JP2003307188A - 圧縮部と膨張部を備えたスクロール式流体機械 - Google Patents

圧縮部と膨張部を備えたスクロール式流体機械

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JP2003307188A JP2002111077A JP2002111077A JP2003307188A JP 2003307188 A JP2003307188 A JP 2003307188A JP 2002111077 A JP2002111077 A JP 2002111077A JP 2002111077 A JP2002111077 A JP 2002111077A JP 2003307188 A JP2003307188 A JP 2003307188A
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型、軽量、低コストの圧縮部と膨張部を備
えたスクロール式流体機械を提供すること。 【解決手段】 旋回スクロール端板の片面に設けた旋回
スクロールラップと該旋回スクロールラップと噛合う固
定スクロールラップによって形成されるスクロール式流
体機械の作動区域を内側環状壁と外側環状壁により圧縮
作動区域と膨張作動区域に仕切ることによって、圧縮部
と膨張部を備えると共に膨張部で膨張により温度が低下
した流体を利用しての旋回スクロール、駆動電動機、及
び固定スクロールの効果的な冷却を可能としたスクロー
ル式流体機械を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮部と膨張部を
有するスクロール式流体機械に関し、特に燃料電池への
空気の供給、排出や、空気膨張冷房装置に使用されるス
クロール式流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池では、電解質層を挟んで正極と
負極が設けられ、負極には負極活物質として水素が供給
され、該水素は負極で電子が奪われて水素イオンとなっ
て電解質層を通って正極に至る。正極には正極活物質と
して酸素が供給され、負極から導体によって運ばれた電
子を受けて前記水素イオンは酸素と結合して反応生成物
である水が生じる。このようにして負極から正極へ電子
が流れる。即ち正極から負極へ電流が流れる。通常、正
極には酸素を含む空気が供給されるので、正極には水の
他に未反応の酸素と空気の主成分である窒素等が存在す
ることとなり、水素と酸素の結合反応は発熱反応である
ので、温度も供給された空気の温度よりも上昇してい
る。この窒素を主成分とするガスは正極から排出されね
ばならない。
【0003】正極へは圧縮機によって圧力を上昇された
空気が供給され、正極における前記ガスは大気圧よりは
圧力が高い状態である。このガスをそのまま大気中に放
出すると、ガスは何も仕事をせずに損失となるので、こ
のガスを膨張機に通してエネルギを回収することが行わ
れる。即ち、燃料電池では圧縮機と膨張機を備えること
が望ましい。
【0004】一台の流体機械に圧縮機と膨張機を組み合
わせた流体機械として、例えば特開2001−9355
3に燃料電池用圧縮回生機が開示されている。この開示
によると、スクロール式流体機械の旋回スクロールは両
側にスクロールラップを有し、片側のスクロールラップ
は吸入した流体を圧縮し、他側のスクロールラップは吸
入した流体を膨張させて仕事を得るように構成されてい
る。
【0005】しかしながら、前記燃料電池用圧縮回生機
は旋回スクロールが両面にスクロールラップを有するた
めに、スクロール部の幅が大きくなる、旋回スクロール
中心部に旋回スクロールを支持するための軸受けボスが
設けられるために、スクロールラップは軸受けボス外周
よりも外側から巻き始められることとなってスクロール
端板の外径が大きくなる、旋回スクロールは両面にラッ
プを有するために加工に手間取る等の問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うな問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、ス
クロール部材を小型、軽量化し、製造コストの低減を図
った圧縮部と膨張部を有するスクロール式流体機械を提
供することである。さらに他の目的は、膨張部で膨張し
て温度が下がった流体をスクロール機械や駆動用電動機
の冷却に有利に利用するスクロール式流体機械を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の圧縮部と膨張部
を備えたスクロール式流体機械は、同一回転軸によって
駆動される、圧縮部と膨張部と備えたスクロール式流体
機械において、前記膨張部から排出された流体をスクロ
ール式流体機械の少なくとも一部を冷却する冷却流体と
して利用することを提案とする。
【0008】従来の同一回転軸によって駆動される圧縮
部と膨張部を備えたスクロール式流体機械の膨張部で膨
張仕事をなして温度が下がった流体は、そのまま外部に
排出されるか、冷房用空気として利用されるのみで、ス
クロール機械や駆動電動機の冷却に利用されることはな
かった。
【0009】請求項2記載の発明は、膨張部で膨張仕事
をなして温度が下がった流体をスクロール機械の冷却に
利用できるように構成するものであり、固定スクロール
ラップを有する固定スクロールと旋回スクロールラップ
を有する旋回スクロールを備え、旋回スクロールが固定
スクロール中心の回りに公転するにしたがって互いに噛
合う旋回スクロールラップと固定スクロールラップによ
って形成される閉込み空間が変化することによって流体
の圧縮或は膨張を行わしめるスクロール式流体機械にお
いて、一方のスクロールはスクロールラップと同じ高さ
の中間環状壁と外側環状壁を有し、固定及び旋回スクロ
ールは前記中間環状壁と外側環状壁との間に旋回スクロ
ールの公転によって閉込み空間が外周側から中心方向に
向って減少するように形成された互いに噛合う固定及び
旋回スクロールラップを有して圧縮部を形成すると共
に、前記中間環状壁よりも中心側には旋回スクロールの
公転によって閉込み空間が中心側から外周方向に向って
増大するように形成された互いに噛合う固定及び旋回ス
クロールラップを有して膨張部を形成し、前記旋回スク
ロール端板の背面(旋回スクロールラップと反対側面)
に冷却フィンを設けて前記旋回スクロール端板に設けら
れた膨張部排出口から排出される膨張して温度が下がっ
た流体が前記冷却フィンに沿って流れる通路を形成する
ことにより、前記旋回スクロールが前記通路を流れる流
体によって冷却されることを特徴とする。
【0010】かかる発明においては、固定および旋回ス
クロールの端版間に形成された作動区域が一方のスクロ
ールに設けられた内側及び外側環状壁によって、内側環
状壁と外側環状壁の間の圧縮作動区域と内側環状壁より
も中心側の膨張作動区域に仕切られる。前記圧縮作動区
域には内側環状壁の外周付近から始まる渦巻き状の互い
に噛合う固定及び旋回スクロールラップが設けられ、こ
れらの外側スクロールラップは、ラップ外周側から吸入
されラップ間に閉じ込められた流体が旋回スクロールの
公転によりラップ間閉込め容積が中心方向に向って減少
することにより圧縮されるような渦巻き方向に形成され
ており、圧縮された流体は前記内側環状壁の外側部に設
けられた吐出口から吐出される。
【0011】一方、前記内側環状壁よりも中心側の膨張
作動区域にはスクロール中心付近から始まる渦巻き状の
互いに噛合う固定及び旋回スクロールラップが設けら
れ、これらの内側スクロールラップは、スクロール中心
部から吸入されラップ間に閉じ込められた流体が、旋回
スクロールの公転によりラップ間閉込み容積が外周方向
に向って増大することにより膨張するような渦巻き方向
に形成されており、膨張した流体は前記内側環状壁の内
側部に設けられた排出口より排出される。このスクロー
ルの膨張作動区域における流体の膨張により流体は旋回
スクロールを回転させる仕事をなし、流体は膨張仕事を
するので温度が低下する。
【0012】さらに、スクロールラップの噛合いによる
スクロール作動区域が内側環状壁と外側環状壁により、
内側環状壁よりも中心側の膨張作動区域と、内外環状壁
間の圧縮作動区域に仕切られ、膨張作動区域で膨張した
流体の排出口は前記内側環状壁よりも中心側に設けられ
