JP2003306627A - 紡織品インクジェットプリント用インク組成物 - Google Patents

紡織品インクジェットプリント用インク組成物

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JP2003306627A JP2003063120A JP2003063120A JP2003306627A JP 2003306627 A JP2003306627 A JP 2003306627A JP 2003063120 A JP2003063120 A JP 2003063120A JP 2003063120 A JP2003063120 A JP 2003063120A JP 2003306627 A JP2003306627 A JP 2003306627A
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textile
inkjet printing
dye
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Chuan-Hsi Li
傳喜 李
Chien-Wen Li
建文 李
Hong-Chang Huang
▲こう▼璋 黄
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Everlight Chemical Industrial Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紡織品インクジェットプリント用インク組成
物の提供。 【解決手段】 紡織品インクジェットプリント用インク
組成物は、(a)少なくとも一種類の反応性染料、
(b)水、(c)少なくとも一種類の有機溶剤で組成さ
れ、該有機溶剤は0個或いは一個の第1級アルコ−ルを
具えたC4 −C6 多価アルコールより選択される。本発
明のインク組成物は、綿、綿合成、麻、麻合成のような
セルロース繊維、或いはウール及びナイロンのようなア
ミド含有繊維を含む材料の染色と印刷に適合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一種のインク組成物
に係り、特に紡織品インクジェットプリントに用いられ
るインク組成物であって、セルロース繊維に対するイン
クジェットプリントに適用されるインク組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリントは紡織工業中で
長年使用されている。この方法はハーフトーンの製造を
省略でき、このため大量にコストと時間を節約でき、要
求される多様な模様を短時間で形成できる。
【0003】テキスタイルプリントに関しては、インク
組成物に必要とされる特性は、粘度、安定性、表面張力
及び流動性である。また一方で、得られる印刷布地の特
性を高めるために、色強度(colour stren
ght)、固着力(fixation)、繊維−染料結
合安定性、及び湿潤堅牢性(wet fastnes
s)の高い品質が要求される。
【0004】インクジェットプリントに使用されるイン
ク組成物には水溶性染料或いは水に分散する顔料が含ま
れ、これらの染料或いは顔料は水中或いは水に溶ける有
機溶剤を含む溶液中に溶解或いは分散する。インク組成
物に界面活性剤を加えることによりインクの特性を改変
させて紡織用インクジェットプリントの要求に符合させ
ることができる。
【0005】特許文献1には紡織品インクジェットプリ
ント用インク組成物が示され、それは、少なくとも一種
類の反応性染料、一種類の多価アルコール及び水を含
み、該インク組成物はさらに反応性染料と多価アルコー
ルの反応による生成物を含む。この特許文献1のインク
組成物に添加される多価アルコールは、反応性染料の一
部を改質してその必要に符合させるために添加される。
さらに適合する組成物が使用されていないため、インク
の色強度及び固着率は満足のいくものではない。
【0006】特許文献2には、別のインク組成物が提示
されている。それは反応性染料、及び1,2−プロピレ
ングリコール或いはN−メチル−2−ピロリドンを含
む。この特許文献2はインクジェットプリントした布地
の色強度及び固着率の問題を改善する、ただし保存安定
性、ノズルのつまり、及び長時間プリントの安定性には
改善が必要である。
【0007】本発明者は紡織品インクジェットプリント
用インク組成物についての研究を重ね、上述の問題は特
殊溶剤を含むインク組成物により解決されることを発見
した。
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,603,756号明細書
【特許文献2】米国特許第6,015,454号明細書
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、一種
の紡織品インクジェットプリント用インク組成物を提供
