JP2003305872A - インクジェットプリンタ及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェットプリンタ及びインクジェット記録方法

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JP2003305872A
JP2003305872A JP2002116066A JP2002116066A JP2003305872A JP 2003305872 A JP2003305872 A JP 2003305872A JP 2002116066 A JP2002116066 A JP 2002116066A JP 2002116066 A JP2002116066 A JP 2002116066A JP 2003305872 A JP2003305872 A JP 2003305872A
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ink
ink jet
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JP2002116066A
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Reiko Hori
令子 堀
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、プリンタにおけるプリントヘッド
及びインク供給部中に目詰まりを起こすことなく、安定
な印刷、特に温度変化が加わる環境下や長期保存の場合
での安定な印刷を可能としたインクジェットプリンタを
提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明は、プリントヘッドからインクを
吐出するまでの間にインクに接触し且つ脂肪酸類を含有
するインク接触部材を具備するインクジェットプリンタ
において、前記インク接触部材は、その10mm×10
mm×2mmの材片を前記インク20ml中に70℃×
10日間浸漬したときに、該インク中への前記脂肪酸類
の溶出量が30ppm以下となる材質から構成されるこ
とを特徴とする、インクジェットプリンタを提供するこ
とにより、前記課題を解決したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体に液体イ
ンクを用いるインクジェットプリンタ及びインクジェッ
ト記録方法に関し、詳細には、プリンタにおけるプリン
トヘッド及びインク供給部中に目詰まりを起こすことな
く、安定な印刷を可能としたインクジェットプリンタ及
びインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら、インクがその流路で安定して流動できるように、ク
リーンで安定したインクを供給でき、特に、初期状態だ
けでなく、温度変化や経時変化が加わっても、プリンタ
の印刷不良や印刷かすれ等の印字不良を起こさないイン
クジェットプリンタが提案され、開発されている。
【0003】例えば、特許第2874691号公報で
は、液体インクを有するインクタンクが、初期状態だけ
でなく、温度変化や経時変化が加わっても、プリンター
の印刷不良や印刷かすれを起こさないインクジェット記
録装置の提供を目的として、インクタンク中にインクを
貯蔵し、前記インクと接触する前記インクタンクの材料
が、10〜100ppmの脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導
体類を含有してなる樹脂及び/又は合成ゴムからなるイ
ンクジェット記録装置が提案されている。
【0004】また、特許第2696841号公報では、
上記と同様の目的として、インクタンク中にインクを貯
蔵し、前記インクと接触する前記インクタンクの材料
が、脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体類を含有してなる樹
脂及び/又は合成ゴムからなり、かつ前記インク中のナ
トリウムイオン濃度が0.001〜0.2重量%である
インクジェット記録装置が提案されている。
【0005】また、特開平9−3374号公報等では、
使用時及び長期保存時、温度環境の変化によってもノズ
ルの目詰まりや、飛翔方向曲がり、インク滴量変化、飛
翔速度変化による印字不良を起こすことのない水性イン
ク及びインクジェット記録方法の提供を目的として、水
溶性染料または顔料を着色剤として含有する水性インク
において、該インク中に含まれる脂肪酸の含有合計量が
0.3重量%以下である水性インク、及び水溶性染料ま
たは顔料を着色剤として含有する水性インクを記録液と
して用い、脂肪酸の含有合計量が0.3重量%以下であ
る前記水性インクを噴射して、被記録材に記録を行うイ
ンクジェット記録方法が提案されている。
【0006】しかし、前記の各従来技術では、プリンタ
におけるプリントヘッドやインク供給部中の目詰まり、
印刷の安定性、特に温度変化や長期保存の場合における
印刷の安定性を確保するには必ずしも充分ではないとい
う問題があった。
【0007】従って、本発明は、プリンタにおけるプリ