るので、該排出口は旋回スクロールの圧縮作用区域より
も中心側に設けられることになり、該排出口から旋回ス
クロール端板背面側に排出される流体を該端板背面に設
けた冷却フィンに沿って外周方向へ導くことにより旋回
スクロールが効果的に冷却される。なお、旋回スクロー
ルの外周部では外側環状壁により圧縮作動区域と旋回ス
クロール背面側空間とは仕切られているので、圧縮作動
区域に吸入された流体が旋回スクロール背面側空間に流
出することはない。
【0013】請求項4記載の発明は、本発明の原理電動
機一体型のスクロール式流体機械ユニットに適用したも
のであり、固定スクロールラップを有する固定スクロー
ルと、該固定スクロールラップと噛合う旋回スクロール
ラップを有する旋回スクロールと、該旋回スクロールを
覆って前記固定スクロールに固定されるハウジングを備
え、該ハウジングに電動機が装着され、該電動機の駆動
軸は前記ハウジング中心部を貫通してその先端部に偏芯
ピンを備えたクランク軸に構成され、該偏芯ピンによっ
て前記旋回スクロールが旋回駆動され、前記固定スクロ
ールと旋回スクロールは外周部において複数の補助クラ
ンク軸により連結されて旋回スクロールの自転が防止さ
れたスクロール式流体機械において、一方のスクロール
にスクロールラップと同じ高さの中間環状壁と外側環状
壁を設け、固定及び旋回スクロールには前記中間環状壁
と外側環状壁の間に互いに噛合う渦巻き状の外側スクロ
ールラップが設けられて圧縮部が形成されると共に、前
記中間環状壁よりも中心側には前記外側スクロールラッ
プとは巻き方向が反対の互いに噛合う渦巻き状の内側ス
クロールラップが設けられて膨張部が形成され、前記旋
回スクロール端板の背面(旋回スクロールラップと反対
側面)に冷却フィンを設けて該旋回スクロール端板背面
と該背面に対面する前記ハウジングの壁板との間に前記
旋回スクロール端板の膨張部に設けられた排出口から排
出される流体が前記冷却フィンに沿って流れる冷却通路
を形成することにより、前記旋回スクロールが前記通路
を流れる流体によって冷却されることを特徴とする。
【0014】かかる発明によれば、クランク軸に構成さ
れた電動機回転軸の偏芯ピンに軸受支持される旋回スク
ロール端版の軸受けを嵌着するためのボスは旋回スクロ
ール端板背面側に設けられ、該軸受けボスとは反対面側
に圧縮部と膨張部用のスクロールラップが一方のスクロ
ールの環状壁に仕切られて設けられるので、該環状壁よ
りも中心側のスクロールラップは中心付近から巻き始め
ることができ、旋回スクロール端板の両面側に夫々圧縮
用と膨張用のスクロールラップを設けたためにスクロー
ルラップの巻始めが旋回スクロールの軸受けボスよりも
外側となる従来技術に比べて、スクロールラップの作動
空間のスペース利用効率が高くなり、スクロール部を小
型、軽量化することができる。
【0015】さらに、膨張作動区域で膨張して温度が下
がった流体が、旋回スクロール端板に設けられた膨張作
動区域排出口から旋回スクロール端板背面側に排出され
て該端板背面に設けられた冷却フィンに沿って外周方向
へ流れて旋回スクロールを効果的に冷却する。その際、
圧縮作動区域の外周側は外側環状壁によって旋回スクロ
ール背面側空間とは仕切られているので、圧縮作動区域
に吸入された流体が旋回スクロール背面側に流出するこ
とはない。旋回スクロール背面を外周方向へ流れた旋回
スクロールを冷却した流体はハウジングに設けた排出口
より外部に排出される。
【0016】請求項5に記載の発明は、前記旋回スクロ
ール端板背面に設けた冷却フィンの頂面に接する遮板を
設けて旋回スクロール端板背面と前記遮板の間の冷却通
路のほか該遮板と前記ハウジングの壁板との間にも通路
を形成すると共に、ハウジングの壁板に前記電動機の内
部に連通する穴を設け、前記旋回スクロール端板の膨張
部の排出口を出て旋回スクロール背面と遮板により形成
された冷却通路を通って旋回スクロールを冷却した流体
が該遮板外周部を迂回して遮板とハウジング間の通路を
中心方向に流れ、ハウジングに設けられた前記連通穴を
通って電動機内部に導入されて電動機を冷却後に電動機
から排出されることを特徴とする。かかる発明は、旋回
スクロールを冷却した流体がさらに駆動用電動機の冷却
に利用されるので、電動機の小型化、高効率化に貢献す
る。
【0017】請求項6に記載の発明は、前記固定スクロ
ールのラップが設けられた固定スクロール端板に、前記
外側環状壁と前記外側スクロールラップ最外周(巻終
り)の間の空間に連通する圧縮部吸入口と、該外側スク
ロールラップの最内周(巻始め)と前記中間環状壁との
間の空間に連通する圧縮部吐出口と、前記内側スクロー
ルラップ最外周(巻終り)と前記中間環状壁との間の空
間に連通する膨張部排出口と、前記固定スクロール端板
の中心部の内側スクロールラップ巻始め部空間に連通す
る膨張部吸入口とを設けたことを特徴とする。圧縮部へ
の吸入口と圧縮部からの吐出口及び膨張部への吸入口と
膨張部からの排出口の全てを固定スクロール端版に設け
たので、スクロールハウジングの外周には吸入口や排出
口を設ける必要がなくなって配管により外径の増大を招
くことがなく、また配管をすっきりとまとめることがで
きるので美観上も優れたものとすることができる。
【0018】請求項7に記載の発明は、前記固定スクロ
ール端板前面(固定スクロールラップと反対側面)に冷
却フィンと前面遮板を設けて該前面遮板と固定スクロー
ル端板前面の間に前記膨張作動区域から排出される流体
が前記冷却フィンに沿って外部へ流出する通路を形成す
ることにより前記固定スクロールが前記通路を流れる流
体によって冷却されることを特徴とするものであり、膨
張作動区域での膨張により温度が降下した流体が固定ス
クロールの冷却フィンに沿って外周側に流れさせること
により固定スクロールの冷却を効果的に行うものであ
る。
【0019】燃料電池の場合、前述したように、正極に
は供給された圧縮空気中の酸素が負極から電解質層を移
動して来た水素イオンと結合して生じた液体水或は水蒸
気と余剰酸素と窒素等を含むガスが存在し、このガスは
反応熱により供給された空気よりも温度が上昇してい
る。例えば固体高分子型燃料電池の場合、この正極側の
温度は常温〜80℃、圧力は1.5〜3気圧であり、そ
の比容積は正極に供給される常温常圧の空気の比容積に
比べると小さい。供給する空気と排出するガスのバラン
スを保持するためには、空気を供給する圧縮機の吸入時
閉込み容積を膨張機の吸入時閉込み容積よりも大きくす
る必要がある。したがって、本発明のスクロール式流体
機械を燃料電池用に用いる場合は、環状壁よりも外側の
区域を圧縮部とし、中心側の区域を膨張部に形成する
と、圧縮部における吸込み時の閉込み容積を膨張部にお
ける吸込み時の閉込み容積よりも容易に大きくすること
ができて好都合である。さらに、排出ガスを本発明のス
クロール式流体機械の膨張部で膨張仕事をさせることに
よって、圧縮部の圧縮仕事の補助動力とすることができ
る。
【0020】空気膨張冷房冷房装置は、圧縮機で圧縮し
た空気を熱交換を通して冷却後に膨張機で膨張仕事をさ
せることにより圧縮機で吸入された空気よりも低温の空
気を得るものであり、この場合も膨張機に吸入される空
気の比容積は圧縮機に吸入される空気の比容積よりも小
さい。したがって、本発明の圧縮部と膨張部を備えたス
クロール式流体機械を空気膨張冷房装置に用いる場合も
環状壁よりも外側の区域を圧縮部に、内側の区域を膨張
部に構成するのがよい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施例
を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載され
る寸法、材質、形状、その相対位置などは特に特定的な
記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する
趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0022】図1は本発明の実施例に係わる電動機一体
型スクロール式流体機械の概略構造を示す縦断面であ
り、図2は図1におけるA−A断面図で補助クランク軸
とその軸受けは取り除いてある。図3は本発明の他の実
施例に係わる電動機一体型スクロール式流体機械の概略
構造を示す縦断面である。図4は図1の実施例における
旋回スクロール背面の冷却フィン形状の一実施例であ