することにあり、それはセルロース繊維或いはその他の
繊維混合織物の印刷に対して、多くの良好な特性を具え
たものとする。
【0010】本発明のインク組成物は、(a)少なくと
も一種類の反応性染料、(b)水、(c)少なくとも一
種類の有機溶剤で組成され、該有機溶剤は0個或いは一
個の第1級アルコ−ルを具えたC4 −C6 多価アルコー
ルより選択される。本発明のインク組成物は紡織品イン
クジェットプリント機、例えば圧電或いはサーモバブル
式インクジェットプリント機に適用される。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、
(a)少なくとも一種類の反応性染料、(b)水、
(c)0個或いは1個の第1級アルコ−ルを具えたC4
−C6 多価アルコールより選択された少なくとも一種類
の有機溶剤、以上で組成されたことを特徴とする、紡織
品インクジェットプリント用インク組成物としている。
請求項2の発明は、前記有機溶剤が0個の第1級アルコ
−ルを具えたC4 −C 6 多価アルコールとされたことを
特徴とする、紡織品インクジェットプリント用インク組
成物としている。請求項3の発明は、前記有機溶剤が1
個の第1級アルコ−ルを具えたC4 −C 6 多価アルコー
ルとされたことを特徴とする、紡織品インクジェットプ
リント用インク組成物としている。請求項4の発明は、
前記0個の第1級アルコ−ルを具えたC4 −C6 多価ア
ルコールが、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオー
ル(2,3−dimethyl−2,3−butane
diol)、2,3−ブタンジオール(2,3−but
anediol)、2,4−ペンタンジオール(2,4
−pentanediol)、2,5−ヘキサンジオー
ル(2,5−hexanediol)、或いはヘキシレ
ングリコール(hexylene glycol)とさ
れたことを特徴とする、請求項2に記載の紡織品インク
ジェットプリント用インク組成物としている。請求項5
の発明は、前記1個の第1級アルコ−ルを具えたC4
6 多価アルコールが、2−メチル−1,2−プロパン
ジオール(2−methyl−1,2−propane
diol)、1,2−ブタンジオール(1,2−but
anediol)、1,3−ブタンジオール(1,3−
butanediol)、1,2−ペンタンジオール
(1,2−pentanediol)、1,2−ヘキサ
ンジオール(1,2−hexanediol)、或いは
ヘキサン−1,3,5−トリオール(hexane−
1,3,5−triol)とされたことを特徴とする、
請求項3に記載の紡織品インクジェットプリント用イン
ク組成物としている。請求項6の発明は、0個の第1級
アルコ−ルを具えたC4 −C6 多価アルコールが、ヘキ
シレングリコール(hexylene glycol)
とされ、1個の第1級アルコ−ルを具えたC4 −C6
価アルコールが、1,3−ブタンジオール(1,3−b
utanediol)とされたことを特徴とする、請求
項1に記載の紡織品インクジェットプリント用インク組
成物としている。請求項7の発明は、前記反応性染料
が、モノクロロトリアジニル(monochlorot
riazinyl)、βスルファトエチルスルホン(β
−sulfatoethylsulfone)或いはビ
ニルスルホン(vinylsulfone)誘導体染料
とされたことを特徴とする、請求項1に記載の紡織品イ
ンクジェットプリント用インク組成物としている。請求
項8の発明は、前記反応性染料が、モノクロロトリアジ
ニル(monochlorotriazinyl)誘導
基グループ染料とされたことを特徴とする、請求項7に
記載の紡織品インクジェットプリント用インク組成物と
している。請求項9の発明は、前記反応性染料が、βス
ルファトエチルスルホン(β−sulfatoethy
lsulfone)或いはビニルスルホン(vinyl
sulfone)誘導基グループ染料とされたことを特
徴とする、請求項7に記載の紡織品インクジェットプリ
ント用インク組成物としている。請求項10の発明は、
前記反応性染料が、C.I反応性レッド3:1号、C.
I反応性レッド23号、C.I反応性レッド31号、
C.I反応性レッド33号、C.I反応性レッド24
号、C.I反応性イエロー2号、C.I反応性イエロー
18号、C.I反応性イエロー80号、C.I反応性イ
エロー95号、C.I反応性ブルー15号、C.I反応
性ブルー5号、C.I反応性ブルー49号、C.I反応
性ブルー71号、C.I反応性ブルー176号、C.I
反応性オレンジ12号、C.I反応性オレンジ13号、
C.I反応性ブラック8号、C.I反応性ブラック5号
より選択されることを特徴とする、請求項1に記載の紡
織品インクジェットプリント用インク組成物としてい
る。請求項11の発明は、前記反応性染料の含有量が、
全体のインク組成物に対して5〜35wt%とされ、そ
の水含有量は全体のインク組成物に対して35〜94.
