JP2003306691A - カカオ脂の分別方法 - Google Patents

カカオ脂の分別方法

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JP2003306691A JP2003033583A JP2003033583A JP2003306691A JP 2003306691 A JP2003306691 A JP 2003306691A JP 2003033583 A JP2003033583 A JP 2003033583A JP 2003033583 A JP2003033583 A JP 2003033583A JP 2003306691 A JP2003306691 A JP 2003306691A
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cocoa butter
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Toru Nezu
亨 根津
Onori Ito
大典 伊東
Sachiko Yamamoto
幸子 山本
Shoshi Maruzeni
詔司 丸銭
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Adeka Corp
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Asahi Denka Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カカオ脂のドライ分別において、濾過可能な
結晶を析出させ、風味良好な結晶部と液状部を得る分別
方法を提供すること。 【解決手段】 加熱溶解したカカオ脂を、カカオ脂の最
安定結晶の融点より15℃以上低い温度に冷却し、不安
定結晶を析出させた後、カカオ脂の最安定結晶の融点よ
り1〜13℃低い温度に保持し、粒状の最安定形結晶を
析出させ、結晶部と液状部に分離することを特徴とする
カカオ脂の分別方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカカオ脂の分別方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】カカオ
脂の分別方法として、従来、ヘキサンを用いたカカオ脂
の溶剤分別方法が提案されている(例えば特許文献1及
び特許文献2参照)。これらの溶剤分別方法で得られた
結晶画分は高いスナップ性と良好な口どけを有する品質
の高いチョコレート用油脂として利用でき、液状画分は
ソフトタイプのチョコレートやチョコレートフィリング
等に利用できるとされている。しかし、上記のような溶
剤分別で得られた結晶画分や液状画分は、漂白処理と脱
臭処理により溶剤を完全に除去する必要があり、これに
よりカカオ脂特有の風味が失われるという欠点があっ
た。
【0003】一方、ドライ分別では、完全に溶解したカ
カオ脂を融点以下の温度に保持するだけでは、微細な結
晶が析出し全体が固化するため、結晶部と液状部に分離
することができなかった。仮に、注意深く非常に長い時
間をかけて、ゆっくり結晶化した場合には、結晶部と液
状部を分離することは可能であるが、効率的ではない。
またこの場合、析出する結晶は数十μmから数cmの不
定形なものであり、結晶中に多くの液状部分を含み、結
晶部と液状部の分離効率が低くなる傾向があった。この
ような理由により、カカオ脂の効率的なドライ分別方法
は知られていなかった。
【0004】従って、本発明の目的は、カカオ脂のドラ
イ分別において濾過可能な結晶を析出させ、風味良好な
結晶部と液状部を得る分別方法を提供することにある。
【0005】
【特許文献1】英国特許第2117107号明細書
【特許文献2】特開2000−109879号公報
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
した結果、加熱溶解したカカオ脂を、カカオ脂の最安定
結晶の融点より15℃以上低い温度に冷却し、不安定結
晶を析出させた後、カカオ脂の最安定結晶の融点より1
〜13℃低い温度に保持し、粒状の最安定形結晶を析出
させ、結晶部と液状部に分離することを特徴とするカカ
オ脂の分別方法により、上記目的を達成したものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明のカカオ脂の分別方
法について詳細に説明する。
【0008】本発明のカカオ脂の分別方法で用いるカカ
オ脂としては、産地、製法に限定されることなく用いる
ことができる。
【0009】本発明のカカオ脂の分別方法では、まずカ
カオ脂を加熱溶解する。具体的にはカカオ脂を好ましく
は40℃以上、さらに好ましくは50℃以上、最も好ま
しくは50〜70℃で加熱溶解する。通常、カカオ脂は
最安定形結晶に固化した状態で流通している。そのた
め、カカオ脂の加熱溶解が不十分であると、その後の冷