り、図5は他の実施例である。図6は図3の実施例にお
ける固定スクロール冷却フィン形状の一実施例であり、
図7は他の実施例である。図8は図1の実施例のスクロ
ール式流体機械を燃料電池に用いた場合の配管構成の概
略を示し、図9は空気膨張冷房装置に用いた場合の配管
構成の概略を示す。
【0023】図1、図2において、本実施例のスクロー
ル式流体機械はスクロール機械10と電動機20からな
る。固定スクロール1の端板1’には、内側環状壁10
1と、外側環状壁102と、内側環状壁101と外側環
状壁102の間に外側固定スクロールラップ1aと、内
側環状壁101よりも中心側に内側固定スクロールラッ
プ1bが、埋設その他の方法で設けられている。旋回ス
クロール2の端板2’には前記外側固定スクロールラッ
プ1aに噛合う外側旋回スクロールラップ2aと、前記
内側固定スクロールラップ1bに噛合う内側旋回スクロ
ールラップ2bが、埋設その他の方法により設けられて
いる。旋回スクロール2は固定スクロール1に固定され
るハウジング3により覆われ、該ハウジング3の壁板
3’に電動機20がボルト26によって固定されてい
る。該電動機部20の回転軸21はその軸心が固定スク
ロール1の中心に一致するようにジャーナル部21a、
21bで前記ハウジング3と電動機20の後カバー25
に軸受け8、23を介して回転自在に支持されている。
【0024】前記旋回スクロール2の外周部には3個の
ボス5がそれらの中心を結ぶ線が正三角形をなすように
突設され、これらのボス5には補助クランク7の一端側
のピン7aが軸受け9aを介して回転自在に支持されて
いる。前記固定スクロール1の外周部には3個のボス6
が設けられ、これらのボスには前記補助クランクの他端
側のピン7bが軸受け9bを介して支持されている。ピ
ン7aとピン7bは所定量だけ偏芯されている。前記電
動機部20の回転軸の一端側には偏芯ピン21cが設け
られ該偏芯ピン21cは、軸受け22を介して前記旋回
スクロール端板2’背面の中心部に設けられたボス4を
支持している。該偏芯ピン21cの偏芯量と前記補助ク
ランク7のピン7a、7bの偏芯量は同じである。スク
ロールラップの渦巻き方向は、図2に示すように、電動
機側から見て、内側スクロールラップは中心側から反時
計回りに、外側スクロールラップは前記環状壁側から時
計回りに巻かれている。
【0025】24はシールであり、27、28は弾性リ
ングである。該弾性リング27は、旋回スクロールの軸
受け8の偏芯ピン21cへの挿入を容易にするために軸
受け内輪と偏芯ピンとの嵌合を緩くした場合に、前記内
輪内周がピン外周に対して回転してフレッチングコロー
ジョンを起こすのを防止するものである。例えば硬質ゴ
ム等の弾性材リングを偏芯ピンに設けた溝に嵌入してお
くと、弾性材であるため前記内輪嵌入時の抵抗は小さい
が内輪嵌入後は摩擦により内輪の偏芯ピンに対する回転
を防止するものである。弾性リング28は、同様に旋回
スクロール2の軸受け9aの補助クランク7のピン7a
への嵌入を容易化すると共に、軸受け9aの内輪のすべ
りを防止するものである。
【0026】固定スクロール1の端板1’には、外側環
状壁102の内側に穴(圧縮部吸入口)11が、内側環
状壁101の外側に穴(圧縮部吐出口)12が、内側環
状壁101の内側に穴(膨張部の排出口)14が、中心
部には穴(膨張部の吸入口)13が穿設され、これらの
穴にはそれぞれパイプ11a、12a、14a、13a
が接続されている。このような構成で電動機20を後
側、即ち図1の右側から見て反時計方向に回転すると、
旋回スクロール2は自転を防止された状態で固定スクロ
ール中心回りに図2に示すように反時計回りに公転し、
内側環状壁101と外側環状壁102の間が圧縮作動区
域となり、内側環状壁101よりも中心側が膨張作動区
域となる。内側環状壁101と外側環状壁102の間の
外側スクロールラップ1a、2aの噛合いにより流体が
圧縮作動区域の吸入口11から吸入されて圧縮作動区域
で圧縮され、吐出口12から吐出される。内側環状壁1
01よりも中心側の内側スクロールラップ1b、2bの
噛合いにより流体は膨張作動区域の吸入口13から吸入
されて膨張作動区域で膨張し排出口14から排出され
る。
【0027】前記旋回スクロール端板2’には前記膨張
作動区域に連通する膨張流体排出口103が設けられる
と共に、端板背面には冷却フィン105と冷却フィンの
頂面に接する遮板106が設けられている。該遮板10
6は冷却フィンに接着剤で固着或はその他の方法で旋回
スクロール端板2’に固定される。前記膨張作動区域で
膨張した流体は前記固定スクロール端板1’の排出口1
4からから排出されると共にその一部は旋回スクロール
端板2’の排出口103からも排出され、該排出口10
3から旋回スクロール背面側に排出された膨張流体は、
旋回スクロール背面と遮板106で形成される通路を外
周方向へ流れて旋回スクロール2を冷却し、前記遮板1
06の外周で反転して該遮板とハウジング3の壁板3’
の空間を中心側に向って流れ、ハウジング3の壁板3’
に設けられた穴104から電動機20内に流入する。電
動機20を冷却した流体は電動機の排出口107から外
部に排出される。電動機20を前記膨張流体で冷却しな
い場合は、前記遮板106とハウジング3の壁板3’の
通路を形成することなく、流体をハウジング外周壁に排
出口を設けて排出してもよい。なお、前記圧縮作動区域
は外側環状壁102によって旋回スクロール背面側空間
と仕切られていて圧縮作動区域に吸入された流体の旋回
スクロール背面側への流出が防止されている。
【0028】また、圧縮作動区域の流体の吸入口、吐出
口及び膨張作動区域の流体の吸入口、排出口は全て固定
スクロール前面に設けられているので、ハウジング3の
外周に突出する配管等がなくなり、スクロール機械10
の外径が配管等によりむやみに大きくなることを避ける
ことができる。このことは、スクロール式流体機械ユニ
ットをスペース制約が厳しい自動車等に搭載する場合に
有利である。なお、図1、2では吸入口、吐出口、排出
口は円形穴に描かれているが、所要の断面積を確保でき
るような形状にしてよいことは勿論である。これら吸入
口、吐出口、排出口を固定スクロール端版前面に集める
ことよりスクロール式流体機械ユニットの外径を小さく
することができると共に、配管がすっきりと整理され、
該ユニットを美観上も有利に構成することができる。
【0029】前記旋回スクロール端板2’背面の冷却フ
ィンの正面形状は種々の形状が採用可能である。図4は
旋回スクロール2を背面から見た図であり、旋回スクロ
ール冷却フィンの正面形状の一例を示す。膨張作動区域
の旋回スクロール側排出口103から排出された膨張作
動区域での膨張により温度が低下した流体が、該排出口
103から放射状の冷却フィン105に沿って流れ、旋
回スクロール2を冷却する。本スクロール式流体機械を
燃料電池用に用いる場合、燃料電池から排出されてスク
ロール機械の膨張作動区域の吸入口13から吸入される
ガスの温度は燃料電池における反応熱で温度が上昇して
いるが、前記排出口103から排出されるガスは、スク
ロール機械の膨張作動区域での膨張により温度が降下し
ているので冷却流体として利用することができる。
【0030】図5は、旋回スクロール冷却フィンの正面
形状の他の実施例を示す。この実施例では、冷却フィン
105’は渦巻き状に形成されており、前記排出口10
3から排出される流体は、冷却フィンによって形成され
た渦巻き通路を流れながら旋回スクロールを冷却し渦巻
き通路の出口108から流出する。なお、前記冷却フィ
ンは旋回スクロールの補強の役目も果たす。
【0031】図3は、図1の実施例に対して固定スクロ
ール端板1’の前面に冷却フィン111と前面遮版11
2を設けて、該前面遮板と固定スクロール端板前面の間
に膨張作動区域の排出口14から排出される流体が前記
冷却フィンに沿って外部へ流出する通路を形成した点が
異なり、その他は図1と同じであるので、その他の説明
は省略する。図3において、固定スクロール端板1’前
面に冷却フィン111が設けられ、該冷却フィンの頂面
に接して前面遮板112が設けられている。該前面遮板
112は前記冷却フィン111に接着剤等で接着しても
よいし、固定スクロール端板1’にねじ等により固定し
てもよい。該前面遮板112をパイプ11a、12a、
13aが貫通する穴とこれらパイプとの間は、流体の漏
れを防いで冷却効率の低下を防止するために、例えばゴ