9wt%、有機溶剤含有量は全体のインク組成物に対し
て0.1〜30wt%とされたことを特徴とする、請求
項1に記載の紡織品インクジェットプリント用インク組
成物としている。請求項12の発明は、前記反応性染料
の含有量が、全体のインク組成物に対して10〜30w
t%とされ、その水含有量は全体のインク組成物に対し
て50〜89wt%、有機溶剤含有量は全体のインク組
成物に対して1〜20wt%とされたことを特徴とす
る、請求項1に記載の紡織品インクジェットプリント用
インク組成物としている。請求項13の発明は、(d)
非イオン系界面活性剤、を含有することを特徴とする、
請求項1に記載の紡織品インクジェットプリント用イン
ク組成物としている。請求項14の発明は、前記非イオ
ン系界面活性剤が、
【化2】 で示されるアセチレングリコール誘導体とされ、そのう
ちnとmの総和が0〜50の整数とされたことを特徴と
する、請求項13に記載の紡織品インクジェットプリン
ト用インク組成物としている。請求項15の発明は、前
記nとmの総和が0から20の整数とされたことを特徴
とする、請求項14に記載の紡織品インクジェットプリ
ント用インク組成物としている。請求項16の発明は、
前記非イオン系界面活性剤の含有量がインク組成物総重
量に対して0.1〜3wt%とされたことを特徴とす
る、請求項13に記載の紡織品インクジェットプリント
用インク組成物としている。請求項17の発明は、
(e)緩衝物質、を含有したことを特徴とする、請求項
1に記載の紡織品インクジェットプリント用インク組成
物としている。請求項18の発明は、前記緩衝物質の含
有量がインク組成物総重量に対して0.1〜3wt%と
されたことを特徴とする、請求項17に記載の紡織品イ
ンクジェットプリント用インク組成物としている。請求
項19の発明は、(f)殺微生物剤、を含有したことを
特徴とする、請求項1に記載の紡織品インクジェットプ
リント用インク組成物としている。請求項20の発明
は、前記殺微生物剤の含有量がインク組成物総重量に対
して0.01〜1wt%とされたことを特徴とする、請
求項19に記載の紡織品インクジェットプリント用イン
ク組成物としている。請求項21の発明は、請求項1に
記載の紡織品インクジェットプリント用インク組成物を
使用してセルロース繊維材料を処理することを特徴とす
る、セルロース繊維のインクジェットプリント方法とし
ている。請求項22の発明は、前記セルロース繊維材料
が綿とされたことを特徴とする、請求項21に記載のセ
ルロース繊維のインクジェットプリント方法としてい
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は一種の紡織品インクジェ
ットプリント用インク組成物を提供し、それは(a)少
なくとも一種類の反応性染料、(b)水、(c)少なく
とも一種類の有機溶剤で組成され、該有機溶剤は0個或
いは一個の第1級アルコ−ルを具えたC4 −C6 多価ア
ルコールより選択される。
【0013】本発明の有機溶剤に適用される0個の第1
級アルコ−ルを具えたC4 −C6 多価アルコールは、
2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(2,3−
dimethyl−2,3−butanediol)、
2,3−ブタンジオール(2,3−butanedio
l)、2,4−ペンタンジオール(2,4−penta
nediol)、2,5−ヘキサンジオール(2,5−
hexanediol)、或いはヘキシレングリコール
(hexylene glycol)とされる。
【0014】本発明の有機溶剤に適用される一個の第1
級アルコ−ルを具えたC4 −C6 多価アルコールは、2
−メチル−1,2−プロパンジオール(2−methy
l−1,2−propanediol)、1,2−ブタ
ンジオール(1,2−butanediol)、1,3
−ブタンジオール(1,3−butanediol)、
1,2−ペンタンジオール(1,2−pentaned