ントヘッド及びインク供給部中に目詰まりを起こすこと
なく、安定な印刷、特に温度変化が加わる環境下や長期
保存の場合での安定な印刷を可能としたインクジェット
プリンタを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究し
た結果、プリントヘッドからインクを吐出するまでの間
にインクに接触し且つ脂肪酸類を含有するインク接触部
材を具備するインクジェットプリンタにおいて、前記イ
ンク接触部材を特定の材質から構成したインクジェット
プリンタが、前記課題を解決し得ることの知見を得た。
【0009】本発明は、前記知見に基づきなされたもの
で、プリントヘッドからインクを吐出するまでの間にイ
ンクに接触し且つ脂肪酸類を含有するインク接触部材を
具備するインクジェットプリンタにおいて、前記インク
接触部材は、その10mm×10mm×2mmの材片を
前記インク20ml中に70℃×10日間浸漬したとき
に、該インク中への前記脂肪酸類の溶出量が30ppm
以下となる材質から構成されることを特徴とする、イン
クジェットプリンタを提供するものである。
【0010】また、本発明は、インクに接触し且つ脂肪
酸類を含有するインク接触部材を用いたインクジェット
記録方法において、前記インク接触部材として、10m
m×10mm×2mmの材片を前記インク20ml中に
70℃×10日間浸漬したときに、該インク中への前記
脂肪酸類の溶出量が30ppm以下となる材質から構成
した部材を使用することを特徴とする、インクジェット
記録方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその好ましい実施
形態に基づいて詳細に説明する。
【0012】本発明のインクジェットプリンタは、プリ
ントヘッドからインクを吐出するまでの間にインクに接
触し且つ脂肪酸類を含有するインク接触部材を具備する
インクジェットプリンタにおいて、前記インク接触部材
は、その10mm×10mm×2mmの材片を前記イン
ク20ml中に70℃×10日間浸漬したときに、該イ
ンク中への前記脂肪酸類の溶出量が30ppm以下とな
る材質から構成されることを特徴とする。
【0013】本発明は、このように、前記インク接触部
材として、これに接触するインク中への脂肪酸類の溶出
を一定量以下に抑制できる特定の材質から構成したこと
で、プリンタにおけるプリントヘッド及びインク供給部
中に目詰まりを起こすことなく、安定な印刷、特に温度
変化が加わる環境下や長期保存の場合での安定な印刷を
可能としたものである。尚、前記インク中における脂肪
酸類の含有量は、ガスクロマトグラフィー質量分析法
(GC/MS)等によって測定される。
【0014】本発明のプリンタに用いられるインク接触
部材は、インクに最初から接しているインク貯蔵用容器
をはじめ、プリントヘッドからインクを吐出するまでの
間に、全部又は一部が少なくともインクに接触するもの
全てが該当し、具体的には、インクを貯蔵するためのイ
ンクタンク〔具体的には、インクパック、HAV(ハ
ブ;弁構造を有するインクカートリッジ)、通常のイン
クカートリッジ、サブタンク等〕、インクタンク取付け
用部品〔例えば、インクパック取付け用針状部品、イン
クカートリッジ取付け用針状部品〕、チューブ、O(オ
ー)−リング等のインク供給部、プリントヘッド等が挙
げられる。
【0015】また、インク接触部材は、前述のように一
定条件下でのインク中への脂肪酸類の溶出が所定量以下
となるものである限りその材料に特に制限されないが、
その全部又は一部がインクと接触するため耐インク性を
有する材料のものが用いられる。かかるインク接触部材
としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、シリコーン樹脂、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、ABS樹脂、ポリアセタール(ポリオキ
シメチレン)、ナイロン、不飽和ポリエステル樹脂、P
ET、アラミド樹脂等の樹脂からなるものや、スチレン
ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム、クロロプ
レン、ニトリルゴム、ブチルゴム、EPDM、ウレタン
ゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、エピクロルヒド
リンゴム、フッ素ゴム等の合成ゴムからなるもの等が挙
げられる。
【0016】本発明に係るインク接触部材は、前述の通
り脂肪酸類を少なくとも含有するものである。この脂肪
酸類は、インク接触部材それ自身を構成する化学物質
(樹脂や合成ゴム等自身)以外に、樹脂等の重合時の安
定剤として又はフィルムに加工する時にローラーへの付
着を防止するスリップ剤として、通常添加されるもので
ある。本発明は、このように脂肪酸類を含有するインク
接触部材を用いても、これに接触するインク中への該脂
肪酸類の溶出を所定量以下に抑制したことで、本発明の
効果を達成したものである。
【0017】脂肪酸類は、インク接触部材の10mm×
10mm×2mmの材片をこれに接触するインク20m
l中に70℃×10日間浸漬したときに、該インク中へ