ム製のグロメット等で隙間が生じないようにするのがよ
い。
【0032】前記固定スクロール冷却フィンの正面形状
は種々の形状が採用可能である。図6は図3におけるB
矢視図であり、冷却フィンの正面形状の一例を示す。膨
張作動区域の排出口14から排出された膨張作動区域で
の膨張により温度が低下した流体が、該排出口14から
放射状の冷却フィン111に沿って流れ、固定スクロー
ルを冷却して外部に排出される。本スクロール式流体機
械を燃料電池用に用いる場合、燃料電池から排出されて
スクロール機械の膨張作動区域吸の吸入口13から吸入
されるガスの温度は燃料電池における反応熱で温度が上
昇しているが、前記排出口14から排出されるガスは、
スクロール機械の膨張作動区域での膨張により温度が降
下しているので冷却流体として利用することができる。
【0033】図7は、固定スクロール冷却フィン正面形
状の他の実施例を示す。この実施例では、冷却フィン1
11’は渦巻き状に形成されており、前記排出口14か
ら排出される流体は、冷却フィン111’によって形成
された渦巻き通路を通って該渦巻き通路の出口112に
至る。本スクロール式流体機械を空気膨張冷房装置に用
いる場合、固定スクロールを冷却して前記渦巻き通路出
口112に至った空気が十分低い温度となるようにする
ことができるので、該渦巻き通路出口112から排出さ
れる空気を冷房用空気として利用することができる。
【0034】図8は図3の実施例のスクロール式流体機
械を燃料電池に用いた場合の配管構成の概略を示す。同
図において、エアフィルタ31で清浄化されパイプ11
aを通ってスクロール機械10に吸入された空気は、ス
クロール機械の圧縮区域で圧縮され、パイプ12aを通
って燃料電池32の正極側に圧送される。該空気は圧送
途中で必要に応じて冷却される。燃料電池32から排出
されたガスは、パイプ13aを通ってスクロールの中心
部に吸入され、スクロール機械10の膨張部で膨張して
パイプ14aから排出される。前述したように、前記膨
張部に吸入された燃料電池32からの排出ガスは、該膨
張部で膨張する際に膨張仕事をして旋回スクロールに回
転力を与え、該回転動力は圧縮部における圧縮仕事を助
けるように作用するので、圧縮部における圧縮仕事の一
部は回収される。前記膨張部における膨張で温度が下が
った前記排出ガスは、一部は固定スクロールの膨張部排
出口14(図3)から排出されて固定スクロールを冷却
して外部に排出され、残りは旋回スクロールの膨張部排
出口103(図3)から旋回スクロール端板2’背面に
流出して旋回スクロールを冷却した後ハウジングの穴1
04(図3)から電動機20内に流入して電動機を冷却
し、排出口107から排出される。なお、図1の実施例
のスクロール式流体機械も燃料電池に適用できる。
【0035】図9は図1の実施例のスクロール式流体機
械を空気膨張冷房装置に用いた場合の配管構成の概略を
示す。この場合は図8における燃料電池の代わりに空気
冷却器33が配設され、スクロール機械10の圧縮部で
圧縮された空気は該空気冷却器に導かれて冷却媒体との
熱交換により冷却され、該冷却された空気がスクロール
機械10の膨張部に導かれて膨張される際に旋回スクロ
ールに対して仕事をする結果、該膨張部排出口14から
パイプ14aを通って排出される膨張空気はエアフィル
タ31を通って吸入された空気よりも低温の空気となっ
ており、該膨張空気が冷房用に用いられる。さらに前記
膨張部で膨張した空気の一部は旋回スクロール側の排出
口102から旋回スクロール背面側に流出して旋回スク
ロールを冷却後電動機20内部に導かれてこれを冷却
し、排出口107から外部に排出される。なお図3の実
施例のスクロール式流体機械も空気膨張冷房装置用に適
用できる。
【0036】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記述されるような効果を奏する。即ち、
旋回スクロール端板の片面に設けた旋回スクロールラッ
プと該旋回スクロールラップと噛合う固定スクロールラ
ップによって形成される作動区域を内側及び外側環状壁
によって圧縮作動区域と膨張作動区域に仕切ることによ
って、圧縮部と膨張部を備えたスクロール式流体機械を
構成するので、一台で圧縮部と膨張部を備える小型、軽
量、低コストのスクロール式流体機械を得ることがで
き、特に自動車等の燃料電池や空気膨張冷房機に適する
省エネルギのスクロール式流体機械を提供することがで
きる。また、膨張作動区域での膨張により温度が降下し
た流体を利用して旋回スクロール、駆動電動機、及び固
定スクロールの冷却を効果的に行うことができるので、
これらを冷却するための冷却ファンを装備する必要がな
くなり、機械の小型化、軽量化、コスト低減が可能とな
る。さらに、圧縮部、膨張部の吸入口、吐出口、排出口
をすべて固定スクロール端板前面に集めることにより、
配管がスクロール機械の外周から張り出すことがなく、
配管による外形の増大を避けると共に美観上も有利に構
成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係わる電動機一体型スクロ
ール式流体機械の概略構造を示す縦断面である。
【図2】 図1におけるA−A断面図で補助クランク軸
とその軸受けは取り除いてある。
【図3】 本発明の他の実施例に係わる電動機一体型ス
クロール式流体機械の概略構造を示す縦断面である。
【図4】 図1の実施例における旋回スクロール冷却フ
ィンの正面形状の一実施例を示す図であ。
【図5】 図1の実施例における旋回スクロール冷却フ
ィン正面形状の他の実施例を示す図である。
【図6】 図3の実施例における固定スクロール冷却フ
ィンの正面形状の一実施例を示す図であり、図3におけ
るB矢視図である。
【図7】 図3の実施例における固定スクロール冷却フ
ィン正面形状の他の実施例を示す図である。
【図8】 図3の実施例のスクロール式流体機械を燃料
電池に用いた場合の配管構成の概略を示す図である。
【図9】 図1の実施例のスクロール式流体機械を空気
膨張冷房装置に用いた場合の配管構成の概略を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 固定スクロール 2 旋回スクロール 3 ハウジング 7 補助クランク 10 スクロール機械 11 吸入口 12 吐出口 13 吸入口 14 排出口 20 電動機 21 回転軸 22 軸受け 24 シール 25 後カバー 26 ボルト 27 弾性リング 28 弾性リング 31 エアフィルタ 32 燃料電池 33 空気冷却器 101 内側環状壁 102 外側環状壁 103 排出口 104 穴 105 冷却フィン 106 遮板 107 排出口 111 冷却フィン 112 渦巻き通路出口
【手続補正書】
【提出日】平成14年4月17日(2002.4.1
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 圧縮部と膨張部を備えたスクロール式
流体機械
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮部と膨張部を
有するスクロール式流体機械に関し、特に燃料電池への
空気の供給、排出や、空気膨張冷房装置に使用されるス
クロール式流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池では、電解質層を挟んで正極と
負極が設けられ、負極には負極活物質として水素が供給
され、該水素は負極で電子が奪われて水素イオンとなっ
て電解質層を通って正極に至る。正極には正極活物質と
して酸素が供給され、負極から導体によって運ばれた電
子を受けて前記水素イオンは酸素と結合して反応生成物
である水が生じる。このようにして負極から正極へ電子
が流れる。即ち正極から負極へ電流が流れる。通常、正
極には酸素を含む空気が供給されるので、正極には水の
他に未反応の酸素と空気の主成分である窒素等が存在す
ることとなり、水素と酸素の結合反応は発熱反応である
ので、温度も供給された空気の温度よりも上昇してい
る。この窒素を主成分とするガスは正極から排出されね
ばならない。
【0003】正極へは圧縮機によって圧力を上昇された
空気が供給され、正極における前記ガスは大気圧よりは
圧力が高い状態である。このガスをそのまま大気中に放
出すると、ガスは何も仕事をせずに損失となるので、こ