iol)、1,2−ヘキサンジオール(1,2−hex
anediol)、或いはヘキサン−1,3,5−トリ
オール(hexane−1,3,5−triol)とさ
れる。
【0015】本発明の有機溶剤は上述の多価アルコール
の混合とされうる。例えば、ヘキシレングリコールと
1,3−ブタンジオールの二種類の有機溶剤を混合した
ものとされる。
【0016】本発明のインク組成物中、反応性染料は水
に可溶性で、且つモノクロロトリアジニル(monoc
hlorotriazinyl)誘導基グループの染
料、βスルファトエチルスルホン(β−sulfato
ethylsulfone)或いはビニルスルホン(v
inylsulfone)誘導基グループの染料とされ
る。該反応性染料はカラーインデックス(Color
Index)より選択でき、例えば、C.I反応性レッ
ド3:1号、C.I反応性レッド23号、C.I反応性
レッド31号、C.I反応性レッド33号、C.I反応
性レッド24号、C.I反応性イエロー2号、C.I反
応性イエロー18号、C.I反応性イエロー80号、
C.I反応性イエロー95号、C.I反応性ブルー15
号、C.I反応性ブルー5号、C.I反応性ブルー49
号、C.I反応性ブルー71号、C.I反応性ブルー1
76号、C.I反応性オレンジ12号、C.I反応性オ
レンジ13号、C.I反応性ブラック8号、C.I反応
性ブラック5号とされる。
【0017】本発明のインク組成物中の水溶性反応性染
料として上述の染料の塩或いはアルカリ金属或いはアン
モニウムを単独で、或いは混合して使用できる。好まし
くは、低い塩含有量を有するもの、すなわち、染料の総
重量に対して、反応性染料が0.5wt%より低い総塩
含有量を有するものとされる。準備段階で生成されるか
或いは後続の希釈剤添加により生成される塩は、例えば
超ろ過(ultra−filtration)、逆浸透
或いは透析方のような薄膜分離方法により除去される。
【0018】本発明のインク組成物は、インク総重量に
対して、その反応性染料含有量が5〜35wt%とさ
れ、その水含有量は35〜94.9wt%、有機溶剤含
有量は0.1〜30wt%とされる。
【0019】本発明のインク組成物は、好ましくは、反
応性染料含有量が10〜30wt%とされ、水含有量が
50〜89wt%、有機溶剤含有量が1〜20wt%と
される。
【0020】本発明のインク組成物中、有機溶剤の量は
ノズルの保湿性、プリントの安定性及び保存の安定性に
より定められ、溶剤含有量は0.1〜30wt%とさ
れ、さらに好ましくは1〜20wt%とされる。
【0021】本発明のインク組成物は、さらに(d)非
イオン系界面活性剤を含みうる。それは、以下の化学式
1で示されるアセチレングリコール誘導体とされ、具体
的には、例えばAir Products & Che
micals,Inc.製のSurfynol 46
5、Surfynol 485、Surfynol 4
20、Surfynol 104とされる。
【化3】 そのうちnとmの総和は0から50の整数とされる。好
ましくはnとmの総和は0から20の整数とされる。こ
の非イオン系界面活性剤の含有量は0.3〜3wt%と
され、さらに好ましくは、非イオン系界面活性剤の含有
量は0.1〜1wt%とされる。
【0022】本発明のインク組成物はさらに(e)緩衝
物質を含みうる。緩衝物質は、例えば、酢酸、酢酸塩、
リン酸、リン酸塩、ホウ砂、ほう酸塩、或いはレモン酸
塩とされうる。実際には、例えば、酢酸、酢酸ナトリウ
ム、リン酸、リン酸ナトリウム、ホウ砂、ほう酸ナトリ
ウム、四ホウ酸ナトリウムとレモン酸ナトリウムとされ
うる。これにより4〜9、好ましくは4〜8、最も好ま
しくは5〜7のpH値を得られる。インク総重量に対し
て緩衝物質の使用量は好ましくは0.1〜3wt%、最
も好ましくは0.1〜1wt%とされる。
【0023】本発明のインク組成物は、さらに(f)殺
微生物剤を含むか、或いは必要に応じて他の添加剤、例
えば消泡剤が加えられる。好ましくは、殺微生物剤の含
有量はインク組成物総重量に対して0.01〜1wt%