の脂肪酸類の溶出量が30ppm以下となるような量
で、インク接触部材中に含まれる。このように、インク
接触部材中の脂肪酸類の含有量を、該インク接触部材を
構成する樹脂や合成ゴム等から溶出する脂肪酸類の量を
一定量以下にできる量に限定することにより、プリンタ
におけるプリントヘッド及びインク供給部中に目詰まり
を起こすことなく、安定な印刷が可能となる。
【0018】脂肪酸類としては、炭素数8〜22のもの
が一般に使用され、その中でもステアリン酸、Ca、A
l、Mg、Znの、ステアリン酸金属塩(以後ステアリ
ン酸(Ca、Al、Mg、Zn)で表す)、ステアリン
酸アミド、エチレンビスステアリン酸、エチレンビスス
テアリン酸(Ca、Al、Mg、Zn)、エチレンビス
ステアリン酸アミド、ベヘン酸、ベヘン酸(Ca、A
l、Mg、Zn)、ベヘン酸アミド、オレイン酸、オレ
イン酸(Ca、Al、Mg、Zn)、オレイン酸アミ
ド、エルカ酸、エルカ酸(Ca、Al、Mg、Zn)、
エルカ酸アミド等がある。これら脂肪酸類は、一種又は
二種以上を混合して使用される。
【0019】特に、脂肪酸類としては、ステアリン酸、
ステアリン酸アミド及び/又はエチレンビスステアリン
酸アミド等のステアリン酸類、とりわけエチレンビスス
テアリン酸アミドがよく使用される。本発明において
は、このような脂肪酸類の溶出も抑制し、プリントヘッ
ド及びインク供給部中の目詰まりを防止することができ
る。
【0020】インク接触部材を構成する樹脂や合成ゴム
には、脂肪酸類以外の安定剤やスリップ剤、UV吸収
剤、酸化防止剤等の添加剤成分を、目的に応じて適当量
添加することができる。
【0021】本発明のインクジェットプリンタの好適な
一実施形態は、プリントヘッドと、インクを格納する交
換可能なインクタンクと、インクをインクタンクからプ
リントヘッドへ供給するためのインク供給部と、から基
本的に構成され、インクタンク中のインクが減少した場
合、インクタンクをインク供給部から切り離し、満たん
のインクを有するインクタンクをインク供給部へ連結
し、再びプリントヘッドへインクが供給可能となる。
【0022】また、プリントヘッドへゴミ等、ノズルを
目詰まらせる原因となる異物や不溶物を流さないため、
インク流路中にフィルタを設けることにより、プリンタ
ーの信頼性を向上することができる。
【0023】さらに、プリントヘッドが一体型インクタ
ンクから直接インクを供給され、インク供給部が省略さ
れたもの(オンキャリッジタイプのもの等)であっても
よい。
【0024】本発明のインクジェットプリンタに適用す
るインクは、取り扱い性がよくインク自身の乾燥による
ノズルの目詰りがおこらないことや、インク噴射用のプ
リントヘッドから高速応答してインクの液滴を吐出(噴
出)するためインクが低粘性流体といった特性が必要
で、一般に色材を水に溶解ないし分散させた水ベースの
水性インクが使用される。
【0025】インクに用いられる色材としては、ファー
ネスブラック、ランブブラック、アセチレンブラック、
チャンネルブラック等のカーボンブラック類等のブラッ
ク顔料や、C.I.ピグメントシリーズのイエロー顔
料、マゼンタ顔料、シアン顔料、バイオレット顔料、グ
リーン顔料等の各色の顔料が挙げられる。
【0026】顔料の配合量は、インク中に、好ましくは
0.1〜20重量%、更に好ましくは0.5〜10重量
%である。
【0027】尚、色材としては、前述した顔料の他、カ
ラーインデックスにある直接染料、酸性染料、塩基性染
料等の水溶性染料を使用することもできる。
【0028】また、色材として顔料を用いる場合には、
インク中には、該顔料を分散させるための分散剤が含ま
れる。分散剤として好ましい例としては、合成高分子が
挙げられ、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリ
ドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリ
ル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共
重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、ア
クリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル
系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メ
タクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリ
ル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン
−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン
−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチ
レン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、
スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン
