JP2003305950A - 転写フィルム及びそれを用いたインクジェット用記録媒体の製造方法、及びインクジェット用記録媒体 - Google Patents
転写フィルム及びそれを用いたインクジェット用記録媒体の製造方法、及びインクジェット用記録媒体Info
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Abstract
る画像がオフセット印刷やグラビア印刷の印刷物に類似
した質感を持ち、かつ高濃度、高色域を有し、経時での
色差も低く、かつインク吸収速度の速いインクジェット
用記録媒体の製造方法を提供すること。 【解決手段】支持体上の少なくとも一方に、フィラー及
びバインダーを主成分としたインク受容層を少なくとも
1層設け乾燥させた後に、別の転写用のフィルム上にフ
ィラー及びバインダーを主成分とした染料定着層を1層
塗工し、乾燥前に前記インク受容層上に前記転写用フィ
ルムの染料定着層側を重ね合わせた後に乾燥させ、その
後前記転写用フィルムを剥離させることにより作成され
るインクジェット用記録媒体の製造方法であって、転写
用のフィルム表面を予めマイナスに帯電させておく製造
方法を提供する。
Description
ンターによって画像や文字などの情報を記録する場合
に、インク定着性および乾燥性が良好であり、且つ、美
観が良好で、記録部の発色も良く、印画物はオフセット
印刷やグラビア印刷による印刷物に類似した記録が可能
なインクジェット用記録媒体に関し、特にオフセット印
刷やグラビア印刷の校正用としても好適であるインクジ
ェット用記録媒体の製造方法に関するものである。
プリンターが普及している。なかでもインクジェットプ
リンターは、静粛性、コスト、画像品質が優れ、特にフ
ルカラー画像を高品位で再現でき、他方式にはない優れ
た性能を有し、さらなる普及が期待できる。特に近年で
は、インク滴の制御と濃淡インクの開発、および染料受
像層の性能向上に伴い、銀塩写真並の画像を得られるま
でに技術が進歩している。
正用途として、インクジェットプリンターを用いる機会
が多くなり、従って、校正用紙として用いることのでき
るインクジェット用記録媒体の開発の要望が高くなって
きている。上記インクジェット記録方式においては、イ
ンクとして、多くは染料を含有する水性インクが用いら
れており、また、記録紙として支持体上に染料受容層の
形成されたインクジェット用記録媒体を用いるのが一般
的である。
を挙げるなら、多孔質シリカをポリビニルアルコールに
分散させた受容層に、カチオン成分を添加したものを記
録媒体として設けることにより、インクをシリカ細孔に
物理的に吸収させ、かつカチオン成分を添加することに
よりにより染料を化学的に定着させる方法、アルミナゾ
ルを用いて、物理的にインクを吸収させながらアルミナ
により染料を化学的に定着させる方法、もしくは、カチ
オン性樹脂を用い、膨潤によりインクを物理的に吸収さ
せながらカチオン部により染料を化学的に定着させる方
法等がある。
ターにて、デジタルカメラで撮影した写真を印画する用
途も多くなり、写真調の高光沢なインクジェット用記録
媒体が数多く提案されている。しかしながら、このよう
な一般的な記録媒体においては、銀塩写真をターゲット
として、画質、光沢感、乾燥性、耐水性の向上を目的と
して開発されたものが多い。その為、これらの特性につ
いては満足の出来るものが多いが、印画物のみならず、
記録媒体そのものも銀塩写真の印画紙に類似した風合い
を持ち、オフセット印刷やグラビア印刷に用いられる印
刷用紙とは風合いが異なるものとなる。さらに印画物に
関しても、写真のような均一な光沢感は得られるもの
の、通常のオフセット印刷物或いはグラビア印刷物のよ
うな質感とは異なるものとなる。
塗工面をキャスト処理、もしくはカレンダー処理をする
方法、平滑なフィルム上に記録層を塗布し、別の支持体
上に転写させる方法等が考案されてきた。
は、膨潤した樹脂が印画部の光沢を低下させるとの観点
から、配合されるフィラー(顔料)の40%以上をBE
T表面積200〜600m2/gの多孔質シリカとし、
さらにカゼインとウレタン樹脂の配合率を規定し、この
材料を塗工、乾燥させる際にキャストコートを行うこと
で、印字部の光沢が低下しないというインクジェット用
記録媒体が示されている。しかしながら、この方法で得