とされる。添加剤は例えばNUOSEPT(Nudex
Inc., a division of Hul
s.Amerialにより販売)、UCARCIDE
(Union Carbideにより販売)、VANC
IDE(RT Vanderbilt Co.,により
販売)、及び、PRXEL(ICI Americas
により販売)とされる。インク総重量に対して、これ
らの添加剤の通常使用量は0.01〜1wt%とされ
る。
【0024】本発明のインクは一般に周知の方法を用い
て、各成分が必要量の水中に混合されて製造される。
【0025】本発明のインク組成物は、セルロース繊維
材料の印刷に使用できる。繊維材料の実施例は、天然生
成のセルロース繊維、例えば、面、麻及び大麻、及びセ
ルロースと再生繊維とされる。さらに、ヒドロキシ基を
含む繊維を含む布への印刷に適用される。
【0026】本発明のインク組成物はインクジェット方
式で繊維に付着させられ、特に、圧電式、或いはサーモ
バルブ式インクジェットプリント機で使用される。
【0027】本発明のインク組成物は良好な色強度、固
着力、保存安定性、ノズルを塞ぎにくい性質、及び長時
間印刷の安定性と正確性を具えている。
【0028】本発明のインク組成物の印刷により得られ
る印刷布は良好な総合性能を具え、例えば、酸性とアル
カリ性範囲内で高い繊維−染料結合安定性、良好な日光
堅牢度、良好な耐湿潤堅牢度、例えば耐水洗堅牢度、耐
水堅牢度、耐海水堅牢度、耐交染堅牢度及び耐湿気堅牢
度、及び良好な耐塩素堅牢度、耐摩擦堅牢度、耐熱圧堅
牢度と耐折り皺堅牢度、及び、明晰な輪郭と高い色強度
を有する。
【0029】
【実施例】以下に実施例により本発明を説明するが、本
発明の請求範囲はこれに制限されるものではない。特に
記載がなければ、温度は摂氏温度、部(parts)及
び百分率(%)は重量により計算されたものとされる。
%重量と%体積の関係はキログラムとリットルの関係と
同じである。
【0030】・実施例1 C.I反応性イエロー80号14.5部、ヘキシレング
リコール5部、SURFYNOLS465の非イオン系
界面活性剤0.5部、Proxel x12殺微生物剤
1部、及び水78.1部を、均一に攪拌し、インク組成
物を得る。
【0031】・実施例2から12、及び比較例1から6 実施例1のステップを運用し、ただし成分の比率を以下
の表1と表2のように改変し、インク組成物を得る。
【表1】
【表2】
【0032】・比較例7 尿素100部、還元防止剤10部、重炭酸ナトリウム2
0部、アルギン酸ナトリム60部、及び温水810部の
合計1000部を攪拌して補助ペーストを得る3部の
C.I反応性ブルー49号染料を97部の補助ペースト
中に散らし、並びに急速攪拌する。マーセル法で処理し
た綿ツイルを100メッシュの45度のツイルハーフト
ーンで覆い、その上からカラーペーストをブラシ印刷
し、印刷した布を65℃のオーブンに入れて5分間加熱
乾燥させる。乾燥後の布をスチーマーに入れて102〜
105℃の常圧飽和蒸気で10分間蒸らす。その後、得
られた青色布を冷水で洗い、沸騰した熱水で10分間ボ
イルし、沸騰した非イオン系洗剤で10分間洗い、さら
に冷水で一度洗浄し、これを乾燥させる。
【0033】・比較例8から11 比較例7の手順を用い、しかし以下の表3に示される染
料を比較例7のC.I反応性ブルー49号染料の代わり
に用いてスクリーン印刷を行う。
【表3】
【0034】・印刷試験 〔印刷消耗材前処理〕尿素100部、還元防止剤10
部、重炭酸ナトリウム20部、アルギン酸ナトリム60
部、及び温水810部の合計1000部を攪拌して前処
理液を得る。使用する布はセルロース、及び綿、レーヨ
ンを含む再生繊維とする。本実験中で3/1ツイル布を
使用する。印刷前に布をローラで加圧して前処理液(P
ICK−UP 70%)に浸し、さらに100℃の熱風
で乾燥する。 〔印刷、色固着(Fixing)、及び後処理〕それぞ
れサーモバブル式プリント機(HP 870C)及び圧