−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸
共重合体、及び酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビ
ニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マ
レイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共
重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビ
ニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。これら
は、使用に際して単独か又は二種以上を混合して用いる
ことができる。
【0029】本発明において、特に好ましい分散剤は、
分散安定性等の点で、スチレン−(メタ)アクリル酸共
重合体の塩である。かかるスチレン−(メタ)アクリル
酸共重合体の塩は、基本的にはその構造中に少なくとも
スチレン骨格と(メタ)アクリル酸の塩の骨格を含んで
なるものを示し、構造中に(メタ)アクリル酸エステル
骨格等の他の不飽和基を有するモノマー由来の骨格を有
していても構わない。
【0030】分散剤の配合量は、顔料100重量部に対
して1〜100重量部であることが好ましく、より好ま
しくは2〜70重量部である。
【0031】また、本発明のプリンタに適用するインク
は、記録媒体への浸透性を向上させる成分を含む超浸透
型インクであることができる。超浸透型インクは、プリ
ンタにおけるプリントヘッド及びインク供給部中の目詰
まり抑止効果が高い。
【0032】本発明のプリンタに適用するインクは、浸
透剤を含むことができる。かかる浸透剤としては、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチル
エーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコ
ールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリ
コールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリ
コールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコール
モノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−
n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−
ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノー
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコール
モノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモ
ノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコール
モノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモ
ノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
メチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエ
ーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエ
ーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピ
ルエーテルの多価アルコールのアルキルエーテル類(グ
リコールエーテル)や、ブタンジオール、ペンタンジオ
ール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタン
ジオール等の炭素数4〜8の1,2−アルカンジオール
(好ましくは、炭素数6〜8の1,2−ヘキサンジオー
ル、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオ
ール等)の1,2−アルカンジオール類などが挙げら
れ、これら一種または二種以上の混合物として用いるこ
とができる。
【0033】本発明においては、浸透剤として、特にト
リエチレングリコールモノブチルエーテル等のブチルエ
ーテル系化合物や、1,2−アルカンジオール類を用い
ると、インクの表面張力を低下させ、インクの起泡性を
抑制して、インクとしての効果を向上できる。
【0034】浸透剤の配合量は、インク中に、好ましく
は0.1〜20重量%であり、更に好ましくは0.5〜
15重量%である。
【0035】また、本発明のプリンタに適用するインク
は、界面活性剤を含むことができる。かかる界面活性剤
としては、アニオン性界面活性剤(例えばドデシルベン
ゼルスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアン
モニウム塩等)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシ
エチレンアルキルアミド等)等を用いることができる。
特に、アセチレングリコール系界面活性剤〔例えば、オ
ルフィンY、E1010及びSTG(何れもAir Produc
ts Chemicals Inc.製)、並びにサーフィノール82、
104、440、465及び485(何れも日信化学工
業株式会社製)等〕や、ポリオルガノシロキサン系界面
活性剤等のシリコン系界面活性剤〔例えば、BYK−3
45、BYK−346、BYK−347、BYK−34
8(何れもビックケミー・ジャパン株式会社製)〕が有
用である。これらの界面活性剤は、単独か又は二種以上
を混合して用いることができる。
【0036】界面活性剤の配合量は、インク中、好まし
くは0.01〜10重量であり、更に好ましくは0.1
〜5重量%である。
【0037】また、本発明のプリンタに適用するインク
は、湿潤剤を含むこともできる。湿潤剤を用いると、特
にプリントヘッドのノズル部での目詰まり防止性を向上
することができる。かかる湿潤剤としては、例えば、グ
リセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、分子量2000以下のポ
リエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3
−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、
イソブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、メソエリスリトール、ペン
タエリスリトール等が挙げられる。これらの湿潤剤は、
単独か又は二種以上を混合して用いることができる。
【0038】湿潤剤の配合量は、インク中、好ましくは
0.05〜30重量であり、更に好ましくは3〜25重
量%である。
【0039】水については、超純水を用いることが好ま
しい。超純水を得るには通常の水道水を逆浸透膜やイオ
ン交換樹脂等、公知の手法により処理することにより得
ることができる。
【0040】インクには、その他の添加剤として、防腐
剤、補助溶剤、pH調整剤等を、必要に応じ添加するこ
とができる。
【0041】また、本発明においては、インクに接触し
且つ脂肪酸類を含有するインク接触部材を用いたインク
ジェット記録方法において、前記インク接触部材とし
て、10mm×10mm×2mmの材片を前記インク2
0ml中に70℃×10日間浸漬したときに、該インク
中への前記脂肪酸類の溶出量が30ppm以下となる材
質から構成した部材を使用することを特徴とする、イン
クジェット記録方法が提供される。本発明の記録方法に
おいては、前述したインクジェットプリンタを使用する
ことが好適な一実施態様である。尚、本発明の記録方法
におけるインク接触部材等についての詳細は、前述した
インクジェットプリンタにおけるインク接触部材等と同
様である。従って、本発明の記録方法において特に詳述
しない点は、前記インクジェットプリンタにおける事項
が適宜適用される。
【0042】本発明の記録方法によれば、インク接触部
材としてのインク供給部中に目詰まりを起こすことな
く、安定な印刷、特に温度変化が加わる環境下や長期保
存の場合での安定な印刷が可能となる。
【0043】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって
何等限定されるものではない。
【0044】(インクの調製)インクジェットプリンタ
に供するためのインクとして、次のインク1及びインク
2を調製した。
【0045】 インク1 (配合量) C.I.ピグメントブルー15:3(色材) 2重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7重量% グリセリン 10重量% オルフィンE1010 4重量% (Air Product and Chemicals, Inc製) 超純水 残量
【0046】 インク2 (配合量) カーボンブラック MA−7(色材) 5重量% (三菱化学社製) スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% ジエチレングリコール 5重量% グリセリン 10重量% BYK−347 0.4重量% (ビックケミー・ジャパン株式会社製) 1,2−ヘキサンジオール 0.6重量% 超純水 残量
【0047】実施例1〜4及び比較例1、2 (インクジェットプリンタの構造)本実施例及び比較例
のインクジェットプリンタは、セイコーエプソン株式会
社製のインクジェットプリンタMC10000を改造し
た評価用プリンタで、図1に示すように、インクが収容
された箱入りインクパック1と、該インクパック1のイ
ンク取出口に位置し且つ該インクパック1からインクを
取り出すための針状の部材(以下、「針」と称する)2
と、インクを吐出するためのプリントヘッド6と、イン
クパック1から供給されるインクを一時貯蔵し且つプリ