のガスを膨張機に通してエネルギを回収することが行わ
れる。したがって、燃料電池では圧縮機と膨張機を備え
ることが望ましい。
【0004】一台の流体機械に圧縮機と膨張機を組み合
わせた流体機械として、例えば特開2001−9355
3に燃料電池用圧縮回生機が開示されている。この開示
によると、スクロール式流体機械の旋回スクロールは両
側にスクロールラップを有し、片側のスクロールラップ
は吸入した流体を圧縮し、他側のスクロールラップは吸
入した流体を膨張させて仕事を得るように構成されてい
る。
【0005】しかしながら、前記燃料電池用圧縮回生機
は旋回スクロールが両面にスクロールラップを有するた
めに、スクロール部の幅が大きくなる、旋回スクロール
中心部に旋回スクロールを支持するための軸受けボスが
設けられるために、スクロールラップは軸受けボス外周
よりも外側から巻き始められることとなってスクロール
端板の外径が大きくなる、旋回スクロールは両面にラッ
プを有するために加工に手間取る等の問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うな問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、ス
クロール部材を小型、軽量化し、製造コストの低減を図
った圧縮部と膨張部を有するスクロール式流体機械を提
供することである。さらに他の目的は、膨張部で膨張し
て温度が下がった流体をスクロール機械や駆動用電動機
の冷却に有利に利用するスクロール式流体機械を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の圧縮部と膨張部
を備えたスクロール式流体機械は、同一回転軸によって
駆動される、圧縮部と膨張部と備えたスクロール式流体
機械において、前記膨張部から排出された流体をスクロ
ール式流体機械の少なくとも一部を冷却する冷却流体と
して利用することを提案とする。
【0008】従来の同一回転軸によって駆動される圧縮
部と膨張部を備えたスクロール式流体機械の膨張部で膨
張仕事をなして温度が下がった流体は、そのまま外部に
排出されるか、冷房用空気として利用されるのみで、ス
クロール機械や駆動電動機の冷却に利用されることはな
かった。スクロール式流体機械の膨張部で断熱的膨張に
より温度が降下した流体の少なくとも一部を冷却用流体
として利用することにより、スクロール機械や駆動電動
機を効果的に冷却することができる。
【0009】請求項2記載の発明は、固定スクロールラ
ップを有する固定スクロールと旋回スクロールラップを
有する旋回スクロールが対面し、旋回スクロールの旋回
により吸入流体を圧縮するスクロールラップの一対と吸
入流体を膨張させるスクロールラップの一対を設けたス
クロール式流体機械において、前記両対のスクロールラ
ップ間が仕切られるとともに、スクロールの外周に於い
ても両スクロール間に形成されたスクロール室がスクロ
ール室外部の空間と仕切られることを特徴とする。
【0010】そして、前記両対のスクロールラップ間は
一方のスクロール端板に設けられた環状の中間仕切り壁
で仕切り、スクロール外周においては一方のスクロール
端板に設けられた環状の外側仕切り壁で仕切るのがよ
い。前記中間仕切り壁によって該中間仕切り壁の外側区
域と内側区域の流体は隔離されるとともに、前記外側仕
切り壁によって固定スクロールと旋回スクロール間に形
成させるスクロール室はスクロール室外部の空間と隔離
される。
【0011】旋回スクロールには旋回駆動するための駆
動軸の偏芯ピンを軸受支持するためのボスを設ける必要
がある。旋回スクロール端板の両面に旋回スクロールラ
ップを設ける構成では、スクロールラップの巻き始め位
置は前記ボスのためにスクロールの中心近くにもってく
ることができないが、本発明によれば前記ボスは旋回ス
クロール端板の背面(ラップと反対側面)に設けられる
ので、スクロールラップは中心近くから巻き始めること
ができ、スクロールラップの作動空間のスペース利用率
が高くなり、スクロール流体機械を小型、軽量化するこ
とができる。
【0012】また、前記旋回スクロールの旋回により、
前記環状の中間仕切り壁よりも外側区域のスクロールラ
ップの対は外周側から流入した流体が前記中間仕切り壁
側に向かって圧縮され、内側区域のスクロールラップの
対は中心部から流入した流体が前記中間仕切り壁側に向
かって膨張するように形成するのがよい。
【0013】スクロール式流体機械では、旋回スクロー
ルが固定スクロール中心の回りに公転するにしたがって
互いに噛合う旋回スクロールラップと固定スクロールラ
ップによって形成される閉込み空間が変化することによ
って流体の圧縮或は膨張が行われるのであるが、本発明
によれば、前記中間仕切り壁よりも外側区域には旋回ス
クロールの公転によって閉込み空間が外周側から内側に
向かって減少するように形成された互いに噛合う固定及
び旋回スクロールラップを有する圧縮部を形成すると共
に、前記中間仕切り壁よりも内側区域には旋回スクロー
ルの公転によって閉込み空間が中心側から外側に向かっ
て増大するように形成された互いに噛合う固定及び旋回
スクロールラップを有する膨張部を形成する。即ち、中
間仕切り壁よりも外側区域が圧縮部を構成し、内側区域
が膨張部を形成する。したがって、該膨張部からの流体
の排出口は膨張部の外周側、即ち圧縮部よりも中心側に
設けられることになる。
【0014】前記膨張部に流入した流体は、旋回スクロ
ールの旋回によって固定スクロールラップと旋回スクロ
ールラップの噛合いによって形成される閉込め空間が増
大するので、断熱的に膨張して旋回スクロールに対して
膨張仕事をなす。したがって、膨張して排出される流体
は温度が降下している。
【0015】前記旋回スクロールの端板の背面(旋回ス
クロールラップと反対側面)に冷却フィンと膨張部の排
出穴を設け、前記仕切り壁より内側区域の膨張部で膨張
して温度が降下した流体の少なくとも一部を、前記排出
穴から旋回スクロール背面側に排出させて旋回スクロー
ル端板背面とスクロールハウジング壁の内側面との間の
空間を前記旋回スクロール背面の冷却フィンに沿って外
周側に向かって流すことにより、旋回スクロールを冷却
するとよい。前述のように膨張部からの流体の吐出口は
圧縮部よりも中心側に位置するので、旋回スクロール端
板に吐出口を設けて膨張部から排出される断熱的に膨張
して温度が降下した流体の少なくとも一部を、旋回スク
ロールの背面側に流出させて該背面に設けた冷却フィン
に沿って外周側に向かって流すことができ、旋回スクロ
ールを背面から効果的に冷却することができる。
【0016】また、前記旋回スクロールの端板の背面
(旋回スクロールラップと反対側面)に冷却フィンと背
面遮板を設けて前記仕切り壁より内側区域の膨張部で膨
張し旋回スクロール端板の排出口から排出される流体が
前記冷却フィンに沿って流れる通路を形成し、前記膨張
して温度が降下した流体の少なくとも一部を前記通路に
流して旋回スクロールを冷却し、旋回スクロール背面側
のスクロールハウジングの壁に該壁外面側に直結された
スクロール駆動機に通じる流通穴を設けて該穴を通して
前記背面遮板の外周で反転して背面遮板と壁面間の空間
を中心方向に進む旋回スクロール冷却後の流体を前記駆
動機に導いてこれを冷却するとよい。このようにして、
旋回スクロールを冷却した流体がさらに駆動用電動機の
冷却に利用されるので、電動機の小型化、高効率化に貢
献する。
【0017】さらに、前記固定スクロールの端板前面
(固定スクロールラップと反対側面)に冷却フィンと前
面遮板を設けて前記中間仕切り壁より内側区域の膨張部
で膨張し固定スクロール端板の吐出口から排出される流
体が前記冷却フィンに沿って流れる通路を形成し、該通
路に前記膨張して温度が降下した流体の少なくとも一部
を通して固定スクロールを冷却するとよい。スクロール
機械の膨張部で膨張して温度が降下した流体の一部で旋
回スクロールを冷却し、一部で固定スクロールを冷却す
ることにより、スクロール機械全体を両側から効果的に
冷却することができる。
【0018】通常、スクロール流体機械においては、外
部からの流体の流入や吐出(厚い歯排出)は固定スクロ
ールの外周および中心部からなされるが、本発明におい
ては、前記圧縮部および膨張部とも流体の流入、吐出口
を固定スクロールの端板に設けることによって、固定ス
クロールの外周に吸入口や吐出口を設ける必要がなくな