電式プリント機(EPSON COLOR 420)を
使用する。実施例1から10で製造したインクをそれぞ
れプリンタに充填した後、上述の前処理を終えた布に印
刷し、50℃×2分の予乾燥後に、102−110℃の
飽和蒸気で8−15分の色固着を行う。その後、それぞ
れ100℃の水、及び洗剤を含む水で水洗した後、加熱
乾燥する。
【0035】・試験結果 上述の実施例1から10のインク組成物を、上述の印刷
プロセスで色固着後に水洗並びに加熱乾燥した結果を以
下の図4に示した。
【表4】 表4は本発明のインクの実際の印刷の評価結果を示し、
そのうち実施例1、3、5、7及び実施例2、4、6、
8は異なる溶剤を用いている。及び実施例9及び実施例
10は異なる染料と溶剤混合物を用いている。表4に示
されるように、本発明は良好なブリーディング、印刷安
定性及び貯蔵安定性を具え、インクジェットプリントに
応用できる。
【0036】実施例11、12と比較例1から6のイン
クジェットプリント用インク組成物を以上の印刷プロセ
スで色固着後に水洗並びに加熱乾燥したところ、その色
固着率結果は以下の表5のようになった。色固着率の算
出については、同じ面積で色固着前後に抽出した染料の
UVスペクトルABS値により計算し、その方法は以下
のとおりである。色固着前のサンプル布4×5cmより
抽出したABS値をA0 とする。色固着後のサンプル布
4×5cmより抽出したABS値をA1 とする。 色固着率=(1−A1 /A0 )。 本実験に用いるサンプル布は前述のように処理した3/
1ツイル綿布である。
【表5】 表5はインクに一般に常用されている溶剤と本発明の比
較とされ、結果から分かるように、同じ染料を異なる配
分で使用すると、本発明のインクの組成は伝統的な印刷
に相当する程度の優れた色固着率を有する。
【0037】上述の実施例1〜8と比較例8〜11の紡
織品インクジェットプリント用インク組成物に対する、
その色固着率と各種の堅牢度の試験結果を以下の表6及
び表7に示した。表6は圧電式印刷、表7はサーモバブ
ル式印刷の結果である。
【表6】
【表7】 表6及び表7中、「実施例1、2及び比較例8」、「実
施例3、4及び比較例9」、「実施例5、6及び比較例
10」、「実施例7、8及び比較例11」の各グループ
は同一の染料を異なる比率で配合したものである。デー
タ中より分かるように、本発明の実施例の色固着率は伝
統的な印刷よりも良好で、且つ堅牢度も耐摩擦堅牢度或
いは水洗堅牢度のいずれも伝統的な印刷と同等の水準を
達成している。同様に異なる染料を組み合わせた実施例
にあっても優れた結果を有する。
【0038】
【発明の効果】本発明で使用する溶剤は、前述の特許文
献1に提示されているが、しかしこの特許に記載された
多価アルコール有機溶剤は紡織品に適用されるものでは
なく、一般のデスクトップ型の紙用のインクジェットプ
リンタに使用されるものであり、且つその主要な機能は
反応性染料を一部改質して必要に符合させることにあ
る。上述の各種の試験結果に示されるように、本発明で
使用される溶剤は特に紡織品インクジェットプリント用
インク組成物に使用されて良好な色強度、高い色固着
力、保存安定性、ノズル詰まりを起こしにくい性質及び
長時間印刷の安定性と正確性を得ることができる。本発
明は伝統的なスクリーン印刷に相当する色固着率と色強
度を有するほか、インクジェットプリントの有する特性
も具備する。比較例1から6(特許文献1にも記載され
ている溶剤を使用)と比較すると分かるように、本発明
で使用する溶剤は本発明の特定用途と効果のための発明
とされ、本発明の属する技術における通常の知識を有す
る者が容易に予測できるものではなく、進歩性と新規性
を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA13 FC02 2H086 BA22 BA52 BA56 BA59 BA62 4J039 BC07 BC09 BC19 BC52 BC54 BC56 BC58 BE02 BE12 BE19 BE22 CA03 CA06 EA35 EA36 EA37 EA38 EA40 FA03 GA24