ントヘッド6にインクを必要量供給するためのサブタン
ク5と、インクパック1とサブタンク5との間及びサブ
タンク5とプリントヘッド6との間をそれぞれ繋ぐ2本
のチューブ4と、これらチューブ4における各末端部内
側全てに保持される接続用クッション材としての複数の
O−リング3、を具備する。
【0048】このインクジェットプリンタにおいて、イ
ンクは、インクパック1、針2、O−リング3、チュー
ブ4、O−リング3、サブタンク5、O−リング3、チ
ューブ4、プリントヘッド6(全て脂肪酸類としてのエ
チレンビスステアリン酸アミドを含有するインク接触部
材)と順次接触しながら、インクジェット記録に供され
る。インク接触部材の材質(脂肪酸類の溶出量は次に示
す方法で測定)を表1に示し、プリンタの構成部材の組
み合わせを表2に示す。
【0049】(脂肪酸類の溶出量の測定)表1に示す各
部材それぞれと同一の材質からなるテスト片(10mm
×10mm×2mm)を、20mlのインク1又はイン
ク2に浸漬し、70℃×10日間放置した。放置後のイ
ンク中の脂肪酸類(エチレンビスステアリン酸アミド)
の量(溶出量)をガスクロマトグラフィー質量分析法に
より測定した。その結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】(印刷試験)上記評価用プリンタに、イン
ク1又はインク2を充填したインクパックを装着し、テ
キストとグラフィックパターンが混在したB0サイズの
パターンを1枚/1日というペースで半年間印刷を行っ
た。印刷後、ヘッド直前に装着しているフィルターの詰
まり具合を下記基準に基づき評価した。
【0052】評価基準; A:フィルターには全く付着物がなかった。 B:一部付着物はあったが、詰まりはなかった。 C:フィルターの全面殆どが詰まりを起こした。
【0053】(目詰まり回復性試験)上記評価用プリン
タにインク1又はインク2を充填したインクパックを装
着し、すべてのノズルが吐出することを確認した後、電
源を切り、空調の整った室内に1年間放置した。放置
後、全ノズルが吐出するようになるまでに要したクリー
ニング回数を下記基準に基づき評価した。
【0054】 A:マニュアルクリーニングなし、または1回で回復し
た。 B:マニュアルクリーニング2〜5回で回復した。 C:マニュアルクリーニングを6回以上行っても回復し
なかった。
【0055】以上の評価結果をそれぞれ表2に示す。
【0056】
【表2】
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、プリンタにおけるプリ
ントヘッド及びインク供給部中に目詰まりを起こすこと
なく、安定な印刷、特に温度変化が加わる環境下や長期
保存の場合での安定な印刷を可能としたインクジェット
プリンタが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェットプリンタの一実施形態
が具備する構造の一部を示す概略断面図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリントヘッドからインクを吐出するま
    での間にインクに接触し且つ脂肪酸類を含有するインク
    接触部材を具備するインクジェットプリンタにおいて、 前記インク接触部材は、その10mm×10mm×2m
    mの材片を前記インク20ml中に70℃×10日間浸
    漬したときに、該インク中への前記脂肪酸類の溶出量が
    30ppm以下となる材質から構成されることを特徴と
    する、インクジェットプリンタ。
  2. 【請求項2】 前記脂肪酸類が、ステアリン酸類であ
    る、請求項1記載のインクジェットプリンタ。
  3. 【請求項3】 前記ステアリン酸類が、ステアリン酸、
    ステアリン酸アミド及び/又はエチレンビスステアリン
    酸アミドである、請求項2に記載のインクジェットプリ
    ンタ。
  4. 【請求項4】 前記インクが、浸透剤を含んでなるもの
    である、請求項1〜3の何れかに記載のインクジェット
    プリンタ。
  5. 【請求項5】 前記浸透剤が、ブチルエーテル系化合物
    及び/又は1,2−アルカンジオール類を含む、請求項
    4記載のインクジェットプリンタ。
  6. 【請求項6】 前記インクが、界面活性剤を含んでなる
    ものである、請求項1〜5の何れかに記載のインクジェ
    ットプリンタ。
  7. 【請求項7】 前記界面活性剤が、アセチレングリコー
    ル系界面活性剤及び/又はシリコン系界面活性剤を含
    む、請求項6記載のインクジェットプリンタ。
  8. 【請求項8】 インクに接触し且つ脂肪酸類を含有する
    インク接触部材を用いたインクジェット記録方法におい
    て、前記インク接触部材として、10mm×10mm×
    2mmの材片を前記インク20ml中に70℃×10日
    間浸漬したときに、該インク中への前記脂肪酸類の溶出
    量が30ppm以下となる材質から構成した部材を使用
    することを特徴とする、インクジェット記録方法。
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