るので、配管による外形の増大を招くことがなくなり、
また配管を固定スクロール前面にすっきりとまとめるこ
とができて美観上も優れたものとすることができる。
【0019】燃料電池の場合、前述したように、正極に
は供給された圧縮空気中の酸素が負極から電解質層を移
動して来た水素イオンと結合して生じた液体水或は水蒸
気と余剰酸素と窒素等を含むガスが存在し、このガスは
反応熱により供給された空気よりも温度が上昇してい
る。例えば固体高分子型燃料電池の場合、この正極側の
温度は常温〜80℃、圧力は1.5〜3気圧であり、そ
の比容積は正極に供給される常温常圧の空気の比容積に
比べると小さい。供給する空気と排出するガスのバラン
スを保持するためには、空気を供給する圧縮機の吸入時
閉込み容積を膨張機の吸入時閉込み容積よりも大きくす
る必要がある。したがって、本発明のスクロール式流体
機械を燃料電池用に用いる場合は、環状壁よりも外側の
区域を圧縮部とし、中心側の区域を膨張部に形成する
と、圧縮部における吸込み時の閉込み容積を膨張部にお
ける吸込み時の閉込み容積よりも容易に大きくすること
ができて好都合である。さらに、排出ガスを本発明のス
クロール式流体機械の膨張部で膨張仕事をさせることに
よって、圧縮部の圧縮仕事の補助動力とすることができ
る。
【0020】空気膨張冷房冷房装置は、圧縮機で圧縮し
た空気を熱交換を通して冷却後に膨張機で膨張仕事をさ
せることにより圧縮機で吸入された空気よりも低温の空
気を得るものであり、この場合も膨張機に吸入される空
気の比容積は圧縮機に吸入される空気の比容積よりも小
さい。したがって、本発明の圧縮部と膨張部を備えたス
クロール式流体機械を空気膨張冷房装置に用いる場合も
環状壁よりも外側の区域を圧縮部に、内側の区域を膨張
部に構成するのがよい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施例
を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載され
る寸法、材質、形状、その相対位置などは特に特定的な
記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する
趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0022】図1は本発明の実施例に係わる電動機一体
型スクロール式流体機械の概略構造を示す縦断面であ
り、図2は図1におけるA−A断面図で補助クランク軸
とその軸受けは取り除いてある。図3は本発明の他の実
施例に係わる電動機一体型スクロール式流体機械の概略
構造を示す縦断面である。図4は図1の実施例における
旋回スクロール背面の冷却フィン形状の一実施例であ
り、図5は他の実施例である。図6は図3の実施例にお
ける固定スクロール冷却フィン形状の一実施例であり、
図7は他の実施例である。図8は図1の実施例のスクロ
ール式流体機械を燃料電池に用いた場合の配管構成の概
略を示し、図9は空気膨張冷房装置に用いた場合の配管
構成の概略を示す。
【0023】図1、図2において、本実施例のスクロー
ル式流体機械はスクロール機械10と電動機20からな
る。固定スクロール1の端板1’には、環状の中間仕切
り壁101と、環状の外側仕切り壁102と、中間仕切
り壁101と外側仕切り壁102の間に外側固定スクロ
ールラップ1aと、中間仕切り壁101よりも中心側に
内側固定スクロールラップ1bが、埋設その他の方法で
設けられている。旋回スクロール2の端板2’には前記
外側固定スクロールラップ1aに噛合う外側旋回スクロ
ールラップ2aと、前記内側固定スクロールラップ1b
に噛合う内側旋回スクロールラップ2bが、埋設その他
の方法により設けられている。旋回スクロール2は固定
スクロール1に固定されるハウジング3により覆われ、
該ハウジング3の壁板3’に電動機20がボルト26に
よって固定されている。該電動機部20の回転軸21は
その軸心が固定スクロール1の中心に一致するようにジ
ャーナル部21a、21bで前記ハウジング3と電動機
20の後カバー25に軸受け8、23を介して回転自在
に支持されている。
【0024】前記旋回スクロール2の外周部には3個の
ボス5がそれらの中心を結ぶ線が正三角形をなすように
突設され、これらのボス5には補助クランク7の一端側
のピン7aが軸受け9aを介して回転自在に支持されて
いる。前記固定スクロール1の外周部には3個のボス6
が設けられ、これらのボスには前記補助クランクの他端
側のピン7bが軸受け9bを介して支持されている。ピ
ン7aとピン7bは所定量だけ偏芯されている。前記電
動機部20の回転軸の一端側には偏芯ピン21cが設け
られ該偏芯ピン21cは、軸受け22を介して前記旋回
スクロール端板2’背面の中心部に設けられたボス4を
支持している。該偏芯ピン21cの偏芯量と前記補助ク
ランク7のピン7a、7bの偏芯量は同じである。この
ような構成により、前記回転軸21が回転駆動されると
旋回スクロール2は回転軸21の中心軸回りに公転す
る。なお、公転機構はここに記載した以外の公知の、例
えばオルダム継ぎ手を利用した機構であってもよい。ス
クロールラップの渦巻き方向は、図2に示すように、電
動機側から見て、内側スクロールラップは中心側から反
時計回りに、外側スクロールラップは前記環状壁側から
時計回りに巻かれている。
【0025】24はシールであり、27、28は弾性リ
ングである。該弾性リング27は、旋回スクロールの軸
受け8の偏芯ピン21cへの挿入を容易にするために軸
受け内輪と偏芯ピンとの嵌合を緩くした場合に、前記内
輪内周がピン外周に対して回転してフレッチングコロー
ジョンを起こすのを防止するものである。例えば硬質ゴ
ム等の弾性材リングを偏芯ピンに設けた溝に嵌入してお
くと、弾性材であるため前記内輪嵌入時の抵抗は小さい
が内輪嵌入後は摩擦により内輪の偏芯ピンに対する回転
を防止するものである。弾性リング28は、同様に旋回
スクロール2の軸受け9aの補助クランク7のピン7a
への嵌入を容易化すると共に、軸受け9aの内輪のすべ
りを防止するものである。
【0026】固定スクロール1の端板1’には、外側仕
切り壁102の内側に穴(圧縮部吸入口)11が、中間
仕切り壁101の外側に穴(圧縮部吐出口)12が、中
間仕切り壁101の内側に穴(膨張部の排出口)14
が、中心部には穴(膨張部の吸入口)13が穿設され、
これらの穴にはそれぞれパイプ11a、12a、14
a、13aが接続されている。このような構成で電動機
20を後側、即ち図1の右側から見て反時計方向に回転
すると、旋回スクロール2は自転を防止された状態で固
定スクロール中心回りに図2に示すように反時計回りに
公転し、中間仕切り壁101と外側仕切り壁102の間
が圧縮作動区域となり、中間仕切り壁101よりも中心
側が膨張作動区域となる。中間仕切り壁101と外側仕
切り壁102の間の外側スクロールラップ1a、2aの
噛合いにより流体が圧縮作動区域の吸入口11から吸入
されて圧縮作動区域で圧縮され、吐出口12から吐出さ
れる。中間仕切り壁101よりも中心側の内側スクロー
ルラップ1b、2bの噛合いにより流体は膨張作動区域
の吸入口13から吸入されて膨張作動区域で膨張し排出
口14から排出される。
【0027】前記旋回スクロール端板2’には前記膨張
作動区域に連通する膨張流体排出口103が設けられる
と共に、端板背面には冷却フィン105と冷却フィンの
頂面に接する遮板106が設けられている。該遮板10
6は冷却フィンに接着剤で固着或はその他の方法で旋回
スクロール端板2’に固定される。前記膨張作動区域で
膨張した流体は前記固定スクロール端板1’の排出口1
4からから排出されると共にその一部は旋回スクロール
端板2’の排出口103からも排出され、該排出口10
3から旋回スクロール背面側に排出された膨張流体は、
旋回スクロール背面と遮板106で形成される通路を外
周方向へ流れて旋回スクロール2を冷却し、前記遮板1
06の外周で反転して該遮板とハウジング3の壁板3’
の空間を中心側に向って流れ、ハウジング3の壁板3’
に設けられた穴104から電動機20内に流入する。電
動機20を冷却した流体は電動機の排出口107から外
部に排出される。電動機20を前記膨張流体で冷却しな
い場合は、前記遮板106とハウジング3の壁板3’の
通路を形成することなく、流体をハウジング外周壁に排