られた記録媒体によるインクジェットでの印画物は、用
紙全体が光沢感に優れるものの、均一的であり、印刷物
とは異なる質感を持つものとなる。
では、塗工層の最外層に1次粒子の平均粒子径が3〜4
0nmで、2次粒子の平均粒子径が10〜300nmで
あるシリカ微粒子を含有し、最外層を設けた後、鏡面ロ
ールを有する熱カレンダーにより加熱、加圧して仕上げ
てなるインクジェット用記録媒体の記載があるが、これ
も均一的な光沢感を持ち、得られる画像はやはり印刷物
とは異なる質感を持つものとなる。
は、例えば、特開平10−86510号公報、特開平1
0−181184号公報、特開平10−287038号
公報、特開2000−280602号公報等で提案され
ている通り、多くは微粒子顔料を主成分とした受像層を
剥離剤の上に塗布し、支持体上に転写させ、光沢を発現
させている。これらの方法を用いると銀塩写真並の光沢
は得られるものの、印画物の光沢感は均一で銀塩写真に
類似したものであった。
ライ転写法等が提案され、いずれの技術も、高光沢なイ
ンクジェット用記録媒体は得られていた。しかし、一般
的な転写方法では、色濃度、色域の再現範囲が十分では
なく、特にグラビア印刷の色域再現範囲を満たすこと
は、十分ではなかった。また、印画後も光沢感は均一で
あり、オフセット印刷やグラビア印刷の印刷物の風合い
とは異なるものであり、印刷物の校正用途としては向か
ないものであった。
は、専用の印刷用紙の上に画像情報に基づいてインキを
のせ、乾燥や硬化させることにより画像情報を記録す
る。その際、印刷インクの一部は用紙内部に浸透する
が、その大部分は用紙の表面に留まるのが普通であり、
この表面に留まったインク皮膜が光沢を発現することに
なる。
刷においては、プリンターのノズルの先から吐出された
インクが、一般的に受容層と呼ばれる塗布層の内部に浸
透する。発色の原因となる染料をはじめ、インクに含ま
れる溶剤、添加剤等全てが内部に浸透してしまうため
に、印画部の光沢を積極的に上昇させることはない。そ
こで、インクジェット方式で形成された画像は、オフセ
ット印刷やグラビア印刷で印刷された画像とは異なった
風合いとなる。
似した風合いとなるためには、印画後の光沢感が印刷物
に類似する、すなわち印画部の光沢感が未印画部の光沢
度感よりも優れる必要がある。したがって、オフセット
印刷物、或いはグラビア印刷物のような風合いを持たせ
るためには、印画部の光沢度が未印画部の光沢度より高
くさせることが重要である。そのためには、インクジェ
ットプリンターから吐出されたインク中の染料を、出来
るだけ記録媒体の表面上に留めることが重要である。
刷の色域再現範囲を満たさなければならず、インクジェ
ット用記録媒体には十分な色域と色濃度の発現が求めら
れる。さらに、色域安定性も高く要望され、経時での色
差(ΔE)の値も低くなることが必要である。
が持つ問題点に鑑みてなされたものであって、すなわ
ち、記録媒体そのものが高光沢であり、かつ得られる画
像が、オフセット印刷やグラビア印刷の印刷物に類似し
た質感を持ち、かつ高濃度、高色域を有し、経時での色
差(ΔE)の値も低く、さらに、インク吸収速度の速い
インクジェット用記録媒体の製造方法を提供するもので
ある。
ナスに帯電されている基材フィルム上に、少なくともフ
ィラー及びバインダーを主成分とした染料定着層を設け
たことを特徴とする転写フィルムである。
ィルム表面の、表面電位値が−1000〜−100Vの
範囲であることを特徴とする請求項1記載の転写フィル
ムである。
定着層中にはカチオン性成分を含むことを特徴とする請
求項1または2に記載の転写フィルムである。
定着層中には1次粒子の平均粒子径が3〜50nmであ
る乾式法で作成されたシリカを含む事を特徴とする請求
項1ないし3のいずれかに記載の転写フィルムである。
フィルムの少なくとも染料定着層を塗工する面が、光沢
調整を目的とした表面処理を施されていることを特徴と
する請求項1ないし4のいずれかに記載の転写フィルム
である。
及びバインダーを主成分としたインク受容層を少なくと
も1層設けた支持体の、前記インク受容層面に、請求項
1ないし5のいずれかの転写フィルムの染料定着層面を
重ね合わせた後、転写用フィルムを剥離させることを特
徴とするインクジェット用記録用媒体の製造方法であ
る。