却で不安定結晶が析出せず、粒状の最安定結晶ではな
く、微細な最安定形結晶が析出してしまいやすい。この
加熱溶解したカカオ脂は好ましくは40〜50℃、さら
に好ましくは40〜45℃、最も好ましくは40〜42
℃に放冷する。
【0010】次に、この加熱溶解したカカオ脂を、カカ
オ脂の最安定結晶の融点より15℃以上、好ましくは2
0℃以上、さらに好ましくは24〜35℃低い温度に冷
却し、不安定結晶を析出させる。
【0011】上記の最安定結晶とは、X線回折によりβ
形として同定される結晶である。DSCでは結晶を5℃
/分で昇温し溶解させた場合の主ピーク温度が30℃以
上あることで最安定形結晶であることが確認される。こ
こでいう最安定形結晶の融点は、基準油脂分析試験法の
変法によって知ることができる。すなわち、カカオ脂を
キャピラリーにとり、氷上で60分間結晶化した後、適
切な条件でエージングし、上昇融点を測定する方法であ
る。適切なエージング条件とは、最安定形結晶の融点が
31℃以上のカカオ脂の場合は26℃で1週間処理する
ことをいう。また、最安定形結晶の融点が31℃以下の
カカオ脂の場合は、15〜20℃で1週間処理すること
をいう。
【0012】また上記の最安定結晶の融点は、カカオ脂
の産地や製造方法によって異なるが、概ね28〜38℃
の範囲にある。いずれの場合も本方法によってドライ分
別が可能であり、特に限定されるものではないが、好ま
しくは29〜37℃、さらに好ましくは30〜36℃で
ある。
【0013】そして、上記の加熱溶解したカカオ脂を、
カカオ脂の最安定結晶の融点より15℃以上、好ましく
は20℃以上、さらに好ましくは24〜35℃低い温度
に冷却する。
【0014】また具体的な冷却温度としては、例えば最
安定形結晶の融点が34℃のカカオ脂であれば、加熱溶
解したカカオ脂を、好ましくは19℃以下、さらに好ま
しくは14℃以下、最も好ましくは−1〜10℃に冷却
することを意味する。
【0015】このときの上記の加熱溶解したカカオ脂を
カカオ脂の最安定結晶の融点より15℃以上低い温度に
冷却するときの冷却のスピードは、好ましくは0.01
〜10℃/分、さらに好ましくは0.1〜5℃/分であ
る。
【0016】そして、上記の最安定結晶の融点より15
℃以上低い温度での保持時間は、温度及び結晶化を行う
カカオ脂によって異なるため一概にはいえないが、好ま
しくは10分〜24時間、さらに好ましくは15分〜1
2時間、最も好ましくは30分〜6時間である。この最
安定結晶の融点より15℃以上低い温度で保持が終了し
た時点でのSFC(固体脂含量)、すなわち不安定結晶
の析出重量/溶解したカカオ脂の重量は、好ましくは8
5%以下、さらに好ましくは25〜85%、最も好まし
くは30〜85%である。
【0017】本発明のカカオ脂の分別方法において、加
熱溶解したカカオ脂をカカオ脂の最安定結晶の融点より
15℃以上低い温度に冷却するとき、攪拌をせず、可能
な限り流動しない状態で不安定結晶を析出させるのが好
ましい。特に静置状態とするのがよい。具体的には、加
熱溶解したカカオ脂を静置した状態で結晶化を行った
り、クーリングドラムを用いて結晶化を行うのがよい。
加熱溶解したカカオ脂を例えば、マーガリンの製造で用
いられる掻き取り熱交換機を用いて、激しく流動する状
態で結晶化を行うと、その後、最安定形結晶の融点より
1〜13℃低い温度に保持しても、分別可能な粒状結晶
を析出させることはできない。
【0018】上記のような冷却により、不安定結晶が析
出する。この不安定結晶とは、結晶をX線回折したと
き、γ形、α形、β’形のいずれかとして同定される結
晶である。DSCでは結晶を5℃/分で昇温し溶解させ
た場合の主ピーク温度が15〜30℃、好ましくは18
〜25℃であることで不安定結晶であると確認できる。
【0019】上記の不安定結晶の析出量は、加熱溶解し
たカカオ脂の好ましくは10〜85重量%、さらに好ま
しくは20〜85重量%、最も好ましくは50〜85重
量%である。上記の不安定結晶の析出量が、加熱溶解し
たカカオ脂の10重量%よりも少ないと、その後の冷却
で粒状の最安定形結晶が析出するまでに長時間を必要と
するため効率が悪くなりやすい。また上記の不安定結晶
の析出量が、加熱溶解したカカオ脂の85重量%よりも
多いと、その後の冷却で粒状の最安定形結晶ではなく、
濾過分離しにくい微細な最安定結晶となりやすい。
【0020】次に、カカオ脂の最安定結晶の融点より1
〜13℃、好ましくは1〜9℃、さらに好ましくは2〜
6℃低い温度に保持し、粒状結晶を析出させる。
【0021】上記の粒状結晶を析出させる際、本発明で
は上記で得られた不安定結晶をとりだして、粒状結晶を
析出させてもよいが、上記で得られた不安定結晶をとり
だすことなく、粒状結晶を析出させるほうが好ましい。
【0022】上記のカカオ脂の最安定結晶の融点より1
〜13℃低い温度に保持し、粒状結晶を析出させると
は、具体的には、例えば最安定形結晶の融点が34℃で
あるカカオ脂であれば、好ましくは21〜33℃、さら