出口を設けて排出してもよい。なお、前記圧縮作動区域
は外側仕切り壁102によって旋回スクロール背面側空
間と仕切られていて圧縮作動区域に吸入された流体の旋
回スクロール背面側への流出が防止されている。
【0028】また、圧縮作動区域の流体の吸入口、吐出
口及び膨張作動区域の流体の吸入口、排出口は全て固定
スクロール前面に設けられているので、ハウジング3の
外周に突出する配管等がなくなり、スクロール機械10
の外径が配管等によりむやみに大きくなることを避ける
ことができる。このことは、スクロール式流体機械ユニ
ットをスペース制約が厳しい自動車等に搭載する場合に
有利である。なお、図1、2では吸入口、吐出口、排出
口は円形穴に描かれているが、所要の断面積を確保でき
るような形状にしてよいことは勿論である。これら吸入
口、吐出口、排出口を固定スクロール端板前面に集める
ことよりスクロール式流体機械ユニットの外径を小さく
することができると共に、配管がすっきりと整理され、
該ユニットを美観上も有利に構成することができる。
【0029】前記旋回スクロール端板2’背面の冷却フ
ィンの正面形状は種々の形状が採用可能である。図4は
旋回スクロール2を背面から見た図であり、旋回スクロ
ール冷却フィンの正面形状の一例を示す。膨張作動区域
の旋回スクロール側排出口103から排出された膨張作
動区域での膨張により温度が低下した流体が、該排出口
103から放射状の冷却フィン105に沿って流れ、旋
回スクロール2を冷却する。本スクロール式流体機械を
燃料電池用に用いる場合、燃料電池から排出されてスク
ロール機械の膨張作動区域の吸入口13から吸入される
ガスの温度は燃料電池における反応熱で温度が上昇して
いるが、前記排出口103から排出されるガスは、スク
ロール機械の膨張作動区域での膨張により温度が降下し
ているので冷却流体として利用することができる。
【0030】図5は、旋回スクロール冷却フィンの正面
形状の他の実施例を示す。この実施例では、冷却フィン
105’は渦巻き状に形成されており、前記排出口10
3から排出される流体は、冷却フィンによって形成され
た渦巻き通路を流れながら旋回スクロールを冷却し渦巻
き通路の出口108から流出する。なお、前記冷却フィ
ンは旋回スクロールの補強の役目も果たす。
【0031】図3は、図1の実施例に対して固定スクロ
ール端板1’の前面に冷却フィン111と前面遮板11
2を設けて、該前面遮板と固定スクロール端板前面の間
に膨張作動区域の排出口14から排出される流体が前記
冷却フィンに沿って外部へ流出する通路を形成した点が
異なり、その他は図1と同じであるので、その他の説明
は省略する。図3において、固定スクロール端板1’前
面に冷却フィン111が設けられ、該冷却フィンの頂面
に接して前面遮板112が設けられている。該前面遮板
112は前記冷却フィン111に接着剤等で接着しても
よいし、固定スクロール端板1’にねじ等により固定し
てもよい。該前面遮板112をパイプ11a、12a、
13aが貫通する穴とこれらパイプとの間は、流体の漏
れを防いで冷却効率の低下を防止するために、例えばゴ
ム製のグロメット等で隙間が生じないようにするのがよ
い。
【0032】前記固定スクロール冷却フィンの正面形状
は種々の形状が採用可能である。図6は図3におけるB
矢視図であり、冷却フィンの正面形状の一例を示す。膨
張作動区域の排出口14から排出された膨張作動区域で
の膨張により温度が低下した流体が、該排出口14から
放射状の冷却フィン111に沿って流れ、固定スクロー
ルを冷却して外部に排出される。本スクロール式流体機
械を燃料電池用に用いる場合、燃料電池から排出されて
スクロール機械の膨張作動区域吸の吸入口13から吸入
されるガスの温度は燃料電池における反応熱で温度が上
昇しているが、前記排出口14から排出されるガスは、
スクロール機械の膨張作動区域での膨張により温度が降
下しているので冷却流体として利用することができる。
【0033】図7は、固定スクロール冷却フィン正面形
状の他の実施例を示す。この実施例では、冷却フィン1
11’は渦巻き状に形成されており、前記排出口14か
ら排出される流体は、冷却フィン111’によって形成
された渦巻き通路を通って該渦巻き通路の出口112に
至る。本スクロール式流体機械を空気膨張冷房装置に用
いる場合、固定スクロールを冷却して前記渦巻き通路出
口112に至った空気が十分低い温度となるようにする
ことができるので、該渦巻き通路出口112から排出さ
れる空気を冷房用空気として利用することができる。
【0034】図8は図3の実施例のスクロール式流体機
械を燃料電池に用いた場合の配管構成の概略を示す。同
図において、エアフィルタ31で清浄化されパイプ11
aを通ってスクロール機械10に吸入された空気は、ス
クロール機械の圧縮区域で圧縮され、パイプ12aを通
って燃料電池32の正極側に圧送される。該空気は圧送
途中で必要に応じて冷却される。燃料電池32から排出
されたガスは、パイプ13aを通ってスクロールの中心
部に吸入され、スクロール機械10の膨張部で膨張して
パイプ14aから排出される。前述したように、前記膨
張部に吸入された燃料電池32からの排出ガスは、該膨
張部で膨張する際に膨張仕事をして旋回スクロールに回
転力を与え、該回転動力は圧縮部における圧縮仕事を助
けるように作用するので、圧縮部における圧縮仕事の一
部は回収される。前記膨張部における膨張で温度が下が
った前記排出ガスは、一部は固定スクロールの膨張部排
出口14(図3)から排出されて固定スクロールを冷却
して外部に排出され、残りは旋回スクロールの膨張部排
出口103(図3)から旋回スクロール端板2’背面に
流出して旋回スクロールを冷却した後ハウジングの穴1
04(図3)から電動機20内に流入して電動機を冷却
し、排出口107から排出される。なお、図1の実施例
のスクロール式流体機械も燃料電池に適用できる。
【0035】図9は図1の実施例のスクロール式流体機
械を空気膨張冷房装置に用いた場合の配管構成の概略を
示す。この場合は図8における燃料電池の代わりに空気
冷却器33が配設され、スクロール機械10の圧縮部で
圧縮された空気は該空気冷却器に導かれて冷却媒体との
熱交換により冷却され、該冷却された空気がスクロール
機械10の膨張部に導かれて膨張される際に旋回スクロ
ールに対して仕事をする結果、該膨張部排出口14から
パイプ14aを通って排出される膨張空気はエアフィル
タ31を通って吸入された空気よりも低温の空気となっ
ており、該膨張空気が冷房用に用いられる。さらに前記
膨張部で膨張した空気の一部は旋回スクロール側の排出
口102から旋回スクロール背面側に流出して旋回スク
ロールを冷却後電動機20内部に導かれてこれを冷却
し、排出口107から外部に排出される。なお図3の実
施例のスクロール式流体機械も空気膨張冷房装置用に適
用できる。
【0036】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記述されるような効果を奏する。即ち、
旋回スクロール端板の片面に設けた旋回スクロールラッ
プと該旋回スクロールラップと噛合う固定スクロールラ
ップによって形成される作動区域を内側及び外側仕切り
壁によって圧縮作動区域と膨張作動区域に仕切ることに
よって、圧縮部と膨張部を備えたスクロール式流体機械
を構成するので、一台で圧縮部と膨張部を備える小型、
軽量、低コストのスクロール式流体機械を得ることがで
き、特に自動車等の燃料電池や空気膨張冷房機に適する
省エネルギのスクロール式流体機械を提供することがで
きる。また、膨張作動区域での膨張により温度が降下し
た流体を利用して旋回スクロール、駆動電動機、及び固
定スクロールの冷却を効果的に行うことができるので、
これらを冷却するための冷却ファンを装備する必要がな
くなり、機械の小型化、軽量化、コスト低減が可能とな
る。さらに、圧縮部、膨張部の吸入口、吐出口、排出口
をすべて固定スクロール端板前面に集めることにより、
配管がスクロール機械の外周から張り出すことがなく、
配管による外形の増大を避けると共に美観上も有利に構
成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係わる電動機一体型スクロ
ール式流体機械の概略構造を示す縦断面である。
【図2】 図1におけるA−A断面図で補助クランク軸
とその軸受けは取り除いてある。
