスクの再生面側に表示され
た透かし模様(ウォータマーク)を示した図である。
【図6】本発明に係る第5実施例の光ディスクの製造方
法、光ディスクを説明するために模式的に示した図であ
り、(a)は第5実施例の光ディスクの製造方法を示
し、(b)は第5実施例の光ディスクを示し、(c),
(d)は第5実施例の光ディスクの再生面側に表示され
た透かし模様(ウォータマーク)を示した図である。
【図7】本発明に係る光ディスク再生装置を説明するた
めのブロック図である。
【図8】(a),(b)は図7に示したLPF(ローパ
スフィルタ)回路の具体的構成を示した図である。
【図9】図7に示したLPF(ローパスフィルタ)回路
の出力特性図である。
【図10】(a)〜(c)は図7に示したRF信号生成
回路,LPF回路,パルス整形回路の各出力波形を示し
た図である。
【図11】本発明に係る光ディスクを、本発明に係る光
ディスク再生装置により再生する手順を示したフロー図
である。
【符号の説明】
1…紫外線照射装置、2…遮光フィルタ、2a…マスク
パターン、10…第1実施例の光ディスク、11…第1
ディスク基板、11a…ピット列、11b…再生面、1
2…全反射膜、13…透明接着材層、13a…透かし模
様部、13b…透明部、14…第2ディスク基板、14
b…レーベル面、20…第2実施例の光ディスク、21
…第1ディスク基板、21a…ピット列、21b…再生
面、22…半透過反射膜、23…透明接着材層、23a
…透かし模様部、23b…透明部、24…全反射膜、2
5…第2ディスク基板、25b……レーベル面、30…
第3実施例の光ディスク、31…第1ディスク基板、3
1a…グルーブ、31b…ランド、31c…再生面、3
2…記録膜、33…半透過反射膜、34…透明接着材
層、34a…透かし模様部、34b…透明部、35…全
反射膜、36…第2ディスク基板、36a…ピット列、
36b……レーベル面、40…第4実施例の光ディス
ク、41…第1ディスク基板、41a…ピット列、41
b……レーベル面、42…全反射膜、43…透明接着材
層、43a…透かし模様部、43b…透明部、44…第
2ディスク基板(透明樹脂シート基板)、44b…再生
面、50…第5実施例の光ディスク、51…ディスク基
板、51a…ピット列、51b……レーベル面、52…
全反射膜、53…透明樹脂層(透明接着材層)、53a
…透かし模様部、53b…透明部、 53c…再生面、
60…光ディスク再生装置、61…制御部、62…スピ
ンドルモータ駆動回路、63…スピンドルモータ、64
…ターンテーブル、65…レーザー駆動回路、66…光
ピックアップ、66a…半導体レーザー、66d…対物
レンズ、66g…4分割型ホトセンサ、67…フォーカ
スサーボ回路、68…トラッキングサーボ回路、69…
RF信号生成回路、70…光ディスク種類判別回路、7
1…LPF(ローパスフィルタ)回路、72…パルス整
形回路、73…データ復号回路、L…レーザービーム。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1信号面を形成した第1ディスク基板
    と、第2信号面を必要に応じて形成した第2ディスク基
    板とを前記第1信号面側又は第1,第2信号面側が接着
    面側となるように透明接着材を用いて貼り合わせる際
    に、前記第1,第2ディスク基板のうちで少なくともレ
    ーザービームの照射側を透明樹脂材を用いて透明に形成
    し、且つ、紫外線を照射して前記透明接着材を硬化させ
    て透明接着材層を形成する光ディスクの製造方法におい
    て、 前記紫外線を一部遮光するために特定のマスクパターン
    を形成した遮光マスクを用い、この遮光マスクを介して
    前記紫外線を照射することで、前記遮光マスクの特定の
    マスクパターンに対応して光透過率が低下した透かし模
    様部を前記透明接着材層内に形成することを特徴とする
    光ディスクの製造方法。
  2. 【請求項2】 ディスク基板の信号面上に透明樹脂層を
    レーザービームの照射側に形成する際に、紫外線を照射
    して前記透明樹脂層を硬化させて形成する光ディスクの
    製造方法において、 前記紫外線を一部遮光するために特定のマスクパターン
    を形成した遮光マスクを用い、この遮光マスクを介して
    前記紫外線を照射することで、前記遮光マスクの特定の
    マスクパターンに対応して光透過率が低下した透かし模
    様部を前記透明樹脂層内に形成することを特徴とする光
    ディスクの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の光ディスクの製造方法で
    製造された光ディスクであって、 前記透明接着材層内に形成した前記透かし模様部を、前
    記レーザービームを照射する面に臨ませことを特徴とす
    る光ディスク。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の光ディスクの製造方法で
    製造された光ディスクであって、 前記透明樹脂層内に形成した前記透かし模様部を、前記
    レーザービームを照射する面に臨ませことを特徴とする
    光ディスク。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の光ディスクを再生する光
    ディスク再生装置であって、 前記透明接着材層内に形成した前記透かし模様部の光透
    過率の変化を、前記光ディスクの再生面側から検出する
    光ピックアップと、 前記光ピックアップの検出信号に基づいてRF信号を生
    成するRF信号生成回路と、 前記RF信号生成回路で生成した前記RF信号から前記
    透明接着材層内に形成した前記透かし模様部の光透過率
    の変化信号を抽出するローパスフィルタとを備えたこと
    を特徴とする光ディスク再生装置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の光ディスクを再生する光
    ディスク再生装置であって、 前記透明樹脂層内に形成した前記透かし模様部の光透過
    率の変化を、前記光ディスクの再生面側から検出する光
    ピックアップと、 前記光ピックアップの検出信号に基づいてRF信号を生
    成するRF信号生成回路と、 前記RF信号生成回路で生成した前記RF信号から前記
    透明樹脂層内に形成した前記透かし模様部の光透過率の
    変化信号を抽出するローパスフィルタとを備えたことを
    特徴とする光ディスク再生装置。
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