に好ましくは25〜30℃、最も好ましくは28〜32
℃に保持することを意味する。
【0023】このときの上記の不安定結晶を析出させた
後、カカオ脂の最安定結晶の融点より1〜13℃低い温
度にするときの昇温のスピードは、好ましくは0.01
〜10℃/分、さらに好ましくは0.1〜5℃/分であ
る。
【0024】上記のカカオ脂の最安定結晶の融点より1
〜13℃低い温度での保持時間は、好ましくは5〜12
0時間、さらに好ましくは15〜75時間、最も好まし
くは20〜48時間である。
【0025】上記のカカオ脂の最安定結晶の融点より1
〜13℃低い温度に保持し、粒状結晶を析出させるとき
の温度は、一定の温度を保ってもよいが、粒状結晶の結
晶化の進み方にあわせて温度を変化させても構わない。
例えば、始めに最安定形結晶の融点より1〜5℃低い温
度に保持し、その後最安定結晶の融点より6〜13℃低
い温度に保持することで最安定形の粒状結晶を析出させ
てもよい。
【0026】上記の最安定結晶の融点より1〜13℃低
い温度に保持するとき、攪拌をせず、可能な限り流動し
ない状態で粒状結晶を析出させるのが好ましい。特に静
置状態とするのがよい。但し、ある程度、粒状結晶が析
出した後であれば、一時的に流動させてもよく、例え
ば、粒状結晶が析出し、かつ流動性を保った状態で別の
容器に移し、さらに結晶化を継続させるような操作を行
ってもよい。
【0027】上記のような冷却により、粒状結晶が析出
するのであるが、この粒状結晶とは粒径が0.1〜3m
mの凝集晶である。また、この凝集晶はDSCで5℃/
分で昇温し溶解させた場合の主ピーク温度が30℃以上
となることから、最安定形であることが確認できる。
【0028】そして、次に結晶部と液状部に分離する。
この分離方法としては、真空濾過やフィルタープレス等
の圧搾濾過の方法を用いるのが一般的である。また分離
方法は、通常のドライ分別等で行われている方法を適用
できるが、結晶部の量が多いため、スラリーが流動性を
示さない場合があり、分離を行う濾過機に挿入するとき
に、予め混合し、流動状にしてから、分離を行ったほう
がよい場合もある。
【0029】得られた結晶部と液状部の割合は、重量比
率で、好ましくは10:90〜90:10、さらに好ま
しくは20:80〜80:20、最も好ましくは25:
75〜75:25である。
【0030】上記の分別方法で得られた、結晶部、液状
部は共に良好なカカオ脂の風味を示す。カカオ脂には様
々な揮発性成分が含まれ、それらの総体としてカカオ脂
特有の風味が発現するが、代表的な揮発性成分としてト
リメチルピラジン等がある。従来の溶剤分別では、溶剤
を完全に除去するため漂白処理と脱臭処理を行う必要が
あり、カカオ成分中の揮発性成分は失われるという欠点
があった。例えば、原料のカカオ脂に含まれるトリメチ
ルピラジンは、溶剤分別によって、90%が失われてし
まう。しかし、本発明の分別方法においては溶剤除去の
必要がないため、該揮発性成分は、本発明で得られる結
晶部および液状部ともに含有される。よって、本発明で
得られた分別油は、カカオ風味が良好で、チョコレート
やチョコレート食品に使用した場合、カカオ脂のもつ豊
かな風味を保っているという特徴を有する。
【0031】次に、本発明の分別方法によりカカオ脂を
分別して得られた結晶部のトリグリセリド組成、および
揮発性成分について説明する。
【0032】POP(P:パルミチン酸、O:オレイン
酸)で表されるトリグリセリドの含有量は、10〜20
重量%、好ましくは10〜18重量%、最も好ましくは
10〜16重量%である。
【0033】POSt(St:ステアリン酸)で表され
るトリグリセリドの含有量は、30〜45重量%、好ま
しくは36〜43重量%、最も好ましくは37〜41重
量%である。
【0034】StOStで表されるトリグリセリドの含
有量は、25〜45重量%、好ましくは33〜45重量
%、最も好ましくは35〜45重量%である。
【0035】SOS(S:C16〜C18の飽和脂肪酸、
O:オレイン酸)で表されるトリグリセリドの含有量
は、好ましくは80〜95重量%、さらに好ましくは8
3〜95重量%、最も好ましくは85〜95重量%であ
る。また、上記結晶部のトリグリセリド組成は、SOS
含量が80〜95重量%であり、且つ、SOS/POP
が1〜4であることが好ましく、SOS含量が85〜9
5重量%であり、且つ、SOS/POPが2〜4である
ことが更に好ましい。さらに、上記結晶部の揮発性成分
としては、トリメチルピラジン含有量が0.2〜1.2
ppm、より好ましくは0.3〜0.8ppmである。
上記結晶部のトリグリセリド組成およびトリメチルピラ
ジン含有量が上記範囲であることにより、チョコレート
等として良好な口溶けと風味を維持しつつ、十分な耐熱
性を付与することが可能である。
【0036】また、本発明の分別方法によりカカオ脂を
分別して得られた液状部のトリグリセリド組成および揮
発性成分は以下の通りである。POP(P:パルミチン
酸、O:オレイン酸)で表されるトリグリセリドの含有