体のインク受容層面に、転写フィルムの染料定着層面を
重ね合わせることを、乾燥前に行い、重ね合わせ後乾燥
することを特徴とする請求項6に記載のインクジェット
用記録用媒体の製造方法である。
及びバインダーを主成分としたインク受容層を少なくと
も1層設けた支持体の、前記インク受容層面に、請求項
1ないし5のいずれかの転写フィルムの染料定着層面を
重ね合わせた後、転写用フィルムを剥離させて作成した
ことを特徴とするインクジェット用記録用媒体である。
体のインク受容層面に、転写フィルムの染料定着層面を
重ね合わせることを、乾燥前に行い、重ね合わせ後乾燥
させて作成したことを特徴とする請求項8に記載のイン
クジェット用記録用媒体である。
法として上記のようにしめした転写フィルムを用いる方
法は、非常に有効な手段である。ここで、通常の、塗布
等の一般的な方法を用いると、未印画物も印画物も光沢
感は均一であり、オフセット印刷やグラビア印刷の印刷
物とは、異なる光沢状態となる。
にマイナスに帯電させた基材フィルムを用いることによ
り、印画物が印刷物に類似する、すなわち印画部の光沢
感が未印画部の光沢感より優れ、さらに色域や色濃度の
再現範囲の広いインクジェット用記録媒体を得ることが
出来る。
分を含むことにより、より色域や色濃度の再現範囲が広
がり、かつ経時での色差(ΔE)が小さく、さらに印画
部の光沢度が未印画部の光沢度に比べてより高くなるこ
とが分かった。
転写フィルム上の表面がマイナスに帯電していることに
より、塗布された染着層中のプラスの電荷を持つ官能基
や極性部が転写フィルム側に配向する。その結果、転写
フィルムを剥離後は、インクジェット用記録媒体の染料
定着層最表面にプラスの電荷を持つ官能基、極性部が多
く存在することになると考えられる。従って印画を行う
とインクの染料が最表面に多く留まることになり、印画
部の光沢度上昇、ならびに色域や色濃度の広がりに繋が
るものと考えられる。
むことにより、カチオン性成分が転写フィルム側に密に
集中する。その結果、用いない場合よりもインク中の染
料がより早く定着し、また、より最表面に定着するため
に、色域や色濃度の広がり、色差(ΔE)の安定性に繋
がるものと考えられる。
子径3〜50nmの乾式法で作成されたシリカを含むも
のを用いることにより、より高光沢なインクジェット用
記録媒体を得ることが出来る。
着層を塗工する面が、光沢調整を目的とした表面処理を
施されているものより形成させることにより、光沢調整
が可能となる。
−1000〜−100Vであることにより、よりこれら
の効果が発揮される。これより低い値であるとこれらの
効果は低くなり、高い値であるとフィルムの剥離が困難
になる。
記録媒体の製造方法について詳細に説明する。本発明は
これに限定されるものではない。本発明は、1層以上の
インク受容層が設けられた支持体上に、表面がマイナス
に帯電された転写用フィルムの表面に塗布した染料定着
層を重ね合わせた後、転写用フィルムを剥離するインク
ジェット用記録媒体の製造方法である。このように、本
発明の製造方法で得られたインクジェット用記録媒体
は、特に印画濃度が高く、また色域再現範囲が広く、か
つ表面の光沢度が高くて印画後にはさらに印画部の光沢
感の優れるインクジェット用記録媒体となる。
ている支持体が適用可能である。例えば、合成紙、上質
紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、あるいは
板紙、等の各種の紙類が主に使用される。中でもコート
紙、アート紙、上質紙で通気度が低めのものを用いるこ
とが、転写面に、空気による小さな穴等の欠陥が発生し
難く、好適である。また、支持体の表面には、インク受
像層の接着性向上を目的に、コロナ放電処理やポリウレ
タン樹脂等によるアンカー層等の公知の易接着処理をし
ても良い。尚、支持体の平滑性は不問であり、硬度に関
しても規定しない。
的にマイナスに帯電されたフィルムを使用しても良い
し、未処理のフィルムを表面処理して使用しても良い。
このフィルムは、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、セロハン、ポリウレタン、ポリ塩化
ビニル等を用いることが出来る。なかでもポリエチレン
やポリプロピレンのフィルムは剥離が容易であり、好適
に用いられる。