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)少なくとも一種類の反応性染料、 (b)水、 (c)0個或いは1個の第1級アルコ−ルを具えたC4
    −C6 多価アルコールより選択された少なくとも一種類
    の有機溶剤、 以上で組成されたことを特徴とする、紡織品インクジェ
    ットプリント用インク組成物。
  2. 【請求項2】 前記有機溶剤が0個の第1級アルコ−ル
    を具えたC4 −C6多価アルコールとされたことを特徴
    とする、紡織品インクジェットプリント用インク組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記有機溶剤が1個の第1級アルコ−ル
    を具えたC4 −C6多価アルコールとされたことを特徴
    とする、紡織品インクジェットプリント用インク組成
    物。
  4. 【請求項4】 前記0個の第1級アルコ−ルを具えたC
    4 −C6 多価アルコールが、2,3−ジメチル−2,3
    −ブタンジオール(2,3−dimethyl−2,3
    −butanediol)、2,3−ブタンジオール
    (2,3−butanediol)、2,4−ペンタン
    ジオール(2,4−pentanediol)、2,5
    −ヘキサンジオール(2,5−hexanedio
    l)、或いはヘキシレングリコール(hexylene
    glycol)とされたことを特徴とする、請求項2
    に記載の紡織品インクジェットプリント用インク組成
    物。
  5. 【請求項5】 前記1個の第1級アルコ−ルを具えたC
    4 −C6 多価アルコールが、2−メチル−1,2−プロ
    パンジオール(2−methyl−1,2−propa
    nediol)、1,2−ブタンジオール(1,2−b
    utanediol)、1,3−ブタンジオール(1,
    3−butanediol)、1,2−ペンタンジオー
    ル(1,2−pentanediol)、1,2−ヘキ
    サンジオール(1,2−hexanediol)、或い
    はヘキサン−1,3,5−トリオール(hexane−
    1,3,5−triol)とされたことを特徴とする、
    請求項3に記載の紡織品インクジェットプリント用イン
    ク組成物。
  6. 【請求項6】 0個の第1級アルコ−ルを具えたC4
    6 多価アルコールが、ヘキシレングリコール(hex
    ylene glycol)とされ、1個の第1級アル
    コ−ルを具えたC4 −C6 多価アルコールが、1,3−
    ブタンジオール(1,3−butanediol)とさ
    れたことを特徴とする、請求項1に記載の紡織品インク
    ジェットプリント用インク組成物。
  7. 【請求項7】 前記反応性染料が、モノクロロトリアジ
    ニル(monochlorotriazinyl)、β
    スルファトエチルスルホン(β−sulfatoeth
    ylsulfone)或いはビニルスルホン(viny
    lsulfone)誘導体染料とされたことを特徴とす
    る、請求項1に記載の紡織品インクジェットプリント用
    インク組成物。
  8. 【請求項8】 前記反応性染料が、モノクロロトリアジ
    ニル(monochlorotriazinyl)誘導
    基グループ染料とされたことを特徴とする、請求項7に
    記載の紡織品インクジェットプリント用インク組成物。
  9. 【請求項9】 前記反応性染料が、βスルファトエチル
    スルホン(β−sulfatoethylsulfon
    e)或いはビニルスルホン(vinylsulfon
    e)誘導基グループ染料とされたことを特徴とする、請
    求項7に記載の紡織品インクジェットプリント用インク