量は、10〜30重量%、好ましくは12〜28重量
%、最も好ましくは13〜27重量%である。
【0037】POSt(St:ステアリン酸)で表され
るトリグリセリドの含有量は、20〜45重量%、さら
に好ましくは21〜42重量%である。
【0038】StOStで表されるトリグリセリドの含
有量は、5〜25重量%、好ましくは5〜23重量%、
最も好ましくは5〜20重量%である。
【0039】SOS(S:C16〜C18の飽和脂肪酸、
O:オレイン酸)で表されるトリグリセリドの含有量
は、好ましくは45〜85重量%、さらに好ましくは5
0〜85重量%である。また、上記液状部のトリグリセ
リド組成は、SOS含量が45〜85重量%であり、且
つ、SOS/POPが1以下であることが好ましい。さ
らに、上記液状部の揮発性成分としては、トリメチルピ
ラジン含有量が1.0〜2.0ppm、より好ましくは
1.0〜1.8ppmである。上記液状部のトリグリセ
リド組成およびトリメチルピラジン含有量が上記範囲で
あることにより、チョコレート等のソフト化、口溶け感
の改良、自然なカカオ風味の付与あるいは強化等を行な
うことが可能である。
【0040】そして、さらにこのようにして得られた本
発明の結晶部又は液状部をさらにドライ分別してもよ
い。特に、液状部をさらに分別して得られた結晶部はカ
カオ脂中融点部として、液状部をさらに分別して得られ
た液状部はカカオ脂2段分別低融点部として使用するこ
とができ、その分別方法は、原料カカオ脂の融点が異な
る点以外は、原料カカオ脂としてカカオ脂を使用した場
合と同様に行なうことができる。本発明の分別方法によ
って、上記カカオ脂中融点部、および、カカオ脂2段分
別低融点部を得るには、原料カカオ脂として、本発明の
分別方法によって得られた液状部を用いる。該液状部の
最安定結晶の融点は、初発原料として使用したカカオ脂
の産地や分別条件によって異なるが、概ね26〜36℃
の範囲にある。いずれの場合も本方法によってドライ分
別が可能であり、特に限定されるものではないが、好ま
しくは27〜35℃、さらに好ましくは28〜34℃で
ある。
【0041】次に、本発明の分別方法により得られた上
記カカオ脂中融点部のトリグリセリド組成、および揮発
性成分について説明する。
【0042】POP(P:パルミチン酸、O:オレイン
酸)で表されるトリグリセリドの含有量は、15〜25
重量%、好ましくは17〜24重量%、最も好ましくは
19〜23重量%である。
【0043】POSt(St:ステアリン酸)で表され
るトリグリセリドの含有量は、38〜50重量%、好ま
しくは40〜49重量%、最も好ましくは42〜47重
量%である。
【0044】StOStで表されるトリグリセリドの含
有量は、15〜26重量%、好ましくは17〜25重量
%、最も好ましくは19〜24重量%である。
【0045】SOS(S:C16〜C18の飽和脂肪酸、
O:オレイン酸)で表されるトリグリセリドの含有量
は、好ましくは85〜99重量%、さらに好ましくは8
5〜97重量%、最も好ましくは85〜95重量%であ
る。また、上記カカオ脂中融点部のトリグリセリド組成
は、SOS含量が85〜95重量%であり、且つ、SO
S/POPが0.5〜1.2であることが好ましく、S
OS含量が85〜95重量%であり、且つ、SOS/P
OPが0.8〜1.2であることが更に好ましい。さら
に、上記カカオ脂中融点部の揮発性成分としては、トリ
メチルピラジン含有量が0.2〜1.0ppm、より好
ましくは0.3〜0.6ppmである。上記カカオ脂中
融点部のトリグリセリド組成およびトリメチルピラジン
含有量が上記範囲であることにより、チョコレート等と
して良好な、低温での硬さやスナップ性、およびカカオ
風味を維持しつつ、口溶けを改良することが可能であ
る。
【0046】また、本発明の分別方法により得られた上
記のカカオ脂2段分別低融点部のトリグリセリド組成お
よび揮発性成分は以下の通りである。POP(P:パル
ミチン酸、O:オレイン酸)で表されるトリグリセリド
の含有量は、15〜35重量%、好ましくは18〜32
重量%、最も好ましくは25〜30重量%である。
【0047】POSt(St:ステアリン酸)で表され
るトリグリセリドの含有量は、20〜40重量%、さら
に好ましくは20〜35重量%である。
【0048】StOStで表されるトリグリセリドの含
有量は、3〜15重量%、好ましくは3〜13重量%、
最も好ましくは3〜10重量%である。
【0049】SOS(S:C16〜C18の飽和脂肪酸、
O:オレイン酸)で表されるトリグリセリドの含有量
は、好ましくは45〜85重量%、さらに好ましくは4
5〜75重量%、最も好ましくは45〜70重量%であ
る。また、上記カカオ脂2段分別低融点部のトリグリセ
リド組成は、SOS含量が45〜85重量%であり、且
つ、SOS/POPが0.5以下であることが好まし
い。さらに、上記カカオ脂2段分別低融点部の揮発性成
分としては、トリメチルピラジン含有量が1.0〜2.