ものでないが、薄すぎるとシワの発生の原因となり、厚
すぎると乾燥困難となったり、さらにコスト高となるた
めに、10ミクロンから100ミクロンの範囲が好適で
ある。
しては、一般的な方法を用いることが出来る。簡易にプ
ラスに帯電させる方法としては、コロナ帯電法がある。
コロナ帯電を行う場合では、電圧、時間はフィルムの帯
電状況により調整するが、おおよそ印加電圧−4kV、
印加時間1秒程度で行うのが適当である。
的とした表面処理を施されているものを用いることによ
り、種々の風合いを持たせることができるのでより好ま
しい。例えば、表面粗さをコントロールすることによ
り、グロス調、セミマット調、ダル調、マット調の光沢
や風合いを持ったインクジェット用記録媒体を得ること
が出来、所望する風合い、光沢度を持つインクジェット
用記録媒体を得ることができる。
れるものではなく、一般的なフィラーを用いることが出
来る。例えば、シリカ、アルミナあるいはアルミナ水和
物、酸化マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシ
ウム、二酸化チタン、ハイドロタルサイト、ゼオライ
ト、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バ
リウム等の無機フィラー、さらにはポリスチレン系、ポ
リアクリル系、ポリエチレン系、マイクロカプセル、中
空粒子等の有機フィラーを用いることが出来る。中で
も、インク受容層に用いるフィラーとしては、インクの
吸収性に優れており安価な点から、湿式シリカを用いる
ことが好ましい。この湿式シリカは、ゲル法シリカ、沈
殿法シリカ、どちらで製造されたものでも構わないが、
好ましくはポーラスな凝集構造を取り、よりインク吸収
性の高い沈殿法シリカを用いる。特に凝集粒子径が1〜
5μm、比表面積が250m2/gの沈殿法シリカを用
いた場合、インク吸収速度が大幅に向上する。
は、平均粒子径が小さくより高光沢な面が得られやすい
乾式法のシリカ、あるいはコロイダルシリカが好適に用
いられる。中でも2次凝集体の平均粒子径が50〜30
0nmである乾式シリカを用いた場合、インク吸収に必
要な十分な空隙が形成されるためにインク吸収性に優れ
るだけではなく、高光沢なインクジェット用記録媒体を
得ることができるためにより好ましい。
されるものではないが、フィラーとの親和性に優れる樹
脂を用いることが好ましい。例えば、アクリル樹脂、ポ
リビニルアルコール類、ウレタン樹脂、ポリエステル、
SBRラテックス、ヒドロキシセルロース類、ポリビニ
ルピロリドン等の樹脂を単体、或いは2種類以上を混合
させたものを用いることが出来る。
構造中にカチオン性成分を持つものであり、フィラー中
(表面処理を含む)、あるいはバインダー中、あるいは
各種添加剤中のいずれでも構わない。また、カチオンの
種類も問わないが、中でも窒素原子が四級化した四級ア
ンモニウム塩が入手容易かつ安価であり好適である。
定着層のフィラーとバインダーの混合比率は特に限定さ
れるものではないが、インク吸収性の面からフィラーに
よる空隙をできるだけ多くすることが好ましく、通常フ
ィラーとバインダー比が、3/2〜12/1の範囲、よ
り好ましくは2/3〜1/10の範囲である。これらの
範囲よりフィラーの比率が高くなると、成膜時にバイン
ダーの結着力の不足が生じ、ひび割れしたり、膜が脆く
なり剥がれる場合もある。またこれらの範囲よりバイン
ダーの比率が高くなると、フィラーの空隙が塞がれる
為、インクの吸収能力が低下し、滲みや乾燥不良、ある
いはコックリングの原因となる。
されず、また単層、もしくは多層どちらでも構わない
が、総じてインクを物理的に十分に吸収できる塗布量を
選定することが好ましい。通常は1〜50g/m2、好
ましくは10〜30g/m2の範囲である。塗布量が少
ない場合は、インク吸収量が十分とならず、滲みや、支
持体へのインク吸収によるコックリングの原因となる。
逆に多い場合は、コスト高となったり、膜が脆くなり粉
落ちの原因となる。この染料定着層の塗布量に関して
は、特に限定されないが、通常、2〜30g/m2、好
ましくは5〜15g/m2の範囲である。塗布量が少な
すぎる、もしくは多すぎる場合には、転写不良の原因と
なり、具体的には、塗布量が少ない場合インク吸収量が