    組成物。
  10. 【請求項10】 前記反応性染料が、C.I反応性レッ
    ド3:1号、C.I反応性レッド23号、C.I反応性
    レッド31号、C.I反応性レッド33号、C.I反応
    性レッド24号、C.I反応性イエロー2号、C.I反
    応性イエロー18号、C.I反応性イエロー80号、
    C.I反応性イエロー95号、C.I反応性ブルー15
    号、C.I反応性ブルー5号、C.I反応性ブルー49
    号、C.I反応性ブルー71号、C.I反応性ブルー1
    76号、C.I反応性オレンジ12号、C.I反応性オ
    レンジ13号、C.I反応性ブラック8号、C.I反応
    性ブラック5号より選択されることを特徴とする、請求
    項1に記載の紡織品インクジェットプリント用インク組
    成物。
  11. 【請求項11】 前記反応性染料の含有量が、全体のイ
    ンク組成物に対して5〜35wt%とされ、その水含有
    量は全体のインク組成物に対して35〜94.9wt
    %、有機溶剤含有量は全体のインク組成物に対して0.
    1〜30wt%とされたことを特徴とする、請求項1に
    記載の紡織品インクジェットプリント用インク組成物。
  12. 【請求項12】 前記反応性染料の含有量が、全体のイ
    ンク組成物に対して10〜30wt%とされ、その水含
    有量は全体のインク組成物に対して50〜89wt%、
    有機溶剤含有量は全体のインク組成物に対して1〜20
    wt%とされたことを特徴とする、請求項1に記載の紡
    織品インクジェットプリント用インク組成物。
  13. 【請求項13】 (d)非イオン系界面活性剤、を含有
    することを特徴とする、請求項1に記載の紡織品インク
    ジェットプリント用インク組成物。
  14. 【請求項14】 前記非イオン系界面活性剤が、 【化1】 で示されるアセチレングリコール誘導体とされ、そのう
    ちnとmの総和が0〜50の整数とされたことを特徴と
    する、請求項13に記載の紡織品インクジェットプリン
    ト用インク組成物。
  15. 【請求項15】 前記nとmの総和が0から20の整数
    とされたことを特徴とする、請求項14に記載の紡織品
    インクジェットプリント用インク組成物。
  16. 【請求項16】 前記非イオン系界面活性剤の含有量が
    インク組成物総重量に対して0.1〜3wt%とされた
    ことを特徴とする、請求項13に記載の紡織品インクジ
    ェットプリント用インク組成物。
  17. 【請求項17】 (e)緩衝物質、を含有したことを特
    徴とする、請求項1に記載の紡織品インクジェットプリ
    ント用インク組成物。
  18. 【請求項18】 前記緩衝物質の含有量がインク組成物
    総重量に対して0.1〜3wt%とされたことを特徴と
    する、請求項17に記載の紡織品インクジェットプリン
    ト用インク組成物。
  19. 【請求項19】 (f)殺微生物剤、を含有したことを
    特徴とする、請求項1に記載の紡織品インクジェットプ
    リント用インク組成物。
  20. 【請求項20】 前記殺微生物剤の含有量がインク組成
    物総重量に対して0.01〜1wt%とされたことを特
    徴とする、請求項19に記載の紡織品インクジェットプ
    リント用インク組成物。
  21. 【請求項21】 請求項1に記載の紡織品インクジェッ
    トプリント用インク組成物を使用してセルロース繊維材
    料を処理することを特徴とする、セルロース繊維のイン
    クジェットプリント方法。
  22. 【請求項22】 前記セルロース繊維材料が綿とされた
    ことを特徴とする、請求項21に記載のセルロース繊維
    のインクジェットプリント方法。
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