0ppm、より好ましくは1.0〜1.8ppmであ
る。上記カカオ脂2段分別低融点部のトリグリセリド組
成およびトリメチルピラジン含有量が上記範囲であるこ
とにより、チョコレート等のソフト化、口溶け感の改
良、自然なカカオ風味の付与あるいは強化等を行なうこ
とが可能である。
【0050】本発明の分別方法により得られた結晶部の
用途としては、チョコレートの硬さ調整、ホワイトチョ
コレート用油脂、マーガリン・ショートニングの原料油
脂等が挙げられ、液状部の用途としては、チョコレート
の硬さ調整やマーガリン・ショートニングの原料油脂、
アイスクリームやアイスコーティング用油脂、ホイップ
クリーム等のO/W型乳化油脂の原料油等が挙げられ
る。また、本発明の分別方法により得られたカカオ脂中
融点部の用途としては、チョコレート用油脂、ホワイト
チョコレート用油脂、マーガリン・ショートニングの原
料油脂等が挙げられる。また、本発明の分別方法により
得られたカカオ脂2段分別低融点部の用途としては、チ
ョコレートの硬さ調整やマーガリン・ショートニングの
原料油脂、アイスクリームやアイスコーティング用油
脂、ホイップクリーム等のO/W型乳化油脂の原料油等
が挙げられる。
【0051】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、これらの実施例により何ら制限され
るものではない。
【0052】〔実施例1〕ブラジル産カカオ脂(トリグ
リセリド組成は表1に記載)200gを60℃で30分
間溶解後、12×15cmのステンレス製トレイに充填
し、40℃に放冷した。次いで、トレイをプログラム式
空気恒温槽に入れ、30分間で5℃まで冷却し、5℃で
2時間保持し、不安定結晶を析出させた。このときの不
安定結晶の析出量は、溶解したカカオ脂の80.1重量
%であった。その後、30分間で26℃まで昇温し、2
6℃に48時間保持し、粒状の最安定結晶を析出させ
た。次にこれをフィルタープレスに入れ、0.2MPa
で20分、0.3、0.4、0.5、0.7、1.0M
Paで各10分間圧搾濾過し、結晶部と液状部を得た。
得られた結晶部と液状部の収率とトリグリセリド組成、
および揮発性成分含有量を表1に示した。
【0053】なお、実施例1で用いたブラジル産カカオ
脂の最安定結晶の結晶形はX線回析によりβ形で、DS
Cにて結晶を5℃/分で昇温し、溶解させた場合の主ピ
ーク温度、すなわち最安定結晶の融点は34.8℃であ
った。また不安定結晶の結晶形はX線回析によりα形
で、DSCにて結晶を5℃/分で昇温し、溶解させた場
合の主ピーク温度が19.3℃であった。さらに粒状の
最安定結晶の結晶形はX線回析によりβ形で、DSCに
て結晶を5℃/分で昇温し、溶解させた場合の主ピーク
温度が34.8℃であり、粒径は0.5〜1mmであっ
た。また、上記結晶部と液状部の揮発性成分の測定は固
相マイクロ抽出(SPME)ガスクロマトグラフィー法
で以下の様に行なった。10gの試料を30mlのSP
ME用バイアルにとり、スターラーで攪拌しながら、6
0℃、45分間、ヘッドスペース中の揮発性成分を抽出
した。抽出は固相がPDMS(Polydimethylsiloxane)
で膜厚100μmのファイバー(スペルコ社製)を用い
た。ガスクロマトグラフィーはキャピラリーカラム(ス
ペルコ社製SP2380、60m)を用い以下の条件で
行った。検出器はFIDを用いた。注入口および検出器
温度は240℃とした。オーブン温度は40℃、該温度
に4分間保持後、1分間あたり5℃で210℃まで昇温
しさらに10分間保持した。注入はスプリットレスモー
ド(4分)で行った。標準試料としてトリメチルピラジ
ン試薬(Lancaster社製、純度99%)を精製大豆油に0.