不足し、塗布量が多い場合はコスト高となる。
類似したインクジェット記録媒体を得るためには、イン
ク受容層、もしくは染料定着層中に顔料を混合させ、色
合いを調整する。使用する顔料に関しては特に制限され
ないが、中間層の本来の目的を逸脱させない顔料の種
類、添加量を選択する。例えば、イエロー顔料としては
チタンイエロー、マゼンタ顔料としてはベン柄、シアン
顔料としてはコバルトブルーが用いられる。
架橋剤、染料固着剤、蛍光増白剤、界面活性剤、消泡
剤、pH調整剤、防腐剤、紫外線吸収剤、分散剤等の添
加剤を、本発明の目的を防げない範囲で、従来公知のも
のから任意に選択し含有させても良い。
などの諸特性改善のため、保護層、中間層、および背面
層を設けてもよい。本発明のインクジェット記録媒体を
作成するに当たっては、樹脂とフィラーおよび添加剤
を、分散機等を用いて分散、混合、または溶解する従来
公知の方法を用いれば良い。
染料定着層の転写用フィルム上への塗工に際しても、例
えばロールコーター法、フレードコーター法、エアナイ
フコーター法、ゲートロールコーター法、サイズプレス
コーター法、グラビアコーター法、バーコーター法、リ
ップコーター法、ダイコーター法等により支持体表面に
塗布する。
ンクジェット記録媒体の製造方法によれば、インクジェ
ット方式により印刷を行った場合、高光沢、かつ印画濃
度の高く、色域再現範囲が広く、経時での色差(ΔE)
が小さいインクジェット用記録媒体を得ることができ
る。さらに印画物がオフセット印刷やグラビア印刷の印
画物と類似した光沢感を持つため、印刷の校正用途とし
ても好適なインクジェット用記録媒体を得ることができ
る。
らに具体的に説明する。文中、「部」は特に断りのない
限り重量基準であり、また、固形分基準である。
ーカーを用いて40分間分散を行い、インク受容層用塗
工液を作成した。次に、支持体として市販の印刷用紙で
あるOKプリンス上質(王子製紙社製、127.9g/
m2)を用い、この片面上に、上記インク受容層塗工液
を乾燥後の塗布量が30g/m2となるようにワイヤー
バーを用いて塗布し、100℃のオーブンにて3分間乾
燥を行い、インク受容層を形成させた。
フィルムであるG100(三菱化学ポリエステルフィル
ム社製、25μm)の片面に、負極性の電極を用いたコ
ロナ帯電装置を用いて、印加電圧−4kVにて印加時間
1秒処理を行い、表面をマイナスに帯電させ、表面がマ
イナスに帯電された転写用フィルムを得た。
合となるように混合させてホモジナイザーを用いて分散
させることにより作成した。 乾式シリカ水分散液 (平均1次粒子径7nm、20%水分散液で使用) 50部 ポリビニルアルコール PVA−235 (クラレ社製、12%水溶液で使用) 15部 IPA 3部 この染料定着層用溶液を、上記表面処理を行った転写用
フィルム上へ乾燥塗布量が8g/m2となるようにワイ
ヤーバーを用いて塗布した。速やかに上記インク受容層
を重ね合わせ、ローラーを用いて貼り合わせた後、10
0℃のオーブンにて3分間乾燥させた。転写用のフィル
ムを剥離させ、インクジェット用記録媒体を得た。
合となるようにした他は、実施例1と同様の手順で操作
を行い、インクジェット用記録媒体を作成した。 カチオン変性乾式シリカ水分散液 (平均1次粒子径7nm、20%水分散液で使用) 50部 ポリビニルアルコール PVA−235 (クラレ社製、12%水溶液で使用) 15部 IPA 3部
となるようにした他は、実施例1と同様の手順で操作を
行い、インクジェット用記録媒体を得た。 カチオン変性乾式シリカ分散液 (平均1次粒子径7nm、20%水分散液で使用) 50部 ポリビニルアルコール PVA−235 (クラレ社製、12%水溶液で使用) 15部 ポリアリルアミン PAS−H−5L (日東紡社製、28%水溶液) 0.5部
合となるようにした他は、実施例1と同様の手順で操作
を行い、インクジェット用記録媒体を得た。 乾式シリカ分散液 (平均1次粒子径40nm、20%水分散液で使用) 50部 ポリビニルアルコール PVA−235 (クラレ社製、12%水溶液で使用) 15部
販のマット調ポリエステルフィルムであるPTH−50
(ユニチカ社製、50μm)の上記表面処理を行った転
写用フィルムを用いた他は、実施例1と同様の操作を行
い、インクジェット用記録媒体を得た。