【図3】 本発明の他の実施例に係わる電動機一体型ス
クロール式流体機械の概略構造を示す縦断面である。
【図4】 図1の実施例における旋回スクロール冷却フ
ィンの正面形状の一実施例を示す図であ。
【図5】 図1の実施例における旋回スクロール冷却フ
ィン正面形状の他の実施例を示す図である。
【図6】 図3の実施例における固定スクロール冷却フ
ィンの正面形状の一実施例を示す図であり、図3におけ
るB矢視図である。
【図7】 図3の実施例における固定スクロール冷却フ
ィン正面形状の他の実施例を示す図である。
【図8】 図3の実施例のスクロール式流体機械を燃料
電池に用いた場合の配管構成の概略を示す図である。
【図9】 図1の実施例のスクロール式流体機械を空気
膨張冷房装置に用いた場合の配管構成の概略を示す図で
ある。
【符号の説明】 1 固定スクロール 2 旋回スクロール 3 ハウジング 7 補助クランク 10 スクロール機械 11 吸入口 12 吐出口 13 吸入口 14 排出口 20 電動機 21 回転軸 22 軸受け 24 シール 25 後カバー 26 ボルト 27 弾性リング 28 弾性リング 31 エアフィルタ 32 燃料電池 33 空気冷却器 101 中間仕切り壁 102 外側仕切り壁 103 排出口 104 穴 105 冷却フィン 106 遮板 107 排出口 111 冷却フィン 112 渦巻き通路出口
フロントページの続き Fターム(参考) 3H029 AA02 AB02 BB12 CC01 CC02 3H039 AA14 BB13 BB28 CC02 CC04 CC28 CC29 CC32 CC47 5H027 AA02 BC14

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一回転軸によって駆動される、圧縮部
    と膨張部と備えたスクロール式流体機械において、前記
    膨張部から排出された流体をスクロール式流体機械の少
    なくとも一部を冷却する冷却流体として利用することを
    特徴とする圧縮部と膨張部を備えたスクロール式流体機
    械。
  2. 【請求項2】 固定スクロールラップを有する固定スク
    ロールと旋回スクロールラップを有する旋回スクロール
    を備え、旋回スクロールが固定スクロール中心の回りに
    公転するにしたがって互いに噛合う旋回スクロールラッ
    プと固定スクロールラップによって形成される閉込み空
    間が変化することによって流体の圧縮或は膨張を行わし
    めるスクロール式流体機械において、一方のスクロール
    はスクロールラップと同じ高さの中間環状壁と外側環状
    壁を有し、固定及び旋回スクロールは前記中間環状壁と
    外側環状壁との間に旋回スクロールの公転によって閉込
    み空間が外周側から中心方向に向って減少するように形
    成された互いに噛合う固定及び旋回スクロールラップを
    有して圧縮部を形成すると共に、前記中間環状壁よりも
    中心側には旋回スクロールの公転によって閉込み空間が
    中心側から外周方向に向って増大するように形成された
    互いに噛合う固定及び旋回スクロールラップを有して膨
    張部を形成し、前記旋回スクロール端板の背面(旋回ス
    クロールラップと反対側面)に冷却フィンを設けて前記
    旋回スクロール端板に設けられた膨張部排出口から排出
    される膨張して温度が下がった流体が前記冷却フィンに
    沿って流れる通路を形成することにより前記旋回スクロ
    ールが前記通路を流れる流体によって冷却されることを
    特徴とする圧縮部と膨張部を備えたスクロール式流体機
    械。
  3. 【請求項3】 前記中間環状壁と外側環状壁の少なくと
    も1を固定スクロール或いは旋回スクロールに設けたこ
    とを特徴とする請求項2記載の圧縮部と膨張部を備えた
    スクロール式流体機械。
  4. 【請求項4】 固定スクロールラップを有する固定スク
    ロールと、該固定スクロールラップと噛合う旋回スクロ
    ールラップを有する旋回スクロールと、該旋回スクロー
    ルを覆って前記固定スクロールに固定されるハウジング
    を備え、該ハウジングに電動機が装着され、該電動機の
    駆動軸は前記ハウジング中心部を貫通してその先端部に
    偏芯ピンを備えたクランク軸に構成され、該偏芯ピンに
    よって前記旋回スクロールが旋回駆動され、前記固定ス
    クロールと旋回スクロールは外周部において複数の補助
    クランク軸により連結されて旋回スクロールの自転が防
    止されたスクロール式流体機械において、一方のスクロ
    ールにスクロールラップと同じ高さの中間環状壁と外側
    環状壁を設け、固定及び旋回スクロールには前記中間環
    状壁と外側環状壁の間に互いに噛合う渦巻き状の外側ス
    クロールラップが設けられて圧縮部が形成されると共
    に、前記中間環状壁よりも中心側には前記外側スクロー
    ルラップとは巻き方向が反対の互いに噛合う渦巻き状の
    内側スクロールラップが設けられて膨張部が形成され、
    前記旋回スクロール端板の背面(旋回スクロールラップ
    と反対側面)に冷却フィンを設けて該旋回スクロール端
    板背面と該背面に対面する前記ハウジングの壁板との間
    に前記旋回スクロール端板の膨張部に設けられた排出口
    から排出される流体が前記冷却フィンに沿って流れる冷
    却通路を形成することにより、前記旋回スクロールが前
    記通路を流れる流体によって冷却されることを特徴とす
    る圧縮部と膨張部を備えたスクロール式流体機械。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のスクロール式流体機械
    において、前記旋回スクロール端板背面に設けた冷却フ
    ィンの頂面に接する遮板を設けて旋回スクロール端板背
    面と前記遮板の間の冷却通路のほか該遮板と前記ハウジ
    ングの壁板との間にも通路を形成すると共に、ハウジン
    グの壁板に前記電動機の内部に連通する穴を設け、前記
    旋回スクロール端板に設けられた膨張部の排出口を出て
    旋回スクロール背面と遮板により形成された冷却通路を
    通って旋回スクロールを冷却した流体が該遮板の外周を
    迂回して遮板とハウジング壁板間の通路を中心方向に流
    れハウジング壁板の前記連通穴を通って電動機内部に導
    入されて電動機を冷却後に電動機から排出されることを
    特徴とする請求項4記載の圧縮部と膨張部を備えたスク
    ロール式流体機械。
  6. 【請求項6】 前記固定スクロールのラップが設けられ
    た固定スクロール端板に、前記外側環状壁と前記外側ス
    クロールラップ最外周(巻終り)の間の空間に連通する
    圧縮部吸入口と、該外側スクロールラップの最内周(巻
    始め)と前記中間環状壁との間の空間に連通する圧縮部
    吐出口と、前記内側スクロールラップ最外周(巻終り)
    と前記中間環状壁との間の空間に連通する膨張部排出口
    と、前記固定スクロール端板の中心部の内側スクロール
    ラップ巻始め部空間に連通する膨張部吸入口とを設けた
    ことを特徴とする請求項4或は5に記載の圧縮部と膨張
    部を備えたスクロール式流体機械。
  7. 【請求項7】 前記固定スクロール端板前面(固定スク
    ロールラップと反対側面)に冷却フィンと前面遮板を設
    けて該前面遮板と固定スクロール端板前面の間に前記膨
    張作動区域から排出される流体が前記冷却フィンに沿っ
    て外部へ流出する通路を形成することにより前記固定ス
    クロールが前記通路を流れる流体によって冷却されるこ
    とを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の
    圧縮部と膨張部を備えたスクロール式流体機械。
  8. 【請求項8】 前記中間環状壁と外側環状壁の少なくと
    も1を固定スクロール或いは旋回スクロールに設けたこ
    とを特徴とする請求項4記載の圧縮部と膨張部を備えた
    スクロール式流体機械。
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