1から5ppm添加し、上記条件でトリメチルピラジン
の検量線を作成し、カカオ脂試料中のトリメチルピラジ
ン量を定量した。なお、原料カカオ脂に含まれるトリメ
チルピラジン含有量は、原料とするカカオ脂の産地等に
よって異なるが概ね1.02〜1.10ppmの範囲で
あった。
【0054】〔実施例2〕実施例1で用いたブラジル産
カカオ脂を実施例1と同様の方法にて、溶解、冷却し、
不安定結晶を析出させた。このときの不安定結晶の析出
量は、溶解したカカオ脂の79.2重量%であった。そ
の後、30分間で30℃に昇温し、72時間保持した以
外は実施例1と同様の方法にて、結晶部と液状部を得
た。得られた結晶部と液状部の収率とトリグリセリド組
成、および揮発性成分含有量を表1に示した。
【0055】実施例2で得られた不安定結晶の結晶形は
X線回析によりα形で、DSCにて結晶を5℃/分で昇
温し、溶解させた場合の主ピーク温度が21.3℃であ
った。実施例2で得られた粒状の最安定結晶の結晶形は
X線回析によりβ形で、DSCにて結晶を5℃/分で昇
温し、溶解させた場合の主ピーク温度が36.5℃であ
り、粒径は0.8〜1.2mmであった。
【0056】〔実施例3〕実施例1で用いたブラジル産
カカオ脂200g60℃で30分間溶解後、12×1
5cmのステンレス製トレイに充填し、40℃に放冷し
た。次いで、トレイをプログラム式空気恒温槽に入れ、
30分間で15℃まで冷却し、15℃で4時間保持し、
不安定結晶を析出させた。このときの不安定結晶の析出
量は、溶解したカカオ脂の35.5重量%であった。そ
の後、実施例1と同様の方法にて、結晶部と液状部を得
た。得られた結晶部と液状部の収率とトリグリセリド組
成、および揮発性成分含有量を表1に示した。
【0057】実施例3で得られた不安定結晶の結晶形は
X線回析によりβ' 形で、DSCにて結晶を5℃/分で
昇温し、溶解させた場合の主ピーク温度が28.6℃で
あった。さらに粒状の最安定結晶の結晶形はX線回析に
よりβ形で、DSCにて結晶を5℃/分で昇温し、溶解
させた場合の主ピーク温度が35.5℃であり、粒径は
0.3〜0.7mmであった。
【0058】
【表1】
【0059】〔比較例1〕実施例1で用いたブラジル産
カカオ脂200gを60℃で30分間溶解後、12×1
5cmのステンレス製トレイに充填し、40℃に放冷し
た。その後、30分間で26℃まで冷却し、26℃に7
2時間保持したが、結晶が析出しなかった。
【0060】〔実施例4〕インドネシア産カカオ脂(ト
リグリセリド組成は表2に記載)2000gを60℃で
30分間溶解後、30×40cmのステンレス製トレイ
に充填し、40℃に放冷した。次いで、トレイをプログ
ラム式空気恒温槽に入れ、30分間で5℃まで冷却し、
5℃で2時間保持し、不安定結晶を析出させた。このと
きの不安定結晶の析出量は、溶解したカカオ脂の82.
4重量%であった。その後、30分間で32℃まで昇温
し、32℃に24時間保持し、粒状の最安定結晶を析出
させた。次にこれをフィルタープレスに入れ、0.2M
Paで20分、0.3、0.4、0.5、0.7、1.