記表面処理の行っていない未処理のフィルム(G10
0)を用いた他は、実施例1と同様の操作を行い、イン
クジェット用記録媒体を得た。
層用溶液を用い、上記方法により作成されたインク受容
層の上に、直接ワイヤーバーにて乾燥後の塗布量が8g
/m2となるように塗布し、100℃のオーブンにて3
分間乾燥を行い、インクジェット用記録媒体を得た。
て、インク受容層を設けていない支持体(OKプリンス
上質)を用いた他は、同様の操作を行い、インクジェッ
ト用記録媒体を得た。
媒体について、60°光沢度計IG−320(HORI
BA製)を用いて光沢度を測定した。また、キヤノン製
インクジェットプリンター(製品名;BJ−F870)
を用いて、評価画像を形成させた。Y、M、C、R、
G、Bのベタパターンより、印画30分後、さらに印画
24時間後の色域をスペクトロリノ(グレタグマクベス
社)を用いて測定し、そこから色差を求め、各色の平均
を示した。また24時間後の色域をオフセット印刷の再
現範囲と比較した。さらに、印画部光沢感の視覚評価も
行った。結果を表1に示す。
沢感を観察した。 ○; 未印画部と印画部で光沢感が上昇し、印刷物に類
似する。 △; 未印画部と印画部で光沢感が変化しないが、光沢
感はある。 ×; 未印画部と印画部で光沢感が変化せず、かつ光沢
感がない。
用記録媒体の製造方法によると、印画部の光沢感が未印
画部の光沢感と比較して高く、オフセット印刷やグラビ
ア印刷の印刷物に類似した画像が得られ、また、色域が
広く、色差の変化の値が小さいために、オフセット印刷
やグラビア印刷の校正用途としても好適なインクジェッ
ト用記録媒体を得ることができる。
示す断面図。
Claims (9)
- 【請求項1】電気的にマイナスに帯電されている基材フ
ィルム上に、少なくともフィラー及びバインダーを主成
分とした染料定着層を設けたことを特徴とする転写フィ
ルム。 - 【請求項2】前記基材フィルム表面の、表面電位値が−
1000〜−100Vの範囲であることを特徴とする請
求項1記載の転写フィルム。 - 【請求項3】前記染料定着層中にはカチオン性成分を含
むことを特徴とする請求項1または2に記載の転写フィ
ルム。 - 【請求項4】前記染料定着層中には1次粒子の平均粒子
径が3〜50nmである乾式法で作成されたシリカを含
む事を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の
転写フィルム。 - 【請求項5】前記基材フィルムの少なくとも染料定着層
を塗工する面が、光沢調整を目的とした表面処理を施さ
れていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか
に記載の転写フィルム。 - 【請求項6】フィラー及びバインダーを主成分としたイ
ンク受容層を少なくとも1層設けた支持体の、前記イン
ク受容層面に、請求項1ないし5のいずれかの転写フィ
ルムの染料定着層面を重ね合わせた後、転写用フィルム
を剥離させることを特徴とするインクジェット用記録用
媒体の製造方法。 - 【請求項7】前記支持体のインク受容層面に、転写フィ
ルムの染料定着層面を重ね合わせることを、乾燥前に行
い、重ね合わせ後乾燥することを特徴とする請求項6に
記載のインクジェット用記録用媒体の製造方法。 - 【請求項8】フィラー及びバインダーを主成分としたイ
ンク受容層を少なくとも1層設けた支持体の、前記イン
ク受容層面に、請求項1ないし5のいずれかの転写フィ
ルムの染料定着層面を重ね合わせた後、転写用フィルム
を剥離させて作成したことを特徴とするインクジェット
用記録用媒体。 - 【請求項9】前記支持体のインク受容層面に、転写フィ
ルムの染料定着層面を重ね合わせることを、乾燥前に行
い、重ね合わせ後乾燥させて作成したことを特徴とする
請求項8に記載のインクジェット用記録用媒体。
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JP2002112977A JP4042457B2 (ja) | 2002-04-16 | 2002-04-16 | 転写フィルム及びそれを用いたインクジェット用記録媒体の製造方法、及びインクジェット用記録媒体 |
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