0MPaで各10分間圧搾濾過し、結晶部と液状部を得
た。得られた結晶部と液状部の収率とトリグリセリド組
成、および揮発性成分含有量を表2に示した。
【0061】なお、実施例4で用いたインドネシア産カ
カオ脂の最安定結晶の結晶形はX線回析によりβ形で、
DSCにて結晶を5℃/分で昇温し、溶解させた場合の
主ピーク温度、すなわち最安定結晶の融点は36.5℃
であった。また不安定結晶の結晶形はX線回析によりα
形で、DSCにて結晶を5℃/分で昇温し、溶解させた
場合の主ピーク温度が19.3℃であった。さらに粒状
の最安定結晶の結晶形はX線回析によりβ形で、DSC
にて結晶を5℃/分で昇温し、溶解させた場合の主ピー
ク温度が36.0℃であり、粒径は0.8〜1.0mm
であった。
【0062】〔実施例5〕実施例4で用いたインドネシ
ア産カカオ脂2000gを60℃で30分間溶解後、5
℃の冷却水を循環した冷却ドラムに接触させ、カカオ脂
を冷却ドラム上で結晶化し、不安定結晶を析出させた。
このときの不安定結晶の析出量は、溶解したカカオ脂の
71.2重量%であった。その後、ドラム上の不安定結
晶をスクレーパーでかきとり、フレーク状の不安定結晶
を得た。得られた不安定結晶を120分間で32℃まで
昇温し、32℃に24時間保持し、粒状の最安定結晶を
析出させた。次にこれをフィルタープレスに入れ、0.
2MPaで20分、0.3、0.4、0.5、0.7、
1.0MPaで各10分間圧搾濾過し、結晶部と液状部
を得た。得られた結晶部と液状部の収率とトリグリセリ
ド組成、および揮発性成分含有量を表2に示した。
【0063】実施例5で得られた不安定結晶の結晶形は
X線回析によりα形で、DSCにて結晶を5℃/分で昇
温し、溶解させた場合の主ピーク温度が19.3℃であ
った。さらに粒状の最安定結晶の結晶形はX線回析によ
りβ形で、DSCにて結晶を5℃/分で昇温し、溶解さ
せた場合の主ピーク温度が36.0℃であり、粒径は
0.5〜0.8mmであった。
【0064】〔実施例6〕実施例4で得られたカカオ脂
液状部200gを50℃で30分間溶解後、12×15
cmのステンレス製トレイに充填し40℃に放冷した。
次いで、トレイをプログラム式空気恒温槽に入れ、30
分間で5℃まで冷却し、5℃で2時間保持し、不安定結
晶を析出させた。このときの不安定結晶の析出量は、溶
解したカカオ脂液状部の55.7重量%であった。その
後、30分間で26℃まで昇温し、26℃に24時間保
持し、粒状の最安定結晶を析出させた。次にこれをフィ
ルタープレスに入れ、0.2MPaで20分、0.3、
0.4、0.5、0.7、1.0MPaで各10分間圧
搾濾過し、結晶部(カカオ脂中融点部)と液状部(カカ
オ脂2段分別低融点部)を得た。得られた結晶部と液状
部の収率とトリグリセリド組成、および揮発性成分含有
量を表2に示した。
【0065】なお、実施例6で用いたカカオ脂液状部の
最安定結晶の結晶形はX線回析によりβ形で、DSCに
て結晶を5℃/分で昇温し、溶解させた場合の主ピーク
温度、すなわち最安定結晶の融点は30.3℃であっ
た。また不安定結晶の結晶形はX線回析によりα形で、
DSCにて結晶を5℃/分で昇温し、溶解させた場合の
主ピーク温度が19.2℃であった。さらに粒状の最安
定結晶の結晶形はX線回析によりβ形で、DSCにて結
晶を5℃/分で昇温し、溶解させた場合の主ピーク温度
が30.0℃であり、粒径は0.8〜1.2mmであっ
た。
【0066】〔比較例2〕実施例4で用いたインドネシ
ア産カカオ脂500gを4000gのアセトンに溶解し
40℃で30分間溶解後、ゆっくり攪拌しながら18℃
まで冷却し、析出した結晶と液状部を減圧ろ過で分離し
た。それぞれの溶剤を蒸発除去した後、定法に従って漂
白と脱臭を行った。得られた結晶部と液状部の収率とト
リグリセリド組成、および揮発性成分含有量を表2に示
した。
【0067】
【表2】
【0068】〔実施例7〜10および比較例3〜5〕下
記〔表3〕に示した配合で、長さ10cm、幅6cm、
厚さ1cmのチョコレートを作製し、一週間、20℃で
エイジングを行なった後、下記の試験を行なった。 (1)レオメーターを用いた、スナップ性の測定 レオメーター(不動工業(株)製)にアダプタとして歯
形押棒Bを取りつけ、折れ試験用試料台の支持台間隔を
4cmに調整し、この支持台の上にチョコレートを乗せ、
速度6cm/分で、試料中央に上記アダプタによる負荷
をかけ、折れた時点での最大応力値を測定し、この数値
をスナップ性とした。その結果を下記表4に示す。 (2)官能試験 チョコレートを試食し、風味、口溶け,耐熱性(28℃
でのスナップ性)について官能評価を行なった。その結
果を下記表4に示す。なお、評価基準は以下のとおりと
した。 風味 評価◎ カカオ脂の風味を呈し、きわめて良好である。 評価○ 良好である。 評価△ カカオ脂の風味がやや弱い。 評価× カカオ脂の風味が弱く、不良である。 口溶け 評価◎ きわめて良好である。 評価○ 良好である。 評価△ やや不良である。 評価× 不良である。 耐熱性 評価◎ きわめて良好である。 評価○ 良好である。 評価△ やや不良である。 評価× 不良である。
【0069】
【表3】
【0070】
【表4】
【0071】上記の〔表3〕及び〔表4〕から明らかな
ように、実施例7〜10のチョコレートは、比較例3と
同様な良好な風味を持ちつつ、様々な物性に調整されて
いる。これに対して、比較例4、5のチョコレートはカ
カオ風味が劣るものであった。
【0072】〔実施例11〜14および比較例6、7〕
下記〔表5〕に示した配合で、長さ10cm、幅6c
m、厚さ1cmのホワイトチョコレートを作製し、一週
間、20℃でエ−ジングを行なった後、下記の評価を行
なった。その結果を〔表6〕に記した。 (1)レオメーターを用いた、スナップ性の測定 測定温度を20℃とした以外は、上記実施例7〜10、
比較例3〜5と同一の条件で行なった。 (2)官能試験 ホワイトチョコレートを試食し、スナップ性、口溶け、
風味について官能評価を行なった。その結果を下記〔表
6〕に示す。なお、評価基準は以下のとおりとした。 スナップ性 評価◎ 爽快なスナップ性を有し、きわめて良好である 評価○ 良好である。 評価△ やや不良である。 評価× べたつきあり、不良である。 口溶け 評価◎ 爽快な口溶けを有し、きわめて良好である。 評価○ 良好である。 評価△ やや不良である。 評価× 高融点部分が口に残り、不良である。 風味 評価◎ カカオ脂の風味を呈し、きわめて良好である。 評価○ 良好である。 評価△ カカオ脂の風味がやや弱い。 評価× カカオ脂の風味が弱く、不良である。
【0073】
【表5】
【0074】
【表6】
【0075】上記の〔表5〕及び〔表6〕から明らかな
ように、実施例11〜14のホワイトチョコレートは、
比較例6,7のホワイトチョコレートに比べ、スナップ
性が大きく向上していることが分かる。
【0076】
【発明の効果】本発明の分別方法により、風味良好な結
晶部と液状部を得ることができる。
フロントページの続き (72)発明者 山本 幸子 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 丸銭 詔司 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 Fターム(参考) 4B014 GB01 GG14 4B026 DC01 DG01 DP10 4H059 BB02 BB03 BC13 CA05 CA06 DA02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱溶解したカカオ脂を、カカオ脂の最
    安定結晶の融点より15℃以上低い温度に冷却し、不安
    定結晶を析出させた後、カカオ脂の最安定結晶の融点よ
    り1〜13℃低い温度に保持し、粒状の最安定形結晶を
    析出させ、結晶部と液状部に分離することを特徴とする
    カカオ脂の分別方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のカカオ脂の分別方法によ
    り得られたカカオ脂結晶部。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のカカオ脂の分別方法によ
    り得られたカカオ脂液状部。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のカカオ脂液状部を加熱溶
    解し、カカオ脂液状部の最安定結晶の融点より15℃以
    上低い温度に冷却し、不安定結晶を析出させた後、カカ
    オ脂液状部の最安定結晶の融点より1〜13℃低い温度
    に保持し、粒状の最安定形結晶を析出させ、結晶部と液
    状部に分離することにより得られたカカオ脂中融点部。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のカカオ脂液状部を加熱溶
    解し、カカオ脂液状部の最安定結晶の融点より15℃以
    上低い温度に冷却し、不安定結晶を析出させた後、カカ
    オ脂液状部の最安定結晶の融点より1〜13℃低い温度
    に保持し、粒状の最安定形結晶を析出させ、結晶部と液
    状部に分離することにより得られたカカオ脂2段分別低
    融点部。
  6. 【請求項6】 請求項2記載のカカオ脂結晶部を用いた
    食品。
  7. 【請求項7】 請求項3記載のカカオ脂液状部を用いた
    食品。
  8. 【請求項8】 請求項4記載のカカオ脂中融点部を用い
    た食品。
  9. 【請求項9】 請求項5記載のカカオ脂2段分別低融点
    部を用いた食品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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